JP2007294245A - 燃料電池のセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】コート層の形成に用いるコート材の使用量を減らす。
【解決手段】膜−電極アッセンブリ30とともに積層されることによってセル2を構成し、かつ反応ガスと冷却用冷媒の少なくとも一方を各セル2に給排するためのマニホールド15a〜17bを備えているセパレータ20に対し、少なくとも発電領域とマニホールド15a〜17bの周辺部分との間で連続するコート層であって、該コート層のうちマニホールド15a〜17bの周辺部分がその他の部分よりも相対的に高い耐食性を有するもの、または、当該コート層のうちマニホールド15a〜17bの周辺の層が相対的に膜−電極アッセンブリ30側のpHを当該セパレータ20側に伝達し難い特性を有するもの、の少なくとも一方をその表面に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池のセパレータに関する。さらに詳述すると、本発明は、表面にコート層が形成されるセパレータの構造の改良に関する。
一般に燃料電池(例えば固体高分子形燃料電池)は、電解質をセパレータで挟んだセルを複数積層することによって構成されている。また、セパレータには、各セルに反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)や冷却用の冷媒を供給しあるいは排出するためのマニホールドが形成されている。
従来、このようなセパレータに関しては、例えば電極との接触抵抗を小さくしてセル内の導電性を確保することを目的に、電極との接触面に直接金メッキを施すといった技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、当該メッキ部分にはほぼ均質なコート層が形成される。
特開平10−228914号公報
しかしながら、上述のように金メッキ等をするためには金のコート材を用いる必要があり、このように金等でコート層を形成するにあたっては、できるだけコート材の使用量を減らすことのできる技術が望まれているという面もある。
そこで、本発明は、コート層の形成に用いるコート材の使用量を減らせるようにした燃料電池のセパレータを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。上述のごとくセパレータの表面に形成されるコート層(コーティング)は、セル内またはセル間の導電性を確保し、尚かつ当該セパレータが腐食するのを抑制するという機能を発揮する。このように、導電性確保のみならず腐食抑制も行うという点に着目してさらに検討すると、セパレータにおいては、反応ガスや冷媒が流通するマニホールドの近傍において特に腐食が生じやすいという知見を得、これに基づいて課題を解決しうる技術に想到するに至った。
本発明はかかる知見に基づくものであり、膜−電極アッセンブリとともに積層されることによってセルを構成し、かつ反応ガスと冷却用冷媒の少なくとも一方を各セルに給排するためのマニホールドを備えている燃料電池のセパレータにおいて、少なくとも発電領域と前記マニホールドの周辺部分との間で連続するコート層であって、該コート層のうち前記マニホールドの周辺部分がその他の部分よりも相対的に高い耐食性を有するもの、または、当該コート層のうち前記マニホールドの周辺の層が相対的に前記膜−電極アッセンブリ側のpHを当該セパレータ側に伝達し難い特性を有するもの、の少なくとも一方が表面に形成されているというものである。
反応ガスや冷媒が流通するマニホールドの近傍においては腐食が生じやすいという本発明者の知見に基づけば、当該部分においてはある程度の厚さのコート層(腐食を抑制しうるだけの厚さ、例えば従来と同程度の厚さのコート層)を確保することが望ましい。この点、本発明のセパレータによれば、腐食が生じやすいマニホールドの周辺部分においてはある程度以上の耐食性を確保しつつ、それ以外の部分では相対的にコート材の使用量を減らすことが可能となる。
