JP2007255771A - エジェクタ式サイクル - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却運転における能力と効率とを向上させる。
【解決手段】アキュームレータ24と室内熱交換器32との間に冷媒加圧ポンプ38を設け、アキュームレータ24内の液冷媒を、冷房用エジェクタ39の吸引作用と冷媒加圧ポンプ38の作動とによって室内熱交換器32へ供給するようにした。
これによれば、冷媒加圧ポンプ38と冷房用エジェクタ39の昇圧効果によって、コンプレッサ12の吸入圧力を上昇させることができ、冷却作用を発揮する室内熱交換器32への冷媒循環量を従来に比べて増大できるため、冷却能力を向上することができる。また冷房能力を同一とすれば、コンプレッサ12の回転数を低減できるため、システムの効率が向上することができる。
【選択図】図2
【解決手段】アキュームレータ24と室内熱交換器32との間に冷媒加圧ポンプ38を設け、アキュームレータ24内の液冷媒を、冷房用エジェクタ39の吸引作用と冷媒加圧ポンプ38の作動とによって室内熱交換器32へ供給するようにした。
これによれば、冷媒加圧ポンプ38と冷房用エジェクタ39の昇圧効果によって、コンプレッサ12の吸入圧力を上昇させることができ、冷却作用を発揮する室内熱交換器32への冷媒循環量を従来に比べて増大できるため、冷却能力を向上することができる。また冷房能力を同一とすれば、コンプレッサ12の回転数を低減できるため、システムの効率が向上することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、エジェクタ式サイクルに関するものである。
図10は、従来の蒸気圧縮式冷凍サイクルにおける低圧側排熱回収を説明するモリエル線図である。従来のエンジン駆動式空調装置などにおける暖房時の冷凍サイクルはヒートポンプサイクルであり、外気からの吸熱とエンジン排熱である冷却水の温水熱との二つの吸熱源を持っている。そして、図12に示すように、エンジン排熱を冷凍サイクルの低圧側で吸熱している。
図11は、下記特許文献1のガスヒートポンプ式冷凍装置における高圧側排熱回収を説明するモリエル線図である。上記従来に対し、下記特許文献1では、冷媒加圧ポンプ38を用いて高圧側でエンジン排熱を回収している。これにより低圧側では外気からの吸熱のみになるため、低圧を下げて外気吸熱を増加させることができることより暖房能力が向上する。また、同一能力で考えれば圧縮機の動力を低減できるため、省動力効果が得られる。なお、図10、図11中に付した符号は、後述する本発明の実施形態と対応するものである。
特開平3−105174号公報
しかしながら、上記した従来技術はいずれも暖房などの加熱運転時の能力向上や動力低減効果であり、冷房などの冷却運転時には全く効果が得られないという問題点がある。また、冷媒加圧ポンプは加熱運転時での使用に限定されて冷却運転時には全く使用されないため、他の機能部品と比較して高価であるにもかかわらず、加熱運転時の使用のみではコストに対する効果が低くなってしまうという問題点がある。
また、エンジン駆動式の空調装置では、ビルなどに設置する場合、一般に室外機を地上または屋上に設置し、室内機はビルの各階に設置される。この場合、室外機から室内機までの配管長が100m以上、室外機と室内機との高低差が数十mとなる場合もある。特に室外機が下方、室内機が上方に設置される場合、室外機内にあるエジェクタの吸引作用だけでアキュームレータ内の液冷媒を室内機まで持ち上げることが非常に難しくなるという問題点がある。
また従来、冷却運転時は室内機の膨張弁で高圧液冷媒を減圧しており、膨張弁の代わりにエジェクタを用いようとすると、室内機を新規設計する必要がある。1台の室外機に対して複数機種の室内機を接続することがあり、室内機は多くの機種が存在している。そのため、このような室内機の新規設計は多機種に及ぶためコスト的に不利になるという問題点がある。
本発明は、これら従来の問題点に鑑みて成されたものであり、その第1の目的は、冷却運転においても能力と効率とを向上させること、第2の目的は、配管長や高低差によらずにエジェクタを用いた冷却運転を可能とすること、第3の目的は、室内機の新規設計を必要としないことのできるエジェクタ式サイクルを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷媒を圧縮する圧縮機(12)と、
圧縮機(12)から吐出される冷媒と外部流体とを熱交換させる第1熱交換器(22)と、
第1熱交換器(22)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに冷媒を吸引する冷却モード用エジェクタ(39)と、
冷却モード用エジェクタ(39)から吐出される冷媒を気液分離する低圧側気液分離器(24)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成る冷凍サイクルに、
一端が低圧側気液分離器(24)に連結され、他端が冷却モード用エジェクタ(39)の吸引部(39b)に連結された第2熱交換器(32)を付設して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
低圧側気液分離器(24)と第2熱交換器(32)との間に冷媒加圧ポンプ(38)を設け、低圧側気液分離器(24)内の液冷媒を、冷却モード用エジェクタ(39)の吸引作用と冷媒加圧ポンプ(38)の作動とによって第2熱交換器(32)へ供給することを特徴としている。
圧縮機(12)から吐出される冷媒と外部流体とを熱交換させる第1熱交換器(22)と、
第1熱交換器(22)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに冷媒を吸引する冷却モード用エジェクタ(39)と、
