JP2007291335A - 半導体リソグラフィー用樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2)を含有する半導体リソグラフィー用樹脂(A1)が有機溶剤(S1)に溶解した樹脂溶液(R1)を、溶解度パラメータが17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあり、かつ比表面積が0.005〜1m2/gの範囲にある樹脂(A1’)に接触させる。
【選択図】なし
Description
微細化の手法としては一般に露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザー(248nm)が量産の中心となり、さらにArFエキシマレーザー(193nm)が量産で導入され始めている。また、F2エキシマレーザー(157nm)やEUV(極端紫外光)、EB(電子線)等を光源(放射線源)として用いるリソグラフィー技術についても研究が行われている。
かかる要求を満たすレジスト材料の1つとして、ベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物が知られている。化学増幅型レジスト組成物には、露光部のアルカリ可溶性が増大するポジ型と、露光部のアルカリ可溶性が低下するネガ型とがある。
現在、化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、たとえばKrFエキシマレーザーを光源とする場合には主にポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂が用いられている。また、ArFエキシマレーザーを光源とする場合には、主に、(α−低級アルキル)アクリル酸から誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている。
ベース樹脂の製造においては、原料モノマーおよび重合開始剤、ならびに必要に応じて連鎖移動剤を重合溶媒に溶解した後、加熱することにより重合させる、いわゆる昇温式一括重合法が最も一般的に用いられている。
ディフェクトの改善は、高解像性のレジストパターンが要求されるようになるにつれて重要となる。特に、ArFエキシマレーザー以降、すなわちArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV、EB等を光源として微細パターン、たとえば130nm以下のレジストパターンを形成する場合には、ディフェクトの解決の問題がいっそう厳しくなってきている。
すなわち、重合反応後の反応系中には、未反応のモノマー、副生したオリゴマーや低分子量のポリマーなどの比較的低分子量のものから、重合度の高い、比較的高分子量のポリマーまで、幅広い分子量のものが存在している。これらの分子は、それぞれ、溶剤やアルカリ現像液に対する溶解性が異なり、このことが、ディフェクトを悪化させる原因の1つと考えられる。
また、現在、ベース樹脂の製造において、原料モノマーとしては、通常、良好なリソグラフィー特性を得るために、2種以上のモノマーが用いられている。たとえば特許文献1には、モノマーとして、エステル部に酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エステル部にγ−ブチロラクトン骨格等のラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル、エステル部に水酸基等の極性基を含有する多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を用いた重合体が記載されている。そして、これらのモノマーは、それぞれ重合反応における反応性(重合速度)が異なる。
そのため、これらのモノマーを重合させて得られるベース樹脂は、その構造中において、各モノマーから誘導される構成単位が偏って分布しやすく、このことも、ディフェクトを悪化させる原因の1つと考えられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ディフェクト、特にブリッジモードディフェクトの発生を抑制できる半導体リソグラフィー用樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明において製造される樹脂(A1)は、ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2)を含有するものであればよく、半導体リソグラフィー用として用いられている任意の樹脂であってよい。具体的には、たとえばヒドロキシスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、好ましくは、ラジカル重合反応により製造される樹脂が挙げられる。本発明においては、さらに、化学増幅型レジスト組成物用のベース樹脂として提案されている樹脂の製造に適している。
これまで、化学増幅型レジスト組成物用のベース樹脂として提案されている樹脂としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂が用いられており、具体的には、アルカリ可溶性樹脂、または酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂が用いられている。前者はネガ型レジスト組成物用であり、後者はポジ型レジスト組成物用である。本発明において、樹脂(A1)はネガ型レジスト組成物用であってもポジ型レジスト組成物用であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸」は、狭義のアクリル酸(CH2=CHCOOH)、及びその水素原子の一部または全部が他の基または原子で置換された誘導体を含む概念とする。
アクリル酸の誘導体としては、たとえば、狭義のアクリル酸のα位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているα置換アクリル酸、これらのアクリル酸のカルボキシ基の水素原子が有機基で置換されたアクリル酸エステル等が挙げられる。
アクリル酸エステルにおける有機基としては、特に限定されず、たとえば後述する構成単位(a1)〜(a4)等において挙げた構成単位において、アクリル酸エステルのエステル側鎖部に結合した基(酸解離性溶解抑制基、ラクトン含有環式基、極性基含有脂肪族炭化水素基、多環式の脂肪族炭化水素基等)が挙げられる。
アクリル酸のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
α置換アクリル酸の置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
α位の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本明細書において、低級アルキル基は炭素数1〜5のアルキル基である。
α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
α位の置換基としてのハロゲン化低級アルキル基としては、前記低級アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
アクリル酸のα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
「アクリル酸から誘導される構成単位」とは、アクリル酸のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
アクリル酸から誘導される構成単位としては、下記一般式(a”)で表される構成単位が挙げられる。
Xの有機基としては、上述した「アクリル酸エステルにおける有機基」と同様のものが挙げられる。
ここで、「構成単位(a)のみからなる」とは、樹脂(A1)の主鎖が、アクリル酸から誘導される構成単位のみから構成されており、他の構成単位を含まないことを意味する。
樹脂(A1)は、ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2)を必須の構成単位として含有する。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン含有環式基は、樹脂(A1)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、親水性を高め、ひいては現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
ラクトン含有環式基は、単環式基であっても多環式基であってもよい。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
ラクトン含有単環式基は、その環上に置換基を有していてもよく、該置換基としては、メチル基等の低級アルキル基;炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。
ここで、「γ−ブチロラクトン環を含む」とは、当該ラクトン含有環式基が、その構造中にラクトン環としてγ−ブチロラクトン環を含むことを意味し、当該ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
γ−ブチロラクトン環を含む単環式基としては、後述する構成単位(a2−1)等が挙げられる。
