JP2004322965A - パラフォイル制御装置、パラフォイル制御方法、および落下制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】対気諸元測定装置を用いることなく風の速度を計算してパラフォイルを制御すること
【解決手段】本発明のパラフォイル制御装置(21)は、落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイル(12)を制御するパラフォイル制御装置(21)であって、パラフォイル(12)を操作するアクチュエータ(22)と、落下物の位置である落下物位置、および、落下物の対地速度の水平成分である水平対地速度、を測定する位置検出部(24)と、水平対地速度から落下物が受ける風の方向と速さを算出し、さらに、落下物位置と風の方向および速さとを使用して、アクチュエータ(22)の操作量を算出する演算部(23)と、を具備する。
演算部(23)は、当該落下物が水平方向に旋回した場合における水平対地速度の実質的な最大極値および実質的な最小極値を取得し、さらに、最大極値における当該落下物の移動方向と最小極値における当該落下物の移動方向との少なくともいずれかを使用して風の方向を算出し、さらに、最大極値と最小極値から風の速さを算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のパラフォイル制御装置(21)は、落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイル(12)を制御するパラフォイル制御装置(21)であって、パラフォイル(12)を操作するアクチュエータ(22)と、落下物の位置である落下物位置、および、落下物の対地速度の水平成分である水平対地速度、を測定する位置検出部(24)と、水平対地速度から落下物が受ける風の方向と速さを算出し、さらに、落下物位置と風の方向および速さとを使用して、アクチュエータ(22)の操作量を算出する演算部(23)と、を具備する。
演算部(23)は、当該落下物が水平方向に旋回した場合における水平対地速度の実質的な最大極値および実質的な最小極値を取得し、さらに、最大極値における当該落下物の移動方向と最小極値における当該落下物の移動方向との少なくともいずれかを使用して風の方向を算出し、さらに、最大極値と最小極値から風の速さを算出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラフォイル制御装置に関し、特に風を考慮してパラフォイルを制御するパラフォイル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラシュートもしくはパラフォイルなどを用いて、空中から地上もしくは水上へ、落下物が落下する場合がある。
パラシュートもしくはパラフォイルを用いて落下する落下物は、回収されることが求められる場合がある。回収する必要のある落下物は、目標地点に着地するように制御されることが、落下物の回収を容易にするために好ましい。
パラフォイルは、空間落下中に水平方向に移動しながら降下する。パラフォイルは、周辺空気に対して水平方向に進行する向きを制御することができる。このため、パラフォイルが、落下物を目標地点に落下させるために使用される場合がある。
【0003】
パラフォイルの垂直方向の降下速度と周辺の空気層に対する水平方向の速度(以下、対気速度)は、フレア操作などの特定の操作を行わなければ、パラフォイルの形状と大きさ、および、取り付けられる落下物の重量の関係から概ね決まる。
【0004】
さらに、パラフォイルなどの落下傘は、周囲の空気層の移動(以下、風と記載される場合がある)と共に移動する。
このため、地球上の定点から見れば、落下するパラフォイルの定点に対する速度(以下、対地速度)は、当該パラフォイルの対気速度ベクトルと風の速度ベクトルをベクトル合成した速度となる。
なお、この明細書中で、「速度」は速さと方向を含む。したがって、複数の速度の合成は方向を考慮した速さの合成で、それぞれのベクトルの合成に例示される。
【0005】
パラフォイルを目標地点に着地するように制御するためには、風の速度(風速・風向)を把握することが望まれる。
【0006】
図7に従来の風の速度の測定方法が示される。
パラフォイルを具備する落下物に、GPSに例示される位置検出手段と、エアーデータセンサを設置する。位置検出手段で対地速度(ベクトル)Veを測定し、エアーデータセンサで対気速度(ベクトル)Vaを測定する。対地速度(ベクトル)Veと対気速度(ベクトル)Vaの差から、風の速度(ベクトル)Vwを算出することができる。
この方法では、対気速度(ベクトル)Vaを測定する対気諸元測定装置(エアーデータセンサ等)が必要となる。
【0007】
図8に別の形態の従来の風の速度の測定方法が示される。
落下物の落下途中の、2点での対地速度(ベクトル)VE1、VE2を測定する。それぞれの対地速度(ベクトル)VE1、VE2の始点を原点▲4▼に揃えて座標上に記載する。この2個の対地速度(ベクトル)VE1、VE2の先端▲1▼▲2▼を結ぶ線分▲1▼−▲2▼を記載する。線分▲1▼−▲2▼の垂直二等分線Vを記載する。
さらに、経験値などから対気速度(ベクトル)Va1、Va2を推定する。もしくは、エアーデータセンサで、対気速度(ベクトル)Va1、Va2を測定する。
対地速度(ベクトル)VE1、VE2の先端▲1▼および▲2▼から、対気速度(ベクトル)Va1およびVa2の距離にある点▲3▼を取得する。上記で説明されたように、基本的に、パラフォイルの大きさと落下物の重量で決まる対気速度(ベクトル)Va1、Va2は同じ大きさになる。このため、点▲3▼は、垂直二等分線V上にプロットされる。
対地速度(ベクトル)VE1、VE2の測定時に風の速度が一定と仮定すると、点▲3▼を中心にVaの方向が変化しており、原点▲4▼から点▲3▼へのベクトルが風速度(ベクトル)Vwとなる。このように、風速度(ベクトル)Vwを推定もしくは演算することができる(例えば、特許文献1参照)。
上記の方法でも、落下物がエアーデータセンサを具備し、エアーデータセンサから対気速度(ベクトル)Va1、Va2を取得する必要がある。もしくは、エアーデータセンサを使用しない場合、対気速度(ベクトル)Va1、Va2を推定する必要がある。
【0008】
エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を具備しなくても風速度ベクトルを測定することができることが望まれる。もしくは、対気速度ベクトルVa1、Va2を推定しなくても、風の速度(風向・風速)を算出することができる方法が望まれる。さらに、簡潔な計算で風速度ベクトルを推定することができる方法が望まれる。
【0009】
パラフォイルを備えた落下物を目標地点に落下させるために、パラフォイル制御する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
図9に、パラフォイルを備えた落下物を目標地点TPに落下させる方法が示される。
パラフォイルを備えた落下物は、パラフォイルを制御する制御装置を具備する。パラフォイルを開いた後、第一フェーズF1で、制御装置は、目標地点の上空方向に水平移動しながら降下するようにパラフォイルを制御する。さらに、第二フェーズF2で、制御装置は、目標地点の上空で旋回して高度を調整するように、パラフォイルを制御する。制御装置は、第三フェーズF3で、ファイナルアプローチポイントFAPに移動するようにパラフォイルを制御する。制御装置は、第四フェーズF4で、ファイナルアプローチを行い目標地点TPに着地するようにパラフォイルを制御する。
【0010】
落下物の降下時において、風の速度を算出し、好適に目標地点に着地するように、パラフォイルが制御されることが好ましい。さらに、好適なタイミングで風の速度を算出し、好適なルートで目標地点に着地するように、パラフォイルが制御されることが好ましい。
【特許文献1】
特開2000−159192号公報
【非特許文献1】
AlexG.Sim他、「The Development and Flight Test of a Deployable Precision Landing System for Spacecraft Recovery」、NASA Technical Memorandum 4525、September 1993
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、対気諸元測定装置を用いることなく風の速度を計算してパラフォイルを制御するパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明のパラフォイル制御装置(21)は、落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイル(12)を制御するパラフォイル制御装置(21)であって、パラフォイル(12)を操作するアクチュエータ(22)と、落下物の位置である落下物位置、および、落下物の対地速度の水平成分である水平対地速度、を測定する位置検出部(24)と、水平対地速度から落下物が受ける風の方向と速さを算出し、さらに、落下物位置と風の方向および速さとを使用して、アクチュエータ(22)の操作量を算出する演算部(23)と、を具備する。
演算部(23)は、当該落下物が水平方向に旋回する場合における水平対地速度の実質的な最大極値および実質的な最小極値を取得し、さらに、最大極値における当該落下物の移動方向と最小極値における当該落下物の移動方向との少なくともいずれかを使用して風の方向を算出し、さらに、最大極値と最小極値から風の速さを算出する。
【0014】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の演算部(23)は、風の方向を以下の式(1)を使用して算出する。
