JP2007288129A - コイル装置およびインジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】体格の小型化したコイル装置を提供すること。
【解決手段】本発明のコイル装置は、コイル5と、コイル5を収容する収容部10を備えた磁性体よりなるコア2,3,4と、を有するコイル装置1であって、収容部10の表面と少なくともコイル5を構成する導線との当接部には、電気絶縁性を有する原料を添着させて添着層を形成させ、添着層を絶縁被膜としたことを特徴とする。本発明のコイル装置1は、コア2に絶縁被膜6を介した状態で直接導線を巻回してコイル5を形成した構成となったことで、従来のようにボビン等のコイル支持材を必要としなくなり、小型化が達成できた。また、本発明のコイル装置は、導線の占積率が向上する効果も発揮する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コアの外周にコイルが形成されたコイル装置およびコイル装置を用いてなるインジェクタに関し、詳しくは、小型化されたコイル装置およびインジェクタに関する。
従来から内燃機関における燃料噴射インジェクタ用のアクチュエータとして、電磁弁(ソレノイドバルブ)が用いられている。このような電磁弁は、コアとコイルとを備えたコイル装置により動作されている。
従来のコイル装置は、たとえば、特許文献1〜2に開示されている。
特許文献1には、磁性体から構成したコア部と、このコア部のコイル収容部に設けた電磁コイルと、非磁性体から構成するとともに前記コア部に溶接して前記コイル収容部を閉鎖可能とするカバーと、前記電磁コイルが吸引可能なディスク型アーマチャと、を設けたディスク型電磁弁の製造方法であって、前記コア部を、内側磁性体部と、外側磁性体部と、上側磁性体部と、に分割するとともに、この内側磁性体部とこの外側磁性体部との間に前記カバーを組み立てて溶接したのちに、熱処理することを特徴とするディスク型電磁弁の製造方法が開示されている。
特許文献2には、通電により磁力を発生する略筒状を呈したコイル、このコイルを収納する略筒状を呈した樹脂製のコイル支持部材、このコイル支持部材を収納する収納部を有した磁性体金属よりなるステータコアを備え、アーマチャを吸引する磁気吸引面に作動流体が触れる状態で使用される電磁弁用ソレノイドであって、前記磁気吸引面には、前記アーマチャが配置されて作動流体が満たされる室内と前記収納部とを区画シールする金属製の蓋部材が設けられ、この蓋部材は、前記ステータコアの内周側の磁力を前記室内に導く磁性体金属よりなる内周磁極部、前記ステータコアの外周側の磁力を前記室内に導く磁性体金属よりなる外周磁極部、および前記内周磁極部と前記外周磁極部との間に配置された非磁性体金属よりなるリング状の磁気遮断部を備えることを特徴とする電磁弁用ソレノイドが開示されている。
特許文献1〜2には、数百μm程度の肉厚をもつ樹脂製のボビン等のコイル支持材に導線を巻き線し、ボビンとコアとを樹脂モールドして一体に形成してコイル装置を形成することが開示されている。
しかしながら、これらのコイル装置は小型化が困難であるという問題があった。具体的には、ボビンおよび樹脂モールドに所望の肉厚が要求されることから、体格を小型化するとコアの占める割合が減少し、磁気の発生量が低下する。つまり、従来の構成でコイル装置の体格の小型化を行うと、磁気性能が低下して、所望の磁気特性を得られなくなっていた。
このような問題に対して、特許文献3〜4には、ボビン等のコイル支持材を廃したコイル装置が開示されている。
特許文献3には、電磁コイルを有した弁であって、前記電磁コイルが、内部に長手方向孔が設けられた内側の金属製基体を取り囲んでおり、かつ電気絶縁性の巻体支持体と巻体とを有している形式のものにおいて、前記巻体が基体にすでに施与された巻体支持体上に巻き付けられていることを特徴とする電磁コイルを有した弁が開示されています。さらに、特許文献3には、巻体支持体が電気絶縁性の材料を粘着的に付着する薄い層として施与することが開示されている。
特許文献4には、フェライト偏向ヨークコア本体の表面を、電気絶縁性の高い硬質樹脂からなる内側層と、可撓性のある軟質樹脂からなる外側層とで二重にコーティングしてなる直巻き用偏向ヨークコアが開示されている。
特許文献3〜4には、コアの外周面に電気絶縁性を持つ絶縁被膜を形成し、この絶縁被膜上に導線を巻回してコイルを形成することが開示されている。ボビン等のコイル支持材を廃することができ、コイル装置の体格を小型化することができる効果を発揮する。
しかしながら、特許文献3〜4に開示されたコイル装置は、コア上に形成される絶縁被膜が樹脂よりなるため、コアを形成する金属との線膨張係数の差が大きく、使用できる温度範囲が限られるという問題があった。具体的には、コイル装置は、たとえば、車両のインジェクタに使用される。インジェクタは、−40〜150℃の広い温度範囲で使用できることが求められている。そして、上記のコイル装置のコア(金属)の線膨張係数は小さく、絶縁被膜(樹脂)が大きい。このため、コイル装置の使用温度が高温(100〜200℃)となると、絶縁被膜がコアから剥離する。絶縁被膜の剥離が生じると、コアと導線とのショートが生じるおそれがある。
また、特許文献3〜4に開示されたコイル装置は、絶縁被膜の膜厚を薄くすることが難しいという問題もあった。具体的には、コイル装置が使用されるインジェクタにおいては、その体格(およびコイルの体格)を小型にして収容位置の自由度を高めることが求められている。インジェクタは、インジェクタボディの軸方向を横断する小径の断面領域内に、燃料の高圧流路、燃料の低圧流路、コイル装置のそれぞれを収容している。小型のコイル装置をなすためには、コイル装置のボビンの小型化が重要になっている。特許文献3〜4のコイル装置においては、絶縁被膜がボビンとして機能している。絶縁被膜には、絶縁体にかかる電圧がある限度以上となったときに絶縁体が電気的に破壊し電気絶縁性を失う絶縁破壊に対する強度(絶縁破壊強度)が高いことが求められており、従来のコイル装置においては高い絶縁破壊強度を得るために絶縁被膜の厚さが厚くなっていた。つまり、従来のコイル装置は、絶縁被膜の薄膜化に限界があった。
さらに、特許文献3〜4に開示されたコイル装置は、コアに導線を巻回してコイルを形成しており、導線の巻回時(コイルの形成時)に絶縁被膜の損傷が生じるおそれがあるという問題があった。具体的には、導線の巻回時に導線と絶縁被膜とは巻回動作に晒され、導線と絶縁被膜とが滑りながら圧接される。従来の絶縁被膜は摩擦係数が大きく、絶縁被膜の膜の表層(コイル側の表層)と、形成されるコイルの表面層の双方に損傷を生じやすくなっている。