γ−ブチロラクトン環を含む多環式基としては、後述する構成単位(a2−2)〜(a2−5)等が挙げられる。
本発明においては、特に、構成単位(a2)が、ラクトン環を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位であることが好ましい。
かかる構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位(a2−1)〜(a2−5)が挙げられる。
R’の低級アルキル基としては、前記式(a”)中のRの低級アルキル基と同様である。一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
樹脂(A1)中の構成単位(a2)の割合は、樹脂(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、5〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましく、15〜60モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができ、半導体リソグラフィー用樹脂として好適なものとなる。
本発明において、樹脂(A1)がポジ型のレジスト組成物用である場合、樹脂(A1)は、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有することが好ましい。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は樹脂(A1)全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの樹脂(A1)全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基と、環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、または環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルを形成する基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
また、環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルとは、カルボキシ基の水素原子がアルコキシアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O―)の末端の酸素原子に前記アルコキシアルキル基が結合している構造を示す。このアルコキシアルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子とアルコキシアルキル基との間で結合が切断される。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、例えばアルコキシアルキル基、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。好ましくは多環式基である。脂肪族環式基の炭素数は、好ましくは4〜20である。
このような脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
そして、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
また、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位の様に、アダマンチル基の様な脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
R19は直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
Y2は好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基又は2価の脂肪族環式基である。
Y2は2価の脂肪族環式基である場合、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記構成単位(a1)においての「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
樹脂(A1)は、構成単位(a2)に加えて、または構成単位(a1)および(a2)に加えて、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。構成単位(a3)を有することにより、樹脂(A1)の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
樹脂(A1)中、構成単位(a3)の割合は、当該重合体(A2)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
樹脂(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、置換基として炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
R9は低級アルキル基であり、R9の低級アルキル基は、上記Rの低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0程度、好ましくは1.0〜2.5である。
また、樹脂(A1)には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
有機溶剤(S1)は、樹脂(A1)を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよい。また、有機溶剤(S1)は、樹脂(A1’)を溶解しないものであることが好ましい。
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;
前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類;
乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
有機溶剤(S1)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;およびELからなる群から選択される1種以上が好ましく、中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、特にPGMEAが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、有機溶剤(S1)として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
有機溶剤(S1)の使用量は、特に制限はなく、たとえば樹脂溶液(R1)と樹脂(A1’)との接触方法等を考慮して適宜設定すればよい。たとえば樹脂(A1’)を充填した容器内に樹脂溶液(R1)を通す場合、接触効率等を考慮すると、樹脂溶液(R1)中の樹脂(A1)濃度が2〜20質量%の範囲内となる量が好ましく、5〜15質量%の範囲内となる量がより好ましい。
樹脂溶液(R1)は、樹脂(A1)を有機溶剤(S1)に溶解することにより調製できる。
樹脂(A1)の有機溶剤(S1)への溶解は、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、撹拌するだけでも行うことができ、また、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
樹脂(A1’)は、溶解度パラメータ(以下、SP値ということがある。)が17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあり、かつ比表面積が0.005〜1m2/gの範囲にある樹脂である。
本発明においては、かかる特定範囲内のSP値および比表面積を有する樹脂(A1’)と、上記特定の樹脂(A1)の有機溶剤(S1)溶液とを接触させることにより、得られる半導体リソグラフィー用樹脂を用いてレジストパターンを形成する際のディフェクトが低減される。
すなわち、ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2)を含有する樹脂(A1)中には、その製造の際に用いたラクトン含有環式基を有するモノマー(ラクトンモノマー)や、当該ラクトンモノマー同士が偏って重合して生成する、構成単位(a2)を高い比率で含有する重合体(ラクトンリッチポリマー)等が含まれており、これらがディフェクト発生の一因となっていると考えられる。たとえばラクトンリッチポリマーは、露光の前後でアルカリ溶解性がほとんど変化しないため、ポジ型の場合は露光部において、ネガ型の場合は未露光部において、ラクトンリッチポリマーの存在する部分がアルカリ現像後に溶解せずにそのまま残り、ディフェクト(特にブリッジモードディフェクト)の原因となると考えられる。
これに対し、本発明において用いられる樹脂(A1’)は、SP値が17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあることにより、これらラクトンモノマー、ラクトンリッチポリマー等の化合物(以下、ラクトンリッチ化合物ということがある。)との間で強い相互作用を有すると推測される。
