JP2007285300A - 磨耗を低減する調整可能なロータリーポンプ - Google Patents

Abstract

【課題】調整可能な容積型ロータリーポンプの耐用年数を伸ばすために、可変吐出容量を有するロータリーポンプを提供すること。
【解決手段】可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、ａ）筐体（３、６）と、ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体用入口（４）と、高圧側に該流体用出口（５）とを備える搬送チャンバーと、ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するための該筐体（３、６）を往復運動し得る作動部材（１５）と、ｅ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上の該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）とを備える、ロータリーポンプ。
【選択図】図２

Description

本発明は、調整可能で、好ましくは、可変吐出容量を有するロータリーポンプ、およびその製造方法に関する。ロータリーポンプは、内燃機関に、特に自動車機関の内燃機関に潤滑油を供給するための潤滑油ポンプとして使用され得る。

自動車の潤滑油ポンプは、通常は、直接に、または機関の機械歯車装置を介して、潤滑油を供給される機関の回転速度に従って駆動される。ポンプの回転速度は、機関の回転速度とともに、対応して速くなる。ロータリーポンプは、一定の特定吐出容量を有する。すなわち、任意の回転速度でも、ポンプが搬送する一回転当たりの流体の量は、実質的に同じである。吐出容量は、ポンプの回転速度に比例して増加する。機関の要求は、機関の回転速度に、概ね比例して、所定の制限回転速度まで増加し、その制限回転速度を超えると、しかしながら、その要求は、比例から逸れるか、あるいは横這いになる。その結果、制限回転速度を超えるとき、ロータリーポンプは、要求以上に搬送するようになる。調整可能なロータリーポンプが、タンク（ｒｅｓｅｒｖｏｉｒ）の中に損失を与える過度の搬送量へと導かないようにするために開発されてきた。調整可能なロータリーポンプの例には、特許文献１で公知の内部軸および外部軸歯車ポンプが含まれる。調整可能な羽根（ｖａｎｅ）ポンプもまた公知である。これらのポンプは、それぞれ往復運動し得る作動部材を備える。例えば、引用された例において、搬送回転子は、歯車または羽根である。公知の内部軸歯車ポンプおよび羽根ポンプにおいて、調整部材の動きは、２つの相互に噛み合う歯車の偏心、または羽根と作動部材との偏心を、消費機器の要求に従って調整する。外部軸歯車ポンプにおいて、２つの歯車の軸方向係合長さが調整される。調整するために、それぞれの作動部材は、作動力を負荷され、例えば、高圧流体によって直接負荷される。

作動力は、バネ部材によって対抗される。引用されたタイプのポンプにおいて、これらのポンプは、ますます軽金属合金から、特にアルミニウム合金から製造され、摩擦接触しているポンプ筺体の表面と作動部材の表面とは、思いのほか、特に磨耗の影響を受けやすく、ポンプの耐用年数を決定する。
独国特許第１０２２２１３１号明細書

本発明の目的は、調整可能な容積型ロータリーポンプの耐用年数を伸ばすことである。

本発明は、容積型ロータリーポンプに基づく。このロータリーポンプは、搬送チャンバーを含む筐体と、この搬送チャンバー内で回転軸周りに回転し得る搬送回転子と、この筐体の中で往復運動し得る少なくとも１つの作動部材とを備える。この作動部材は、この搬送回転子を取り囲み得るか、あるいは、好ましくは、この搬送回転子の前面にアレンジされ得る、すなわち面し得る。この搬送回転子を取り囲む作動部材は、内部軸ポンプに、例えば、歯車ポンプおよび羽根ポンプに提供され得、独国特許第１０２２２１３１号Ｂ４または欧州特許０８４６８６１号Ｂ１から公知であるような、あるいは、リフティングリングとして公知であるような回転装着された偏心リングとして形成され得る。しかしながら、外部歯車ポンプで公知の作動部材、例えば、独国特許第１０２２２１３１号Ｂ４で公知のような作動部材は、搬送回転子の前面にアレンジされるか、あるいは前面に面し、関連する前面上にある搬送チャンバーを軸方向に密封することが好ましい。このような作動部材は、作動ピストンを形成し、この作動ピストンは、フィードホイールの回転軸に沿って、軸方向に往復運動し得る。搬送回転子を取り囲む作動部材は、回転または旋回するように装着されるか、あるいは代替として、作動部材が線形に運動し得るように装着され得る。搬送チャンバーは、低圧側および高圧側を備える。少なくとも１つの入口は、低圧側にアレンジされ、搬送されるべき流体用の少なくとも１つの出口は、高圧側にアレンジされる。搬送チャンバーの低圧側、およびポンプが設置されているシステムの上流部分全体が、ポンプの低圧側を形成する。搬送チャンバーの高圧側、および引き続くシステムの下流部分全体が、ポンプの高圧側を形成する。低圧側は、流体用タンクまで伸び、高圧側は、高い流体圧力を要求する最も下流の消費点まで少なくとも伸びる。

作動部材は、その運動方向に作動力を負荷され得、該力は、ポンプの高圧側にある流体の圧力に、または要求に対して決定的であるシステムの他の変数に依存する。圧力は、搬送チャンバーの出口、または下流ポンプ出口で直接採られ得るか、あるいはシステムの更なる下流の点、例えば、消費の最終点から採られ得る。圧力の代わりに、あるいは圧力に加え、流体の温度、またはポンプが設置されているシステム内のコンポーネントの温度（例えば、機関の温度）は、例えば、作動力を形成する特徴となり得る。作動力を決定する他の物理的変数も適用可能なものとして挙げられる。作動力は、例えば、電気モーターなどの追加の作動部材によって生成され得る。しかしながら、より好ましくは、作動部材は、流体の圧力で直接負荷され得る。すなわち、ポンプの動作の間に、加圧流体によって負荷される。好ましい実施形態において、特に作動部材が加圧流体で負荷される実施形態において、作動部材は、作動力と対抗する弾性力を負荷される。弾性力は、弾性部材によって、好ましくは機械的バネによって生成される。

作動部材は、筺体とスライディング接触する。なぜなら、筺体は、トラックを形成し、作動部材は、作動部材スライディング表面を形成し、作動部材は、そのスライディング表面によるトラックによって、そのスライディング接触でガイドされるからである。作動部材は、また、追加的に、別の方法、例えば、旋回接合部によってもガイドされ得るが、より好ましくは、トラックのみによってガイドされる。

本発明に従うと、作動部材スライディング表面および／またはトラックは、スライディング材料から形成される。スライディング材料は、特に、プラスチック、セラミック、窒化物、ニッケル燐化合物、スライディングワニス（すなわち、潤滑ワニスまたは固体膜潤滑剤）、ＤＬＣコーティング、フェロプリント（Ｆｅｒｒｏｐｒｉｎｔ）コーティング、あるいはナノコーティングであり得る。スライディング材料は、表面コーティングを形成し得る。スライディング材料がプラスチックである場合、関連コンポーネント（すなわち、トラックを形成する筺体部分、または作動部材）は、もっぱらスライディング材料のみで、あるいは少なくとも実質的にスライディング材料からなり得る。好ましい実施形態において、作動部材スライディング表面およびトラックの双方は、スライディング材料からなり、それぞれが同じスライディング材料からなり得るか、あるいは、それぞれが異なるスライディング材料からなり得る。しかしながら、作動部材スライディング表面のみが、またはトラックのみがスライディング材料からなる場合であっても、摩耗は、また低減される。このとき、作動部材スライディング表面にスライディング材料を使用することが、好ましい。