また、当該コート層のうち、マニホールドの周辺の層が相対的に膜−電極アッセンブリ側のpHを当該セパレータ側に伝達し難い特性を有するものであってもよい。発電を行なっている燃料電池の内部は酸性度が強くなるため、このような環境下では、金属(一例として銀)によってセパレータを被覆してもセパレータを被覆している銀自身が次第に腐食されてしまうおそれがある。これに対し、マニホールド周辺におけるコート層が、膜−電極アッセンブリ側のpHをセパレータ側には伝達し難い特性を有するものとなっていれば、セパレータを被覆しているコート層が次第に腐食されてしまうのを抑制することが可能となる。
ここで、上述のごときセパレータにおける前記発電領域は、例えば、前記反応ガスが流れるガス流路のうち前記膜−電極アッセンブリと重複し、尚かつ前記反応ガスまたは前記冷却用冷媒を封止するためのシール部材で囲まれている領域である。
また、セパレータにおいては、前記コート層のうち前記マニホールドの周辺部分における膜厚がその他の部分における膜厚よりも厚く形成されていることが好ましい。こうした場合、特にマニホールドの周辺部分においての耐食性を確保しつつコート材の使用量を減らすことが可能となる。
また、前記コート層は金メッキで形成されていてもよい。
さらに、上述のごときセパレータにおいて、前記発電領域であって前記反応ガスが流れるガス流路、および該ガス流路の反対面に形成され前記冷却用冷媒が流れる冷媒流路に設けられる前記コート層は、各セル内および各セル間の導電性を確保しうる最小限の膜厚かまたはそれ以上の膜厚に形成されていることが好ましい。こうした場合、少なくとも必要最小限の膜厚を確保して導電性を確保しつつコート材の使用量を減らすことが可能である。
本発明によれば、セパレータのうち腐食しがちなマニホールド近傍には選択的に必要十分な耐食性のコート層を設けつつ、全体としてコート材の使用量を減らすことが可能となる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明にかかる燃料電池のセパレータの実施形態を示す。本実施形態におけるセパレータ20は、反応ガス(例えば燃料ガス、酸化ガス)または冷却用冷媒(例えば冷却水)を各セル2に給排するためのマニホールド15〜17(図1においては各マニホールドを符号15a,15b,16a,16b,17a,17bで示す)を備えていて、膜−電極アッセンブリ30とともに積層されることによってセル2を構成しているものである。このようなセパレータ20に対し、本実施形態では、少なくとも、発電領域と各マニホールド15a〜17bの周辺部分との間に跨るように連続するコート層を設けることとしている。
以下に説明する実施形態においては、まず、燃料電池を構成するセル2の概略構成について説明し、その後、このようにセパレータ20の表面に形成されるコート層について説明することとする。
図1に本実施形態における燃料電池のセル2の概略構成を示す。セル2は、複数積層されてスタック(セルスタック)を構成する。また、このように形成されたスタックは、例えばスタック両端を支持板(図示省略)で挟まれ、さらにこれら対向する支持板どうしを繋ぐようにテンションプレート(図示省略)が配置された状態で積層方向への荷重がかけられて締結される。
なお、このようなセル2が積層されたスタックによって構成される燃料電池は、例えば燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして利用可能なものであるがこれに限られることはなく、各種移動体(例えば船舶や飛行機など)やロボットなどといった自走可能なものに搭載される発電システム、さらには定置の燃料電池としても用いることが可能である。
セル2は、電解質、具体例として膜−電極アッセンブリ(以下MEA;Membrane Electrode Assemblyと呼ぶ)30と、MEA30を挟持する一対のセパレータ20(図1においてはそれぞれ符号20a,20bを付して示す)とで構成されている(図1参照)。MEA30および各セパレータ20a,20bはおよそ矩形の板状に形成されている。また、MEA30はその外形が各セパレータ20a,20bの外形よりも小さくなるように形成されている。さらに、MEA30と各セパレータ20a,20bとは、それらの間の周辺部を第1シール部材13a、第2シール部材13bとともにモールドされている。
MEA30は、高分子材料のイオン交換膜からなる高分子電解質膜(以下、単に電解質膜ともいう)31と、電解質膜31を両面から挟んだ一対の電極32a,32b(アノードおよびカソード)とで構成されている。これらのうち、電解質膜31は、各電極32a,32bよりも僅かに大きくなるように形成されている。この電解質膜31には、その周縁部33を残した状態で各電極32a,32bが例えばホットプレス法により接合されている。
