JP2007294102A - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コンカレントROM/RAM光情報記録媒体において、ROM信号からRAM信号へのクロストークを抑制すること。
【解決手段】 ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有するROM/RAM同時再生可能なディスク状の記録媒体であって、前記ディスクの一周以上に単一周波数の繰り返し位相ピットが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】 図11
【解決手段】 ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有するROM/RAM同時再生可能なディスク状の記録媒体であって、前記ディスクの一周以上に単一周波数の繰り返し位相ピットが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】 図11
Description
本発明は、光情報記録媒体に関する。特に、ROM−RAM同時再生が可能な光情報記録媒体に関する。
現在、光磁気ディスクメモリーに関して、高密度記録・再生及び高速アクセスの点において研究・開発が積極的に進められている。図1は、ISO規格の記録媒体であって、一例として光磁気ディスクの平面図である。リードイン1とリードアウト2は、ポリカーボネイト基板に形成された凹凸を反射膜により反射させる原理の位相ピットで構成されるROM情報であり、ディスクの仕様等の情報が記録される。これを読むことにより装置は、記録再生の条件を制御している。
このROM情報となる位相ピットの光学的深さ(ピット深さ)は、再生時の光強度変調が最大になるように設定されている。一般には70%以上の変調度(グルーブや凹凸が形成されていない平坦部の光強度に対する位相ピット部の光強度の変化の割合)に設定されている。
リードイン1とリードアウト2の間には光磁気記録膜がスパッタ装置により成膜されているユーザエリア3がある。このユーザエリア3にはユーザが自由に情報を記録できる。
図2は、ユーザエリア3を拡大した平面図の一部である。トラッキングガイドとなるグルーブ4に挟まれたランド5にヘッダー部6となる位相ピット8と、ユーザデータ部7を有している。ヘッダー部6の情報は、セクター・フォーマットに従いセクターマーク,VFO、IDなどから構成される。
他方、ユーザデータ部7は、グルーブ4に挟まれた平坦なランド5であって、光磁気信号として記録される。光磁気記録膜にレーザ光による加熱により磁化反転を助け、信号磁界に対応して磁化の方向を反転させて光磁気信号の記録が行われる。
図3は、図2の半径方向即ち、A−B線に沿う断面の概念構造を示す図である。ポリカーボネイト等の基板A、誘電体膜B、TbFeCo等の光磁気記録膜C、誘電体膜D、Al膜Eと、保護層としてのUV硬化膜Fを積層して構成される。
なお、図3は、図2の構成に対し、更に近年の光磁気ディスクに対応して修正して示されている。すなわち、図3において、グルーブ4の領域にも光磁気記録を行わせるために、ランド5の領域と半径方向において、同様の幅を有するごとくに示されている。
記録情報の読出しの際は、弱いレーザ光を当てることにより、レーザ光の偏光面が記録層の磁化の向きによって極カー効果により変わり、この時の反射光の偏光成分の強弱により信号の有無を判断する。これにより、RAM情報の読出が可能である。
この様な光磁気ディスクメモリーの特徴を生かす研究・開発が進められ、例えば、特開平6−202820号公報あるいは、テレビジョン学会誌論文Vol.46,No.10,pp1319〜1324(1992)に、ROM(ReadOnly Memory)−RAM(Random Access Memory)による同時再生が可能なコンカレントROM−RAM光ディスク(以降、光情報記録媒体という)について開示されている。
かかるROM−RAMによる同時再生が可能な光情報記録媒体は、図4に示す半径方向の断面構造を有し、一例としてポリカーボネイト等の基板A、誘電体膜B、TbFeCo等の光磁気記録膜C、誘電体膜D、Al膜Eと、保護層としてのUV硬化膜Fを積層して構成される。
かかる構造の光情報記録媒体において、図5に示すようにROM情報は位相ピットPPにより固定記録され、RAM情報は位相ピットPP列上に光磁気記録OMにより記録される。なお、図5における半径方向のA−B線方向の断面が図4に一致する。
図5に示す例では、位相ピットPP列が、トラッキングガイドとなるので、図2、図3に示したようなグルーブ4を設けていない。
このようなROM情報とRAM情報を同一記録面に有する光情報記録媒体において、位相ピットPPからなるROM(読み出し専用)情報と光磁気記録OMMからなるRAM(書き込み/書き換え可能)情報を同時に再生するためには、多くの課題が存在する。第一にROM情報とともに、RAM情報を安定に再生するには、ROM情報読み出しにおいて生じる光強度変調を低減する必要がある。
このために、上記の従来技術においては、ROM情報の読み出しに伴う光強度変調信号を読み出し、これを駆動用レーザーに負帰還させる(以下MPF[ModulatedPower Feedback]と呼ぶ)ことにより光強度変調信号を低減させている。
しかし、ROM情報の光強度変調度合いが大きい場合は、かかる従来技術によるだけでは十分でない。すなわち、ROM情報による光強度変調を低減することにおいて、この光強度変調を低減し過ぎる場合は、ROM情報自体の再生マージンが減少することになる。
ここで、光磁気記録に関連する従来技術としてたとえば、特開昭61−60147号公報に記載された技術がある。かかる技術において、光磁気記録を用いて記録再生を行なう光磁気ディスクはスパイラル状の溝を有している。かかる構成は、連続するスパイラル状の溝において、その溝の一部分の有り無しによりアドレスを形成している。したがって、ほぼ連続して溝を安定に形成すること、一部溝を除くための手段が必要となるために基板に作成が容易でない。
また、特開昭57−147139号公報に記載された技術がある。この技術は、案内溝を有し、番地情報が位相情報により予め記録された基板に、記録材料を均一に塗布した光学的記録ディスクを用い、更に番地情報記録部にも主情報を記録して再生する装置を対象とする。かかる装置において、特に、主情報と記録情報との分離において、それぞれ異なる周波数で記録し、帯域分離する構成を有している。したがって、番地情報と主情報を周波数帯域によって、分離しているため、2つの信号を分離において、記録周波数等の影響は避けられないものである。
さらに、特開昭63−55777号公報に記載された技術がある。この技術では、データ記録部と補助データ記録部を有する光学的情報記録媒体を対象とし、補助データ記録部の再生手段、複数の変調方式の選択手段を有し、選択された変調方式によりデータの記録を行なうことが示される。かかる技術では、補助データ部を主データ部より領域的に分離してだけであり、ROMとRAMを重畳記録し、且つROMとRAMの両方の情報を再生することによりセキュリティ強化等の効果を示唆するものではない。
さらにまた、特開平11−283358号公報に記載された技術がある。この技術は、光ディスクにおいて、リードインとリードアウト部に書換え不可能なエンボスデータ部分と書換え可能なデータ部分を設けている。データ領域の書換え可/不可の切り替えを、リードインまたはリードアウトの書換え可能領域の情報により識別する。したがって、基本的にユーザーによる書換えを禁止していないためにセキュリティ強化等の効果を示唆するものではない。
上記の従来の技術に鑑みて、本発明者は、種々検討を行いROM情報の読み出しにおける光強度変調の低減に関して適性値が存在することの認識を持った。
したがって、本発明の目的は、かかる認識に基づき、ROM−RAM情報の同時読み出しにおいて、RAM情報を安定に再生できる光情報記録媒体を提供することにある。