本発明は、溝付け（ｆｕｒｒｏｗｉｎｇ）、または逆に付着（ａｄｈｅｓｉｏｎ）もまた摩耗に決定的であり得ると洞察したことに基づいている。付着は、スライディング接触している摩擦パートナーが、十分にスムーズであり、摩擦メカニズムが、溝付けまたは磨り減り（ａｂｒａｓｉｏｎ）より目立たない摩擦メカニズムであり得る。付着は、例えば、軸方向に運動し得る搬送回転子の前面に面してアレンジされた作動部材、すなわち、２つの作動ピストンが、かなりの振動摩擦摩耗を受けやすい調整可能な外部歯車ポンプに対して、確立される。吐出容量の設定に対して要求される調整運動は、あまりにも遅いので、振動摩擦摩耗を生じない。しかしながら、調整運動は、運動の変化および実質的により高い周波数に比べ、短いストロークを有する振動と重ね合わされる。これは、それゆえ、作動部材のスライディング表面とポンプ筺体のトラックとの間の付着の原因となり、結果として、局所的な材料の溶接になる。この溶接は、調整運動によって外れる。本発明に従うと、スライディングパートナー（すなわち、１つ以上の作動部材のスライディング表面、および筺体のうちの１つ以上のトラック）は、摩擦システムにおける付着傾向が、スライディングパートナーに通常使われるアルミニウム合金製の表面に比べ、著しく低減されるように構成される。スライディング材料は、純アルミニウムの付着エネルギーの多くとも半分である付着エネルギーまたは自由表面エネルギーを示すように有利に選択される。この条件は、特に、プラスチック材料およびセラミック材料によって、好ましくは金属酸化物セラミックによって充填されるが、上述された他のスライディング材料によっても充填される。付着エネルギーまたは自由結合エネルギーは、自由電子密度の増加とともに増加する。したがって、低付着エネルギーに対する要求は、自由電子の密度が低い材料によって充填される。

耐熱熱可塑性樹脂は、スライディング材料として特に適切な材料のグループの一つである。プラスチックスライディング材料の１つのポリマー、または（適用可能な場合）２つ以上のポリマーは、有利なように、潤滑に改質される。すなわち、プラスチックは、そのスライディング特性を改善するスライディング添加剤を含む。このようなスライディング材料は、摩擦システムのスライディングパートナーの一方のみが、スライディング材料からなる場合に、また非常に適している。好ましいスライディング添加剤は、グラファイトである。代替として、フッ素重合体のグループからなるポリマーが、スライディング添加剤として、真っ先に考えられ得る。このグループの好ましい例は、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）である。特に好ましくは、グラファイトと、好ましくはＰＴＦＥである少なくとも一種のフッ素重合体との双方が、スライディング添加剤として、ポリマー、コポリマー、ポリマー混合物、またはポリマーブレンドに加えられる。スライディング添加剤の比率は、合計で少なくとも１０重量％であるべきで、好ましくは、合計で２０±５重量％である。異なる材料がスライディング材料を形成する場合、個々の比率は、少なくとも実質的に同じであるべきである。例えば、グラファイトを１０±２重量％およびフッ素重合体を１０±２重量％を含むプラスチックスライディング材料が好ましい。繊維性材料を添加することも、また有利であるとみなされ、炭素繊維が、繊維性材料として好ましい。ガラス繊維は、添加されるべきではない。なぜなら、ガラス繊維は、スライディング材料から形成されるスライディング層の表面に細かい針先を形成し得るので、そのスライディング特性を弱めるからである。プラスチックスライディング材料は、繊維性材料の中に、好ましくは１０±５重量％、より好ましくは１０±３重量％含まれる。

スライディング材料として好ましいプラスチックは、ポリマー材料の７０±１０重量％含む。ポリマー混合物またはポリマーブレンドは、基本的には、ベース材料として考えられ得るが、プラスチックスライディング材料は、ポリマーの１つのタイプのみを含むことが好ましい。自らに長い炭化水素鎖を有するポリマーは、非常に低い自由電子密度と、また、スライディングパートナーの自由電子用の対応するわずかな自由空間も有する。自らに分子の回旋する（ｃｏｎｖｏｌｕｔｅｄ）鎖を有するアモルファスポリマーは、この点において、特に有利である。ポリマー材料の結晶性の度合いは、できるだけ低くあるべきである。逆に、ポリマー材料は、実際的に著しく大きなエントロピー弾力性を有するべきではない。最低動作温度は、約−４０℃であるべきで、それ未満が好ましい。恒久的な動作温度は、少なくとも＋１５０℃であるべきである。この動作温度の範囲内において、低いクリープ特性、十分な機械的安定性、および寸法安定性が要求される。車両製造で使用するにあたっては、プラスチックスライディング材料は、また、燃料に耐えるべきである。搬送される流体に対する耐性は、一般的な要求であるべきである。スライディング材料が、溝付け、すなわち損耗（ａｔｔｒｉｔｉｏｎ）によって形成され得る硬い粒子を嵌め込む能力または吸収する能力を有する場合、また有利である。好ましいポリマー材料は、
・ポリスルホン（ＰＳＵ）、または特に、ポリエーテルスルホン（ＰＥＳ）、およびＰＥＳとポリスルホン（ＰＳＵ）とのコポリメリド（ｃｏｐｏｌｙｍｅｒｉｄｅ）、
・ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、
・ポリエーテルケトン、すなわち、ＰＡＥＫ、ＰＥＫ、または特にＰＥＥＫ、
・ポリフタルアミド（ＰＰＡ）、および
・ポリアミド（ＰＡ）
である。

好ましい第一の実施形態において、作動部材は、プラスチックスライディング材料から、好ましくは、射出成形によって形成される。このような実施形態において、作動部材は、プラスチックからなることが好ましい。しかしながら、原則的には、インサートがプラスチックの中に組み込まれ得、この意味において、作動部材は、少なくとも実質的に、プラスチックスライディング材料からなる。作動部材の代わりに、トラックを形成する筺体部分も、またプラスチックスライディング材料から、好ましくは、射出成形によって、上述の意味で、プラスチックのみから、または少なくとも実質的にプラスチックから形成され得る。比較的好ましい変種として、筺体は金属から、好ましくは軽金属から形成され、トラックは、プラスチックスライディング材料からなるインサートによって、好ましくはブッシング（ｂｕｓｈｉｎｇ）であるインサートによって形成される。原則的に、作動部材、およびトラックを形成する筺体部分は、特にインサートは、また、プラスチックスライディング材料から、それぞれ形成され得る。第一の実施形態の範疇において、特に好ましいのは、作動部材が、少なくとも実質的にプラスチックスライディング材料からなる一方で、トラックが、プラスチックスライディング材料、または、適用可能な場合、別のスライディング材料によって表面コーティングとしてのみ形成されるか、あるいはコーティングされていない金属表面として形成される。