【数7】
φE1;最小極値を取得したときの移動方向
φE2;最大極値を取得したときの移動方向
α;補正値
【0015】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の演算部(23)は、風の速さを以下の式(2)(3)を使用して算出する。
【数8】
【数9】
Ve.max;最大極値の水平対地速度
Ve.min;最小極値の水平対地速度
φw;推定風向
β;補正値
γ;補正値
【0016】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の位置検出部(24)は、GPS受信機もしくはDGPS受信機を具備する。
【0017】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の位置検出部(24)は、GPS受信機、DGPS受信機、慣性センサの少なくともいずれかを具備する。
【0018】
本発明のパラフォイル制御方法は、以下のステップを含む。
(A)パラフォイルを、水平方向に旋回するように制御を行う旋回ステップ。
(B)旋回ステップ中に、落下物の定点に対する水平方向の速度である水平対地速度と、落下物の位置である落下物位置を、連続的もしくは断続的に測定する測定ステップ。
(C)水平対地速度の最小極値および最大極値を抽出する抽出ステップ。
(D)最大極値での落下物の移動方向および/もしくは最小極値での落下物の移動方向から落下物に対する風の向きを算出する風向算出ステップ。
(E)最小極値と最大極値から風の速さを算出する風速算出ステップ。
(F)風の向きと風の速さを使用して、パラフォイルを制御するアクチュエータの制御量を演算する制御量演算ステップ。
【0019】
本発明のパラフォイル制御方法は、風向算出ステップ(D)において、以下の式(1)を使用して風の向きを算出する。
【数10】
φE1;最小極値を取得したときの移動方向
φE2;最大極値を取得したときの移動方向
α;補正値
【0020】
本発明のパラフォイル制御方法は、風速算出ステップ(E)において、以下の式(2)(3)を使用して風の速さを算出する。
【数11】
【数12】
Ve.max;最大極値の水平対地速度
Ve.min;最小極値の水平対地速度
φw;推定風向
β;補正値
γ;補正値
【0021】
本発明における、パラフォイル(12)と、パラフォイル(12)を制御する制御装置(21)を具備する落下物の落下制御方法は以下のステップを含む。
(a)当該落下物を目標地点(TP)付近の上空方向に降下するようにパラフォイル(12)を制御する第一ステップ。
(b)目標地点付(TP)近の上空で旋回して所定の高度まで降下するようにパラフォイル(12)を制御する第二ステップ。
(c)第二ステップ中に、落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する対地速度検出ステップ。
(d)最小極値もしくは/および最大極値での移動方向から風の方向を算出する風向算出ステップ。
(e)最小極値および最大極値から風の速さを算出する風速算出ステップ。
(f)風の方向および速さから、着地のための最終アプローチを行うアプローチ位置を算出するアプローチ位置算出ステップ。
(g)アプローチ位置に降下するように、パラフォイルを制御する第三ステップ。
(h)アプローチ位置から目標地点に着地するように、パラフォイルを制御する第四ステップ。
【0022】
上記の第一ステップ(a)は、以下のステップを含む。
(aa)落下物が、予定する軌跡から水平方向に所定量以上の位置のずれが発生した場合に、旋回するように、パラフォイル(12)を制御する補正旋回ステップ。
(ab)落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する補正対地速度検出ステップ。
(ac)最小極値もしくは/および最大極値での水平方向の移動方向から風の方向を算出する補正風向算出ステップ。
(ad)最小極値および最大極値から風の速さを算出する補正風速算出ステップ。
(ae)風の方向および速さを考慮して、目標地点の上空方向に降下するようにパラフォイルの制御を行う補正第一ステップ。
【0023】
上記補正旋回ステップ(aa)において、ずれの方向を修正する方向に旋回を行う。
【0024】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明によるパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法の実施の形態が以下に説明される。
【0025】
本明細書に使用される用語が定義される。
「対気速度」は、パラフォイルを具備する落下物の、周囲の空気層に対する水平方向の速度を示す。パラフォイルの対気速度は、落下物の重量とパラフォイルの形状によって決まり、フレア操作などのパラフォイルの揚力を増す操作もしくは減らす操作、もしくは垂直方向の方向変更を行わなければ、概ね一定である。
「対地速度」は、地上もしくは水上の定点に対するパラフォイルの速度を示す。対地速度は、パラフォイルの対気速度とパラフォイルの周囲の空気層の移動速度(以下:風の速度と記載される場合がある)の合成により、概ね決まる場合がある。
なお、「風」の語は、パラフォイルの周囲の空気層の移動と同意で使用される。
「速度」は、速さと方向を含む。
「風速」は風の速さを、「風向」は、風の向きを示す。
「移動方向」は、パラフォイルが地面に対して移動する方向、すなわち、風の影響を含んで実際に移動する方向を示す。
「前面方向」は、パラフォイルの前面が向いている方向で、風が無い場合に移動する方向を示す。前面は、パラフォイルが水平方向に進行する前の面である。
【0026】
(実施の形態1)
図1を参照して、パラフォイル制御装置21およびパラフォイル制御装置21を具備した飛行体10が説明される。
飛行体10は、落下物部20とパラフォイル部11を具備する。
落下物部20は、制御装置21と荷30を具備する。
パラフォイル部11は、パラフォイル12と操作索13を具備する。
【0027】
制御装置21は、アクチュエータ22、演算部23、位置検出部24を具備する。
【0028】
アクチュエータ22は、演算部23からの制御信号を受信し、操作索13を操作する。アクチュエータ22として、DCモータが使用される場合がある。
【0029】
位置検出部24は、GPS(Global positioning system)やDGPS(Differential GPS)の受信機に例示される。位置検出部24は、地球上に設定される座標上における、当該飛行体10の位置を測定することができる。さらに、位置検出部24は、経時的に測定される当該飛行体10の位置の変化から、当該飛行体10の速度を測定することができる。位置検出部24は、GPSもしくはDGPSと慣性センサの少なくともいずれか、もしくは組み合わせの場合がある。
【0030】
演算部23は、CPU、メモリを具備する演算装置に例示される。演算部23は、位置検出部24と接続され、位置検出部24から、位置を含む位置情報と速度を含む速度情報を取得する。さらに、演算部23は、目標地点の位置を記憶している。演算部23は、位置情報と速度情報から目標地点までの降下経路を算出することができる。さらに、演算部23は、アクチュエータ22と接続され、アクチュエータ22へ、アクチュエータ22の操作量を含む操作信号を送信する。
【0031】
荷30は、目的地点に向けて落下する物体である。荷30として、ロケットなどの飛行体の一部、衛星などの一部、観測装置の一部などが例示される。
【0032】
パラフォイル12は、降下時に空気抵抗を受けて、降下速度を落とす部分である。パラフォイル12は、布、織物もしくは膜で作成される場合がある。パラフォイル12は、上視からの形状が概ね長方形の形状を有する場合がある。この場合、パラフォイル12は、長手方向の一辺を前に、前方方向に進みながら降下する。パラフォイル12の短手方向に平行に切断した断面は、翼を切断した場合の上面の形状を有する場合がある。但し、パラフォイル12の形状は、水平方向の移動方向を制御できる形状であれば、上記の形状に限定されない。
【0033】
操作索13は、パラフォイル12と落下物部20を接続する複数のロープに例示される。アクチュエータ22が操作索13の一部を、引くもしくは出すことにより、パラフォイル12の前面の向きが変更される。
【0034】
次に、図2を参照して、本発明における風の速度を測定する方法が説明される。
パラフォイル12は、周辺空気に対して垂直に降下せず、周辺空気に対して水平方向に進みながら垂直方向に降下する。このため、パラフォイル12を具備する飛行体10は、高度調整のため旋回しながら降下する場合がある。
図2は、旋回する飛行体10の軌跡40を上視した図である。
飛行体10の軌跡40は、パラフォイル12の制御により任意に変更可能である。さらに、同じ軌跡40を回るのでなく、軌跡40をずらしながら(ドリフトしながら)旋回する場合がある。但し、揚力や垂直方向を変更するような特別な制御をしなければ、飛行体10の水平方向の対気速度は概ね一定である。
【0035】
旋回する飛行体10に対して風Fが吹いている場合、飛行体10の水平対地速度は、風Fの水平速度と、飛行体10の水平対気速度の合成により決まる。
具体的には、軌跡40上で、飛行体の10が水平対気速度Vaで移動し、風Fが水平速度Vwで吹いているとする。
飛行体10の水平対地速度Veは、Va+Vwで表される。
点P1では、風の水平速度Vwと水平対気速度Vaの向きが逆なので、水平対地速度Veの大きさは、|Va|−|Vw|となる。この点P1での水平対地速度Veの大きさが、水平対地最小速さ|Ve.min|となる。