冷却モード用エジェクタ(39)から吐出される冷媒を気液分離する低圧側気液分離器(24)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成る冷凍サイクルに、
一端が低圧側気液分離器(24)に連結され、他端が冷却モード用エジェクタ(39)の吸引部(39b)に連結された第2熱交換器(32)を付設して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
低圧側気液分離器(24)と第2熱交換器(32)との間に冷媒加圧ポンプ(38)を設け、低圧側気液分離器(24)内の液冷媒を、冷却モード用エジェクタ(39)の吸引作用と冷媒加圧ポンプ(38)の作動とによって第2熱交換器(32)へ供給することを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、冷媒加圧ポンプ(38)と冷却モード用エジェクタ(39)の昇圧効果によって、圧縮機(12)の吸入圧力を上昇させることができ、冷却作用を発揮する第2熱交換器(32)への冷媒循環量を従来に比べて増大できるため、冷却能力を向上することができる。また冷房能力を同一とすれば、圧縮機(12)の回転数を低減できるため、システムの効率が向上することができる。
また、このように冷媒加圧ポンプ(38)で低圧側気液分離器(24)内の液冷媒を第2熱交換器(32)に送り込んで冷却モード用エジェクタ(39)の吸引作用をアシストすることで、配管長や高低差によらず、冷却モード用エジェクタ(39)を用いた冷却運転が可能となる。
また本発明は、室外機(10)に冷却モード用エジェクタ(39)を搭載したため、室内機(30)は新規設計することなく従来のままで良く、室内機(30)にエジェクタを搭載するよりも大幅なコストダウンをすることができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のエジェクタ式サイクルにおいて、第1熱源としての圧縮機(12)と、
圧縮機(12)から吐出される冷媒と被加熱流体とを熱交換させて被加熱流体を加熱する第2熱交換器(32)と、
第2熱交換器(32)から流出する冷媒を気液分離する高圧側気液分離器(16)と、
高圧側気液分離器(16)から流出する液冷媒を減圧膨張させる絞り手段(21)と、
絞り手段(21)から流出する冷媒と外部流体とを熱交換させる第1熱交換器(22)と、
高圧側気液分離器(16)内の液冷媒の一部を、第2熱源(11)の熱で加熱して第2熱交換器(32)へ供給する副回路(34)と、
副回路(34)中に設けられて液冷媒を圧送する熱源補助用ポンプ(38)と、
副回路(34)中に設けられて第2熱源(11)からの加熱流体によって冷媒を間接加熱して蒸発させる冷媒加熱器(29)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
冷媒加圧ポンプ(38)と熱源補助用ポンプ(38)とを共用していることを特徴としている。
圧縮機(12)から吐出される冷媒と被加熱流体とを熱交換させて被加熱流体を加熱する第2熱交換器(32)と、
第2熱交換器(32)から流出する冷媒を気液分離する高圧側気液分離器(16)と、
高圧側気液分離器(16)から流出する液冷媒を減圧膨張させる絞り手段(21)と、
絞り手段(21)から流出する冷媒と外部流体とを熱交換させる第1熱交換器(22)と、
高圧側気液分離器(16)内の液冷媒の一部を、第2熱源(11)の熱で加熱して第2熱交換器(32)へ供給する副回路(34)と、
副回路(34)中に設けられて液冷媒を圧送する熱源補助用ポンプ(38)と、
副回路(34)中に設けられて第2熱源(11)からの加熱流体によって冷媒を間接加熱して蒸発させる冷媒加熱器(29)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
冷媒加圧ポンプ(38)と熱源補助用ポンプ(38)とを共用していることを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、冷却運転時の能力向上や動力低減効果を生む冷媒加圧ポンプ(38)は、加熱運転時には熱源補助用ポンプ(38)として使用できるため、他の機能部品と比較して高価であったとしてもコストに対して大きな効果を得ることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載のエジェクタ式サイクルにおいて、圧縮機(12)、第2熱交換器(32)と、
第2熱交換器(32)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに、冷媒を吸引する加熱モード用エジェクタ(17)と、
加熱モード用エジェクタ(17)から吐出される冷媒を蒸発させる第3熱交換器(19)と、
圧縮機(12)、第2熱交換器(32)、加熱モード用エジェクタ(17)、第3熱交換器(19)を含む環状の主冷媒流路(R)から分岐して設けられ、冷媒を加熱モード用エジェクタ(17)に導き吸引させる分岐流路(20)とを設け、
第1熱交換器(22)を分岐流路(20)に配置して冷媒を蒸発させることを特徴としている。
第2熱交換器(32)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに、冷媒を吸引する加熱モード用エジェクタ(17)と、
加熱モード用エジェクタ(17)から吐出される冷媒を蒸発させる第3熱交換器(19)と、
圧縮機(12)、第2熱交換器(32)、加熱モード用エジェクタ(17)、第3熱交換器(19)を含む環状の主冷媒流路(R)から分岐して設けられ、冷媒を加熱モード用エジェクタ(17)に導き吸引させる分岐流路(20)とを設け、
第1熱交換器(22)を分岐流路(20)に配置して冷媒を蒸発させることを特徴としている。