さらに本発明の目的は、ROM−RAM情報の同時読み出しにおいて、ROM情報である位相ピットエッジが発生する偏光ノイズを低減できる光情報記録媒体を提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、上記のROM−RAM情報の同時読み出し可能な構造を有し、多用途に適用することが可能な光情報記録媒体を提供することにある。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第1の態様として、ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板の前記ROM領域に対応する領域に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有し、前記ROM領域のうち、少なくともユーザエリアにある前記位相ピットの変調度が10%〜37%であることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第2の態様として、第1の態様において、前記ユーザエリアの変調度が更に15%〜25%の範囲のあることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第3の態様として、第1の態様において、さらに、前記位相ピットの光学的深さが略λ/8〜λ/10(ただし、λは記録または、再生に使用されるレーザ波長)であることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第4の態様として、第2の態様において、前記位相ピットのピット幅がトラックピッチ幅に対して18〜24%であることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第5の態様として、第2の態様において、さらに、前記ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域と異なる領域に、前記基板上にRAM信号のみを記憶する領域を有することを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第6の態様として、第5の態様において、前記RAM信号のみを記憶する領域は、ランド・グルーブ記録を可能とすることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第7の態様として、第5の態様において、前記基板は、ディスク形状を有し、前記RAM信号のみを記憶する光磁気記録膜は、前記ROM領域に対し、同心状もしくは、らせん状に配置され、且つ前記ROM領域より外側若しくは内側に配置されていることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第8の態様として、第2の態様において、前記ROM領域に記録されるROM信号と、前記光情報記録媒体に記録されるRAM信号に対し、異なった記録変調方式が使用されていることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第9の態様として、第2の態様において、前記RAM信号の記録に、磁界変調方式が使用されていることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第10の態様として、第1の態様において、前記基板に、更に案内溝が刻まれ、前記位相ピットの検出光量が前記案内溝のみの検出光レベルに対して70%以上であることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第11の態様として、ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板の前記ROM領域にRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有し、ROM信号とRAM信号を組み合わせて生成されたエラー訂正信号が、前記RAM信号として前記光磁気記録膜に記録されていることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第12の態様として、ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板の前記ROM領域に対応する領域に成膜されたRAM信号が記録される光磁気記録膜を有し、前記RAM信号を記憶する光磁気記録膜の一部に対し、ユーザにより書込が禁止されていることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第13の態様として、第2の態様において、前記RAM信号を記憶する光磁気記録膜の書き込みブロックの番地が前記ROM部のブロック番地と一致もしくは、一定の対応関係を有していることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第14の態様として、第2の態様において、単位データ情報がROM信号とRAM信号に分割され、それぞれ前記ROM領域及び、前記光磁気記録膜に記録されていることを特徴とする。
また、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第15の態様として、ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有するROM/RAM同時再生可能なディスク状の記録媒体であって、前記ディスクの一周以上に単一周波数の繰り返し位相ピットが形成されていることを特徴とする。
上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第16の態様として、第15の態様において、前記ROMのマーク長さと間隔が単一周期で繰り返し記録されている領域に、RAM信号としてROMとは異なる周波数の単一繰り返しの光磁気記録マークが記録されており、前記光磁気記録マークの読み出し出力レベルをc(dB)、ROM信号の漏れ込み出力レベルをd(dB)としたとき、15<c−d<35
であることを特徴とする。
であることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第17の態様として、ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、前記基板の前記ROM領域に対応する領域に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有し、前記ROM領域にランダムなマーク長で記録されている領域にRAM信号として、光磁気記録マークが記録されているときの、光磁気記録信号の再生振幅をe、前記光磁気記録マークが消去されているときの光磁気記録信号再生における前記ROM信号の前記光磁気記録信号への洩れこみ振幅をfとしたとき、
16<100×f/e<34 (%)
であることを特徴とする。
16<100×f/e<34 (%)
であることを特徴とする。
さらにまた、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第18の態様として第16または17の態様において、前記位相ピットの光学的深さが略λ/8〜λ/14、好ましくはλ/9〜λ/13であることを特徴とする。
さらに、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第19の態様として第16または17の態様において、前記位相ピットの幅がビーム径に対して18%〜50%の範囲にあることを特徴とする。
また、上記の本発明の課題を達成する本発明に従う光情報記録媒体は、第20の態様として第1、第16または17の態様において、少なくともユーザエリアに前記RAM信号となる光磁気記録マークのエッジ部とROM信号となる位相ピット部が重ならないように記録されることを特徴とする。
本発明の特徴は、更に下記に図面に従い説明される発明の実施の形態から明らかになる。
本発明に従うディスク状の光情報記録媒体の断面形状は、図3、図4に示したものと同様であり、又ROMとRAM信号の記録に関しては、図5に示したものと同様である。
実施例として本発明に従う光情報記録媒体は、約30mm〜120mmの径を有するディスク状のポリカーボネイト基板AにSiNなどの誘電体層Bを成膜し、次にTbFeCo等の光磁気記録膜C、更に誘電体膜D、Al反射膜Eの順に成膜し、最後にUV硬化樹脂からなるオーバーコートFを施して構成されている。そして、ROM信号として光情報記録媒体に位相ピットPP列が形成されている。
