JP2007294044A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反りなどの機械特性を改良し、かつカバーシートの密着性に優れた光情報記録媒体を製造可能な光情報記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A1及び条件B1の少なくとも一方を満足するように形成し、
条件A1:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
条件B1:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
カバー層の形成に際し、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、保護フィルム側から放射線を照射して、放射線硬化樹脂が硬化した後、保護フィルムを剥離する工程を含む光情報記録媒体の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光情報記録媒体及びその製造方法に関し、特に、ブルーレイディスク型の光情報記録媒体に関する。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層(透明シート)がこの順に積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的或いは化学的変化(例えば、ピットの生成)によりその部分の光学的特性が変化することにより情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プリグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、及び保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、或いはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録及び再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映開始も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒体の開発が進められている。
通常、光情報記録媒体の高密度化は、記録及び再生用レーザの短波長化、対物レンズの高NA化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザから、更に超高密度の記録が可能となる波長400nm〜500nmの青紫色半導体レーザ(以下、青紫色レーザと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光情報記録媒体の開発も行われている。特に、青紫色レーザの発売以来、該青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光情報記録媒体及び光記録システムは、既に、DVR−Blueシステムとして発表されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、有機色素を用いた追記型光情報記録媒体であって、青紫レーザーにより記録・再生を行うDVR−Blueディスクも発表されている(例えば、非特許文献2参照。)。これらの光情報記録媒体により、高密度化という課題に対しては、一定の成果が得られた。その後、これらのDVR−Blueディスクは、規格が統一されて開発が継続されるようになり、ブルーレイディスクと命名された。
追記型のブルーレイディスク媒体は、例えば、基板上に、反射層、記録層、カバー層(接着剤層又は粘着剤層+カバーシート)がこの順に積層された構成となっている。ブルーレイディスクのカバー層の形成方法としては、カバーシートをUV硬化性樹脂(放射線硬化樹脂)で貼り合わせることが従来技術として公知である。
ところが、UV硬化性樹脂は硬化時に収縮することが知られており、UV硬化性樹脂によりカバーシートを貼り合わせると、UV硬化性樹脂の硬化収縮により機械特性(反り)が大きくなるという問題がある。その問題を解決するため、UV硬化性樹脂の厚みを薄くしたり、硬化収縮量の少ないUV硬化性樹脂を使ったりしていたが、十分な効果は得らないどころか、カバーシートの密着性が低下する場合があった。そのためUV硬化性樹脂ではなく、硬化収縮のない粘着剤で貼りあわせる方法が知られているが、粘着剤は通常のスピンコータでは成膜できず専用の大型のウェブ塗布機が必要であり汎用性がなかった。
"ISOM2000"210〜211頁 "ISOM2001"218〜219頁
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法において、反りなどの機械特性を改良し、かつカバーシートの密着性に優れた光情報記録媒体を製造可能な光情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。すなわち、
<1> 基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A1及び条件B1の少なくとも一方を満足するように形成し、
条件A1:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
条件B1:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
前記カバー層の形成に際し、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記保護フィルム側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂が硬化した後、前記保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
<1>によると、保護フィルムを介して放射線を照射することにより、保護フィルムが存在しない場合と比較して放射線硬化樹脂の硬化が穏やかとなり、硬化収縮が少なくなるため反りの発生を抑えることができる。また、内周部周辺及び/又は外周部周辺において、基板とカバーシートとが接着剤層が介在して密着するため、全体としての密着力を高めることができる。
<2> 前記保護フィルムを、次の条件C1及び条件D1の少なくとも一方を満足するように設けることを特徴とする前記<1>に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
条件C1:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
条件D1:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
<2>によると、カバーシートの外周部周辺及び/又は内周部周辺において、保護フィルムが存在しない領域が存在し、その領域においては通常通り放射線が透過して放射線硬化樹脂に達するため、その領域での密着力を高めることができる。
<3> さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を設け、該反射層を次の条件E1及び条件F1の少なくとも一方を満足するように形成することを特徴とする前記<1>または<2>に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
条件E1:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
条件F1:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
<3>によると、反射層を設ける場合であっても、内周部周辺及び/又は外周部周辺において、基板とカバーシートとが接着剤層が介在して密着するため、全体としての密着力を高めることができる。
