JP2007290647A - 無人ヘリコプタおよび外部環境推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1には、外部環境を推定する。第2には、安定した飛行を実現する。
【解決手段】無人ヘリコプタ1が風wを浴びると、無人ヘリコプタ1は、位置および速度を目標位置および目標速度に保つために、姿勢を変更する(点線r)。このように風wの影響を受けると、無人ヘリコプタ1は、姿勢を自動的に変更するため、無人ヘリコプタ1の理想的な目標姿勢(点線t)と実際の姿勢との間には偏差αが生じることとなる。本発明では、その偏差αから風の有無や風量等の外部環境の状況を推定する。この推定値に基づいて無人ヘリコプタ1の飛行速度等を設定することより、安定した姿勢での飛行を実現することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】無人ヘリコプタ1が風wを浴びると、無人ヘリコプタ1は、位置および速度を目標位置および目標速度に保つために、姿勢を変更する(点線r)。このように風wの影響を受けると、無人ヘリコプタ1は、姿勢を自動的に変更するため、無人ヘリコプタ1の理想的な目標姿勢(点線t)と実際の姿勢との間には偏差αが生じることとなる。本発明では、その偏差αから風の有無や風量等の外部環境の状況を推定する。この推定値に基づいて無人ヘリコプタ1の飛行速度等を設定することより、安定した姿勢での飛行を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、無人ヘリコプタに関するものであり、特にその飛行制御技術に関するものである。
従来より、無人ヘリコプタは、機体の姿勢を検出する姿勢センサ、機体の地球座標上の位置を検出するGPSセンサ、飛行を制御する制御装置、地上局と無線通信を行う無線装置などを搭載し、上記各センサによって検出された現在の飛行状態・位置と、地上局や予め設定されたプログラムの指示の基づく目標飛行状態・目標位置とが一致するように、制御装置によりエンジンのスロットル弁を開閉させたりメインロータやテールロータの状態を変える各種のサーボモータを動作させる構成を備えている。例えば、特許文献1では、基地局からの速度の指令値に基づいて、無人ヘリコプタの制御の指令値を算出し、この制御指令値に基づいて無人ヘリコプタの飛行速度や飛行方向などを制御している。
無人ヘリコプタは、主に屋外を飛行するため、突風や強風にさらされることがある。例えば、高速飛行中に突風にあおられたりすると、飛行速度を落とさなければ安定した姿勢で飛行することが困難である。しかしながら、従来の無人ヘリコプタは、外部環境の状況を検出できず、基地局からの制御指令値に基づく飛行制御しかできなかったので、外部環境に応じた安定した飛行を実現することができなかった。
そこで、本願発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであり、第1には、外部環境を推定することを目的とするものである。また、第2には、安定した飛行を実現することを目的とする。
上述したような課題を解消するために、本発明に係る無人ヘリコプタは、飛行姿勢の現在値を測定する測定手段と、飛行姿勢の目標値を設定する設定手段と、飛行姿勢の現在値と目標値とに基づいて、外部環境を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする。
上記無人ヘリコプタにおいて、推定手段は、目標値に対する現在値の偏差に基づいて、外部環境を推定するようにしてもよい。
また、上記無人ヘリコプタにおいて、推定手段は、外部環境として風速を推定するようにしてもよい。
また、上記無人ヘリコプタにおいて、風速に基づいて速度制限値を変更する変更手段をさらに備えるようにしてもよい。
また、本発明に係る外部環境推定装置は、物体の飛行姿勢を測定する測定手段と、物体の飛行姿勢の目標値を設定する設定手段と、測定手段による測定値と、目標値とに基づいて、物体の外部環境を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする。このような外部環境推定装置は、例えば、飛行船や熱気球等に用いることができる。
本発明によれば、現在値と目標値とから外部環境の状況を推定することができる。また、推定した外部環境の状況に対応した制御を行い、安定した飛行を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る無人ヘリコプタは、目標とする姿勢(目標姿勢)と実際の姿勢との偏差から風の有無や風速等の外部環境の状況を推定するものである。