この請求項3に記載の発明によれば、加熱運転時、加熱モード用エジェクタ(17)の昇圧効果によって、圧縮機(12)の吸入圧力が過度に低下することがない。また、圧縮機(12)の吸入圧力が高い状態でも、室外熱交換器である第1熱交換器(22)は低い蒸発温度で外気から吸熱できるので、充分な外気吸熱量を確保することができる。
以上の効果で圧縮機(12)の吸入圧力を上昇させることができ、冷媒循環量を前記特許文献1に比べて増大させることができる。また、圧縮機(12)の吸入圧力を上昇させても、第1熱交換器(22)は低圧に保てることから、外気との温度差を確保でき、外気吸熱量が低下することもない。
また、上記の効果に加えて、冷媒循環量が増えることから、圧縮機動力が増大する。すると駆動するエンジン(11)の負荷が増大するので、温水排熱量も増大する。よって、冷凍サイクルに回収する排熱量も増大する。上記のように外気吸熱増とエンジン排熱量の増大の相乗効果で暖房能力が増大する。
一方、暖房能力が増大した分を、圧縮機回転数の低減で同一能力まで落として比較した場合には、低圧が上昇した点でバランスするため、圧縮機(12)の圧縮比を低減できる。圧縮機回転数低減と圧縮比低減の効果で圧縮機(12)の断熱圧縮効率が上昇し、システムの効率が向上する。ちなみに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態(請求項1、2の適用例)につき添付した図1ないし図5に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるエジェクタ式サイクルの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図2は、図1のエジェクタ式サイクルの全体構成を示す模式図であり、いずれも冷房(冷却)運転モードの状態を示す。
以下、本発明の第1実施形態(請求項1、2の適用例)につき添付した図1ないし図5に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態におけるエジェクタ式サイクルの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図2は、図1のエジェクタ式サイクルの全体構成を示す模式図であり、いずれも冷房(冷却)運転モードの状態を示す。
なお、本実施形態は、本発明のエジェクタ式サイクルをエンジン駆動式のヒートポンプ式空調装置に適用したものとして説明する。本ヒートポンプ式空調装置は、固定設置型の空調装置として用いられ、大別すると室外機10と室内機30とから成り、室内を冷暖房することができる。まず、全体の構成を説明する。11は、ガソリン、軽油、灯油、ガス、水素など、燃料を限定しない水冷式のエンジンである。
このエンジン11からVベルトなどによってコンプレッサ(本発明で言う圧縮機)12へ駆動力を伝達してコンプレッサ12を駆動させる。コンプレッサ12は、冷媒を圧縮する開放型のコンプレッサであり、後述する暖房(加熱)運転モードでの本発明で言う第1熱源となる。また、駆動しているエンジン11は、本発明で言う第2熱源となる。
なお、エンジン11はタービンなどであっても良いし、エンジン11でのコンプレッサ12の駆動もベルト駆動に限らず、直結駆動であっても良い。また、コンプレッサ12は可変容量型であっても固定容量であっても良いし、斜板式やスクロール式など形式はどのようなものであっても良い。以下、図2に示す冷房運転モードでの冷媒流れ(図2中の矢印)に従って構成を説明する。
13は、コンプレッサ12から吐出された冷媒からコンプレッサオイルを分離するオイルセパレータであり、13aは、分離されたコンプレッサオイルをコンプレッサ12の吸入側に戻すオイル戻し管である。このオイル戻し管13aは、コンプレッサオイルを減圧して戻すために細いキャピラリーチューブなどを用いている。
14は、冷房時と暖房時とで冷媒の流れ方向を切り換える流路切り換え手段としての第1四方弁である。22は、冷房時に冷媒放熱器として働き、且つ暖房時に冷媒蒸発器として働く室外熱交換器(本発明で言う第1熱交換器)である。23は、その室外熱交換器22に熱交換用の外部流体としての外気を送風させる室外送風機である。
21は、暖房時に冷媒の減圧を行う絞り手段と、冷媒の流量調節手段となる室外膨張弁であり、冷房時は全開としている。16は、凝縮された冷媒を気液分離して液冷媒を溜めるレシーバ(本発明で言う高圧側気液分離器)である。レシーバ16から流出する液冷媒は、冷房時と暖房時とで冷媒の流れ方向を切り換える流路切り換え手段としての第2四方弁35を通って冷房用エジェクタ(本発明で言う冷却モード用エジェクタ)39に流入する。
ここで図3は、エジェクタ39の概要構造を示す縦断面図である。なお、後述する本発明の第2実施形態で構成する暖房用エジェクタ17も同様の構造である。エジェクタ39には、レシーバ16から流入する高圧液冷媒を絞り込む通路面積の小さいノズル部39aと、ノズル部39aの冷媒噴出口と同一空間に配置され、後述する室内熱交換器32からの気相冷媒を吸引する吸引部(気相冷媒吸引部)39bが備えられている。
ノズル部39a内には、その噴出口の開度を制御するためのニードル弁40aが、噴出口と同軸上に配置されており、アクチュエータ40bにより、その軸方向に移動可能なように配置されている。さらに、ノズル部39aの下流側には、吸引部39bから流入した冷媒とノズル部39aより噴出した冷媒とを混合する混合部39cと、冷媒の通路面積を徐々に大きして冷媒を昇圧させるディフューザ部(昇圧部)39dとが配置されている。
エジェクタ39は、ノズル部39aの大径側に連通する第1接続部と、ノズル部39aからの噴流の下流側に位置し、エジェクタ39のディフーザ部39dに連通する第2接続部と、ノズル部39aの小径側の周囲に形成された吸引空間に連通する第3接続部とを有する。