なお、光磁気記録膜C上は、図4に示したと同様にグルーブを形成することは不要であるが、記憶装置において、トラック制御をより確実にするために、図2に示したようにグルーブを形成し、その間に形成されるランドに光磁気記録が行われるようにすることは当然に可能である。
図6は、本発明に従う光情報記録媒体の特徴を理解するための前提となる位相ピット形状を示す図である。図6において、参照記号Pdは位相ピットの深さ即ち、光学的深さを意味している。トラックピッチTpは半径方向の位相ピット相互間の間隔、ピット幅Pwは半径方向の位相ピットの幅を意味する。
本発明者の更なる研究によりピット形状に基づいた光強度変調度及びトラッキングエラー信号(TES)が、ピット深さPd及びピット幅Pwに依存性があることを確認した。
かかる確認のために使用したサンプルの構造は次のようである。すなわち、サンプルとして、複数の位相ピットの異なる複数の基板をポリカーボネート材料で約1.2mm厚さとなるように射出成形して作成した。この基板上に形成される層構造は、基板/SiN/TbFeCo/GdFeCo/SiN/Alである。GdFeCo層は、Kerr回転角増大のために挿入した。
かかる確認のために使用したサンプルの構造は次のようである。すなわち、サンプルとして、複数の位相ピットの異なる複数の基板をポリカーボネート材料で約1.2mm厚さとなるように射出成形して作成した。この基板上に形成される層構造は、基板/SiN/TbFeCo/GdFeCo/SiN/Alである。GdFeCo層は、Kerr回転角増大のために挿入した。
図7は、本発明者により上記サンプルについてシュミレーション測定した光強度変調度及びトラッキングエラー信号(TES)のピット深さPd及びピット幅Pwに対する依存性を示すグラフである。横軸は、情報の検出(読み出し)光の波長をλとした時のピット深さPd即ち、光学的深さを示している。左側縦軸は、光強度変調度の大きさを示している。
図7において、右側縦軸に示すトラッキングエラー信号は、後に説明するプッシュプル法により求められる場合である。ここで、読み取り誤差に至らないAGC後(オートゲインコントロール回路からの出力)のトラッキングエラー信号TESは、凡そ0.5以上である。
したがって、図7において、AGC後のトラッキングエラー信号(右縦軸参照)が0.5以上となる時のピット深さPdはλ/10〜λ/4で、ピット幅Pwが0.29以上である。
一方、本発明者の種々の研究・評価により位相ピットの変調度がROM信号及びRAM信号のジッターに影響することを見出した。つまり、コンカレントROM−RAMの特有の問題、即ち同時にROM信号とRAM信号が検出されることに問題があることを見出した。ROM信号のみ、あるいはRAM信号のみ検出する方式であれば、各々に適した変調度を検討すればよいが、両方の信号検出に見合う変調度にする必要があるということである。
図8の表は、光情報記録媒体のフォーマットをCD(コンパクト・ディスク:CompactDisk)フォーマットとし、最短マーク長3Tは0.833μm、トラックピッチを1.6μmとし、更に対物レンズの開口数NA0.50、レーザ波長を785nmとする条件における測定値である。
ここで、ジッターに関し、CD−MO(光磁気記録媒体)では40ns以下、CD−WO(書き込み可能光磁気記録媒体)では30ns以下とすることが要件として規定されている。したがって、これらの双方の機能を有する本発明の対象とするコンカレントROM−RAM光磁気記録媒体に対しては、ジッターが35ns以下とする要求を課すことにより、ブロックエラー率を3%以下とすることが出来る。
すなわち、データ対データ(Data to Data)でのジッターをσとし、ウインドウ幅即ち、クロック周期(T=231ns)に対するクロック対データ(Clockto Data)のジッター比率で表すとσ/(T√2)・100で表される。かかるジッター比率は、15%以下であれば一般的に問題ないとされる標準的な値として知られている。ちなみに、上記のコンカレントROM−RAM光磁気記録媒体に対してジッターσに対して35ns以下を要求する場合、上記ジッター比率を求めると、10.7%となり実用上問題を生じないことが理解できる。
したがって、図8の表から許容できるジッターが35ns以下である位相ピット変調度は、略15%〜25%の範囲であると理論的に評価できる。この時の、位相ピットの検出光量は、グルーブ(案内溝)のみの検出レベルに対して70%以上となる。
かかる評価に基づき、図7を参照すると、位相ピット変調度(左縦軸参照)を15%〜25%の範囲に得るのは、ピット幅Pwが略0.25μm〜0.37μmで、ピット深さPdが約λ/10〜λ/8の範囲である。
したがって、装置や媒体の特性や量産性に必要な値として考慮するとAGC後のトラッキングエラー信号が0.5以上であり、且つ位相ピット変調度が15%〜25%の範囲である両条件を満たすピット深さPdは、約λ/10〜λ/8で、ピット幅Pwは、トラックピッチ幅の18%〜24%の範囲であることが理解できる。
上記の範囲を満たす一実施例は、溝深さ(V溝)及びピット深さをともにλ/8、ピット幅をランド幅の20%とする場合である。
本発明により提示される上記のピット深さPd及びピット幅Pwの条件を満たすようにROM情報を記録することにより、先に説明したROM情報とRAM情報の同時読み出しにおいて光強度変調の影響を低減するための従来技術における半導体レーザの発光を負帰還制御する方法では十分でなかった問題を解決することができる。
ここで、変調度を、サンプルを使用して具体的に求めてみた。変調度の測定方法として、テスターにサンプルをセットし、回転させ図5に示す位相ピットPPにトラッキングをかけ位相ピットPPのROM信号を再生する。この時、図9に示す様にグランドレベルGNDに対し、ROM再生信号のスペース部反射レベルaとマーク部反射レベルbの比を用い、次の式により変調度を定義する。
変調度=b/a×100(%)
この変調度の定義に基づき、上記サンプルをテスターに装着し、ROMジッターとRAMジッターを測定した。
この変調度の定義に基づき、上記サンプルをテスターに装着し、ROMジッターとRAMジッターを測定した。
図10は、下記のテスター条件,記録条件及び再生条件で測定したROMジッターとRAMジッターの変調度依存性を示すグラフである。
テスター条件:レーザ波長650nm、NA0.55、線速4.8m/s、磁界変調記録、テスター装置としてシバソクLM530Cを使用
記録条件:記録レーザパワーPw=6.5m、DC発光、EFMランダムパターンを記録 最短マーク0.832μm
再生条件:再生パワーPr=1.5mW、再生磁場なし、偏光方向はトラックに対して垂直方向
上記の図10から、一般に最大許容値とされる15%より小さいジッター比率を得るには、変調度を10%〜37%とすれば良いことが理解できる。さらに、ROM信号は再生時の変動のみを考慮すれば良いが、RAM信号は再生だけでなく光磁気記録時の変動要因が加わる。したがって、実使用時の様々な変動要因を見込み、記録磁界変動とか記録パワー変動によるジッター低下分を見込む必要がある。これにより例えば、ジッター比率を10%以下とする場合、変調度を15%〜25%とすることが実用上好ましい。
記録条件:記録レーザパワーPw=6.5m、DC発光、EFMランダムパターンを記録 最短マーク0.832μm
再生条件:再生パワーPr=1.5mW、再生磁場なし、偏光方向はトラックに対して垂直方向
上記の図10から、一般に最大許容値とされる15%より小さいジッター比率を得るには、変調度を10%〜37%とすれば良いことが理解できる。さらに、ROM信号は再生時の変動のみを考慮すれば良いが、RAM信号は再生だけでなく光磁気記録時の変動要因が加わる。したがって、実使用時の様々な変動要因を見込み、記録磁界変動とか記録パワー変動によるジッター低下分を見込む必要がある。これにより例えば、ジッター比率を10%以下とする場合、変調度を15%〜25%とすることが実用上好ましい。
さらに、本発明者は、ROMから光磁気記録(MO)への漏れ込み量がジッターに影響し、許容できるジッターを得るための所定の範囲を有することを見出した。