本実施の形態に係る無人ヘリコプタは、目標とする姿勢(目標姿勢)と実際の姿勢との偏差から風の有無や風速等の外部環境の状況を推定するものである。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る無人ヘリコプタ1の動作原理について説明する。図1において、空気抵抗を無視した場合、位置および速度を目標位置および目標速度に保つための無人ヘリコプタ1のピッチ方向の目標姿勢を点線tで表す。無人ヘリコプタ1が例えば機首方向から風wを浴びると、無人ヘリコプタ1は、位置および速度を目標位置および目標速度に保つために、風上方向にピッチ角をとり、姿勢を変更する(点線r)。このように風wの影響を受けると、無人ヘリコプタ1は、姿勢を自動的に変更するため、無人ヘリコプタ1の理想的な目標姿勢と実際の姿勢との間には偏差αが生じることとなる。この偏差αに基づいて、本実施の形態に係る無人ヘリコプタ1は、風の有無や風速等の状況を推定する。
[無人ヘリコプタの構成]
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る無人ヘリコプタ1の制御装置の構成について説明する。無人ヘリコプタ1の制御装置は、測定部11と、状態算出部12と、入力部13と、ナビゲーション部14と、マニューバ15と、制御量算出部16と、環境推定部17と、駆動部18とから構成される
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る無人ヘリコプタ1の制御装置の構成について説明する。無人ヘリコプタ1の制御装置は、測定部11と、状態算出部12と、入力部13と、ナビゲーション部14と、マニューバ15と、制御量算出部16と、環境推定部17と、駆動部18とから構成される
測定部11は、無人ヘリコプタ1に設けられたジャイロ、エンジンの回転数測定器、磁力計、GPS、気圧計等に、加速度、エンジン回転数、方位、緯度、経度、気圧等の測定を行わせ、それぞれの測定値を取得する。
状態算出部12は、測定部11により取得された測定値に基づいて、無人ヘリコプタ1の飛行状態の現在値を算出する。この飛行状態としては、機首方向、ロール角、ピッチ角等の姿勢角、機首方向速度および加速度、横方向速度および加速度、上下方向速度および加速度、並びに、高度などにより表すことができる。
入力部13は、基地局や予め設定されたプログラム等から入力される、飛行方向や飛行速度などの無人ヘリコプタ1に対する操作量を検出し、ナビゲーション部14に入力する。
ナビゲーション部14は、入力部13から入力された操作量と、後述する環境推定部17により推定された外部環境の状況の推定値とに基づいて、無人ヘリコプタの飛行速度や飛行方向等の飛行状態を規定する飛行モードを設定する。この飛行モードとは、水平速度の限界値、上昇速度の限界値、方位変更速度、制御ゲイン、位置制御の精度、偏流制御の有無等を規定するものであり、本実施の形態では、限界値の値が最も小さくて制限が最も厳しい「LIMITED MODE」、限界値の値が最も大きくて制限が厳しくない「UN LIMITED MODE」、限界値等の値が「LIMITED MODE」と「UN LIMITED MODE」の間をとる「NORMAL MODE」の3種類の飛行モードを有する場合を例に説明する。このようなこの飛行モードの設定動作の詳細については後述する。
マニューバ15は、入力部13により検出された操作量に基づいて、無人ヘリコプタ1の姿勢角、速度、加速度、位置等の飛行状態に関する目標値、すなわち操舵の目標値を算出する。このマニューバ15による目標値の算出動作の詳細については後述する。
制御量算出部16は、状態算出部12により算出された飛行状態の現在値と、マニューバ15により算出された操舵の目標値とに基づいて、無人ヘリコプタ1の各アクチュエータの制御量を算出する。具体的には、操舵の目標値に対する現在値の偏差を演算し、この偏差に基づいて現在値が目標値に近づくようにフィードバック制御を行うことにより、無人ヘリコプタ1の各アクチュエータの制御量を演算する。この制御量算出部16による制御量の算出動作の詳細については後述する。
環境推定部17は、状態算出部12により算出された現在の測定値およびマニューバ15により算出された操舵の目標値、または、制御量算出部16により算出された偏差とに基づいて、風の有無や風速など無人ヘリコプタ1の外部環境の状態の推定値する。この推定動作については後述する。
駆動部18は、制御量算出部16により算出された制御量に基づいて、無人ヘリコプタ1のエレベータサーボモータ、エルロンサーボモータ、コレクティブサーボモータ、ラダーサーボモータ、スロットル弁用サーボモータ等を駆動させる駆動信号を生成し、それぞれに入力する。これにより、無人ヘリコプタ1の各アクチュエータは、制御量算出部16により算出された制御量に基づいて動作する。