本実施形態では、第2接続部と第3接続部とにおける冷媒流れ方向は、冷房運転モードと暖房運転モードにおいて同一である。冷房運転モード、暖房運転モードともに、第2接続部は出口となり、第3接続部は吸引口または入口となる。冷房運転モードにおいては、エジェクタ39には、そのノズル部39aに大径側から小径側へ向かう順方向に冷媒が流され、吸引口としての第3接続部から出口としての第2接続部へ向かう冷媒流れを生成する。
この結果、吸引口から出口へ冷媒を流す流路を提供するだけでなく、積極的に吸引口から冷媒を吸引して出口へ流す。一方、暖房運転モードにおいては、エジェクタ39には、そのノズル部39aに冷媒が供給されない。この結果、エジェクタ39は、吸引口から出口へ向けて冷媒を流す流路を提供するに留まる。
ニードル弁40aとアクチュエータ40bとは、後述する制御装置50からの出力で作動する可変絞り機構40を構成しており、エジェクタ39の駆動流の絞り手段および冷媒流量調節手段となっている。なお、この可変絞り機構40は、電気式膨張弁などを用いた構成であっても良い。冷房用エジェクタ39のディフューザ部39dから流出した冷媒は、アキュームレータ(本発明で言う低圧側気液分離器)24に流入する。
アキュームレータ24は、冷房用エジェクタ39から吐出された冷媒を気液に分離し、液冷媒を溜めるとともに、ガス冷媒だけをコンプレッサ12へ導出するものである。アキュームレ−タ24を介してコンプレッサ12に吸入された冷媒は、圧縮されて再び冷媒流路を循環する。
一方、アキュームレータ24に溜められた液冷媒は、冷房用エジェクタ39の吸引作用によって吸い出され、第2四方弁35を通って室内機30内の室内熱交換器(本発明で言う第2熱交換器)32に供給される。室内熱交換器32は、冷房時に冷媒蒸発器として働き、且つ暖房時に冷媒放熱器として働く熱交換器である。
このとき、本実施形態での特徴構成として、第2四方弁35からの冷媒加圧供給回路(本発明で言う副回路)34に液冷媒を圧送する冷媒加圧ポンプ38と、その加圧した冷媒の供給先を切り換える三方弁37とを設けている。この冷媒加圧供給回路34は、後述する暖房運転モード時には三方弁37が冷媒加熱器29側へ切り換えられ、冷媒加熱器29を介して加熱され蒸発したガス冷媒を、図5中のa点でコンプレッサ12からのガス冷媒に混合させて室内熱交換器32に供給するようになっている。
ちなみに冷媒加熱器29は、暖房時にエンジン排熱を回収した温水(エンジン冷却水)で液冷媒を間接加熱して蒸発させる熱交換器である。形態は低圧損のプレート式熱交換器であっても良いし、2重管熱交換器やシェルアンドチューブ式の熱交換器を使用しても良い。
よって、冷房運転モード時の冷媒加圧ポンプ38は、暖房運転モード時にも熱源補助用ポンプ38として働くこととなる。また、図1中の15は電磁弁であり、室内熱交換器32からレシーバ16へ向かう冷媒流路を、冷房運転モード時には遮断し、暖房運転モード時には連通させるようになっている。
室内機30内において31は、冷房時に冷媒を減圧し、暖房時には全開となる減圧手段としての室内膨張弁であり、33は室内熱交換器32に被加熱流体としての室内空気を通風させる室内送風機である。これらの室内膨張弁31、室内熱交換器32、室内送風機33は室内機30を構成して室内(屋内)の適所に設置される。
なお、図1では室内機30を2台接続しているが、1台であっても良いし、3台以上の複数台であっても良い。室内機30以外のものは室外機10に構成しており、室外(屋外)の適所に設置され、冷媒配管によって接続されている。ちなみに図1中の10aは液管ストップバルブ、10bはガス管ストップバルブであり、施工時や修理時などに室内機30と室外機10とを分離するためのものである。
次に、後述の暖房運転モードで使用する冷媒加熱回路の構成について説明する。エンジン11は、エンジン11を冷却するための冷却水が循環する冷却水回路Cを有している。ここで冷却水回路Cとして、冷却水の循環手段である冷却水ポンプ25から押し出された冷却水は、エンジン11の図示しないウォータージャケットを通り、冷却水出口からホースによって流路切換手段としての三方弁27に至る。
そして、この三方弁27により、ラジエ−タ28を通って冷却水ポンプ25に戻る回路(回路1)と、冷媒加熱器29内の温水冷媒加熱器29bを通って冷却水ポンプ25に戻る回路(回路2)とが切り換えられる。ラジエータ28は、冷房運転モード時などに温水排熱を外気に放熱するものである。
そして、冷房時には主に前者の回路1を、暖房時には主に後者の回路2を冷却水が流れるように三方弁27が制御されるようになっている。なお、図1中の26は、冷却水が低温の時は回路を短絡してエンジン11側だけを流し、水温が上昇すると三方弁27側に回路を開くサーモ弁である。
本実施形態のヒートポンプ式空調装置は、上記した要素にて構成されている。そして50は、これらの室外機10および室内機30の運転制御を行う電子回路などからなる制御手段としての空調制御装置であり、図示しないセンサなどからの入力を受けると共に、エンジン11、コンプレッサ12、第1四方弁14、電磁弁15、室外膨張弁21、室外送風機23、冷却水ポンプ25、三方弁27、室内膨張弁31、室内送風機33、第2四方弁35、三方弁37、冷媒加圧ポンプ38、可変絞り機構40などに作動信号を出力するようになっている。
次に、上記構成のエジェクタ式サイクルの作動について説明する。先ずヒートポンプ式空調装置としての作動について述べるが、その作動は公知であるため簡単に述べる。
冷房運転モード
図示しない操作パネルの冷房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が冷房側(図2での実線側)に切り換えられ、冷媒は図2中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、室外熱交換器22で放熱凝縮され、凝縮した冷媒は室外膨張弁21を通過してレシーバ16にて気液分離される。レシーバ16から流出する液冷媒は四方弁35を通過後、可変絞り機構40を通り、冷房用エジェクタ39に駆動流として流入する。
