JP2007285623A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却負荷が小さい場合においてもボイラに供給される廃熱を有効利用することのできる冷却装置を提供する。
【解決手段】ボイラ4において加熱された作動流体を膨張させることにより回転動力を発生させる膨張機5を備えたので、エンジン1の廃熱を冷却に利用するとともに、冷却負荷が小さく廃熱が冷却に利用されない場合においても、膨張機5において回転動力を発生させることにより発電に利用することができ、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車両用の空調装置に適用され、エンジンの廃熱を冷房に利用可能な冷却装置に関するものである。
従来、この種の冷却装置としては、作動流体を圧送するポンプと、作動流体を加熱するボイラと、作動流体を放熱させる放熱器と、放熱器において放熱した作動流体の一部を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された作動流体を吸熱させる吸熱器と、ボイラにおいて加熱された作動流体を減圧して流通させることにより、吸熱器において吸熱した作動流体を吸引し、ボイラにおいて加熱された作動流体と吸熱器において吸熱した作動流体を混合して放熱器に流通させるエジェクタとを備え、例えばエンジン等の廃熱を空気調和装置の冷房や冷却装置に用いるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−207556号公報
しかしながら、従来の冷却装置では、冷却負荷が小さい場合に、ボイラに供給される廃熱の多くは、冷却に利用されることなく凝縮器から排出されるため、廃熱を有効に利用することができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却負荷が小さい場合においてもボイラに供給される廃熱を有効利用することのできる冷却装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、作動流体を圧送するポンプと、作動流体を加熱するボイラと、作動流体を放熱させる放熱器と、放熱器において放熱した作動流体の一部を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された作動流体を吸熱させる吸熱器と、ボイラにおいて加熱された作動流体を減圧して流通させることにより、吸熱器において吸熱した作動流体を吸引し、ボイラにおいて加熱された作動流体と吸熱器において吸熱した作動流体を混合して放熱器に流通させるエジェクタとを備えた冷却装置において、前記ボイラとエジェクタの間に設けられ、ボイラにおいて加熱された作動流体を膨張させることにより回転動力を発生させる膨張機を備えている。
これにより、ボイラにおいて加熱された作動流体によって回転動力を発生させることが可能となることから、ボイラに供給される廃熱が冷却に利用されるとともに、冷却負荷が小さく廃熱が冷却に利用されない場合においても、膨張機において回転動力として廃熱が利用される。
本発明によれば、ボイラに供給される廃熱を冷却に利用するとともに、冷却負荷が小さく廃熱が冷却に利用されない場合においても、膨張機において回転動力を発生させることにより廃熱を例えば発電に利用することができるので、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
図1乃至図2は本発明の第1の実施形態を示すもので、図1は冷却装置の概略構成図、図2はエジェクタの構造図である。
この冷却装置は、自動車の動力源となるエンジン1の廃熱を利用して車内の冷房または除湿等の空調を行うとともに、廃熱の熱エネルギーを運動エネルギーに変換して発電機2を運転するものである。
この冷却装置は、図1に示すように、作動流体を圧送するために設けられた電動モータ駆動のポンプ3と、ポンプ3から吐出された作動流体をエンジン1の廃熱によって加熱するためのボイラ4と、ボイラ4から流出する高温高圧の作動流体を膨張させることにより回転動力を発生させるための膨張機5と、作動流体を冷却して凝縮させるための放熱器としての凝縮器6と、凝縮器6において凝縮した作動流体の一部を減圧するための減圧手段としての膨張弁7と、膨張弁7によって減圧された作動流体を蒸発させるための吸熱器としての蒸発器8と、膨張機5から流出する作動流体を流通させることにより蒸発器8において蒸発した作動流体を吸引し、膨張機5から流出する作動流体と蒸発器8において蒸発した作動流体を混合して凝縮器6に流通させるエジェクタ9と、ポンプ3の吐出側とボイラ4の流入側を接続する配管10と、ボイラ4の流出側と膨張機5の流入側を接続する配管11と、膨張機5の流出側とエジェクタ9の流入側を接続する配管12と、エジェクタ9の流出側と凝縮器6の流入側を接続する配管13と、凝縮器6の流出側とポンプ3の吸入側を接続する配管14と、配管14と膨張弁7の流入側を接続する配管15と、膨張弁7の流出側と蒸発器8の流入側を接続する配管16と、蒸発器8の流出側とエジェクタ9の吸引側を接続する配管17とを備えている。また、ここで用いられる作動流体としては、フロン系冷媒、フロン系とヨウ素系の混合冷媒、アンモニア、二酸化炭素等の自然系冷媒が用いられる。