また、点P3では風の水平速度Vwと水平対気速度Vaの向きが同じなので、水平対地速度Veの大きさは、|Va|+|Vw|となる。この点P3での水平対地速度Veの大きさが水平対地最大速さ|Ve.max|となる。
さらに、点P1および点P2以外の、点P2、点P4などでは、水平対気速度Vaに対して風の水平速度Vwが、それぞれ所定の角度を有するので、水平対地速度Veの大きさは、各ベクトルの合成により求められる。
【0036】
上記のように飛行体10が水平方向に旋回運動、または、最小極値もしく最大極値の時の方向から少なくとも180°より大きい方向転換を含む運動をする場合、その水平対地最小速さ|Ve.min|もしくは水平対地最大速さ|Ve.max|を検知することにより風の方向(風向)を検出することができる。具体的には、水平対地最小速さ|Ve.min|が検出された時の飛行体10の水平方向の移動方向の逆が風向と推定できる。もしくは、水平対地最大速さ|Ve.max|が検出された時の飛行体10の水平方向の移動方向が風向と推定できる。
【0037】
また、風は、飛行体10の最小水平対地速さの時の水平対地方向φE1から、最大水平対地速さ時の水平対地方向φE2へ吹いていることから、推定風向φwは、φE1と、φE2の逆との平均で求められる。平均から推定風向φwを求めることにより、単独で求めるより誤差が少なくなる場合がある。
【数13】
αは補正値を示し、使用されない場合もしくは実験値などが使用される場合がある。
さらに推定される風速|Vw|は、水平最小速度|Ve.min|もしくは水平最大速さ|Ve.max|の差の半分となる。
【数14】
【数15】
φwは推定される風向である。
β、γは補正値を示し、使用されない場合、実験値などが使用される場合がある。
【0038】
上記の風の速度(風向および風速)は、演算部23により算出される。
演算部23は、位置検出部24から飛行体10の水平方向の位置と水平対地速度(移動方向と速さ)を継続的に取得する。演算部23は、経時的に変化する水平対地速度から、速さの最小極値および最大極値を抽出する。さらに、演算部23は、水平方向の対地速度が最小極値の時および最大極値の時の飛行体10の対地移動方向を抽出する。演算部23は、上記に示されるように水平方向の対地速度の最小極値の時および最大極値の時の飛行体10の対地移動方向から、風向を算出する。
風向だけの算出であれば、最小極値の時もしくは最大極値の時の飛行体10の対地移動方向を算出すればよい場合がある。
【0039】
さらに、演算部23は、上記の方法により、水平方向の対地速度の最小極値および最大極値から、水平方向の風の速さ(風速)を算出する。
飛行体10が旋回運動する場合、または、最小極値もしく最大極値の時の移動方向から少なくとも180°より大きい水平方向の方向変更をした場合において、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値もしくは最大極値となる値が、向い風の場合もしくは追い風の場合として上記の計算に使用される。なお、演算部23は、複数回の旋回における最大極値の平均値と最小極値の平均値を使用する場合がある。
【0040】
飛行体10の移動方向は、位置検出部24で検出される水平対地速度に含まれる移動方向が使用される。
もしくは、制御装置21が方位センサを具備することで、パラフォイルの向きを測定する場合がある。移動方向とパラフォイルの向きが一致すれば、向い風もしくは追い風の状態で、概ね風向と向きが直線上にあると判断できる。向い風もしくは追い風のどちらかの状態から、概ね180°方向、向きを変更すれば、水平対地速度の最大極値と最小極値を測定することができる。
【0041】
飛行体10が周辺空気層に対して水平方向に蛇行する場合は、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値もしくは最大極値が、向い風もしくは追い風の時にならない場合がある。このため制御装置21は、飛行体10の位置の経時変化から求められる軌跡から飛行状況を判断する場合がある。
もしくは、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値が検出された時と最大極値が検出された時の水平移動方向の差が、180°±(所定の誤差)の場合に、演算部23が風向および風速を算出するように設定される場合がある。
【0042】
さらに、水平方向の風速が飛行体10の水平方向の速さより速い場合、周辺空気層に対して飛行体10が旋回している場合でも、地面に対する軌跡は蛇行状もしくはジグザグ状になる場合がある。この場合、制御装置21による制御方法が、旋回するような制御を含む場合は、上記と同様に風速および風向を算出することができる。旋回するような制御とは、パラフォイルの左右いずれか片側の操作索を継続的に、引いた状態もしくは出した状態にすることに例示される。もしくは、飛行体10の向きの変化により旋回していることを判断することができる。
【0043】
なお、周辺空気に対する旋回運動は、地面に対して所定の点を概ね中心に周回するように移動する場合、もしくは、地面に対して中心をずらしながら周回運動する場合がある。具体的には、目標地点から所定の距離で周回するように位置を参照して制御される場合、もしくは、周辺空気に対して一定の半径で周回するように方向変更量が一定に制御され、風で流されることにより軌跡がドラフトする場合がある。
ここで、旋回および周回は、水平方向に概ね円運動、もしくは、概ね楕円運動の場合がある。しかし、これらに限定されず、最小極値および最大極値を検出し、かつ、最小で180°より大きく方向変更する運動を含む場合がある。
【0044】
次に、図3を参照して、飛行体10の落下制御方法が説明される。
落下制御方法は、図9で説明された降下過程の第一フェーズ〜第四フェーズを含む。
パラフォイル12を備えた飛行体10は、パラフォイル12を制御する制御装置21を具備する。制御装置21は、パラフォイル12を開放した後、第一フェーズF1で、目標地点TPの上空に移動するようにパラフォイルを制御する。さらに、制御装置21は、第二フェーズF2で、目標地点TPの上空で旋回して高度を調整するように、パラフォイル12を制御する。制御装置21は、第三フェーズF3で、ファイナルアプローチポイントFAPに移動するようにパラフォイル12を制御する。第四フェーズF4で、ファイナルアプローチを行い目標地点TPに着地するようにパラフォイルを制御する。さらに、本発明では、第二フェーズF2の旋回時に、水平対地速度の変化から制御装置21が風速および風速を算出する。
さらに、制御装置21は、算出した風速および風向に基づき、ファイナルアプローチポイントFAPの決定、第三フェーズおよび第四フェーズの飛行経路の決定を行う。制御装置21は、ファイナルアプローチポイントFAPおよび飛行経路に基づいてパラフォイル12を制御する。
【0045】
図3を参照して、飛行体10の落下制御方法が順を追って説明される。
パラフォイル12が、所定の位置もしくは高度で開く(S1)。制御装置21は、位置検出部24により位置を検出しながら、目標地点TPの上空に近づくように、パラフォイル12を制御する(S2)。演算部23は、現在の位置から目標地点TPの方向に前面が向くようにパラフォイル12を制御するので、風が前方の進行方向に対して所定の角度で吹いている場合、飛行体10は、図5に示される点A〜Hのように、方向を修正しながら近づく場合がある。
図5は、パラフォイル12が開いた地点Aから目標地点TPに前面を向けながら移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。制御装置21は、継続的に、位置を検出しパラフォイル12の制御を行う。飛行体10は、目標地点TP方向に前面が向くように制御されるが、風で流されるので、制御の都度、水平方向の向きを修正する。この場合、風速や風向は考慮されず、検出位置によるフィードバック制御(FB制御)が行われる場合がある。
【0046】
飛行体10が目標地点TPの上空に近づくと、制御装置21は所定の高度まで旋回して降下するようにパラフォイル12を制御する(図3、S3a)。制御装置21は、この旋回時に上記の方法で風速と風向を算出する(S3b)。さらに、制御装置21は、算出した風速と風向を使用して、最終アプローチに好適な最終アプローチポイントFAPを決定する(S3c)。最終アプローチポイントFAPは、目標地点TPから風下に設定される場合がある。この場合、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへのアプローチが向い風になり、着地時の対地速度が小さくなる。このため、着地時の荷30に対する衝撃を小さくすることができる場合がある。
【0047】
制御装置21が、さらに最終アプローチポイントFAPへ降下する経路および最終アプローチポイントFAPから目標地点TPに降下する経路を演算する場合がある。
【0048】
制御装置21は、所定の位置から最終アプローチポイントFAPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(S4)。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPで、目標地点TPへ向くように方向変更を行う(S5)。最終アプローチポイントFAPから目標地点TPが風上に位置する場合、飛行体10は風上に変針する。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(S6)。
飛行体10は、目標地点TPもしくはその付近に着地する(S7)。
【0049】
なお、旋回している位置から最終アプローチポイントFAPへの降下時、および、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへの降下時に、実際の位置を検出し、予定位置の差によりパラフォイル12の制御が調整される場合がある。