特開2000−46224号公報 特開2004−14700号公報 特表2001−500321号公報 実開昭60−121247号公報
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、体格の小型化したコイル装置およびインジェクタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明者らは、電磁コイルの構造について検討を重ねた結果本発明をなすに至った。
本発明のコイル装置は、導線が巻回されてなるコイルと、コイルの軸心部に配置され、少なくともコイルの内周面と対向した表面を有するコイルを収容する収容部を備えた磁性体よりなるコアと、を有し、収容部の表面が少なくともコイルを構成する導線と当接する当接部には、電気絶縁性を有する原料を添着させて添着層を形成させ、添着層を絶縁被膜としたことを特徴とする。
本発明のコイル装置は、添着層よりなる絶縁被膜を介した状態でコアに直接導線を巻回してコイルを形成することができる。この絶縁被膜により、本発明のコイル装置は十分な絶縁性が確保された。
請求項2に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、添着層は、ダイアモンドライクカーボンよりなる。本発明のコイル装置は、ダイアモンドライクカーボン(以下、DLCと称する)よりなる絶縁被膜を介した状態でコアに直接導線を巻回してコイルを形成することができる。そして、コアの導線との当接部に形成された絶縁被膜を構成するDLCは、アモルファス構造で結晶粒界がないことから、非常に滑らかでありかつ摩擦係数が非常に小さい表面を持つように形成される。導線の巻回時に、絶縁被膜と導線とが滑りながら圧接されても、絶縁被膜の膜表層部位およびコイル表層部位の損傷を回避することができる。つまり、導線の巻回時に導線の擦れなどによりショートしなくなり、本発明のコイル装置は十分な絶縁性が確保された。
DLCおよびコアを構成する磁性体の線膨張係数は、−40〜150℃の温度域において、いずれも10〜20×e-6(/K)程度である。つまり、両者の線膨張係数は、近似した値を示している。対して、従来のコイル装置の絶縁被膜を構成する樹脂の線膨張係数は、100〜500×e-6(/K)程度と、DLCおよび磁性体よりかなり大きな値を示している。本発明は、DLCと磁性体の近似した線膨張係数により、高温(100〜200℃)で使用しても、絶縁被膜とコアとが剥離を生じなくなった。具体的には、固体の膨張は熱振動に起因し、原子間の結合力に左右されると知られている。本発明のように、DLCおよび磁性体が金属結合した状態で結合しているならば、線膨張係数が近似した値を示すこととなる。そして、DLCと磁性体の線膨張係数の差は、わずかであり、絶縁被膜の伸縮性により、膨張の差が吸収される。DLCは、ダイアモンド結合(sp3結合)とグラファイト結合(sp2結合)の中間的な結晶構造を持ち、この結晶構造により、伸縮性を発揮する。
さらに、DLCと磁性体は、両者の界面を接着(貼着)させる材料組成上の親和性を有している。つまり、DLCは、コアの表面上での分解、還元、置換などの化学反応や分解、イオン化により化学的に結合した被膜が形成されるため、強い強度でコアに付着している。
このため、本発明のコイル装置は、−40〜150℃の広い温度域において、絶縁被膜がコアに対して強い強度で付着している。
また、本発明のコイル装置は、コアに形成された絶縁被膜がコアと導線との電気絶縁性を確保しており、従来のようにボビン等のコイル支持材に導線を巻回していない。つまり、本発明のコイル装置は、コイル支持材をもたないことで小型化が達成できた。
請求項3に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、絶縁被膜が、コアに一体にもうけられる。絶縁被膜がコアと一体に形成されたことで、より強い貼着力で両者が接合されることとなる。
請求項4に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、絶縁被膜は、収容部の全面にもうけられる。絶縁被膜が収容部の全面に設けられることで、収容部に収容されたコイルとコアとが完全に電気的に絶縁される。
請求項5に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、絶縁被膜の膜厚が1〜100μmである。絶縁被膜の膜厚がこの範囲内となることで、電気絶縁性が確保できる。絶縁被膜の膜厚が1μm未満では、膜厚が薄くなりすぎて絶縁被膜の形成が困難となるとともに形成された絶縁被膜膜が電気絶縁性を発揮できなくなる。また、絶縁被膜の膜厚が100μmを超えると、絶縁被膜の膜厚が厚くなりすぎてコイル装置に占める導線の割合(線占率)が減少するとともに、コイル装置全体の体格が粗大化するようになる。より好ましい絶縁被膜の膜厚は、1〜20μmである。
請求項6に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、収容部は、コアの周方向に延びる円環状の空間よりなり、収容部の空間を区画する壁面の表面の全面に絶縁被膜が形成されている。つまり、コアとコイルの外表面との対向面の全面に絶縁被膜が形成され、これにより、電気絶縁性が確保される。
請求項7に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、収容部の表面であって、導線の巻き始め部と当接する部分には、導線をガイドするガイド溝が形成されている。これにより、巻き始め部で導線がガイドされ、コアへの導線の巻回が容易となる。
請求項8に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、収容部の表面であって、導線の巻き終わり部と当接する部分には、導線をガイドするガイド溝が形成されている。これにより、巻き終わり部で導線がガイドされ、コアへ巻回した導線がずれなくなる。
請求項9に記載の本発明のコイル装置は、請求項1に記載のコイル装置において、コイルが、コアの収容部内でコアの中心軸を中心に周回するように導線が巻回されてなり、かつ導線の巻き始めと巻き終わりをコイルの軸方向の一方の端部側に配置してなる。コイルに通電するための導線の巻き始めと巻き終わりとが一方の端部側に配されることで、コイル装置のコイルの設計の自由度が向上する。
請求項10に記載の本発明のコイル装置は、請求項9に記載のコイル装置において、コアが、導線を一方の端部側と他方の端部側との間を往復させて巻回する際に、往路で導線が埋設される溝部を有する。溝部を有する構成となることで、往路をなす導線によりコイルの厚さ(径方向の厚さ)が部分的に厚くなることが防止できる。