図示しない操作パネルの冷房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が冷房側(図2での実線側)に切り換えられ、冷媒は図2中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、室外熱交換器22で放熱凝縮され、凝縮した冷媒は室外膨張弁21を通過してレシーバ16にて気液分離される。レシーバ16から流出する液冷媒は四方弁35を通過後、可変絞り機構40を通り、冷房用エジェクタ39に駆動流として流入する。
一方、アキュームレータ24内の液冷媒は、冷房用エジェクタ39の吸引効果によって吸引され、第2四方弁35と冷媒加圧ポンプ38を通り、三方弁37から室内熱交換器32に供給される。このとき、冷媒加圧ポンプ38を運転することにより、冷房用エジェクタ39の吸引作用をアシストして室内熱交換器32へ充分な冷媒流量を供給することができる。ちなみに、このとき電磁弁15側の冷媒流路は全閉としておく。もしくは、電磁弁の代わりに電動弁を用いてレシーバ16から室内熱交換器32へ流入する冷媒流量を制御しても良い。
そして室内膨張弁31で減圧され、室内熱交換器32で室内への空調風から吸熱(冷却)して蒸発した冷媒は、第1四方弁14を通過後、冷房用エジェクタ39の吸引流となって駆動流と混合する。混合した冷媒は、冷房用エジェクタ39のディフューザ部39dにて昇圧した後、アキュームレータ24に流入して気液分離される。アキュームレータ24からのガス冷媒はコンプレッサ12に吸引され、アキュームレータ24からの液冷媒は冷媒加圧ポンプ38側に吸引されることで本冷媒循環が繰り返される。
暖房運転モード
図4は、図2のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図5は、図2のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの状態を示す模式図である。図示しない操作パネルの暖房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が暖房側(実線)に切り換えられ、冷媒は図5中の矢印の様に流れる。
図4は、図2のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図5は、図2のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの状態を示す模式図である。図示しない操作パネルの暖房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が暖房側(実線)に切り換えられ、冷媒は図5中の矢印の様に流れる。
すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、室内熱交換器32で放熱凝縮し、暖房を行う。室内熱交換器32を出た高圧の液冷媒は、室内膨張弁31と電磁弁15とを通過し、レシーバ16にて気液分離される。
レシーバ16内の液冷媒の一部は、熱源補助用ポンプとしての冷媒加圧ポンプ38に吸引されて流出し、第2四方弁35を通り冷媒加圧ポンプ38で加圧され、三方弁37から冷媒加熱器29に供給される。このとき、冷却水回路Cは前述した回路2側に切り換えられるが、冷却水回路C側の作動の説明は省略する。そして、エンジン温水との熱交換で蒸発したガス冷媒は、a点にてコンプレッサ12からの吐出ガスと合流して再び室内熱交換器32に供給される。
一方、レシーバ16からの液冷媒は分岐し、他部は室外膨張弁21で減圧され、室外熱交換器22に流入して蒸発し、外気から吸熱する。その後第1四方弁14を通り、冷房用エジェクタ39を吸引部39bからディフューザ部39dへと通過した後、アキュームレータ24に流入して気液分離される。アキュームレータ24からはガス冷媒がコンプレッサ12に吸引されて本冷媒循環が繰り返される。
なお、暖房運転モードでは冷房用エジェクタ39の可変絞り機構40を全閉としている。但し、このノズル部39aへ流れる冷媒流れを遮断する構成は、可変ノズル機構40を全閉する以外に、ノズル部39aの冷媒流れ上流側に開閉手段を設ける構成としても良い。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。まず、アキュームレータ24と室内熱交換器32との間に冷媒加圧ポンプ38を設け、アキュームレータ24内の液冷媒を、冷房用エジェクタ39の吸引作用と冷媒加圧ポンプ38の作動とによって室内熱交換器32へ供給するようにしている。
これによれば、冷媒加圧ポンプ38と冷房用エジェクタ39の昇圧効果によって、コンプレッサ12の吸入圧力を上昇させることができ、冷却作用を発揮する室内熱交換器32への冷媒循環量を従来に比べて増大できるため、冷却能力を向上することができる。また冷房能力を同一とすれば、コンプレッサ12の回転数を低減できるため、システムの効率が向上することができる。
また、このように冷媒加圧ポンプ38でアキュームレータ24内の液冷媒を室内熱交換器32に送り込んで冷房用エジェクタ39の吸引作用をアシストすることで、配管長や高低差によらず、冷房用エジェクタ39を用いた冷却運転が可能となる。また、室外機10に冷房用エジェクタ39を搭載したため、室内機30は新規設計することなく従来のままで良く、室内機30にエジェクタを搭載するよりも大幅なコストダウンをすることができる。
