JP2007291089A - 成人t細胞白血病マーカー - Google Patents

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Kiyoshi Yamashita
清 山下
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Abstract

【課題】成人T細胞白血病(ATL)特異的マーカーとその種々の利用手段を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するシスタチンA(CystatinA)、チモシンβ4(Thymosinβ4 )、又はC3f(補体活性化タンパク質の分解産物)であるATL特異的マーカー。これらのマーカーの2種以上を含む成人T細胞白血病マルチマーカー。これらのマーカーに対する抗体の1種又は2種以上を含む成人T細胞白血病診断薬、及びこれらの利用。
【選択図】図4

Description

本発明は、成人T細胞白血病マーカーに関する。更に詳しくは、本発明は、成人T細胞白血病マーカー、成人T細胞白血病マルチマーカー、抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原、成人T細胞白血病マーカーに対する抗体、成人T細胞白血病診断薬、成人T細胞白血病診断キット、成人T細胞白血病診断方法、血液又は血清の検定方法、及び、血液又は血清の測定方法に関する。
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia
; 以下ATL
とも称する)は、ヒトT細胞白血病ウイルス(human T-cell leukemia
virus type 1 ;以下HTLV-1とも称する)の感染により引き起こされる悪性腫瘍として知られている。乳幼児期に母乳を介してHTLV-1に感染した後、数十年の期間を経て、5%程度のウイルスキャリアがATL を発症する。一旦ATL を発症すると予後は極めて悪く、有効な治療法はないのが現状である。従って予防・治療法の開発が急務であるが、発症までに長期間を要すること、また、有用な動物モデルがないことなどの理由により、解析が困難で、発症機構も含め未だ不明な点が多い。
従来、ATL の診断マーカーとしては、非特許文献1に示す可溶型IL-2レセプターなどが知られている。しかしながら、これらの診断マーカーは、特許文献1に示すように、他の癌や自己免疫疾患でも発現が増加する。この事は、単一のマーカーの発現を調べるだけでは、多様な患者の病態の把握、ウイルスキャリアの発症リスクの予測などを正確に行うことは困難であることを示唆している。
S.Kamihira et al., Cancer, 73, 2753-2758, 1994,"Significance of soluble interleukin-2 receptor levels for evaluationof the progression of adult T-cellleukemia." 特許第3196150号 最近のがん研究の分野では、対象疾患に対し、有用なマーカーを複数見出し、これらを組み合わせたマルチマーカー診断法が重要視されている。例えば、非特許文献2では、前立腺癌や乳癌のマルチマーカー診断法により、従来法よりも優れた感度と特異性で診断が可能になったと述べられている。 G. Reddyet al., J. Biomed. Biotech., 4, 237-241,2003, "SELDI ProteinChip array technology : protein-based predictivemedicineand drug discovery applications." 血清などの臨床検体より疾患マーカーを見出す手法として、クリンプロットシステム(ブルカー・ダルトニクス社)とプロテインチップシステム(サイファージェン・バイオシステムズ社)が知られている。両システム共に、表面が様々な官能基(例えば、陽イオン交換基)で修飾されたいわゆる表面修飾体であり、官能基にアフィニティのある蛋白質・ペプチドを捕捉することができる。捕捉された蛋白質・ペプチドを質量分析計で測定すると、スペクトル上にピークとして検出される。
例えば、健常者と疾患者のスペクトルを比較し、両者で差が見られるピークがマーカー候補となる。更に、マーカー候補ピークを同定することで、疾患特異的なマーカーとなり得るか判断することができる。さらに、同定されたマーカーが特定の代謝経路や生体反応に関与していれば、これら一連の蛋白質・ペプチドもマーカーとなる可能性がある。臨床上有用なマーカーと判断されれば、特異抗体の作製、診断キットの開発などに繋がり、産業的な利用可能性も拓ける。
非特許文献3は、プロテインチップシステムをATL マーカーの探索に利用した例である。ATL で発現が増加する血清蛋白質として、α-Trypsin inhibitorと、 Haproglobin-2を同定しているが、両蛋白質共に炎症性疾患などでも発現が増加することが知られている。従って、やはりこれらの単一のマーカーではATL の発症前診断や病態把握の実現は困難と思われる。
O.J. Semmeset al., Leukemia, 19, 1229-1238, 2005,"Discrete serum protein signatures discriminate between humanretrovirus-associated hematologic and neurologic disease." 世界的な癌研究の潮流から見ても、ATL の正確な診断にはマルチマーカー診断法が有効な手段と思われる。そのためには、数多くのATL マーカーを見出すことが課題である。
本発明者らは、上記のごとき状況に鑑み、より多くのATL マーカーを探索すべく鋭意研究した。その結果、健常者と比べ、ATL 患者の血清で増加するマーカー候補ピークを23本見出し、その一部を同定した。さらに、同定したマーカーの一つに関連した蛋白質或いは蛋白質複合体もATLマーカーとして有用であることを示し、本発明を完成するに至った。本発明は、ATL 特異的マーカー及びその利用手段を提供することを目的とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、図1に示すアミノ酸配列を有するシスタチンA(Cystatin A)であり(そのアミノ酸配列を配列表の配列番号1にも示す)、あるいは図1に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドである、成人T細胞白血病マーカーである。
Cystatin A(別名Stefin A)は、図1に示すように、98アミノ酸残基からなる分子量約11kDaの蛋白質で、Cystatinスーパーファミリーに属する。非特許文献4で示すように、カテプシンに代表されるシステインプロテアーゼのインヒビターとして機能し、細胞内で蛋白質が無秩序に分解されるのを防いでいると考えられている。癌との関連については、例えば非特許文献5で見られるように、大腸癌患者では血清中のCystatin A濃度が増加することが知られている。
V. Turk et al., FEBS Letters,285, 213-219, 1991, "The cystatins: protein inhibitors of cysteine proteinases." J. Kos et al., Clin. CancerRes., 6, 505-511,2000, "Cysteine proteinase inhibitors stefin A, stefin B, and cystatinC insera from patientswith colorectal cancer: relation to prognosis." ところが、第1発明のATL マーカーは、プロテオーム解析の結果、ATL 患者血清で検出され、健常者の血清では殆ど検出されない蛋白質・ペプチドであることが分かった。従って、成人T細胞白血病の有効なマーカーとして利用することができる。Cystatin Aは後に詳述するように癌との関連性が示唆されており、臨床応用も期待できる。従来、Cystatin AがATL 患者の血清において特異的に発現するペプチドである旨の知見は得られていない。