さらに、制御装置21が、実際の位置と予定位置の差により、風速および風向を修正する場合がある。
【0050】
さらに、制御装置21が、着地時に、フレア操作に例示される揚力が増えるような制御を行う場合がある。
【0051】
上記のように、旋回運動中に風の速度の測定を行うことにより、エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を用いることなく、風の速度を測定することができる。このため、制御装置21を軽量にすることができる。さらに、対気諸元測定装置を備えないので制御装置21を安価にすることができる。
さらに、目標地点TPの上空付近で、旋回運動をして風速・風向を測定することにより、目標地点TPに近い位置で風の影響を算出することができ、着地位置の精度が向上する場合がある。
【0052】
図4を参照して、飛行体10の別の形態の落下制御方法が順を追って説明される。
パラフォイル12が、所定の位置もしくは高度で開く(Sp1)。制御装置21は、位置検出部24により位置を検出しながら、目標地点TPの上空に近づくように、パラフォイル12を制御する(Sp2)。演算部23は、現在の位置から目標地点TPの方向に前面を向けるようにパラフォイル12を制御するので、風が前面方向に対して所定の角度で吹いている場合、飛行体10は、図5に示される点A〜Hのように、前面の向きを修正しながら近づく場合がある。
しかし、風向が飛行体10の前面方向に対して成す角度が大きい場合、もしくは、風速が大きい場合、飛行体10が、目標地点TPへ近づく経路が長くなってしまう場合がある。経路が長くなると、その間に降下する高さが大きくなり、目標地点TPの上空に近づけない場合が発生することがある。このため、目標地点TPの上空までは短い経路で近づくことが好ましい場合がある。
【0053】
制御装置21は、所定値以上の方向変更の制御量の発生、もしくは、予定位置と実際位置との所定値以上のずれの発生をモニタリングする(Sp3)。
所定値以上の方向の制御量が発生しない場合、もしくは、所定値以上の位置のずれが発生しない場合、ステップSp7aに進む。所定値以上の方向の制御量、もしくは、所定値以上の位置のずれが発生した場合、制御装置21は、一回もしくは数回、旋回する制御を実施する(Sp4a)。
【0054】
図6を参照して、旋回の方法が説明される。
図6は、パラフォイル12が開いた地点aから目標地点TPの上空に移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。点aで飛行体10が目標地点TPの上空に向くように制御される。しかし、風速が速い場合、点bで所定量以上の方向変更が必要になる場合、もしくは、予想軌道に対して所定量以上の位置のずれが検出される場合が発生することがある。この場合、制御装置21は、ずれた方向を修正するように風上方向に旋回を行う。ずれた方向(風下側)に旋回するとさらに風下に流される場合があるため、ずれた方向を修正するように旋回を行うことが好ましい。
旋回を行うことにより制御装置21は上記の方法で、風速および風向を測定する(図4 Sp4b)。
制御装置21は、測定した風速・風向から、位置検出によるフィードバック制御で問題ないか予想軌跡の算出を行う。制御装置21は、位置検出によるフィードバック制御で問題がない場合、制御方法を変更しない。制御装置21は、目標地点TPの上空までモニタリング(Sp3)を継続する。
【0055】
位置検出によるフィードバック制御では、経路が長くなる、もしくは高度降下量が大きくなりすぎるなどの問題が発生する場合、制御装置21は、風速・風向を考慮した制御に変更する(Sp6)。
制御装置21は、風速・風向を考慮して飛行体10の前面方向を計算し、パラフォイル12の制御を行う。
さらに、制御装置21は、風速・風向を考慮して旋回開始位置を決定することができる。具体的には、風が強い場合は、目標地点の風上側で旋回を始めるように、制御装置21がパラフォイル12を制御する場合がある。
【0056】
飛行体10が目標地点TPの上空に近づくと、制御装置21は、旋回して所定の高度まで降下するようにパラフォイル12を制御する(Sp7a)。制御装置21は、この旋回時に、風速と風向を算出する(Sp7b)。さらに、制御装置21は、算出した風速と風向を使用して、最終アプローチに好適な最終アプローチポイントFAPを決定する(Sp7c)。最終アプローチポイントFAPは、目標地点TPから風下に設定される場合がある。この場合、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへのアプローチが向い風になるため、着地時の対地速度が小さくなる。このため、着地時の荷30に対する衝撃を小さくすることができる場合がある。
【0057】
制御装置21は、さらに最終アプローチポイントFAPへ降下する制御、および最終アプローチポイントFAPから目標地点TPに降下する制御を、風向・風速を考慮して演算することができる。
【0058】
制御装置21は、所定の位置から最終アプローチポイントFAPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(Sp8)。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPで、目標地点TPへ向くように方向変更を行う(Sp9)。最終アプローチポイントFAPから目標地点TPが風上に位置する場合、飛行体10は風上に変針する。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへ降下して着地するようにパラフォイル12の制御を行う(Sp10)。
飛行体10は、目標地点TPもしくはその付近に着地する(Sp11)。
【0059】
なお、旋回位置から最終アプローチポイントFAPへの降下時、および、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへの降下時に、実際の位置と予定位置の差により、パラフォイル12の制御が調整される場合がある。
さらに、制御装置21が、実際の位置と予定位置の差により、風速および風向を修正する場合がある。
【0060】
なお、制御装置21が、着地時に、フレア操作に例示される揚力が増えるような制御を行う場合がある。
【0061】
なお、風速・風向を測定するために旋回運動を行う制御は、目標地点TPの上空に近づく場合に行われるだけなく、最終アプローチポイントFAPでの方向変更において行われる場合がある。最終アプローチに近い段階で、旋回して風速の測定を行うことは、風速・風向の変化に対応することが可能となるため好ましい。このため、着地の精度が向上する場合がある。
【0062】
上記のように、旋回運動をすることで風の速度の測定を行うことにより、エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を用いることなく、風の速度を測定することができる。このため、制御装置21を軽量にすることができる。さらに、対気諸元測定装置を備えないので制御装置21を安価にすることができる。
さらに、目標地点TPの上空に近づく過程において、必要に応じて風の速度を測定する操作を行うことにより、より短い経路で目標地点TPに近づくことができる場合がある。
【0063】
【発明の効果】
本発明のパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法は、対気諸元測定装置を用いることなく風の速度を計算してパラフォイルを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、パラフォイル制御装置およびパラフォイル制御装置を具備した飛行体の構成を示す図である。
【図2】図2は、風の速度を測定する方法を示す図である。
【図3】図3は、飛行体の落下制御方法を示すフロー図である。
【図4】図4は、飛行体の別の形態の落下制御方法を示すフロー図である。
【図5】図5は、パラフォイルが開いた地点から目標地点の上空に前面を向けながら移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。
【図6】図6は、パラフォイルが開いた地点から目標地点の上空に移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。
【図7】図7は、従来の風の速度の測定方法を説明するための図である。
【図8】図8は、別の形態の従来の風の速度の測定方法を説明するための図である。
【図9】図9は、パラフォイルを備えた落下物を目標地点に落下させる方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 飛行体
11 パラフォイル部
12 パラフォイル
13 操作索
20 落下物部
21 制御装置
22 アクチュエータ
23 演算部
24 位置検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラフォイル制御装置に関し、特に風を考慮してパラフォイルを制御するパラフォイル制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パラシュートもしくはパラフォイルなどを用いて、空中から地上もしくは水上へ、落下物が落下する場合がある。
パラシュートもしくはパラフォイルを用いて落下する落下物は、回収されることが求められる場合がある。回収する必要のある落下物は、目標地点に着地するように制御されることが、落下物の回収を容易にするために好ましい。
パラフォイルは、空間落下中に水平方向に移動しながら降下する。パラフォイルは、周辺空気に対して水平方向に進行する向きを制御することができる。このため、パラフォイルが、落下物を目標地点に落下させるために使用される場合がある。
