JP2006137829A - フォトレジスト用高分子化合物の製造方法 - Google Patents

フォトレジスト用高分子化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ArFエキシマレーザー用に適するフォトレジストポリマーを提供することにあり、詳しくは、生産効率がよく品質の安定したフォトレジスト用ポリマーの製造方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、単量体を重合開始剤により重合し、その重合溶液を貧溶剤に添加し、生成した高分子化合物の沈殿を、濾過操作を使用せずに、デカンテーションにより未反応単量体を除くことを特徴としたフォトレジスト用高分子化合物の製造方法による。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造に使用するフォトレジスト樹脂組成物に有用であるフォトレジスト用高分子化合物の製造方法に関するものである。
半導体製造工程で用いられるポジ型フォトレジストは、光照射により照射部がアルカリ可溶に変化する性質、半導体基板(シリコンウエハー)への密着性、プラズマエッチング耐性、用いる光に対する透明性等の特性を兼ね備えていなくてはならない。そのポジ型フォトレジストは、一般に、主材である高分子化合物と、光酸発生剤と、上記特性を調整するための数種の添加剤を含む溶液として用いられる。一方、半導体の製造に用いられるリソグラフィの露光光源は、年々短波長になってきており、次世代の露光光源として、波長193nmのArFエキシマレーザーが有望視されている。現在、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を使用した半導体の製造が主流であり、それに応用されている樹脂はノボラック樹脂やポリ(p−ビニルフェノール)などで、樹脂の構成要素に芳香環を含み耐エッチング性や基板に対する密着性という機能を有していた。しかし、芳香環を含むとArFに使用される遠紫外の波長193nmに対しては透明性が低いため従来の樹脂とは全く異なった樹脂が要望されていた。特許文献1(富士通)にはアダマンタン骨格を有するアクリレートが提案された。アダマンタン骨格は対照的な3次元構造を有し、耐エッチングに対しては有望と判断された。しかし、その後の出願にも見られるが、半導体基板であるシリコン基板への密着性は乏しく、特許文献2(NEC)では、その脂環骨格に極性基を導入することで密着性の改良を提案されている。しかし、これらの開示された技術ではモノマーの構造への提案は多いが、フォトレジストとしての機能を充分に発揮するためには、その樹脂の製造方法も重要であるにも係わらず、その提案はいまだ持って少ない。特許文献3及び特許文献4には重合方法の重要性が提案されている。しかし、いずれの重合においても、重合後、原料モノマーの残存は避けられない。従って、その重合溶液を貧溶媒(生成したポリマーの不溶な溶媒)に添加し、ポリマーを沈殿させ濾過により分離されているが、生産効率更には品質的に安定した製法が望まれている。
特開平5−265212号公報 特開平7−252324号公報 特開2002−194029号公報 特開2004−269855号公報
従って、本発明の目的は、ArFエキシマレーザー用に適するフォトレジストポリマーを提供することにあり、詳しくは、生産効率がよく品質の安定したフォトレジスト用ポリマーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、重合終了した溶液を貧溶媒に添加し沈殿させた後、濾過をせずにデカンテーションを採用することで、未反応の残存モノマーの量を低減し、しかも非常に生産効率の高く、品質的に安定したフォトレジスト用ポリマーの製造方法見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の目的は、少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、単量体を重合開始剤により重合し、その重合溶液を貧溶剤に添加し、生成した高分子化合物の沈殿を、濾過操作を使用せずに、デカンテーションにより未反応単量体を除くことを特徴としたフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
また、本発明の目的は、少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物が、少なくとも、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物である請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
更に、本発明の目的は、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体が下記式(1)又は下記式(2)
Figure 2006137829
(式中、A1、A2はヘテロ原子を有していてもよい脂環式炭化水素環で、その脂環式炭化水素環の1つの環がラクトン環であるか、又はその脂環式炭化水素基にラクトン環が結合されることも可能である。Bは酸素原子又は単結合を示す。R1は水素原子、フッ素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R2、R4、R5は水素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R3、R6は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示す。m及びnは0〜3の整数を示す。)
で表される単量体であることを特徴とする請求項2記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
更にまた、本発明の目的は、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体が下記式(2)
Figure 2006137829
(式中、R1は水素原子、フッ素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。A3はヘテロ原子を有していてもよい脂環式炭化水素環で、その脂環式炭化水素環の1つの環がラクトン環であるか、又はその脂環式炭化水素基にラクトン環が結合されることも可能である。R7は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示す。pは0〜3の整数を示す。)
で表される単量体であることを特徴とする請求項2記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
また、本発明の目的は、少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、デカンテーションに使用する貧溶媒が炭化水素と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