ここで、ROMから光磁気記録(MO)への漏れ込み(クロストーク)量の第一の測定方法として図11に示す方法がある。図11に示す方法において、図11Aに示すように、光情報記録媒体に少なくとも1周分の領域に単一周波数の繰り返しパターンの位相ピットを形成する。
例えば内周部に11Tの長い位相ピットを単一繰り返しで少なくともトラック1周以上形成する。そのサンプルを上記条件のテスターに装着し11T繰り返しパターンの位相ピットにトラッキングをかけ、3T繰り返しパターンの最短光磁気記録(MO)マークを記録する。
後に説明する再生装置の差動アンプの出力をスペクトルアナライザに入力する。これにより光磁気記録(MO)信号の出力と位相ピットからMO信号への漏れ込み信号出力を別々に測定可能となる。
図11Bの高周波数側の出力cがMO信号出力レベルであり、低周波数側がROM信号のMO信号への漏れ込みの出力レベルdである。MO信号出力とROM信号からの漏れ込みの差c−dがROM信号からMO信号への漏れ込みクロストーク量である。
図12は、ROM信号からMO信号への漏れ込み(c−d)とジッターとの関係を測定したグラフである。この時の使用したEFM変調では最短マークは3Tの長さである。例えば、内周部11Tの長い位相ピットを単一繰り返しで、少なくともトラック1周以上形成する。そのサンプルを図11の測定方法に適用したテスターに装着し、11T繰り返しパターンの位相ピットにトラッキングをかけ、3T繰り返しパターンの最短MOマークを記録する。
図12において、15%以下のジッターを得るには、クロストーク(c−d)を15〜35dBにすれば良いことが理解できる。
さらに、ROM信号から光磁気記録(MO)信号への漏れ込み(クロストーク)量を測定する第2の方法として図13に示す方法がある。
図13Aに示すように、記録媒体のユーザエリアにはROM信号として位相ピットでコンテンツ情報を記録しているために必然的にランダムな長さとなる。サンプルを上記条件のテスターに装着し、ランダムパターンからなるユーザエリアにトラッキングをかける。
第1の測定方法と同様に差動アンプ出力をオシロスコープに入力し、MO信号を一旦消去する。そのときのオシロスコープで計測される振幅f(図13B)が位相ピットによるROM信号からMO信号への漏れ込み信号強度である。次にランダム長さのMO信号を記録する。図13Cに示されるMO信号を記録したときのオシロスコープで計測される振幅波形eが前記漏れ込み信号と再生されるMO信号を合わせた信号強度である。このときの割合100×f/eが、クロストローク量である。
図14は、上記の漏れ込み(クロストーク)量を測定する第2の方法により測定されたROM信号からMO信号への漏れ込み(ストローク量)とジッターとの関係を測定したグラフである。この測定方法による評価において、15%以下のジッター比率を得るにはストローク量(f/e)を16%〜34%とすれば良い。
図15は、前記サンプルの位相ピット深さPdに対するジッターの値である。ここで位相ピット深さPdは光磁気記録膜形成の基板でAFM(AtomicForce Microscope)により測定した。図15よりROM/RAM信号とも15%以下のジッター比率を得るには位相ピット深さPdを略29〜51nmとすれば良い。この深さは光学換算でλ/14〜λ/8に相当する。(基板屈折率を1.58とした)さらに前述のように安全係数を見込むと約λ/9〜λ/13の深さが好ましい。
さらに、位相ピット深さPdを略40nmとして位相ピットの幅Pwを変更した複数のサンプルを準備した。これらのサンプルを前述のテスターに装着し、同じ記録再生条件でジッター測定を行った。本実施例でのテスターのビーム径は1.08μm(1/e2)である。図16はこの実施例におけるジッターの測定値を示すグラフである。
図16よりROM/RAMともに15%以下のジッター比率を得るには、ピット幅Pw/ビーム径の比を約18%〜50%の範囲にすれば良いことが理解できる。
さらに、本発明の特徴として、本発明者は、ROM情報の上にRAM情報を記録する場合、RAM情報を記録するタイミングをわずかにずらすことにより、RAM情報を再生する際に与えられる、ROM情報における位相ピットエッジが発生する偏光ノイズの影響を低減できることを見出した。
特に高密度化に有効なマークエッジ記録の場合、効果が極めて大きい。例えば記録コーディングがマークエッジ記録であるCDに採用されている、8ビットのデータを14ビットのランレングス符号に変換して記録するEFM(Eightto Fourteen Modulation)コーディングの場合、データビット長をTとすると、最短マークは3T、最長マークは11Tであるので、Tの整数倍でタイミングをずらすと、9種類のマーク長があるためにランダムであっても、いずれかの位相ピットのエッジと光磁気記録マークのエッジが一致する場合が存在する。
したがって、ずらすべきタイミング量の基本値は、0T<ΔT<1T である。一般性を考慮すると、前記ΔTを用いて表現すれば、nT+ΔT(nはゼロを含む整数)だけずらせば良いことになる。
再生する際は、ROM情報とRAM情報の記録位置がわずかにずれているので、後に実施例として説明するように、光記憶装置の読み出し制御部において遅延回路によりタイミングを合わせれば良い。現実にはROM情報のブロック先頭とRAM情報のブロックが一致しなくても、独立のブロックデータとしてメモリに記憶させる。その後の処理はシステム構成に応じて対応が可能である。
図17は、ROM信号に対してRAM信号であるMO信号の書き込みタイミングをずらした量ΔT/T%に対して、ジッターを測定したときの特性グラフである。図17に示すようにROM信号bは、RAM信号aの書き込みによる影響を受けずにフラットな特性となる。一方RAM信号aは、ROM信号bからのクロストークにより、ずれ量が0でジッター値が最大となる。これは、RAM信号の反転時にROM信号が変動しないようにすることで小さくできる。図18に示すように、クロックTに対して、50%即ち、0.5Tずらした時に、図17から理解できるように最小となる。
ここで、上記の変調度及び、ピット形状について更に考察する。ディスク状光記録媒体の検出系は、検出光のビーム強度形状とピット形状のタンジェンシャル方向断面図である図19において、対物レンズOBLの開口数NAと検出光DLの波長λによって、光記録媒体上に凡そ次の式(1)で示されるビームウエストWのスポットが形成される。ビームウエストWは、強度最大の位置から強度1/2になる位置までの1/e1の幅である。
W=2λ/πNA ・・・(1)
ただし、NA=sinθ
実際のビームウエストWは、対物レンズOBLを透過する光強度分布、光学部品の面精度等により若干変化する。これにより、本発明で規定する光情報記録媒体のピット形状に対して、光学系によって変調度、トラッキングエラー信号量が変わる。
一般にピット形状に対して変調度Imに関し、図20に示す配置において下記式(2)の関係が近似的に表される。
ただし、NA=sinθ
実際のビームウエストWは、対物レンズOBLを透過する光強度分布、光学部品の面精度等により若干変化する。これにより、本発明で規定する光情報記録媒体のピット形状に対して、光学系によって変調度、トラッキングエラー信号量が変わる。
一般にピット形状に対して変調度Imに関し、図20に示す配置において下記式(2)の関係が近似的に表される。
1−Im=(A2+B2+2ABcos(Δ))/(A+B)2・・・(2)
ただし、Δ=4πdn/λ、n=基板SBの屈折率
A=ピット幅、B=ランド幅
ここでは、近時的にピット部PIとランド部LIで反射される光量は等しいと仮定して考えるが、実際には、ビームスポット形状によりランド部LIとピット部PIで光量が異なる。また、一般にピット形状に対して規格化されたプッシュプル法によるトラッキング信号DPPは、図21に示す配置において近似的に式(3)で表される。
ただし、Δ=4πdn/λ、n=基板SBの屈折率
A=ピット幅、B=ランド幅
ここでは、近時的にピット部PIとランド部LIで反射される光量は等しいと仮定して考えるが、実際には、ビームスポット形状によりランド部LIとピット部PIで光量が異なる。また、一般にピット形状に対して規格化されたプッシュプル法によるトラッキング信号DPPは、図21に示す配置において近似的に式(3)で表される。
DPP=4ABsin(Δ)/(A+B)2・・・(3)
ただし、Δ=4πdn/λ、n=基板屈折率
A=ピット幅、B=ランド幅
