JP2007288960A - ワニス処理方法およびワニス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルに対するワニス処理の時間を短縮することができるワニス処理方法およびワニス処理装置を提供すること。
【解決手段】ステータ保持部12によりスロットを立てた姿勢でステータ11を保持し、このとき下側に位置するコイルエンド部の上面側にノズル31からワニスを滴下する。次いで、ステータ移動・反転部13によりステータ11を上下反転させる。このとき、ノズル31から滴下されてコイルエンド部の上面側(上下反転後には下面側になる)に付着したワニスが自然乾燥してワニス皮膜が形成される。そして、この状態で、ステータ11の上側に位置するコイルエンド部に対してノズル32からワニスを滴下してコイル14内に含浸させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータコアに装着されたコイルに対してワニス処理を行うワニス処理方法およびワニス処理装置に関する。より詳細には、ワニス処理時間を短縮することができるワニス処理方法およびワニス処理装置に関するものである。
従来より、ステータのスロットに装着されたコイルに対して、耐久性および強度を確保するためにワニス処理が行われている。そして、このようなワニス処理として、一般的に、スロットを水平にした姿勢でステータを保持し、この状態でステータを回転させながら、コイルに対して滴下ノズルからワニスを滴下して含浸させ、コイル内に含浸させたワニスを硬化させている(特許文献1)。
特開2005−102404号公報
しかしながら、上記したワニス処理技術では、ステータを回転させながらワニスをコイル内部まで含浸させるため、コイルに対するワニスの含浸性を良くするためには硬化時間が長いワニスを使用する必要がある。そうすると、ワニスの硬化時間が長くなるため、ワニス処理時間が長くなってしまいステータの生産性が低いという問題があった。
ここで、スロットを立てた姿勢でステータを停止させてコイルに対してワニスを含浸すると、コイル内部(さらにはコイル下側)までワニスが含浸しやすくなる。ところが、この場合、余剰のワニスがコイルから染み出してステータコアに多量に付着するおそれがある。なお、余剰のワニスがコイルから染み出してステータコアに多量に付着することを回避するためには、コイルに対してワニスを少量ずつ滴下すればよいが、これではワニス処理時間が長くなりステータの生産性が低い。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、コイルに対するワニス処理の時間を短縮することができるワニス処理方法およびワニス処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るワニス処理方法は、ステータコアのスロットに装着されたコイルに対してワニスを含浸させるワニス処理方法において、前記スロットを立てた姿勢で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下する前処理工程と、前記前処理工程で前記コイルに滴下されたワニスを硬化させる硬化工程と、前記硬化工程後に前記ステータコアを上下反転させる反転工程と、前記反転工程後に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下して含浸させる本処理工程と、を含むことを特徴とする。
このワニス処理方法では、前処理工程にて、スロットを立てた姿勢で下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下する。そして、硬化工程にて、下側に位置するコイルエンド部の上面側に滴下されたワニスを硬化させる。これにより、下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニス皮膜が形成される。なお、硬化工程には、温風等を吹き付けてワニスを硬化させる場合の他、ワニスを自然乾燥させて硬化させる場合も含まれる。
そして、反転工程にて、ステータコアを上下反転させる。これで、ワニス皮膜が形成されたコイルエンド部が、ステータコアの上側に位置する。このとき、ワニス皮膜が形成された部分は、コイルエンド部の下面側に位置する。そしてこの状態で、本処理工程にて、コイルエンド部の上面側にワニスを滴下してコイル内に含浸させる。このとき、ワニスが滴下されるコイルエンド部の下面側にはワニス皮膜が形成されている。従って、ステータコアが反転された後に上側に位置するコイルエンド部の上面側から滴下されてコイル内に含浸されていくワニスが、コイルから染み出してステータコアに付着することを防止することができる。