図1に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドにも、Cystatin Aと同等の効果を期待できる。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、図2に示すアミノ酸配列を有するチモシンβ4(Thymosinβ4 )であり(そのアミノ酸配列を配列表の配列番号2にも示す)、あるいは図2に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドである、成人T細胞白血病マーカーである。
Thymosinβ4 は、図2に示すように、43アミノ酸残基からなる分子量4.9kDaのペプチドで、Thymosinβファミリーに属する。ほとんどの細胞で発現が認められ、多くの生理機能を有する。非特許文献6のように、細胞の増殖を始め、細胞の移動、損傷組織の修復、血管新生などに関わっている。また、非特許文献7は、Thymosinβ4 が癌の治療ターゲットとなる可能性を示唆している。ATLに関しては、非特許文献8が示すように、Thymosinβ4 がmRNAレベルで発現が増加することが知られている。
I. B. Marquette et al., Nature,432, 466-472, 2004, "Thymosinβ4 activates integrin-linked kinase and promotes cardiaccell migration, survivaland cardiac repair." A. L. Goldstein, J. Nat. Can. Ins., 95, 1646-1647, 2003, "Thymosin β4:a New molecular target for antitumor." R. Shimamura et al., Blood,76, 977-984, 1990, "Expression of the thymosinβ4 gene duringdifferentiation ofhematopoietic cells." ところが、第2発明のATL マーカーも、第1発明のATL マーカーと同様、プロテオーム解析の結果、ATL 患者血清で検出され、健常者の血清では殆ど検出されない蛋白質・ペプチドであることが分かった。従って、成人T細胞白血病の有効なマーカーとして利用することができる。Thymosinβ4 は、後に詳述するように癌との関連性が示唆されており、臨床応用も期待できる。従来、Thymosinβ4 がATL 患者の血清において特異的に発現するペプチドである旨の知見は得られていない。
図2に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドにも、Thymosinβ4 と同等の効果を期待できる。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、図3に示すアミノ酸配列を有するC3f (補体活性化タンパク質の分解産物)であり(そのアミノ酸配列を配列表の配列番号3にも示す)、あるいは図3に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドである、成人T細胞白血病マーカーである。
補体(Complement)は、生体における感染防御において、極めて重要な働きをしている。例えば、非特許文献9で示すように、生体に細菌などが侵入すると、補体が活性化した結果、細菌に孔が開けられ、細菌を溶解する。C3は補体の活性化を担う蛋白質群の一種であるが、活性化の過程で分解され、多くの生理機能を持った分解産物を生じる。分解産物の内の一つが図3に示すC3f である。C3fの機能としては、非特許文献10で示すように、平滑筋の収縮作用が知られているが、不明な点も多い。
R. B. Sim et al., Biochem.Soc. Trans., 28, 545-550, 2000, "Innate immunity." V. S. Ganu et al., Molecular Immunology, 26, 939-948, 1989, "Factor C3f is a spasmogenic fragmentreleased from C3b byfactorsI and H: the heptadeca-peptide C3f was synthesized andcharacterized." ところが、第3発明のATL マーカーも、第1発明のATL マーカーと同様、プロテオーム解析の結果、ATL 患者血清で検出され、健常者の血清では殆ど検出されない蛋白質・ペプチドであることが分かった。従って、成人T細胞白血病の有効なマーカーとして利用することができる。C3f は、後に詳述するように癌との関連性が示唆されており、臨床応用も期待できる。従来、C3f がATL 患者の血清において特異的に発現するペプチドである旨の知見は得られていない。
図3に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドにも、C3f と同等の効果を期待できる。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、補体関連蛋白質の一種である iC3b
であり、あるいは iC3b において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質である、成人T細胞白血病マーカーである。
iC3bはC3の分解産物の一つで、C3bよりC3fが切り出された結果生じる蛋白質である。本願発明者は、このiC3b がATLマーカーとして有用であることを見出した。非特許文献11で示すように、HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-associated Myelopathy; HAM)では増加することが報告されているが、ATL患者に関する知見は得られていない。
M-N,Saarloos et al., J. Infect. Dis., 172, 1095-1097, 1995, "Elevated levels ofiC3b and C4d, but not Bb, complement fragments from plasma of persons infectedwith human T cell leukemia virus (HTLV) with HTLV-1-associatedmyelopathy/tropical spastic paraparesis." (第5発明) 上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、補体活性化の古典経路に関わる C1q結合免疫複合体であり、成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質複合体である、成人T細胞白血病マーカーである。
ここにおいて、「補体活性化の古典経路」とは、抗原と抗体の特異的相互作用を必要とする経路で、C1、C2、C4成分を介し、膜傷害性複合体を形成すると共にC3を分解する経路を意味する。
補体が活性化する経路は、非特許文献12に示すように、古典経路、別経路、レクチン経路の3種の経路が知られている。第5発明のC1q結合免疫複合体は古典経路の活性化に関わる。生体防御のために、生体内には抗体が産生されるが、この抗体によって古典経路は活性化される。まず、抗体は抗原を認識して結合し、抗原と抗体から成る免疫複合体を形成する。免疫複合体には、補体関連蛋白質のC1qが結合することで、補体反応が進行する。最終的には、膜傷害性複合体が形成され、生体異物に傷害を与えると共に、C3が活性化され、分解される。C1q免疫複合体は、古典経路の活性化の指標となり、一般的に、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患においては、C1q結合免疫複合体濃度は高値を示す。
白血病との関連については、非特許文献13に示すように、急性リンパ性白血病で高値を示すことが示されているが、ATL患者に関する知見は得られていない。本願発明者は、C1q 結合免疫複合体がATLマーカーとして有用であることを見出した。
K.Rother et al., Springer Press, 1998, " The complement systems., 2ndedition." R. C.Williams et al., Clin. Exp. Immunol., 54, 418-428, 1983, "Characterization ofimmune complexes in acute lymphoblastic leukaemia." (第6発明) 上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、補体活性化の別経路に関わる Bbであり、あるいは Bb において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質である、成人T細胞白血病マーカーである。
