JP2007284784A - アルミニウム合金製部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱伝導に優れたアルミニウム合金から成るものでありながら、熱伝達のネックとなっている陽極酸化皮膜と母材との界面における熱伝達能や、表面における熱放射性を向上させることができ、もって耐熱性及び耐凝着性と良好な熱伝達性及び熱放射性を両立させることができるアルミニウム合金製部品を提供する。
【解決手段】所定部位に陽極酸化皮膜を備えたアルミニウム合金から成る部品において、上記陽極酸化皮膜に銀及び/又は銅を含有させる。より好適には、アルミニウム合金母材との界面から少なくとも1μmまでの範囲に質量比で2〜30%の銀及び/又は銅を偏在させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、所定部位に陽極酸化皮膜を備え、例えば、自動車用エンジンなどの内燃機関におけるバルブやピストン、シリンダーブロックなどに好適に用いられるアルミニウム合金製部品に関するものである。
自動車エンジンなどの内燃機関に用いられるアルミニウム合金製部品においては、耐熱亀裂性や耐凝着性の向上を目的として、硬質アルマイトの陽極酸化処理が適用されている。
例えば、主にAC8A材(Al−Si−Cu−Ni−Mg系合金鋳物材)にT6処理を施して用いられる内燃機関用ピストンにおいては、ディーゼルエンジン用(図1参照)では、燃焼室リップ部の亀裂対策を目的として、ガソリンエンジン用(図2参照)では、リング溝部の高温での凝着防止を目的として、安価で量産性が高いことから、上記のような陽極酸化処理が広く適用されている。
ところが、このように耐熱亀裂性及び耐凝着性の向上を目的として施す陽極酸化処理は、表面の熱放射能を向上させる一方で、形成される陽極酸化皮膜の熱伝導性が母材であるアルミニウム合金よりも低いことや、母材と陽極酸化皮膜の界面に発生する熱障壁層のために、熱流れが悪くなるという弊害もある。
そこで、特許文献1には、少なくともピストンの上端面、側部摺動面、リング溝面及びピストンピン軸受部内周面に、アルマイト処理を施すことが提案されており、これによって、燃焼室からの熱がピストンに伝達されないことによる熱損失低減効果が得られるとしている。
特開昭63−289370号公報
一方、内燃機関において吸気弁は、燃料が供給されるインテークマニホールドと燃焼室との間の連通と遮断を行うものであるが、遮断時には吸気弁自体が保有する熱によって、供給される燃料の気化を促進させ、燃料の円滑な吸入を助け、燃料を易燃焼状態にする機能をも有している。
また、燃焼の気化の促進がもたらす気化潜熱による燃焼室からの抜熱により吸気温度を低下させる機能も有している。
このような内燃機関用吸気弁には、従来、耐熱性(高温での耐酸化性)と疲労強度を重視して、JIS G 4311に規定されるSUH1、3、4、11の耐熱鋼を用いてきた(例えば、特許文献2参照)。
また、近年では、慣性重量を低減し、動作中のロスをなくしエンジン性能をより向上させる試みがなされており、特に、低比重で高温強度に優れたチタン合金を用いた吸気弁では、現在主流の耐熱鋼を用いた吸気弁より40%程度の軽量化が可能となり、それに伴って高速性能も10%程度向上すると言われている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−81902号公報 特開平8−144722号公報
しかしながら、内燃機関では、アルマイト処理による断熱効果によって、ピストンへの熱の流出量は少なくなるものの、表面のアルマイト層に熱が溜まることによって吸気温度が上昇して、耐ノッキング性が悪化し、結果的に燃焼効率改善効果が得られないといった問題が起こる。
また、このような内燃機関に適用されている他のアルミニウム部品においても、燃焼効率向上のために、耐熱性及び耐凝着性と共に、良好な熱伝達性及び熱放射性が要求されている。
すなわち、上記特許文献2や特許文献3に記載されている高温での耐酸化性と疲労強度を重視した耐熱鋼から成る吸気弁や、軽量化を重視したチタン合金製の吸気弁においては、熱伝導率がそれぞれ25W/m/K程度、8W/m/K程度と低く、熱が吸気弁中を逃げにくいため、燃焼室温度を低減することによる耐ノック性改善、省燃費効果及び出力改善効果が得られにくいという問題があることから、吸気弁材料として熱伝導に優れたアルミニウム合金を使用することが考えられる。
ところが、通常の耐熱鋼製吸気弁の鍛造肌に対して、アルミニウム合金製吸気弁の鍛造表面の熱放射率が低く(鋼酸化面の熱放射率が0.6程度であるのに対して、アルミニウム表面の熱放射率は0.1以下)、このため、材料自体は熱伝導率に優れ、傘表から傘裏への熱伝達は良好であるものの、傘表部を通じて行なわれる燃焼室内からの受熱(熱吸収)や傘裏部を通じて行なわれる燃料への放熱(熱放射)が少ないという問題がある。