更に、本発明の目的は、少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、デカンテーションに使用する貧溶媒使用される炭化水素と極性溶媒の混合比率が炭化水素/極性溶媒(重量比)=99/1〜50/50であることを特徴とする請求項5記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
更にまた、本発明の目的は、少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、生成した高分子化合物の沈殿を含む懸濁液に、その高分子化合物を溶解できる溶剤を添加して、貧溶媒等を蒸留にて留去させ、高分子化合物溶液を濃度調節することを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法を提供する。
フォトレジスト用高分子の製造に関して、共重合により合成した重合溶液中の未反応単量体を分離する目的として、貧溶媒中に高分子化合物を沈殿させていたが、操作が煩雑な濾過工程を採用することなく、デカンテーションにより未反応単量体残量を低減し、さらに、製造プロセスの簡略化が可能となり、製造コストを下げると共に、安定した品質を確保することも可能となった。
なお、本明細書では、「アクリル」と「メタクリル」とを「(メタ)アクリル」、「アクリレート」と「メタクリレート」とを「(メタ)アクリレート」、「アクリロイル」と「メタクリロイル」とを「(メタ)アクリロイル」等と総称する場合がある。
本発明を実施するための樹脂である少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物とは、例えば、前記した式(1)又は式(2)の(メタ)アクリレートのエステル基部分と式(3)の(メタ)アクリレートのエステル基部分とをポリマー中に含むことを意味している。
本発明の酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体としては、例えば前記式(1)又は前記式(2)によって示される(メタ)アクリレートが挙げられる。
1及びA2で示される脂環式炭化水素環としては、炭素数6〜30であり、好ましくは6〜20で、脂環式炭化水素環を構成する炭素の一部が酸素、硫黄などのヘテロ原子で置き換えられていてもよい。また、その脂環式炭化水素環に含まれる環の一つがラクトン環に置き換えられているもの、又はその脂環式炭化水素環にラクトン環が結合されたものも好ましい。
式(1)又は式(2)中、環A1及びA2における炭素数6〜30の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。
式(1)又は式(2)中、R3、R6は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示すが、保護基としてはメチル基、エチル基等のアルキル基、アセチル基等であり、有機合成の分野で慣用のものが使用できる。
式(1)で示される具体的な化合物の例として、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1,5−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−メチルアダマンタン、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン、1−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン、5−ヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン、1,5−ジヒドロキシ−2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−エチルアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−6−(メタ)アクリロイルオキシ−6−エチルアダマンタン等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物は、例えば、対応する環式アルコールと(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒を用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
式(2)で示される具体的な化合物の例として、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アダマンタン、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン、1−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン、1−ヒドロキシ−3−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルエチル)アダマンタン、1−(1−エチル−1−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−3,5−ジヒドロキシアダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチルプロピル)アダマンタン、1,3−ジヒドロキシ−5−(1−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2−ジメチルプロピル)アダマンタン等が挙げられる。
上記式(2)で表される化合物は、例えば、対応する1位に脂環式基を有するメタノー
ル誘導体と(メタ)アクリル酸又はその反応性誘導体とを、酸触媒やエステル交換触媒を
用いた慣用のエステル化法に従って反応させることにより得ることができる。
本発明の酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体としては、例えば前記式(3)によって示される(メタ)アクリレートが挙げられる。
式(3)中、環A3における炭素数6〜30の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。
式(3)中、R7は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示すが、保護基としてはメチル基、エチル基等のアルキル基、アセチル基等であり、有機合成の分野で慣用のものが使用できる。

式(3)で表される化合物の代表的な例として、