好ましい第二の実施形態において、スライディング接触している少なくとも１つのスライディング表面が、薄いスライディング層によって形成される。作動部材および／またはトラックを形成する筺体部分は、表層のスライディング層の下において、別の材料、すなわち基板材料からなる。この基板材料は、特に金属であり得、好ましくは軽金属であり得る。期待される軽金属は、何よりもアルミニウム、アルミニウム合金およびマグネシウム合金である。第二の実施形態において、双方のスライディング表面は、好ましくは、表層のスライディング層として形成され、そのそれぞれは、アルミニウムまたはマグネシウムより著しく低い付着エネルギーを有するスライディング材料から形成される。２つのスライディングパートナーのうちのスライディング表面の一方のみが、スライディング材料から形成される場合、その一方の表面は、作動部材のスライディング表面であることが好ましい。第一の実施形態と第二の実施形態との組み合わせも、また有利である。ここで、作動部材、またはトラックを形成する筺体部分は、好ましくはインサートは、プラスチックから少なくとも実質的に形成され、他のパーツは、例えば、これもまたプラスチック製であるスライディング材料から製造されるか、あるいは、セラミック材料から製造される表面層を備える。

表層のスライディング層は、スライディング材料を付与することによって、あるいは、基板材料を改質することによって形成され得る。プラスチックスライディング材料が付与され、好ましくは、プラスチックは、基板材料から形成されるブランクの周りで射出成形される。プラスチックスライディング材料は、基板材料の縦方向の熱膨張とできるだけ近い長手方向の熱膨張を示すべきである。軽金属の基板材料を改質すると、対照的に、金属酸化物セラミックスライディング層または窒化層を生成する。基板材料がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合、スライディング層は、陽極酸化で得られることが好ましい。陽極酸化は、特に、いわゆるＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スライディング層、または、より好ましくは、いわゆるＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層であり得る。Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ電解液は、シュウ酸と添加剤との混合物からなる。硫酸（Ｈ_２ＳＯ_４）は、一般的に、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）層を製造するために使用される。Ａｌ_２Ｏ_３スライディング層に匹敵する金属セラミックスライディング層を形成する陽極酸化方法は、基板材料として、マグネシウムおよびマグネシウム合金に対して、また公知である。例えば、いわゆるＤＯＷ法である。ＰＴＦＥは、セラミックスライディング層内に分散されることが好ましい。セラミックは、いわば、ＰＴＦＥで含浸される。

既に述べたように、筺体、または、またトラックを形成する筺体部分のみは、特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成され得る。筺体またはその関連する筺体部分は、鋳造されることが好ましい。アルミニウム合金は、それゆえ、鋳造アルミニウム合金であることが好ましい。作動部材が、少なくとも実質的に、プラスチックスライディング材料からならない場合、アルミニウムまたはアルミニウム合金から、好ましくは鋳造合金から、好ましくは鋳造に次いで、押し出し、焼結またはキャリブレーションによって形成されることが好ましい。筺体部分と作動部材との双方に対して、それぞれのアルミニウム合金は、シリコンを１０±２重量％含むことが好ましい。そのそれぞれの合金は、また銅を含むことが好ましいが、その比率は、多くとも４重量％であり、好ましくは多くとも３重量％であり得る。さらに、より少ない比率の鉄を含み得る。筺体部分と、好ましくは筺体の他の部分とは、好ましくは、砂型鋳造またはダイ鋳造によって形成される。ここで、ダイ鋳造は、大容積で稼動する場合に主として適しており、砂型鋳造は、小容量で稼動する場合に主として適している。チル鋳造も、また、砂型鋳造の代わりに使用され得る。筺体部分と、また筺体とに、全体として、特に好ましい合金は、砂型鋳造またはチル鋳造によって形成される場合、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３であり、ダイ鋳造によって形成される場合、わずかな比率の鉄を加えたＡｌＳｉ９Ｃｕ３である。

スライディング材料として好ましい窒化物は、チタンカーボン窒化物（ＴｉＣＮ）であり、特に窒化鋼である。クロム含有量の高い鋼は、好ましくはモリブデンの比率を有し、また好ましくはバナジウムの比率を有し、例えば、３０ＣｒＭｏＶ９であり、特に、窒化鋼として使用されている。ＴｉＣＮは、軽金属基板材料上の表面コーティングとして使用される。窒化鋼がスライディング材料を形成する場合、それに対応する鋼が基板材料であることが好ましい。例えば、作動部材は、特に鋼から形成され得、作動部材スライディング表面は、窒化鋼からなり得る。特に好ましい摩擦組み合わせは、一方のスライディングパートナーに対し、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）セラミックまたはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズセラミックであり、他方のスライディングパートナーに対し、窒化鋼である。この組み合わせのセラミックスライディング材料は、ＰＴＦＥを含み得るが、しかしながら、低い摩耗は、セラミックのみを使用するときも、また達成される。Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）セラミックまたはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズセラミックを焼結されたスズ青銅と摩擦組み合わせすることも、また、代替であるが、しかしながら、この熱膨張に関して条件的に好ましい代替である。

ＤＬＣ（ダイヤモンド状カーボン）コーティング、次いで、特にタングステンカーバイドコーティングも、また摩耗を低減する効果を有する。ＤＬＣスライディングコーティングは、特にプラズマコーティングによって製造され得る。

スライディングワニスも、また適切なスライディング材料である。ここで、摩耗は、スライディングパートナーの一方のみがコーティングされた場合であっても低減されるが、しかしながら、摩擦システムのスライディングパートナーの双方にスライディングワニスをコーティングする方が好ましいことが、スライディングワニスに対しても言える。一方のスライディングパートナーに対し、スライディングワニスと、他方のスライディングパートナーに対し、プラスチック材料とを組み合わせるのも、また有利な解決策である。スライディングワニスは、有機または無機バインダ、１つ以上の固体潤滑剤および添加剤からなる。ＭｏＳ_２、グラファイトまたはＰＴＦＥは、個々に、または組み合わせで、固体潤滑剤として、特に考えられ得る。スライディングワニスによってコーティングされる前に、コーティングされるべき表面は、便宜上、コーティングされるべき表面上の燐層を形成することによって前処理される。１つの特定のスライディングワニスは、フェロプリントであり、このフェロプリントは、固体潤滑剤として、細かいスチールチップ（ｓｔｅｅｌ ｔｉｐ）を含む。

ナノコーティングがスライディング材料を形成する場合、ナノ燐化合物が、特に、スライディング層を形成し得る。

本発明の有利な特徴は、また、従属項および従属項の組み合わせで記載される。そこに記載された特徴、および上述の特徴から、特徴の他の有利な組み合わせを導き出せる。

本発明の例示的な実施形態は、図面に基づいて、以下に説明される。その例示的な実施形態によって開示される特徴は、それぞれ個々に、相互に排他的なものではない任意の特徴の組み合わせによって、請求項の対象と、また上述の実施形態とを有利に発展させる。