このように本発明のワニス処理方法では、スロットを立てた姿勢でコイル内へワニスを含浸させるため、重力の作用を有効に利用してワニスの含浸速度を速くすることができる。このため、コイル内へのワニスの含浸処理を短時間で行うことができる。これにより、コイルに対するワニス処理の時間を短縮することができる。その結果として、ステータの生産効率が向上する。
また、ワニスの含浸速度が速いので、従来よりも硬化時間が短いワニスを使用することができるため、コイルに対するワニス処理の時間を更に短縮することができる。
ここで、前処理工程ではコイル表面にワニス被膜が形成されればよいので、高速硬化タイプのワニス(1分以内にゲル化するワニス)を使用することが好ましい。これにより、硬化工程に要する時間を短縮することができるからである。
また、本処理工程を実施した後に、反対側に位置するコイルに対して上記した工程を繰り返して行うようにしてもよい。
これにより、コイルの両側からワニスを含浸させることができるので、効率良くコイル内にワニスを含浸させることができる。このため、ワニス含浸時間を短縮することができる。
そして、本処理工程を実施した後に、反対側に位置するコイルに対して上記した工程を繰り返して行う場合には、前記本処理工程中に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下する第2前処理工程と、前記第2前処理工程で前記コイルに滴下されたワニスを硬化させる第2硬化工程と、前記第2硬化工程後に前記ステータコアを上下反転させる第2反転工程と、前記第2反転工程後に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下して含浸させる第2本処理工程と、を含むことが望ましい。
このワニス処理方法では、本処理工程でワニスが含浸されたコイルと反対側のコイル内にワニスを含浸させる第2本処理工程を実施する前に必要となる第2前処理工程や第2硬化工程の少なくとも一部を、本処理工程を実施しているときに行う。つまり、第2前処理工程や第2硬化工程の少なくとも一部が、本処理工程と同時に行われる。従って、ワニス処理の時間を更に短縮することができる。
ここで、第2前処理工程でもコイル表面にワニス被膜が形成されればよいので、高速硬化タイプのワニス(1分以内にゲル化するワニス)を使用することが好ましい。これにより、第2硬化工程に要する時間を短縮することができるからである。
上記課題を解決するためになされた本発明に係るワニス処理装置は、ステータコアのスロットに装着されたコイルに対してワニスを含浸させるワニス処理装置において、前記スロットを立てた姿勢で前記ステータコアを保持する保持機構と、前記ステータコアを上下反転させる反転機構と、前記ステータコアが前記保持機構に保持された状態で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下供給する第1ワニス供給手段と、前記ステータコアが前記保持機構に保持された状態で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下供給する第2ワニス供給手段と、前記保持機構に保持された状態で前記第1ワニス供給手段からワニスが滴下され、その後、前記ステータコアが上下反転させられた後、前記保持機構に保持された状態で前記第2ワニス供給手段からワニスが滴下されるように、前記保持機構、前記第1ワニス供給手段、前記上下反転機構、および前記第2ワニス供給手段のそれぞれの動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
このワニス処理装置では、保持機構にスロットを立てた姿勢で保持された状態で下側に位置するコイルエンド部の上面側に対して、第1ワニス供給手段からワニスが滴下される。その後、コイルエンド部の上面側に滴下されたワニスが硬化して、下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニス皮膜が形成される。
ここで、第1ワニス供給手段から滴下するワニスは、コイル表面にワニス被膜が形成されればよいので、ワニス硬化時間を短縮することができる高速硬化タイプのワニス(1分以内にゲル化するワニス)を使用すればよい。また、自然乾燥によってワニスを硬化させるのではなく、温風等を吹き付けてワニスを硬化させるためのワニス硬化手段を設けても良い。このようなワニス硬化手段を設けることによっても、ワニスの硬化時間を短縮することができるからである。