1−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1、3−ジヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1、3、5−トリヒドロキシ−7−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−メトキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1、3−ジメトキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−アセトキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1、3−アセトキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−3−アセトキシ−5−(メタ)アクリロイルオキシアダマンタン、1−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシノルボルナン、1−メトキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシノルボルナン、1−アセトキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシノルボルナン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキソアダマンタン、A3の環の一つがラクトン骨格に置き換えられてものとして、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,8−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−4,8−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−5,7−ジオン、1−(メタ)アクリロイルオキシ−5,7−ジオキサトリシクロ[4.4.1.13,9]ドデカン−4,8−ジオンが挙げられる。
また、A3の環にラクトン骨格が結合したものとして、5−(メタ)アクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(=5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン)、5−(メタ)アクリロイルオキシ−5−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−1−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メチル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−カルボキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−メトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−エトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−9−t−ブトキシカルボニル−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン、8−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン、9−(メタ)アクリロイルオキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン等が挙げられる。
本発明のフォトレジスト用高分子化合物の共重合組成としては、特に限定されるものではないが、式(1)又は式(2)に示されたモノマーに相当する重合単位、つまり、酸によって分解してアルカリ可溶となる構造単位がモル単位で表示すると10〜90モル%、好ましくは15〜80モル%であり、式(3)に示されたモノマーに相当する重合単位、つまり、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する構造がモル単位で表示すると10〜90モル%、好ましくは15〜80モル%である。式(1)又は式(2)に示されたモノマーに相当する重合単位を複数適用すること、及び式(3)に示されたモノマーに相当する重合単位、つまり、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する構造を複数使用することも可能である。式(1)又は式(2)に示されたモノマーに相当する重合単位、つまり、酸によって分解してアルカリ可溶となる構造単位が10モル%より少ないと、アルカリ溶解性が低下し、鮮明なレジストパターンが得られない。また、90モル%以上になっても鮮明なパターンとはならない。式(3)に示されたモノマーに相当する重合単位、つまり、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する構造が10モル%より少ないと、基板への密着性が低下し、レジスト膜の剥がれ現象が生ずる。また、90モル%以上になっても鮮明なパターンとはならない。
また、前記に示した構造単位以外の重合単位を有する単量体を添加することも可能である。その代表例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、スチレン、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。これらの添加量はレジストとしての機能を損なわない限りで添加できるが、40モル%以内である。
本発明のフォトレジスト用高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは3000〜50000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.5〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。
重合方法に関しては、有機化学分野において慣用な方法を使用することができる。中でも、重合溶媒を重合温度に上昇した後に、単量体や重合開始剤を必要とあれば溶媒に溶解して、添加し重合することが好ましい。単量体と重合開始剤、又はその溶液を別々の容器から重合反応器へ添加することも好ましい方法と言える。更に、連鎖移動剤を併用することも可能である。重合開始剤や連鎖移動剤は公知の化合物が使用できるが、リソグラフィに使用される遠紫外光線、例えばArFエキシマレーザでは193nmの波長に透明性の高いものが効果的である。重合温度としては、30〜150℃の範囲から適宜選択可能である。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。