このような無人ヘリコプタ1の制御装置は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル、ジョイスティック、スライディングパッド等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線、無線通信等の通信回線や放送信号を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electoroluminescence)またはFED(Field Emission Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述した測定部11、状態算出部12、入力部13、ナビゲーション部14、マニューバ15、制御量算出部16、環境推定部17および駆動部18が実現される。なお、上記プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供されるようにしてもよい。
[目標値算出動作]
次に、マニューバ15による目標値の算出動作について図3を参照して説明する。
次に、マニューバ15による目標値の算出動作について図3を参照して説明する。
まず、加速度の目標値(以下、「マニューバ目標加速度」という)29は、次のように算出される。初めに、予め設定された加加速度23を積分要素27により積分することにより得られる加速度が、予め設定された加速度の制限値24を超えているか否かを要素28により比較する。加速度制限値24を超えていない場合は加加速度23に基づく速度を、加速度制限値24を超えている場合は加速度制限値24をマニューバ目標加速度29とする。
速度の目標値(以下、「マニューバ目標速度」という)34は、次のように算出される。まず、マニューバ目標加速度29を積分要素30により積分し、速度を算出する。また、ナビゲーション部14からの指示に基づく目標速度であるナビゲーション目標速度21が、予め設定された速度制限値22を超えているか否かを要素26により比較し、速度制限値22を超えていない場合はナビゲーション目標速度21を、速度制限値22を超えている場合は速度制限値22を出力する。最後に、マニューバ目標加速度29に基づく速度が、要素26による速度を超えているか否かを要素31により比較する。要素26による速度を超えていない場合はマニューバ目標加速度29に基づく速度を、要素26による速度を超えている場合は要素26による速度を、マニューバ目標速度34として出力する。
位置の目標値(以下、「マニューバ目標位置」という)36は、マニューバ目標速度34を積分要素35により積分することにより、算出される。
姿勢角の目標値(以下、「マニューバ目標姿勢角」という)37は、次のように算出される。まず、要素32によりマニューバ目標加速度29から目標姿勢角を算出する。ここで、目標加速度と目標姿勢角との関係を図4に示す。無人ヘリコプタ1は、推力を傾けることにより前後左右に移動する。したがって、推力をF、目標加速度をaとすると、目標姿勢角θは下式(1)より算出される。このとき、推力Fは、目標オイラーGz(目標垂直速度の変化量)に釣り合い分の1Gを加算した値となる。
θ=tan-1(a/F) ・・・(1)
要素32により算出された目標姿勢角と、例えば右側に3°のロール角といった予め設定された姿勢トリム25とを加算器33により加算することにより、マニューバ目標姿勢角37が算出される。
このような目標値算出動作により、マニューバ15は、マニューバ目標速度、マニューバ目標加速度、マニューバ目標位置およびマニューバ目標姿勢角を算出する。なお、マニューバ目標姿勢角は、無人ヘリコプタ1のピッチ軸およびロール軸のそれぞれについて独立して算出される。また、マニューバ15は、飛行モードに応じて、速度制限値を適宜変更するようにしてもよい。
[制御量算出動作]
次に、図5を参照して、制御量算出部16による制御量の算出動作について説明する。なお、図5において、図3と同等の構成要素については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
次に、図5を参照して、制御量算出部16による制御量の算出動作について説明する。なお、図5において、図3と同等の構成要素については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
制御量算出部16は、上述した目標値算出動作によってマニューバ15により算出された目標値(マニューバ目標位置36,マニューバ目標速度34,マニューバ目標姿勢角37)と、状態算出部12により算出された現在値(現在位置41,現在速度42,現在姿勢角43)とに基づいて、無人ヘリコプタ1のアクチュエータの制御量を算出する。