また、冷媒加圧ポンプ38と熱源補助用ポンプ38とを共用している。これによれば、冷却運転時の能力向上や動力低減効果を生む冷媒加圧ポンプ38は、加熱運転時には熱源補助用ポンプ38として使用できるため、他の機能部品と比較して高価であったとしてもコストに対して大きな効果を得ることができる。また、後述の第2実施形態と比べると、コンプレッサ12の吸入圧力が低く圧縮比が大きくなるため、充分なエンジン11の温水排熱量が得られるうえ、システムが簡素でコストを抑えることができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態におけるエジェクタ式サイクルの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図7は、図6のエジェクタ式サイクルの全体構成を示す模式図であり、いずれも冷房(冷却)運転モードの状態を示す。また図8は、図7のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図9は、図7のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの状態を示す模式図である。
図6は、本発明の第2実施形態におけるエジェクタ式サイクルの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図7は、図6のエジェクタ式サイクルの全体構成を示す模式図であり、いずれも冷房(冷却)運転モードの状態を示す。また図8は、図7のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの概念図をモリエル線図上に示した模式図であり、図9は、図7のエジェクタ式サイクルにおける暖房運転モードの状態を示す模式図である。
上述した第1実施形態とは、第1四方弁14とレシーバ16との間に、室外熱交換器22と室外膨張弁21とを直列に接続していた部分の構成が異なる。本実施形態では図7、図9に示すように、レシーバ16の暖房時下流側で主冷媒流路Rから分岐流路20を分岐させている。主冷媒流路R側には、高圧液冷媒を減圧膨張させるとともに冷媒を吸引する暖房用エジェクタ(本発明で言う加熱モード用エジェクタ)17を設けており、可変絞り機構18を付設している。
また、暖房用エジェクタ17の吐出側には、冷房時は冷媒放熱器の一部として働き、且つ暖房時は上段の冷媒蒸発器として働く駆動流側室外熱交換器(本発明で言う第3熱交換器)19を配置しており、暖房用エジェクタ17にて減圧後の低圧冷媒が駆動流側室外熱交換器19において外気から吸熱して蒸発するようになっている。また、分岐流路20は、主冷媒流路Rのレシーバ16と暖房用エジェクタ17との間の部位で分岐し、暖房用エジェクタ17の吸引部17bで主冷媒流路Rに合流するように形成している。
この分岐流路20には、暖房時に冷媒の減圧を行う絞り手段と冷媒の流量調節手段とを担う室外膨張弁21を配置しており、この電気式膨張弁21の冷媒流れ下流側部位には、冷房時は冷媒放熱器の一部として働き、且つ暖房時は下段の冷媒蒸発器として働く吸引流側室外熱交換器(本発明で言う第1熱交換器)22を配置している。
この吸引流側室外熱交換器22は、先の駆動流側室外熱交換器19の空気流れ下流側に設置され、室外機10の室外送風機23によって外気が送風され、駆動流側室外熱交換器19とともに室内暖房用の吸熱作用を果たす。その他の構成は上述の第1実施形態と同じであるため説明は省略する。次に、上記構成のエジェクタ式サイクルの作動について説明する。
冷房運転モード(図6、図7参照)
図示しない操作パネルの冷房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が冷房側(図7での実線側)に切り換えられ、冷媒は図7中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、駆動流側室外熱交換器19で放熱凝縮され、暖房用エジェクタ17の出口側に供給される。
図示しない操作パネルの冷房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が冷房側(図7での実線側)に切り換えられ、冷媒は図7中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、駆動流側室外熱交換器19で放熱凝縮され、暖房用エジェクタ17の出口側に供給される。
暖房用エジェクタ17の第2接続部から供給された冷媒は、ディフーザ部17dから混合部17cを経由して、ノズル部17aの小径側先端に達する。このとき、ノズル部17aの先端が小径の開口であるため、冷媒はほとんどノズル部17a内に流入することなく、ノズル部17aを囲む吸引空間に流れ、第3接続部へ流出する。この結果、冷媒はエジェクタ17の流体ポンプとしての流れ方向を逆流して、その後に吸引流側室外熱交換器22に流入する。
暖房用エジェクタ17のノズル部17aが常開型である場合、あるいはその流路を閉じることのできる弁を備えない場合でも、ノズル部17a内への大量の冷媒の流入が阻止される。本実施形態では、暖房用エジェクタ17の可変ノズル機構18は全閉として駆動流側室外熱交換器19を出た全冷媒が吸引流側室外熱交換器22に流入するようにする。なお、このノズル部17aの冷媒流れの遮断は、ノズル部17aの上流側すなわちレシーバ16側の流路に開閉手段として開閉弁などを配置して制御装置50によって開閉駆動するようにしても良い。
暖房用エジェクタ17内を通過して吸引部17bから流出した冷媒は吸引流側室外熱交換器22を流通し、ここでも放熱凝縮される。凝縮した冷媒は室外膨張弁21を通過してレシーバ16にて気液分離される。レシーバ16から流出する液冷媒は四方弁35を通過後、可変絞り機構40を通り、冷房用エジェクタ39に駆動流として流入する。