ボイラ4は、内部に放熱器4aを有する圧力容器からなり、ボイラ4に流入する作動流体が放熱器4aによって加熱されるようになっている。放熱器4aには、エンジン1を冷却するための冷却水が流通するようになっており、エンジン1と放熱器4aとの間で冷却水回路18が構成されている。冷却水回路18には、冷却水を循環させるために設けられた電動モータ駆動の冷却水ポンプ18aが設けられている。
膨張機5には、発電機2が連結されており、膨張機5において発生する回転力によって発電を行うようになっている。また、発電機2には、発電した電力を蓄えておくための蓄電池2aが接続され、蓄電池2aに蓄えられた電力がポンプ3や冷却水ポンプ18aに供給されるようになっている。
エジェクタ9は、ノズル部9aと、混合部9bと、ディフューザ部9cとを有している。ノズル部9aは、流入口9dから流入する高圧の作動流体を加速、減圧することにより吸引口9eから低圧の作動流体を吸引するようになっている。混合部9bは、流入口9dから流入する作動流体と吸引口9eから吸引された作動流体を混合して流通させるようになっている。ディフューザ部9cは、流路の断面積を徐々に拡大することにより、作動流体を減速、昇圧して流出口9fから流出するようになっている。
以上のように構成された冷却装置において、ポンプ3から吐出される作動流体は、ボイラ4においてエンジン1の廃熱を吸収した冷却水と熱交換することにより加熱され、高温高圧の状態となる。ボイラ4から流出した作動流体は、膨張機5に流入して膨張することにより回転動力を発生させる。膨張機5から流出した作動流体は、流入口9dからエジェクタ9に流入し、ノズル部9aにおいて加速、減圧されることにより、蒸発器8から流出する作動流体を吸引口9eから吸引して混合部9bにおいて混合し、ディフューザ部9cにおいて減速、昇圧して流出口9fから流出する。エジェクタ9から流出した作動流体は、凝縮器6に流入して冷却されて凝縮し、一部の作動流体が膨張弁7を介して蒸発器8に流入し、その他の作動流体がポンプ3に吸入される。また、蒸発器8に流入した作動流体は、吸熱して蒸発し、エジェクタ9の吸引口9eから吸引されて凝縮器6に流入する。
このとき、蒸発器8における冷却負荷が大きい場合には、凝縮器6から蒸発器8に流通する作動流体の流量が増加するため、ボイラ4に流入する作動流体の流量が減少する。これにより、膨張機5によって回収される回転動力が減少するため、発電量が減少する。また、蒸発器8における冷却負荷が小さい場合には、凝縮器6から流出して蒸発器8を流通する作動流体の流量が減少するため、ボイラ4に流入する作動流体の流量が増加する。これにより、膨張機5によって回収される回転動力が増加するため、発電量が増加する。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、ボイラ4において加熱された作動流体を膨張させることにより回転動力を発生させる膨張機5を備えたので、エンジン1の廃熱を冷却に利用するとともに、冷却負荷が小さく廃熱が冷却に利用されない場合においても、膨張機5において回転動力を発生させることにより発電に利用することができ、エネルギー効率の向上を図ることが可能となる。
図3及び図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、図3は冷却装置の概略構成図、図4はポンプの動作に関するフローチャートである。尚、前記第1の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
本実施形態の冷却装置は、ポンプ3の吐出側とボイラ4の流入側を接続する配管10に作動流体を貯蔵するためのタンク20が設けられている。タンク20は、タンク20内に貯蔵された作動流体の液面高さを検出可能なフロースイッチからなる貯蔵量検出手段としての液面センサ21を有している。
本実施形態で用いられるポンプ3は、モータの回転数を変化させることにより作動流体の吐出量が変更可能に設けられている。
また、本実施形態の冷却装置は、ポンプ3の運転制御を行うための制御部30を備え、制御部30にはポンプ3及び液面センサ21が接続されている。
以上のように構成された冷却装置において、ポンプ3から吐出される作動流体は、タンク20に流入した後にボイラ4に流入し、ボイラ4においてエンジン1の廃熱を吸収した冷却水と熱交換することにより加熱され、高温高圧の状態となる。ボイラ4から流出した作動流体は、前記第1の実施形態と同様に流通する。
このとき、ボイラ4には、タンク20内に貯えられた作動流体が流通するため、タンク20内に作動流体が貯えられていれば、ポンプ3の吐出量を少なくしても、確実にボイラ4に作動流体を流通させることが可能となる。