その後、反転機構によって、ステータコアが上下反転させられる。これで、ワニス皮膜が形成されたコイルエンド部が、ステータコアの上側に位置する。このとき、ワニス皮膜が形成された部分がコイルエンド部の下面側に位置した状態で、ステータコアが保持機構に保持される。
そして、ステータコアが保持機構に保持された状態で上側に位置するコイルエンド部の上面側に対して、第2ワニス供給手段からワニスが滴下されコイル内に含浸されていく。このとき、ワニスが滴下されるコイルエンド部の下面側にはワニス皮膜が形成されている。従って、ステータコアが反転された後に上側に位置するコイルエンド部の上面側から滴下されてコイル内に含浸されていくワニスが、コイルから染み出してステータコアに付着することを防止することができる。
このように本発明のワニス処理装置では、スロットを立てた姿勢でコイル内へワニスが含浸されるため、重力の作用を有効に利用してワニスの含浸速度を速くすることができる。このため、コイル内へのワニスの含浸処理を短時間で行うことができる。これにより、コイルに対するワニス処理の時間を短縮することができる。その結果として、ステータの生産効率が向上する。
また、ワニスの含浸速度が速いので、従来よりも硬化時間が短いワニスを使用することができるため、コイルに対するワニス処理の時間を更に短縮することができる。
本発明に係るワニス処理装置においては、前記制御手段は、前記第2ワニス供給手段からワニスが滴下されるときに、第1ワニス供給手段からもワニスが滴下され、その後、再度前記ステータコアが上下反転させらたときには、前記第2ワニス供給手段のみからワニスが滴下されるように、前記第1ワニス供給手段および前記第2ワニス供給手段のそれぞれの動作を制御することが望ましい。
このワニス処理装置では、ワニス皮膜が形成された上側に位置するコイルエンド部に対して第2ワニス供給手段からワニスが滴下されているときに、反対側のコイルエンド部の上面側に第1ワニス供給手段からワニスが滴下される。このため、最初に行うコイルへのワニス含浸と、次に行う反対側コイルへのワニス含浸を実施する前に必要な反対側コイルエンド部におけるワニス皮膜の形成が同時に行われる。従って、ワニス処理の時間を更に短縮することができる。
本発明に係るワニスの処理方法およびワニスの処理装置によれば、上記した通り、ステータコアのスロットに装着されたコイルに対するワニス処理の時間を短縮することができる。
以下、本発明のワニス処理装置およびワニス処理方法を具体化した最も好適な実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。そこでまず、本実施の形態に係るワニス処理装置の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係るワニス処理装置の概略構成を示す図である。
ワニス処理装置10には、ステータ11を保持するステータ保持部12と、ステータ11を移動させるとともに上下反転させるステータ移動・反転部13と、ステータ11に装着されたコイル14にワニスを供給するワニス供給部15と、ワニス処理装置10を統括制御する制御部16とが備わっている。
ステータ保持部12には、ステータ11に形成されたスロットを立てた状態でステータ11を保持可能な保持台21と、保持台21を回転させる駆動部22とが備わっている。これにより、ステータ保持部12は、ステータ11をスロットを立てた状態で保持しながら回転させることができるようになっている。なお、ステータ保持部12の動作は、制御部16によって制御される。
ステータ移動・反転部13には、ステータ11を側面(外周側)から把持する把持アーム25a,25aが対向すように配置された把持部25,25と、把持部25,25を3軸方向(上下、左右、および前後方向)に移動させる移動部26とが備わっている。そして、把持部25には、アクチュエータ27が備わっており、このアクチュエータ27により各把持部25が近接・離間するようになっている。これにより、把持部25,25によって、ステータ11を保持することができるようになっている。そして、移動部26により把持部25,25を移動させることにより、把持部25,25に把持されたステータ11を任意の場所へ移動させることができるようになっている。また、把持部25の把持アーム25aは回転可能となっている。これにより、把持部25,25に把持されたステータ11の上下を反転させることができるようになっている。なお、ステータ移動・反転部13の各種動作は、制御部16によって制御される。