MEA30を構成する電極32a,32bは、その表面に付着された白金などの触媒を担持した例えば多孔質のカーボン素材(拡散層)で構成されている。一方の電極(アノード)32aには燃料ガス(反応ガス)としての水素ガス、他方の電極(カソード)32bには空気や酸化剤などの酸化ガス(反応ガス)が供給され、これら2種類の反応ガスによりMEA30内で電気化学反応が生じてセル2の起電力が得られるようになっている。
セパレータ20a,20bは、ガス不透過性の導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えばカーボンや導電性を有する硬質樹脂のほか、アルミニウムやステンレス等の金属(メタル)が挙げられる。本実施形態のセパレータ20a,20bの基材は板状のメタルで形成されているものであり(メタルセパレータ)、この基材の両面には耐食性および導電性に優れた膜(例えば金メッキで形成された皮膜)が形成されている。
また、セパレータ20a,20bの両面には、複数の凹部によって構成される溝状の流路が形成されている。これら流路は、例えば板状のメタルによって基材が形成されている本実施形態のセパレータ20a,20bの場合であればプレス成形によって形成することができる。このようにして形成される溝状の流路は酸化ガスのガス流路34や水素ガスのガス流路35、あるいは冷却水流路36を構成している。より具体的に説明すると、セパレータ20aの電極32a側となる内側の面には水素ガスのガス流路35が複数形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路36が複数形成されている(図1参照)。同様に、セパレータ20bの電極32b側となる内側の面には酸化ガスのガス流路34が複数形成され、その裏面(外側の面)には冷却水流路36が複数形成されている(図1参照)。例えば本実施形態の場合、セル2におけるこれらガス流路34およびガス流路35は互いに平行となるように形成されている。さらに、本実施形態においては、隣接する2つのセル2,2に関し、一方のセル2のセパレータ20aの外面と、これに隣接するセル2のセパレータ20bの外面とを付き合わせた場合に両者の冷却水流路36が一体となり断面が例えば矩形の流路が形成される構造となっている(図1参照)。なお、隣接するセル2,2のセパレータ20aとセパレータ20bは、それらの間における周辺の部分がモールドされるようになっている。
また、セパレータ20a,20bの長手方向の端部付近(本実施形態の場合であれば、図1中向かって左側に示す一端部の近傍)には、酸化ガスの入口側のマニホールド15a、水素ガスの出口側のマニホールド16b、および冷却水の出口側のマニホールド17bが形成されている。例えば本実施形態の場合、これらマニホールド15a,16b,17bは各セパレータ20a,20bに設けられた略矩形ないしは台形の透孔によって形成されている(図1参照)。さらに、セパレータ20a,20bのうち反対側の端部には、酸化ガスの出口側のマニホールド15b、水素ガスの入口側のマニホールド16a、および冷却水の入口側のマニホールド17aが形成されている。本実施形態の場合、これらマニホールド15b,16a,17aも略矩形ないしは台形の透孔によって形成されている(図1参照)。
上述のような各マニホールドのうち、セパレータ20aにおける水素ガス用の入口側マニホールド16aと出口側マニホールド16bは、セパレータ20aに溝状に形成されている入口側の連絡通路61および出口側の連絡通路62を介してそれぞれが水素ガスのガス流路35に連通している。同様に、セパレータ20bにおける酸化ガス用の入口側マニホールド15aと出口側マニホールド15bは、セパレータ20bに溝状に形成されている入口側の連絡通路63および出口側の連絡通路64を介してそれぞれが酸化ガスのガス流路34に連通している(図1参照)。さらに、各セパレータ20a,20bにおける冷却水の入口側マニホールド17aと出口側マニホールド17bは、各セパレータ20a,20bに溝状に形成されている入口側の連絡通路65および出口側の連絡通路66を介してそれぞれが冷却水流路36に連通している。ここまで説明したような各セパレータ20a,20bの構成により、セル2には、酸化ガス、水素ガスおよび冷却水が供給されるようになっている。ここで具体例を挙げておくと、例えば水素ガスは、セパレータ20aの入口側マニホールド16aから連絡通路61を通り抜けてガス流路35に流入し、MEA30の発電に供された後、連絡通路62を通り抜けて出口側マニホールド16bに流出することになる。