制御部30は、図4に示すように、液面センサ21によって検出された液面高さHが所定の第1の液面高さH1より高いと(ステップS1)、ポンプの作動流体吐出量を減少させる(ステップS2)。また、制御部30は、液面センサ21によって検出された液面高さHが所定の第2の液面高さH2(H1>H2)よりも低いと(ステップS3)、ポンプの作動流体吐出量を増加させる(ステップS4)。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、ポンプ3の吐出側とボイラ4の流入側とを接続する配管10に作動流体を貯蔵可能なタンク20を設けたので、ポンプ3の吐出量を少なくしても確実に作動流体をボイラ4に流通させることができ、ポンプ動力を低減することが可能となる。また、作動流体をタンク20に貯えることができ、蒸発器8における冷却負荷が変動する場合に、流通する作動流体の流量の変化に対応することが可能となる。
また、液面センサ21によって検出されたタンク20内の作動流体の液面高さに基づいてポンプ3の運転を制御するようにしたので、タンク20内に貯えられた作動流体の貯蔵量に応じてポンプ3の作動流体吐出量を変化させることができ、ポンプ動力を更に低減することが可能となる。
図5及び図6は本発明の第3の実施形態を示すもので、図5は冷却装置の概略構成図、図6はエジェクタの構造図である。尚、前記第1及び第2の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
この冷却装置は、第2の実施形態に示すタンク20に吸熱器22が設けられている。吸熱器22には、凝縮器6の流出側の配管14を流通する作動流体の一部を吸熱器22に流入させる配管23と、吸熱器22から流出する作動流体をエジェクタ9に吸引させるための配管24とが接続されている。また、配管23には、膨張弁25が設けられている。
エジェクタ9は、図6に示すように、蒸発器8から流出する作動流体が吸引される吸引口9eの他に、吸熱器22から流出する作動流体が吸引される吸引口9gが設けられている。
以上のように構成された冷却装置において、ポンプ3から吐出される作動流体は、第2の実施形態と同様に流通するとともに、凝縮器6から流出する作動流体一部が膨張弁25を介してタンク20に設けられた吸熱器22を流通し、エジェクタ9の吸引口9gから吸引される。これにより、吸熱器22を流通する作動流体は、タンク20内の作動流体と熱交換して蒸発し、タンク20内の作動流体は冷却される。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、タンク20内に設けられた吸熱器22と、凝縮器6から流出する作動流体の一部を膨張弁25を介して吸熱器22に流入させる配管23と、吸熱器22から流出する作動流体をエジェクタ9に吸引させるための配管24とを備えたので、タンク20内に貯えられた作動流体を冷却することができ、タンク20内に貯えられる作動流体の貯蔵量を増加させることが可能となる。
図7は本発明の第4の実施形態を示すもので、冷却装置の概略構成図である。尚、前記第1乃至第3の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
この冷却装置は、配管10及び配管11に一対のボイラ4が並列に接続されている。また、各ボイラ4の流入側には逆止弁4bが設けられ、各ボイラ4の流出側には開度可変の開閉弁4cが設けられている。
以上のように構成された冷却装置において、一対の開閉弁4cの一方を開放して他方を閉鎖した状態を交互に切換えながら前記第1の実施形態と同様に運転する。このとき、閉鎖された開閉弁4c側のボイラ4には、高温高圧の作動流体が貯えられる。これにより、作動流体が貯えられたボイラ4を膨張機5と連通させると、ボイラ4内の作動流体は、ボイラ4内の圧力によって吐出され、膨張機5において膨張することにより回転動力を発生させる。また、一対の開閉弁4cの開放及び閉鎖の切換は、所定時間毎に切換えてもよいし、ボイラ4内の圧力や温度を検出して切換えるようにしてもよい。更に、ボイラ4から吐出されて膨張機5に流入する作動流体の吐出圧力は、開閉弁4cの弁開度を調整することにより所定の吐出圧力に調整され、膨張機5において発生する回転動力の安定化を図ることが可能となる。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、配管10及び配管11に一対のボイラ4を並列に接続し、一対のボイラ4の流入側にそれぞれ設けられた逆止弁4bと、流出側にそれぞれ設けられた開閉弁4cとを備えたので、一対の開閉弁4cの一方を開放して他方を閉鎖して運転することにより、開閉弁4cを閉鎖した側のボイラ4に作動流体を貯え、開閉弁4cを開放したときにボイラ4から作動流体を吐出させることができ、作動流体の吐出圧力によって膨張機5を回転させることによりポンプ動力の低減を図ることが可能となる。