（発明の概要）
本発明は、さらに、以下の手段を提供する。

（項目１）
可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、
ａ）筐体（３、６）と、
ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体の入口（４）と、高圧側に該流体の出口（５）とを備える搬送チャンバーと、
ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、
ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するために、該筐体（３、６）の中で往復運動し得る作動部材（１５）であって、
ｅ）該作動部材（１５）は、その運動方向に、該流体の供給を受ける消費機器の要求に依存する作動力を負荷され得る、作動部材（１５）と、
ｆ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上において該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）と
を備え、
ｇ）該トラック（３ａ）と該作動部材スライディング表面（１５ａ）とのうちの少なくとも１つを形成するスライディング材料は、プラスチック、セラミック、窒化物、ニッケル燐化合物、または、スライディングワニスのうちの少なくとも１つからなるか、あるいは、ＤＬＣコーティング、フェロプリントコーティング、またはナノコーティングによって形成される、ロータリーポンプ。

（項目２）
可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、
ａ）筐体（３、６）と、
ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体の入口（４）と、高圧側に該流体の出口（５）とを備える搬送チャンバーと、
ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、
ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するために、該筐体（３、６）の中で往復運動し得る作動部材（１５）であって、
ｅ）該作動部材（１５）は、その運動方向に、該流体の供給を受ける消費機器の要求に依存する作動力を負荷され得る、作動部材（１５）と、
ｆ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上の該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）と
を備え、
ｇ）該トラック（３ａ）と該作動部材スライディング表面（１５ａ）とのうちの少なくとも１つを形成するスライディング材料は、アルミニウムの付着エネルギーの多くとも半分である付着エネルギーを示す、ロータリーポンプ。

（項目３）
上記作動部材（１５）、別の作動部材（１６）および上記搬送回転子（２）は、上記筐体（３、６）の中を全体として往復運動し得る調整ユニット（２、１５、１６）のパーツであって、
該作動部材（１５、１６）は、上記搬送回転子（２）の前面の１つに面して、それぞれアレンジされ、別のトラック（３ｂ、６ｂ）は、該別の作動部材（１６）をその作動部材スライディング表面（１６ａ）上にて、スライディング接触でガイドする該筺体（３、６）内に形成され、
該別のトラック（３ｂ、６ｂ）と、該別の作動部材（１６）の該作動部材スライディング表面（１６ａ）との少なくとも１つは、上記スライディング材料からなる、
項目１または項目２に記載のロータリーポンプ。

（項目４）
上記スライディング材料は、潤滑に改質される熱可塑性樹脂である、項目１〜３のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目５）
上記スライディング材料は、繊維性材料およびスライディング添加剤を充填された少なくとも１つの耐熱ポリマーのポリマー化合物である、項目１〜４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目６）
上記スライディング添加剤は、グラファイトと、好ましくはＰＴＦＥであるフッ素重合体とのうちの少なくとも１つを備える、項目５に記載のロータリーポンプ。

（項目７）
上記繊維性材料は、炭素繊維を備えるか、あるいは炭素繊維からなる、項目５または項目６に記載のロータリーポンプ。

（項目８）
上記スライディング材料は、以下の特徴：
・ポリマーの比率が、少なくとも６０重量％で、かつ多くとも８０重量％であること、
・スライディング添加剤の比率が、少なくとも１０重量％で、かつ多くとも３０重量％であること、
・繊維性材料の比率が、少なくとも５重量％で、かつ多くとも１５重量％であること
のうちの１つを満たす、項目５〜７のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目９）
上記スライディング材料は、プラスチックであり、該プラスチックのベース材料は、ポリエーテルスルホン（ＰＥＳ）、ポリスルホン（ＰＳＵ）、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、ポリエーテルケトン（ＰＡＥＫ、ＰＥＫ、ＰＥＥＫ）、ポリアミド（ＰＡ）およびポリフタルアミド（ＰＰＡ）からなる群から形成されるコポリマーを含むポリマー、ポリマーの混合物、またはポリマーブレンドである、項目１〜８のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１０）
上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）およびトラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）の少なくとも１つは、金属セラミック層によって形成される、項目１〜９のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１１）
上記層は、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）層、またはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ層であり、好ましくはＰＴＦＥを含む、項目１０に記載のロータリーポンプ。

（項目１２）
窒化鋼またはＴｉＣＮが、上記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）および上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）の少なくとも１つを形成する、項目１〜１１のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１３）
上記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を備える上記筐体部分（３、６）は、基板材料として、少なくとも実質的に金属からなるか、あるいは金属から形成され、該トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を形成する上記スライディング材料のスライディング層は、該基板材料に付与されるか、あるいは、該基板材料を改質することによって形成される、項目１〜１２のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１４）
対応する構造を示す鋳造材料が、好ましくは、ダイ鋳造材料、チル鋳造材料、または砂型鋳造材料であって、該鋳造材料は、上記筐体部分（３、６）または該筐体部分（３、６）の上記基板材料を形成する、項目１３に記載のロータリーポンプ。

（項目１５）
上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を含む上記作動部材（１５、１６）は、基板材料として、少なくとも実質的に金属からなるか、あるいは金属から形成され、該作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を形成する上記スライディング材料のスライディング層は、該基板材料に付与されるか、あるいは、該基板材料を改質することによって形成される、項目１〜１４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１６）
上記筐体部分（３、６）の上記金属と、上記作動部材（１５、１６）の上記金属とは、少なくともその主成分として、同じ金属元素を含む、項目１３および１５の組み合わせに記載のロータリーポンプ。

（項目１７）
上記金属は、軽金属であり、好ましくはアルミニウムまたはアルミニウムベースの合金である、項目１３〜１６のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１８）
上記基板材料のセラミック材料は、好ましくは酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）であり、上記スライディング層を形成する、項目１３〜１７のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目１９）
上記金属は、アルミニウムまたはアルミニウムベースの合金であり、シリコンと、好ましくは銅と鉄との少なくとも１つを含む、項目１３〜１８のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２０）
上記作動部材（１５、１６）は、上記スライディング材料から形成される、項目１〜１４または項目１６〜１９のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２１）
上記筺体（３、６）、または少なくとも上記トラック（３ａ、３ｂ）を形成する筺体部分（３）は、上記スライディング材料から形成される、項目１〜１２または項目１５〜２０のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２２）
上記作動力は、弾性部材（１２）に対抗するようにアレンジされる、項目１〜２１のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２３）
上記作動部材（１５、１６）は、上記高圧側の上記流体を負荷され得る作動ピストンである、項目１〜２２のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２４）
上記搬送回転子（２）および上記作動部材（１５、１６）は、上記回転軸（Ｒ_２）に対して軸方向に運動し得る、項目１〜２３のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２５）
上記搬送チャンバー内を、別の回転軸（Ｒ_１）周りに、回転し得る別の搬送回転子（１）を備え、該搬送回転子（１、２）は、搬送でお互いに係合する、項目１〜２４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２６）
外部軸ロータリーポンプであり、好ましくは、外歯車ポンプである、項目１〜２５のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。