第1シール部材13a、第2シール部材13bは、ともに枠状でありほぼ同一形状に形成されている部材である(図1参照)。これらのうち、第1シール部材13aはMEA30とセパレータ20aとの間に設けられるもので、より詳細には、電解質膜31の周縁部33と、セパレータ20aのうちガス流路35の周囲の部分との間に介在するように設けられる。また、第2シール部材13bは、MEA30とセパレータ20bとの間に設けられるもので、より詳細には、電解質膜31の周縁部33と、セパレータ20bのうちガス流路34の周囲の部分との間に介在するように設けられる。
さらに、隣接するセル2,2のセパレータ20bとセパレータ20aとの間には、枠状の第3シール部材13cが設けられている(図1参照)。この第3シール部材13cは、セパレータ20bにおける冷却水流路36の周囲の部分と、セパレータ20aにおける冷却水流路36の周囲の部分との間に介在するように設けられてこれらの間をシールする部材である。ちなみに、本実施形態のセル2においては、セパレータ20a,20bにおける流体の各種通路(34〜36,15a,15b,16a,16b,17a,17b,61〜66)のうち、各種流体の入口側のマニホールド15a,16a,17aおよび出口側のマニホールド15b,16b,17bが、第1シール部材13a、第2シール部材13bや第3シール部材13cの外側に位置する通路ということになる(図1参照)。
続いて、セパレータ20の表面に形成されるコート層について説明する(図1参照)。
本実施形態では、上述したように、少なくとも、発電領域と各マニホールド15a〜17bの周辺部分との間に跨るように連続するコート層を設けている。ここでいう連続とは、コート層に含まれる少なくとも一の成分が好ましくは途切れなく連続的に連なっている態様であることをいう。また、本明細書でいう発電領域とは、例えば、酸化ガスのガス流路34や水素ガスのガス流路35のうちMEA30と重複している領域であり、尚かつ、反応ガスまたは冷却用冷媒を封止するためのシール部材で囲まれている領域が該当する。本実施形態の場合には、上述した各シール部材13a,13b,13cが、セル2における水素ガスや酸化ガス、あるいは冷却水を封止するように機能しており、少なくともこれらシール部材13a〜13cによって囲繞された領域が本明細書でいう発電領域に含まれている。
また、本実施形態では、セパレータ20の表面に形成されているコート層のうち、マニホールド15a〜17bの周辺部分がその他の部分よりも相対的に高い耐食性を有するものとしている。このように部分的かつ選択的に耐食性の大小ないしは高低の程度を変化させることの具体的な手段は限定されるものではないが、例えば本実施形態では、当該コート層のうち、マニホールド15a〜17bの周辺部分における膜厚がその他の部分における膜厚よりも厚くなるように形成することとしている。こうした場合、当該膜の厚みに応じて選択的に耐食性を変化させることが可能である。
一方、上述した発電領域に形成されるコート層について、本実施形態では、セル2内および各セル2間の導電性を確保しうる最小限の膜厚となるようにしている。これは、当該部分の膜厚が最小限の厚さを超えることを妨げるものではないが、上述したような導電性を確保しつつ、膜厚をできる限り薄く形成することができればその分だけコート材の使用量を減らせるという点で好ましい。
以上、ここまで説明した本実施形態の燃料電池のセパレータ20によれば、従来のコート層(コーティング)と同等の機能を確保しつつコート材の使用量を減らすことが可能となる。つまり、上述のセパレータ20においては、当該セパレータ20のうち腐食しがちなマニホールド15a〜17bの近傍には選択的に必要十分な耐食性のコート層を設けつつ、全体としてコート材の使用量を減らすことができる。別の表現をすれば、腐食の生じやすい部分には例えば従来と同程度の耐食性を付与する一方で、それ以外の部分(例えば発電領域中)においては導電性を確保しうる程度のコート層としているため、その差分だけコート材の使用量が減ることになる。これによれば、ある一定値以上の耐食性を確保しつつコート材の使用量を減らすことが可能となる。