これらの近似式から分かるように、変調度を大きくするためにはピットの深さdをλ/4に近づけ、ピット幅Aとランド幅Bを1:1に近づければよいことが分かる。
ただし、Δ=4πdn/λ、n=基板屈折率
A=ピット幅、B=ランド幅
これらの近似式から分かるように、変調度を大きくするためにはピットの深さdをλ/4に近づけ、ピット幅Aとランド幅Bを1:1に近づければよいことが分かる。
ピット形状のみを指定しても実際には、光学系により所望の変調度が得られない。図22に、本発明で規定する光情報記録媒体の同心円方向に対して光学系の違いによるスポット形状の状態を示している。ビーム形状2、ビーム形状3のようなビームスポットでは、所望の変調度、プッシュプル信号が得られないことは明らかである。ビーム形状1は本発明の適用において望ましい光学系でのビームスポット形状を示している。実際の光学系では、光源の強度分布、対物レンズの開口数、使用光の波長によってほぼビームスポット形状が規定され、本発明により、光情報記録媒体の記録再生のための、ビームウエストWの径を目安としてトラックピッチと同じレベルになる組み合わせが提示される。
ピット形状は、ピット幅のトラックピッチに対する比率であり、本発明の適応においては、ピットの深さのみ規定されればよい。
次に、本発明に従う上記の光情報記録媒体に対する記録再生を行う記憶装置の実施例構成を以下に説明する。
図23は、光情報記録媒体に対する記憶装置の実施例構成のブロック図である。図23において、光ビームの光源としての半導体レーザダイオードLD(波長785nm)から出射した光ビームであるレーザ光はコリメータレンズ10により平行光束に変換される。
ついで、変換された平行光束は、偏光ビームスプリッタ11に入射する。偏光ビームスプリッタ11での反射光は集光レンズ12によりオートパワーコントロール(APC)用のフォトディテクタ13に入射される。ここで光電変換され検出電気信号は、アンプ14を通してメインコントローラ15に導かれ、APC制御又は、ROM信号の再生に用いられる。
一方、偏光ビームスプリッタ11を透過した光束は対物レンズ16によりほぼ回折限界に絞られ、本発明の光情報記録媒体17に照射される。光情報記録媒体17は、モータ18により回転される。さらに、光情報記録媒体17で反射された光束は、再び対物レンズ16を通して偏光ビームスプリッタ11に入射し、そこで反射されてサーボ光学系と記録情報検出系に導かれる。
すなわち、偏光ビームスプリッタ11で反射された光情報記録媒体17からの反射光は、第2の偏光ビームスプリッタ19に入射し、その透過光はサーボ光学系に、第2の偏光ビームスプリッタ19での反射光は記録情報検出系に入射する。
第2の偏光ビームスプリッタ19からの透過光は、サーボ光学系における集光レンズ20及びシリンドリカルレンズ21を通して4分割フォトディテクタ22に入射し、そこで光電変換される。
光電変換された4分割フォトディテクタ22の出力により、非点収差法による生成回路23でフォーカスエラー検出(FES)を行う。同時に、プッシュプル法による生成回路24でトラックエラー検出(TES)を行う。
図24は、かかる4分割フォトディテクタ22と、その出力に基づきフォーカスエラー(FES)検出を行う非点収差法による生成回路23及び、トラックエラー(TES)検出を行うプッシュプル法による生成回路24の関係を示している。
4分割フォトディテクタ22で4分割された第2の偏光ビームスプリッタ19からの透過光をそれぞれA、B,C,Dとすると、フォーカスエラー検出(FES)を行う非点収差法による生成回路23は、対物レンズ16の光軸方向の制御誤差であるフォーカスエラー(FES)を次の計算により求める。
一方、トラックエラー(TES)検出を行うプッシュプル法による生成回路24は、対物レンズ16の光軸に垂直な方向の制御誤差であるトラックエラー(TES)を次の計算により求める。
これらの計算により求められたフォーカスエラー信号(FES)及びトラックエラー信号(TES)は、メインコントローラ15に入力される。
一方、記録情報検出系において、反射レーザ光は、記録情報検出系における2ビームウォラストン26に入射し、光情報記録媒体17上の光磁気記録の磁化の向きによって変わる反射レーザ光の偏光特性が光強度に変換される。
すなわち、2ビームウォラストン26において、偏光検波により偏光方向が互いに直交する二つのビームに分離し、集光レンズ27を通して2分割フォトディテクタ28に入射し、それぞれ光電変換される。
2分割フォトディテクタ28で光電変換された2つの電気信号は、加算アンプ29で加算され、第1のROM信号(ROM1)となり、同時に、減算アンプ30で減算され、RAM読みだし信号(RAM)となり、それぞれメインコントローラ15に入力される。また、ROM信号(ROM1)は、位相ピット信号による光強度変調の抑圧のためにフィードバック信号としても使用される。
ここまでは、主に読み出しにおける光束の流れについて説明した。次に、各フォトディテクタからの出力信号の流れについて、図25に示すメインコントローラ15の詳細構成例を参照しながら説明する。
図25において、メインコントローラ15には、APC用フォトディテクタ13に入射した半導体レーザダイオードLDの反射光が光電変換され、アンプ14を通して第2のROM信号(ROM2)として入力する。
さらに、先に説明したように、メインコントローラ15には、加算アンプ29の出力である第1のROM信号(ROM1)、差動アンプ30の出力であるRAM信号(RAM)、FES生成回路23からのフォーカスエラー信号(FES)、TES生成回路24からのトラックエラー信号(TES)が入力する。
また、データ源32との間でインタフェース回路33を通して記録用データ及び読出データが入出力される。
メインコントローラ15に入力される第1のROM信号(ROM1)、第2のROM信号(ROM2)及び、RAM信号(RAM)は、各モード即ち、ROM及びRAM再生時、ROMのみ再生時及び、記録(WRITE)時に対応して検出し使用される。
図26は、各モードでの上記ROM1、ROM2及び、RAMの検出の組合せを示す図である。この様な各モードでのROM1、ROM2及び、RAMの検出の組あわせのために、図25に示すメインコントローラ15にはROM切替スイッチSW1,SW2を有している。
図25に示されるROM切替スイッチSW1,SW2の状態は、図26に示すモードにおけるROM及びRAM再生時である。ROMのみ再生時及び記録時には、図25に示されるROM切替スイッチSW1,SW2の状態が、それぞれ反転された状態に切替えられる。
メインコントローラ15内のLDコントローラ150は、暗号器151及び、ROM切替スイッチSW1の出力を受け、LDドライバ31に対するコマンド信号を生成する。
LDドライバ31は、LDコントローラ150で生成されたコマンド信号に従い、ROM及びRAM再生時には、第1のROM信号(ROM1)に応じて半導体レーザダイオードLDの発光パワーを負帰還制御し、ROMのみ再生時及び記録時には、第2のROM信号(ROM2)に応じて半導体レーザダイオードLDの発光パワーを負帰還制御する。
光磁気記録時は、データソース32からのデータがインタフェース33を通してメインコントローラ15に入力される(図23参照)。メインコントローラ15において、この入力データは、セキュリティを担保するために暗号器151により暗号化が行われ、記録データとして、磁気ヘッドコントローラ152を通して磁気ヘッドドライバ34に供給される。
ここで、メインコントローラ15は、MPUやDSP、エンコーダ/デコーダ等を含み、再生/記録処理機能、サーボ機能、レーザ発光制御等を総括して制御できる一体化LSIで構成したものを例としている。
この時、暗号器151は、よりセキュリティを高くする場合は、復調器155で復調したROM信号と組み合わせて暗号化を行うように構成することが可能である。
磁気ヘッドドライバ34は、磁気ヘッド35を駆動し、暗号化された記録データに対応して磁界を変調する。この際、メインコントローラ15において、暗号器151から記録時を指示する信号がLDドライバ31に送られ、LDドライバ31は第2のROM信号(ROM2)に応じて、記録に最適なレーザパワーになるように半導体レーザダイオードLDの発光を負帰還制御する。
なお、ROM信号とRAM信号の記録に付いて、セキュリティを高めるためあるいは、安定した信号の記録再生のために次の様な態様が可能である。