<4> 前記接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することを特徴とする前記<1>から<3>のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法である。
<4>によると、カバーシートより外側の接着層部分は保護フィルムを介さずに放射線が照射されることにより硬化されやすく、密着力を上げることができる。連続的に厚みが変化していることにより硬化による収縮応力が緩和され全体の反りが良化する。
<5> 前記保護フィルムを、ポエチレンテレフタレート又はポリエチレンから形成することを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法である。
<6> 基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A2及び条件B2の少なくとも一方を満足するように形成し、
条件A2:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
条件B2:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
前記カバー層の形成に際し、放射線硬化樹脂からなるオーバーコート層が予め形成されたカバーシートを、該オーバーコート層を外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記オーバーコート層側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂を硬化する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
<6>によると、オーバーコート層を介して放射線を照射することにより、オーバーコート層が存在しない場合と比較して放射線硬化樹脂の硬化が穏やかとなり、硬化収縮が抑えられるため反りの発生を抑えることができる。また、内周部周辺及び/又は外周部周辺において、基板とカバーシートとが接着剤層が介在して密着するため、全体としての密着力を高めることができる。
<7> 前記カバーシートのオーバーコート層上に、剥離可能に設けられた保護フィルムを有し、該カバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上を載置し、前記保護フィルム側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂を硬化した後、前記保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする前記<6>に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
<8> 前記保護フィルムを、次の条件C2及び条件D2の少なくとも一方を満足するように設けることを特徴とする前記<6>または<7>に記載の光情報記録媒体の製造方法である。
条件C2:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
条件D2:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
<8>によると、カバーシートの外周部周辺及び/又は内周部周辺において、保護フィルムが存在しない領域が存在し、その領域においては通常通り放射線が透過して放射線硬化樹脂に達するため、その領域での密着力を高めることができる。
<9> さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を設け、該反射層を次の条件E2及び条件F2の少なくとも一方を満足するように形成することを特徴とする前記<6>から<8>のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法である。
条件E2:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
条件F2:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
前記<9>によると、内周部周辺及び/又は外周部周辺において、基板とカバーシートとが接着剤層が介在して密着するため、全体としての密着力を高めることができる。
<10> 前記接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することを特徴とする前記<6>から<9>のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法である。
<10>によると、 カバーシートより外側の接着層部分は保護フィルムを介さずに放射線が照射されることにより硬化されやすく、密着力を上げることができる。連続的に厚みが変化していることにより硬化による収縮応力が緩和され全体の反りが良化する。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の光情報記録媒体の製造方法により製造されてなる光情報記録媒体である。
本発明によれば、基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法において、反りなどの機械特性を改良し、かつカバーシートの密着性に優れた光情報記録媒体を製造可能な光情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
以下に本発明の光情報記録媒体の製造方法について詳述する。なお、以下の説明において、内径と外径についての数値は、直径120mmのディスク状の光情報記録媒体に適用した場合においての数値である。
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、第1の態様によると、基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A1及び条件B1の少なくとも一方を満足するように形成し、
条件A1:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
条件B1:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
前記カバー層の形成に際し、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記保護フィルム側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂が硬化した後、前記保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴としている。
本発明の第1の態様では、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを用いて貼り合わせ処理を行うことにより、放射線硬化樹脂の硬化が穏やかになり、硬化収縮少なくなり、それに起因する反りの発生を抑えることができるとともに、後述するように密着力の低下も防ぐことができる。そして、放射線照射後に保護フィルムを剥離するため、最終的に保護フィルムが残存することなく、記録再生特性への影響はない。
本発明の第1の態様におけるカバー層を形成する工程においては、カバー層の下層である、基板側の層(例えば、記録層)を形成した後、該基板側の層上に、放射線硬化樹脂を付与し、放射線硬化樹脂の層(硬化前の接着剤層)を形成する。次いで、放射線硬化樹脂の層上に、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で載置する。以下に、この状態の光情報記録媒体を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の態様における光情報記録媒体であって、カバーシートを接着剤層上に載置した状態を示す模式断面図であり、中心線を挟んで両側に存在する断面図のうちの片側のみを示している。図1に示す光情報記録媒体10は、基板12上に、反射層14と、記録層16と、接着剤層18と、剥離可能に設けられた保護フィルム22を有するカバーシート20とが形成されている。図1に示す光情報記録媒体は、放射線を照射する前の状態であり、接着剤層18は放射線硬化樹脂が硬化する前の状態である。なお、図1は、条件A1及び条件B1をいずれも満足した場合である。