また、本実施形態にて説明したようなコート層は比較的形成しやすいものでもある。すなわち、例えば図1に示したA−AラインやB−Bラインの外側部分のコート層を厚くする場合であれば、例えばこれらA−AラインやB−Bラインを液面に合わせる形でどぶづけ(メッキ浴への含浸)を実施すれば、マニホールド15〜17の周辺部分において例えば金メッキからなる所定厚さのコート層を比較的簡便な工程にて形成することができる。なお、図1においてはセパレータ20aについてのみ便宜的にA−AラインやB−Bラインを示しているが、これは他のセパレータ(例えば20b)に対する適用についても同様である。また、コート層を設ける場合にはセパレータ20の材質等に応じた工程を行うことが好ましい。例えばステンレス製のセパレータ20に対する腐食対策としては、導電率の低い酸化膜を除去したうえで金メッキを施したり、場合によってはさらにその上にカーボンコートしたりすることが好ましい。
なお、当該コート層のうち、マニホールド15〜17の周辺の層が相対的にMEA(膜−電極アッセンブリ)30側のpHを当該セパレータ20側に伝達し難い特性を有するものであることも好ましい。発電を行なっている燃料電池の内部は酸性度が強くなるため、このような環境下では、金属(一例として銀)によってセパレータ20を被覆してもセパレータ20を被覆している銀自身が次第に腐食されてしまうおそれがある。これに対し、マニホールド15〜17の周辺におけるコート層がMEA30側のpHをセパレータ20側には伝達し難い特性を有するものとなっていれば、セパレータ20を被覆しているコート層が次第に腐食されてしまうのを抑制することが可能となる。例えば、金属コート層をさらにカーボンコート層によって被覆することとすれば、金属コート層がさらされる環境がより穏やか(pHが中性より)になり、金属コート層が腐食してしまうのを抑えることができる。カーボンコート層は例えば炭素材料をバインダによって結着させてなるもので、貴金属コート層の表面が直接燃料電池の内部環境にさらされるのを防ぐ。ここで、カーボンコート層を構成している炭素材料は、ごく微量の水を徐々に浸透させる性質を有しており、さらに、炭素材料とバインダとの界面を介してもごく微量の水が徐々に浸透するおそれがあるが、金属コート層上にカーボンコート層を設けることで、金属コート層の表面とセパレータ20の表面(カーボンコート層の表面)との間には、充分なプロトン濃度勾配が生じ、セパレータ20の周囲の環境が例えばpH2となった場合にも、カーボンコート層に覆われた金属コート層の表面は、はるかに穏やかな(pHが中性よりの)環境となる。このような環境下では、上記した燃料電池の内部環境に直接さらされる場合とは異なり、イオン化傾向が非常に小さい貴金属(一例として銀)は充分に安定である。したがって、金属コート層は、燃料電池の内部が上記したように酸性度が強い状態となり、カーボンコート層が備える炭素材料を介して水が浸透してきても、燃料電池の運転中に腐食が進行してしまうおそれがない。このように金属コート層が腐食するのを抑制できることにより、金属コート層によって覆われる下地のコート層や基板部などが腐食するのを充分に抑えることができる。炭素材料とバインダとからなるカーボンコート層も充分な耐食性を有しているため、セパレータ20は全体として高い耐食性を示し、これを用いる燃料電池の耐久性も充分となりうる。なお、バインダとしては、樹脂系材料やゴム系材料を単独、あるいはこれらのうちの複数のものを組み合わせて用いればよい。カーボンコート層を形成するには、上記炭素材料と溶解したバインダとを混合したものに、下地コート層および金属コート層を形成した基板部を浸漬したり、あるいは上記混合物を金属コート層上にスプレーしたりすればよい。また、上記混合物を、カーテンフロー塗装により塗布することもできる。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述した実施形態ではコート層の耐食性ないしは防食性を変えるための好適な手段の一例として膜厚を変える場合について例示したがこれに限定されるわけではない。他の例を示せば、例えば、コート層(コーティング)の密度を部分的に変えることによって耐食性を選択的に変化させることが可能であるし、あるいは、材質を変えることによって耐食性を選択的に変化させることも可能である。このようにして耐食性を変化させることの具体例を簡単に示すと以下のとおりである。