すなわち、ROM信号とRAM信号を組み合わせて生成されたエラー訂正信号を、前記RAM信号として前記光磁気記録膜に記録する。
すなわち、ROM信号とRAM信号を組み合わせて生成されたエラー訂正信号を、前記RAM信号として前記光磁気記録膜に記録する。
また、ROM信号及びRAM信号の少なくとも一方が、暗号化されて対応するROM領域または、前記光磁気記録膜に記録されており、且つ、前記暗号化に対する復号化の方法が、前記ROM領域及び前記光磁気記録膜の少なくとも一方に記録されている。
あるいは、RAM信号を記憶する光磁気記録膜の少なくとも一部に対し、ユーザにより書込みを禁止する。このためには、RAM領域の一部にあらかじめ所定の識別IDを記録し、その記録領域を書き換え可能な論理セクタに入れないように媒体フォーマットの管理をメインコントローラ15において行なう。これにより、識別IDは読みとりのみ可能となる。かかる識別IDは、個人用、医療用等において、機器種別を区別するような種々の適用が可能となる。
これらの態様は、暗号器151において、ファームウエアにより制御することが可能である。
図27は、暗号器151及び、復号器156の構成とそれらの処理の一例を説明する図である。
暗号器151において、光磁気記録の対象となるRAM記録データであるデジタルRAM信号がバッファメモリ300を通して、復調器155で再生されたROM信号とともにエンコーダ301に入力される。エンコーダ301において、ROM信号を利用してRAM信号を暗号化するためのエンコード処理が行われる。
ROM信号を利用してRAM信号の暗号化の方法は種々可能である。例えば、ステレオ音声生成のようにROM信号をRチャネル、RAM信号をLチャネルと考え、これらを均等にミキシングして、これを暗号化されたRAM信号として光磁気記録膜に記録することが可能である。この時、ROM信号は元々ランド領域にピット位相により固定記録されているので、Rチャネルの情報量を少なくしてミキシングすることが望ましい。
これにより、図1に示したような通常のRAM信号の記録媒体では、不可能な暗号化が可能である。
あるいは、エンコーダ301において、ROM信号の1ビットをRAM信号の所定ビット毎に挿入するようにしても簡易な暗号化が可能である。
エンコーダ301の出力は、インターリーブ回路302において、所定規則でエンコーダ301の出力であるシリアルビット列を所定規則で入れ替えるインターリーブ処理を行う。これは、正負符号のランダム性を担保するためである。
ついで、同期及び変換回路303により、ROM信号から再生されるクロック信号に同期化され、NRZI信号に変換されてRAM記録情報とされる。
このRAM記録情報は、後に説明するように、光情報記録媒体のランド領域にピット位相により固定記録されているROM記憶領域上に対応して重ねて光磁気記録される。
復号器156に入力される光情報記録媒体から読み出したRAM信号は、同期検出及び復調回路305、デインタリーブ回路306及び、デコーダ307において、暗号器151における同期及び変換回路303、インターリーブ回路302及びエンコーダ301の処理と各々逆の処理が行われて、暗号化の解かれたRAM信号を得ることができる。
上記構成により、誤り訂正においてもROMとRAM信号を組み合せることが可能である。例えば、図27において、破線矢印で示されるように、復号器156におけるRAM信号の再生時にROM再生信号の一部を用いて誤り訂正を行う。
たとえば、エンコーダ301において、ROM信号より取り出した1ビット分をRAM信号と合わせてRAM情報として出力し、RAM情報記録の際に、データ部の最後のECC(エラーチェックコード)部にこれを記録するように構成する。そして、再生時に、デコーダ307において、パリティテェックを行わせることによりROMとRAM信号を組み合わせた誤り訂正が可能である。
ここで、磁界変調記録における記録変調方式について考察する。図28に例として示すようにROM信号の記録に使用された変調方式がEFM(Eightto Fourteen Modulation)であり、光磁気記録しようとするRAMデータの変調方式をNRZI(NonReturn−to−Zerochange−on−Ones recording)と想定する。
この時、図28に示すように元のデータのビット長Tに対して、最短マークをTmin、ウインドウマージン幅をTwとすると、NRZI(図28A)ではTmin=T、Tw=T,EFM(図28B)ではTmin=1.41T、Tw=0.47Tとなる。
RAM信号では、磁界変調書き込み信号の周波数特性の制限もあり、ウインドウマージン幅Twが大きく、最短マークTminが長い構成が適している。一方、ROM信号では、最短マークTminが長いEFM方式が適している。したがって、本発明においてはRAM信号とROM信号に対し、それぞれに適した、異なる記録変調方式を使用することが好ましい。
さらに、一般の磁界変調方式では、半導体レーザダイオードLDの照射パワーを一定にして磁界を反転させることにより情報の記録を行っている。これに対し、本発明では、半導体レーザダイオードLDをパルスで発光させる磁界変調方式を説明する図29に示すように、半導体レーザダイオードLDをパルスで発光させ(図29B)、更に信号に対応して印加磁界を変化させる(図29A)。
これにより、記録マーク形状の違いを示す図30において、光磁気記録時の光情報記録媒体の温度分布が変化し、図30Aに示すような光磁気記録マークとなる。従来の半導体レーザダイオードLDを連続発光させて記録を行う場合(図30B)に較べ、矢羽形状が緩和されていることが理解できる。したがって、矢羽形状の記録マークの緩和により、再生信号の特性が改善できる。
図19に戻り説明すると、ROM情報及びRAM情報の同時読出の利用を考慮すると、光磁気記録の記録開始番地は、ROM情報のブロック番地と一致もしくは、計算などにより簡単に求められるような一定の対応関係を有していることが望ましい。このため、加算アンプ29の出力である位相ピット信号の第1のROM信号(ROM1)から同期検出回路154でクロックを再生し、記録開始番地を検出する。
検出された記録開始番地に対し、磁気ヘッド35及び対物レンズ16を有して構成されるユニットを図23及び図25において図示省略されているシーク機構により位置づけ(アクセス)て、記録動作に入る。
また、上記第1のROM信号(ROM1)から再生されたクロックに基づき、モータコントローラ159を介して、モータドライバ36によりシーク動作の一部としてモータ18の回転を制御する。
なお、シーク機構として、シーク距離が短い範囲ではその機能の一部をモータドライバ36あるいは、TESアクチュエータドライバ37により行わせるように構成することも可能である。
また、光磁気記録のためのクロックは上記の様に、位相ピット信号(ROM1)から生成されるので、このクロックを同期処理に利用する。すなわち、メインコントローラ15において、同期検出回路154で位相ピットのクロックを再生し、先に図27で説明したように暗号器151の同期及び変換回路303(図27)により、前記クロックに同期するように光磁気記録すべきRAM情報の記録タイミングを調整する。
このようにROM信号のクロックを利用することで、記録時のディスク偏心による記録マーク長の変動を抑えることができる。
図31は、上記同期処理のためにROM信号のクロックを再生するメインコントローラ15内の同期検出回路154の構成例である。図31Aは、構成ブロック図、図31Bは、各信号のタイミングを示す図である。同期検出回路154に入力されるROM信号(図31B、a)に対し、エッジ検出回路400において、所定のスライスレベルを設定し、ROM信号のエッジを検出する。ついで、エッジ検出のタイミング信号が位相比較器401に入力される。
さらに、位相比較器401、ローパスフィルタ402及び電圧制御発振器403に帰還ループが構成され、エッジ検出のタイミング信号に対して電圧制御発振器403からのパルス出力の位相が調整される。これにより、クロックが生成される。
すなわち、図31Bにおいて、ROM信号aのエッジに対して、電圧制御発振器403からのパルスbに合わせて位相比較器401から位相比較出力が出力される。電圧制御発振器403からのパルスの位相と、ROM信号の位相がずれると、位相比較出力がずれて、ローパスフィルタ402の出力が正又は負に偏る。これを利用して電圧制御発振器403に帰還をかけることによりROM信号に同期したクロックが生成できる。
