JP2007287228A - レーザ光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光照射装置において、対象物体によって反射される反射光がレーザ光源まで導かれないようにして、レーザ光源のメンテナンスに関する工数および費用を低減させる。
【解決手段】光ピックアップ装置は、初期化用レーザ光をそれぞれ出射する2つのレーザ光源11,21と、各レーザ光を光ディスクDK上にそれぞれ集光する対物レンズ18とを備える。レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに導かれる各レーザ光の光路と、光ディスクDKからの各反射光の光路とが異なる光路となるように、レーザ光源11,21から出射される各レーザ光を対物レンズ18の瞳中心からずらして入射させる。また、レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から光ディスクDKからの各反射光の光路を外すために、同各反射光の光路上に偏光ビームスプリッタ13,23を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】光ピックアップ装置は、初期化用レーザ光をそれぞれ出射する2つのレーザ光源11,21と、各レーザ光を光ディスクDK上にそれぞれ集光する対物レンズ18とを備える。レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに導かれる各レーザ光の光路と、光ディスクDKからの各反射光の光路とが異なる光路となるように、レーザ光源11,21から出射される各レーザ光を対物レンズ18の瞳中心からずらして入射させる。また、レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から光ディスクDKからの各反射光の光路を外すために、同各反射光の光路上に偏光ビームスプリッタ13,23を設けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、対象物体に向けてレーザ光を照射して、照射面に物理的変化を生じさせるレーザ光照射装置に関する。
対象物体に向けて高い光強度を有するレーザ光を照射して照射面に物理的変化を生じさせるレーザ光照射装置として、例えば、CD,DVDなどの光ディスクを初期化する光ピックアップ装置や、光ディスクに対して光ディスクの識別情報を記録する光ピックアップ装置がある。光ディスクを初期化する光ピックアップ装置においては、光ディスク上に形成された製造段階の非結晶状態から結晶状態に変化させるために高い光強度を有するレーザ光が必要である。また、光ディスクにおける所定の記録領域(例えば、BCA(Burst Cutting Area))に光ディスクを識別するための識別情報(メディアID)を記録する光ピックアップ装置においても、所定の記録領域上に形成されている反射層を溶融除去させるために高い光強度を有するレーザ光が必要である。この場合、高い光強度を有するレーザ光を得るために、高出力のレーザ光源を用いることが考えられるが、これでは装置が大型化するという問題がある。
このため、装置を大型化することなく高い光強度のレーザ光を得る方法として、例えば、下記特許文献1に記載の光ディスクの初期化装置に用いられるレーザ光照射装置においては、レーザ光を出射するレーザ光源を複数備え、各レーザ光源から出射されるレーザ光の偏光方向や波長を異ならせて、これらのレーザ光の光路を偏光ビームスプリッタやダイクロイックミラーを用いて照射領域を互いに重ねることにより光ディスク上に照射されるレーザ光の光強度を高めている。
特開2004−348780号公報
しかしながら、このような出射レーザ光の偏光方向を互いに異ならせて複数のレーザ光を合成するレーザ光照射装置は、レーザ光源が1つの場合のときのように出射レーザ光の偏光方向と反射光の偏光方向とを異ならせて、反射光の光路を出射レーザ光の光路から外す方法は使用できない。このため、このようなレーザ光照射装置のうち対象物体の表面に対して垂直な方向からレーザ光を照射するレーザ光照射装置においては、対象物体によって反射された反射光が再びレーザ光照射装置内に導かれ、各種光学素子を介してレーザ光源に導かれる。この際、測定対象物体上に照射されるレーザ光の光強度が高い場合には、レーザ光源に導かれる反射光の光強度も高くレーザ光源にダメージを与え、レーザ光源の性能の低下および寿命の到来を早める。このため、レーザ光源から出力されるレーザ光の特性を常に一定レベルに維持するためのレーザ光源のメンテナンスの工数および費用が増大するという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、複数のレーザ光を合成して対象物体の表面に対して直交する方向からレーザ光が照射される構成のレーザ光照射装置において、対象物体からの反射光がレーザ光源にまで導かれないようにして、レーザ光源のメンテナンスに関する工数および費用を低減させることができるレーザ光照射装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、対象物体に対してレーザ光を出射する複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光を対象物体上にそれぞれ集光する対物レンズとを備えたレーザ光照射装置において、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の光路と、同各レーザ光に対応する対象物体からの各反射光の各光路とがそれぞれ異なるように、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光を対物レンズに同対物レンズの瞳中心からずらして入射させることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、複数のレーザ光源から出射された各レーザ光を対物レンズの瞳中心からずらして入射させている。このため、対物レンズによって対象物体上に集光した後、同対象物体によって反射された反射光は、対物レンズの光軸を中心軸として対象物体に向かうレーザ光とは反対側に導かれる。すなわち、各レーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の光路と、対象物体からの各反射光の光路とが異なる光路となる。したがって、対象物体からの各反射光がレーザ光源から出射された各レーザ光の経路と逆の経路を介して再び各レーザ光源に導かれた場合であっても、同各反射光が各レーザ光源内に入射することはない。これにより、レーザ光源にダメージを与えることがなくなり、レーザ光源の性能の低下および寿命の到来を早めることがない。この結果、レーザ光源のメンテナンスに関する工数および費用を低減させることができる。