（項目２７）
ａ）上記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を形成する筐体部分（３、６）は、軽金属から形成され、
ｂ）上記作動部材（１５、１６）は、同じまたは異なる軽金属から形成され、
ｃ）該トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を製造するための該筐体部分（３、６）は、上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を製造するための該作動部材（１５、１６）が、上記スライディング材料でコーティングされるか、あるいは、該筐体部分（３、６）の該軽金属、または該作動部材（１５、１６）の該軽金属が、該表面で該スライディング材料に改質される、項目１〜２６のいずれか１項に記載のロータリーポンプを製造する方法。

（項目２８）
上記筐体部分（３、６）と上記作動部材（１５、１６）との少なくとも１つは、上記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）または上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）の領域の中でセラミック化され、好ましくは、陽極酸化されるか、窒化されるか、あるいはプラスチックコーティング、スライディングワニス、タングステンカーバイドコーティング、フェロプリントコーティング、またはナノコーティングを提供される、項目２７に記載の方法。

（項目２９）
上記筐体部分（３）は、砂型鋳造、チル鋳造、またはダイ鋳造によってアルミニウムベースの合金から形成され、上記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）は、該鋳造材料を機械的加工することによって、好ましくは形成される、項目２７または項目２８に記載のロータリーポンプを製造する方法。

（項目３０）
上記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を形成する上記動部材（１５、１６）は、潤滑に改質されるプラスチックによってコーティングされる、項目２７〜２９のいずれか１項に記載のロータリーポンプを製造する方法。

（摘要）
可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、
ａ）筐体（３、６）と、
ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体の入口（４）と、高圧側に該流体の出口（５）とを備える搬送チャンバーと、
ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、
ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するために、該筐体（３、６）の中で往復運動し得る作動部材（１５）であって、
ｅ）該作動部材（１５）は、その運動方向に、該流体の供給を受ける消費機器の要求に依存する作動力を負荷され得る、作動部材（１５）と、
ｆ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上において該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）と
を備え、
ｇ）該トラック（３ａ）と該作動部材スライディング表面（１５ａ）とのうちの少なくとも１つを形成するスライディング材料は、プラスチック、セラミック、窒化物、ニッケル燐化合物、または、スライディングワニスのうちの少なくとも１つからなるか、あるいは、ＤＬＣコーティング、フェロプリントコーティング、またはナノコーティングによって形成される、ロータリーポンプ。

図１は、外部歯車ポンプの断面図を示す。筺体部分３およびカバー６（図２）を備えるポンプ筺体において、搬送チャンバーが形成され、このチャンバーの中に、外部歯車の形で、２つの外部歯車搬送回転子１および２が、平行な回転軸Ｒ_１およびＲ_２周りに回転し得るように装着される。搬送回転子１は、例えば、自動車の内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動される。搬送回転子１および２は、互いに歯が係合し、搬送回転子１が回転駆動されるとき、それと対になる搬送回転子２も、また回転駆動される。入口４は、低圧側にある搬送チャンバーと、高圧側にある出口５とに、搬送されるべき流体を、好ましくは内燃機関に対する潤滑油を注ぐ。筺体部分３は、ラジアル密封表面９を形成し、この密封表面９は、搬送回転子１および２のそれぞれに、ラジアル方向で面し、それぞれの搬送回転子１または２を外周部で囲い込み、狭いラジアル密封ギャップを形成する。搬送回転子１に対し、筺体３、６は、また軸方向の密封表面を搬送回転子１の各前面に形成し、軸方向で搬送回転子１と面し、その密封表面７は、図１で示され得る。別の軸方向密封表面は、搬送回転子２の２つの前面のそれぞれに軸方向に面して形成され、その密封表面１７は、図１の断面図に示され得る。

搬送回転子１および２を回転駆動することによって、流体は、入口４を介して搬送チャンバーの中に吸引され、搬送回転子１と２との歯のギャップで、搬送チャンバーの高圧側にそれぞれの囲いを介して搬送される。ここで、流体は、出口５を介して、消費機器に（ここに仮定する例において、内燃機関に）搬送される。搬送動作の間、高圧側は、搬送回転子１および２と上述した密封表面との間に形成される密封ギャップによって、および搬送回転子１および２の歯の係合によって、低圧側から分離される。ポンプの搬送速度は、搬送回転子１および２の回転速度に比例して増加する。なぜなら、ある限界回転速度を超えると、内燃機関（ここでは例として、消費機器として仮定する）は、回転速度に比例して増加する搬送回転子の特性曲線に従って、ポンプが搬送するであろうよりも少ない潤滑油を吸収するために、ポンプの搬送速度は、限界回転速度を超えて調節される。調節するために、搬送回転子２は、軸方向に、すなわち、その回転軸Ｒ_２に沿って、搬送回転子１に対して前後に運動し得、搬送回転子１と２との係合長さは、搬送速度に対応して、変化し得るようになる。

図２において、搬送回転子２は、軸方向の重なり、すなわち、最大係合長さに比べ既に短くなった係合長さを示す軸位置を想定している。搬送回転子２は、ベアリングジャーナル１４、作動部材１５、作動部材１６、および搬送回転子２からなる調整ユニットのパーツである。搬送回転子２は、搬送回転子２が回転し得るように、作動部材１５と１６との間でべアリングジャーナル１４に装着される。ベアリングジャーナル１４は、作動部材１５と１６とを互いに接続し、回転に対し固定する。作動部材１６は、搬送回転子２に面する軸方向密封表面１７を形成する。作動部材１５は、もう一方の軸方向密封表面１８を形成する。調整ユニット全体は、軸方向にシフトして往復し得るように、ポンプ筺体３、６のシフト空間に装着され、回転に対し固定される。

筺体は、筺体部分３および筺体カバー６によって形成され、筺体カバー６は、筺体に固定して接続される。筺体カバー６は、基底とともに形成され、搬送回転子１に面する筐体カバー６の前面は、密封表面７を形成する。反対側の前面で、筺体部分３は、搬送回転子１と軸方向に面する第四の軸方向密封表面８を形成する。調整ユニットに面する密封表面８の側は、作動部材１５に対して円形セグメント形状の切込みが設けられている。搬送回転子１に面する作動部材１６の側は、密封表面７を形成する基底６に対しての円形セグメント形状の切込みが設けられている。それぞれの切込みを別にすると、密封表面７は、密封表面８に対応し、密封表面１７は、密封表面１８に対応する。

例示的な実施形態の調整部材１５および１６は、調整ピストンである。調整ユニットが軸方向に往復運動し得るシフト空間は、部分空間１０を備え、この部分空間１０は、作動部材１５の後ろ側および部分空間１１によって限定される。この部分空間１１は、作動部材１６の後ろ側によって限定される。部分空間１１は、ポンプの高圧側に接続され、そこに迂回された加圧流体を絶えず負荷され、こうして、作動部材１６の後ろ側に動作する。機械圧力バネが、弾性部材１２として空間１０にアレンジされ、その弾性部材１２の弾性力は、作動部材１５の後ろ側に動作する。弾性部材１２は、部分空間１１の作動部材１６に動作する圧力に対抗する。このような外部歯車ポンプの調節は、公知であり、それゆえ、説明する必要はない。調節は、独国特許第１０２２２１３１号Ｂ４に従って、特に構成され得る。