ワニス供給部15には、ワニスを滴下するノズル31,31および32,32と、各ノズルにワニスを供給するワニス供給源33とが備わっている。ここで、ノズル31は、ステータ保持部12に保持されたステータ11の下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下するものである。一方、ノズル32は、ステータ保持部12に保持されたステータ11の上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下するものである。また、ノズル31とノズル32とからは異なるワニスが滴下される。具体的には、ノズル31からは高速硬化タイプのワニス(1分以内にゲル化するワニス)が滴下され、ノズル32からは従来のワニス処理に使用するものより硬化時間が短いワニスが滴下される。このため、ワニス供給源33には2種類のワニスが貯蔵されており、ワニス供給源33とノズル31、ノズル33とはそれぞれ別の配管で接続されている。なお、ワニス供給部15の各動作は、制御部16によって制御される。
ここで、ノズル31から滴下するワニスとして、高速硬化タイプのワニス(1分以内にゲル化するワニス)を使用することができるのは、後述するようにノズル31からワニスを滴下する前処理工程では、コイル14内にワニスを含浸させる必要はなくコイル14の表面にワニス皮膜が形成されればよいからである。また、ノズル32から滴下するワニスとして、従来のワニス処理に使用するものより硬化時間が短いワニスを使用することができるのは、後述するようにノズル32からワニスを滴下して含浸させる本処理工程では、スロットを立てた姿勢でコイル14内へワニスを含浸させるため、重力の作用を有効に利用してワニスの含浸速度を速くすることができるからである。
次に、上記した構成を備えるワニス処理装置10を使用したステータ11のコイル14に対するワニス処理方法について、図2〜図5を参照しながら説明する。図2は、反リード側コイルエンド部に対する前処理工程の実施状態を説明する説明図である。図3は、リード側コイルエンド部に対する前処理工程の実施状態を説明する説明図である。図4は、ステータのリード側における本処理工程の実施状態を説明する説明図である。図5は、ステータの反リード側における本処理工程の実施状態を説明する説明図である。
まず、ステータ11を加熱する。このステータ11の加熱は公知の加熱方法で行えば良く、例えばヒータ加熱された温風により加熱すればよい。
ステータ11の加熱が終了すると、ステータ移動・反転部13によってステータ11がステータ保持部12へ移動させられ、スロットを立てた姿勢でリード側が上になるようにステータ11をステータ保持部12に載置されて保持される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、把持部25,25がステータ11を保持し、その状態で移動部26が把持部25,25をステータ保持部12へ移動させる。そして、把持部25,25がステータ11をスロットを立てた姿勢で開放してステータ保持部12に載置することにより、図2に示すように、リード側が上になってスロットが立った姿勢でステータ11がステータ保持部12に保持される。
ステータ11がステータ保持部12に保持されると、ステータ11の反リード側コイルエンド部14bの上面側にワニスを滴下する前処理工程が実施される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、図2に示すように、ノズル31,31がステータ11の反リード側コイルエンド部14bの上面側に配置される。そして、ノズル31,31から高速硬化タイプのワニスが滴下される。このとき、制御部16からの指令により、駆動部22によって保持台21が回転させられる。これにより、ステータ11を所定速度で回転させながらノズル31,31からワニスが滴下されるので、ステータ11の反リード側コイルエンド部14bの上面側の表面全域にワニスを付着させることができる。
ステータ11の反リード側コイルエンド部14bに対する前処理工程が終了すると、ステータ移動・反転部13によってステータ11が上下反転させられる。つまり、反転工程が実施される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、把持部25,25がステータ11を保持し、その状態で把持アーム25a,25aを180°回転させる。そして、把持部25,25がステータ11を上下反転させた後に開放してステータ保持部12に載置することにより、図3に示すように、反リード側が上になってスロットが立った姿勢でステータ11がステータ保持部12に保持される。