また、上記レーザ光照射装置において、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射される各レーザを反射により対物レンズにそれぞれ導くミラーを備えるとよい。この場合、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射され前記ミラーにそれぞれ導かれる各レーザ光の光軸は、互いに異なる直線上にあるように構成するとよい。これによれば、各レーザ光源からそれぞれ出射されるレーザ光が、互いに他のレーザ光源に直接導かれることを防止することができる。
また、本発明の他の特徴は、上記レーザ光照射装置において、対象物体からの各反射光の光路上に、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の経路から各反射光の光路を外す光路変更手段を設けたことにある。この場合、上記レーザ光照射装置において、さらに、対象物体からの各反射光の特性を、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の特性に対して異なる特性に変更する特性変更手段を設け、前記光路変更手段は、特性変更手段により変更された特性に応じて各反射光の光路を、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の経路から外すようにするとよい。この場合、対象物体からの各反射光の特性を、同各反射光における偏光方向とし、前記特性変更手段を、前記偏光方向を変更する光学素子で構成するとよい。また、この場合、前記特性変更手段を、前記複数のレーザ光源ごとに設けるとともに、同複数のレーザ光源からそれぞれ出射される各レーザ光の光路上および同各レーザ光に対応する各反射光の光路上のうちの少なくともいずれか一方に配置するとよい。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、光路変更手段により、対象物体からの各反射光を各レーザ光源から出射された各レーザ光の経路からそれぞれ外すことができ、同各反射光がレーザ光源自体に導かれることがない。これにより、光ディスクからの各反射光がレーザ光源内に導かれることを、より確実に防止することができる。
また、本発明における対象物体を光ディスクとすれば、光ディスクに対して高い光強度のレーザ光を用いる処理、例えば、光ディスクの初期化、光ディスクへの識別情報の記録などに用いる光ピックアップ装置におけるレーザ光源のメンテナンスに関する工数および費用を低減させることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るレーザ光照射装置について図面を参照しながら説明する。図1は、CD,DVDなどの光ディスクDKにレーザ光を照射して光ディスクDKの記録層の初期化を行う光ピックアップ装置の全体概略図である。ここで、光ディスクDKの初期化とは、相変化型の記録層において製造直後で非結晶状態にある記録層全体を結晶状態に相変化させて反射率の高い状態にする処理をいう。この光ピックアップ装置は、光ディスクDKの記録層を初期化するためのレーザ光を出射する2つのレーザ光源11,21を備えている。
以下、本発明の第1実施形態に係るレーザ光照射装置について図面を参照しながら説明する。図1は、CD,DVDなどの光ディスクDKにレーザ光を照射して光ディスクDKの記録層の初期化を行う光ピックアップ装置の全体概略図である。ここで、光ディスクDKの初期化とは、相変化型の記録層において製造直後で非結晶状態にある記録層全体を結晶状態に相変化させて反射率の高い状態にする処理をいう。この光ピックアップ装置は、光ディスクDKの記録層を初期化するためのレーザ光を出射する2つのレーザ光源11,21を備えている。
レーザ光源11,21は、それぞれ半導体レーザで構成されており、図示しないコントローラにより制御されて光ディスクDKの記録層を初期化するための高い光強度(例えば、最大発光強度4W程度)のレーザ光を出射する。この場合、レーザ光源11,21からそれぞれ出射されるレーザ光は、主にS偏光の偏向方向を有するレーザ光である。S偏向の偏光方向を有するレーザ光とは、直線偏光のうち入射面に対して直交する方向に振動する光である。また、これらのレーザ光源11,21から出射されるレーザ光は、ニアフィールドパターンが略楕円形であるためファーフィールドパターンも略楕円形であって、光束の断面の中心を通る一方向の光強度分布がガウス分布であるレーザ光を出射する。
レーザ光源11と光ディスクDKとの間には、コリメートレンズ12、偏光ビームスプリッタ13、1/2波長板14、偏光ビームスプリッタ15、立上ミラー16、1/4波長板17および対物レンズ18が設けられている。コリメートレンズ12は、レーザ光源11から出射されたレーザ光(発散光)を平行光に変換する光学素子である。このコリメートレンズ12は、その光軸がレーザ光源11から出射されるレーザ光の光軸に一致するように配置されている。
偏光ビームスプリッタ13は、入射した光を偏光方向に応じて透過または反射させる偏光光学素子である。具体的には、コリメートレンズ12によって平行光に変換されたレーザ光(S偏光)の一部(大部分)を入射方向に直交する方向(図示左側)に反射させて1/2波長板14に導くとともに、他の一部を透過させてフォトディテクタ19に導く。また、偏光ビームスプリッタ13は、光ディスクDKからの反射光(P偏光))を透過させる。この偏光ビームスプリッタ13は、その中心位置がレーザ光源11から出射されるレーザ光の光軸に対して図示左側にずれて配置されている。フォトディテクタ19は、偏光ビームスプリッタ13を透過した前記一部のレーザ光を受光して、同受光光量に応じた電気信号を受光信号として出力する。この受光信号は、レーザ光源11から出力されるレーザ光の光量制御に用いられる。
1/2波長板14は、入射したレーザ光の偏光状態を変化させる光学素子であり、レーザ光源11から出射されたレーザ光の偏光方向(S偏光)を直交する偏光方向(P偏光)に変換して偏光ビームスプリッタ15に導く。この1/2波長板14は、レーザ光源11から出射されるレーザ光を透過させるとともに、後述する光ディスクDKからの反射光を透過させない位置に配置されている。すなわち、1/2波長板14の中心位置を光ディスクDKからの反射光の光軸とは反対側(図示上側)にずらして配置されている。偏光ビームスプリッタ15は、前記偏光ビームスプリッタ13と同様に、入射した光を偏光方向に応じて透過または反射させる偏光光学素子である。具体的には、1/2波長板14を透過したレーザ光(P偏光)を透過させて立上ミラー16に導くとともに、前記レーザ光源21から出射されたレーザ光(S偏光)を入射方向に直交する方向(図示左側)に反射させて立上ミラー16に導く。また、光ディスクDKからの反射光のうち、P偏光の反射光を透過させて偏光ビームスプリッタ13に導くとともに、S偏光の反射光を入射方向に直交する方向(図示下側)に反射させる。この偏光ビームスプリッタ15は、その中心位置がレーザ光源11から出射されるレーザ光の光軸に対して図示下側にずれて配置されているとともに、レーザ光源21から出射されるレーザ光の光軸に対して図示右側にずれて配置されている。