軸方向密封表面７、８および１７、１８は、外周がスムーズであり、軸方向密封ギャップが対応する外周で狭い場合、搬送回転子１および２の係合領域の高圧側にある流体は、圧搾される（ｓｑｕｅｅｚｅｄ）。すなわち、高圧側の圧力を超えて圧縮され（ｃｏｍｐｒｅｓｓｅｄ）て、低圧側に搬送される。駆動出力は、流体を圧搾するために消費され、搬送流れ脈動（ｐｕｌｓａｔｉｏｎ）は、また、流体の特定の圧縮および歯の係合を介する流体の輸送と関連する。

上述の不利な点を排除するために、密封表面７、８、１７および１８は、高圧側に逃げポケット（ｒｅｌｉｅｖｉｎｇ ｐｏｃｋｅｔ）をそれぞれ提供する。４つのポケットのうち、ポケット７ａおよび１７ａが、図１に示され得る。逃げポケットは、高圧側に形成されるのみである。

筺体部分３は、作動部材１５および１６をスライディング接触でガイドする。スライディング接触のために、筺体部分３は、トラック３ａを形成し、筺体部分３は、カバー６と一緒に、トラック３ｂ、６ｂを形成する。作動部材１５および１６は、作動部材スライディング表面１５ａおよび１６ａをその外周表面に、それぞれ形成する。より具体的には、一方でトラック３ａと作動部材スライディング表面１５ａとが、他方でトラック３ｂ、６ｂと作動部材スライディング表面１６ａとが、スライディング接触である。従来技術において、筺体３、６、ならびに作動部材１５および１６は、軽金属合金から製造するのが、普通である。一方にあるトラック３ａおよび３ｂ、６ｂと、他方にある作動部材１５ａおよび１６ｂとから形成される摩擦システムにおいて、特定のスライディング材料は、関連する摩擦システムのスライディングパートナーのそれぞれの少なくとも１つを形成する。ここで、摩擦システム３ａ／１５ａにおいて、トラック３ａか作動部材スライディング表面１５ａのいずれかは、スライディング材料によって形成され得る。同じスライディング材料が、また、トラック３ａおよび作動部材スライディング表面１５ａの双方を形成し得る。最後に、２つのスライディング表面３ａおよび１５ａは、それぞれ異なるスライディング材料によって形成され得る。同じことが、もう一方の摩擦システム３ｂ、６ｂ／１６ａに関して適用される。各摩擦システムのスライディングパートナーの一方のみがスライディング材料から形成されている場合、同じスライディング材料が、各場合に便宜上使用される。摩擦パートナーの双方がスライディング材料から形成されている場合、作動部材スライディング表面１５ａおよび１６ｂは、同じスライディング材料からそれぞれ形成されるか、あるいは、トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、それぞれ同じスライディング材料によって形成される。

原則的に、それぞれの摩擦システムにおけるスライディングパートナーの一方は、金属合金から、好ましくは軽金属合金からなり得るが、スライディングパートナーのそれぞれが、低い付着エネルギーを有する特定のスライディング材料によって形成される場合、好ましい実施形態に従う。それぞれの摩擦システムのスライディングパートナーのスライディング材料は、同じであり得るか、あるいは、異なり得る。作動部材１５および１６は、全体としてスライディング材料から形成され得るか、あるいは、基板材料から形成され得、好ましくは軽金属合金であり、それぞれは、表面上は、スライディング材料から製造されるスライディング層を備える。筺体（例示的実施形態においては、筺体部分３およびカバー６）は、またプラスチックから形成され得るが、しかしながら、好ましい実施形態において、少なくとも筺体部分３と、好ましくはカバー６とは、好ましくは軽金属合金である金属合金から鋳造される。アルミニウム合金が、軽金属として特に考慮され得る。好ましい実施例は、以下に示される。

筺体部分３およびカバー６は、それぞれＡｌＳｉ９Ｃｕ３（Ｆｅ）ダイ鋳造され、
作動部材１５および１６は、ＰＥＳ化合物（炭素繊維１０重量％、グラファイト１０重量％、ＰＴＦＥ１０重量％、残りＰＥＳ（例えば、ＵＬＴＲＡＳＯＮ（登録商標））である。

実施例１において、筺体部分３およびカバー６は、同じアルミニウム合金、すなわち、ＡｌＳｉ９Ｃｕ３から、ダイ鋳造によって、それぞれ形成される。この合金は、わずかな割合で鉄を含む。トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、機械加工されることによって、正確に合うように入手される。作動部材１５および１６は、特定のプラスチックスライディング材料から全体がそれぞれ形成される。スライディング表面１５ａおよび１６ａは、機械加工されることによって、正確に合うように製造される。

筺体部分３およびカバー６は、それぞれＡｌＳｉ９Ｃｕ３（Ｆｅ）ダイ鋳造され、
作動部材１５および１６は、ＰＥＳ化合物（炭素繊維１０重量％、グラファイト１０重量％、ＰＴＦＥ１０重量％、残りＰＥＳ（例えば、ＵＬＴＲＡＳＯＮ（登録商標））であり、
トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、潤滑に改変されるプラスチックまたはスライディングワニスによってコーティングされる。

トラック３ａ、３ｂおよび６ｂ以外は、実施例２は、実施例１と対応する。しかしながら、実施例１とは異なり、各トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、プラスチックスライディング材料またはスライディングワニスのスライディング層によって形成される。プラスチックスライディング材料は、特に、作動部材１５および１６の材料であり得る。

筺体部分３およびカバー６は、それぞれＡｌＳｉ９Ｃｕ３（Ｆｅ）ダイ鋳造され、
作動部材１５および１６は、例えば、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３のような基板材料としての鋳造アルミニウム半製品から製造された押し出し部分で、
スライディング表面１５ａおよび１６ａは、ＰＥＳ化合物（炭素繊維１０重量％、グラファイト１０重量％、ＰＴＦＥ１０重量％、残りＰＥＳ（例えば、ＵＬＴＲＡＳＯＮ（登録商標））である。

筺体部分３およびカバー６は、実施例１に対応する。作動部材１５および１６は、それぞれが同じアルミニウム合金から、好ましくは、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３からなる。これら作動部材は、押し出しによって、アルミニウム合金の鋳造半製品から形成される。少なくとも外周表面は、次いで、プラスチックスライディング材料のスライディング層をそれぞれ備える。作動部材１５および１６のブランクを押し出しによって形成する代わりに、ブランクは、焼結およびキャリブレーションによって形成され得る。押し出された、またはキャリブレーションされたブランクは、加熱され、プラスチックスライディング材料は、好ましくは、これらブランクを完全に囲むダイの中で、これらブランクの周りに射出成形される。

筺体部分３およびカバー６は、それぞれＡｌＳｉ９Ｃｕ３（Ｆｅ）ダイ鋳造され、
トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ（好ましくは、ＰＴＦＥで含浸されたＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層）であり、
作動部材１５および１６は、例えば、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３のような基板材料としての鋳造アルミニウム半製品から製造された押し出し部分で、
スライディング表面１５ａおよび１６ａは、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ（好ましくは、ＰＴＦＥで含浸されたＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層）である。