請求項11に記載の本発明のコイル装置は、請求項10に記載のコイル装置において、コイルが、溝部に導線の径の全てを埋設させて、奇数段にコイル巻き形成されてなる。本発明のコイル装置は、奇数段のコイルを形成することができる。
請求項12に記載の本発明のインジェクタは、請求項1〜11のいずれかに記載のコイル装置を用いてなることを特徴とする。請求項1〜11のいずれかに記載のコイル装置は、上記したように、絶縁被膜により絶縁性が確保されたコイル装置を用いている。
請求項1〜11に記載のコイル装置は、コアとコイルとの当接部に絶縁被膜を持つことで、両者の電気絶縁性を確保しており、ボビン等の支持材を持たない構成となっている。つまり、体格の小型化されたコイル装置であり、インジェクタの内部に組み付けるときに収容位置の自由度が高いコイル装置を持っている。この結果、本発明のインジェクタが高い設計の自由度をもつ。
また、コイル装置は、インジェクタの使用温度域において、絶縁被膜とコアの接着性が高く維持されており、コイル装置を用いたインジェクタは、すぐれた特性を発揮する。本発明のインジェクタは、請求項1〜11に記載のコイル装置を用いること以外は、従来公知の構成とすることができる。
以下、具体的な実施形態例を用いて本発明を説明する。
(第一実施形態)
本実施形態を図を用いて説明する。図1は、本実施形態のコイル装置1の断面図である。本実施形態のコイル装置1は、中心コア2、コア接続部材3、外周コア4、コイル5、絶縁被膜6および樹脂モールド7を備えている。本実施形態においては、中心コア2、コア接続部材3および外周コア4がコアを形成する。
中心コア2は、円柱状の本体部20と、本体部20の軸方向の両端部に径方向に突出して形成されたフランジ部21,22と、をもつ部材である。中心コア2は、磁性体金属より形成される。中心コア2を構成する磁性体金属としては、たとえば、鉄、電磁鋼板、電磁ステンレス、SMC(複合軟磁性体)を用いることができる。中心コア2を図2〜5に示した。図2は、中心コア2のフランジ部22を示した上面図である。図3は、図1中のI−I線における中心コア2の断面図である。図4は、図2中のII−II線における中心コア2の断面図である。
フランジ部21は略円盤状に形成され、フランジ部22はフランジ部21と同様な円盤状でありかつ切り欠きよりなる欠損部220,221を2カ所に有している。二つの欠損部220,221のうち、一方の欠損部220は、本体部20の溝200の底面にまで切れ込みが形成されている。他方の欠損部221は、切れ込みの深さは限定されないが、本体部20の溝200の形成されていない表面に一致する深さで形成されることが好ましい。
そして、中心コア2の本体部20の外周面には、フランジ部22からフランジ部21まで軸方向に傾斜してのびる(本体部20の外周面を略らせん状にのびる)溝200が形成されている。溝200は、導線50の径の全てを埋設可能な凹状に形成されている。溝200は、フランジ部22側の端部が欠損部220と連通した状態で形成されている。この溝200は、本実施形態のように、軸方向に傾斜してのびるように形成しても、軸方向に平行にのびるように形成しても、いずれでもよい。
また、中心コア2の本体部20の外周面には、溝200のフランジ21側の端部には、フランジ部21に沿って本体部20の外周面に周方向に巻回する導線50の一部が埋設されるテーパ溝201が形成されている。テーパ溝201は、本体部20の外周面に周方向にのびる状態で形成されている。テーパ溝201は、溝200から本体部20の外周を一周する間に、本体部20の他の部分の外周面よりも深さが徐々に浅くなるようにテーパ状に形成されている。
さらに、本体部20の溝200が形成されていない表面および一対のフランジ部21の軸方向に面した表面であって互いに対向した表面には、導線50が巻回されるときに導線50をガイドするガイド溝205が形成されている。このガイド溝205は、中心コア2の外周面に巻回される導線50をガイドするものであり、略らせん状に延びるように形成されている。
コア接続部材3は、中心コア2の一方のフランジ部21に外挿される円環状の部材である。コア接続部材3は、周方向の断面における断面形状が方形状を有する円環状の部材であり、内周面がフランジ部210の外周面と一致するように形成されている。そして、コア接続部材3は、非磁性体より形成される。コア接続部材3を構成する非磁性体金属としては、たとえば、ステンレス、アルミニウム、銅を用いることができる。さらに、6,6−ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などの非磁性体材料も用いることができる。
外周コア4は、中心コア2に外挿される円筒状の部材である。外周コア4は、軸方向の長さが中心コア2の軸方向の長さと一致し、内径がコア接続部材3の外径と一致する円筒形状である。外周コア4は、磁性体金属より形成される。外周コア4を構成する磁性体金属としては、たとえば、鉄、電磁鋼板、電磁ステンレス、SMC(複合軟磁性体)を用いることができる。また、中心コア2と外周コア4は、ともに磁性体金属より形成されるが、この両部材を構成する金属は同じ材質であっても異なる材質であってもどちらでもよい。
本実施形態のコイル装置1は、中心コア2,コア接続部材3および外周コア4との間にコイル5が収容される収容室10が区画される。この収容部10は、中心コア2の外周面に沿って延びる状態で形成された円環状の空間である。
コイル5は、導線50を中心コア2の外周面に沿って巻回することで形成された。つまり、コイル5は、中心コア2の外径と一致する内径をもつ略円筒状に形成されている。そして、本実施形態において、コイル5は収容室10の内部に配置される。コイル5において、導線50の両端は、コイル5の一方の端部(図1において上方側)に突出した状態で形成されている。
コイル5を構成する導線50は、従来のコイル装置において用いられ手いる導線を用いた。導線50は、銅などの金属よりなる導体部500と、導体部500の外周に配置された樹脂などの電気絶縁性をもつ被覆材501と、から構成される線材である。
絶縁被膜6は、1〜20μmの膜厚で中心コア2の溝200,テーパ溝201およびガイド溝200が形成された表面に一体に形成されたダイアモンドライクカーボンよりなる被膜(添着層)である。DLCよりなる被膜は、電気絶縁性をもつ。本実施形態例においては、絶縁被膜6はDLCよりなるが、DLCに変えて、窒化クロム(CrN)や窒化チタン(TiN)などの窒化物、タングステンカーバイト(WC/C)などから形成してもよい。