前記カバーシートを載置後、光情報記録媒体10に保護フィルム22側から放射線を照射し、放射線硬化樹脂を硬化させる。このとき、保護フィルム22の存在により放射線硬化樹脂の硬化が穏やかに進行し、硬化前後において収縮が抑えられた、放射線硬化樹脂が硬化してなる接着剤層が形成される。この理由は定かではないが、保護フィルムにより放射線硬化樹脂に達する放射線が一定量遮断(吸収)され、硬化の進行が穏やかとなることなどと推察される。
従って、本発明においては、放射線硬化樹脂の収縮が抑えられ、その収縮に起因する反りの発生を抑えることができる。
本発明においては、放射線硬化樹脂への放射線の照射を保護フィルムを介して行うため、保護フィルムがない場合と比較して、放射線硬化樹脂の硬化性が低下し、密着力が不足する可能性があるが、この密着力の低下は、前記条件A1及び前記条件B1を満足させることで補填している。すなわち、前記条件A1及び前記条件B1の少なくとも一方を満足することで、内径周辺及び/又は外径周辺において、基板とカバーシートとの間においても接着剤層が介在し、全体としての密着力をより向上させることができる。
条件A1で示したように、基板の外径と、カバーシートの外径と、記録層の外径とはそれぞれ異なるが、基板の外径と、カバーシートの外径と差は、0.05〜0.5mmとすることが好ましく、0.1〜0.4mmとすることがより好ましい。カバーシートの外径と、記録層の外径との差は、2.0〜3.0mmとすることが好ましく、2.1〜2.8mmとすることがより好ましい。
また、条件B1で示したように、基板の内径と、カバーシートの内径と、記録層の内径とはそれぞれ異なるが、基板の内径と、カバーシートの内径と差は、0.5〜10mmとすることが好ましく、3.0〜8.0mmとすることがより好ましい。カバーシートの内径と、記録層の内径との差は、5.0〜15.0mmとすることが好ましく、8.0〜12.0mmとすることがより好ましい。
本発明の第1の態様において、各層間の密着力をさらに向上させるという観点から、保護フィルムを、次の条件C1及び条件D1の少なくとも一方を満足するように形成することが好ましい。
条件C1:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
条件D1:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
保護フィルムを設けるに際し、条件C1及び条件D1の少なくとも一方を満足するようにすることで、カバーシートの外周部周辺及び/又は内周部周辺においては、保護フィルムが存在しないため、硬化の際に照射する放射線は、保護フィルムを設けない場合と同様に放射線硬化樹脂に到達することで高い硬化性が得られ、密着力を保つことができる。
なお、図2に示す光情報記録媒体10Aは、条件C1及び条件D1をいずれも満足する場合であり、図2においては、それらの条件を満足する点で図1とは異なり、それ以外の構成は図1と同様である。従って、同一の構成要素には同一の符合を付して説明を省略する。
条件C1、条件D1で示したように、保護フィルムの外径とカバーシートの外径、及び保護フィルムの内径とカバーシートの内径はそれぞれ異なるが、保護フィルムの外径とカバーシートの外径との差は、0.1〜3.0mmとすることが好ましく、0.5〜2.0mmとすることがより好ましい。また、保護フィルムの内径とカバーシートの内径との差は、0.1〜3.0mmとすることが好ましく、0.5〜2.0mmとすることがより好ましい。
さらに、本発明の第1の態様において、前記基板と前記記録層との間に反射層を設ける場合、該反射層を次の条件E1及び条件F1の少なくとも一方を満足するように形成することが好ましい。
条件E1:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
条件F1:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
本発明においては、反射層は必要に応じて設けられる層であるが、反射層を設ける場合においては、条件E1及び条件F1の少なくとも一方を満足することで、前述のように、基板とカバーシートとの間に接着剤層が介在することで、密着力をより向上させることができる。
条件E1で示したように、カバーシートの外径と、反射層の外径と、記録層の外径とはそれぞれ異なるが、カバーシートの外径と、反射層の外径との差は、0.1〜1.0mmとすることが好ましく、0.15〜0.5mmとすることがより好ましい。反射層の外径と、記録層の外径との差は、0.1〜1.0mmとすることが好ましく、0.15〜0.5mmとすることがより好ましい。
条件F1で示したように、カバーシートの内径と、反射層の内径と、記録層の内径とはそれぞれ異なるが、カバーシートの内径と、反射層の内径との差は、3.0〜10.0mmとすることが好ましく、4.0〜8.0mmとすることがより好ましい。反射層の内径と、記録層の内径との差は、1.0〜5.0mmとすることが好ましく、2.0〜3.0mmとすることがより好ましい。
さらに、本発明の第1の態様において、前記接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することが好ましい。図1及び図2に示す光情報記録媒体はこの構成を満足している。このような構成とすることで、外周部周辺において放射線硬化樹脂が外部に露出した状態(放射線照射時に放射線硬化樹脂がいずれの層にも遮蔽されない状態)であり、放射線が放射線硬化樹脂に直接照射されるため、十分に硬化する。また、接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することで、硬化による収縮応力が緩和はされディスク全体の反りが良くなる。
上述のように、接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成する手段としては、使用する接着剤の粘度、表面張力及び塗布条件により調整することができる。
以上のように、接着剤層の外径は、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きいことが好ましいが、接着剤層の外径と、基板の外径との差は、0〜0.3mmとすることが好ましく、0.05〜0.1mmとすることがより好ましい。接着剤層の外径と、カバーシートの外径との差は、0〜0.3mmとすることが好ましく、0.05〜0.1mmとすることがより好ましい。
保護フィルムは、ポエチレンテレフタレート又はポリエチレンから形成することが好ましい。ポエチレンテレフタレート又はポリエチレンを用いることで、放射線を適度に通し 硬化を妨げることまたは硬化が不十分になることがない。
また、保護フィルムの厚みは、10〜100μmとすることが好ましく、20〜80μmとすることよりが好ましく、30〜60μmとすることがさらに好ましい。
このような保護フィルムは、放射線硬化樹脂の硬化時に照射する放射線に対する透過率が95%以下であることが好ましい。
前記保護フィルムは剥離可能に設けられるが、このような構成の保護フィルムとしては、例えば、上記フィルム及び粘着層の2層構成とし、粘着層の表面には剥離性を良好とするために剥離剤が塗布される構成とすることができる。剥離剤としては、シリコンを主体とするもの、フッ素主体とするものなどが挙げられる。