ステータ11が上下反転されると、下側に位置するステータ11のリード側コイルエンド部14aの上面側にワニスを滴下する前処理工程が実施される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、図3に示すように、ノズル31,31がステータ11のリード側コイルエンド部14aの上面側に配置される。そして、ノズル31,31から高速硬化タイプのワニスが滴下される。このとき、制御部16からの指令により、駆動部22によって保持台21が回転させられる。これにより、ステータ11を所定速度で回転させながらノズル31,31からワニスが滴下されるので、ステータ11のリード側コイルエンド部14aの上面側の表面全域にワニスを付着させることができる。
ステータ11のリード側コイルエンド部14aに対する前処理工程が終了すると、ステータ移動・反転部13によってステータ11が再度上下反転させられる。つまり、反転工程が実施される。これにより、図4に示すように、リード側が上になってスロットが立った姿勢でステータ11がステータ保持部12に保持される。
そして、ステータ11のリード側における本処理工程が実施される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、図4に示すように、ノズル32,32がステータ11のリード側コイルエンド部14aの上方に配置される。そして、ノズル32,32からワニスが滴下される。このとき、制御部16からの指令により、駆動部22によって保持台21が回転させられる。
ここで、ノズル32,32から滴下されたワニスは、その自重により下方へ落下して、コイル14に当たり付着する。コイル14に付着したワニスは、コイル14の表面を覆うとともに各巻線間に毛細管現象によって含浸させられる。このとき、ステータ11が回転させられているため、ノズル32,32から滴下されたワニスが当たる部分が常に変化し、ワニスはコイル14に一様に含浸させられる。そして、スロットが立った姿勢でコイル14にワニスを含浸させているので、ワニス含浸時間を短縮することができる。
このとき、前処理工程にてリード側コイルエンド部14aの上面側に滴下されたワニスが自然乾燥して硬化している。なぜなら、前処理工程では、高速硬化タイプのワニスを使用しているため、1分程度でワニスが硬化し始めるからである。このため、上下反転されたステータ11において、リード側コイルエンド部14aの下面側にはワニス皮膜が形成されている。従って、ステータ11のリード側から滴下されてコイル14内に含浸されていくワニスが、コイル14から染み出してステータコア11aに付着することを防止することができる。
その後、ステータ11が上下反転させられ、ステータ11の反リード側における本処理工程が実際される。具体的には、制御部16からの指令に基づき、図5に示すように、ノズル32,32がステータ11の反リード側コイルエンド部14bの上方に配置される。そして、ノズル32,32からワニスが滴下される。このとき、制御部16からの指令により、駆動部22によって保持台21が回転させられる。
ここで、ノズル32,32から滴下されたワニスは、その自重により下方へ落下して、コイル14に当たり付着する。コイル14に付着したワニスは、コイル14の表面を覆うとともに各巻線間に毛細管現象によって含浸させられる。このとき、ステータ11が回転させられているため、ノズル32,32から滴下されたワニスが当たる部分が常に変化し、ワニスはコイル14に一様に含浸させられる。そして、スロットが立った姿勢でコイル14にワニスを含浸させているので、ワニス含浸時間を短縮することができる。
このとき、前処理工程にて反リード側コイルエンド部14bの上面側に滴下されたワニスが自然乾燥して硬化している。なぜなら、前処理工程では、高速硬化タイプのワニスを使用しているため、1分程度でワニスが硬化し始めるからである。このため、上下反転されたステータ11において、反リード側コイルエンド部14bの下面側にはワニス皮膜が形成されている。従って、ステータ11の反リード側から滴下されてコイル14内に含浸されていくワニスが、コイル14から染み出してステータコア11aに付着することを防止することができる。
このように、本実施の形態に係るワニス処理方法では、スロットを立てた姿勢でコイル14内へワニスを含浸させるため、重力の作用を有効に利用してワニスの含浸速度を速くすることができる。このため、コイル14内へのワニスの含浸処理を短時間で行うことができる。これにより、コイル14に対するワニス処理の時間を短縮することができる。
また、コイル14の両側(リード側、反リード側)からワニスを含浸させているので、効率良くコイル14内にワニスを含浸させることができる。このため、ワニス含浸時間をさらに短縮することができる。
その後、公知の方法により、コイル14に含浸させたワニスをゲル化・乾燥して、コイル14に含浸させたワニスを硬化させる。かくして、ワニス処理が終了する。