ここにおいて、「補体活性化の別経路」とは、活性化に古典経路のような抗原抗体複合体を必要せず、幾つかの他の分子、例えばリポ多糖やその他の細菌性産物によって活性化され、活性化の過程で、Factor D、Factor Bの分解によるBb産生を伴い、膜傷害性複合体を形成すると共にC3を分解する経路を意味する。なお、この経路の活性化を制御する蛋白質として、CR1、Factro H、MCP、DAFなども知られている。
Bbは、非特許文献12で示すように、補体が活性化する3経路の内、別経路の活性化に関わる蛋白質である。非特許文献11で示すようにHAM患者ではBbの血中濃度は変動しないことが報告されており、又、非特許文献11で示すようにBbの血中濃度は慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患においては高値を示すが、ATL患者に関する知見は得られていない。本願発明者は、Bb がATLマーカーとして有用であることを見出した。
(第7発明)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、補体活性化のレクチン経路に関わる MBL/MASP-2 複合体であり、あるいは MBL/MASP-2 複合体において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質複合体である、成人T細胞白血病マーカーである。
ここにおいて、「補体活性化のレクチン経路」とは、細菌や癌細胞表面のマンノースやマンナンにより活性化され、活性化の過程で、血中のMBLとMASPの複合体がマンノースやマンナンに結合し、さらにC2、C4成分を介し、膜傷害性複合体を形成すると共にC3を分解する経路を意味する。
本願発明者は、MBL/MASP-2複合体がATLマーカーとして有用であることを見出した。MBL/MASP-2複合体は、非特許文献12で示すように、補体が活性化する3経路の内、レクチン経路の活性化に関わる蛋白質複合体である。非特許文献14に示すように、MASP-2単独としての血中濃度は、大腸癌で増加し、患者の予後と相関することが報告されている。しかし、ATL患者に関する知見は得られていない。
H.Ytting et al., Clin. Cancer. Res., 11, 1441-1446, 2005, "Serum mannan-bindinglectin-associated serine protease 2 levels in colorectal cancer: relation torecurrence and mortality." (第8発明) 上記課題を解決するための本願第8発明の構成は、第1発明〜第7発明のいずれかに係る成人T細胞白血病マーカーの2種以上を含む、成人T細胞白血病マルチマーカーである。
第8発明の成人T細胞白血病マルチマーカーは、第1発明〜第7発明のいずれかに係る成人T細胞白血病マーカーの2種以上を含むので、より確実・容易にATL の診断や病態把握を行うことができる。
(第9発明)
上記課題を解決するための本願第9発明の構成は、前記第8発明に係る成人T細胞白血病マルチマーカーが、少なくとも、第5発明に記載の成人T細胞白血病マーカーと、第6発明に記載の成人T細胞白血病マーカーとを含んでなるものである、成人T細胞白血病マルチマーカーである。
前記した第8発明に係る成人T細胞白血病マルチマーカーの特に好ましい具体例として、少なくとも第5発明に記載のC1q結合免疫複合体と第6発明に記載のBbとを含んでなるマルチマーカーを挙げることができる。
(第10発明)
上記課題を解決するための本願第10発明の構成は、前記第9発明に係る成人T細胞白血病マルチマーカーが、成人T細胞白血病と、HTLV-1関連脊髄症あるいは少なくともリウマチを包含する自己免疫疾患との判別に用いられるものである、成人T細胞白血病マルチマーカー。
上記した第9発明のマルチマーカーの用途はATL の診断や病態把握等に関連する限りにおいて限定されないが、成人T細胞白血病と、HTLV-1関連脊髄症あるいはリウマチ等の自己免疫疾患との判別に用いることがとりわけ有効である。
なぜなら、C1q結合免疫複合体は、実施例で後述するようにATLでは低い値を示す一方で、前記したように、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患では高い値を示すので、成人T細胞白血病と自己免疫疾患との判別に特に好適に用いることができる。
Bbは、実施例で後述するようにATLでは低い値を示す一方で、前記したように、HTLV-1関連脊髄症では値は変動せず、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患は高値を示すので、これもまた、成人T細胞白血病と、HTLV-1関連脊髄症あるいは自己免疫疾患との判別に特に好適に用いることができる。
従って、C1q結合免疫複合体とBbとを含んでなるマルチマーカーは、成人T細胞白血病と、HTLV-1関連脊髄症あるいは自己免疫疾患との、一層容易で確実な判別にとりわけ好適に用いることができる。
(第11発明)
上記課題を解決するための本願第11発明の構成は、第1発明〜第7発明のいずれかに係る成人T細胞白血病マーカーを特異的に認識する抗体である、成人T細胞白血病用抗体である。
第11発明のように、上記の各種の ATLマーカーに対する特異抗体を、ATL の診断に高感度で利用することが可能である。
(第12発明)
上記課題を解決するための本願第12発明の構成は、第11発明に記載の少なくとも1種の抗体の探索に利用できる抗原である、抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原である。
第12発明の抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原を利用することにより、成人T細胞白血病マーカーを特異的に認識する抗体の探索を効率的に行うことができる。
(第13発明)
上記課題を解決するための本願第13発明の構成は、第11発明に記載の少なくとも1種の抗体を含む、成人T細胞白血病診断薬である。
第13発明の成人T細胞白血病診断薬は、第11発明に記載の少なくとも1種の抗体を含むので、その有効性を十分に期待することができる。
(第14発明)
上記課題を解決するための本願第14発明の構成は、下記の(1)〜(4)の少なくとも一つの要素を含む、成人T細胞白血病診断キットである。
(1)第1発明〜第7発明に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病マーカー。
(2)第11発明に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体
(3)第12発明に記載の少なくとも1種の抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原
(4)第13発明に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病診断薬
(第15発明)
上記課題を解決するための本願第15発明の構成は、第11発明に記載の少なくとも1種の抗体を用いて成人T細胞白血病を診断する、成人T細胞白血病診断方法である。
上記の各種のATL マーカーに対する特異的抗体を利用すれば、成人T細胞白血病を診断することができる。
(第16発明)
上記課題を解決するための本願第16発明の構成は、第11発明に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体を用いて、ヒトの血液又は血清中の第1発明〜第7発明に記載のいずれかの成人T細胞白血病マーカーを検出する、血液又は血清の検定方法である。
第1発明〜第7発明のいずれかに係るATL マーカーはATL 患者の血清より同定されたものであるため、血液診断あるいは血清診断が可能である。血液診断あるいは血清診断は、直接人体を対象にしないこと、簡便であること、患者の負担が軽減されることなどの効果が認められる。
(第17発明)