樹脂モールド7は、コイル5が収容された収容室10内に充填された樹脂よりなり、コイル5と中心コア2,コア接続部材3,外周コア4とを固定するとともに、コイル5を構成する導線50を固定する。樹脂モールド7を構成する樹脂は、従来公知の樹脂を用いることができ、たとえば、耐熱ナイロン、エポキシ樹脂をあげることができる。
(製造方法)
本実施形態のコイル装置1は、例えば、以下の方法で製造することができる。
まず、中心コア2を製造する。この中心コア2の製造は、従来公知の方法を用いることができる。中心コア2の本体部20の軸方向の中央部近傍の表面近傍を図5に示した。
そして、この中心コア2の外周面の所定の表面(溝200,テーパ溝201およびガイド溝205が形成された表面および各溝の内表面)にダイアモンドライクカーボンよりなる絶縁被膜6を形成する。ここで、フランジ部21の周方向の外周面には、絶縁被膜6は、形成されない。DLCよりなる被膜は、従来公知の方法を用いることができる。たとえば、中心コア2の表面の形状に対応した形状を有する電極体を有する高周波プラズマCVD装置を用いて行うことができる。絶縁被膜6が形成された中心コア2の本体部20の表面近傍を図6に示した。
そして、絶縁被膜6が形成された中心コア2の本体部20の外周面に沿って導線50を巻回してコイルを形成した。導線50の巻き始め部は、フランジ部22の欠損部220を介して溝200の内部に埋設される。そして、フランジ部21側の端部から、テーパ溝201に埋設され、その後、ガイド溝205に沿って巻回される。そして、導線50が奇数段(コイルの径方向での導線50の積層段数が奇数段)となるように巻回された。そして、フランジ部22の欠損部221から軸方向に導線50の巻き終わり部が突出した。これにより、コイル5が形成された。また、導線50の両端部(巻き始め部および巻き終わり部)は、いずれもフランジ部22から軸方向に突出している。導線50が巻回した中心コア2の本体部20の表面近傍を図7に示した。
その後、中心コア2のフランジ部21の一方(図1においては下方側のフランジ部210)にコア接続部材3を外挿し、さらに、外周コア4を外挿した。これにより、収容室10の内部にコイル5が配置された構成となった。なお、本実施形態においては、コイル5を形成した後にコア接続部材3を外挿したが、中心コア2にコア接続部材3を外挿した後に導線50を巻回してコイル5を形成してもよい。
そして、内部にコイル5が配置された状態で、収容室10の内部に樹脂を注入してモールドした。樹脂によるモールドは、その方法が限定されるものではない。樹脂モールド7が形成された中心コア2の本体部20の表面近傍を図8に示した。
以上の手順により、本実施形態のコイル装置が製造できた。
本実施形態のコイル装置は、中心コア2に直接導線50を巻回してコイル5を形成している。従来のようにボビン等のコイル支持材に導線を巻回する構成となっていない。つまり、従来の構成では必要となっていたコイル支持材に要していたスペースにも導線50を巻回することができ、コイル装置1においてコイル5の占める割合(線占率)が増加した。線占率が増加したことは、所望の性能のコイル装置をより体格が小型化したコイル装置で達成できる。つまり、本実施形態のコイル装置1は、コイル支持材をもたないことで性能を維持しつつ小型化が達成できる効果を発揮する。
また、本実施形態のコイル装置は、DLCよりなる絶縁被膜6をもつことで、巻回時に導線50が擦れなどによりショートしなくなり、コイル5と中心コア2との間の絶縁性が確保された。
DLCよりなる絶縁被膜6と中心コア2は、両者の界面を接着(貼着)させる材料組成上の親和性を有していることにより、強い強度で中心コア2に絶縁被膜6が貼着している。また、DLCと磁性体の線膨張係数は、−40〜150℃の温度域において、いずれも10〜20×e-6(/K)程度の近似した値を有している。これにより、高温(100〜200℃)で使用しても、絶縁被膜6と中心コア2とが剥離を生じなくなっている。
さらに、DLCと磁性体の線膨張係数の差は、わずかであり、絶縁被膜6の伸縮性により、膨張の差が吸収される。この結果、本実施例のコイル装置1は、高温域で使用しても、コイル5と中心コア2との間の絶縁性が確保された。
加えて、DLCは、アモルファス構造で結晶粒界が存在しないため、絶縁被膜6は、非常に滑らかな摩擦係数の小さな表面をもつ。このため、導線50を中心コア2に巻回するときに、絶縁被膜6は、導線50が滑りながら圧接する力に耐える。これにより、絶縁被膜6と導線50とが滑りながら圧接されても、絶縁被膜6の膜表層部位およびコイル表層部位の損傷を回避することができる。つまり、導線50の巻回時に導線50の擦れなどによりショートしなくなり、コイル装置1は十分な絶縁性が確保された。
さらに、本実施形態のコイル装置は、中心コア2の外周面にガイド溝200が形成されたことで、導線50をこのガイド溝200にそって巻回させることで簡単にかつ均一な巻回状態のコイル5が形成できる効果を発揮した。
(インジェクタ)
第一実施形態のコイル装置1を用いて自動車用燃料噴射装置のインジェクタAを製造した。インジェクタAの構成を図9〜10に示した。
インジェクタAは、ノズルボディA21、ディスタンスピースA22、バルブボディA23、ホルダA24、およびリテーニングナットA25により、インジェクタAに略丸棒状の全体形状を与える基体A2から構成される。ノズルボディA21、ディスタンスピースA22、バルブボディA23およびホルダA24は対向端面で当接しリテーニングナットA25により互いに結合している。
棒状の基体A2には、内部に種々の凹所や孔が形成されている。これらの凹所や孔に構成部材が収容されるとともに、燃料の流路が形成される。インジェクタAの下端部(以下、「上」「下」というときは図中の天側を指すものとする)は図示しない内燃機関の各気筒の燃焼室内に突出するノズル部A11であり、そのノズルボディA21には基体A2の軸方向に縦孔A211が形成され、これにノズルニードルA31が収容されている。ノズルニードルA31は、その上端部で縦孔A211に圧入した筒状部材A21a内に摺動自在に保持されている。縦孔A211の図中、下端側の底部はノズルボディA21の先端部に達しており、先端部がノズル室A51となっている。ノズル室A51の室壁を貫通して噴孔A52が形成してある。縦孔A211はノズルニードルA31の摺動部よりも下端側で、ディスタンスピースA22、バルブボディA23、およびホルダA24に形成された燃料供給通路である高圧通路A61と連通しており、ノズルニードルA31の離座時には図示せぬコモンレールからの加圧された燃料(以下,適宜、高圧燃料という)が噴孔A52から噴射される。