立上ミラー16は、入射したレーザ光を入射方向に直交する方向(図示上側)に反射する。この立上ミラー16は、ミラー面と対物レンズ18の光軸との交点にミラー面の中心が位置するように配置される。すなわち、立上ミラー16によって反射されるレーザ光源11,21からそれぞれ出射されたレーザ光の光軸は、対物レンズ18の光軸に対して図示左側にずれている。1/4波長板17は、入射したレーザ光の偏光状態を変化させる光学素子であり、立上ミラー16から導かれたレーザ光を直線偏光(S偏光またはP偏光)から円偏光に変換して対物レンズ18に導くとともに、光ディスクDKからの反射光を円偏光から直線偏光(P偏光またはS偏光)に変換して立上ミラー16に導く。この1/4波長板17は、その中心位置が対物レンズ18の光軸に一致するように配置される。対物レンズ18は、入射したレーザ光を光ディスクDKの記録層上に集光して光スポットを形成する。この場合、光ディスクDKの記録層上に形成される光スポットの形状はレーザ光のニアフィールドパターンが楕円形状であるため、光ディスクDKの径方向に長軸、円周方向に短軸となる楕円形状となる。
レーザ光源21から偏光ビームスプリッタ15までの光路には、コリメートレンズ22、偏光ビームスプリッタ23および1/2波長板24が設けられている。コリメートレンズ22は、前記コリメートレンズ12と同様に、レーザ光源21から出射されたレーザ光(発散光)を平行光に変換する光学素子である。このコリメートレンズ22は、その光軸がレーザ光源21から出射されるレーザ光の光軸に一致するように配置されている。
偏光ビームスプリッタ23は、前記偏光ビームスプリッタ13,15と同様に、入射した光を偏光方向に応じて透過または反射させる偏光光学素子である。具体的には、コリメートレンズ22によって平行光に変換されたレーザ光(S偏光)の一部(大部分)を入射方向に直交する方向(図示上側)に反射させて偏光ビームスプリッタ15に導くとともに、他の一部を透過させてフォトディテクタ25に導く。また、偏光ビームスプリッタ23は、光ディスクDKからの反射光(P偏光))を透過させて集光レンズ26に導く。この偏光ビームスプリッタ23は、その中心位置がレーザ光源21から出射されるレーザ光の光軸に対して図示下側にずれて配置されている。フォトディテクタ25は、前記フォトディテクタ19と同様に、偏光ビームスプリッタ23によって反射された前記一部のレーザ光を受光して、同受光光量に応じた電気信号を受光信号として出力する。この受光信号は、レーザ光源21から出力されるレーザ光の光量制御に用いられる。
1/2波長板24は、前記1/2波長板14と同様に、入射したレーザ光の偏光状態を変化させる光学素子である。この1/2波長板24は、光ディスクDKからの反射光を透過させるとともに、レーザ光源21から出射され偏光ビームスプリッタ23によって反射されたレーザ光を透過させない位置に配置されている。すなわち、1/2波長板24の中心位置をレーザ光源21から出射され偏光ビームスプリッタ23によって反射されたレーザ光の光軸とは反対側(図示右側)にずらして配置されている。したがって、1/2波長板24は、光ディスクからの反射光の偏光方向(S偏光)を直交する偏光方向(P偏光)に変換して偏光ビームスプリッタ23に導く。
集光レンズ26は、偏光ビームスプリッタ23を透過した反射光をビームスプリッタ27を介して所定の位置に集光させる。ビームスプリッタ27は、入射した反射光の一部を透過させるとともに、他の一部を入射した反射光と直交する方向(図示右側)に反射させる。これらの集光レンズ26の光軸およびビームスプリッタ27の中心位置は、偏光ビームスプリッタ23を透過する反射光の光軸に一致するように配置されている。ビームスプリッタ27を透過した反射光の光軸上には、フォトディテクタ28が設けられている。また、ビームスプリッタ27によって反射された反射光の光軸上には、フォトディテクタ29が設けられている。
これらのフォトディテクタ28,29は、それぞれビームスプリッタ27を介して集光される反射光の集光位置から光学的に前後等距離の位置にそれぞれ配置されている。具体的には、フォトディテクタ28は前記集光位置に対して光学的に前方に配置され、フォトディテクタ29は同集光位置に対して光学的に後方に配置されている。フォトディテクタ28,29は、ビームスプリッタ27を介して導かれる反射光をそれぞれ受光して、同受光光量に応じた電気信号を受光信号としてそれぞれ出力する。これらの各受光信号は、光ディスクDKの記録層上に形成される前記光スポットのSSD(spot size detection)法によるフォーカスサーボ制御に用いられる。なお、本第1実施形態においては図を省略したが、この光ピックアップ装置には、対物レンズ18を光ディスクDKに照射されるレーザ光の光軸方向に駆動させるためのフォーカスアクチュエータが設けられている。
このように構成された光ピックアップ装置を使用するに際しては、対物レンズ18の上方における所定の位置に光ディスクDKを配置して、光ピックアップ装置を備えた図示しない光ディスク初期化装置の電源を投入する。そして、作業者は、光ディスク初期化装置のコントローラを操作して光ディスクDKの初期化を指示する。この指示に応答して光ディスク初期化装置は、光ディスクDKを回転させるとともにレーザ光源11,21からレーザ光をそれぞれ出射させる。このレーザ光源11,21からのレーザ光の出射は、光ディスク初期化装置内の図示しない各レーザ駆動回路によって制御されており、光ディスクDKを初期化するための光強度の高い一定レベルのレーザ光が出射される。
レーザ光源11から出射されたレーザ光(S偏光)は、コリメートレンズ12によって平行光に変換された後、偏光ビームスプリッタ13および1/2波長板14を介して偏光ビームスプリッタ15に導かれる。この場合、偏光ビームスプリッタ13を透過した一部のレーザ光はフォトディテクタ19によって受光されレーザ光源11の光量制御に用いられる。また、1/2波長板14を透過したレーザ光は偏光方向がP偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ15に導かれる。一方、レーザ光源21から出射されたレーザ光(S偏光)は、コリメートレンズ22によって平行光に変換された後、偏光ビームスプリッタ23を介して偏光ビームスプリッタ15に導かれる。この場合、偏光ビームスプリッタ23を透過した一部のレーザ光はフォトディテクタ25によって受光されレーザ光源21の光量制御に用いられる。
偏光ビームスプリッタ15に導かれたレーザ光源11から出射されたレーザ光(P偏光)は透過し、偏光ビームスプリッタ15に導かれたレーザ光源21から出射されたレーザ光(S偏光)は反射して両レーザ光は合成され、共に立上ミラー16および1/4波長板17を介して対物レンズ18に入射する。この場合、両レーザ光の光軸の位置が対物レンズ18の瞳中心に対して図示左側にずれているため、両レーザ光は対物レンズ18の光軸に対して図示左側にずれて入射する。そして、両レーザ光は、対物レンズ18により光ディスクDK上にそれぞれ集光される。これにより、光強度の高い光スポットが光ディスクDKの記録層上に形成され光ディスクの初期化が行われる。