また、樹脂(A1’)の比表面積が0.005m2/g以上であることにより樹脂溶液(R1)を接触させた際の接触面積が大きく、また、比表面積が1m2/g以下であることにより、樹脂溶液(R1)を供給した際の溶液通過性も良好である。
そのため、樹脂溶液(R1)を樹脂(A1’)に接触させることにより、当該樹脂溶液(R1)中に含まれるラクトンリッチ化合物が樹脂(A1’)に効率的に吸着、保持され、樹脂溶液(R1)中のラクトンリッチ化合物の量を、ディフェクト改善に充分なレベルに低減できると推測される。
SP値は、当該化合物の溶媒への溶解性を表すパラメータであり、SP値が大きいほど、高極性溶媒あるいは親水性溶媒に対する当該化合物の溶解性が高いことを意味し、SP値が小さいほど、低極性溶媒あるいは疎水性溶媒に対する当該化合物の溶解性が高いことを意味する。
本発明において、樹脂(A1’)のSP値は、富士通製計算化学ソフトCAChe(製品名)を用いて計算した値である。具体的には、樹脂(A1’)のSP値は、樹脂(A1’)の構成単位それぞれについて、構成単位を構成する原子および原子間の結合種(単結合、二重結合、三重結合等の結合の種類)を二次元情報として入力するモデリングを行い、その二次元情報から、PM5法により、原子間のポテンシャルエネルギーが最小になるように原子および結合種を三次元的に配置する構造最適化を行う。そして構造最適化を行った各構成単位についてSP値を計算し、樹脂(A1’)の各構成単位のモル組成比と、上述した各構成単位のSP値の積を累計することにより求めることができる。
富士通製計算化学ソフトCAChe(製品名)によるPM5法の構造最適化の具体的な操作方法は、富士通製計算化学ソフトCAChe(製品名)のWorkspace画面上で構成単位のモデリングを行った後、「Experiment」のプルダウンメニューから「New」を選択し、新たに現れた画面において、「Proparty of:」の項目は「chemical sample」を、「Proparty:」の項目は「optimized geometry」を、「Using:」の項目は「PM5 geometry」をそれぞれ選択した後、「Start」を選択することであり、この操作によって構造最適化をすることができる。
式(1−2)で表される構成単位は、トリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、TMPTMAとも言う。)から誘導される構成単位(以下、TMPTMA単位とも言う。)であり、この構成単位のSP値は17.2(J/cm3)1/2である。
従って、例えば、GBLMA単位/TMPTMA単位=97モル%/3モル%の重合体のSP値は、18.5×0.97+17.2×0.03=18.5(J/cm3)1/2となる。
また、GBLMA単位とTMPTMA単位のSP値は、いずれも、17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあることから、これら2種類の構成単位からなる重合体のSP値は、いかなる組成比においても、17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあることになる。
ここで、AN単位とTMPTMA単位からなる重合体において、SP値が17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあるTMPTMA単位の組成比を高めて、AN/TMPTMA=37.8モル%/62.2モル%の組成比とすると、24.6×0.378+17.2×0.622=20.0(J/cm3)1/2となり、この重合体のSP値は、17〜20(J/cm3)1/2の範囲となる。
また、重合体の構成単位のうち、SP値が20(J/cm3)1/2より大きい構成単位が含まれる場合、それ以外の構成単位(SP値が20(J/cm3)1/2以下の構成単位)の組成比を高めることで、重合体のSP値を17〜20(J/cm3)1/2の範囲に制御することが可能である。
さらに、重合体の構成単位のうち、SP値が17(J/cm3)1/2より小さい構成単位が含まれる場合も、それ以外の構成単位(SP値が17(J/cm3)1/2以上の構成単位)の組成比を高めることで、重合体のSP値を17〜20(J/cm3)1/2の範囲に制御することが可能である。
このようにして、重合体の各構成単位のSP値に応じて、その組成比を制御することによって、重合体のSP値を17〜20(J/cm3)1/2の範囲に制御することが可能である。
本発明においては、SP値が17〜20(J/cm3)1/2の範囲のSP値を得やすいことから、全ての構成単位のSP値が、17.0〜20(J/cm3)1/2の範囲にあることが好ましい。
樹脂(A1’)の比表面積は0.005〜1m2/gの範囲である。
比表面積とは、粉体粒子の単位質量あたりの表面積であり、窒素吸着法によって求めたものである。
樹脂(A1’)の比表面積の下限値は、ラクトンリッチ化合物の吸着、保持の点から、0.01m2/g以上が好ましく、0.03m2/g以上がより好ましい。また、樹脂(A1’)の比表面積の上限値は、溶液通過性の点から、0.8m2/g以下が好ましく、0.5m2/g以下がより好ましい。
ここで、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレートおよびアクリレートの一方または両方を意味する。
「脂環ラクトン」は、橋かけ環式炭化水素基を含むラクトン環を意味する。
このラクトン含有環式基を有し、連鎖重合性を有するモノマーとしては、特に制限されないが、例えば下記式(10−1)〜(10−37)で表されるモノマーが挙げられる。式(10−1)〜(10−37)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
中でも、連鎖重合性が良好な点から、式(10−1)〜(10−29)で表されるモノマー、ならびにこれらの幾何異性体および光学異性体が好ましい。
樹脂(A1’)中の構成単位(a2’)の割合は、樹脂(A1’)を構成する全構成単位の合計に対して、ラクトンリッチ化合物の吸着、保持の点から、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。また、当該樹脂(A1’)と接触させる樹脂溶液(R1)に用いられている有機溶剤(S1)に対する耐性等を考慮すると、100モル%以下が好ましく、99.9モル%以下がさらに好ましく、99.5モル%以下が特に好ましく、99モル%以下がさらに好ましく、98モル%以下が最も好ましい。
構成単位(a5’)を誘導する架橋剤としては、構成単位(a2’)を誘導するモノマーと共重合可能なものであればよく、たとえば、多官能ビニルモノマー(m1)が挙げられる。
多官能ビニルモノマー(m1)とは、ラジカル重合性あるいはイオン重合性を有する構造(例えば、エチレン性炭素−炭素二重結合)を、1分子中に2個以上含有するビニルモノマーである。
多官能ビニルモノマー(m1)としては、特に限定されるものではなく、公知の多官能ビニルモノマー(m1)を用いることができ、例えば、多官能(メタ)アクリル酸エステルモノマー、芳香族系多官能ビニルモノマー、脂肪族系多官能ビニルモノマーなどを用いることができる。中でも、重合性の点から、多官能(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましい。
トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチルロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチルロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、ウレタン(メタ)ジアクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−5−メチル−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,11−ジ(メタ)アクリロキシ−4,8−ジオキサウンデガン−2,6,10−トリオール、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
芳香族系多官能ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼンなどが挙げられる。
脂肪族系多官能ビニルモノマーとしては、1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
ここで、「アクリロイルオキシ基」は、一般式CH2=CHR−COO−で表される基であり、Rとしては、上述した一般式(a”)中のRと同様のものが挙げられる。
2以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物から誘導される構成単位としては、たとえば下記一般式(a5’−1)で表される構成単位が挙げられる。
R3は、(f+1)価、すなわち2〜4価の飽和炭化水素基であり、特に2価の飽和炭化水素基又は3価の飽和炭化水素基が好ましい。