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、第2の態様によると、基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A2及び条件B2の少なくとも一方を満足するように形成し、
条件A2:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
条件B2:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
前記カバー層の形成に際し、UV硬化樹脂からなるオーバーコート層が予め形成されたカバーシートを、該オーバーコート層を外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記オーバーコート層側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂を硬化する工程を含むことを特徴としている。
本発明の第2の態様では、オーバーコート層を有するカバーシートを用いて貼り合わせ処理を行うことにより、放射線硬化樹脂の硬化が穏やかになり、硬化収縮に起因する反りの発生を抑えることができるとともに、密着力の低下も防ぐことができる。
図3は、本発明の第2の態様の光情報記録媒体10Bを示す図であり、保護フィルム22に代え、オーバーコート層24を設けた点において図1とは異なり、それ以外の構成は図1と同様である。従って、同一の構成要素には同一の符合を付して説明を省略する。
<オーバーコート層>
第2の態様におけるオーバーコート層は、カバーシート上に設けられ、放射線硬化樹脂からなる。放射線照射により硬化可能な樹脂は、分子中に2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であり、この放射線硬化樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などが挙げられる。2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物がより好ましい。
放射線硬化樹脂の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレートなどに代表される脂肪族ジオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものを用いることができる。
またポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレートや公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレートも用いることができる。
公知のポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよい。
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジメタアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートなどの環状構造を有するものも用いることができる。
以上、オーバーコート層に好適な放射線硬化性樹脂を説明したが、例えば、市販されている大日本インク社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)も好適に使用することができる。
上記放射線硬化樹脂を硬化させるために使用される放射線としては、電子線及び紫外線が好適に使用される。なお、紫外線を使用する場合には上記の化合物(紫外線硬化樹脂)に光重合開始剤を添加することが必要となる。
光重合開始剤としては、例えば、芳香族ケトンが使用される。芳香族ケトンは、特に限定されないが、紫外線照射光源として通常使用される水銀灯の輝線スペクトルを生ずる254、313、865nmの波長において吸光係数の比較的大きなものが好ましい。その代表例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−2ジエトキシアセトフェノン、Michler’sケトンなどがあり、種々の芳香族ケトンが使用できる。
芳香族ケトンの混合比率は、上記紫外線硬化樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部、好ましくは2〜15質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。紫外線硬化型接着剤としてあらかじめ光開始剤を添加したものが市販しており、それを使用してもかまわない。
本発明の第2の態様において、カバーシートのオーバーコート層上に、保護フィルムを設けることもできる。当該保護フィルムは、第1の態様で説明した保護フィルムと同様であり、予め剥離可能な状態でオーバーコート層上に設けておき、該保護フィルムを介して放射線を照射して放射線硬化樹脂を硬化後、剥離する。
また、第2の態様においても、前記保護フィルムを設ける場合には、次の条件C2及び条件D2の少なくとも一方を満足するように設けることが好ましい。
条件C2:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
条件D2:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
条件C2、条件D2は、条件C1、条件D1と同様であり、既述の条件C1、条件D1の説明において、条件C1、条件D1を、それぞれ、条件C2、条件D2と読み替えることでそのまま妥当する。
なお、図4に示す光情報記録媒体10Cは、条件C2及び条件D2をいずれも満足する保護フィルムが設けられた場合であり、図4においては、それらの条件を満足する点で図3とは異なり、それ以外の構成は図3と同様である。従って、同一の構成要素には同一の符合を付して説明を省略する。
また、本発明の第2の態様において、以下の(1)〜(2)のように設定することが好ましい。なお、以下の(1)における、条件E2、及び条件F2は、それぞれ、既述の第1の態様における条件E1、及び条件F1と実質的に同じ内容であり、既述の条件E1、及び条件F1の説明において、条件E1、条件F1を、それぞれ、条件E2及び条件F2と読み替えることでそのまま妥当する。また、接着剤層の外径と、基板の外径と、カバーシートの外径とを規定した(2)においても、第1の態様において説明した同じ規定と同様であり、好ましい数値も同様である。
(1)基板と記録層との間に反射層を設け、該反射層を次の条件E2及び条件F2の少なくとも一方を満足するように形成する。
条件E2:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
条件F2:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
(2)接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成する。
以下、本発明の光情報記録媒体における基板及び各層について説明する。
〔基板〕
本発明の光情報記録媒体において用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
また、基板には、記録層が設けられる側の面に、トラッキング用の案内溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにはCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプリグルーブが必要となる。例えば、本発明の光情報記録媒体を、好適な、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合には、形成されるプリグルーブは以下に示す範囲のものであることが好ましい。