次に、再生時の動作について説明する。位相ピット信号即ち、読み出されるROM信号による光強度変調が、RAM信号に対してノイズとなることは先に説明した。したがって、先に従来技術に示された方法と同様にして、加算アンプ29から第1のROM信号(ROM1)を半導体レーザダイオードLDにLDドライバ31を通して負帰還させ、発光制御して、第1のROM信号(ROM1)を低減し、平坦化することが可能である。
このような態様で、読み出されるRAM信号へのクロストークを効率的に抑えることができる。しかし、ROM及びRAM信号の同時読み出しを行う場合、ROM1信号が、上記の様に負帰還制御により平坦であるため、ROM信号を得ることが難しくなる。
したがって、別の方法によりROM信号を検出しなければならない。本発明の実施例においては、再生時に第1のROM信号(ROM1)によって半導体レーザダイオードLDへの注入電流が負帰還変調されている。すなわち、ROM信号と同じパターンで光強度変調されている。
この光強度変調は、APC用フォトディテクタ13により検出することが可能である。MPFループ動作時には、APCループをオフとすることにより、位相ピット信号を第2のROM信号(ROM2)として得ることができる。
したがって、本発明においては、この第2のROM信号(ROM2)が、図25に示すメインコントローラ15において、同期検出回路154によりクロック再生され、復調器155で、EFM磁界変調に対応する復調を行い、ROM情報として得ることができる。復調されたROM情報は更に、暗号器151における暗号化に対応する復号化が復号器156により行われ、再生データとして出力される。
ROM情報及びRAM情報の同時再生時は、上記の同期検出回路154により得られる第2のROM信号(ROM2)から再生されたクロックに基づき、モータコントローラ159を介して、モータドライバ36によりシーク動作の一部としてモータ18の回転を制御する。
RAM信号は半導体レーザダイオードLDへのLDドライバ31を含むROM信号負帰還手段により、ROM信号の干渉を受けずに差動アンプ30の出力として検出できる。
差動アンプ30の出力は、メインコントローラ15において、同期検出回路157に同期検出され、復調器158で、NRZI変調に対応した復調が行われ、復号器156により復号化され、RAM信号として出力される。
差動アンプ30の出力は、メインコントローラ15において、同期検出回路157に同期検出され、復調器158で、NRZI変調に対応した復調が行われ、復号器156により復号化され、RAM信号として出力される。
ここで、記録時の場合と同様に再生クロックは同期検出回路154により検出される第2のROM信号(ROM2)を利用した埋め込みクロックを用いることが可能である。これにより回転変動、あるいはトラック偏心による規定線速度からのずれに対して、信号検出ウインドウが自動的に変化するために安定な再生が可能になる。
なお、図25のメインコントローラ15において、遅延回路159を有している。この遅延回路159は、先に説明したようにRAM信号の再生時にROM情報である位相ピットエッジが発生する偏光ノイズの影響を低減するために、ROM情報の上にRAM情報を記録する際に、RAM情報を記録するタイミングをわずかにずらす処理を行ったことに対応するタイミング調整のためのものである。
ROM信号のみの再生時は、RAM信号への影響を考慮する必要がないので、記録時と同様にLDフィードバック信号として第2のRAM信号(RAM2)を用い、ROM情報は第1のROM信号(ROM1)を復調再生する。
本発明の実施例では、記録及び再生時の線速度はディスク全面一定のCLV方式(ConstantLinear Velocity)を採用し、ROM信号に応じたモータコントローラ159からの指令をモータドライバ36に送り、モータ18の回転制御を行っている。しかし、本発明は、これに限定されず、CAV,ZCAV,ZCLVを採用する場合であっても同様の効果が得られる。
上記したように本発明の実施例では、記録、再生(ROM再生、ROMとRAMの同時再生)の何れに於いても位相ピット情報であるROM信号により、クロック生成及び、モータドライバ36の制御することができる。
特に、RAM再生時は自己クロック再生ではなく、RAM信号の品質が低い場合でも、再生クロックはユーザが使用するコンテンツ(音楽、文章、画像)となる位相ピット情報であるROM信号から生成されるため、再生クロックはRAM信号の品質によらず安定である。
ここで、ROM及びRAM情報の同時再生を可能とする本発明の光情報記録媒体の優位性、特にセキュリティ及び記録容量の点から以下に考察する。
図25に示すメインコントローラ15の構成において、暗号化回路151,復号化回路156を有している。これにより、本発明の光情報記録媒体のROM情報が機密情報(原画の第一デジタル画像、私的文書、公文書)である場合、本発明の光情報記録媒体と図23に示したような記憶装置を利用することで、ハードウエア構成として容易に低コストでデータの安全性を確保できる。
すなわち、書換えが不可能な重要情報がROM情報として位相ピットとして記録されている。さらに、そのROM情報が記録されている物理的に同じ領域に設けられたRAM部に前記のROM情報に従い、RAM情報を暗号器151により例えばTripleDesなどの暗号化データに変換生成する。そして、この生成された暗号化データを光磁気記録する。
これにより、重要なROMデータとその暗号化データに同時にアクセスすることが可能であり、一枚の光情報記録媒体のサイズを最大限に利用することができる。
また、暗号化された情報を電子透かしとして利用すれば、ROM部の情報が認定情報であるかどう否かを瞬時に判定できる。
図32は、本発明の光情報記録媒体のROM記録容量とRAM記録容量の合計を10(それぞれ5づつ)とした時の、他のディスク媒体仕様と比較した表である。
単独のROM情報のみを記録するROMディスク媒体、RAMディスク媒体であれば、最新技術を採用することで、ROM情報のみ記録の場合、本発明の光情報記録媒体に比べROM容量で10%程度の容量改善が可能である。一方、RAM情報のみ記録の場合、本発明の光情報記録媒体に比べ、RAM容量で80%程度の改善が可能である。
しかし、図32において、ROM,RAMの両情報に対応する形式では本発明の光情報記録媒体が極めて優位であることを示している。また、P−ROMにおいてRAM記録領域に相変化記録媒体を用いた場合、ROMについては同様の容量であることは当然であるが、RAMについては、光磁気ベースに比べ記録容量は10%程度減少し、優位性はない。
本発明の光情報記録媒体はROM,RAM情報の記録容量は、媒体サイズに依存するが、ROM容量とRAM容量を媒体サイズ限度のROM容量に従って、同容量のRAMを設定できることである。
既存のISO規格に従う、光磁気媒体(MO)のP−ROM、O−ROMとは媒体構造、記憶装置構造が異なり、ROM容量とRAM容量を互いに食い合うことがない。
ISO規格では必要ROM容量に応じてROM情報とRAM情報を完全に一対一対応ができないことを意味する。本発明の光情報記録媒体での基本的特徴は媒体サイズにおける最大のROM容量と最大RAM容量を一致させる場合、ISO規格のP−ROMに比べ、約40%の改善ができる。
言いかえれば、更に本発明の実施例に新たな実施例を加えることができることを意味している。なぜなら、RAM単独媒体での最新技術を用いたRAM記録密度は80%の記録容量改善効果があるので、第一の実施例に加えて、同時再生可能なROM情報を持たないRAM領域を独立した形式で第一実施例の媒体に設けることで新たなアプリケーションが可能になる。
図33は従来のP−ROM媒体と比較される本発明の光情報記録媒体の更なる実施例の平面図である。先に説明した本発明の光情報記録媒体において、コンカレントROM−RAM領域IIに対して独立のRAM領域Iを更に設けた構造である。
独立RAM領域I及び、コンカレントROM−RAM領域IIの領域配分は図33Aに示すように独立RAM領域Iを外周側に配置し、コンカレントROM−RAM領域IIを内周側に設けても、あるいは、図33Bに示すように独立RAM領域Iを内周側に配置し、コンカレントROM−RAM領域IIを外周側に設けてもよい。