【0003】
パラフォイルの垂直方向の降下速度と周辺の空気層に対する水平方向の速度(以下、対気速度)は、フレア操作などの特定の操作を行わなければ、パラフォイルの形状と大きさ、および、取り付けられる落下物の重量の関係から概ね決まる。
【0004】
さらに、パラフォイルなどの落下傘は、周囲の空気層の移動(以下、風と記載される場合がある)と共に移動する。
このため、地球上の定点から見れば、落下するパラフォイルの定点に対する速度(以下、対地速度)は、当該パラフォイルの対気速度ベクトルと風の速度ベクトルをベクトル合成した速度となる。
なお、この明細書中で、「速度」は速さと方向を含む。したがって、複数の速度の合成は方向を考慮した速さの合成で、それぞれのベクトルの合成に例示される。
【0005】
パラフォイルを目標地点に着地するように制御するためには、風の速度(風速・風向)を把握することが望まれる。
【0006】
図7に従来の風の速度の測定方法が示される。
パラフォイルを具備する落下物に、GPSに例示される位置検出手段と、エアーデータセンサを設置する。位置検出手段で対地速度(ベクトル)Veを測定し、エアーデータセンサで対気速度(ベクトル)Vaを測定する。対地速度(ベクトル)Veと対気速度(ベクトル)Vaの差から、風の速度(ベクトル)Vwを算出することができる。
この方法では、対気速度(ベクトル)Vaを測定する対気諸元測定装置(エアーデータセンサ等)が必要となる。
【0007】
図8に別の形態の従来の風の速度の測定方法が示される。
落下物の落下途中の、2点での対地速度(ベクトル)VE1、VE2を測定する。それぞれの対地速度(ベクトル)VE1、VE2の始点を原点▲4▼に揃えて座標上に記載する。この2個の対地速度(ベクトル)VE1、VE2の先端▲1▼▲2▼を結ぶ線分▲1▼−▲2▼を記載する。線分▲1▼−▲2▼の垂直二等分線Vを記載する。
さらに、経験値などから対気速度(ベクトル)Va1、Va2を推定する。もしくは、エアーデータセンサで、対気速度(ベクトル)Va1、Va2を測定する。
対地速度(ベクトル)VE1、VE2の先端▲1▼および▲2▼から、対気速度(ベクトル)Va1およびVa2の距離にある点▲3▼を取得する。上記で説明されたように、基本的に、パラフォイルの大きさと落下物の重量で決まる対気速度(ベクトル)Va1、Va2は同じ大きさになる。このため、点▲3▼は、垂直二等分線V上にプロットされる。
対地速度(ベクトル)VE1、VE2の測定時に風の速度が一定と仮定すると、点▲3▼を中心にVaの方向が変化しており、原点▲4▼から点▲3▼へのベクトルが風速度(ベクトル)Vwとなる。このように、風速度(ベクトル)Vwを推定もしくは演算することができる(例えば、特許文献1参照)。
上記の方法でも、落下物がエアーデータセンサを具備し、エアーデータセンサから対気速度(ベクトル)Va1、Va2を取得する必要がある。もしくは、エアーデータセンサを使用しない場合、対気速度(ベクトル)Va1、Va2を推定する必要がある。
【0008】
エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を具備しなくても風速度ベクトルを測定することができることが望まれる。もしくは、対気速度ベクトルVa1、Va2を推定しなくても、風の速度(風向・風速)を算出することができる方法が望まれる。さらに、簡潔な計算で風速度ベクトルを推定することができる方法が望まれる。
【0009】
パラフォイルを備えた落下物を目標地点に落下させるために、パラフォイル制御する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
図9に、パラフォイルを備えた落下物を目標地点TPに落下させる方法が示される。
パラフォイルを備えた落下物は、パラフォイルを制御する制御装置を具備する。パラフォイルを開いた後、第一フェーズF1で、制御装置は、目標地点の上空方向に水平移動しながら降下するようにパラフォイルを制御する。さらに、第二フェーズF2で、制御装置は、目標地点の上空で旋回して高度を調整するように、パラフォイルを制御する。制御装置は、第三フェーズF3で、ファイナルアプローチポイントFAPに移動するようにパラフォイルを制御する。制御装置は、第四フェーズF4で、ファイナルアプローチを行い目標地点TPに着地するようにパラフォイルを制御する。
【0010】
落下物の降下時において、風の速度を算出し、好適に目標地点に着地するように、パラフォイルが制御されることが好ましい。さらに、好適なタイミングで風の速度を算出し、好適なルートで目標地点に着地するように、パラフォイルが制御されることが好ましい。
【特許文献1】
特開2000−159192号公報
【非特許文献1】
AlexG.Sim他、「The Development and Flight Test of a Deployable Precision Landing System for Spacecraft Recovery」、NASA Technical Memorandum 4525、September 1993
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、対気諸元測定装置を用いることなく風の速度を計算してパラフォイルを制御するパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用する番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0013】
本発明のパラフォイル制御装置(21)は、落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイル(12)を制御するパラフォイル制御装置(21)であって、パラフォイル(12)を操作するアクチュエータ(22)と、落下物の位置である落下物位置、および、落下物の対地速度の水平成分である水平対地速度、を測定する位置検出部(24)と、水平対地速度から落下物が受ける風の方向と速さを算出し、さらに、落下物位置と風の方向および速さとを使用して、アクチュエータ(22)の操作量を算出する演算部(23)と、を具備する。
演算部(23)は、当該落下物が水平方向に旋回する場合における水平対地速度の実質的な最大極値および実質的な最小極値を取得し、さらに、最大極値における当該落下物の移動方向と最小極値における当該落下物の移動方向との少なくともいずれかを使用して風の方向を算出し、さらに、最大極値と最小極値から風の速さを算出する。
【0014】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の演算部(23)は、風の方向を以下の式(1)を使用して算出する。
【数7】
φE1;最小極値を取得したときの移動方向
φE2;最大極値を取得したときの移動方向
α;補正値
【0015】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の演算部(23)は、風の速さを以下の式(2)(3)を使用して算出する。
【数8】
【数9】
Ve.max;最大極値の水平対地速度
Ve.min;最小極値の水平対地速度
φw;推定風向
β;補正値
γ;補正値
【0016】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の位置検出部(24)は、GPS受信機もしくはDGPS受信機を具備する。
【0017】
本発明のパラフォイル制御装置(21)の位置検出部(24)は、GPS受信機、DGPS受信機、慣性センサの少なくともいずれかを具備する。
【0018】
本発明のパラフォイル制御方法は、以下のステップを含む。
(A)パラフォイルを、水平方向に旋回するように制御を行う旋回ステップ。
(B)旋回ステップ中に、落下物の定点に対する水平方向の速度である水平対地速度と、落下物の位置である落下物位置を、連続的もしくは断続的に測定する測定ステップ。
(C)水平対地速度の最小極値および最大極値を抽出する抽出ステップ。
(D)最大極値での落下物の移動方向および/もしくは最小極値での落下物の移動方向から落下物に対する風の向きを算出する風向算出ステップ。
(E)最小極値と最大極値から風の速さを算出する風速算出ステップ。
(F)風の向きと風の速さを使用して、パラフォイルを制御するアクチュエータの制御量を演算する制御量演算ステップ。
【0019】
本発明のパラフォイル制御方法は、風向算出ステップ(D)において、以下の式(1)を使用して風の向きを算出する。
【数10】
φE1;最小極値を取得したときの移動方向
φE2;最大極値を取得したときの移動方向
α;補正値
【0020】
本発明のパラフォイル制御方法は、風速算出ステップ(E)において、以下の式(2)(3)を使用して風の速さを算出する。
【数11】
【数12】
Ve.max;最大極値の水平対地速度
Ve.min;最小極値の水平対地速度
φw;推定風向
β;補正値
γ;補正値
【0021】
本発明における、パラフォイル(12)と、パラフォイル(12)を制御する制御装置(21)を具備する落下物の落下制御方法は以下のステップを含む。
(a)当該落下物を目標地点(TP)付近の上空方向に降下するようにパラフォイル(12)を制御する第一ステップ。
(b)目標地点付(TP)近の上空で旋回して所定の高度まで降下するようにパラフォイル(12)を制御する第二ステップ。
(c)第二ステップ中に、落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する対地速度検出ステップ。
(d)最小極値もしくは/および最大極値での移動方向から風の方向を算出する風向算出ステップ。
(e)最小極値および最大極値から風の速さを算出する風速算出ステップ。