上記課題を解決するための本願第17発明の構成は、第11発明に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体を用いて、ヒトの血液又は血清中の第1発明〜第7発明に記載のいずれかの成人T細胞白血病マーカーの量を測定する、血液又は血清の測定方法である。
第16発明の場合と同じ理由から、第17発明に係る血液又は血清の測定方法が成立し得る。第17発明においても、第16発明の場合と同様の効果を期待することができる。
本発明によってATL 特異的マーカーが提供され、これを利用する診断薬、診断方法等も提供される。
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
〔ATL マーカー〕
本発明のマーカーであるCystatin A、Thymosinβ4 、及び/又はC3f は、図4及び後述する実施例から明らかなように、ATL 発症患者と健常者の血清を比較し、ATL 発症者のみに発現し、健常者には発現が殆ど見られない蛋白質・ペプチドである。又、補体関連成分であるC3f、iC3b、C1q結合免疫複合体、Bb、及び/又はMBL/MASP-2複合体は、抗体を利用した診断キットにより、ATL発症患者で発現が変動することが分かった。
従って、これらは、いずれも単独または併用してATL の発症診断に用いることができる。近年、各種の癌に対するマルチマーカーシステムによる確度の高い診断方法が提唱されているが、本発明のマーカーも、少なくとも2個を併用することにより、ATL 発症の的確な診断を期待することができる。
最近、癌の早期診断のマーカーとして、補体関連蛋白質が注目されている。非特許文献15に示すように、C型肝炎由来の肝細胞がんにおいて、C3分解産物の一つであるC3aが早期診断に有用なマーカーとなることが報告されている。従って、補体関連成分の発現量を調べることにより、ATL のこれまでの臨床的発症より前に、ATL の発症を予測できる可能性があり、今後のATL の早期治療、観察の道を拓くものである。
I.N. Lee, et al., Proteomics, 6, 2865-2873, 2006, "Identification of complementC3a as a candidate biomarker in human chronic hepatitis C and HCV-relatedhepatocellular carcinoma using a proteomics approach." 〔ATL マーカーの同定〕 本発明のCystatin A、Thymosinβ4 、及び/又はC3f は、図4に示す方法により見出されたものである。図4において、試料として、被験者の血清を用いる。試料の処理方法としては、クリンプロットシステム及びプロテインチップシステムを用いることができる。クリンプロットシステムとプロテインチップシステムは、それぞれ磁気ビーズ表面とチップ表面の官能基にアフィニティを有する蛋白質・ペプチドを捕捉することを特徴としたシステムである。血清ペプチドの検出には、両システムを併用するのが、数多くのマーカーを見出すという観点から望ましい。
また、本発明のC3f、iC3b、C1q結合免疫複合体、Bb、MLB/MASP-2は、実施例に後述するように、ELISAなどの抗体を利用した方法により見出されたものである。抗体を用いた診断法は、一般的に特異性も高く、絶対定量も可能であることから確度の高い診断法という観点から望ましい。
クリンプロットシステムによるATL マーカーの同定は、後述の実施例に示すように基本的には常法によるが、血清蛋白質・ペプチドの吸着には、陰イオン交換(以下WAX と称する)ビーズ、陽イオン交換(以下WCX と称する)ビーズ、8炭素鎖疎水性(以下C8と称する)ビーズ、銅イオン修飾(以下IMAC-Cu と称する)ビーズ、鉄イオン修飾(以下IMAC-Fe と称する)ビーズなどを単独、または併用して用いることができる。試料を脱塩するという観点からは、各ビーズに18炭素鎖疎水性(以下C18 と称する)ビーズを併用することが望ましい。血清をビーズで処理した後、その溶出液を脱塩・濃縮することで、感度を改善する。脱塩・濃縮の方法としては、公知技術、例えば脱塩・濃縮用樹脂充填チップ、高速液体クロマトグラフィー、限外ろ過などが挙げられるが、微量成分の脱塩・濃縮という観点から、ZipTipC18 (ミリポア社)を用いることが好ましい。MS/MS 解析によるピークの同定には、タンデム型質量分析計を用いる。質量精度の観点からは、TOF-TOF 型の質量分析計、例えばAutoflex TOF- TOF (ブルカー・ダルトニクス社)、Ultraflex TOF-TOF
(ブルカー・ダルトニクス社)が好ましい。
プロテインチップシステムによるATL マーカーの同定も、後述の実施例に示すように基本的には常法によるが、陽イオン交換チップ(以下CM10と称する)、陰イオン交換チップ、逆相チップ、金属修飾チップなどを単独、または併用して用いることができる。血清処理濃度を検討することで、ピーク感度を改善することができる。プロテインチップに処理する血清の濃度としては、良質なMS/MS スペクトルを得るという観点から、10%(vol/vol )以上で処理することが好ましい。MS/MS 解析によるピークの同定には、タンデム型質量分析計を用いる。質量精度の観点からは、TOF-TOF型の質量分析計、例えばAutoflex TOF-TOF(ブルカー・ダルトニクス社)、Ultraflex TOF-TOF
(ブルカー・ダルトニクス社)が好ましい。
〔ATL マーカーの検出及び抗体〕
血清中のCystatin A、Thymosinβ4 、及び/又はC3f を検出する際には、特異的に認識する抗体を作製する。特異抗体は、公知技術を用いて作製することができる。なお、特異抗体は、ポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体であっても良い。
一例として、抗Cystatin Aモノクローナル抗体の作製方法を以下に記載する。抗Cystatin Aモノクローナル抗体は、抗原で免疫した動物から得られる抗体産生細胞と、ミエローマ(骨髄腫)細胞との細胞融合によりハイブリドーマを調製し、得られるハイブリドーマからCystatin A抗原を特異的に認識する抗体を産生するクローンを選択することにより調製することができる。
動物の免疫に抗原として用いるCystatin A抗原としては、組換えDNA 法又は化学合成により調製したCystatin Aのアミノ酸配列の全部若しくは一部のペプチドが挙げられる。例えば、図1(又は配列表の配列番号1)に示したCystatin Aのアミノ酸配列における、9〜27番目のアミノ酸からなるペプチドを抗原として使用することができる。
得られた抗原用Cystatin Aをキャリア蛋白質(例えばサイログロブリン)に結合させた後、アジュバンドを添加する。アジュバンドとしては、フロイントの完全アジュバンド、フロイントの不完全アジュバンドなどが挙げられ、これらのいずれを混合しても良い。
上記のようにして得られた抗原を哺乳動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ウマ、サル、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタなどに投与する。他に免疫動物としては、ニワトリなどの鳥類を用いることもできる。免疫は、既存の方法であればいずれの方法を用いることもできるが、主として静脈内注射、皮下注射、腹腔内注射などにより行う。また、免疫の間隔は特に限定されず、数日から数週間で、好ましくは4〜21日間隔で免疫する。
最終の免疫日から2〜3日後に抗体産生細胞を採集する。抗体産生細胞としては脾臓細胞、リンパ節細胞、末梢血細胞等が挙げられるが、脾臓細胞が一般体である。抗原の免疫は1回にマウス1匹当たり、例えば100μg用いられる。
免疫した動物の免疫応答レベルを確認し、また、細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選択するため、免疫した動物の血中抗体価、又は抗体産生細胞の培養上清中の抗体価を測定する。抗体検出の方法としては、公知技術、例えばエンザイムイムノアッセイ(以下EIA と称する)、ラジオイムノアッセイ(以下RIA と称する)、酵素連結イムノソルベントアッセイ(以下ELISA と称する)などが挙げられる。