筺体部分３およびカバー６は、実施例１に対応する。作動部材１５および１６は、それぞれが同じアルミニウム合金から、好ましくは、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３からなる。これら作動部材は、押し出しによって、鋳造合金の半製品から、あるいは、焼結およびキャリブレーションによってのいずれかで形成される。作動部材のブランクは、次いで、少なくとも外周表面を陽極酸化され、それぞれのスライディング表面１５ａおよび１６ａを形成する。シュウ酸および添加剤の混合物が、電解液として用いられ、Ａｌ_２Ｏ_３Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層が、外周表面のそれぞれに形成されるようになる。スライディング層は、好ましくは、ＰＴＦＥで含浸される。トラック３ａ、３ｂおよび６ｂも同じ方法で、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層として、好ましくは、ＰＴＦＥで含浸されたスライディング層として、それぞれ形成される。

改変として、２つのスライディングパートナーの一方、またはスライディングパートナーの双方が、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層として、好ましくは、ＰＴＦＥで含浸されたスライディング層として、それぞれ形成される。

筺体部分３およびカバー６は、それぞれＡｌＳｉ９Ｃｕ３（Ｆｅ）ダイ鋳造され、
トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層であり、
作動部材１５および１６は、例えば、３０ＣｒＭｏＶ９のような基板材料としての鋼であり、
スライディング表面１５ａおよび１６ａは、窒化鋼である。

筺体部分３およびカバー６は、実施例１に対応し、一度形成されると、陽極酸化され、トラック３ａ、３ｂおよび６ｂが、Ａｌ_２Ｏ_３Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）（Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スライディング層）として得られる。Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スライディング層は、ＰＴＦＥで含浸され得る。作動部材１５および１６は、鋼から形成され、その表面が、少なくともその外周表面が窒化される。

筺体部分３およびカバー６は、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３砂型鋳造またはチル鋳造であり、
作動部材１５および１６は、例えば、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３のような基板材料としての鋳造アルミニウム半製品から製造された押し出し部分で、
スライディング表面１５ａおよび１６ａは、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ（Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層）である。

筺体部分３およびカバー６は、砂型鋳造またはチル鋳造によって、ＡｌＳｉ８Ｃｕ３からそれぞれ形成される。トラック３ａ、３ｂおよび６ｂは、機械加工されることによって、正確に合うように製造される。作動部材１５および１６は、鋳造アルミニウム半製品から押し出しによって、それぞれ形成され、陽極酸化される。シュウ酸および添加剤の混合物が、電解液として用いられ、Ａｌ_２Ｏ_３Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズのスライディング層（Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層）が、その外周表面のそれぞれに形成される。Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層は、好ましくは、ＰＴＦＥを含む。

改変として、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）セラミックまたはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズセラミックが、トラック３ａ、３ｂおよび６ｂをまた形成する。ここでも、また、セラミックは、ＰＴＦＥで、有利に含浸され得る。

最後の実施例の実施形態における製造方法および材料選択は、小容積で稼動するときに、特に適切である。一方、ダイ鋳造によって、筺体部分３および６を形成することは、大容積で稼動するときに、より良き選択である。金属セラミックスライディング層は、軽金属砂型鋳造構造またはチル鋳造構造、あるいは熱力学的均衡または均衡近傍で凝固された軽金属鋳造合金一般を備える、摩擦システムで使用するのに適している。スライディングパートナーとしてのダイ鋳造パーツとともに、ダイ鋳造構造のα混晶（例えば、ＡｌＳｉ）は、冷却時間が短いために小さく、金属酸化物セラミックスライディング層が細かい砥粒（ａｂｒａｓｉｖｅ ｇｒａｉｎ）として機能する問題を引き起こす。スライディングパートナーの一方が、そのスライディング表面上に、ダイ鋳造構造または準安定相一般を備える場合、潤滑に改質される耐熱熱可塑性樹脂が、より良好な選択になるか、あるいは、２つのスライディングパートナーのそれぞれが、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スライディング層またはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズスライディング層を備えるべきである。砂型鋳造構造またはチル鋳造構造に対してであっても、しかしながら、双方のスライディングパートナーは、低い付着エネルギーを有するスライディング材料からなることが好ましい。

歯が係合する２つの搬送回転子を備える外部歯車ポンプの搬送チャンバーである。 外部歯車ポンプの縦断面図である。

符号の説明

１、２ 搬送回転子
３ 筺体部分
３ａ、３ｂ、６ｂ トラック
４ 流体の入口
５ 流体の出口
６ 筐体カバー
７、８、１７、１８ 軸方向密封表面
９、ラジアル密封表面
１５、１６ 作動部材
１５ａ、１６ｂ 作動部材スライディング表面

Claims (30)