(f)風の方向および速さから、着地のための最終アプローチを行うアプローチ位置を算出するアプローチ位置算出ステップ。
(g)アプローチ位置に降下するように、パラフォイルを制御する第三ステップ。
(h)アプローチ位置から目標地点に着地するように、パラフォイルを制御する第四ステップ。
【0022】
上記の第一ステップ(a)は、以下のステップを含む。
(aa)落下物が、予定する軌跡から水平方向に所定量以上の位置のずれが発生した場合に、旋回するように、パラフォイル(12)を制御する補正旋回ステップ。
(ab)落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する補正対地速度検出ステップ。
(ac)最小極値もしくは/および最大極値での水平方向の移動方向から風の方向を算出する補正風向算出ステップ。
(ad)最小極値および最大極値から風の速さを算出する補正風速算出ステップ。
(ae)風の方向および速さを考慮して、目標地点の上空方向に降下するようにパラフォイルの制御を行う補正第一ステップ。
【0023】
上記補正旋回ステップ(aa)において、ずれの方向を修正する方向に旋回を行う。
【0024】
【発明の実施の形態】
添付図面を参照して、本発明によるパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法の実施の形態が以下に説明される。
【0025】
本明細書に使用される用語が定義される。
「対気速度」は、パラフォイルを具備する落下物の、周囲の空気層に対する水平方向の速度を示す。パラフォイルの対気速度は、落下物の重量とパラフォイルの形状によって決まり、フレア操作などのパラフォイルの揚力を増す操作もしくは減らす操作、もしくは垂直方向の方向変更を行わなければ、概ね一定である。
「対地速度」は、地上もしくは水上の定点に対するパラフォイルの速度を示す。対地速度は、パラフォイルの対気速度とパラフォイルの周囲の空気層の移動速度(以下:風の速度と記載される場合がある)の合成により、概ね決まる場合がある。
なお、「風」の語は、パラフォイルの周囲の空気層の移動と同意で使用される。
「速度」は、速さと方向を含む。
「風速」は風の速さを、「風向」は、風の向きを示す。
「移動方向」は、パラフォイルが地面に対して移動する方向、すなわち、風の影響を含んで実際に移動する方向を示す。
「前面方向」は、パラフォイルの前面が向いている方向で、風が無い場合に移動する方向を示す。前面は、パラフォイルが水平方向に進行する前の面である。
【0026】
(実施の形態1)
図1を参照して、パラフォイル制御装置21およびパラフォイル制御装置21を具備した飛行体10が説明される。
飛行体10は、落下物部20とパラフォイル部11を具備する。
落下物部20は、制御装置21と荷30を具備する。
パラフォイル部11は、パラフォイル12と操作索13を具備する。
【0027】
制御装置21は、アクチュエータ22、演算部23、位置検出部24を具備する。
【0028】
アクチュエータ22は、演算部23からの制御信号を受信し、操作索13を操作する。アクチュエータ22として、DCモータが使用される場合がある。
【0029】
位置検出部24は、GPS(Global positioning system)やDGPS(Differential GPS)の受信機に例示される。位置検出部24は、地球上に設定される座標上における、当該飛行体10の位置を測定することができる。さらに、位置検出部24は、経時的に測定される当該飛行体10の位置の変化から、当該飛行体10の速度を測定することができる。位置検出部24は、GPSもしくはDGPSと慣性センサの少なくともいずれか、もしくは組み合わせの場合がある。
【0030】
演算部23は、CPU、メモリを具備する演算装置に例示される。演算部23は、位置検出部24と接続され、位置検出部24から、位置を含む位置情報と速度を含む速度情報を取得する。さらに、演算部23は、目標地点の位置を記憶している。演算部23は、位置情報と速度情報から目標地点までの降下経路を算出することができる。さらに、演算部23は、アクチュエータ22と接続され、アクチュエータ22へ、アクチュエータ22の操作量を含む操作信号を送信する。
【0031】
荷30は、目的地点に向けて落下する物体である。荷30として、ロケットなどの飛行体の一部、衛星などの一部、観測装置の一部などが例示される。
【0032】
パラフォイル12は、降下時に空気抵抗を受けて、降下速度を落とす部分である。パラフォイル12は、布、織物もしくは膜で作成される場合がある。パラフォイル12は、上視からの形状が概ね長方形の形状を有する場合がある。この場合、パラフォイル12は、長手方向の一辺を前に、前方方向に進みながら降下する。パラフォイル12の短手方向に平行に切断した断面は、翼を切断した場合の上面の形状を有する場合がある。但し、パラフォイル12の形状は、水平方向の移動方向を制御できる形状であれば、上記の形状に限定されない。
【0033】
操作索13は、パラフォイル12と落下物部20を接続する複数のロープに例示される。アクチュエータ22が操作索13の一部を、引くもしくは出すことにより、パラフォイル12の前面の向きが変更される。
【0034】
次に、図2を参照して、本発明における風の速度を測定する方法が説明される。
パラフォイル12は、周辺空気に対して垂直に降下せず、周辺空気に対して水平方向に進みながら垂直方向に降下する。このため、パラフォイル12を具備する飛行体10は、高度調整のため旋回しながら降下する場合がある。
図2は、旋回する飛行体10の軌跡40を上視した図である。
飛行体10の軌跡40は、パラフォイル12の制御により任意に変更可能である。さらに、同じ軌跡40を回るのでなく、軌跡40をずらしながら(ドリフトしながら)旋回する場合がある。但し、揚力や垂直方向を変更するような特別な制御をしなければ、飛行体10の水平方向の対気速度は概ね一定である。
【0035】
旋回する飛行体10に対して風Fが吹いている場合、飛行体10の水平対地速度は、風Fの水平速度と、飛行体10の水平対気速度の合成により決まる。
具体的には、軌跡40上で、飛行体の10が水平対気速度Vaで移動し、風Fが水平速度Vwで吹いているとする。
飛行体10の水平対地速度Veは、Va+Vwで表される。
点P1では、風の水平速度Vwと水平対気速度Vaの向きが逆なので、水平対地速度Veの大きさは、|Va|−|Vw|となる。この点P1での水平対地速度Veの大きさが、水平対地最小速さ|Ve.min|となる。
また、点P3では風の水平速度Vwと水平対気速度Vaの向きが同じなので、水平対地速度Veの大きさは、|Va|+|Vw|となる。この点P3での水平対地速度Veの大きさが水平対地最大速さ|Ve.max|となる。
さらに、点P1および点P2以外の、点P2、点P4などでは、水平対気速度Vaに対して風の水平速度Vwが、それぞれ所定の角度を有するので、水平対地速度Veの大きさは、各ベクトルの合成により求められる。
【0036】
上記のように飛行体10が水平方向に旋回運動、または、最小極値もしく最大極値の時の方向から少なくとも180°より大きい方向転換を含む運動をする場合、その水平対地最小速さ|Ve.min|もしくは水平対地最大速さ|Ve.max|を検知することにより風の方向(風向)を検出することができる。具体的には、水平対地最小速さ|Ve.min|が検出された時の飛行体10の水平方向の移動方向の逆が風向と推定できる。もしくは、水平対地最大速さ|Ve.max|が検出された時の飛行体10の水平方向の移動方向が風向と推定できる。
【0037】
また、風は、飛行体10の最小水平対地速さの時の水平対地方向φE1から、最大水平対地速さ時の水平対地方向φE2へ吹いていることから、推定風向φwは、φE1と、φE2の逆との平均で求められる。平均から推定風向φwを求めることにより、単独で求めるより誤差が少なくなる場合がある。
【数13】
αは補正値を示し、使用されない場合もしくは実験値などが使用される場合がある。
さらに推定される風速|Vw|は、水平最小速度|Ve.min|もしくは水平最大速さ|Ve.max|の差の半分となる。
【数14】
【数15】
φwは推定される風向である。
β、γは補正値を示し、使用されない場合、実験値などが使用される場合がある。
【0038】
上記の風の速度(風向および風速)は、演算部23により算出される。
演算部23は、位置検出部24から飛行体10の水平方向の位置と水平対地速度(移動方向と速さ)を継続的に取得する。演算部23は、経時的に変化する水平対地速度から、速さの最小極値および最大極値を抽出する。さらに、演算部23は、水平方向の対地速度が最小極値の時および最大極値の時の飛行体10の対地移動方向を抽出する。演算部23は、上記に示されるように水平方向の対地速度の最小極値の時および最大極値の時の飛行体10の対地移動方向から、風向を算出する。
風向だけの算出であれば、最小極値の時もしくは最大極値の時の飛行体10の対地移動方向を算出すればよい場合がある。
【0039】
さらに、演算部23は、上記の方法により、水平方向の対地速度の最小極値および最大極値から、水平方向の風の速さ(風速)を算出する。
飛行体10が旋回運動する場合、または、最小極値もしく最大極値の時の移動方向から少なくとも180°より大きい水平方向の方向変更をした場合において、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値もしくは最大極値となる値が、向い風の場合もしくは追い風の場合として上記の計算に使用される。なお、演算部23は、複数回の旋回における最大極値の平均値と最小極値の平均値を使用する場合がある。
【0040】
飛行体10の移動方向は、位置検出部24で検出される水平対地速度に含まれる移動方向が使用される。