プリグルーブのトラックピッチは、上限値が500nm以下であることが好ましく、420nm以下であることがより好ましく、370nm以下であることが更に好ましく、330nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることが更に好ましく、260nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの幅(半値幅)は、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、170nm以下であることが更に好ましく、150nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、23nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることが更に好ましく、100nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの(溝)深さは、上限値が150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが更に好ましく、28nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
なお、上記のプリグルーブに関する上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
これらのプリグルーブの値は、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができる。なお、上記プリグルーブの角度とは、グルーブの溝深さをDとした時、溝形成前の基板の表面を基準とし、その表面からD/10の深さの傾斜部と、溝の最も深い個所からD/10の高さの傾斜部と、を結ぶ直線と、基板面(溝部底面)と、が成す角度である。
また、本発明の光情報記録媒体が、再生専用の光情報媒体である場合、上記のプリグルーブを形成するのと同時に、所定の情報を示すピットが形成される。
このような溝形状を有するプリグルーブ(及びピット)を有する基板を作製するには、射出成型時に用いるスタンパが、高精度なマスタリングにより形成されることが必要である。このマスタリングには、上述の溝形状を達成するために、DUV(波長330nm以下、深紫外線)レーザーや、EB(電子ビーム)によるカッティングが用いられることが好ましい。
一方、UVレーザーや可視光レーザーでは、本発明の光情報記録媒体のような溝形状を形成するための、良好なマスタリングを行うことが困難である。
なお、基板の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔記録層〕
本発明のおける記録層は、レーザー光で読み取ることができる情報が記録された層、又はそのような情報を記録することができる層を包括する概念であり、より具体的には、ピット、色素記録層、相変化型記録層などを含む概念である。なお、ピットは基板に形成された窪みであり、実際に層を構成しているわけではないが、本明細書においては記録層にはピットをも含むこととする。つまり、ROM構成の場合、基板内におけるピットが位置する領域を記録層とみなす。
本発明における記録層は、色素を記録物質として含有する色素型とすることが好ましいが、これに限定されず、無機追記型(ライトワンス型)、相変化型、光磁気型、再生専用型等とすることもできる。
従って、記録層に含有される記録物質としては、色素等の有機化合物や相変化金属化合物等が挙げられる。
中でも、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な、色素型の記録層であることが好ましい。かかる色素型の記録層は、記録波長領域に吸収を有する色素を含有していることが好ましい。当該色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール色素(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心に金属原子を持っていてもよい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
上記色素(化合物)の中でも、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール色素、トリアジン化合物が好ましく、特に、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が好ましい。
このような記録層は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。その際、塗布液を塗布する面の温度は、10〜40℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、下限値が、15℃以上であり、20℃以上であることが更に好ましく、23℃以上であることが特に好ましい。また、下限値としては、35℃以下であることがより好ましく、30℃以下であることが更に好ましく、27℃以下であることが特に好ましい。このように被塗布面温度が上記範囲にあると、塗布ムラや塗布故障の発生を防止し、塗膜の厚さを均一とすることができる。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布工程を複数回行うことによって形成される。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された記録層の厚さは、グルーブ(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては、30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることが更に好ましく、90nm以上であることが特に好ましい。
また、記録層の厚さは、ランド上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることが更に好ましい。
更に、グルーブ上の記録層の厚さ/ランド上の記録層の厚さの比は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることが更に好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
以上、記録層が色素型記録層である場合の溶剤塗布法について述べたが、記録層は記録物質の物性に合わせ、蒸着、スパッタリング、CVD等の成膜法によって形成することもできる。
例えば、記録物質として相変化金属化合物を用いた場合には、このような成膜法を用いて記録層を形成することができ好ましい。ここで、相変化金属化合物としては、SbTe、AgSbTe、InAgSbTe等のいずれを用いてもよい。
〔バリア層〕
本発明の光情報記録媒体においては、前記記録層と後述する接着剤層との間にバリア層を設けてもよい。
該バリア層は、記録層の保存性を高める、記録層とカバーシートとの接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Nb、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、NbOx(酸化ニオブ)、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、NbOx(酸化ニオブ)、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることが更に好ましい。
本発明におけるバリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることが更に好ましい。
<接着剤層>