一方、アキュームレータ24内の液冷媒は、冷房用エジェクタ39の吸引効果によって吸引され、第2四方弁35と冷媒加圧ポンプ38を通り、三方弁37から室内熱交換器32に供給される。このとき、冷媒加圧ポンプ38を運転することにより、冷房用エジェクタ39の吸引作用をアシストして室内熱交換器32へ充分な冷媒流量を供給することができる。ちなみに、このとき電磁弁15側の冷媒流路は全閉としておく。もしくは、電磁弁の代わりに電動弁を用いてレシーバ16から室内熱交換器32へ流入する冷媒流量を制御しても良い。
そして室内膨張弁31で減圧され、室内熱交換器32で室内への空調風から吸熱(冷却)して蒸発した冷媒は、第1四方弁14を通過後、冷房用エジェクタ39の吸引流となって駆動流と混合する。混合した冷媒は、冷房用エジェクタ39のディフューザ部39dにて昇圧した後、アキュームレータ24に流入して気液分離される。アキュームレータ24からのガス冷媒はコンプレッサ12に吸引され、アキュームレータ24からの液冷媒は冷媒加圧ポンプ38側に吸引されることで本冷媒循環が繰り返される。
暖房運転モード(図8、図9参照)
図示しない操作パネルの暖房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が暖房側(実線)に切り換えられ、冷媒は図9中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、室内熱交換器32で放熱凝縮し、暖房を行う。室内熱交換器32を出た高圧の液冷媒は、室内膨張弁31と電磁弁15とを通過し、レシーバ16にて気液分離される。
図示しない操作パネルの暖房スイッチが起動されると、第1、第2四方弁14、35、三方弁37が暖房側(実線)に切り換えられ、冷媒は図9中の矢印の様に流れる。すなわち、コンプレッサ12を出た高温のガス冷媒はオイルセパレータ13から第1四方弁14を通り、室内熱交換器32で放熱凝縮し、暖房を行う。室内熱交換器32を出た高圧の液冷媒は、室内膨張弁31と電磁弁15とを通過し、レシーバ16にて気液分離される。
レシーバ16内の液冷媒の一部は、熱源補助用ポンプとしての冷媒加圧ポンプ38に吸引されて流出し、第2四方弁35を通り冷媒加圧ポンプ38で加圧され、三方弁37から冷媒加熱器29に供給される。このとき、冷却水回路Cは前述した回路2側に切り換えられるが、冷却水回路C側の作動の説明は省略する。そして、エンジン温水との熱交換で蒸発したガス冷媒は、a点にてコンプレッサ12からの吐出ガスと合流して再び室内熱交換器32に供給される。
一方、レシーバ16を他方に出た液冷媒は分岐し、一部は可変絞り機構18を通り暖房用エジェクタ17に駆動流として流入する。もう一方は、室外膨張弁21を通って吸引流側室外熱交換器22に流入して蒸発し、外気から吸熱する。その後、暖房用エジェクタ17の吸引流となって駆動流と混合する。混合した冷媒は、暖房用エジェクタ17のディフューザ部17dにて昇圧した後、駆動流側室外熱交換器19にて空気と熱交換(外気吸熱)して蒸発する。
その後第1四方弁14を通り、冷房用エジェクタ39を吸引部39bからディフューザ部39dへと通過した後、アキュームレータ24に流入して気液分離される。アキュームレータ24からはガス冷媒がコンプレッサ12に吸引されて本冷媒循環が繰り返される。なお、暖房運転モードでは冷房用エジェクタ39の可変絞り機構40を全閉としている。
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。室内熱交換器32(より具体的にはレシーバ16)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに、冷媒を吸引する暖房用エジェクタ17を設け、その暖房用エジェクタ17から吐出される冷媒を蒸発させる駆動流側室外熱交換器19と、コンプレッサ12、室内熱交換器32、暖房用エジェクタ17、駆動流側室外熱交換器19を含む環状の主冷媒流路Rから分岐して冷媒を暖房用エジェクタ17に導き吸引させる分岐流路20とを設け、その分岐流路20に吸引流側室外熱交換器22を配置して冷媒を蒸発させるようにしている。
これによれば、暖房運転時、暖房用エジェクタ17の昇圧効果によって、コンプレッサ12の吸入圧力が過度に低下することがない。また、コンプレッサ12の吸入圧力が高い状態でも、吸引流側室外熱交換器22は低い蒸発温度で外気から吸熱できるので、充分な外気吸熱量を確保することができる。以上の効果でコンプレッサ12の吸入圧力を上昇させることができ、冷媒循環量を前記特許文献1に比べて増大させることができる。また、コンプレッサ12の吸入圧力を上昇させても、吸引流側室外熱交換器22は低圧に保てることから、外気との温度差を確保でき、外気吸熱量が低下することもない。
また、上記の効果に加えて、冷媒循環量が増えることから、コンプレッサ動力が増大する。すると駆動するエンジン11の負荷が増大するので、温水排熱量も増大する。よって、冷凍サイクルに回収する排熱量も増大する。上記のように外気吸熱増とエンジン排熱量の増大の相乗効果で暖房能力が増大する。
一方、暖房能力が増大した分を、コンプレッサ回転数の低減で同一能力まで落として比較した場合には、低圧が上昇した点でバランスするため、コンプレッサ12の圧縮比を低減できる。コンプレッサ回転数低減と圧縮比低減の効果でコンプレッサ12の断熱圧縮効率が上昇し、システムの効率が向上する。
(その他の実施形態)
本発明はエジェクタ式ヒートポンプサイクルに限るものではなく、通常のエジェクタを用いた蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用しても良い。また、上述の実施形態では、エジェクタ式サイクルを空調装置として構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンジンなどで駆動する蒸気圧縮式のエジェクタ式サイクルであれば、装置も給湯機、床暖房装置、乾燥装置など、冷凍サイクルを用いるものであれば良い。