もしくは、制御装置21が方位センサを具備することで、パラフォイルの向きを測定する場合がある。移動方向とパラフォイルの向きが一致すれば、向い風もしくは追い風の状態で、概ね風向と向きが直線上にあると判断できる。向い風もしくは追い風のどちらかの状態から、概ね180°方向、向きを変更すれば、水平対地速度の最大極値と最小極値を測定することができる。
【0041】
飛行体10が周辺空気層に対して水平方向に蛇行する場合は、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値もしくは最大極値が、向い風もしくは追い風の時にならない場合がある。このため制御装置21は、飛行体10の位置の経時変化から求められる軌跡から飛行状況を判断する場合がある。
もしくは、飛行体10の水平対地速度の速さの最小極値が検出された時と最大極値が検出された時の水平移動方向の差が、180°±(所定の誤差)の場合に、演算部23が風向および風速を算出するように設定される場合がある。
【0042】
さらに、水平方向の風速が飛行体10の水平方向の速さより速い場合、周辺空気層に対して飛行体10が旋回している場合でも、地面に対する軌跡は蛇行状もしくはジグザグ状になる場合がある。この場合、制御装置21による制御方法が、旋回するような制御を含む場合は、上記と同様に風速および風向を算出することができる。旋回するような制御とは、パラフォイルの左右いずれか片側の操作索を継続的に、引いた状態もしくは出した状態にすることに例示される。もしくは、飛行体10の向きの変化により旋回していることを判断することができる。
【0043】
なお、周辺空気に対する旋回運動は、地面に対して所定の点を概ね中心に周回するように移動する場合、もしくは、地面に対して中心をずらしながら周回運動する場合がある。具体的には、目標地点から所定の距離で周回するように位置を参照して制御される場合、もしくは、周辺空気に対して一定の半径で周回するように方向変更量が一定に制御され、風で流されることにより軌跡がドラフトする場合がある。
ここで、旋回および周回は、水平方向に概ね円運動、もしくは、概ね楕円運動の場合がある。しかし、これらに限定されず、最小極値および最大極値を検出し、かつ、最小で180°より大きく方向変更する運動を含む場合がある。
【0044】
次に、図3を参照して、飛行体10の落下制御方法が説明される。
落下制御方法は、図9で説明された降下過程の第一フェーズ〜第四フェーズを含む。
パラフォイル12を備えた飛行体10は、パラフォイル12を制御する制御装置21を具備する。制御装置21は、パラフォイル12を開放した後、第一フェーズF1で、目標地点TPの上空に移動するようにパラフォイルを制御する。さらに、制御装置21は、第二フェーズF2で、目標地点TPの上空で旋回して高度を調整するように、パラフォイル12を制御する。制御装置21は、第三フェーズF3で、ファイナルアプローチポイントFAPに移動するようにパラフォイル12を制御する。第四フェーズF4で、ファイナルアプローチを行い目標地点TPに着地するようにパラフォイルを制御する。さらに、本発明では、第二フェーズF2の旋回時に、水平対地速度の変化から制御装置21が風速および風速を算出する。
さらに、制御装置21は、算出した風速および風向に基づき、ファイナルアプローチポイントFAPの決定、第三フェーズおよび第四フェーズの飛行経路の決定を行う。制御装置21は、ファイナルアプローチポイントFAPおよび飛行経路に基づいてパラフォイル12を制御する。
【0045】
図3を参照して、飛行体10の落下制御方法が順を追って説明される。
パラフォイル12が、所定の位置もしくは高度で開く(S1)。制御装置21は、位置検出部24により位置を検出しながら、目標地点TPの上空に近づくように、パラフォイル12を制御する(S2)。演算部23は、現在の位置から目標地点TPの方向に前面が向くようにパラフォイル12を制御するので、風が前方の進行方向に対して所定の角度で吹いている場合、飛行体10は、図5に示される点A〜Hのように、方向を修正しながら近づく場合がある。
図5は、パラフォイル12が開いた地点Aから目標地点TPに前面を向けながら移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。制御装置21は、継続的に、位置を検出しパラフォイル12の制御を行う。飛行体10は、目標地点TP方向に前面が向くように制御されるが、風で流されるので、制御の都度、水平方向の向きを修正する。この場合、風速や風向は考慮されず、検出位置によるフィードバック制御(FB制御)が行われる場合がある。
【0046】
飛行体10が目標地点TPの上空に近づくと、制御装置21は所定の高度まで旋回して降下するようにパラフォイル12を制御する(図3、S3a)。制御装置21は、この旋回時に上記の方法で風速と風向を算出する(S3b)。さらに、制御装置21は、算出した風速と風向を使用して、最終アプローチに好適な最終アプローチポイントFAPを決定する(S3c)。最終アプローチポイントFAPは、目標地点TPから風下に設定される場合がある。この場合、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへのアプローチが向い風になり、着地時の対地速度が小さくなる。このため、着地時の荷30に対する衝撃を小さくすることができる場合がある。
【0047】
制御装置21が、さらに最終アプローチポイントFAPへ降下する経路および最終アプローチポイントFAPから目標地点TPに降下する経路を演算する場合がある。
【0048】
制御装置21は、所定の位置から最終アプローチポイントFAPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(S4)。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPで、目標地点TPへ向くように方向変更を行う(S5)。最終アプローチポイントFAPから目標地点TPが風上に位置する場合、飛行体10は風上に変針する。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(S6)。
飛行体10は、目標地点TPもしくはその付近に着地する(S7)。
【0049】
なお、旋回している位置から最終アプローチポイントFAPへの降下時、および、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへの降下時に、実際の位置を検出し、予定位置の差によりパラフォイル12の制御が調整される場合がある。
さらに、制御装置21が、実際の位置と予定位置の差により、風速および風向を修正する場合がある。
【0050】
さらに、制御装置21が、着地時に、フレア操作に例示される揚力が増えるような制御を行う場合がある。
【0051】
上記のように、旋回運動中に風の速度の測定を行うことにより、エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を用いることなく、風の速度を測定することができる。このため、制御装置21を軽量にすることができる。さらに、対気諸元測定装置を備えないので制御装置21を安価にすることができる。
さらに、目標地点TPの上空付近で、旋回運動をして風速・風向を測定することにより、目標地点TPに近い位置で風の影響を算出することができ、着地位置の精度が向上する場合がある。
【0052】
図4を参照して、飛行体10の別の形態の落下制御方法が順を追って説明される。
パラフォイル12が、所定の位置もしくは高度で開く(Sp1)。制御装置21は、位置検出部24により位置を検出しながら、目標地点TPの上空に近づくように、パラフォイル12を制御する(Sp2)。演算部23は、現在の位置から目標地点TPの方向に前面を向けるようにパラフォイル12を制御するので、風が前面方向に対して所定の角度で吹いている場合、飛行体10は、図5に示される点A〜Hのように、前面の向きを修正しながら近づく場合がある。
しかし、風向が飛行体10の前面方向に対して成す角度が大きい場合、もしくは、風速が大きい場合、飛行体10が、目標地点TPへ近づく経路が長くなってしまう場合がある。経路が長くなると、その間に降下する高さが大きくなり、目標地点TPの上空に近づけない場合が発生することがある。このため、目標地点TPの上空までは短い経路で近づくことが好ましい場合がある。
【0053】
制御装置21は、所定値以上の方向変更の制御量の発生、もしくは、予定位置と実際位置との所定値以上のずれの発生をモニタリングする(Sp3)。
所定値以上の方向の制御量が発生しない場合、もしくは、所定値以上の位置のずれが発生しない場合、ステップSp7aに進む。所定値以上の方向の制御量、もしくは、所定値以上の位置のずれが発生した場合、制御装置21は、一回もしくは数回、旋回する制御を実施する(Sp4a)。
【0054】
図6を参照して、旋回の方法が説明される。
図6は、パラフォイル12が開いた地点aから目標地点TPの上空に移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。点aで飛行体10が目標地点TPの上空に向くように制御される。しかし、風速が速い場合、点bで所定量以上の方向変更が必要になる場合、もしくは、予想軌道に対して所定量以上の位置のずれが検出される場合が発生することがある。この場合、制御装置21は、ずれた方向を修正するように風上方向に旋回を行う。ずれた方向(風下側)に旋回するとさらに風下に流される場合があるため、ずれた方向を修正するように旋回を行うことが好ましい。
旋回を行うことにより制御装置21は上記の方法で、風速および風向を測定する(図4 Sp4b)。