R3の飽和炭化水素基としては、鎖状(直鎖、分岐鎖)および環状(環のみ、および環に鎖状の飽和炭化水素基が結合したものを含む)のいずれであってもよく、直鎖または分岐の飽和炭化水素基がより好ましい。また、該飽和炭化水素基は、炭素数が1〜15であることが好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜6がさらに好ましい。
R3の飽和炭化水素基は、その水素原子が水素原子以外の他の原子で置換されていてもよい。該他の原子としては、たとえばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
また、R3としては、上述のような飽和炭化水素基の炭素原子の一部が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子で置換された基も挙げられる。
3価の環状の飽和炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカンン、テトラシクロドデカン等の飽和炭化水素環から水素原子を3個除いた環式基、該環式基に直鎖または分岐のアルキレン基が結合した基などが挙げられる。
2価の直鎖または分岐の飽和炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基等が挙げられる。
2価の環状の飽和炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の飽和炭化水素環から水素原子を2個除いた環式基、該環式基に直鎖または分岐のアルキレン基が結合した基などが挙げられる。
R3としては、3価の直鎖または分岐の飽和炭化水素基が特に好ましく、メタンから3個の水素原子を除いた基が最も好ましい。
樹脂(A1’)中の構成単位(a5’)の割合は、樹脂(A1’)を構成する全構成単位の合計に対して、0.1モル%以上が好ましく、0.5モル%以上がより好ましく、1モル%以上がさらに好ましく、2モル%以上が特に好ましい。また、ラクトンリッチ化合物の吸着、保持の点から、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下がさらに好ましい。
構成単位(a6’)としては、構成単位(a2’)を誘導するモノマーと共重合可能なモノマーから誘導されるものであればよく、特に制限されない。
構成単位(a2’)を誘導するモノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸n−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸iso−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸iso−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸tert−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシ−n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸1−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸−1−(3−ヒドロキシ)アダマンチル、(メタ)アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3−テトラフルオロ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−n−プロピル、α−トリフルオロメチルアクリル酸メチル、α−フルオロアクリル酸メチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エチル、α−フルオロアクリル酸エチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−フルオロアクリル酸2−エチルヘキシル、α−トリフルオロメチルアクリル酸n−プロピル、α−フルオロアクリル酸n−プロピル、α−トリフルオロメチルアクリル酸iso−プロピル、α−フルオロアクリル酸iso−プロピル、α−トリフルオロメチルアクリル酸n−ブチル、α−フルオロアクリル酸n−ブチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸iso−ブチル、α−フルオロアクリル酸iso−ブチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸tert−ブチル、α−フルオロアクリル酸tert−ブチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸メトキシメチル、α−フルオロアクリル酸メトキシメチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エトキシエチル、α−フルオロアクリル酸エトキシエチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸n−プロポキシエチル、α−フルオロアクリル酸n−プロポキシエチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸iso−プロポキシエチル、α−フルオロアクリル酸iso−プロポキシエチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸n−ブトキシエチル、α−フルオロアクリル酸n−ブトキシエチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸iso−ブトキシエチル、α−フルオロアクリル酸iso−ブトキシエチル、α−トリフルオロメチルアクリル酸tert−ブトキシエチル、α−フルオロアクリル酸tert−ブトキシエチルなどの直鎖もしくは分岐構造を持つ(メタ)アクリル酸エステルまたはα−フッ素置換(メタ)アクリル酸エステル;
エチレン、プロピレン、ノルボルネン、テトラフルオロエチレン、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、ビニルピロリドン等が挙げられる。
また、「α−フッ素置換(メタ)アクリル酸エステル」とは、メタクリル酸のα位の炭素原子に結合したメチル基の水素原子がフッ素原子で置換されたα−フルオロメチルアクリル酸、またはアクリル酸のα位の炭素原子に結合した水素原子がフッ素原子で置換されたα−フルオロアクリル酸エステルを意味する。
樹脂(A1’)において、構成単位(a6’)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A1’)中の構成単位(a6’)の割合は、特に制限されないが、樹脂(A1’)を構成する全構成単位の合計に対して、50モル%以下が好ましい。
樹脂(A1’)の形状は、特に制限はないが、樹脂溶液(R1)との接触効率等を考慮すると、粒状であることが好ましい。粒状である場合、その粒子径は、上述したように、比表面積等を考慮すると、6μm〜1.2mm程度の範囲内であることが好ましい。
樹脂(A1’)の製造方法は、特に限定されず、たとえば各構成単位を誘導するモノマーを、公知の重合法、たとえばラジカル重合等の連鎖重合法により重合させることによって得ることができる。
具体的には、たとえば樹脂(A1’)は、上記各構成単位を誘導するモノマーを、ラジカル重合開始剤またはイオン重合開始剤によって、熱重合または光重合することで製造することができる。
使用する分散剤量は、水性懸濁液中に0.001〜10質量%の範囲であることが好ましい。これは、分散剤量を0.001質量%以上とすることによって、重合時の分散安定性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは0.01質量%以上である。また、10質量%以下とすることによって、樹脂(A1’)の脱水性、乾燥性が良好となる傾向にあるためである。より好ましくは1質量%以下である。
本発明における懸濁重合の方法としては、水中に上記分散剤を1種以上溶かし込み、撹拌を行いながら、重合開始剤を含むモノマー混合物を加え、0.05〜1mm程度の液滴に分散させ、加熱下に重合を行うことが好ましい。この際、液滴の分散安定性を向上させることを目的として、電解質やpH調整剤を必要に応じて使用することができる。
懸濁重合時における、重合温度は特に限定されるものではないが、50〜130℃の範囲であることが好ましい。これは、50℃以上とすることにより、比較的短時間の内に重合体を製造することが可能となる傾向にあるためである。より好ましくは60℃以上である。また、130℃以下とすることによって、重合時の安定性が増す傾向にあるためである。より好ましくは100℃以下である。
また、懸濁重合時においては、必要に応じて連鎖移動剤を使用することができる。使用できる連鎖移動剤は特に限定されるものではないが、例えば、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、チオグリコール酸オクチル等のチオグリコール酸エステル類、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができる。
懸濁重合後の濾過方法は特に限定されるものではないが、目開き20〜100μmの濾過布を使用することが好ましい。これは、目開きを20μm以上とすることにより、乳化微粒子およびその二次凝集物を濾液と共に排出することが可能となるためである。より好ましくは40μm以上である。また、100μm以下とすることにより、良好な樹脂(A1’)を収率良く回収することが可能となるためである。より好ましくは75μm以下である。