抗体産生細胞と融合させるミエローマ細胞として、マウス、ラット、ヒトなど種々の動物に由来し、当業者が一般に入手可能な株化細胞を使用する。使用する細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の状態では選択培地(例えばHAT 培地)で生存できず、融合した状態でのみ生存できる性質を有するものが用いられる。一般的に8-アザグアニン耐性株が用いられ、この細胞株は、ヒポキサンチン−グアニン−ホスホリボシルトランスフェラーゼを欠損し、ヒポキサンチン・アミノプリテン・チミジン(HAT )培地に生育できないものである。
ミエローマ細胞は、既に公知の細胞株、例えば、P3x63Ag8.653、P3x63Ag8U.1、NS-1、MPC-11、SP2/0 、F0、S194、R210、などが好適に使用される。
抗体産生細胞は、脾臓細胞、リンパ節細胞などから得られる。即ち、前記各種動物から脾臓、リンパ節などを摘出又は採取し、これら組織を破砕する。得られる破砕物をPBS 、DMEM、RPMI-1640 などの培地又は緩衝液に懸濁し、ステンレスメッシュなどで濾過後、遠心分離を行うことにより、目的とする抗体産生細胞を調製する。
次に、上記ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを細胞融合させる。細胞融合は、MEM 、DMEM、RPMI-1640 培地などの動物細胞培養用の培地中で、ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを、混合比1:1〜1:10で融合促進剤の存在下、30〜37°Cで1〜15分間接触させることによって行われる。細胞融合を促進させるためには、平均分子量1,000〜6,000のポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール又はセンダイウイルスなどの融合促進剤や融合ウイルスを使用することができる。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることもできる。
細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを選別する。その方法として、選択培地における細胞の選択的増殖を利用する方法などが挙げられる。即ち、細胞懸濁液を適切な培地で希釈後、マイクロタイタープレート上に撒き、各ウェルに選択培地(HAT 培地など)を加え、以後適当に選択培地を交換して培養を行う。その結果、生育してくる細胞をハイブリドーマとして得ることができる。
ハイブリドーマのスクリーニングは、限界希釈法、蛍光励起セルソーター法などによって行い、最終的にモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを取得する。取得したハイブリドーマからモノクローナル抗体を採取する方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法などが挙げられる。細胞培養法においては、ハイブリドーマを10〜20%ウシ胎児血清含有RPMI-1640 、MEM 、又は無血清培地などの動物細胞培養用培地中で、通常の培養条件(例えば37°C、5% CO)で2〜14日間培養し、その培養上清から抗体を取得する。腹水形成法においては、ミエローマ細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にハイブリドーマを投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させる。そして、1〜4週間後に腹水又は血清を採取する。
上記抗体の採取方法において、抗体の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティークロマトグラフィーなどの公知の方法を適宜に選択して、又はこれらを組み合わせることにより精製する。
以上のように調製した抗Cystatin Aモノクローナル抗体を用いて、診断対象の血中に存在するCystatin Aを検出することができる。検出の方法としては、例えばEIA 、RIA 、ELISA
、イムノクロマト法などが挙げられる。
以上、上記した方法に従えば、診断対象の患者から採取した血液を用いて、Cystatin Aを検出することができる。言い換えると抗Cystatin Aモノクローナル抗体を含む試薬によって、全く新規のATL 診断薬を提供することができる。また、ATL 診断薬を搭載したATL の診断キットを提供することができる。更に、Cystatin AとThymosinβ4 及び/又はC3f を併用することにより、確度の高い診断方法を提供することができる。
〔実施例1〕
クリンプロットシステムによるATL マーカーの同定
[1]クリンプロットシステムによる血清ペプチドの検出
(1)材料と方法
試料として、ATL 患者血清4例、及び健常者血清3例を用いた。血清5μLをWAX ビーズ、WCX ビーズ、C8ビーズ、IMAC-Cu ビーズ、及びIMAC-Fe ビーズに添加し、ビーズに血清蛋白質・ペプチドを吸着させた。未吸着の蛋白質・ペプチドを洗浄除去した後、溶出液を加え、ビーズに吸着した蛋白質・ペプチドを溶出した。
続けて、蛋白質・ペプチドとマトリックスの結晶を薄膜法で調製した。即ち、アンカーチップ(ブルカー・ダルトニクス社)のアンカー表面に、予めα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid :以下CCA と称する)(ブルカー・ダルトニクス社)の飽和アセトン溶液を塗布し、CCA の薄膜を作製した。次に、クリンプロット溶出液1μLを薄膜上に滴下し、5分間静置することで、溶出液中のペプチドとCCA を結晶化させた。静置後、イオン化を妨げる塩を除去(脱塩)するため、結晶を0.1%トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid : 以下TFA と称する)3μLで3回洗浄した。
ピークの検出は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化型質量分析装置Autoflex TOF-TOF(ブルカー・ダルトニクス社)のリニアーモード測定により行い、マススペクトルを得た。健常者とATL 患者のマススペクトルを比較し、健常者で検出されず、ATL 患者で検出されるピークをATL のマーカー候補とした。特に、3,000m/z以下のピークは、精製などの困難な作業を必要とせず、MS/MSイオンサーチで同定することが可能であるため、3,000m/z以下の質量範囲でマーカー候補を探索した。なお、複数のマススペクトルを比較する際、m/zが0.1%以内の誤差でマッチするピークは、同じ分子由来のピークとみなした。
(2)結果
WAX ビーズのマススペクトルを図5〜図10に示す。WAX ビーズについては、洗浄液が3種類(pH9.0、7.4、又は5.0)あるため、pHにより異なったスペクトルが得られた。まずpH9.0のマススペクトルを図5〔「(A)と表記したもの〕と図6〔「(B)と表記したもの〕に示す。例えば、図5において、約1,226m/zのピークは、4例すべてのATL 患者で認められたが、健常者では認められなかった。そこで、この約1,226m/zのピークをATLのマーカー候補の一つとした(候補a)。同様に、pH9のマススペクトル(図5及び図6)から、ATL 患者でのみ認められるピークを更に探索した。その結果、約1,450m/zのピーク(図5、候補b)、約1,553m/zのピーク(図5、候補c)、約1,747m/zのピーク(図5、候補d)、約2,022m/zのピーク(図5、候補e)、約2,228m/zのピーク(図6、候補f)、約2,484m/zのピーク(図6、候補g)、約2,658m/zのピーク(図6、候補h)、約2,827m/zのピーク(図6、候補i)、及び約2,860m/zのピーク(図6、候補j)を認め、ATL のマーカー候補ピークとした。
同様に、WAX ビーズ(pH7.4)(図7及び図8)、WAX ビーズ(pH5.0)(図9及び図10)、WCX ビーズ(図11及び図12)、C8ビーズ(図13)、IMAC-Cu ビーズ(図14〜図16)、及びIMAC-Fe ビーズ(図17及び図18)のマススペクトルから、ATL のマーカー候補ピークを探索した。選ばれた候補ピーク(候補a〜t)のm/zと検出されるビーズの種類を下記の表1にまとめた。なお、0.1%以内の質量誤差範囲に収まるピーク、例えば、図5の1,255.955m/zのピークと図7の1,226.024m/zのピークは同じ分子由来とした(候補a)。