1. 可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、
   ａ）筐体（３、６）と、
   ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体の入口（４）と、高圧側に該流体の出口（５）とを備える搬送チャンバーと、
   ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、
   ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するために、該筐体（３、６）の中で往復運動し得る作動部材（１５）であって、
   ｅ）該作動部材（１５）は、その運動方向に、該流体の供給を受ける消費機器の要求に依存する作動力を負荷され得る、作動部材（１５）と、
   ｆ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上において該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）と
   を備え、
   ｇ）該トラック（３ａ）と該作動部材スライディング表面（１５ａ）とのうちの少なくとも１つを形成するスライディング材料は、プラスチック、セラミック、窒化物、ニッケル燐化合物、または、スライディングワニスのうちの少なくとも１つからなるか、あるいは、ＤＬＣコーティング、フェロプリントコーティング、またはナノコーティングによって形成される、ロータリーポンプ。
2. 可変吐出容量を有するロータリーポンプであって、
   ａ）筐体（３、６）と、
   ｂ）該筐体（３、６）内に形成され、該ポンプの低圧側に流体の入口（４）と、高圧側に該流体の出口（５）とを備える搬送チャンバーと、
   ｃ）該搬送チャンバー内で回転軸（Ｒ_２）周りに回転し得る少なくとも１つの搬送回転子（２）と、
   ｄ）該搬送回転子（２）の前面に面してアレンジされて、あるいは、該搬送回転子を取り囲み、該吐出容量を調整するために、該筐体（３、６）の中で往復運動し得る作動部材（１５）であって、
   ｅ）該作動部材（１５）は、その運動方向に、該流体の供給を受ける消費機器の要求に依存する作動力を負荷され得る、作動部材（１５）と、
   ｆ）該筐体（３、６）内に形成され、スライディング接触で作動部材スライディング表面（１５ａ）上の該作動部材（１５）をガイドするトラック（３ａ）と
   を備え、
   ｇ）該トラック（３ａ）と該作動部材スライディング表面（１５ａ）とのうちの少なくとも１つを形成するスライディング材料は、アルミニウムの付着エネルギーの多くとも半分である付着エネルギーを示す、ロータリーポンプ。
3. 前記作動部材（１５）、別の作動部材（１６）および前記搬送回転子（２）は、前記筐体（３、６）の中を全体として往復運動し得る調整ユニット（２、１５、１６）のパーツであって、
   該作動部材（１５、１６）は、前記搬送回転子（２）の前面の１つに面して、それぞれアレンジされ、別のトラック（３ｂ、６ｂ）は、該別の作動部材（１６）をその作動部材スライディング表面（１６ａ）上にて、スライディング接触でガイドする該筺体（３、６）内に形成され、
   該別のトラック（３ｂ、６ｂ）と、該別の作動部材（１６）の該作動部材スライディング表面（１６ａ）との少なくとも１つは、前記スライディング材料からなる、
   請求項１または請求項２に記載のロータリーポンプ。
4. 前記スライディング材料は、潤滑に改質される熱可塑性樹脂である、請求項１〜３のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
5. 前記スライディング材料は、繊維性材料およびスライディング添加剤を充填された少なくとも１つの耐熱ポリマーのポリマー化合物である、請求項１〜４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
6. 前記スライディング添加剤は、グラファイトと、好ましくはＰＴＦＥであるフッ素重合体とのうちの少なくとも１つを備える、請求項５に記載のロータリーポンプ。
7. 前記繊維性材料は、炭素繊維を備えるか、あるいは炭素繊維からなる、請求項５または請求項６に記載のロータリーポンプ。
8. 前記スライディング材料は、以下の特徴：
   ・ポリマーの比率が、少なくとも６０重量％で、かつ多くとも８０重量％であること、
   ・スライディング添加剤の比率が、少なくとも１０重量％で、かつ多くとも３０重量％であること、
   ・繊維性材料の比率が、少なくとも５重量％で、かつ多くとも１５重量％であること
   のうちの１つを満たす、請求項５〜７のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
9. 前記スライディング材料は、プラスチックであり、該プラスチックのベース材料は、ポリエーテルスルホン（ＰＥＳ）、ポリスルホン（ＰＳＵ）、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、ポリエーテルケトン（ＰＡＥＫ、ＰＥＫ、ＰＥＥＫ）、ポリアミド（ＰＡ）およびポリフタルアミド（ＰＰＡ）からなる群から形成されるコポリマーを含むポリマー、ポリマーの混合物、またはポリマーブレンドである、請求項１〜８のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
10. 前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）およびトラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）の少なくとも１つは、金属セラミック層によって形成される、請求項１〜９のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
11. 前記層は、Ｈａｒｄｃｏａｔ（登録商標）層、またはＨａｒｄｃｏａｔ（登録商標）スムーズ層であり、好ましくはＰＴＦＥを含む、請求項１０に記載のロータリーポンプ。
12. 窒化鋼またはＴｉＣＮが、前記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）および前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）の少なくとも１つを形成する、請求項１〜１１のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
13. 前記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を備える前記筐体部分（３、６）は、基板材料として、少なくとも実質的に金属からなるか、あるいは金属から形成され、該トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を形成する前記スライディング材料のスライディング層は、該基板材料に付与されるか、あるいは、該基板材料を改質することによって形成される、請求項１〜１２のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
14. 対応する構造を示す鋳造材料が、好ましくは、ダイ鋳造材料、チル鋳造材料、または砂型鋳造材料であって、該鋳造材料は、前記筐体部分（３、６）または該筐体部分（３、６）の前記基板材料を形成する、請求項１３に記載のロータリーポンプ。
15. 前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を含む前記作動部材（１５、１６）は、基板材料として、少なくとも実質的に金属からなるか、あるいは金属から形成され、該作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を形成する前記スライディング材料のスライディング層は、該基板材料に付与されるか、あるいは、該基板材料を改質することによって形成される、請求項１〜１４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
16. 前記筐体部分（３、６）の前記金属と、前記作動部材（１５、１６）の前記金属とは、少なくともその主成分として、同じ金属元素を含む、請求項１３および１５の組み合わせに記載のロータリーポンプ。
17. 前記金属は、軽金属であり、好ましくはアルミニウムまたはアルミニウムベースの合金である、請求項１３〜１６のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
18. 前記基板材料のセラミック材料は、好ましくは酸化アルミニウム（Ａｌ_２Ｏ_３）であり、前記スライディング層を形成する、請求項１３〜１７のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
19. 前記金属は、アルミニウムまたはアルミニウムベースの合金であり、シリコンと、好ましくは銅と鉄との少なくとも１つを含む、請求項１３〜１８のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
20. 前記作動部材（１５、１６）は、前記スライディング材料から形成される、請求項１〜１４または請求項１６〜１９のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
21. 前記筺体（３、６）、または少なくとも前記トラック（３ａ、３ｂ）を形成する筺体部分（３）は、前記スライディング材料から形成される、請求項１〜１２または請求項１５〜２０のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
22. 前記作動力は、弾性部材（１２）に対抗するようにアレンジされる、請求項１〜２１のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
23. 前記作動部材（１５、１６）は、前記高圧側の前記流体を負荷され得る作動ピストンである、請求項１〜２２のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
24. 前記搬送回転子（２）および前記作動部材（１５、１６）は、前記回転軸（Ｒ_２）に対して軸方向に運動し得る、請求項１〜２３のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
25. 前記搬送チャンバー内を、別の回転軸（Ｒ_１）周りに、回転し得る別の搬送回転子（１）を備え、該搬送回転子（１、２）は、搬送でお互いに係合する、請求項１〜２４のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
26. 外部軸ロータリーポンプであり、好ましくは、外歯車ポンプである、請求項１〜２５のいずれか１項に記載のロータリーポンプ。
27. ａ）前記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を形成する筐体部分（３、６）は、軽金属から形成され、
    ｂ）前記作動部材（１５、１６）は、同じまたは異なる軽金属から形成され、
    ｃ）該トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）を製造するための該筐体部分（３、６）は、前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を製造するための該作動部材（１５、１６）が、前記スライディング材料でコーティングされるか、あるいは、該筐体部分（３、６）の該軽金属、または該作動部材（１５、１６）の該軽金属が、該表面で該スライディング材料に改質される、請求項１〜２６のいずれか１項に記載のロータリーポンプを製造する方法。
28. 前記筐体部分（３、６）と前記作動部材（１５、１６）との少なくとも１つは、前記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）または前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）の領域の中でセラミック化され、好ましくは、陽極酸化されるか、窒化されるか、あるいはプラスチックコーティング、スライディングワニス、タングステンカーバイドコーティング、フェロプリントコーティング、またはナノコーティングを提供される、請求項２７に記載の方法。
29. 前記筐体部分（３）は、砂型鋳造、チル鋳造、またはダイ鋳造によってアルミニウムベースの合金から形成され、前記トラック（３ａ、３ｂ、６ｂ）は、該鋳造材料を機械的加工することによって、好ましくは形成される、請求項２７または請求項２８に記載のロータリーポンプを製造する方法。
30. 前記作動部材スライディング表面（１５ａ、１６ａ）を形成する前記動部材（１５、１６）は、潤滑に改質されるプラスチックによってコーティングされる、請求項２７〜２９のいずれか１項に記載のロータリーポンプを製造する方法。

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