縦孔A211には、また、ノズルニードルA31の外周にコイルばねA32が収容され、常時、ノズルニードルA31を下方すなわち着座方向に付勢している。縦孔A211のノズルニードルA31の摺動部よりも上側部分により、ノズルニードルA31の背圧を発生させるノズルニードル背圧室A53がディスタンスピースA22を上壁とするとともにノズルニードルA31の上端部を下壁として形成される。また、ノズルニードルA31には高圧通路A61からの燃料の圧力が離座方向に付勢されており、ニードル背圧室A53の圧力が所定の開弁開始圧力以下になったときにノズルニードルA31が離座して燃料が噴射され、ニードル背圧室A53の圧力が所定の閉弁開始圧力以上になったときにノズルニードルA31が着座して燃料噴射が停止する。
ノズルニードル背圧室A53の圧力の高低の切替えは次の構成によりなされる。バルブボディA23には下端部で拡径する縦孔A231がインジェクタAの軸方向に形成され、縦孔A231の拡径部により制御バルブである第1バルブニードルA33が配設される制御弁室である第1制御弁室A54が形成される。第1バルブニードルA33は棒状で下端寄りにくびれ部を有しており、くびれ部よりも上端部側の軸部A33bで縦孔A231の小径部に摺動自在に保持されている。第1バルブニードルA33のくびれ部よりも下端側は第1制御弁室A54内に突出して、弁体部A33aとなっている。第1バルブニードル弁体部A33aは軸部A33bよりもやや大径で、かつ第1制御弁室A54の側壁面との間に環状の間隙が形成される大きさとしてある。また、その上端部および下端部はテーパ状に面とりされている。第1バルブニードルA33はコイルばねA34のスプリング力により常時、下方に付勢されている。
第1制御弁室A54が形成されるバルブボディA23とノズルニードル背圧室A53が形成されるニードルボディ21との間に挟まれ、第1制御弁室A54の下壁部およびノズルニードル背圧室A53の上壁部を形成するディスタンスピースA22には、インジェクタAの軸方向に貫通する孔が形成されており、第1制御弁室A54とニードル背圧室A53とを連通する連通路A63となっている。連通路A63には途中にオリフィスA631が形成されている。
第1制御弁室A54が形成されるバルブボディA23には、高圧通路A61から分岐して第1制御弁室A54に通じる高圧分岐通路A64が形成されている。高圧分岐通路A64の先端は第1バルブニードルA33のくびれ部位置で第1制御弁室A54の側壁面に開口しており、第1制御弁室A54が第1バルブニードルA33のくびれ部の外周環状空間と常時、連通している。また、ディスタンスピースA22には、低圧通路62から分岐して第1制御弁室A54に通じる低圧分岐通路A65が形成されている。低圧分岐通路A65は、第1バルブニードル弁体部A33aの下端面と対向する位置で第1制御弁室A54の下壁面に開口しており、この開口端は第1バルブニードルA33が下方変位して第1制御弁室A54の下壁面と当接すると第1バルブニードルA33により閉鎖されるポートA65aとなっている。この開口端の外周縁部が第1バルブニードルA33が着座するシート(以下、下側シートという)A541となる。また、第1バルブニードルA33が上方変位すると、第1バルブニードル弁体部A33aの上側のテーパ部が第1制御弁室A54の段面をシート(以下,上側シートという)A542として着座する。
低圧分岐通路A65には、ポートA65aの直下流に絞りであるオリフィスA651が形成してある。
第1バルブニードルA33を制御するバルブ駆動手段であるバルブ駆動部A12について説明する。第1バルブニードルA33はその軸部A33bよりも上方に形成されるバルブ背圧室A55の圧力の増減により変位する。バルブ背圧室A55は、第1バルブニードルA33の上面側から穿成し底部がくびれ部位置まで達する縦孔A331と、くびれ部位置で第1バルブニードルA33の側面から縦孔A331の底部に達する横孔A332とにより、高圧通路A61および高圧分岐通路A64から高圧燃料が供給されるようになっている。
バルブ背圧室A55は、連通路A66を介して別の制御弁室である第2制御弁室A56に通じている。連通路A66は第1のバルブボディA23の縦孔A231の底部から第1のバルブボディA23の上端面に達する小孔により構成され、途中にオリフィスA661が設けてある。
第2制御弁室A56は、第1のバルブボディA23と、その上方の第2のバルブボディA26の下端面に形成した凹所により形成される。第1のバルブボディA23は第2制御弁室A56の下端壁をなしている。第2のバルブボディA26の下端面は凹所の外周縁部A26aが環状に突出して、第1のバルブボディA23の上端面の環状溝に圧入され、第1のバルブボディA23と第2のバルブボディA26とが係合している。
第2制御弁室A56において、その下壁面に開口する連通路A66の開口端は、バルブ背圧室A55に通じるポートA66aとなる。第2制御弁室A56はまた、その周縁部位置で低圧通路A62と常時、連通している。
第2のバルブボディA6には、第2制御弁室A56の上壁部を貫通する縦孔A261が形成されており、縦孔A261に第2バルブニードルA36が摺動自在に保持されている。第2バルブニードルA36の下端部は第2制御弁室A56内に突出し、第2バルブニードルA36の上端部が第2のバルブボディA6の上方のソレノイド室A57内に突出している。
第2バルブニードルA36は、下端部に半球状の別の制御バルブである弁体部A35を保持し一体に変位するようになっている。弁体部A35は、平坦な下端面が第2制御弁室A56の下壁面とポートA66a位置で対向している。ポートA66aの外周縁部は弁体部A35が着座するシート面A561であり、弁体部A35が着座することで、第2制御弁室A56とバルブ背圧室A55とが遮断される。
ソレノイド室A57内に突出する第2バルブニードルA36の上端部には円盤状のアーマチャA37が固定されており、ソレノイド室A57内に配設した第一実施形態のコイル装置1の磁極面と対向している。コイル装置1は中心コア2に導線50を巻回してコイル5を形成・配設したもので、コイル5に導線50の巻き始めおよび巻き終わり部を介して通電される。中心コア2の内周部にはコイルばねA38が収容されて、アーマチャA37と弾接し、アーマチャA37に対し、常時、中心コア2から離間する方向に付勢されている。コイル装置1は第2のバルブボディA23と閉鎖部材A24との間に挟持され、これらとともにホルダA24の縦穴A241に収容されている。閉鎖部材A27とホルダA24との間はシール部材A44によりシールされている。