接着剤層は、既述のように、カバーシートを接着するために形成される層である。接着剤層を構成する材料は、放射線硬化樹脂である。このような放射線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」、「SD−661」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、接着剤層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜50μmの範囲が好ましく、5〜45μmの範囲がより好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
放射線硬化樹脂の他の例としては、分子中に2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であり、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などがあげられる。好ましくは2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
2官能の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレートなどに代表される脂肪族ジオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものを用いることができる。
また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加したポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレートや公知の二塩基酸、グリコールから得られたポリエステルポリオールにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレートも用いることができる。
さらに、公知のポリオール、ジオールとポリイソシアネートを反応させたポリウレタンにアクリル酸、メタクリル酸を付加させたポリウレタンアクリレート、ポリウレタンメタクリレートを用いてもよい。
また、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものやイソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジメタアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレートなどの環状構造を有するものも用いることができる。
前記放射線としては、電子線および紫外線を使用することができる。紫外線を使用する場合には以下の化合物に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤として芳香族ケトンが使用される。芳香族ケトンは、特に限定されないが、紫外線照射光源として通常使用される水銀灯の輝線スペクトルを生ずる、254,313,865nmの波長において吸光係数の比較的大なるものが好ましい。その代表例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、Michler’sケトンなどがあり、種々の芳香族ケトンが使用できる。また、紫外線硬化型接着剤としてあらかじめ光開始剤を添加したものが市販しており、それを使用してもかまわない。紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は20〜200W/cmのランプを用い速度0.3m/分〜20m/分で使用される。基体と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
電子線加速器としてはスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。電子線特性としては、加速電圧が100〜1000kV、好ましくは150〜300kVであり、吸収線量として0.5〜20Mrad、好ましくは1〜10Mradである。加速電圧が10kV以下の場合は、エネルギーの透過量が不足し1000kVを超えると重合に使われるエネルギー効率が低下しコスト的に好ましくない。
ディスクの反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うのが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好ましい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい。
〔カバーシート〕
本発明におけるカバーシートは、既述の記録層やバリア層上に前記接着剤層を介して貼り合わされる。なお、前記接着剤層とカバーシートとで、カバー層をなす。
本発明において用いられるカバー層に用いられるカバーシートの材料としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバーシートには、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバーシートの表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバーシートの複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバーシートの厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザー光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、カバーシートは、0.01〜0.6mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.2mmの範囲であることがより好ましい。
〔反射層〕
本発明において、レーザー光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与したりするために、基板と記録層との間に、反射層を形成することが好ましい。
反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag或いはこれらの合金である。
〔その他の層〕
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、反射層と記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも、単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
本発明の光情報記録媒体への情報記録方法は、カバー層側から波長100〜600nmのレーザー光を照射し、記録層を物理的或いは化学的に変化させることにより記録を行うことができる。
上記の構成の本発明の光情報記録媒体に対し、適した波長のレーザー光を照射して記録を行うことにより、良好で安定な記録再生特性を付与することができる。
記録波長(レーザー光波長)は、より好ましくは、下限値が200nm以上であり、300nm以上であることが更に好ましく、350nm以上であることが特に好ましい。また、上限値としては、500nm以下であることがより好ましく、450nm以下であることが更に好ましく、420nm以下であることが特に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
また、情報の記録は本発明の光情報記録媒体のグルーブに行ってもよいし、ランドに行ってもよいが、グルーブの方が好ましい。
更に、上記の波長領域のレーザー光によって、情報の再生も行われる。
より具体的には、本発明の光情報記録媒体(追記型)を用いた情報の記録、再生は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光情報記録媒体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、透明シート側から対物レンズを介して青紫色レーザ(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら、青紫色レーザー光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