制御装置21は、測定した風速・風向から、位置検出によるフィードバック制御で問題ないか予想軌跡の算出を行う。制御装置21は、位置検出によるフィードバック制御で問題がない場合、制御方法を変更しない。制御装置21は、目標地点TPの上空までモニタリング(Sp3)を継続する。
【0055】
位置検出によるフィードバック制御では、経路が長くなる、もしくは高度降下量が大きくなりすぎるなどの問題が発生する場合、制御装置21は、風速・風向を考慮した制御に変更する(Sp6)。
制御装置21は、風速・風向を考慮して飛行体10の前面方向を計算し、パラフォイル12の制御を行う。
さらに、制御装置21は、風速・風向を考慮して旋回開始位置を決定することができる。具体的には、風が強い場合は、目標地点の風上側で旋回を始めるように、制御装置21がパラフォイル12を制御する場合がある。
【0056】
飛行体10が目標地点TPの上空に近づくと、制御装置21は、旋回して所定の高度まで降下するようにパラフォイル12を制御する(Sp7a)。制御装置21は、この旋回時に、風速と風向を算出する(Sp7b)。さらに、制御装置21は、算出した風速と風向を使用して、最終アプローチに好適な最終アプローチポイントFAPを決定する(Sp7c)。最終アプローチポイントFAPは、目標地点TPから風下に設定される場合がある。この場合、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへのアプローチが向い風になるため、着地時の対地速度が小さくなる。このため、着地時の荷30に対する衝撃を小さくすることができる場合がある。
【0057】
制御装置21は、さらに最終アプローチポイントFAPへ降下する制御、および最終アプローチポイントFAPから目標地点TPに降下する制御を、風向・風速を考慮して演算することができる。
【0058】
制御装置21は、所定の位置から最終アプローチポイントFAPへ降下するようにパラフォイル12の制御を行う(Sp8)。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPで、目標地点TPへ向くように方向変更を行う(Sp9)。最終アプローチポイントFAPから目標地点TPが風上に位置する場合、飛行体10は風上に変針する。
制御装置21は、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへ降下して着地するようにパラフォイル12の制御を行う(Sp10)。
飛行体10は、目標地点TPもしくはその付近に着地する(Sp11)。
【0059】
なお、旋回位置から最終アプローチポイントFAPへの降下時、および、最終アプローチポイントFAPから目標地点TPへの降下時に、実際の位置と予定位置の差により、パラフォイル12の制御が調整される場合がある。
さらに、制御装置21が、実際の位置と予定位置の差により、風速および風向を修正する場合がある。
【0060】
なお、制御装置21が、着地時に、フレア操作に例示される揚力が増えるような制御を行う場合がある。
【0061】
なお、風速・風向を測定するために旋回運動を行う制御は、目標地点TPの上空に近づく場合に行われるだけなく、最終アプローチポイントFAPでの方向変更において行われる場合がある。最終アプローチに近い段階で、旋回して風速の測定を行うことは、風速・風向の変化に対応することが可能となるため好ましい。このため、着地の精度が向上する場合がある。
【0062】
上記のように、旋回運動をすることで風の速度の測定を行うことにより、エアーデータセンサなどの対気諸元測定装置を用いることなく、風の速度を測定することができる。このため、制御装置21を軽量にすることができる。さらに、対気諸元測定装置を備えないので制御装置21を安価にすることができる。
さらに、目標地点TPの上空に近づく過程において、必要に応じて風の速度を測定する操作を行うことにより、より短い経路で目標地点TPに近づくことができる場合がある。
【0063】
【発明の効果】
本発明のパラフォイル制御装置およびパラフォイル制御方法は、対気諸元測定装置を用いることなく風の速度を計算してパラフォイルを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、パラフォイル制御装置およびパラフォイル制御装置を具備した飛行体の構成を示す図である。
【図2】図2は、風の速度を測定する方法を示す図である。
【図3】図3は、飛行体の落下制御方法を示すフロー図である。
【図4】図4は、飛行体の別の形態の落下制御方法を示すフロー図である。
【図5】図5は、パラフォイルが開いた地点から目標地点の上空に前面を向けながら移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。
【図6】図6は、パラフォイルが開いた地点から目標地点の上空に移動する場合の上視からの軌跡を示す図である。
【図7】図7は、従来の風の速度の測定方法を説明するための図である。
【図8】図8は、別の形態の従来の風の速度の測定方法を説明するための図である。
【図9】図9は、パラフォイルを備えた落下物を目標地点に落下させる方法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 飛行体
11 パラフォイル部
12 パラフォイル
13 操作索
20 落下物部
21 制御装置
22 アクチュエータ
23 演算部
24 位置検出部
Claims (11)
- 落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイルを制御するパラフォイル制御装置において、
パラフォイルを操作するアクチュエータと、
落下物の位置である落下物位置、および、前記落下物の対地速度の水平成分である水平対地速度、を測定する位置検出部と、
前記水平対地速度から前記落下物が受ける風の方向と速さを算出し、さらに、前記落下物位置と前記風の方向および速さとを使用して、前記アクチュエータの操作量を算出する演算部と、を具備し、
前記演算部は、当該落下物が水平方向に旋回する場合における前記水平対地速度の実質的な最大極値および実質的な最小極値を取得し、さらに、前記最大極値における当該落下物の移動方向と前記最小極値における当該落下物の移動方向との少なくともいずれかを使用して前記風の方向を算出し、さらに、前記最大極値と前記最小極値から前記風の速さを算出する、
パラフォイル制御装置。 - 前記位置検出部は、GPS受信機もしくはDGPS受信機を具備する、
請求項1〜3のいずれかに記載されたパラフォイル制御装置。 - 前記位置検出部は、GPS受信機、DGPS受信機、慣性センサの少なくともいずれかを具備する、
請求項1〜3のいずれかに記載されたパラフォイル制御装置。 - 落下物の落下位置を制御するために、当該落下物に備えられたパラフォイルを制御するパラフォイル制御方法において、
(A)パラフォイルを、水平方向に旋回するように制御を行う旋回ステップと、
(B)前記旋回ステップ中に、前記落下物の定点に対する水平方向の速度である水平対地速度と、前記落下物の位置であるら落下物位置を、連続的もしくは断続的に測定する測定ステップと、
(C)前記水平対地速度の最小極値および最大極値を抽出する抽出ステップと、
(D)前記最大極値での前記落下物の移動方向および/もしくは前記最小極値での前記落下物の移動方向から前記落下物に対する風の向きを算出する風向算出ステップと、
(E)前記最小極値と前記最大極値から前記風の速さを算出する風速算出ステップと、
(F)前記風の向きと前記風の速さを使用して、前記パラフォイルを制御するアクチュエータの制御量を演算する制御量演算ステップと、を含む、
パラフォイル制御方法。 - パラフォイルと、前記パラフォイルを制御する制御装置を具備する落下物の落下制御方法において、
(a)当該落下物を目標地点付近の上空方向に降下するようにパラフォイルを制御する第一ステップと、
(b)前記目標地点付近の上空で旋回して所定の高度まで降下するように前記パラフォイルを制御する第二ステップと、
(c)前記第二ステップ中に、前記落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する対地速度検出ステップと、
(d)前記最小極値もしくは/および前記最大極値での移動方向から風の方向を算出する風向算出ステップと、
(e)前記最小極値および前記最大極値から風の速さを算出する風速算出ステップと、
(f)前記風の方向および速さから、着地のための最終アプローチを行うアプローチ位置を算出するアプローチ位置算出ステップと、
(g)前記アプローチ位置に降下するように、前記パラフォイルを制御する第三ステップと、
(h)前記アプローチ位置から前記目標地点に着地するように、前記パラフォイルを制御する第四ステップと、を含む、
パラフォイルを具備する落下物の落下制御方法。 - 前記第一ステップ(a)は、
(aa)前記落下物が、予定する軌跡から水平方向に所定量以上の位置のずれが発生した場合に、旋回するように、前記パラフォイルを制御する補正旋回ステップと、
(ab)前記落下物の旋回中の水平対地速度の実質的な最小極値と実質的な最大極値を検出する補正対地速度検出ステップと、
(ac)前記最小極値もしくは/および前記最大極値での水平方向の移動方向から風の方向を算出する補正風向算出ステップと、
(ad)前記最小極値および前記最大極値から風の速さを算出する補正風速算出ステップと、
(ae)前記風の方向および速さを考慮して、前記目標地点の上空方向に降下するようにパラフォイルの制御を行う補正第一ステップと、を含む、
請求項9に記載されたパラフォイルを具備する落下物の落下制御方法。 - 前記補正旋回ステップ(aa)において、前記ずれの方向を修正する方向に旋回を行う、
請求項10に記載されたパラフォイルを具備する落下物の落下制御方法。
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