図8及び図9は本発明の第5の実施形態を示すもので、図8は冷却装置の概略構成図、図9はポンプ及び三方弁の動作に関するフローチャートである。尚、前記第1乃至第4の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
この冷却装置は、第4の実施形態の一対の開閉弁4cの代わりに、一対のボイラ4の流出側にそれぞれ設けられた一対の三方弁4dと、三方弁4dの流路を切換えることにより、各ボイラ4とエジェクタ9の吸引側を連通する配管26とを備えている。ここで用いられるエジェクタ9は、第3の実施形態に示す吸引口9gを有するエジェクタ9である。また、膨張機5の流入側の配管11には、配管11内の圧力を検出するための圧力検出器27と、膨張機5に流入する作動流体の圧力を所定の圧力とするための圧力調整弁28が設けられている。
また、制御部30には、ポンプ3、一対の三方弁4d及び圧力検知器27が接続されている。
以上のように構成された冷却装置において、一方のボイラ4を膨張機5側と連通させるときには、他方のボイラ4をエジェクタ9側と連通させる。また、一方のボイラ4をエジェクタ9側に連通させるときには、他方のボイラ4を膨張機5側と連通させる。このように、各ボイラ4の流出側を各三方弁4dによって切換えながら前記第1の実施形態と同様に運転する。このとき、エジェクタ9に吸引される作動流体の流量は、膨張機5に流入する作動流体の流量と比べて少ないため、エジェクタ9と連通するボイラ4には、高温高圧の作動流体が貯えられる。これにより、作動流体が貯えられたボイラ4を膨張機5と連通させると、ボイラ4内の作動流体は、ボイラ4内の圧力によって吐出され、膨張機5において膨張することにより回転動力を発生させる。また、ボイラ4から吐出されて膨張機5に流入する作動流体の吐出圧力は、圧力調整弁28によって所定の吐出圧力に調整される。
制御部30は、圧力検出器27の検出圧力Pが設定圧力P1より低くなると(ステップS11)、一対の三方弁4dのそれぞれの流路を切換える(ステップS12)。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、配管10及び配管11に一対のボイラ4を並列に接続し、一対のボイラ4の流入側にそれぞれ設けられた逆止弁4bと、一対のボイラ4の流出側のそれぞれに設けられ、流路を膨張機5側とエジェクタ9の吸引側に切換可能な三方弁4dとを備えたので、ボイラ4の一方を膨張機5に連通するとともに、他方のボイラ4をエジェクタ9の吸引側に連通して運転することにより、エジェクタ9の吸引側に連通するボイラ4に作動流体を貯えるとともに、三方弁4dを膨張機5側に切換えたときにボイラ4から作動流体を吐出させることができ、作動流体の吐出圧力によって膨張機5を回転させることによりポンプ動力の低減を図ることが可能となる。
また、一対のボイラ4のうち一方のボイラ4の流出側の流路を膨張機5側に設定するとともに、他方のボイラ4の流出側の流路をエジェクタ9側に設定した状態で、圧力検出器27の検出圧力Pが設定圧力P1よりも低くなると、膨張機5側に設定されているボイラ4の流出側の流路をエジェクタ9の吸引側に設定するとともに、エジェクタ9の吸引側に設定されているボイラ4の流出側の流路を膨張機5側に設定するようにしたので、各ボイラ4から吐出される作動流体の吐出圧力を安定化させることができ、膨張機5によって継続的に回転動力を発生させることが可能となる。
図10は本発明の第6の実施形態を示すもので、冷却装置の概略構成図である。尚、前記第1乃至第5の実施形態と同様の構成部分には同一の符号を付して示す。
この冷却装置は、前記第5の実施形態示す冷却装置の各ボイラ4内にモルデナイト等のゼオライトからなる吸着剤4eが封入されている。この吸着剤4eは、常温でボイラ4内の作動流体を吸着し、加熱されると吸着した作動流体を放出するようになっている。
以上のように構成された冷却装置において、前記第5の実施形態と同様に、各ボイラ4の流出側を各三方弁4dによって切換えながら運転する。このとき、膨張機5と連通するボイラ4に対応する冷却水回路18のポンプ18aを運転するとともに、エジェクタ9に連通するボイラ4に対応する冷却水回路18のポンプ18aを停止する。これにより、エジェクタ9と連通するボイラ4に流入する作動流体は、放熱器4aによって加熱されることなく吸着材4eに吸着してボイラ4内に貯えられる。これにより、作動流体が貯えられたボイラ4を膨張機5と連通させてポンプ18aを運転すると、ボイラ4内の作動流体は、加熱されて吸着剤4eから放出され、膨張機5において膨張することにより回転動力を発生させる。
このように、本実施形態の冷却装置によれば、各ボイラ4内に、作動流体を吸着するとともに、加熱することにより作動流体を放出可能な吸着剤4eを設けたので、エジェクタ9に連通するボイラ4に確実に作動流体を貯えることができ、膨張機5によって確実に回転動力を発生させることが可能となる。