第一は、メッキの成分のうち耐食性に寄与する成分の濃度を変えるというものである。これは、例えばマニホールド15a〜17b(の一部または全部)の周りだけいわゆる24金(24カラットの金)のメッキで他は18金(18カラットの金)のメッキにするというような手法である。この場合、コート層(コーティング)の厚みは一定でもよい。
第二は、カーボン粒子や金粒子などの、セパレータ基材よりも耐食性を有する導体粒子が樹脂やゴムなどのバインダの中に分散させられたコート層であれば、導体粒子とバインダとの混合比率を変えるというものである。この場合、例えばバインダより導体粒子の耐食性が高ければマニホールド15a〜17b(の一部または全部)の周りだけ導体粒子の比率を高くしてもよいし、これとは逆に、例えば導体粒子よりバインダの耐食性が高ければマニホールド周りのバインダの比率を高くしてもよい。なお、このような構成によれば、高い導電性(導通性)が要求される発電領域では、導体粒子の密度が高くなるため導電性(導通性)が高くなる。一方、高い耐食性が要求されるマニホールド周りでは、コート層を介して、ガス流路側の高い酸性雰囲気がセパレータ20の基材側ではより中性に近い雰囲気となる。
また、本実施形態においては各流体の流路34〜36がストレート流路であるものを例示したが(図1参照)、これに限らず、例えばサーペンタイン流路であってももちろん本発明の適用が可能である。
本発明の一実施形態を示す分解斜視図で、本実施形態における燃料電池のセパレータのセルを分解して示すものである。
符号の説明
2…セル、13a,13b,13c…シール部材、15a,15b…酸化ガス(反応ガス)のマニホールド、16a,16b…水素ガス(反応ガス)のマニホールド、17a,17b…冷却水(冷却用冷媒)のマニホールド、20…セパレータ、30…MEA(膜−電極アッセンブリ)、34…酸化ガスのガス流路(反応ガスが流れるガス流路)、35…水素ガスのガス流路(反応ガスが流れるガス流路)

Claims (5)

  1. 膜−電極アッセンブリとともに積層されることによってセルを構成し、かつ反応ガスと冷却用冷媒の少なくとも一方を各セルに給排するためのマニホールドを備えている燃料電池のセパレータにおいて、
    少なくとも発電領域と前記マニホールドの周辺部分との間で連続するコート層であって、該コート層のうち前記マニホールドの周辺部分がその他の部分よりも相対的に高い耐食性を有するもの、または、当該コート層のうち前記マニホールドの周辺の層が相対的に前記膜−電極アッセンブリ側のpHを当該セパレータ側に伝達し難い特性を有するもの、の少なくとも一方が表面に形成されていることを特徴とする燃料電池のセパレータ。
  2. 前記発電領域は、前記反応ガスが流れるガス流路のうち前記膜−電極アッセンブリと重複し、尚かつ前記反応ガスまたは前記冷却用冷媒を封止するためのシール部材で囲まれている領域であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池のセパレータ。
  3. 前記コート層のうち前記マニホールドの周辺部分における膜厚がその他の部分における膜厚よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池のセパレータ。
  4. 前記コート層は金メッキで形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池のセパレータ。
  5. 前記発電領域であって前記反応ガスが流れるガス流路、および該ガス流路の反対面に形成され前記冷却用冷媒が流れる冷媒流路に設けられる前記コート層は、各セル内および各セル間の導電性を確保しうる最小限の膜厚かまたはそれ以上の膜厚に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池のセパレータ。
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