重合により得られた重合溶液は、生成したポリマーを溶解し難い溶剤中に添加して、沈殿させる工程により精製できる。本明細書において、このポリマーを溶解し難い溶剤を貧溶剤又は沈殿溶剤と称し、ポリマーをよく溶かす溶媒を親溶剤と言う。貧溶剤は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。貧溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記貧溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素)と他の溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等)との比率は、例えば前者/後者(体積比;25℃)=10/90〜99/1、好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=30/70〜98/2、さらに好ましくは前者/後者(体積比;25℃)=50/50〜97/3程度である。使用される貧溶媒の量は、沈殿が生成する量であれば特に制限されないが、通常重合に使用される重合溶媒と同重量以上、好ましくは1.5〜20倍、特に好ましくは2〜15倍程度である。貧溶媒を多量に使用するほうが、残存単量体の含量を低下させることが可能であるが、20倍以上になると沈殿させる容器が大きくなり、投資面で不利益であり、2回以上に分割して実施した方が好ましい。
本発明であるデカンテーションとは、前記した沈殿工程で得られたポリマーが沈殿した懸濁液から、通常は濾過により沈殿と溶媒を分離するが、本発明では濾過工程を採用することなく、懸濁液を静置した後に、上澄み液を分離することによって濾過工程と同様な効果を得た。つまり、重合で残存している単量体をリソグラフィにおいて問題のないレベル(含量)まで減少させることが出来た。また、上澄み液を分離した後に、新規に溶媒を加えて、更にデカンテーションにより上澄み液を除き、単量体の残存量を更に低下することが可能である。ここではデカンテーションは懸濁液を静置し、上澄み液を除く行為を指し示すことにするが、デカンテーションは1回でも可能であるが、複数回実施することが好ましい。
前記で使用される新規な溶媒としては、沈殿操作に使用した貧溶媒を使用することも可能であり、異なる溶剤を使用することも可能である。デカンテーション後の上澄み溶媒の回収を考慮すると、同じ品種の溶媒を使用することが好ましいし、溶解特性などを変更する要求もあり、混合溶剤を使用して、各回毎に、その組成を変えることも好ましい方法である。その使用量については、特に限定されないが、同じデカンテーションの設備を使うことが好ましく、沈殿操作に使用した量が好ましいものと言える。
デカンテーション後の沈殿を含む残液は、更にポリマーを溶解できる親溶媒を添加して、蒸留設備を使用して、貧溶媒を系外に除き、沈殿していたポリマーを溶解する工程を実施する。蒸留工程に付する前に、親溶媒を添加した溶液をデカンテーションして、更に親溶媒を添加してから、蒸留工程に付する事も可能である。親溶媒としては、フォトレジストに使用される溶媒を使用することが可能である。
この親溶媒の例として、前記高分子成分と後述する光酸発生剤成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル又はそのアセテート類;ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類等を挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。 中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル等が好ましい。
デカンテーション後の沈殿を含む残液に親溶媒を添加して蒸留処理する蒸留設備としては、通常の化学プラントに使用される蒸留設備であれば特に限定されない。蒸留塔のないフラッシュ蒸留でも、本発明の遂行は可能であるが、蒸留塔の備わった蒸留設備であることが好ましい。蒸留塔としては充填塔や棚段塔が使用でき、充填塔の充填形式及び充填高等は適宜選択できる。棚段塔の棚の形式及び段数についても適宜選択可能である。蒸留に採用する蒸留圧力は、減圧、常圧そして加圧から適宜選択されるが、蒸留温度を下げることが好ましいので、一般的には減圧で実施される。その圧力は通常1〜600torrであるが、好ましくは5〜500torr、特に好ましくは10〜400torr程度である。1torrより低い圧力では、溶剤蒸気を凝縮させるための冷却水の温度が低くなりすぎて、溶剤等のロスも多くなる。600torr以上では蒸留温度が高くなり、温度による分解が起こることがある。
蒸留条件として、還流をかける事が好ましいが、その還流比(還流量/留出量)は0.1〜50程度、好ましくは0.5〜40程度である。蒸留時間については、特に限定されるものではないが、短時間であることが好ましい。蒸留温度は蒸留圧力に応じて選択される。
本発明の高分子化合物を使用したフォトレジスト用樹脂組成物は、通常、光酸発生剤を含んでいる。光酸発生剤としては、露光により効率よく酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネートなど)、スルホン酸エステル[例えば、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、1,2,3−トリスルホニルオキシメチルベンゼン、1,3−ジニトロ−2−(4−フェニルスルホニルオキシメチル)ベンゼン、1−フェニル−1−(4−メチルフェニルスルホニルオキシメチル)−1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルメタンなど]、オキサチアゾール誘導体、s−トリアジン誘導体、ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンなど)、イミド化合物、オキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなどを使用できる。これらの光酸発生剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光酸発生剤の使用量は、光照射により生成する酸の強度やポリマーおける各繰り返し単位の比率などに応じて適宜選択でき、例えば、ポリマー100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択できる。
こうして得られるフォトレジスト用樹脂組成物を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して(又は、さらに露光後ベークを行い)潜像パターンを形成し、次いで現像することにより、微細なパターンを高い精度で形成できる。
基材又は基板としては、シリコンウエハ、金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどが挙げられる。フォトレジスト用樹脂組成物の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行うことができる。塗膜の厚みは、例えば0.1〜20μm、好ましくは0.3〜2μm程度である。
露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用できるが、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArClなど)などが使用され、本発明はArFエキシマレーザーが好ましい。露光エネルギーは、例えば1〜1000mJ/cm2、好ましくは10〜500mJ/cm2程度である。光照射により光酸発生剤から酸が生成し、この酸により、例えば前記ポリマーの酸の作用によりアルカリ可溶となる繰り返し単位(酸脱離性基を有する繰り返し単位=アルカリ可溶性ユニット)のカルボキシル基等の保護基(脱離性基)が速やかに脱離して、可溶化に寄与するカルボキシル基等が生成する。そのため、水又はアルカリ現像液による現像により、所定のパターンを精度よく形成できる。