なお、表1にはATL患者で増加したピークとその分子量、用いたビーズの種類をまとめた。
[2]MS/MS 解析によるATL マーカー候補の同定
次に表1の候補ピークに由来する因子をMS/MS 解析で同定した。20種のATL
マーカー候補の内、7種のペプチド(表1、No.2、No.4 、No. 9 、No.12、No.14、No.18、及びNo.19)の同定に成功した。以下に詳述する。
(1)材料と方法
ATL 患者血清のクリンプロット溶出液は、C18 ビーズで一度脱塩し、更に脱塩・濃縮用チップのZipTipC18 で処理することで、十分に脱塩・濃縮した。その結果、良好なMS/MS スペクトルを得ること、更にそのピークに由来する分子を同定することが出来た。より具体的方法を以下に示す。
No.2、 No.12、及びNo.18 のピークの同定は、以下のように実施した。ATL 患者血清のWAX ビーズ溶出液10μLをC18 ビーズで処理、洗浄した後、50%アセトニトリル5μLで溶出した。この溶出液を0.1%TFA 5μLで希釈した後、ZipTipC18 で吸引・排出を10回繰返すことで、チップに充填されている樹脂に溶出液中のペプチドを吸着させた。樹脂を0.1%TFA で洗浄した後、50%アセトニトリル/0.1%TFA 5μLで溶出し、これをMS/MS 解析に供した。
ペプチドとCCA の結晶は薄膜法で調製し、Autoflex TOF-TOFのリフレクターモードで測定することで、高精度に目的ピークの分子量を測定した。MS/MS スペクトルの取得には、リフトモード測定を行い、目的ピーク(親イオン)とその断片(フラグメントイオン)の分子量を測定した。なお、分子量の補正(キャリブレーション)は、Peptide calibration standard
II (ブルカー・ダルトニクス社)で行った。得られたMS/MS スペクトルより、バイオツール(ブルカー・ダルトニクス社)を用いて親イオンとフラグメントイオンのピークリストを作成し、マスコットサーチ(マトリックスサイエンス社)のMS/MS イオンサーチにより、ピークの同定を行った。
No.4のピークの同定は、ATL 患者血清のWCX ビーズ溶出液を用い、以降の操作は上記と同様に行った。
No.14 及びNo.19 のピークの同定は、ATL 患者血清のIMAC-Cu ビーズ溶出液を用い、以降の操作は上記と同様に行った。
No.9のピークの同定は、IMAC-Cu ビーズ溶出液を用いたが、ZipTipC18 の溶出段階で、5、10、20、50%アセトニトリルを用い、十分なピーク強度が得られるよう粗分画を行った。No.9のピークは50%アセトニトリル溶出液中に検出された。以降の操作は上記と同様に行った。
(2)結果
No.2のMS/MS スペクトルを図19に示す。親イオンのピーク(1,449.745m/z)と共に、多くのフラグメントイオンのピークが検出された。このスペクトルからピークリストを作成し、MS/MS イオンサーチでピークに由来するペプチドを同定した。その結果、C3f の5〜16番目のアミノ酸配列に相当するペプチド(以下C3f (5−16)と称する)であることが分かった。
No.4のMS/MS スペクトルを図20に示す。同定の結果、Thymosinβ4 のN末端13アミノ酸配列に相当するペプチド(以下Thymosinβ4 (1−13)と称する)であることが分かった。
No.9のMS/MS スペクトルを図21に示す。同定の結果、C3f の2〜16番目のアミノ酸配列に相当するペプチド(以下C3f (2−16)と称する)であることが分かった。
No.12 のMS/MS スペクトルを図22に示す。同定の結果、No.12 は、Cystatin Aの10〜27番目のアミノ酸配列に相当するペプチド(以下Cystatin A(10−27) と称する)であることが分かった。
No.14 のMS/MS スペクトルを図23に示す。同定の結果、Thymosinβ4 の19〜37番目のアミノ酸配列に相当するペプチド(以下Thymosinβ4 (19−37) と称する)であることが分かった。
No.18 のMS/MS スペクトルを図24に示す。同定の結果、α-Fibrinogen のN末端25アミノ酸配列に相当するペプチド(以下α-Fibrinogen (1−25)と称する)であることが分かった。
No.19 のMS/MS スペクトルを図25に示す。同定の結果、Thymosinβ4 の19〜43番目のアミノ酸配列に相当するペプチド(以下Thymosinβ4 (19−43) と称する)であることが分かった。
〔実施例2〕
ATLマーカーとしてのC3fと補体関連因子(iC3b、C1q結合免疫複合体、Bb、及び機能的MBL/MASP-2複合体)の同定
[1]プロテインチップシステムによる血清ペプチドの検出
(1)材料と方法
試料として、健常者血清16例、HTLV-1キャリア血清20例、ATL患者血清20例を用いた。血清5μLをPBS(137 mM NaCl 、8.1 mM Na HPO 、2.68
mM KCl 、1.47 mM KHPO)45μL、更に、50mM 酢酸ナトリウム(pH 5.5)450μLで希釈した。バイオプロセッサ(サイファージェン社)に装着した陽イオン交換チップ(以下CM10と称する)の各スポットに、希釈した血清を100μL添加し、30分間、室温で震盪処理した。スポットを50mM 酢酸ナトリウム(pH 5.5)、更に超純水で洗浄した後、5分間風乾した。スポットに20%飽和CCA /50%アセトニトリル/0.5% TFA 0.5μLを2回添加し、風乾した。ピークの検出はSELDI で行った。
(2)結果
CM10(pH5.5 )のピークパターンを図26(A)に示す。図26(B)の図ではこれらの各ピークでの増加量を、ATL 患者と、健常者及びHTLV-1キャリアとで対比した。ATL 患者で増加するピークとして、約1,778m/z(以下No. 21と称する)、1,865m/z(以下No. 22と称する)及び約2021m/z(以下No. 23と称する)のピークが認められた。これらのピークは、健常者とウイルスキャリアでは殆ど検出されなかったが、ATL 患者では著しく増加することが分かった。
[2]MS/MS 解析によるATL マーカー候補の同定
(1)材料と方法
MS/MS 解析で十分なピーク強度を得るため、ATL 患者血清2μLを50mM
酢酸ナトリウム(pH5.5 )4μLで希釈し、30分間、室温でCM10に震盪処理した。スポットを洗浄、風乾した後、20%飽和CCA /50%アセトニトリル/0.5% TFA0.5μLを2回添加した。Autoflex TOF-TOFのリフトモード測定でMS/MS スペクトルを得た後、バイオツールを用いてピークリストを作成し、マスコットサーチでピークの同定を行った。
(2)結果
No. 21のMS/MSスペクトルを図27に示す。親イオンのピークと共に、多くのフラグメントイオンのピークが検出された。同定の結果、No. 9の同定結果と同じで、C3f (2−16)であることが分かった。
No. 22のMS/MS
スペクトルを図28に示す。同定の結果、C3f のN末端16アミノ酸配列に相当するペプチド(以下C3f (1−16)と称する)であることが分かった。
No. 23のMS/MS スペクトルを図29に示す。同定の結果、C3f であることが分かった。
以上の結果、クリンプロットシステムとプロテインチップシステムでマーカー候補を探索し、更にMS/MS 解析によりその内の一部のペプチドを同定するに至った。同定結果を表2にまとめた。
なお、表2にそれぞれ示すNo.
2, 4, 9, 12, 14, 18, 19, 21, 22、23に係るアミノ酸配列を配列表の配列番号4〜配列番号12に順次記載した。
[3]特異抗体によるC3fの検出
これらのマーカーを診断に利用することを考えると、マーカーに対する抗体を用いてより特異的にピークを検出する必要がある。そこで次に、抗C3抗体を用いてC3fを検出することを試みた。
(1)材料と方法
C3fの特異的な検出は抗C3抗体を用いた免疫沈降法で行った。即ち、ATL患者血清に抗C3ポリクローナル抗体を添加し、1時間氷浴上で静置することで、血清中の抗原と抗体を反応させた。続いて、プロテインAセファロースを添加し、10分毎に転倒混和しながら、1時間氷浴上で静置した。ビーズをPBSで6回洗浄することで、未吸着の蛋白質・ペプチドを除去した後、50%アセトニトリルでビーズに結合した蛋白質・ペプチドを溶出した。溶出液を50mM