このような独立RAM領域IとROM−RAM領域IIに区画されたデータ領域を有するディスク媒体は次のように形成可能である。すなわち、先に図2に関連して説明したRAM領域に対するトラック溝(図2,4参照))や、ディスク制御情報領域(ディスク媒体固有情報やアドレス等の固定情報が記録される部分:図2、8参照)及びコンカレントROM−RAM領域IIに対応する位置に位相ピットPPとなるエンボスを有するディスク状のポリカーボネート基板Aを作成する。ついで、図4に示した層構成の如く、基板のほぼ全域にわたるエンボスを有する片面若しくは両面に、誘電体膜B、光磁気記録膜C、誘電体膜D、Al膜Eと、保護層Fを順次形成する。
したがって、ROM信号に対応するエンボスに重なる光磁気記録膜の領域に対応する部分をコンカレントROM−RAM領域IIとして定義し、ROM信号に重ならないデータ領域をRAM領域Iと定義する。
この定義は、ディスク制御情報領域にディスク媒体固有情報として記録しておくことで、ROM信号が記録されるROM領域のディスク上の位置が記憶装置により判定可能であり、そのROM領域と同じ位置をコンカレントROM−RAM領域IIとし、残りのROM信号を有しないデータ領域をRAM信号が記録される独立したRAM領域Iとして判定が可能である。
さらに、基板Aに先に形成されるROM領域の位置によってRAM信号のみを記憶するRAM領域Iと、コンカレントROM−RAM領域IIの領域配分において、図33Aに示すように独立RAM領域Iが外周側に配置され、あるいは、図33Bに示すように内周側に配置される。
図34は、本発明のRAMのみの領域Iを追加して設けた図33に示す拡張例における情報記録媒体のROM記録容量とRAM記録容量を10として他のディスク媒体仕様とを比較する表である。
例えば、P−ROM規格でこの媒体サイズでは、ROM、RAMを同記録容量とすれば、それぞれ3.6に設定される。一方、本発明の光情報記録媒体では、ROM/RAM同時再生記録容量をそれぞれ3.6としても同じ媒体サイズで独立したRAM領域2.52相当を設定でき、総容量で35%も優位になることを意味する。
さらに、ROM領域とRAM領域の利用の一方法として、一単位として把握できるデータ情報(単位データ情報という)をROM信号とRAM信号とに分割し、前者を前記ROM領域に位相ピットにより、及び後者を前記光磁気記録膜に磁気記録することも可能である。この時より重要な情報をROM信号として分割することは望ましい。上記の単位データ情報として、例えば、一または複数セクタ、一画像フレーム、一音楽フレームのようなものであっても良い。
さらに、RAM領域については、今後大容量化記録/再生技術、青色レーザや、超解像方式、ニアフィールド方式を採用すれば、一層の高密度化を図ることが出来る。
以上図面に従い説明したように、本発明の光情報記録媒体は、コンカレントROM−RAMディスクのピット部の変調度を平坦部に対して規定することで、光磁気信号の信号特性が改善されRAM情報の正確な読み取りが可能である。したがって、本発明の光情報記録媒体は、ROM−RAM同時再生が可能であり、用途に応じたROM−RAM同時記録及び、再生媒体が提供できる。これにより、データのセキュリティの強化、情報配信における著作権の保護の強化等が容易となる。
Claims (10)
- ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、
前記基板に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有するROM/RAM同時再生可能なディスク状の記録媒体であって、
前記ディスクの一周以上に単一周波数の繰り返し位相ピットが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。 - 請求項1において、
前記ROMのマーク長さと間隔が単一周期で繰り返し記録されている領域に、RAM信号としてROMとは異なる周波数の単一繰り返しの光磁気記録マークが記録されており、
前記光磁気記録マークの読み出し出力レベルをc(dB)、ROM信号の漏れ込み出力レベルをd(dB)としたとき、
15<c−d<35
であることを特徴とする光情報記録媒体。 - ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域を有する基板と、
前記基板の前記ROM領域に対応する領域に成膜されたRAM信号を記録するための光磁気記録膜を有し、
前記ROM領域にランダムなマーク長で記録されている領域にRAM信号として、光磁気記録マークが記録されているときの、光磁気記録信号の再生振幅をe、前記光磁気記録マークが消去されているときの光磁気記録信号再生における前記ROM信号の前記光磁気記録信号への洩れこみ振幅をfとしたとき、
16<100×f/e<34 (%)
であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 請求項2または3において、
前記位相ピットの光学的深さが略λ/8〜λ/14、好ましくはλ/9〜λ/13であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 請求項2または3において、
前記位相ピットの幅がビーム径に対して18%〜50%の範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体。 - 請求項2または3において、
少なくともユーザエリアに前記RAM信号となる光磁気記録マークのエッジ部とROM信号となる位相ピット部が重ならないように記録されることを特徴とする光情報記録媒体。 - ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域に対応する領域にRAM信号を記録する光磁気記録媒体において、
前記光磁気記録媒体のトラックの一周以上に単一周波数の繰り返し位相ピットが形成され、
前記位相ピットの光学的深さが略λ/8〜λ/14、好ましくはλ/9〜λ/13であり、
前記位相ピットの幅がビーム径に対して18%〜50%の範囲にあることを特徴とする光情報記録媒体。 - 請求項7において、
前記ROMのマーク長さと間隔が単一周期で繰り返し記録されている領域に、RAM信号としてROMとは異なる周波数の単一繰り返しの光磁気記録マークが記録されており、
前記光磁気記録マークの読み出し出力レベルをc(dB)、ROM信号の漏れ込み出力レベルをd(dB)としたとき、
15<c−d<35
であることを特徴とする光情報記録媒体。 - ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域に対応する領域にRAM信号を記録する光磁気記録媒体において、
前記位相ピットの光学的深さが略λ/8〜λ/14、好ましくはλ/9〜λ/13であり、
前記位相ピットの幅がビーム径に対して18%〜50%の範囲にあり、
前記ROM領域にランダムなマーク長で記録されている領域にRAM信号として、光磁気記録マークが記録されているときの、光磁気記録信号の再生振幅をe、前記光磁気記録マークが消去されているときの光磁気記録信号再生における前記ROM信号の前記光磁気記録信号への洩れこみ振幅をfとしたとき、
16<100×f/e<34 (%)
であることを特徴とする光情報記録媒体。 - ROM信号となる位相ピットが形成されるROM領域に対応する領域にRAM信号を記録する光磁気記録媒体におけるROM信号からRAM信号への漏れ込み量を測定する測定方法において、
前記光情報記録媒体のトラックの1周以上に、第1の単一周波数を有する繰り返しパターンの位相ピットが形成された前記光磁気記録媒体を使用し、
前記位相ピットの形成された領域に、前記第1の単一周波数とは異なる第2の単一周波数の繰り返し光磁気記録マークを記録し、
前記RAM信号の再生出力と、前記ROM信号の前記RAM信号への漏れ込み信号出力を測定し、
前記再生出力と前記漏れ込み信号出力の差に基づいて、ROM信号からRAM信号への漏れ込み量を測定することを特徴とする測定方法。
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