光ディスクDK上に集光された両レーザ光は、光ディスクDKによってそれぞれ反射され対物レンズ18、1/4波長板17および立上ミラー16を介して再び偏光ビームスプリッタ15に導かれる。この場合、前記両レーザ光が対物レンズ18の瞳中心に対して図示左側にずれた位置に入射しているため、光ディスクDKからの両反射光は対物レンズ18の光軸を中心軸として前記両レーザ光とは反対側に導かれる。このため、光ディスクDKからの両反射光は、前記両レーザ光とは異なる光路によって偏光ビームスプリッタ15に導かれる。また、偏光ビームスプリッタ15に導かれた両反射光は、1/4波長板17によりそれぞれ偏光方向が変換されている。具体的には、レーザ光源11から出射されたレーザ光に対応する反射光はS偏光に変換されるとともに、レーザ光源21から出射されたレーザ光に対応する反射光はP偏光に変換される。
偏光ビームスプリッタ15に導かれた両反射光のうち、S偏光の反射光、すなわちレーザ光源11から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ15によって反射され1/2波長板24を介して偏光ビームスプリッタ23に導かれる。この場合、1/2波長板24を透過した反射光は、偏光方向がS偏光からP偏光に変換される。一方、P偏光の反射光、すなわちレーザ光源21から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ15を透過して偏光ビームスプリッタ13に導かれる。偏光ビームスプリッタ23に導かれた反射光は、同偏光ビームスプリッタ23透過して集光レンズ26およびビームスプリッタ27を介してフォトディテクタ28,29に導かれる。フォトディテクタ28,29に導かれた各反射光は、それぞれ受光光量に応じた受光信号に変換されて対物レンズ18のフォーカスサーボ制御に用いられる。また、偏光ビームスプリッタ13に導かれた反射光(P偏光)は、同偏光ビームスプリッタ13を透過して光学系の外に導かれる。
すなわち、光ディスクDKからの両反射光のうち、レーザ光源11から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ15によってレーザ光源11から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から外されるとともに、偏光ビームスプリッタ23によってレーザ光源21から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から外される。また、レーザ光源21から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ15によってレーザ光源21から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から外されるとともに、偏光ビームスプリッタ13によってレーザ光源11から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路から外される。これらにより、レーザ光源11,21からそれぞれ出射された両レーザ光にそれぞれ対応する両反射光がレーザ光源11,21に導かれることがない。
上記作動説明からも理解できるように、上記第1実施形態によれば、レーザ光源11,21からそれぞれ出射される両レーザ光を対物レンズ18の瞳中心からずらしてそれぞれ入射させている。このため、対物レンズ18によって光ディスクDK上にそれぞれ集光された後、同光ディスクDKによってそれぞれ反射された両反射光は、対物レンズ18の光軸を中心軸として前記両レーザ光とは反対側に導かれる。すなわち、レーザ光源11,21からそれぞれ出射された両レーザ光と光ディスクDKからの両反射光とは、異なる光路となる。このため、両反射光がレーザ光源11,21から光ディスクDKに導かれるレーザ光の各経路の方向とは逆の方向でレーザ光源11,21に導かれる場合であっても、レーザ光源11,21内に導かれることはない。これにより、レーザ光源11,21にダメージを与えることがなくなり、レーザ光源11,21の性能の低下および寿命の到来を早めることがない。この結果、レーザ光源11,21のメンテナンスに関する工数および費用を低減させることができる。
また、上記第1実施形態によれば、レーザ光源11から出射されたレーザ光と経路を共通にするレーザ光源21から出射されたレーザ光に対応する反射光の経路中に、レーザ光源11から出射されたレーザ光の偏光方向を変化させる1/2波長板14を配置している。また、レーザ光源21から出射されたレーザ光と経路を共通にするレーザ光源11から出射されたレーザ光に対応する反射光の経路中に、同反射光の偏光方向を変化させる1/2波長板24を配置している。これにより、互いに経路が共通するレーザ光の偏光特性と反射光の偏光特性とを異ならせることができ、この偏光特性の違いを利用して光ディスクDKからの両反射光を偏光ビームスプリッタ13,23によって、レーザ光源11,21から光ディスクDKに導かれるレーザ光の各経路から外している。これにより、光ディスクDKからの両反射光がレーザ光源11,21に導かれること自体を阻止でき、両反射光がレーザ光源11,21内に導かれることをより確実に阻止することができる。
なお、上記第1実施形態においては、2つのレーザ光源11,21を備えた光ピックアップ装置について本発明を適用したが、これに限定されるものではない。すなわち、レーザ光源を3つ以上備えた光ピックアップ装置においても、同一波長のレーザ光を2つ以内にし、波長の異なるレーザ光の合成および分離にダイクロイックミラーを使用すれば上記第1実施形態と同様に本発明を適用することができる。これによっても、上記第1実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記第1実施形態において偏光ビームスプリッタ13,23は、レーザ光源11,21から出射されたレーザ光の一部をフォトディテクタ19,25にそれぞれ導くとともに、光ディスクDKからの各反射光をレーザ光源11,21から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外している。これらのうち、後者の機能(光ディスクDKからの各反射光をレーザ光源11,21から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外す機能)に関しては、レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに導かれる各レーザ光の光路と、光ディスクDKからの各反射光の光路とが異なる光路であれば必ずしも必要ではない。すなわち、光ディスクDKからの各反射光の光路が、レーザ光源11,21から出射され光ディスクDKに向かう各レーザ光の光路と異なる光路となるように構成すれば、少なくとも前記各反射光がレーザ光源11,21内に導かれることはない。これによっても、上記第1実施形態と同様な効果が期待できる。