また、乾燥方法及び乾燥温度は特に限定されるものではないが、水または洗浄に用いた溶剤の残留量が2質量%以下となる条件にて行うことが好ましい。これは2質量%以下とすることにより、樹脂(A1’)を種々溶剤に分散させた際の不純物の溶出を防止するためである。より好ましくは1質量%以下である。
樹脂(A1’)の溶剤への分散方法は特に限定されるものではないが、例えば、撹拌翼及び冷却管を取り付けた容器中に溶剤を加え、撹拌下、樹脂(A1’)を徐々に添加した後、40〜80℃程度に加温した状態を2時間程度維持することが好ましい。
この方法は、上述のようにして得られる重合体が、カルボン酸および/またはその無水物を含有する場合、および/またはエポキシ基および/またはイソシアネート基を含有する場合に適用できる。
この場合、樹脂(A1’)は、カルボン酸および/またはその無水物を含有する重合体(p1)と、エポキシ基および/またはイソシアネート基を含有する重合体(P2)とを混合した後、これらの重合体を架橋させたり、
カルボン酸および/またはその無水物を含有する重合体(P1)と、エポキシ基および/またはイソシアネート基を含有する化合物(C1)を混合した後、これらの重合体と化合物を架橋させたり、
カルボン酸および/またはその無水物を含有する化合物(C2)と、エポキシ基および/またはイソシアネート基を含有する重合体(P2)を混合した後、これらの重合体と化合物を架橋させることで製造することができる。
カルボン酸および/またはその無水物を含有する重合体(P1)は、カルボン酸あるいはその無水物を有するモノマー、カルボン酸を有する開始剤、カルボン酸を有する連鎖移動剤の中から少なくとも1つを用いることで得られる。
カルボン酸を有する連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、チオサリチル酸、ジチオジグリコール酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、2,2’−ジチオジベンゼン酸、DL−2−メルカプトメチル−3−グアニジノエチルチオプロパン酸、2−メルカプト−4−メチル−5−チアゾール酢酸、p−メルカプトフェノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)酢酸、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)プロピオン酸、3−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)プロピオン酸、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)コハク酸などが挙げられる。
エポキシ基および/またはイソシアネート基を含有する重合体(P2)は、エポキシ基を有するモノマー、イソシアネート基を有するモノマー、エポキシ基を有する連鎖移動剤の中から少なくとも1つを用いることで得られる。
イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどが挙げられる。
エポキシ基を有する連鎖移動剤としては、例えば、エポキシメチルメルカプタンなどが挙げられる。
エポキシ基を2個以上含有する化合物としては、例えば、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどが挙げられる。
イソシアネート基を2個以上含有する化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル−ベンゼン−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5’−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート又はパラ−テトラメチルキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
カルボン酸が分子構造中に2個以上含有する化合物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
環状カルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、ナフタレン−1,8:4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンー1,2,3,4−テトラカルボン酸=3,4−無水物などが挙げられる。
重合体(P1)や重合体(P2)を溶液重合で製造する場合、溶液重合の重合方法については、特に制限されず、一括重合でも滴下重合でもよい。中でも、組成分布および/または分子量分布の狭い重合体が簡便に得られる点から、モノマーを重合容器中に滴下する滴下重合と呼ばれる重合方法が好ましい。滴下するモノマーは、モノマーのみであっても、モノマーを有機溶媒に溶解させた溶液であってもよい。
モノマーと重合開始剤は、それぞれ独立した貯槽から所定の重合温度まで加熱された仕込み溶媒へ直接滴下してもよいし、それぞれ独立した貯槽から所定の重合温度まで加熱された仕込み溶媒へ滴下する直前で混合し、前記仕込み溶媒へ滴下してもよい。
滴下重合法における重合温度は特に限定されないが、通常、50〜150℃の範囲内であることが好ましい。
また、これらの溶媒は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。
滴下重合法においては、重合溶媒を2種以上使用する場合、滴下溶媒と仕込み溶媒における重合溶媒の混合比は任意の割合で設定することができる。
有機溶媒中に滴下するモノマー溶液のモノマー濃度は特に限定されないが、5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、仕込み溶媒の量は特に限定されず、適宜決めればよい。通常は、共重合に使用するモノマー全量100質量部に対して30〜700質量部の範囲内で使用することが好ましい。
重合開始剤の使用量は、特に限定されないが、重合体の収率を高くさせる点から、重合に使用するモノマー全量100モル部に対して0.3モル部以上が好ましく、1モル部以上がより好ましく、共重合体の分子量分布を狭くさせる点から、重合に使用するモノマー全量100モル部に対して30モル部以下が好ましい。
その後、その析出物を濾別し、十分に乾燥して重合体(P1)や重合体(P2)を得る。また、濾別した後、乾燥せずに湿粉のまま使用することもできる。
カルボン酸あるいはその無水物とエポキシ基あるいはイソシアネート基との反応の終点は、反応液を、液体クロマトグラフィー(LC)あるいはガスクロマトグラフィー(GC)などを用いて、反応液中の架橋反応点であるカルボン酸、エポキシ基、あるいはイソシアネート基を分析し、これらの架橋反応点が残存していないことによって、反応の終点を確認できる。また、反応途中であっても、エポキシ基および/またはイソシアネート基を1個だけ含有する化合物や、カルボン酸および/またはその無水物を1個だけ含有する化合物などを反応液中に大量に投入し、架橋反応点を失活させることで、反応を終了させることもできる。
この方法は、上述のようにして得られる重合体が、水酸基を含有する場合、および/またはイソシアネート基を含有する場合に適用できる。
この場合、樹脂(A1’)は、水酸基を含有する重合体(P3)と、イソシアネート基を含有する重合体(P4)を混合した後、これらの重合体を架橋させたり、
水酸基を含有する重合体(P3)と、イソシアネート基を含有する化合物(C3)を混合した後、これらの重合体と化合物を架橋させたり、
水酸基を含有する化合物(C4)と、イソシアネート基を含有する重合体(P4)を混合した後、これらの重合体と化合物を架橋させることで製造することができる。
水酸基を含有する重合体(P3)は、水酸基を有するモノマー、水酸基を有する開始剤、水酸基を有する連鎖移動剤の中から少なくとも1つを用いることで得られる。
水酸基を有する開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−(1−ヒドロキシブチル))プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)などが挙げられる。
水酸基を有する連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、チオグリセロールなどが挙げられる。
イソシアネート基を含有する重合体(P4)は、イソシアネート基を有するモノマーを用いることで得られる。
イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアネート基を2個以上含有する化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル−ベンゼン−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5’−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート又はパラ−テトラメチルキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