酢酸ナトリウム(pH5.5)で2倍希釈した後、CM10に30分間震盪処理した。スポットを洗浄、風乾した後、20%飽和CCA /50%アセトニトリル/0.5% TFA0.5μLを2回添加した。SELDIで測定し、C3fが検出されるのかどうかを調べた。
(2)結果。
免疫沈降の結果を図30に示す。抗C3抗体で処理したATL患者血清において、C3fのピークと同様のピークが検出された(図中の矢印と2020.8 m/zのピーク)ことから、抗体が確かにC3fと反応していることが分かった。
[4]ATLマーカーとしての補体関連因子
補体系は、生体の防御反応の一つであり、細菌の感染や癌細胞の発生により活性化される。補体系が活性化される経路として、古典経路、別経路、レクチン経路の3種の経路が知られている。いずれの経路が活性化されたとしても、最終的にはC3が活性化し、細菌や癌細胞の表面に膜傷害性複合体を形成し、これらを破壊する。C3の活性化において、C3は分解されるが、その過程でC3fとiC3bが生じる。従って、iC3bはC3fと同様のATLマーカーとなる可能性がある。
古典経路は、何らかの抗原に対して抗体が結合することで活性化される。抗原抗体複合体は体液中を循環しているが、補体成分の一種であるC1qと結合する性質を有し、C1q結合免疫複合体を形成する。C1q結合免疫複合体が形成されると、下流の補体成分に活性化のシグナルが伝達され、最終的には膜傷害複合体の形成とC3活性化に繋がる。従って、血中のC1q結合能を有する免疫複合体を測定することで、古典経路が活性化しているか判断できる。
別経路は、古典経路と異なり、抗体を介さない補体活性化経路である。細菌や癌細胞表面の糖鎖や脂質により活性化され、下流の補体成分に活性化シグナルが伝達されるのだが、その過程で、Factor B と呼ばれる血清蛋白質が開裂し、BaとBbを生じる。従って、血清中のBb量を測定することで、別経路が活性しているか判断できる。
レクチン経路は、マンノースを主成分とする多糖(マンナン)によって活性化される経路である。細菌や癌細胞が存在すると、これらの表面のマンナンを標的として、マンナン結合レクチン(Mannan-binding lectin; MBL、マンノース結合レクチンとも言う)が結合する。MBLは、通常MBL結合セリンプロテアーゼ 2(MBL associated
serine protease 2; MASP-2)と複合体を形成(MBL/MASP-2複合体)し、生体内を循環している。マンナンに結合したMBL/MASP-2複合体は、次に補体成分のC4を捕捉し、MASP-2のセリンプロテアーゼ活性により、C4をC4cに開裂する。その後、さらに下流にシグナルが伝達され、古典経路と同様に細菌や癌細胞が破壊される。従って、MBL/MASP-2複合体量を測定することで、生体が持つレクチン経路の活性化能を評価することができる。
ATLにおいて、補体系が活性化されることは知られておらず、その活性化経路についても不明である。iC3bや活性化経路に特異的な因子を定量することで、ATLの発症機構の理解が深まるだけではなく、ATLの新規マーカーが見出される可能性があり、本発明の課題であるATLマーカーをより多く提供することにも適う。そこで次に、ATL患者において、iC3bと3種類の経路(古典経路、別経路、レクチン経路)の活性化の指標となる因子を定量することにした。
(1)材料と方法
iC3bの血清濃度の測定には、iC3b
Enzyme Immunoassay(QUIDEL Co., CA, USA)を用いた。試料として、健常者、HTLV-1キャリア、ATL患者、慢性関節リウマチ患者の血清を用いた。本キットの96穴プレートの各ウェルには、抗iC3bモノクローナル抗体が固定化されており、まずこれに希釈血清を添加し、血清中のiC3bを補足した。さらに、ペルオキシダーゼ標識抗iC3bポリクローナル抗体を加えることで、抗原と抗体のサンドイッチ複合体を形成させた。続いて発色基質を添加し、呈色反応後、405 nmの波長の吸光度を測定し、標準物質の検量線から、血清中のiC3b濃度を算出した。統計解析は、マン・ホイットニのU検定で行い、p<0.05を統計的に有意であると判断した。
古典経路活性化の指標として、C1q結合免疫複合体を測定した。測定には、循環免疫複合体キット(エスアールエル社製、東京)を用いた。試料として、健常者、HTLV-1キャリア、ATL患者、慢性関節リウマチ患者の血清を用いた。本キットの96穴プレートの各ウェルには、C1qが固定化されており、まずこれに希釈血清を添加し、試料中のC1q結合能を有する免疫複合体を捕捉した。次に、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を反応させた。試料中にC1q結合免疫複合体が存在すれば、C1q、免疫複合体、及びペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体の3者複合体が形成される。その後、発色基質を添加し、呈色反応後、450 nmの波長の吸光度を測定し、標準物質の検量線から、血清中のC1q結合免疫複合体濃度を算出した。統計解析は、マン・ホイットニのU検定で行い、p<0.05を統計的に有意であると判断した。
別経路活性化の指標として、Bbを測定した。測定には、Bb
Fragment Enzyme Immunoassay(QUIDEL Co., CA, USA)を用いた。試料として、健常者、HTLV-1キャリア、ATL患者、慢性関節リウマチ患者の血清を用いた。本キットの96穴プレートの各ウェルには、抗Bbモノクローナル抗体が固定化されており、まずこれに希釈血清を添加し、試料中のBbを捕捉した。さらにペルオキシダーゼ標識抗Bbポリクローナル抗体を添加し、抗原と抗体のサンドイッチ複合体を形成させた。続いて発色基質を添加し、呈色反応後、405 nmの波長の吸光度を測定し、標準物質の検量線から、血清中のiC3b濃度を算出した。統計解析は、マン・ホイットニのU検定で行い、p<0.05を統計的に有意であると判断した。
レクチン経路活性化の指標として、MBL/MASP-2複合体が有するC4開裂能に着目した。測定には、Human
functional MBL/MASP-2 assay(Hucult Biotechnology, Uden, Netherlands)を用いた。試料として、健常者、HTLV-1キャリア、ATL患者、慢性関節リウマチ患者の血清を用いた。本キットの96穴プレートの各ウェルには、マンナンが予め固定化されており、まずこれに希釈血清を添加し、試料中のMBL/MASP-2複合体を捕捉した。MBL/MASP-2はマンナンに結合すると、C4を開裂し、C4cを生じる。生じたC4cをペルオキシダーゼ標識抗C4c抗体で処理することで、マンナン、MBL/MASP-2複合体、C4c、及びペルオキシダーゼ標識C4c抗体の4者複合体を形成させた。続いて発色基質を添加し、呈色反応後、450 nmの波長の吸光度を測定した。従って、本キットは、C4開裂化能を有するMBL/MASP-2を検出していることになる。標準物質の検量線から、血清中のMBL/MASP-2複合体濃度を算出した。統計解析は、マン・ホイットニのU検定で行い、p<0.05を統計的に有意であると判断した。
(3)結果
iC3bの血清濃度を図31に示す。C3fの結果を反映するように、やはりiC3bの血清濃度は高値を示した。
古典経路活性化の指標であるC1q免疫複合体の血清濃度を図32に示す。健常者に比べ、ATL患者では低値(p<0.05)を示した。また、一般に慢性関節リュウマチでは高値を示すことが知られている。従って、C1q免疫複合体濃度を測定することで、ATLの診断マーカーとして、他の疾病との差別化が可能となる。以上の結果、C1q免疫複合体濃度は、ATLの低値マーカーとなることが示唆された。
別経路活性化の指標であるBbの血清濃度を図33に示す。C1q免疫複合体と同様、健常者に比べ、ATL患者では低値(p<0.05)を示した。以上の結果より、慢性関節リウマチ、HAMを始めとした他の疾病との差別化が可能であることが明らかとなった。Bb濃度は、ATLの低値マーカーとなることが示唆された。
レクチン経路活性化の指標であるMBL/MASP-2複合体濃度を図34に示す。健常者に比べ、ATL患者では高値(p<0.05)を示した。この結果は、ATLにおけるC3fとiC3bの増加はレクチン経路活性化によるものであること、また、MBL/MASP-2複合体濃度はATLの高値マーカーとなることを示唆している。
本発明により、ATL 特異的マーカーとしてのCystatin A、Thymosinβ4 、C3f等が提供され、かつその種々の利用手段、例えば特異抗体を用いた発症診断検査方法等が提供される。