また、上記第1実施形態においては、レーザ光源11,21からそれぞれ出射された両レーザ光を対物レンズ18の瞳中心からずらして入射させるために、対物レンズ18の光軸に対してレーザ光源11,21の光軸をずらして配置するように構成した。しかし、レーザ光源11,21から出射した両レーザ光を対物レンズ18の瞳中心に対してずらして入射させるように構成すれば、これに限定されるものではない。例えば、レーザ光の光路を変更させるレンズまたはプリズムなどの光学素子を対物レンズ18の前段に配置して、レーザ光源11,21からそれぞれ出射された両レーザ光を対物レンズ18の光軸からずらして入射させるようにしてもよい。これによっても、上記第1実施形態と同様の効果が期待できる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態に係るレーザ光照射装置について説明する。図2は、上記第1実施形態における光ピックアップ装置と同様に、光ディスクDKにレーザ光を照射して光ディスクDKの記録層の初期化を行う光ピックアップ装置を示している。この光ピックアップ装置は、上記第1実施形態におけるレーザ光源11,21と同様な2つのレーザ光源、すなわち、光ディスクDKの記録層を初期化するためのレーザ光を出射する2つのレーザ光源31,41を備えている。これらのレーザ光源31,41は、同レーザ光源31,41からそれぞれ出射された各レーザ光を光ディスクDKに導くための立上ミラー51の両側に互いに対向して配置されている。また、これらのレーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光の光軸は、互いに同一直線上にある。
以下、本発明の第2実施形態に係るレーザ光照射装置について説明する。図2は、上記第1実施形態における光ピックアップ装置と同様に、光ディスクDKにレーザ光を照射して光ディスクDKの記録層の初期化を行う光ピックアップ装置を示している。この光ピックアップ装置は、上記第1実施形態におけるレーザ光源11,21と同様な2つのレーザ光源、すなわち、光ディスクDKの記録層を初期化するためのレーザ光を出射する2つのレーザ光源31,41を備えている。これらのレーザ光源31,41は、同レーザ光源31,41からそれぞれ出射された各レーザ光を光ディスクDKに導くための立上ミラー51の両側に互いに対向して配置されている。また、これらのレーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光の光軸は、互いに同一直線上にある。
レーザ光源31と立上ミラー51との間には、コリメートレンズ32、1/2波長板33および偏光ビームスプリッタ34が設けられている。コリメートレンズ32は、レーザ光源31から出射されたレーザ光(発散光)を平行光に変換する。1/2波長板33は、レーザ光源31から出射されたレーザ光の偏光方向(S偏光)を直交する偏光方向(P偏光)に変換して偏光ビームスプリッタ34に導く。偏光ビームスプリッタ34は、1/2波長板33を介して導かれるレーザ光(P偏光)の一部(大部分)を透過させて立上ミラー51に導くとともに、他の一部を入射方向に直交する方向(図示上側)に反射させてフォトディテクタ35に導く。また、偏光ビームスプリッタ34は、光ディスクDKからの反射光(S偏光))を入射方向に直交する方向(図示下側)に反射させる。これらのコリメートレンズ32、1/2波長板33および偏光ビームスプリッタ34は、光軸および中心位置がレーザ光源31から出射されるレーザ光の光軸と一致するように配置されている。フォトディテクタ35は、偏光ビームスプリッタ34によって反射された前記一部のレーザ光を受光して、同受光光量に応じた電気信号を受光信号として出力する。この受光信号は、レーザ光源31から出力されるレーザ光の光量制御に用いられる。
レーザ光源41と立上ミラー51との間には、コリメートレンズ42、1/2波長板43および偏光ビームスプリッタ44が設けられている。コリメートレンズ42は、前記コリメートレンズ32と同様に、レーザ光源41から出射されたレーザ光(発散光)を平行光に変換する。1/2波長板43は、前記1/2波長板33と同様に、レーザ光源41から出射されたレーザ光の偏光方向(S偏光)を直交する偏光方向(P偏光)に変換して偏光ビームスプリッタ44に導く。偏光ビームスプリッタ44は、前記偏光ビームスプリッタ34と同様に、1/2波長板43を介して導かれるレーザ光(P偏光)の一部(大部分)を透過させて立上ミラー51に導くとともに、他の一部を入射方向に直交する方向(図示上側)に反射させてフォトディテクタ45に導く。また、偏光ビームスプリッタ44は、光ディスクDKからの反射光(S偏光))を入射方向に直交する方向(図示下側)に反射させ集光レンズ46に導く。これらのコリメートレンズ42、1/2波長板43および偏光ビームスプリッタ44は、光軸および中心位置がレーザ光源41から出射されるレーザ光の光軸と一致するように配置されている。また、このレーザ光源41の光軸とレーザ光源31の光軸は一致、すなわち同一直線上にある。フォトディテクタ45は、偏光ビームスプリッタ44によって反射された前記一部のレーザ光を受光して、同受光光量に応じた電気信号を受光信号として出力する。この受光信号は、レーザ光源41から出力されるレーザ光の光量制御に用いられる。
集光レンズ46は、偏光ビームスプリッタ44によって反射された反射光をビームスプリッタ47を介して所定の位置に集光させる。ビームスプリッタ47は、入射した反射光の一部を透過させてフォトディテクタ48に導くとともに、他の一部を入射した反射光と直交する方向(図示右側)に反射させてフォトディテクタ49に導く。これらの集光レンズ46およびビームスプリッタ47は、光軸および中心位置が偏光ビームスプリッタ44によって反射される反射光の光軸に一致するように配置されている。フォトディテクタ48,49は、上記第1実施形態におけるフォトディテクタ28,29と同様に、対物レンズ53のフォーカスサーボ制御に用いる受光信号をそれぞれ出力する。
立上ミラー51は、四角錘形状に形成されており、偏光ビームスプリッタ34を介して導かれるレーザ光源31から出射されたレーザ光を反射面51aにて入射方向に直交する方向(図示上側)に反射して1/4波長板52に導くとともに、偏光ビームスプリッタ44を介して導かれるレーザ光源41から出射されたレーザ光を反射面51bにて入射方向に直交する方向(図示上側)に反射して1/4波長板52に導く。この立上ミラー51は、その頂点が対物レンズ53の光軸上に位置するように配置されている。すなわち、レーザ光源31から出射されたレーザ光は、反射面51aによって光ディスクDKに向けて反射された後、光ディスクDKによって反射され反射面51bに導かれる。また、レーザ光源41から出射されたレーザ光は、反射面51bによって光ディスクDKに向けて反射された後、光ディスクDKによって反射され反射面51aに導かれる。1/4波長板52は、立上ミラー51から導かれたレーザ光を直線偏光(P偏光)から円偏光に変換して対物レンズ53に導くとともに、光ディスクDKからの反射光を円偏光から直線偏光(S偏光)に変換して立上ミラー51に導く。この1/4波長板52は、その中心位置が対物レンズ18の光軸に一致するように配置される。