水酸基を2個以上含有する化合物としては、例えば、1,2−プロパンジオール、5−メチルー1,3−ベンゼンジオール、2−ヒドロキシベンゼンメタノール、2−((9−ヒドロキシノニル)オキシ)フェノールなどが挙げられる。
重合体(P3)や重合体(P4)を溶液重合で製造する場合、溶液重合の方法は先述の重合体(P1)や重合体(P2)と同様である。
また、重合体(P1)や重合体(P2)を懸濁重合で製造する場合、懸濁重合の方法も先述の重合体(P1)や重合体(P2)と同様である。
そして、上述の方法によって製造された重合体(P3)や重合体(P4)などを用いて、水酸基とイソシアネート基との反応によって、本発明の樹脂(A1’)を製造する方法としては、重合体(P3)と重合体(P4)、重合体(P3)と化合物(C3)、重合体(P4)と化合物(C4)の組み合わせで、種々の溶剤へ溶解した後、公知の方法で製膜や紡糸などの成形を行い、その成形物を加熱することで、架橋反応を進行させる方法が好ましい。
水酸基と、イソシアネート基との反応の終点は、反応液をLCあるいはGCなどを用いて、反応液中の架橋反応点である水酸酸、あるいはイソシアネート基を分析し、これらの架橋反応点が残存していないことによって、反応の終点を確認できる。また、反応途中であっても、イソシアネート基を1個だけ含有する化合物や、水酸基を1個だけ含有する化合物などを反応液中に大量に投入し、架橋反応点を失活させることで、反応を終了させることもできる。
重合後または架橋後の樹脂(A1’)は、未反応のモノマー、オリゴマー等の低分子量成分、重合開始剤や連鎖移動剤及びその反応残査物等の不要物を含むため、樹脂(A1’)は、重合後において、精製処理を施されたものであることが好ましい。
精製方法(P1):樹脂(A1’)を、溶解度パラメータが17.0〜20.5(J/cm3)1/2の範囲にある有機溶剤(S1’)で洗浄する工程(i)を有する精製方法。
すなわち、かかる精製方法においては、工程(i)において、溶解度パラメータが17.0〜20.5(J/cm3)1/2の範囲にある有機溶剤(S1’)を用いて洗浄を行うことにより、樹脂(A1’)の表面および/または内部に存在する不要物が有機溶剤(S1’)に溶解して不純物が除去されると考えられる。
工程(i)において用いられる有機溶剤(S1’)は、溶解度パラメータが17.0〜20.5(J/cm3)1/2の範囲にある有機溶剤である。
有機溶剤(S1’)は、樹脂(A1’)を洗浄するために用いられることから、樹脂(A1’)を溶解しない溶剤であることが好ましい。
有機溶剤(S1’)としては、γ−ブチロラクトン(SP値18.4(J/cm3)1/2)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値17.8(J/cm3)1/2)、テトラヒドロフラン(SP値18.6(J/cm3)1/2)、酢酸エチル(SP値18.6(J/cm3)1/2)、メチルエチルケトン(SP値19.0(J/cm3)1/2)、トルエン(SP値18.2(J/cm3)1/2)、及びシクロヘキサノン(SP値20.3(J/cm3)1/2)から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、本発明の効果に優れること、入手の容易さ等の点で、γ−ブチロラクトンが最も好ましい。
本発明において、有機溶剤(S1’)のSP値は、富士通製計算化学ソフトCAChe(製品名)を用いて計算した値である。
樹脂(A1’)を洗浄する際の温度は、特に制限はないが、不純物の溶解性を高めるために、20℃以上とすることが好ましく、30℃以上とすることがより好ましい。また、樹脂(A1’)の変質を防止するために、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
有機溶剤(S1’)の使用量は、特に制限はないが、本発明の効果に優れることから、樹脂(A1’)の質量(固形分)に対し、1.5質量倍以上が好ましく、2.0質量倍以上がより好ましい。上限値としては、処理効率、コスト等を考慮すると、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましい。
かかる樹脂(A1’)は、有機溶剤(S1’)を減圧乾燥等により除去してもよく、そのまま、リソグラフィー用樹脂の精製プロセスに用いてもよい。
精製方法(P1)においては、前記工程(i)の後、工程(i)で洗浄した前記樹脂(A1’)を、前記樹脂(A1’)を溶解せず、かつ前記有機溶剤(S1’)と混和性を有する有機溶剤(S2’)を用いて洗浄する工程(ii)をおこなってもよい。
工程(ii)において用いられる有機溶剤(S2’)は、樹脂(A1’)を溶解せず、かつ前記有機溶剤(S1’)と混和性を有するものである。
ここで、「有機溶剤(S1’)と混和性を有する」とは、80℃で、有機溶剤(S1’)の2倍量を添加した際に、均一な溶液となることを意味する。
また、有機溶剤(S2’)は、樹脂(A1’)を洗浄するために用いられることから、樹脂(A1’)を溶解しない溶剤である必要がある。
有機溶剤(S1’)が上述したγ−ブチロラクトンである場合、有機溶剤(S2’)としては、γ−ブチロラクトンとの混和性が良好なこと、入手の容易さ等の点で、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、特にPGMEAが好ましい。
樹脂(A1’)を洗浄する際の温度は、特に制限はないが、不純物の溶解性を高めるために、20℃以上とすることが好ましく、40℃以上とすることがより好ましい。また、樹脂(A1’)の変質を充分に防止するために、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。
有機溶剤(S2’)の使用量は、特に制限はないが、本発明の効果に優れることから、樹脂(A1’)の質量(固形分)に対し、1.5質量倍以上が好ましく、2.0質量倍以上がより好ましい。上限値としては、処理効率、コスト等を考慮すると、20質量倍以下が好ましく、15質量倍以下がより好ましい。
樹脂(A1’)から有機溶剤(S1’)を完全に除去できたかどうかは、たとえば、樹脂(A1’)洗浄後の有機溶剤(S2’)をガスクロマトグラフィー(GC)等により分析し、当該有機溶剤(S2’)中に有機溶剤(S1’)の濃度を測定することにより確認できる。当該有機溶剤(S2’)中に有機溶剤(S1’)が含まれている場合は、有機溶剤(S1’)が検出できなくなるまで洗浄処理を繰り返す。
かかる樹脂(A1’)は、有機溶剤(S2’)を減圧乾燥等により除去してもよく、そのまま、リソグラフィー用樹脂の精製プロセスに用いてもよい。
精製方法(P1)においては、工程(i)または(ii)の後、さらに、前記有機溶剤(S1’)または(S2’)を、前記樹脂(A1’)を溶解せず、かつ前記有機溶剤(S1’)または(S2’)よりも低沸点の有機溶剤(S3’)で置換する工程(iii)を行っても良い。
樹脂(A1’)からの有機溶剤(S3’)の除去は、たとえば、有機溶剤(S3’)の沸点以下の温度で加熱することにより行うことができる。
まず、固体の樹脂(A1’)に有機溶剤(S1’)を添加し、0.5〜10時間、20〜80℃で撹拌して、樹脂(A1’)に有機溶剤(S1’)を吸収(膨潤)させる。
次に、任意に、樹脂(A1’)に有機溶剤(S2’)を添加し、除去することにより洗浄を行う。有機溶剤(S2’)を添加・除去は、樹脂(A1’)中の有機溶剤(S1’)が完全に除去されるまで行うことが好ましい。
次に、任意に、樹脂(A1’)に有機溶剤(S3’)を添加し、0.5〜10時間、20〜80℃で撹拌し、有機溶剤(S3’)を除去した後、さらに減圧乾燥を行う。
このようにして、精製された樹脂(A1’)を得る。
樹脂(A1)が有機溶剤(S1)に溶解した樹脂溶液(R1)と樹脂(A1’)とを接触させる方法は、特に制限はなく、たとえば一般的に液体と固体とを接触させるために用いられている方法、たとえば樹脂(A1’)をカラム等の、通液可能な容器に充填し、当該通液可能な容器内を樹脂溶液(R1)に通過させる方法;樹脂溶液(R1)内に樹脂(A1’)を添加して撹拌する方法等が挙げられる。
樹脂溶液(R1)を、通液可能な容器内を通過させる方法としては、例えば、樹脂(A1’)を充填した筒状容器内に樹脂溶液(R1)を入れた後、重力により滴下(溶出)させる方法、樹脂(A1’)を充填した筒状容器内を連続的に樹脂溶液(R1)を通液する方法等が挙げられる。
筒状容器としては、図1に示すように、筒状の筐体1の両端に、当該筐体内に充填された粒状の樹脂(A1’)2の流出を防止でき、かつ樹脂溶液(R1)が通過可能なフィルター3,4が設置可能となっているものが好ましく、かかる容器としては、たとえば市販のカラムが使用できる。
なお、フィルター3,4の代わりに、同様の機能を有するもの、たとえば綿等の繊維を筒状容器の両端に詰めてもよい。
かかる筒状容器を用いる方法としては、たとえば、図1に示すように、筒状の筐体1の一方の端部、たとえば下方にフィルター4を配置し、粒状の樹脂(A1’)2を分散させた液を筐体1内に流し入れることにより樹脂(A1’)2を充填した後、その上にフィルター3を配置する。そして、フィルタ−3の上部より樹脂溶液(R1)を入れ、重力により滴下(溶出)させる方法、樹脂(A1’)を充填した筒状容器内を連続的に樹脂溶液(R1)を通液する通液させることにより、樹脂溶液(R1)を、樹脂(A1’)に接触させることができる。