具体的には、制御量算出部16は、減算器44によりマニューバ目標位置36に対する現在位置41の偏差(以下、「位置制御偏差」という)を算出し、これに位置制御ゲイン47およびトータルゲイン50によりゲインを乗ずる。また、減算器45によりマニューバ目標速度34に対する現在速度42の偏差(以下、「速度制御偏差」という)を算出し、これに速度制御ゲイン48およびトータルゲイン51によりゲインを乗ずる。また、減算器46によりマニューバ目標姿勢角37に対する現在姿勢角43の偏差(以下、「姿勢制御偏差」という)を算出し、これに姿勢角制御ゲイン49によりゲインを乗ずる。位置制御偏差にゲインを乗じた値と、速度制御偏差にゲインを乗じた値と、姿勢制御偏差にゲインを乗じた値とを加算器52により加算した値を、制御量53として出力される。
このように、本実施の形態では、位置、速度、姿勢角という3種類のパラメータをゲイン47〜51で制御することにより、安定した飛行制御を実現することができる。このとき、空気抵抗等による矛盾が値に大きく現れるのが姿勢制御偏差である。すなわち、速度制御ゲイン48により速度制御が正確に行われて速度制御偏差が0または極小さいとき、姿勢制御偏差の値は、風による空気抵抗の値を表すこととなる。そこで、本実施の形態では、環境推定部17により姿勢制御偏差の大きさに基づいて風の有無や風速等を推定し、この推定値に基づいて無人ヘリコプタ1の飛行モードを設定する。
[外部環境推定動作]
次に、図6を参照して、状態推定部17による外部環境の状況の推定動作の一例について説明する。本実施の形態において、状態推定部17は、ピッチ角偏差、ロール角偏差および偏流角の大きさに基づいて、外部環境の状況として風速を推定する。
次に、図6を参照して、状態推定部17による外部環境の状況の推定動作の一例について説明する。本実施の形態において、状態推定部17は、ピッチ角偏差、ロール角偏差および偏流角の大きさに基づいて、外部環境の状況として風速を推定する。
まず、状態推定部17は、ピッチ角偏差が8°よりも大きい、ロール角偏差が10°よりも大きい、または偏流角が45°よりも大きいか否かを確認する(ステップS1)。横風等を浴びてロール角が大きくなった場合、偏流をとって進行方向に対して機体のロール軸を傾けた状態で飛行する偏流制御を行うことがある。このときの進行方向とロール軸との角度(鉛直方向から見た場合)を偏流角という。ピッチ角偏差、ロール角偏差および偏流角は、制御量算出部16から取得することができる。なお、状態算出部12による現在値およびマニューバ15による目標値から算出するようにしてもよい。
ピッチ角偏差が8°よりも大きい、ロール角偏差が10°よりも大きい、または、偏流角が45°よりも大きい場合(ステップS1:YES)、状態推定部17は、強風が吹いていると判定する(ステップS4)。この強風が吹いているとの判定の解除は、ピッチ角偏差が4°よりも小さく、ロール角偏差が5°よりも小さく、かつ、偏流角が30°よりも小さいという3つの条件を所定の時間継続して満たしたか否かにより判定される(ステップS5,S6)。すなわち、その3つの条件全てを満足し(ステップS5:YES)、かつ、この状態が20秒間維持された場合(ステップS6:YES)、強風判定を解除する(ステップS7)。一方、その3つの条件のうち一つでも満足しない(ステップS5:NO)、または、その3つの条件を満足した状態が20秒間維持されない場合(ステップS5:YES、ステップS6:NO)、ステップS4の処理に戻る。
ピッチ角偏差が8°以下、ロール角偏差が10°以下、かつ、偏流角が45°以下の場合(ステップS1:NO)、または、強風判定が解除された場合、状態推定部17は、ピッチ角偏差が5°よりも大きい、または、ロール角偏差が6°よりも大きいか否かを確認する(ステップS2:YES)。
ピッチ角偏差が5°よりも大きい、または、ロール角偏差が6°よりも大きい場合(ステップS2:YES)、状態推定部17は、弱風が吹いていると判定する(ステップS8)。この弱風が吹いているとの判定の解除は、ピッチ角偏差が3°よりも小さく、かつ、ロール角偏差が3°よりも小さいという2つの条件を所定の時間継続して満たしたか否かにより判定される(ステップS9,S10)。すなわち、その2つの条件を満足し(ステップS9:YES)、かつ、この状態が10秒間維持された場合(ステップS10:YES)、弱風判定を解除する(ステップS11)。一方、その2つの条件のうち一つでも満足しない(ステップS9:NO)、または、その2つの条件を満足した状態が10秒間維持されない場合(ステップS9:YES、ステップS10:NO)、ステップS8の処理の戻る。
ピッチ角偏差が5°以下で、かつ、ロール角偏差が6°以下の場合(ステップS2:NO)、または、弱風判定が解除された場合、状態推定部17は、微風が吹いていると判定する(ステップS3)。微風との判定がされると、ステップS1の処理に戻る。