上述のような500nm以下の発振波長を有するレーザー光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
厚さ1.1mm、外径120mm/内径15mmのセンターホールを持ちスパイラル状のグルーブ(深さ40nm、幅180nm,トラックピッチ320nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製ポリカーボネート商品名パンライトAD5503)基板(外径120mm、内径15mm)のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの膜厚の反射層を形成し、その後、フタロシアニン系色素A(オラゾールブル−GN:cibaスペシャリティケミカル社製 )を2,2,3,3,−テトラフルオロプロパノールと混合し、2時間超音波を行って溶解し、この色素塗布液をスピンコート法により回転数を300rpmから4000rpmまで変化させながら23℃50%RHの条件で塗布した。その後、23℃50%RHで1時間から4時間保存後、バリア層としてZnS・SiOをスパッタにて5nmの厚みになるように形成した。その後、放射線硬化樹脂として、UV硬化接着剤(大日本インキ化学工業(株)製SD−640)を、スピンコート法により100〜300rpmで塗布し、保護フィルム付きポリカーボネート(帝人化成製ピュアエース)を外径119.7mm/内径20mmに打ち抜いたカバーシートを重ね合わせて載置し、その後300rpmから4000rpmまで変化させながら樹脂厚みが5um(塗布厚みは樹脂塗布量とスピンコート回転数で制御)になるように全面に接着剤を広げた後、UV照射ランプにて紫外線を照射して硬化させカバー層を形成した。そして、硬化後、保護フィルムを剥離した。
以上の工程により、実施例1の光情報記録媒体を作製した。
[実施例2]
UV硬化接着剤の樹脂厚みが8μm(塗布厚みは樹脂塗布量とスピンコート回転数で制御)になるように形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光情報記録媒体を作製した。
[実施例3]
UV硬化接着剤の樹脂厚みが3μm(塗布厚みは樹脂塗布量とスピンコート回転数で制御)になるように形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光情報記録媒体を作製した。
[実施例4]
実施例1で使用したカバーシートに代え、保護フィルム付きポリカーボネート(帝人化成製ピュアエース)を、カバーシート部を外径119.7mm/内径20mm、保護フィルム部を外径119mm/内径25mmに打ち抜いて得たものを使用してカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例4の光情報記録媒体を作製した。
なお、本実施例においては、カバーシートと保護フィルムの内外径がそれぞれ異なるため、打ち抜きは図5に示すような2重構造の刃を持った特殊な打ち抜きにより行った。図5について説明する。図5は、保護フィルム付きカバーシートをディスク状に打ち抜く打ち抜き装置の刃の部分を概念的に示す断面図である。図5(A)は打ち抜き前の状態を示し、図5(B)は打ち抜き途中の状態を示している。図5に示す打ち抜き装置は、上刃32と、下刃34を有し、上刃32は、長刃32Aと短刃32Bとからなる。図5において、長刃32Aと短刃32Bは、図5において左から順に、カバーシートの外周、保護フィルムの外周、保護フィルムの内周、カバーシートの内周、カバーシートの内周、保護フィルムの内周、保護フィルムの外周、カバーシートの外周に対応する刃である。
図5(A)においては、カバーシート20上に保護フィルム22が貼付されたウェブが下刃24上に配置されている。打ち抜きに際して、上刃32を下方に移動させると、長刃32Aは保護フィルム22とカバーシートとを貫通し、短刃32Bは保護フィルム22の面で留まり、この状態でディスク状に打ち抜かれる。
図5において、カバーシートの内外径及び保護フィルムの内外径は、長刃32Aと短刃32Bとの間隔を調節することにより所望の通り設定することができる。
[実施例5]
実施例1で使用したカバーシートに代え、保護フィルム付きポリカーボネート(帝人化成製ピュアエース)を、カバーシート部を外径119.7mm/内径20mm、保護フィルム部を外径119mm/内径20mmに打ち抜いて得たものを使用してカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例5の光情報記録媒体を作製した。
[実施例6]
実施例1で使用したカバーシートに代え、下記方法にて作製した紫外線硬化樹脂オーバーコート層付きポリカーボネートを外径119.7mm/内径20mmに抜ち抜いて得たカバーシートを使用してカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例6の光情報記録媒体を作製した。
<オーバーコート層を設けたカバーシートの作製方法>
ロール状に巻かれたポリカーボネートシート(帝人製ピュアエース 92μm)を搬送中に、紫外線硬化樹脂(ダイキュリア SD−715(大日本インキ化学工業(株)製)を連続塗布(3μm厚み)し、その直後に高圧水銀灯0.23J/cmになるように照射して硬化して、ロール状に巻き取った。
[実施例7]
実施例1で使用したカバーシートに代え、下記方法にて作製した保護フィルム+紫外線硬化樹脂オーバーコート付きポリカーボネートを外径119.7mm/内径20mmに抜ち抜いて得たカバーシートを使用してカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例7の光情報記録媒体を作製した。
<保護フィルム+オーバーコート層を設けたカバーシートの作製方法>
ロール状に巻かれたポリカーボネートフィルム(帝人製ピュアエース 92μm)を搬送中に、紫外線硬化樹脂(ダイキュリア SD−715(大日本インキ化学工業(株)製)を連続塗布(3μm厚味)し、その直後に高圧水銀灯0.23J/cmになるように照射して硬化して、ロール状に巻き取った。巻き取るときにポリエステル保護フィルム(サンエー化研製 PAC2)をオーバーコート層表面に貼り合わせ共巻きにした。
[実施例8]
実施例1で使用したカバーシートに代え、実施例7にて作製した保護フィルム+オーバーコート層を設けたカバーシートを、オーバーコート層+カバーシート部を外径119.7mm/内径20mm、保護フルム部を外径119mm/25mmに抜ち抜いて得たカバーシートを使用してカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして実施例8の光情報記録媒体を作製した。
[比較例1]
実施例1で使用したカバーシートに代え、カバーシートを外径119.7mm/内径20mmに打ち抜き保護フィルムのない状態で貼り合わせUV照射して硬化させてカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光情報記録媒体を作製した。
[比較例2]
実施例2で使用したカバーシートに代え、カバーシートを外径119.7mm/内径20mmに打ち抜き保護フィルムのない状態で貼り合わせUV照射して硬化させてカバー層を形成したこと以外は実施例2と同様にして比較例2の光情報記録媒体を作製した。
[比較例3]
実施例3で使用したカバーシートに代え、カバーシートを外径119.7mm/内径20mmに打ち抜き保護フィルムのない状態で貼り合わせUV照射して硬化させてカバー層を形成したこと以外は実施例3と同様にして比較例3の光情報記録媒体を作製した。
[比較例4]
実施例1で使用したカバーシートに代え、カバーシートを外径120mm/内径20mmに打ち抜き保護フィルムのない状態で貼り合わせUV照射して硬化させてカバー層を形成したこと以外は実施例1と同様にして比較例4の光情報記録媒体を作製した。