尚、前記第1乃至第6の実施形態では、エジェクタ9の吸引力によって蒸発器8に作動流体を流通させるようにしたものを示したが、蒸発器8の流出側とエジェクタ9の吸引口9eの間の配管17に圧縮機を設け、圧縮機とエジェクタ9によって作動流体を圧送するようにしてもよい。この場合、蒸発器8を流通する作動流体の流量を増加させることができ、冷却負荷が大きい場合の対応が可能となる。
また、前記第4乃至第6の実施形態では、一対のボイラ4を互いに並列に配管10と配管11に接続するようにしたのもを示したが、3台以上のボイラ4を互いに並列に配管10と配管11に接続し、膨張機5を駆動させるボイラ4を一台ずつまたは複数台ずつ切換えるようにしてもよい。
本発明の第1の実施形態を示す冷却装置の概略構成図 エジェクタの構造図 本発明の第2の実施形態を示す冷却装置の概略構成図 ポンプの動作に関するフローチャート 本発明の第3の実施形態を示す冷却装置の概略構成図 エジェクタの構造図 本発明の第4の実施形態を示す冷却装置の概略構成図 本発明の第5の実施形態を示す冷却装置の概略構成図 ポンプ及び三方弁の動作に関するフローチャート 本発明の第6の実施形態を示す冷却装置の概略構成図。
符号の説明
3…ポンプ、4…ボイラ、4b…逆止弁、4c…開閉弁、4d…三方弁、4e…吸着剤、5…膨張機、6…凝縮器、7…膨張弁、8…蒸発器、9…エジェクタ、20…タンク、21…液面センサ、22…吸熱器、25…膨張弁、27…圧力検出器、30…制御部。

Claims (8)

  1. 作動流体を圧送するポンプと、作動流体を加熱するボイラと、作動流体を放熱させる放熱器と、放熱器において放熱した作動流体の一部を減圧する減圧手段と、減圧手段によって減圧された作動流体を吸熱させる吸熱器と、ボイラにおいて加熱された作動流体を減圧して流通させることにより、吸熱器において吸熱した作動流体を吸引し、ボイラにおいて加熱された作動流体と吸熱器において吸熱した作動流体を混合して放熱器に流通させるエジェクタとを備えた冷却装置において、
    前記ボイラとエジェクタの間に設けられ、ボイラにおいて加熱された作動流体を膨張させることにより回転動力を発生させる膨張機を備えた
    ことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記ボイラの作動流体流入側に、作動流体を貯蔵可能なタンクを設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記タンク内の作動流体の貯蔵量を検知可能な貯蔵量検出手段と、
    貯蔵量検知手段によって検出された作動流体の貯蔵量に基づいてポンプの運転状態を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項2記載の冷却装置。
  4. 前記放熱器において放熱した作動流体の一部を減圧し、減圧された作動流体をタンクに貯蔵された作動流体と熱交換させてエジェクタの吸引側に流通させる熱交換回路とを備えた
    ことを特徴とする請求項2または3記載の冷却装置。
  5. 前記ボイラを、互いに並列に設けられた複数のボイラから構成し、
    各ボイラの流入側の流路の作動流体の流通方向を一方に規制する逆止弁と、
    各ボイラの流出側の流路を開閉する開閉弁とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  6. 前記ボイラを、互いに並列に設けられた複数のボイラから構成し、
    各ボイラの流入側の流路の作動流体の流通方向を一方に規制する逆止弁と、
    各ボイラの流出側の流路を膨張機とエジェクタの吸引側とに切換可能な流路切換弁とを備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の蒸気憤死式冷凍装置。
  7. 前記各ボイラから膨張機に流入する作動流体の圧力を検出する圧力検出手段と、
    複数のボイラのうち一部のボイラの流出側の流路を膨張機側に設定するとともに、その他のボイラの流出側の流路をエジェクタの吸引側に設定した状態で、圧力検出手段の検出圧力が設定圧力よりも低くなると、膨張機側に設定されているボイラの流出側の流路をエジェクタの吸引側に設定するとともに、エジェクタの吸引側に設定されているボイラの流出側の流路のうち少なくとも一部の流路を膨張機側に設定する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項6記載の冷却装置。
  8. 前記各ボイラ内に、作動流体を吸着するとともに、加熱することにより作動流体を放出可能な吸着部材を設けた
    ことを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の冷却装置。
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