そして、本実施の形態に係るワニス処理方法と、従来のステータを回転させながらワニスの含浸を行うワニス処理方法との処理時間をそれぞれ調べたところ、本実施の形態に係る方法によれば、従来の方法に比べ処理時間が約1/3短縮されていた。また、本実施の形態に係るワニス処理方法では、ステータコア11aに余分なワニスが付着しないので、余分なワニスを削り取る後処置が不要である。これらのことから、本実施の形態に係るワニス処理装置10を使用したワニス処理方法を行うことにより、ステータ11の生産効率を向上させることができる。
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るワニス処理装置10によるワニス処理方法では、ステータ保持部12によりスロットを立てた姿勢でステータ11を保持し、このとき下側に位置するコイルエンド部の上面側にノズル31から高速硬化タイプのワニスを滴下し、ステータ移動・反転部13によりステータ11を上下反転させた後、ステータ11の上側に位置するコイルエンド部に対してノズル32からワニスを滴下してコイル14内に含浸させる。そして、ノズル32からワニスを滴下するときには、ノズル31から滴下されてコイルエンド部の上面側(上下反転後には下面側になる)に付着したワニスが自然乾燥してワニス皮膜が形成されている。
これにより、重力の作用を有効に利用してワニスの含浸速度を速くして、コイル14内へのワニスの含浸処理を短時間で行うことができるとともに、コイル14から余分なワニスが染み出してステータコア11aに付着することがないので後処理が不要となる。従って、コイル14に対するワニス処理の時間を短縮して、ステータ11の生産効率を向上させることができる。
ここで、反リード側コイルエンド部14bに対する前処理工程を実施(図2参照)した後、図6に示すように、リード側コイルエンド部14aに対する前処理工程を実施する際に、ステータ11のリード側における本処理工程を同時に実施するようにしてもよい。なお、図6は、リード側コイルエンド部に対する前処理工程と、ステータのリード側における本処理工程とを同時に実施した状態を説明する説明図である。
具体的には、制御部16からの指令に基づき、ノズル31,31がステータ11のリード側コイルエンド部14aの上面側に配置されるとともに、ノズル32,32がステータ11のリード側コイルエンド部14aの上方に配置される。そして、ノズル31,31からは高速硬化タイプのワニスが滴下されるとともに、ノズル32,32からもワニスが滴下される。このとき、制御部16からの指令により、駆動部22によって保持台21が回転させられる。
これにより、ノズル31から滴下されたワニスを、ステータ11のリード側コイルエンド部14aの上面側の表面全域に付着させるとともに、ノズル32から滴下されたワニスを、コイル14に一様に含浸させることができる。このとき、反リード側コイルエンド部14bの下面側にはワニス皮膜が形成されているので、ステータ11の反リード側から滴下されてコイル14内に含浸されていくワニスが、コイル14から染み出してステータコア11aに付着することはない。
そして、図4に示すステータ11のリード側における本処理工程が上記したように実施された後、公知の方法により、コイル14に含浸させたワニスをゲル化・乾燥して、コイル14に含浸させたワニスを硬化させる。
このようなワニス処理方法によれば、リード側コイルエンド部に対する前処理工程と、ステータ11のリード側における本処理工程とが同時に実施されるので、ワニス処理に要する時間を更に短縮することができる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、上記した実施の形態では、ワニス滴下時にステータ11を回転するようにしているが、ノズル31,32を回転させるようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、反リード側、リード側のコイルエンド部に対するそれぞれの前処理工程を実施した後に、リード側、反リード側からそれぞれ本処理工程を実施しているが、反リード側に対する前処理工程を実施して、リード側から本処理工程を実施した後、リード側に対する前処理工程を実施して、反リード側から本処理工程を実施(図2→図4→図3→図5の順で実施)するようにしてもよい。
本実施の形態に係るワニス処理装置の概略構成を示す図である。 反リード側コイルエンド部に対する前処理工程の実施状態を説明する説明図である。 リード側コイルエンド部に対する前処理工程の実施状態を説明する説明図である。 ステータのリード側における本処理工程の実施状態を説明する説明図である。 ステータの反リード側における本処理工程の実施状態を説明する説明図である。 リード側コイルエンド部に対する前処理工程と、ステータのリード側における本処理工程とを同時に実施した状態を説明する説明図である。