対物レンズ53は、立上ミラー51を介してそれぞれ導かれるレーザ光源31,41からそれぞれ出射された各レーザ光を光ディスクDKの記録層上にそれぞれ集光して光スポットを形成する。この場合、光ディスクDKの記録層上に形成される光スポットの形状は、上記第1実施形態と同様に、レーザ光のニアフィールドパターンが楕円形状であるため、光ディスクDKの径方向に長軸、円周方向に短軸となる楕円形状となる。
このように構成された光ピックアップ装置を使用するに際しては、上記第1実施形態と同様に、対物レンズ53の上方における所定の位置に光ディスクDKを配置して、光ピックアップ装置を備えた図示しない光ディスク初期化装置の電源を投入する。そして、作業者は、光ディスク初期化装置のコントローラを操作して光ディスクDKの初期化を指示する。この指示に応答して光ディスク初期化装置は、光ディスクDKを回転させるとともにレーザ光源31,41からレーザ光をそれぞれ出射させる。
レーザ光源31から出射したレーザ光は、コリメートレンズ32、1/2波長板33、偏光ビームスプリッタ34、立上ミラー51および1/4波長板52を介して対物レンズ53に導かれる。この場合、立上ミラー51の頂点が対物レンズ53の光軸上に位置するように配置されているため、立上ミラー51によって対物レンズ53に導かれるレーザ光は、対物レンズ53の瞳中心に対して図示右側にずれて入射する。そして、対物レンズ53に入射したレーザ光は、光ディスクDKに集光された後、同光ディスクDKによって反射され対物レンズ53および1/4波長板52を介して再び立上ミラー51に導かれる。この場合、対物レンズ53に導かれる反射光は、対物レンズ53の光軸を中心軸として前記光ディスクに導かれるレーザ光とは反対側に導かれる。したがって、立上ミラー51に導かれる反射光は、レーザ光源31から出射されたレーザ光が導かれる立上ミラー51の反射面51aの反対側の反射面51bに導かれる。
立上ミラー51に導かれた反射光は、入射方向に直交する方向(図示左側)に反射されて偏光ビームスプリッタ44に導かれる。すなわち、レーザ光源31から出射され光ディスクDKによって反射された反射光は、レーザ光源41から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路の方向とは逆の方向から進むことにより偏光ビームスプリッタ44に導かれる。この場合、偏光ビームスプリッタ44に導かれた反射光は、1/4波長板52により偏光方向がS偏光に変換されているため、入射方向に直交する方向(図示下側)に反射されて集光レンズ46およびビームスプリッタ47を介してフォトディテクタ48,49に導かれる。フォトディテクタ48,49に導かれた各反射光は、それぞれ受光光量に応じた受光信号に変換され対物レンズ53のフォーカスサーボ制御に用いられる。
一方、レーザ光源41から出射したレーザ光は、コリメートレンズ42、1/2波長板43、偏光ビームスプリッタ44、立上ミラー51および1/4波長板52を介して対物レンズ53に導かれる。この場合、前記したように、立上ミラー51の頂点が対物レンズ53の光軸上に位置するように配置されているため、立上ミラー51によって対物レンズ53に導かれるレーザ光は、対物レンズ53の瞳中心に対して図示左側にずれて入射する。そして、対物レンズ53に入射したレーザ光は、光ディスクDKに集光された後、同光ディスクDKによって反射され対物レンズ53および1/4波長板52を介して再び立上ミラー51に導かれる。この場合、対物レンズ53に導かれる反射光は、対物レンズ53の光軸を中心軸として前記光ディスクに導かれるレーザ光とは反対側に導かれる。したがって、立上ミラー51に導かれる反射光は、レーザ光源41から出射されたレーザ光が導かれる立上ミラー51の反射面51bの反対側の反射面51aに導かれる。
立上ミラー51に導かれた反射光は、入射方向に直交する方向(図示右側)に反射されて偏光ビームスプリッタ34に導かれる。すなわち、レーザ光源41から出射され光ディスクDKによって反射された反射光は、レーザ光源31から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の経路の方向とは逆の方向から進むことにより偏光ビームスプリッタ34に導かれる。この場合、偏光ビームスプリッタ34に導かれた反射光は、1/4波長板52により偏光方向がS偏光に変換されているため、入射方向に直交する方向(図示下側)に反射されて光学系の外に導かれる。すなわち、光ディスクDKからの2つの反射光のうち、レーザ光源31から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ44によって光路が変更されることによりレーザ光源41から出射されたレーザ光が光ディスクDKに導かれる経路から外される。また、レーザ光源41から出射されたレーザ光に対応する反射光は、偏光ビームスプリッタ34によって光路が変更されることによりレーザ光源31から出射されたレーザ光が光ディスクDKに導かれる経路から外される。これらにより、レーザ光源31,41からそれぞれ出射された両レーザ光にそれぞれ対応する両反射光がレーザ光源31,41に導かれることがない。
上記作動説明からも理解できるように、上記第2実施形態によれば、レーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光を対物レンズ53の瞳中心からずらしてそれぞれ入射させている。このため、対物レンズ53によって光ディスクDK上にそれぞれ集光された後、同光ディスクDKによってそれぞれ反射された各反射光は、対物レンズ53の光軸を中心軸としてそれぞれ入射側とは反対側に導かれる。この場合、立上ミラー51の頂点が対物レンズ53の光軸上にあるため、光ディスクDKによって反射される各反射光は、それぞれ他方のレーザ光側に導かれる。すなわち、レーザ光源31,41からそれぞれ出射された各レーザ光と、同レーザ光に対応する光ディスクDKからの各反射光とは、異なる光路となる。このため、各反射光が同反射光に対応するレーザ光源31,41に導かれることはない。
また、各反射光は、1/2波長板33,43および1/4波長板52によって、各反射光が経路を共通にするレーザ光源31,41から出射されたレーザ光の偏光方向とは異なる偏光方向に変換される。具体的には、レーザ光源31、41からそれぞれ出射され光ディスクDKによって反射された各反射光の偏光方向はS偏光であり、レーザ光源31、41からそれぞれ出射され1/2波長板33,43を透過した各レーザ光の偏光方向はP偏光である。これにより、前記各反射光の光路を、偏光ビームスプリッタ34,44によって各レーザ光源31,41からそれぞれ出射され光ディスクDKに導かれる各レーザ光の経路から外すことができる。このため、各反射光が互いに他方の反射光に対応するレーザ光源31,41に導かれることがない。これにより、レーザ光源31,41にダメージを与えることがなくなり、レーザ光源31,41の性能の低下および寿命の到来を早めることがない。この結果、レーザ光源31,41のメンテナンスに関する工数および費用を低減させることができる。