コイル装置1に通電されると、コイル装置1がアーマチャA37を吸引して、第2バルブニードルA36が上方変位する。これにより、高圧通路A61〜高圧分岐通路A64〜第1バルブニードルA33の横孔A332〜縦孔A331〜バルブ背圧室A55〜連通路A66〜第2制御弁室A56〜低圧通路A62という油圧通路において、バルブ背圧室A55の燃料が連通路A66〜第2制御弁室A56〜低圧通路A62という経路で低圧源である燃料タンクへと還流し、バルブ背圧室A55の圧力が低下する。第1バルブニードルA33は下側シートA541から離座するとともに上側シートA542に着座する。この状態では、上側シートA542への着座により第1制御弁室A54と高圧通路A61との間が遮断されて、第1制御弁室A54への高圧燃料の供給が禁止されるとともに、下側シートA541からの離座によりノズルニードル背圧室A53の燃料が連通路A63〜第1制御弁室A54〜低圧分岐通路A65〜低圧通路A62という開放通路が開成することにより燃料タンクに還流するため、ノズルニードル背圧室A53の圧力が燃料タンクに開放されて低下する。開弁開始圧力以下になるとノズルニードルA31は開弁し、噴孔A52から燃料が噴射される。
一方、コイル装置1がオフし、第2バルブニードルA36が下方変位すると、油圧通路において、バルブ背圧室A55と低圧通路A62とが遮断されて、バルブ背圧室A55の圧力が、高圧通路A61〜高圧分岐通路A64〜第1バルブニードルA33の横孔A332〜縦孔A331という経路でバルブ背圧室A55に供給される高圧燃料により上昇する。これにより、第1バルブニードルA33が上側シートA542から離座するとともに下側シートA541に着座する。この状態では、第1制御弁室A54と低圧通路A62とが遮断されるとともに、高圧通路A61〜高圧分岐通路A64〜第1の制御弁室A54〜連通路A63という経路でニードル背圧室A53に高圧燃料が供給されるので、ニードル背圧室A53の圧力が上昇し、閉弁開始圧力以上になると、ノズルニードルA31は閉弁状態となり燃料の噴射が停止される。
上記したように、第一実施形態のコイル装置1は、中心コア2のコイル5との電気絶縁性を確保する絶縁被膜6が、高硬度、低摩擦係数、高耐摩耗性、電気絶縁性を有することから、使用環境の厳しい自動車用燃料噴射装置におけるインジェクタに用いてもその性能が確保できた。また、第一実施形態のコイル装置1がその体格を小型化できたことにより、インジェクタは、その体格の小型化等の設計の自由度が向上している。
(第二実施形態)
本実施形態のコイル装置は、中心コア2の軸方向の両端部近傍のみにガイド溝205が形成された以外は第一実施形態のコイル装置と同様なコイル装置である。本実施形態のコイル装置1の断面図を図11に示した。
ガイド溝205は、中心コア2の本体部20の外周面の両端部近傍および一対のフランジ部21,22の軸方向に面した表面であって互いに対向した表面に形成されている。中心コア2の本体部20の外周面の両端部近傍は、それぞれ導線50の線径の2〜5倍の軸方向の長さである。
本実施形態のコイル装置は、第一実施形態の時と同様にして形成することができる。本実施形態のコイル装置は、ガイド溝205が端部近傍のみに形成されているが、均一に導線50を巻回できた。このようなガイド溝205の形態は、導線50の段数が少ないコイル5の形成に特に効果を発揮する。
本実施形態のコイル装置1は、ガイド溝205が部分的に形成されたものであり、ガイド溝205の形成に要するコストを低減できる効果を発揮する。
また、これらの効果以外には、第一実施形態の時と同様の効果を発揮する。
本実施形態はガイド溝205が中心コア2の一部にのみ形成されて形態であるが、本実施形態の変形形態として、ガイド溝205が中心コア2に形成されない形態としてもよい。この変形形態においても、第一実施形態の時と同様の効果を発揮する。
(第三実施形態)
本実施形態のコイル装置は、外周コア4の内周面(収容室10を区画する表面)にもガイド溝400を形成し、さらに樹脂モールド7を備えていない以外は第一実施形態のコイル装置と同様なコイル装置である。
本実施形態のコイル装置は、第一実施形態の時と同様にして形成することができる。
本実施形態のコイル装置1は、外周コア4の内周面にもガイド溝400が形成されたことで、収容室10内に収容されたコイル5の導線50がこのガイド溝400にはまった状態ではまる。これにより、収容室10内で導線50がズレなくなっている。つまり、樹脂モールドを用いることなくコイル5が収容室10内で固定された。この結果、本実施形態のコイル装置は、樹脂モールドに要していたスペースを削減でき、コイル装置の体格を小型化できる。さらに、樹脂モールドに要するコストを低減できる効果も発揮する。
また、この効果以外には、第一実施形態の時と同様の効果を発揮する。
(第四実施形態)
図12〜14を用いて本実施形態を説明する。図12は、本実施形態のコイル装置1の断面図である。本実施形態のコイル装置1は、中心コア2、コア接続部材3、外周コア4、およびコイル8を備えている。本実施形態においては、中心コア2、コア接続部材3および外周コア4がコアを形成する。
中心コア2は、円柱状の本体部20と、本体部20の軸方向の両端部に径方向に突出して形成されたフランジ部21,22と、をもつ部材である。中心コア2は、磁性体金属より形成される。中心コア2を構成する磁性体金属としては、たとえば、鉄、電磁鋼板、電磁ステンレス、SMC(複合軟磁性体)を用いることができる。
中心コア2に形成されたフランジ部21,22は、第一実施形態の時と同様な形状に形成されている。
コア接続部材3は、中心コア2の一方のフランジ部21に外挿される円環状の部材である。コア接続部材3は、周方向の断面における断面形状が方形状を有する円環状の部材であり、内周面がフランジ部210の外周面と一致するように形成されている。そして、コア接続部材3は、非磁性体金属より形成される。コア接続部材3を構成する非磁性体金属としては、たとえば、ステンレス、アルミニウム、銅を用いることができる。さらに、6,6−ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料などの非磁性体材料も用いることができる。
外周コア4は、中心コア2に外挿される円筒状の部材である。外周コア4は、軸方向の長さが中心コア2の軸方向の長さと一致し、内径がコア接続部材3の外径と一致する円筒形状である。外周コア4は、磁性体金属より形成される。外周コア4を構成する磁性体金属としては、たとえば、鉄、電磁鋼板、電磁ステンレス、SMC(複合軟磁性体)を用いることができる。また、中心コア2と外周コア4は、ともに磁性体金属より形成されるが、この両部材を構成する金属は同じ材質であっても異なる材質であってもどちらでもよい。
本実施形態のコイル装置1は、中心コア2,コア接続部材3および外周コア4との間にコイル8が収容される収容室10が区画される。この収容部10は、中心コア2の外周面に沿ってのびる状態で形成された円環状の空間である。