これらの中でも、ラクトンリッチポリマーの除去効果が高く、本発明の効果に優れることから、滴下(溶出)させる方法が好ましい。
滴下させる際の溶出速度は、特に制限はなく、0.1〜5ml/秒の範囲内であることが好ましく、0.15〜4ml/秒がより好ましく、0.2〜3.5ml/秒がさらに好ましい。上記範囲内であると、ブリッジモードディフェクトの低減効果に優れる。また、下限値以上であると製造効率が良好であり、上限値以下であるとディフェクト全体の数を低減できる。
また、本発明においては、樹脂溶液(R1)と樹脂(A1’)とを接触させる前に、樹脂溶液(R1)に有機溶剤(S4)を添加して、樹脂(A1)の濃度を低下させる工程(希釈工程)を行うことが好ましい。これにより、樹脂(A1)に含まれる副生物(たとえば重合反応で副生するオリゴマーや低分子量のポリマー、或いは目的とする質量平均分子量よりも高分子量のポリマー、中でも特定の構成単位の含有比率が高い、組成の偏ったポリマー、オリゴマー等)の量を低減でき、本発明の効果がさらに向上する。
有機溶剤(S4)の添加量は、樹脂溶液(R1)の質量に対して、2質量倍以上が好ましく、さらに4〜5質量倍であることが好ましい。
また、このとき、当該樹脂(A1)が用いられるレジスト組成物中における樹脂(A1)の濃度をC1とし、希釈後の樹脂溶液(R1)中の樹脂(A1)の濃度をC2とした場合において、C2がC1よりも小さくなるように有機溶剤(S4)を添加することが、本発明の効果に優れることから好ましい。
ここで、一般的に、露光光源の波長が248nm以下(例えば、KrF、ArF、またはF2エキシマレーザ光、あるいはExtreme UV(極端紫外光)、EB(電子線)またはX線等)の波長に対応するレジスト組成物中のベース樹脂濃度C1としては、特に限定されないが、露光光源に対する適正な膜厚を設けることができることから、好ましくは2〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%に調製されている。
C2は、前記したようにC1より小さくなるように調製すればよく、その数値は限定されるものではない。したがって、C2は前記C1の数値未満であればよい。
水性溶剤(S5)としては、水が好ましく用いられる。
次に、樹脂溶液(R1)に水性溶剤(S5)を添加した後、10〜40℃で好ましくは20〜30℃で、10〜60分間、好ましくは25〜35分間、撹拌、振とう等により洗浄を行う。
次に、撹拌等を終了して液を静置すると、有機溶剤(S1)相が上層であり、水性溶剤(S5)相が下層である2層の状態となる。この2層に分かれた液から下層の水性溶剤(S5)相を除去し、樹脂(A1)が溶解した有機溶剤(S1)相を回収する。
水洗浄工程は、1回行ってもよく、2回以上行ってもよい。
前記フィルタとしては、特に制限はなく、これまで樹脂溶液等のろ過に用いられている任意のフィルタを使用できる。
フィルタのろ過膜としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂等が挙げられる。
本発明においては、特に、ナイロン66、ナイロン6等のナイロン製のろ過膜;ポリエチレン製のろ過膜;及びポリプロピレン製のろ過膜の3種の中から選ばれる少なくとも1種を備えたフィルタを用いることが好ましく、特に、ナイロン製のろ過膜を備えたフィルタを用いることが好ましい。これらのろ過膜を備えたフィルタを用いることにより、重合反応で副生するオリゴマーや低分子量のポリマー、或いは目的とする質量平均分子量よりも高分子量のポリマー等を効果的に除去することができ、結果、本発明の効果がさらに向上する。
フィルタの孔径は、0.02〜0.1μmが好ましく、0.02〜0.05μmがさらに好ましい。また、フィルタの孔径が0.02μm以上であると、ろ過速度を早くすることができ、良好な生産性が保たれる。また、0.1μm以下であると、重合反応で副生するオリゴマーや低分子量のポリマー、或いは目的とする質量平均分子量よりも高分子量のポリマーを効果的に除去することができる。
また、樹脂溶液(R1)は、有機溶剤を完全に除去し、固体状の樹脂として、レジスト組成物の製造等の半導体リソグラフィー用途に使用することもできる。
上記本発明の製造方法により製造される樹脂(A1)は、半導体リソグラフィー用途に用いられ、特に、レジスト組成物の樹脂成分として好適に用いられる。なかでも、中でも、上述したように、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する基材成分(A)((A)成分)、および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)((B)成分))を含有する化学増幅型のレジスト組成物において、基材成分(A)として好適に使用できる。
レジスト組成物は、(A)成分として樹脂(A1)を含有するものであれば、ポジ型であってもネガ型であってもよい。好ましくはポジ型である。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基、特にはブトキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、又はエチレン尿素系架橋剤等を用いると、良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。前記架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部の範囲が好ましい。
本発明において、(A)成分は、上記本発明の製造方法により製造される樹脂(A1)である。
なお、本発明においては、樹脂(A1)の他に、公知のポリヒドロキシスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等の、レジスト組成物に用い得る他の樹脂成分を適宜配合することもできるが、本発明の効果のためには、レジスト組成物に含まれる(A)成分中、樹脂(A1)の割合が、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、最も好ましくは100質量%である。
レジスト組成物中の(A)成分の割合は、目的とするレジスト膜厚によって適宜調製することができる。
(B)成分は、従来の化学増幅型レジスト組成物において使用されている公知の酸発生剤から特に限定せずに用いることができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が十分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合することができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられる。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;
前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;
ジオキサンのような環式エーテル類;
乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
上記レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
露光に用いる波長は、樹脂(A1)の種類等に応じて適宜設定すればよく、たとえばArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線から任意のものを選択して用いることができる。
下記の合成例および実施例で用いた測定方法を以下に示す。
<重合転化率>
樹脂(重合体)の重合転化率は、重合反応溶液中に存在する未反応モノマー量を、それぞれのモノマーについて求め、モノマーごとの消費割合を逆算することにより求めた。
測定時間0〜3分:A液/B液=90体積%/10体積%
測定時間3〜40分:A液/B液=90体積%/10体積%→50体積%/50体積%
測定時間40〜62分:A液/B液=50体積%/50体積%→0体積%/100体積%
測定時間62〜70分:A液/B液=0体積%/100体積%
日機装社製比表面積測定装置ベータソーブ4200型(商品名)を用いて測定した。架橋重合体4g程度を専用セルへ入れ、測定装置にセットした後、150℃、60分の条件で脱気を行った後、液体窒素温度下で窒素ガスを吸着させ、比表面積を測定した。
半導体リソグラフィー用樹脂の各構成単位の含有量は、1H−NMR測定で求めた。
1H−NMRの測定は、日本電子(株)製、GSX−400型FT−NMR(商品名)を用いて、約5質量%の半導体リソグラフィー用重合体試料の溶液(重水素化ジメチルスルホキシド溶液)を直径5mmφの試験管に入れ、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、64回の積算で行った。なお、測定温度は60℃で行った。
約20mgの半導体リソグラフィー用樹脂を5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過して試料溶液を調製し、この試料溶液を東ソー製ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。この測定は、分離カラムは昭和電工製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列にしたものを用い、溶媒はTHF、流量1.0mL/min、検出器は示差屈折計、測定温度40℃、注入量0.1mLで、標準ポリマーとしてポリスチレンを使用して測定した。