本発明はエジェクタ式ヒートポンプサイクルに限るものではなく、通常のエジェクタを用いた蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用しても良い。また、上述の実施形態では、エジェクタ式サイクルを空調装置として構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、エンジンなどで駆動する蒸気圧縮式のエジェクタ式サイクルであれば、装置も給湯機、床暖房装置、乾燥装置など、冷凍サイクルを用いるものであれば良い。
また、上述の実施形態では、水冷式エンジンの例を述べたが、エンジン以外の第2熱源を用いたシステムであっても良いし、エンジン排熱の回収も温水排熱だけではなく、排気熱交換器により排気熱、オイルクーラによりオイルの熱を回収するようにしても良い。
11…エンジン(第2熱源)
12…コンプレッサ(圧縮機、第1熱源)
16…レシーバ(高圧側気液分離器)
17…暖房用エジェクタ(加熱モード用エジェクタ)
19…駆動流側室外熱交換器(第3熱交換器)
20…分岐流路
21…室外膨張弁(絞り手段)
22…室外熱交換器、吸引流側室外熱交換器(第1熱交換器)
24…アキュームレータ(低圧側気液分離器)
29…冷媒加熱器
32…室内熱交換器(第2熱交換器)
34…冷媒加圧供給回路(副回路)
38…冷媒加圧ポンプ、熱源補助用ポンプ
39…冷房用エジェクタ(冷却モード用エジェクタ)
39b…吸引部
R…主冷媒流路
12…コンプレッサ(圧縮機、第1熱源)
16…レシーバ(高圧側気液分離器)
17…暖房用エジェクタ(加熱モード用エジェクタ)
19…駆動流側室外熱交換器(第3熱交換器)
20…分岐流路
21…室外膨張弁(絞り手段)
22…室外熱交換器、吸引流側室外熱交換器(第1熱交換器)
24…アキュームレータ(低圧側気液分離器)
29…冷媒加熱器
32…室内熱交換器(第2熱交換器)
34…冷媒加圧供給回路(副回路)
38…冷媒加圧ポンプ、熱源補助用ポンプ
39…冷房用エジェクタ(冷却モード用エジェクタ)
39b…吸引部
R…主冷媒流路
Claims (3)
- 冷媒を圧縮する圧縮機(12)と、
前記圧縮機(12)から吐出される冷媒と外部流体とを熱交換させる第1熱交換器(22)と、
前記第1熱交換器(22)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに冷媒を吸引する冷却モード用エジェクタ(39)と、
前記冷却モード用エジェクタ(39)から吐出される冷媒を気液分離する低圧側気液分離器(24)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成る冷凍サイクルに、
一端が前記低圧側気液分離器(24)に連結され、他端が前記冷却モード用エジェクタ(39)の吸引部(39b)に連結された第2熱交換器(32)を付設して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
前記低圧側気液分離器(24)と前記第2熱交換器(32)との間に冷媒加圧ポンプ(38)を設け、前記低圧側気液分離器(24)内の液冷媒を、前記冷却モード用エジェクタ(39)の吸引作用と前記冷媒加圧ポンプ(38)の作動とによって前記第2熱交換器(32)へ供給することを特徴とするエジェクタ式サイクル。 - 第1熱源としての前記圧縮機(12)と、
前記圧縮機(12)から吐出される冷媒と被加熱流体とを熱交換させて前記被加熱流体を加熱する前記第2熱交換器(32)と、
前記第2熱交換器(32)から流出する冷媒を気液分離する高圧側気液分離器(16)と、
前記高圧側気液分離器(16)から流出する液冷媒を減圧膨張させる絞り手段(21)と、
前記絞り手段(21)から流出する冷媒と外部流体とを熱交換させる前記第1熱交換器(22)と、
前記高圧側気液分離器(16)内の液冷媒の一部を、第2熱源(11)の熱で加熱して前記第2熱交換器(32)へ供給する副回路(34)と、
前記副回路(34)中に設けられて前記液冷媒を圧送する熱源補助用ポンプ(38)と、
前記副回路(34)中に設けられて前記第2熱源(11)からの加熱流体によって冷媒を間接加熱して蒸発させる冷媒加熱器(29)とを有し、これらを冷媒流路で連結して成るエジェクタ式サイクルにおいて、
前記冷媒加圧ポンプ(38)と前記熱源補助用ポンプ(38)とを共用していることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式サイクル。 - 前記圧縮機(12)、前記第2熱交換器(32)と、
前記第2熱交換器(32)下流側の冷媒を減圧膨張させるとともに、冷媒を吸引する加熱モード用エジェクタ(17)と、
前記加熱モード用エジェクタ(17)から吐出される冷媒を蒸発させる第3熱交換器(19)と、
前記圧縮機(12)、前記第2熱交換器(32)、前記加熱モード用エジェクタ(17)、前記第3熱交換器(19)を含む環状の主冷媒流路(R)から分岐して設けられ、冷媒を前記加熱モード用エジェクタ(17)に導き吸引させる分岐流路(20)とを設け、
前記第1熱交換器(22)を前記分岐流路(20)に配置して冷媒を蒸発させることを特徴とする請求項2に記載のエジェクタ式サイクル。
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Legal Events
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Effective date: 20080507 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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