なお、上記第2実施形態においては、2つのレーザ光源31,41を備えた光ピックアップ装置について本発明を適用したが、これに限定されるものではない。すなわち、レーザ光源を3つ以上備えた光ピックアップ装置においても、同一の波長のレーザ光を2つ以内にし、波長の異なるレーザ光の合成および分離にダイクロイックミラーを使用すれば上記第2実施形態と同様に本発明を適用することができる。
また、レーザ光の光束の断面形状が略円形状であれば、同一波長のレーザ光を出射するレーザ光源が3つ以上ある場合でも上記第2実施形態と同様に本発明を適用することができる。例えば、4つのレーザ光源を用いた光ピックアップ装置を図3に示す。図3は、光ディスクDK側から見た図であり、図2に示す光ピックアップ装置における光ディスクDK、1/4波長板52および対物レンズ53に相当する各部の図は省略されている。この場合、立上ミラー51は、四角錐状に形成されており、4方向からのレーザ光を反射面51a,51b,51c,51dとは反対側の面である反射面51b,51a,51d,51cで反射させる。レーザ光源31,41が出射するレーザ光の経路上に配置される各光学素子は上記第2実施形態と同様であり、レーザ光源61,71が出射するレーザ光の経路上に配置される各光学素子はフォーカスサーボ制御用の光学素子(集光レンズ46,ハーフミラー47、フォトディテクタ48,49)がない以外は上記第2実施形態と同様の構成である。これによれば、光ディスクDKかららの反射光の光路をレーザ光源31,41,61,71から出射したレーザ光の経路から外すことができる。これによっても、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記第2実施形態において偏光ビームスプリッタ34,44は、レーザ光源31,41から出射されたレーザ光の一部をフォトディテクタ35,45にそれぞれ導くとともに、光ディスクDKからの各反射光をレーザ光源31,41から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外している。これらのうち、後者の機能(光ディスクDKからの各反射光をレーザ光源31,41から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外す機能)に関しては、レーザ光源31,41から出射され光ディスクDKに導かれる各レーザ光の光路と、光ディスクDKからの各反射光の光路とが異なる光路であれば必ずしも必要ではない。すなわち、上記第2実施形態においては、レーザ光源31とレーザ光源41とを対向配置するとともに、レーザ光源31から出射されるレーザ光の光軸とレーザ光源41から出射されるレーザ光の光軸とが同一直線上になるように構成した。このため、レーザ光源31から出射され光ディスクDKによって反射された反射光が、レーザ光源41から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の光路を逆進してレーザ光源41に導かれる。また、レーザ光源41から出射され光ディスクDKによって反射された反射光が、レーザ光源31から出射され光ディスクDKに導かれるレーザ光の光路を逆進してレーザ光源31に導かれる。
したがって、少なくともこれらの各レーザ光源31,41の各光軸が互いに異なる直線上になるように構成すれば、光ディスクDKからの各反射光がレーザ光源31,41内にそれぞれ導かれることがなくなり、偏光ビームスプリッタ34,44における前記後者の機能は不要となる。図4は、レーザ光源31から出射されるレーザ光の光軸を図示上側にずらすとともに、レーザ光源41から出射されるレーザ光の光軸を図示下側にずらして、レーザ光源31,41の各光軸が互いに異なる直線上になるように構成した例を示している。これによれば、レーザ光源31から出射され光ディスクDKによって反射された反射光の光路と、レーザ光源41から出射され光ディスクDKによって反射された反射光の光路とが図示上下方向にそれぞれずれるため、各反射光が互いに他方のレーザ光源41,31内に導かれることがない。これによっても、上記第2実施形態と同様な効果が期待できる。
また、レーザ光の光束の断面形状が略円形状であれば、光ディスクDK側から見てレーザ光源から出射するレーザ光の光軸が互いに異なる直線上になるように構成することができる。図5は、レーザ光源31から出射されるレーザ光の光軸とレーザ光源41から出射されるレーザ光の光軸とが直交するように構成した例を示している。この図5は、光ディスクDK側から見た図であり、光ディスクDKおよび対物レンズ53の各図は省略している。この場合、立上ミラー51は四角錐状に形成されており、1/4波長板52は不要である。レーザ光源31から出射したレーザ光は、立上ミラー51の反射面51aによって光ディスクDKに導かれ、光ディスクDKからの反射光は反射面51bに導かれる。また、レーザ光源41から出射したレーザ光は、立上ミラー51の反射面51cによって光ディスクDKに導かれ、光ディスクDKからの反射光は反射面51dに導かれる。この場合、光ディスクDKによって反射された反射光を用いて対物レンズ53のフォーカスサーボ制御を行うため、反射面51bによって反射される反射光の光路上に集光レンズ46、ビームスプリッタ47およびフォトディテクタ48,49をそれぞれ設けている。これによっても、上記第2実施形態と同様な効果が期待できる。なお、これらの場合、偏光ビームスプリッタ34,44は、入射したレーザ光の一部をフォトディテクタ35,45に導くビームスプリッタで構成してもよい。その場合は、1/2波長板33,43を除いて構成することができる。
また、上記第2実施形態においては、光ディスクDKからの各反射光における偏光方向に応じて、各反射光をレーザ光源31,41から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外すように構成した。しかし、各反射光の特性に応じて各反射光をレーザ光源31,41から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外すことができれば、これに限定されるものではない。例えば、レーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光の波長を互いに異なる波長とし、波長の違いに応じて反射光を透過または反射させる光学素子(例えば、ダイクロイックミラー)を用いて、各反射光をレーザ光源31,41から光ディスクDKにレーザ光を導く経路から外すように構成してもよい。これによっても、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記第2実施形態においては、レーザ光源31,41からそれぞれ出射された各レーザ光が立上ミラー51の頂点側に照射されるように構成した。これは、対物レンズ53に入射するレーザ光と対物レンズ53から出射する反射光との間隔を対物レンズ53の大きさに対応したものとするためである。すなわち、対物レンズ53が小さい場合には、前記レーザ光と反射光との間隔は狭くする必要があるため、各レーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光を立上ミラー51の頂点付近により近い位置に照射しなければならない。しかし、対物レンズ53が大きい場合には、前記レーザ光と反射光との間隔は広くてもよいため、各レーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光を立上ミラー51の頂点付近から下側に照射するようにしてもよい。これによっても、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