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン(MEK)を60g導入し、系内を窒素ガスで充分に置換後、70℃に昇温した。昇温された溶媒を攪拌下、2−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(MNBL)25g(0.112モル)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)25g(0.107モル)、とジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)1.9gをメチルエチルケトン(MEK)100gに溶解した混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、同温度で3時間熟成した。反応液は室温まで冷却後、ヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gの中へ、攪拌しながら滴下した。白色の沈殿が生成し、滴下終了後、30分静置した。上澄み液500gを抜き取った後、残った液にヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gを添加して攪拌混合した。30分静置後、上澄み液500gを抜き取った。更に残った液にヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gを添加して攪拌混合し、30分静置後、上澄み液500gを抜き取った。この溶液を段数10段の棚段式蒸留塔の缶にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)350gと共に仕込み50torrの減圧下、還流比5(還流5に対して留出1の比率)にて低沸点留分を追い出すと共に、蒸留缶中の残存液のポリマー濃度を15重量%に調節した。溶液中の残存モノマー量はポリマー基準(ポリマーを100重量%とした時)でMNBLが0.08重量%、2MMAが0.08重量%であり、モノマーの合計残存量は0.16重量%であった。この溶液はフォトレジストのポリマー溶液として供した。この溶液中の金属分(Na、Mg、K、Ca、Zn、Fe、Al、Cr、Mn、Ni、Cuの合計)はポリマー基準値で50重量ppbであり吸着等の金属処理を実施しなくともそのままフォトレジスト溶液として使用することが出来た。
なを、原材料として使用したモノマーの金属含量はいずれも100重量ppb以下で、溶媒はいずれも1重量ppb以下のものであった。
(比較例1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン(MEK)を60g導入し、系内を窒素ガスで充分に置換後、70℃に昇温した。昇温された溶媒を攪拌下、2−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(MNBL)25g、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)25gとジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)1.9gをメチルエチルケトン(MEK)100gに溶解した混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、同温度で3時間熟成した。反応液は室温まで冷却後、ヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gの中へ、攪拌しながら滴下した。白色の沈殿が生成し、遠心分離機により沈殿を分離した。分離された湿結晶はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)350gと共にフラッシュ蒸留塔に仕込み50torrの減圧下、低沸点成分を留去して、残存液のポリマー濃度を15重量%に調節した。溶液中の残存モノマー量はポリマー基準(ポリマーを100重量%とした時)でMNBLが1.50重量%、2MMAが1.70重量%であり、モノマーの合計残存量は3.20重量%であった。また、この溶液中の金属分(Na、Mg、K、Ca、Zn、Fe、Al、Cr、Mn、Ni、Cuの合計)はポリマー基準値で50重量ppbであった。 なを、使用した原材料は実施例1と同等の品質のものである。
(実施例2)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン(MEK)を60g導入し、系内を窒素ガスで充分に置換後、70℃に昇温した。昇温された溶媒を攪拌下、2−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(MNBL)20g(0.090モル)、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)20g(0.085モル)、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン(HMA)10g(0.042モル)とジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)1.9gをメチルエチルケトン(MEK)100gに溶解した混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、同温度で3時間熟成した。反応液は室温まで冷却後、ヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gの中へ、攪拌しながら滴下した。白色の沈殿が生成し、滴下終了後、30分静置した。上澄み液500gを抜き取った後、残った液にヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gを添加して攪拌混合した。30分静置後、上澄み液500gを抜き取った。更に残った液にヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gを添加して攪拌混合し、30分静置後、上澄み液500gを抜き取った。この溶液を段数10段の棚段式蒸留塔の缶にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)350gと共に仕込み50torrの減圧下、還流比5(還流5に対して留出1の比率)にて低沸点留分を追い出すと共に、蒸留缶中の残存液のポリマー濃度を15重量%に調節した。溶液中の残存モノマー量はポリマー基準(ポリマーを100重量%とした時)でMNBLが0.05重量%、2MMAが0.08重量%、HMAが0.05重量%でり、モノマー合計残存量は0.18重量%であった。この溶液はフォトレジストのポリマー溶液として供した。この溶液中の金属分(Na、Mg、K、Ca、Zn、Fe、Al、Cr、Mn、Ni、Cuの合計)はポリマー基準値で50重量ppbであり吸着等の金属処理を実施しなくともそのままフォトレジスト溶液として使用することが出来た。