〔配列表〕

SEQUENCE LISTING

<110> 独立行政法人科学技術振興機構/国立大学法人宮崎大学/国立大学法人鹿児島大学/宮崎県
<120> 成人T細胞白血病マーカー
<130> POK-06-009
<160> 12

<210> 1
<211> 98
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 1
Met Ile Pro Gly Gly Leu Ser Glu Ala Lys Pro Ala Thr Pro Glu Ile 16

Gln Glu Ile Val Asp Lys Val Lys Ser Gln Leu Glu Glu Lys Thr Asn 32

Glu Thr Tyr Gly Lys Leu Glu Ala Val Gln Tyr Lys Thr Gln Val Val 48

Ala Gly Thr Asn Tyr Tyr Ile Lys Val Arg Ala Gly Asp Asn Lys Tyr 64

Leu His Leu Lys Val Phe Lys Ser Leu Pro Gly Gln Asn Glu Asp Leu 80

Val Leu Thr Gly Tyr Gln Val Asp Lys Asn Lys Asp Asp Glu Leu Thr 96

Gly Phe 98

<210> 2
<211> 43
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 2
Ser Asp Lys Pro Asp Met Ala Glu Ile Glu Lys Phe Asp Lys Ser Lys 16

Lru Lys Lys Thr Glu Thr Gln Glu Lys Asn Pro Leu Pro Ser Lys Glu 32

Thr Ile Glu Gln Glu Lys Gln Ala Gly Glu Ser 43

<210> 3
<211> 17
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 3
Ser Ser Lys Ile Thr His Arg Ile His Trp Glu Ser Ala Ser Leu Leu 16

Arg 17

<210> 4
<211> 12
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 4
Thr His Arg Ile His Trp Glu Ser Ala Ser Leu Leu 12

<210> 5
<211> 13
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 5
Ser Asp Lys Pro Asp Met Ala Glu Ile Glu Lys Phe Asp 13

<210> 6
<211> 15
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 6
Ser Lys Ile Thr His Arg Ile His Trp Glu Ser Ala Ser Leu Leu 15

<210> 7
<211> 18
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 7
Lys Pro Ala Thr Pro Glu Ile Gln Glu Ile Val Asp Lys Val Lys Ser 16
Gln Leu 18

<210> 8
<211> 19
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 8
Lys Thr Glu Thr Gln Glu Lys Asn Pro Leu Pro Ser Lys Glu Thr Ile 16
Glu Gln Glu 19

<210> 9
<211> 25
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 9
Asp Glu Ala Gly Ser Glu Ala Asp His Glu Gly Thr His Ser Thr Lys 16
Arg Gly His Ala Lys Ser Arg Pro Val 25

<210> 10
<211> 25
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 10
Lys Thr Glu Thr Gln Glu Lys Asn Pro Leu Pro Ser Lys Glu Thr Ile 16
Glu Gln Glu Lys Gln Ala Gly Glu Ser 25

<210> 11
<211> 16
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 11
Ser Ser Lys Ile Thr His Arg Ile His Trp Glu Ser Ala Ser Leu Leu 16

<210> 12
<211> 17
<212> PRT
<213> Homo sapiens

<400> 12
Ser Ser Lys Ile Thr His Arg Ile His Trp Glu Ser Ala Ser Leu Leu 16
Arg 17
Cystatin Aのアミノ酸配列と同定されたペプチド部分を示す。 Thymosinβ4 のアミノ酸配列と同定されたペプチド部分を示す。 C3f のアミノ酸配列と同定されたペプチド部分を示すである。 ATL マーカーの探索方法を示すフローシートである。 WAX ビーズ(pH9.0 )の血清スペクトルを、ATL 患者と健常者で比較した図である。 図5と同様に、WAX ビーズ(pH9.0 )の血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図5とは異なる質量範囲(m/z )を示す。 WAX ビーズ(pH7.4 )の血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 図7と同様に、WAX ビーズ(pH7.4 )の血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図7とは異なる質量範囲(m/z )を示す。 WAX ビーズ(pH5.0 )の血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 図9と同様に、WAX ビーズ(pH5.0 )の血清スペクトルをATL患者と健常者で比較した図であって、図9とは異なる質量範囲(m/z )を示している。 WCX ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 図11と同様に、WCX ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図11とは異なる質量範囲(m/z )を示す。 C8ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 IMAC-Cu ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 図14と同様に、IMAC-Cu ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図14とは異なる質量範囲(m/z )を示す。 図14及び図15と同様に、IMAC-Cu ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図14及び図15とは異なる質量範囲(m/z )を示している。 IMAC-Fe ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図である。 図17と同様に、IMAC-Fe ビーズの血清スペクトルをATL 患者と健常者で比較した図であって、図17とは異なる質量範囲(m/z )を示す。 ATL マーカー候補No.2(1.450m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.4(1,567m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.9(1,779m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.12 (2,022 m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.14 (2,228 m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.18 (2,658 m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.19 (2,827 m/z )のMS/MS スペクトルを示す図である。 図26(A)はCM10(pH5.5 )のピークパターンを示す。又、図26(B)はこれらの各ピークでの増加量を、ATL 患者と、健常者及びHTLV-1キャリアとで対比した。 ATL マーカー候補No. 21のMS/MSスペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.22のMS/MS スペクトルを示す図である。 ATL マーカー候補No.23のMS/MS スペクトルを示す図である。 免疫沈降の結果を示す図である。 iC3bの血清濃度を示す図である。 C1q免疫複合体の血清濃度を示す図である。 Bbの血清濃度を示す図である。 MBL/MASP-2複合体濃度を示す図である。

Claims (17)

  1. 図1に示すアミノ酸配列を有するシスタチンA(Cystatin A)であり、あるいは図1に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドであることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  2. 図2に示すアミノ酸配列を有するチモシンβ4(Thymosinβ4)であり、あるいは図2に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドであることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  3. 図3に示すアミノ酸配列を有する C3f (補体活性化タンパク質の分解産物)であり、あるいは図3に示すアミノ酸配列において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し、成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有するペプチドであることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  4. 補体関連蛋白質の一種である
    iC3b であり、あるいは iC3b において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質であることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  5. 補体活性化の古典経路に関わる
    C1q 結合免疫複合体であり、成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質複合体であることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  6. 補体活性化の別経路に関わる
    Bb であり、あるいは Bb において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質であることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  7. 補体活性化のレクチン経路に関わる
    MBL/MASP-2 複合体であり、あるいは MBL/MASP-2 複合体において1個〜数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列を有し成人T細胞白血病マーカーとしての識別性を有する蛋白質複合体であることを特徴とする成人T細胞白血病マーカー。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の成人T細胞白血病マーカーの2種以上を含むことを特徴とする成人T細胞白血病マルチマーカー。
  9. 前記成人T細胞白血病マルチマーカーが、少なくとも、請求項5に記載の成人T細胞白血病マーカーと、請求項6に記載の成人T細胞白血病マーカーとを含んでなるものであることを特徴とする請求項8に記載の成人T細胞白血病マルチマーカー。
  10. 前記成人T細胞白血病マルチマーカーが、成人T細胞白血病と、HTLV-1関連脊髄症あるいは少なくともリウマチを包含する自己免疫疾患との判別に用いられるものであることを特徴とする請求項9に記載の成人T細胞白血病マルチマーカー。
  11. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の成人T細胞白血病マーカーを特異的に認識する抗体であることを特徴とする成人T細胞白血病用抗体。
  12. 請求項11に記載の少なくとも1種の抗体の探索に利用できる抗原であることを特徴とする抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原。
  13. 請求項11に記載の少なくとも1種の抗体を含むことを特徴とする成人T細胞白血病診断薬。
  14. 下記の(1)〜(4)の少なくとも一つの要素を含むことを特徴とする成人T細胞白血病診断キット。
    (1)請求項1〜請求項7に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病マーカー。
    (2)請求項11に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体
    (3)請求項12に記載の少なくとも1種の抗成人T細胞白血病マーカー抗体探索用抗原
    (4)請求項13に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病診断薬
  15. 請求項11に記載の少なくとも1種の抗体を用いて成人T細胞白血病を診断することを特徴とする成人T細胞白血病診断方法。
  16. 請求項11に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体を用いて、ヒトの血液又は血清中の請求項1〜請求項7に記載のいずれかの成人T細胞白血病マーカーを検出することを特徴とする血液又は血清の検定方法。
  17. 請求項11に記載の少なくとも1種の成人T細胞白血病用抗体を用いて、ヒトの血液又は血清中の請求項1〜請求項7に記載のいずれかの成人T細胞白血病マーカーの量を測定することを特徴とする血液又は血清の測定方法。
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