符号の説明
10 ワニス処理装置
11 ステータ
11a ステータコア
12 ステータ保持部
13 ステータ移動・反転部
14 コイル
14a リード側コイルエンド部
14b 反リード側コイルエンド部
15 ワニス供給部
16 制御部
21 保持台
22 駆動部
25 把持部
25a 把持アーム
26 移動部
27 アクチュエータ
31 ノズル
32 ノズル
33 ワニス供給源

Claims (6)

  1. ステータコアのスロットに装着されたコイルに対してワニスを含浸させるワニス処理方法において、
    前記スロットを立てた姿勢で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下する前処理工程と、
    前記前処理工程で前記コイルに滴下されたワニスを硬化させる硬化工程と、
    前記硬化工程後に前記ステータコアを上下反転させる反転工程と、
    前記反転工程後に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下して含浸させる本処理工程と、
    を含むことを特徴とするワニス処理方法。
  2. 請求項1に記載するワニス処理方法において、
    前記前処理工程では、高速硬化タイプのワニスを滴下することを特徴とするワニス処理方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載するワニス処理方法において、
    前記本処理工程中に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下する第2前処理工程と、
    前記第2前処理工程で前記コイルに滴下されたワニスを硬化させる第2硬化工程と、
    前記第2硬化工程後に前記ステータコアを上下反転させる第2反転工程と、
    前記第2反転工程後に前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下して含浸させる第2本処理工程と、
    を含むことを特徴とするワニス処理方法。
  4. 請求項3に記載するワニス処理方法において、
    前記第2前処理工程では、高速硬化タイプのワニスを滴下することを特徴とするワニス処理方法。
  5. ステータコアのスロットに装着されたコイルに対してワニスを含浸させるワニス処理装置において、
    前記スロットを立てた姿勢で前記ステータコアを保持する保持機構と、
    前記ステータコアを上下反転させる反転機構と、
    前記ステータコアが前記保持機構に保持された状態で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して下側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下供給する第1ワニス供給手段と、
    前記ステータコアが前記保持機構に保持された状態で前記コイルのうち前記ステータコアの端面から突出して上側に位置するコイルエンド部の上面側にワニスを滴下供給する第2ワニス供給手段と、
    前記保持機構に保持された状態で前記第1ワニス供給手段からワニスが滴下され、その後、前記ステータコアが上下反転させられた後、前記保持機構に保持された状態で前記第2ワニス供給手段からワニスが滴下されるように、前記保持機構、前記第1ワニス供給手段、前記上下反転機構、および前記第2ワニス供給手段のそれぞれの動作を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするワニス処理装置。
  6. 請求項5に記載するワニス処理装置において、
    前記制御手段は、前記第2ワニス供給手段からワニスが滴下されるときに、第1ワニス供給手段からもワニスが滴下され、その後、再度前記ステータコアが上下反転させらたときには、前記第2ワニス供給手段のみからワニスが滴下されるように、前記第1ワニス供給手段および前記第2ワニス供給手段のそれぞれの動作を制御することを特徴とするワニス処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118249598A (zh) * 2024-05-24 2024-06-25 余姚奥胜电机制造有限公司 一种无刷定子滴漆设备及上料方法

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