[評価]
得られた各光情報記録媒体に対し、以下の評価を行った。
(1)R−チルト
作製した各光情報記録媒体を水平方向に基準面を設定したスピンドルに取り付けレーザ角度測定器(キーエンス社製 LA−2000)にてディスク面の基準水平面からの半径方向の傾き(R−チルト)を測定した。測定は半径22、32、42、52、58mm、各半径を周方向に1周測定し、傾きの最大値を測定した。測定結果を表1に示す。なお、0.6°以下が良好な結果である。
(2)密着力
作製した各光情報記録媒体のカバーシートの半径方向に幅2cmの帯状となるように切れ目を入れ、該帯状部の外周にセロハンテープ(住友スリーエム社製スコッチ OPP 包装用粘着テープ)を貼り付け180°方向に引っ張りその時の荷重を500gのばね測りで測定した。測定結果を表1に示す。なお、150g以上が良好な結果である。
Figure 2007294044
表1より、実施例1〜8においては、R−チルトの評価及び密着力の評価のいずれも良好な結果が得られたことが分かる。実施例1〜3より、接着剤層を厚くしても反りが小さく、逆に、接着剤層が薄くても十分な密着力が得られたことが分かる。特に、保護フィルムの外径をカバーシートの外径よりも小さくし、かつ保護フィルムの内径をカバーシートの内径よりも大きくした実施例4、及び保護フィルムの外径をカバーシートの外径よりも小さくした実施例5では、接着剤層が薄くても密着力が高かった。
一方、カバーシートにオーバーコート層を設けた実施例6は特に反りが小さく、オーバーコート層上にさらに保護フィルムを設けた実施例7〜8においては、小さい反りに加え十分な密着力も確保することができた。
以上の実施例に対し、保護フィルムもオーバーコート層も設けない比較例1〜4では、接着剤層を薄くすると反りは低減するが密着力が不足し、逆に接着剤層を厚くすると反りが発生し、反りの低減と密着力の向上とを同時に満足させることができなかった。
本発明の第1の態様に係る光情報記録媒体の製造過程における模式断面図である。 図1に示す光情報記録媒体において、保護フィルムの内外径を変えた形態を示す模式断面図である。 本発明の第2の態様に係る光情報記録媒体の製造過程における模式断面図である。 図3に示す光情報記録媒体において、オーバーコート層上に保護フィルムを設けた形態を示す模式断面図である。 保護フィルム付きカバーシートをディスク状に打ち抜く打ち抜き装置の刃の部分を概念的に示す断面図である
符号の説明
10 光情報記録媒体
12 基板
14 反射層
16 記録層
18 接着剤層
20 カバーシート
22 26 保護フィルム
24 オーバーコート層

Claims (11)

  1. 基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A1及び条件B1の少なくとも一方を満足するように形成し、
    条件A1:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
    条件B1:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
    前記カバー層の形成に際し、剥離可能に設けられた保護フィルムを有するカバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記保護フィルム側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂が硬化した後、前記保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 前記保護フィルムを、次の条件C1及び条件D1の少なくとも一方を満足するように設けることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法。
    条件C1:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
    条件D1:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
  3. さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を設け、該反射層を次の条件E1及び条件F1の少なくとも一方を満足するように形成することを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体の製造方法。
    条件E1:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
    条件F1:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
  4. 前記接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  5. 前記保護フィルムを、ポエチレンテレフタレート又はポリエチレンから形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  6. 基板上に、少なくとも、記録層と、放射線硬化樹脂からなる接着剤層及びカバーシートから構成されたカバー層とをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記基板、カバーシート、及び記録層を、次の条件A2及び条件B2の少なくとも一方を満足するように形成し、
    条件A2:基板の外径>カバーシートの外径>記録層の外径
    条件B2:基板の内径<カバーシートの内径<記録層の内径
    前記カバー層の形成に際し、放射線硬化樹脂からなるオーバーコート層が予め形成されたカバーシートを、該オーバーコート層を外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上に載置し、前記オーバーコート層側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂を硬化する工程を含むことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記カバーシートのオーバーコート層上に、剥離可能に設けられた保護フィルムを有し、該カバーシートを、該保護フィルムを外側に向けた状態で、放射線硬化樹脂が硬化する前の接着剤層上を載置し、前記保護フィルム側から放射線を照射して、前記放射線硬化樹脂を硬化した後、前記保護フィルムを剥離する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  8. 前記保護フィルムを、次の条件C2及び条件D2の少なくとも一方を満足するように設けることを特徴とする請求項6または7に記載の光情報記録媒体の製造方法。
    条件C2:保護フィルムの外径<カバーシートの外径
    条件D2:保護フィルムの内径>カバーシートの内径
  9. さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を設け、該反射層を次の条件E2及び条件F2の少なくとも一方を満足するように形成することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
    条件E2:カバーシートの外径>反射層の外径>記録層の外径
    条件F2:カバーシートの内径<反射層の内径<記録層の内径
  10. 前記接着剤層の外径が、基板の外径より小さく、カバーシートの外径より大きく、かつ接着剤層の外周がカバーシートの外周に向けての厚み方向において径が連続的に小さくなるように形成することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法により製造されてなる光情報記録媒体。
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