なお、レーザ光源31,41からそれぞれ出射される各レーザ光を、立上ミラー51の頂点付近に照射した場合、各レーザ光の外縁部が立上ミラー51の反射面から外れて一方のレーザ光源から出射されたレーザ光が他方のレーザ光源に直接導かれることが考えられる。これを防ぐために図6に示すように、一方のレーザ光源31,41から出射されるレーザ光が互いに他方のレーザ光源41,31に直接導かれない程度に、互いの光軸を傾けるように構成してもよい。この場合、立上ミラー51の各反射面51a,51bに入射するレーザ光源31,41からそれぞれ出射されたレーザ光の光軸の入射角に応じて、各反射面51a,51bの角度を適宜設定する。これによっても、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
また、レーザ光の光束の断面形状が略円形状であれば、前記図5に示した光ピックアップ装置のように、レーザ光源31から出射されるレーザ光の光軸とレーザ光源41から出射されるレーザ光の光軸とが直交するように構成、すなわち、各レーザ光源31,41の各光軸が互いに異なる直線上になるように構成すれば、一方のレーザ光源から出射されたレーザ光が他方のレーザ光源に直接導かれることはない。これによっても、上記第2実施形態と同様の効果が期待できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1実施形態、第2実施形態およびこれらの変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態および第2実施形態においては、光ディスクDKを初期化する光ピックアップ装置について本発明を適用した例を説明したが、対象物体に対して直交する方向からレーザ光が照射される構成のレーザ光照射装置であれば、これに限定されるものではない。例えば、上記第1実施形態および第2実施形態における光ディスクの初期化用の光ピックアップ装置のほかに、光ディスクDKの所定の領域に光ディスクの識別情報を記録する識別情報記録用の光ピックアップ装置や、光ディスクDKの表面にレーザ加工によりピットや溝などを形成する光ピックアップ装置などに本発明を適用してもよい。また、これらの光ピックアップ装置のほかに、対象物体にレーザ光を照射して同対象物を加工するレーザ加工機に搭載されるレーザ光照射装置、ヒトや動物を治療・診断するためにヒトや動物にレーザ光を照射するレーザ光照射装置などにも本発明は広く適用できるものである。
DK…光ディスク、11,21…レーザ光源、12,22…コリメートレンズ、13,15,23…偏光ビームスプリッタ、14,24…1/2波長板、16…立上ミラー、17…1/4波長板、18…対物レンズ、19,25,28,29…フォトディテクタ、27…ビームスプリッタ
Claims (8)
- 対象物体に対してレーザ光を出射する複数のレーザ光源と、
前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光を対象物体上にそれぞれ集光する対物レンズとを備えたレーザ光照射装置において、
前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の光路と、同各レーザ光に対応する対象物体からの各反射光の各光路とがそれぞれ異なるように、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光を前記対物レンズに同対物レンズの瞳中心からずらして入射させることを特徴とするレーザ光照射装置。 - 請求項1に記載のレーザ光照射装置において、
対象物体からの前記各反射光の光路上に、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の経路から前記各反射光の光路を外す光路変更手段を設けたレーザ光照射装置。 - 請求項2に記載のレーザ光照射装置において、さらに、
対象物体からの前記各反射光の特性を、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の特性に対して異なる特性に変更する特性変更手段を設け、
前記光路変更手段は、前記特性変更手段により変更された特性に応じて前記各反射光の光路を、同各反射光と経路が共通する前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された各レーザ光の経路から外すレーザ光照射装置。 - 請求項3に記載のレーザ光照射装置において、
対象物体からの前記各反射光の特性は、同各反射光における偏光方向であり、
前記特性変更手段は、前記偏光方向を変更する光学素子であるレーザ光照射装置。 - 請求項3または請求項4に記載のレーザ光照射装置において、
前記特性変更手段は、前記複数のレーザ光源ごとに設けられるとともに、同複数のレーザ光源からそれぞれ出射される各レーザ光の光路上および同各レーザ光に対応する各反射光の光路上のうちの少なくともいずれか一方に配置されるレーザ光照射装置。 - 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載のレーザ光照射装置において、さらに、
前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射される各レーザを反射により前記対物レンズにそれぞれ導くミラーを備えたレーザ光照射装置。 - 請求項6に記載のレーザ光照射装置において、
前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射され前記ミラーにそれぞれ導かれる各レーザ光の光軸は、互いに異なる直線上にあるレーザ光照射装置。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1つに記載のレーザ光照射装置において、
対象物体は、光ディスクであるレーザ光照射装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114296055A (zh) * | 2021-12-03 | 2022-04-08 | 中国科学院西安光学精密机械研究所 | 一种紧凑型偏振激光光轴一致性的测量系统及测量方法 |
-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006112493A patent/JP2007287228A/ja active Pending
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