本実施の形態によれば、ピッチ角偏差、ロール角偏差および偏流角の大きさを段階的に判断することにより、風速の大きさを詳細に検出することができる。
また、本実施の形態では、複数の条件を全て満足し、かつ、この満足した状態を所定の時間維持しないと、風速の判定が解除されない。これにより、例えば、風が一瞬止んだような状態で風速の判定が変更されるような事態を防ぐことができるので、より安定した無人ヘリコプタ1の姿勢制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、偏差に基づいて風速を判定することにより、風速の変化に迅速に対応することができる。
なお、上記ステップS1,S2,S5,S6,S9およびS10の各条件は、無人ヘリコプタ1の機体の形状や特性等に応じて、適宜自由に設定することができる。
[飛行モード設定動作]
次に、図7を参照して、ナビゲーション部14による飛行モードの設定動作について説明する。
次に、図7を参照して、ナビゲーション部14による飛行モードの設定動作について説明する。
まず、ナビゲーション部14は、入力部13を介して、基地局からの指示や予め設定された飛行プログラムにより指定された飛行モードを取得する(ステップS21)。この飛行モードとは、上述したように水平速度の限界値、上昇速度の限界値、方位変更速度、制御ゲイン、位置制御の精度、偏流制御の有無等を規定するものであり、本実施の形態では、制限が最も厳しい「LIMITED MODE」、制限が厳しくない「UN LIMITED MODE」、限界値等の値が「LIMITED MODE」と「UN LIMITED MODE」の間をとる「NORMAL MODE」の3種類の飛行モードを有する場合を例に説明する。
飛行モードに関する情報を取得すると、ナビゲーション部14は、環境推定部17から外部環境の推定値を取得する(ステップS22)。
推定値を取得すると、ナビゲーション部14は、飛行モードを変更するか否かを判定する(ステップS23)。例えば、「UN LIMITED MODE」のように高速で飛行する飛行モードの場合において、環境推定部17からの推定値により強風が吹いていることが検出されると、無人ヘリコプタ1の姿勢が不安定になる恐れがあるので、ナビゲーション部14は、飛行モードを変更すると判定する。一方、例えば、推定値により微風であることが検出されたり、「NORMAL MODE」のときに微風や弱風であったり、「LIMITED MODE」であったりした場合には、ナビゲーション部14は、飛行モードを変更しないと判定する。
飛行モードを変更しない場合(ステップS23:NO)、ナビゲーション部14は、ステップS21の処理に戻る。
一方、飛行モードを変更する場合(ステップS23:YES)、ナビゲーション部14は、推定値により強風が吹いていることが検出されると(ステップS24:強風)、飛行モードを「LIMITED MODE」に変更する(ステップS25)。また、推定値により弱風が吹いていることが検出されると(ステップS24:弱風)、ナビゲーション部14は、飛行モードを「NORMAL MODE」に変更する(ステップS26)。
このように、本実施の形態によれば、外部環境の状況を推定し、この推定値に応じて飛行速度等を変更することにより、安定した飛行制御を実現することができる。
本発明は、ヘリコプタ、飛行船、熱気球などの浮遊物体に適用することができる。
1…無人ヘリコプタ、11…測定部、12…状態算出部、13…入力部、14…ナビゲーション部、15…マニューバ、16…状態量算出部、17…環境推定部、18…駆動部。
Claims (5)
- 飛行姿勢の現在値を測定する測定手段と、
前記飛行姿勢の目標値を設定する設定手段と、
前記現在値と前記目標値とに基づいて、外部環境を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とする無人ヘリコプタ。 - 前記推定手段は、前記目標値に対する前記現在値の偏差に基づいて、前記外部環境を推定する
ことを特徴とする請求項1記載の無人ヘリコプタ。 - 前記推定手段は、前記外部環境として風速を推定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の無人ヘリコプタ。 - 前記風速に基づいて速度制限値を変更する変更手段
をさらに備えることを特徴とする請求項3記載の無人ヘリコプタ。 - 物体の飛行姿勢の現在値を測定する測定手段と、
前記物体の飛行姿勢の目標値を設定する設定手段と、
前記現在値と前記目標値とに基づいて、前記物体の外部環境を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とする外部環境推定装置。
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