コイル8は、帯状(シート状)の導線部材80を、帯の長手方向を周方向にそって巻回して形成される。
導線部材80は、絶縁性樹脂よりなる帯状の基材81と、帯状の基材81に一体にもうけられた複数の導線部材82と、を有する。導線部材80を図13に、図13中のIII−III線における断面図を図14に示した。
基材81は、帯状に形成された電気絶縁性を備えた樹脂よりなる。また、この基材81は、少なくとも長手方向で屈曲する程度の柔軟性をもつ。基材81を構成する樹脂としては、たとえば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、フッ素ゴムを用いることができる。
導線線材82は、基材81の長手方向の長さよりも短く形成された銅などの金属よりなる線材である。導線線材82は、基材81の長手方向にそった状態で基材81の内部に配置されている。また、基材81には、複数の導線線材82がそれぞれ平行な状態で配置された。
なお、導線部材80の長手方向の両端部には、基材81の幅方向にのびるとともに幅方向の一方の端部側から突出した接続線材83がそれぞれもうけられている。そして、二つの接続線材83,83は、基材81の幅方向の端部であって同じ端部から突出している。また、接続線材83は、導線線材82の時と同様に、基材81の内部に配置されている。基材81の内部で複数の導線線材82のそれぞれの端部は、接続線材83と接続されている。つまり、一対の接続線材83,83の間で、複数の導線線材82が、電気的に並列な状態で接続されている。導線線材80において、基材81は、導線線材82を保持するだけでなく、コイル8を形成したときに導線線材82と外部との電気絶縁性を確保する絶縁被膜としても機能する。つまり、本実施形態は、導線線材82(導線)と絶縁被膜とが一体を構成する。
本実施形態においては、複数の導線線材82が平面上に配置された構成となっているが、図15に示したように、導線線材82が基材81の幅方向のみだけでなく厚さ方向にも複数配置される構成となっていてもよい。
(製造方法)
本実施形態のコイル装置1は、例えば、以下の方法で製造することができる。
まず、中心コア2を製造する。この中心コア2の製造は、従来公知の方法を用いることができる。
そして、あらかじめ製造された導線部材80を中心コア2の本体部20の外周面に沿って複数回巻回してコイル8を形成した。この導線部材80の複数回の巻回により、コイル8は、中心コアの径方向において導線部材80が複数層積層した構成となった。そして、コイル8において、導線部材80の接続線材83が軸方向の一方側(図12において上方側)から突出した。
その後、中心コア2のフランジ部21にコア接続部材3を外挿し、さらに、外周コア4を外挿した。これにより、収容室10の内部にコイル5が配置された構成となった。
以上の手順により、本実施形態のコイル装置が製造できた。
本実施例のコイル装置は、絶縁性をもつ基材81内に導線線材82が配置された導線部材80を中心コア2に直接巻回してコイル8を形成している。従来のようにボビン等のコイル支持材に導線を巻回する構成となっていない。つまり、従来の構成では必要となっていたコイル支持材に要していたスペースにも導線線材82を巻回することができ、コイル装置1においてコイル8の占める割合(線占率)が増加した。線占率が増加したことは、所望の性能のコイル装置をより体格が小型化したコイル装置で達成できる。つまり、本実施形態のコイル装置1は、コイル支持材をもたないことで性能を維持しつつ小型化が達成できる効果を発揮する。
また、本実施形態のコイル装置は、導線部材80を構成する基材81が、巻回時に導線線材82が擦れなどによるショートを防止するとともに、コイル8と中心コア2との間の絶縁性を確保している。
さらに、本実施形態のコイル装置は、導線部材80を巻回してコイル8を形成する構成となっており、たとえば、中心コア2にガイド溝を形成しなくてもよく、簡単にコイル8を形成できる効果を発揮する。
(第五実施形態)
本実施形態は、コイル8を構成する導線部材80が異なる以外は、第四実施形態のコイル装置と同様なコイル装置である。本実施形態のコイル装置1の構成を図16に示した。
本実施形態の導線部材80は、絶縁性樹脂よりなる帯状の基材81と、帯状の基材81に一体にもうけられた複数の導線部材82と、を有する。本実施形態の導線部材80を図17に、図17中のIV−IV線における断面図を図18に示した。
基材81は、長手方向の長さが中心コア2の本体部20の周方向と同じ長さの帯状に形成された絶縁性樹脂よりなる。また、この基材81は、少なくとも長手方向で屈曲する程度の柔軟性をもつ。基材81を構成する樹脂としては、たとえば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレン、フッ素ゴムを用いることができる。
導線線材82は、基材81の長手方向の長さよりも短く形成された銅などの金属よりなる線材である。導線線材82は、基材81の長手方向に対して傾斜した状態で基材81の内部に配置されている。また、複数の導線線材82は、その両端部が基材81の長手方向の両端部と一致した状態で配置された。また、複数の導線線材82のうち、基材81の幅方向の一方の端部側に位置する導線部材821は、基材81の厚さ方向で他の導線部材820の上方を交差した状態で配置されている。
導線線材82は、導線部材80の長手方向の両端部を突き合わせたときに、一方の端部が異なる導線線材の他方の端部と当接する位置に配置されている。つまり、導線部材80の長手方向の両端部を突き合わせたときに、複数の導線線材81同士が電気的に直列に接続される。
複数の導線線材82のうち、導線部材80の長手方向の両端部を突き合わせたときに、他の導線線材82と接続されない導線線材82であって、基材81の幅方向の他方の端部側に位置する導線部材822および導線部材821の端部は、それぞれ接続線材83 と電気的に接続されている。そして、二つの接続線材83は、基材81の幅方向の端部であって同じ一方の端部から突出している。また、接続線材83は、導線線材82の時と同様に、基材81の内部に配置されている。導線線材80において、基材81は、導線線材82を保持するだけでなく、コイル8を形成したときに絶縁被膜としても機能する。つまり、本実施形態は、導線線材82(導線)と絶縁被膜とが一体を構成する。
本実施形態の導線部材80は複数の導線部材が略平面上に配置されており、この導線部材80を中心コア2の外周面に巻回した状態で、さらに、その外周面に他の導線部材80を巻回してもよい。これにより、導線の巻き数の大きなコイル8が形成できる。