なを、原材料として使用したモノマーの金属含量はいずれも100重量ppb以下で、溶媒はいずれも1重量ppb以下のものであった。
(比較例2)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を備えたフラスコに、メチルエチルケトン(MEK)を60g導入し、系内を窒素ガスで充分に置換後、70℃に昇温した。昇温された溶媒を攪拌下、2−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン(MNBL)20g、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン(2MMA)20g、1−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシアダマンタン(HMA)10gとジメチル−2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)1.9gをメチルエチルケトン(MEK)100gに溶解した混合溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、同温度で3時間熟成した。反応液は室温まで冷却後、ヘキサンと酢酸エチルの8:2(重量比)の混合液500gの中へ、攪拌しながら滴下した。白色の沈殿が生成し、遠心分離機により沈殿を分離した。分離された湿結晶はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)350gと共にフラッシュ蒸留塔に仕込み50torrの減圧下、低沸点成分を留去して、残存液のポリマー濃度を15重量%に調節した。溶液中の残存モノマー量はポリマー基準(ポリマーを100重量%とした時)でMNBLが1.05重量%、2MMAが0.80重量%、HMAが1.20重量%であり、モノマーの合計残存量は3.05重量%であった。また、この溶液中の金属分(Na、Mg、K、Ca、Zn、Fe、Al、Cr、Mn、Ni、Cuの合計)はポリマー基準値で80重量ppbであった。 なを、使用した原材料は実施例2と同等の品質のものである。


Claims (7)

  1. 少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、単量体を重合開始剤により重合し、その重合溶液を貧溶剤に添加し、生成した高分子化合物の沈殿を、濾過操作を使用せずに、デカンテーションにより未反応単量体を除くことを特徴としたフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  2. 少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物が、少なくとも、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物である請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  3. 酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体が下記式(1)又は下記式(2)
    Figure 2006137829
    (式中、A1、A2はヘテロ原子を有していてもよい脂環式炭化水素環で、その脂環式炭化水素環の1つの環がラクトン環であるか、又はその脂環式炭化水素基にラクトン環が結合されることも可能である。Bは酸素原子又は単結合を示す。R1は水素原子、フッ素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R2、R4、R5は水素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。R3、R6は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示す。m及びnは0〜3の整数を示す。)
    で表される単量体であることを特徴とする請求項2記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  4. 酸によって分解してアルカリ可溶となる単量体と半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体とからなる単量体を共重合して得られる高分子化合物において、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有する単量体が下記式(2)
    Figure 2006137829
    (式中、R1は水素原子、フッ素原子又はフッ素原子を含んでいてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示す。A3はヘテロ原子を有していてもよい脂環式炭化水素環で、その脂環式炭化水素環の1つの環がラクトン環であるか、又はその脂環式炭化水素基にラクトン環が結合されることも可能である。R7は保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、アルコキシル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基等の置換基、オキソ基を示す。pは0〜3の整数を示す。)
    で表される単量体であることを特徴とする請求項2記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  5. 少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、デカンテーションに使用する貧溶媒が炭化水素と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  6. 少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、デカンテーションに使用する貧溶媒使用される炭化水素と極性溶媒の混合比率が炭化水素/極性溶媒(重量比)=99/1〜50/50であることを特徴とする請求項5記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。
  7. 少なくとも酸によって分解してアルカリ可溶となる構造と、半導体基板に対する密着性を有する極性基を含有する脂環式炭化水素基を有するフォトレジスト用高分子化合物の製造において、生成した高分子化合物の沈殿を含む懸濁液に、その高分子化合物を溶解できる溶剤を添加して、貧溶媒等を蒸留にて留去させ、高分子化合物溶液を濃度調節することを特徴とする請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造方法。



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