約10mgの半導体リソグラフィー用樹脂を専用のアルミパンに秤量し、Seiko Instrument社製TG/DTA6200熱分析装置(商品名)を用いて測定した。なお、昇温条件は10℃/minで測定した。
約10mgの半導体リソグラフィー用樹脂を専用のアルミパンに秤量し、Seiko Instrument社製DSC6200熱分析装置(商品名)を用いて測定した。なお、昇温条件は10℃/minで測定した。
加温・冷却が可能な重合装置中に、脱イオン水200質量部と、ポリビニルアルコール(ケン化度80%、重合度1700)0.6質量部とを加えて撹拌し、ポリビニルアルコールを完全に溶解した後、一度撹拌を停止し、下記式(m1)で表されるα−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン(以下、GBLMAという。SP値は18.5(J/cm3)1/2。)95.0質量部(仕込み組成比:97.4モル%)と、下記式(m2)で表されるトリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、TMPTMAという。SP値は17.2(J/cm3)1/2。)5.0質量部(仕込み組成比:2.6モル%)とを加えて再度撹拌を開始し、ラウロイルパーオキサイド0.5質量部を加えて75℃に昇温した後、75〜80℃の温度を維持して3時間反応させた。その後、さらに反応溶液を95℃に昇温し、この状態を1時間維持して反応を終了させた。
樹脂(A’−1)の重合転化率は99.6%であった。また、樹脂(A’−1)の窒素吸着法で測定した比表面積は0.07m2/gであった。
また、樹脂(A’−1)のSP値は、GBLMAのSP値は18.5(J/cm3)1/2であり、TMPTMAのSP値は17.2(J/cm3)1/2であることから、GBLMA/TMPTMA=97.4モル%/2.6モル%の重合体のSP値は、18.5×0.974+17.2×0.026=18.5(J/cm3)1/2であった。
次に、同じ容器内に、PGMEA600gを加え、80℃で2時間、樹脂(A’−1)とともに撹拌(還流)した後、溶剤を除去する操作(洗浄処理)を行った。
このとき、溶剤を少量採取してガスクロマトグラフィー(GC)により分析し、溶剤中のGBL濃度を測定した。上記洗浄処理(PGMEAの添加と溶剤の除去)をさらに4回繰り返し行ったところ、溶剤からGBLが検出されなくなった。なお、5回の洗浄処理後の溶剤中のGBL濃度は、それぞれ、1回洗浄処理後:5.8%、2回洗浄処理後:0.8%、3回洗浄処理後:0.1%、4回洗浄処理後:0.04%、5回洗浄処理後:ND(検出限界未満)であった。
以下、精製された樹脂(A’−1)を樹脂(A”−1)という。
樹脂(A”−1)について、上記と同様の測定を行った結果、樹脂(A”−1)の比表面積は0.07m2/gであった。なお、樹脂(A”−1)のSP値は樹脂(A’−1)のSP値と同じである。
樹脂(A”−1)100gを、PGMEAを用いてカラム(内径:7cm、長さ38cm)に充填した。
次に、下記式(A−1)で表される樹脂(A−1)を含む樹脂溶液(固形分濃度25質量%のPGMEA溶液)1600質量部に、PGMEA2400質量部を添加して、固形分濃度10質量%のPGMEA樹脂溶液とした。
得られた溶出液を、孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(製品名:ウルチポアN66、ポール株式会社製)を用いてろ過した。得られたろ液を、ロータリーエバポレーターを用いて、樹脂溶液の固形分濃度が約20質量%となるように濃縮した。これを樹脂溶液1とした。
実施例1において、PGMEA樹脂溶液を滴下させる流速(溶出速度)を0.38(ml/s)としたこと以外は同様にして樹脂溶液を調製した。これを樹脂溶液2とした。
実施例1において、PGMEA樹脂溶液を滴下させる流速(溶出速度)を0.24(ml/s)としたこと以外は同様にレジスト樹脂溶液を調製した。これを樹脂溶液3とした。
実施例1において、PGMEA樹脂溶液をカラムに通さなかった以外は同様にレジスト樹脂溶液を調製した。これを樹脂溶液4とした。
[ディフェクト評価]
実施例1〜3および比較例1で得た樹脂溶液1〜4それぞれに対して、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートを2.0質量部、トリエタノールアミンを0.2質量部、PGMEAを900質量部、γ−ブチロラクトンを25質量部、界面活性剤(製品名:R−08、大日本インキ化学工業社製)を0.1質量部を溶解させた後、その溶液を、孔径0.04μmのナイロン製フィルタ(製品名:ウルポチアN66、ポール株式会社製)、孔径0.02μmのポリプロピレン製フィルタ(製品名:ユニポア・ポリフィックス、キッツ社製)の順で濾過してポジ型レジスト組成物溶液1〜4を調製した。
その基板上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて均一に塗布し、ホットプレート上で120℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚250nmのレジスト層を形成した。
次に、ArF露光装置(波長193nm)NSR−S306(製品名、Nikon社製、NA(開口数)=0.78,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に露光した。
そして、120℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で60秒間現像し、その後15秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で90秒間加熱して乾燥させ、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペースのレジストパターン(L/Sパターン)を形成した。
次に、KLAテンコール社製の表面欠陥観察装置KLA2351(製品名)を用いてL/Sパターン表面を観察し、ウェーハ内の全ディフェクトの合計数と、ブリッジモードディフェクトの数とを求めた。結果は表1に示した。
樹脂溶液1〜4と、カラムに通す前のPGMEA樹脂溶液とを、GPCおよびNMRにより分析した。
その結果、GPCは、いずれもピークが同じ位置にあり、カラムに通すことによる分子量分布への影響がほとんどないことが確認できた。また、NMRの結果も同様で、ピークの差はほとんどなかった。
また、これらの樹脂溶液について、熱分解温度Tdおよびガラス転移温度Tgを測定した結果、いずれも同等のTdおよびTgを有していた。
上記ディフェクト評価と同様にしてライン幅100nm、ピッチ200nmのL/Sパターンを形成した。
得られたL/Sパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察したところ、いずれの例においても、良好な形状でパターンが形成されていた。
また、当該L/Sパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2)と、焦点深度幅(上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらし、上記のL/Sパターンが100nm±10%の寸法変化率の範囲内で得られる焦点深度(DOF)の幅(μm))を求めたところ、いずれもほぼ同等であった。
また、ポジ型レジスト組成物1〜3を比較すると、全ディフェクト数は、PGMEA樹脂溶液の溶出速度が速いほど低減される傾向があるが、ブリッジモードディフェクト数は、溶出速度にかかわらず大幅に低減されていた。
さらに、これらのポジ型レジスト組成物は、解像度、レジストパターン形状、感度、DOFなどの種々のリソグラフィー特性も良好であった。
一方、カラムを通過させていない樹脂溶液4を用いて得られたポジ型レジスト組成物4を用いた比較例1は、全ディフェクト数、ブリッジモードディフェクト数ともに非常に多かった。
これらの結果から、本発明の製造方法により製造された樹脂(A”−1)が半導体リソグラフィー用として好適なものであることは明らかである。
Claims (3)
- ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2)を含有する半導体リソグラフィー用樹脂(A1)が有機溶剤(S1)に溶解した樹脂溶液(R1)を、溶解度パラメータが17〜20(J/cm3)1/2の範囲にあり、かつ比表面積が0.005〜1m2/gの範囲にある樹脂(A1’)に接触させることを特徴とする半導体リソグラフィー用樹脂の製造方法。
- 前記樹脂(A1’)が、ラクトン含有環式基を有する構成単位(a2’)を含有する請求項1記載の半導体リソグラフィー用樹脂の製造方法。
- 前記半導体リソグラフィー用樹脂(A1)が、酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を含有する請求項1または2記載の半導体リソグラフィー用樹脂の製造方法。
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