また、導線部材80は、複数の導線線材82が平面上に配置された構成となっているが、図19に示したように、導線線材82が基材81の幅方向のみだけでなく厚さ方向にも複数配置される構成となっていてもよい。図19に示した構成においても、導線部材80の導線線材82のそれぞれは、基材81の両端部を突き合わせたときに一方の端部が他の導線線材82(隣接して配置した導線線材)の他方の端部と当接可能な位置となるように配置された。
(製造方法)
本実施形態のコイル装置1は、例えば、以下の方法で製造することができる。
まず、中心コア2を製造する。この中心コア2の製造は、従来公知の方法を用いることができる。
そして、あらかじめ製造された導線部材80を中心コア2の本体部20の外周面に沿って巻回して。導線部材80の長手方向の両端部を突き合わせコイル8を形成した。このとき、導線部材80の接続線材82は、軸方向の一方側(図16において上方側)から突出した。
その後、中心コア2のフランジ部21にコア接続部材3を外挿し、さらに、外周コア4を外挿した。これにより、収容室10の内部にコイル5が配置された構成となった。
以上の手順により、本実施形態のコイル装置が製造できた。
本実施例のコイル装置1は、絶縁性をもつ基材81内に導線線材82が配置された導線部材80を中心コア2に直接巻回してコイル8を形成している。従来のようにボビン等のコイル支持材に導線を巻回する構成となっていない。つまり、従来の構成では必要となっていたコイル支持材に要していたスペースにも導線線材82を巻回することができ、コイル装置1においてコイル8の占める割合(線占率)が増加した。線占率が増加したことは、所望の性能のコイル装置をより体格が小型化したコイル装置で達成できる。つまり、本実施形態のコイル装置1は、コイル支持材をもたないことで性能を維持しつつ小型化が達成できる効果を発揮する。
また、本実施形態のコイル装置1は、導線部材80を構成する基材81が、巻回時に導線線材82が擦れなどによるショートを防止するとともに、コイル8と中心コア2との間の絶縁性を確保している。
さらに、本実施形態のコイル装置1は、導線部材80を巻回してコイル8を形成する構成となっており、たとえば、中心コア2にガイド溝を形成しなくてもよく、簡単にコイル8を形成できる効果を発揮する。
加えて、本実施形態のコイル装置1は、導線部材80内の複数の導線線材82が直列に接続されたコイルを形成している。つまり、本実施形態のコイル装置1は、複数の導線線材82が並列に接続したときと比較して、小さな電流で所望の性能が得られるという効果を発揮する。
なお、本発明のコイル装置は、上記した各実施形態のみに限定されるものではない。また、本発明のコイル装置は、性能を維持した状態で体格を小型化できる効果を発揮した。さらに、絶縁被膜が高硬度、低摩擦係数、高耐摩耗性、電気絶縁性を有するとともに中心コアに強い貼着力で貼着することから、本発明のコイル装置は、広い温度域で使用される燃料噴射インジェクタに用いるときにその効果を特に発揮する。
第一実施形態のコイル装置の断面図である。 第一実施形態のコイル装置の中心コアの上面図である。 第一実施形態のコイル装置の中心コアの断面図である。 第一実施形態のコイル装置の中心コアの断面図である。 第一実施形態の中心コアの表面近傍の断面図である。 第一実施形態の絶縁被膜が形成された中心コアの表面近傍の断面図である。 第一実施形態の導線が巻回された中心コアの表面近傍の断面図である。 第一実施形態のコイル装置の中心コアの表面近傍の断面図である。 コイル装置を用いたインジェクタの断面図である。 コイル装置を用いたインジェクタの断面図である。 第二実施形態のコイル装置の断面図である。 第四実施形態のコイル装置の断面図である。 第四実施形態の導線部材を示した図である。 第四実施形態の導線部材の断面図である。 第四実施形態の導線部材の変形形態の断面図である。 第五実施形態のコイル装置の断面図である。 第五実施形態の導線部材を示した図である。 第五実施形態の導線部材の断面図である。 第五実施形態の導線部材の変形形態の断面図である。
符号の説明
1:コイル装置
2:中心コア 20:本体部
200:溝 201:テーパ溝
21、22:フランジ部 220,221:欠損部
3:コア接続部材
4:外周コア 400:ガイド溝
5:コイル 50:導線
500:導体部 501:被覆材
6:絶縁被膜
7:樹脂モールド
8:コイル 80:導線部材
81:基材 82:導線線材
83:接続線材
A:インジェクタ

Claims (12)

  1. 導線が巻回されてなるコイルと、
    該コイルの軸心部に配置され、少なくとも該コイルの内周面と対向した表面を有する該コイルを収容する収容部を備えた磁性体よりなるコアと、
    を有し、
    該収容部の表面が少なくとも該コイルを構成する該導線と当接する当接部には、電気絶縁性を有する原料を添着させて添着層を形成させ、該添着層を絶縁被膜としたことを特徴とするコイル装置。
  2. 前記添着層は、ダイアモンドライクカーボンよりなる請求項1記載のコイル装置。
  3. 前記絶縁被膜は、前記コアに一体にもうけられた請求項1記載のコイル装置。
  4. 前記絶縁被膜は、前記収容部の全面にもうけられた請求項1記載のコイル装置。
  5. 前記絶縁被膜の膜厚が1〜100μmである請求項1記載のコイル装置。
  6. 前記収容部は、前記コアの周方向に延びる円環状の空間よりなり、該収容部の該空間を区画する壁面の表面の全面に前記絶縁被膜が形成された請求項1記載のコイル装置。
  7. 前記収容部の表面であって、前記導線の巻き始め部と当接する部分には、該導線をガイドするガイド溝が形成されている請求項1記載のコイル装置。
  8. 前記収容部の表面であって、前記導線の巻き終わり部と当接する部分には、該導線をガイドするガイド溝が形成されている請求項1記載のコイル装置。
  9. 前記コイルは、前記コアの前記収容部内で該コアの中心軸を中心に周回するように前記導線が巻回されてなり、かつ該導線の巻き始めと巻き終わりが該コイルの軸方向の一方の端部側に配置してなる請求項1記載のコイル装置。
  10. 前記コアは、前記導線を一方の端部側と他方の端部側との間を往復させて巻回する際に、往路で該導線が埋設される溝部を有する請求項9記載のコイル装置。
  11. 前記コイルは、前記溝部に前記導線の径の全てを埋設させて、奇数段にコイル巻き形成されてなる請求項10記載のコイル装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のコイル装置を用いてなることを特徴とするインジェクタ。
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