本発明は、内燃機関用のピストンや吸気弁など、従来のアルミニウム合金製部品における熱伝導や熱放射性に関する上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、熱伝導に優れたアルミニウム合金から成るものでありながら、熱伝達のネックとなっている陽極酸化皮膜と母材との界面における熱伝達能や、表面における熱放射性を向上させることができ、もって耐熱性及び耐凝着性と良好な熱伝達性及び熱放射性を両立させることができるアルミニウム合金製部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、アルミニウム合金母材の表面に形成される陽極酸化皮膜中に熱放射性及び熱伝導性に優れた銀(Ag)や銅(Cu)を含有させること、特に母材との界面側にこれら金属を偏在させることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明のアルミニウム合金製部品は、陽極酸化皮膜を備えたアルミニウム合金から成る部品における上記陽極酸化皮膜が銀及び/又は銅を含有していることを特徴とし、より好適には、これら金属がアルミニウム合金母材との界面に偏在しており、母材との界面から少なくとも1μmまでの範囲に2〜30質量%の銀及び/又は銅を含有していることを特徴としている。
本発明によれば、熱伝導性に優れたアルミニウム合金母材の表面に、熱放射率と共に熱伝導率が高い銀や銅を含有する陽極酸化皮膜を形成したため、熱放射性に優れる陽極酸化皮膜の熱伝導性が銀や銅を含有することによって改善される。特に、アルミニウム合金と陽極酸化皮膜の界面に、上記銀や銅が偏在、すなわち周囲よりも高濃度に介在することにより、当該界面部における熱障壁が解消され、陽極酸化皮膜本来の熱放射性を損なうことなく界面の熱伝導性を改善することができ、耐熱性及び耐凝着性と良好な熱伝達性及び熱放射性を両立させて、燃焼効率を改善することができる。
以下、本発明のアルミニウム合金製部品について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
本発明のアルミニウム合金製部品は、上記したように、所定部位に陽極酸化皮膜を備え、陽極酸化皮膜中、望ましくはアルミニウム合金母材との界面側の少なくとも1μmまでの範囲に、2〜30%の銀若しくは銅、またはその両方を偏在させたものであって、例えば、ピストン、吸排気弁、シリンダーヘッド、シリンダーブロック、コンプレッサーハウジング、ピストンリング、オイルパンなどのエンジン部品に適用することができる。
本発明において、上記のような銀及び/又は銅を含有する陽極酸化皮膜を形成するには、常法による陽極酸化処理に際して、硝酸銅、硫酸銅、硝酸銀、硫酸銀などを添加することによって、銅イオンや銀イオンを含有させた硫酸や蓚酸などから成る電解液を用いればよい。
このときの電解液中の銅や銀の濃度としては、10〜30g/L程度とすることが望ましく、陽極酸化皮膜中における銀や銅の含有量の調整は、電解液中のこれら金属の濃度や、陽極酸化処理の条件、処理時間を増減することによって行うことができる。
また、上記陽極酸化皮膜の厚さとしては、2〜100μm程度とすることが望ましい。
すなわち、陽極酸化皮膜の厚さが2μmに満たない場合には、陽極酸化皮膜形成による効果が十分に発揮されず、逆に100μmを超えると、母材への皮膜追従性が悪化し、皮膜割れを起こすことがある。
さらに、陽極酸化皮膜の熱伝導率を向上させるための添加成分である銀や銅は、酸化皮膜の母材との界面側にある程度以上偏在していることが望ましく、具体的には母材との界面から少なくとも1μmまでの範囲におけるこれら金属の含有量が合計で2%以上となるようにすることが好ましく、これによって、陽極酸化皮膜と母材との界面における熱障壁を緩和し、熱伝導率を向上させることができる。
一方、上記金属の界面部における含有量が30%を超えた場合には、界面の剥離強度が低下する可能性があるため、これら金属濃度の上限を30%とすることが望ましい。
なお、陽極酸化皮膜の母材界面側に銀や銅を重点的に含有させるには、これら金属イオンを含有しない電解液を用いた陽極酸化処理に引き続いて、銀や銅イオンを含む上記したような電解液中で陽極酸化処理を施すことによって行うことができる。
また、このような陽極酸化皮膜中の上記金属の含有量は、例えばEPMA(X線マイクロアナライザー)によって求めることができる。
図1は、アルミニウム合金製部品の一例として、ディーゼルエンジン用ピストンの構造及び各部の名称を説明する断面図であって、当該ディーゼルエンジン用ピストンは、円筒状をなし、その頂面に浅い燃焼室が設けてあり、燃焼室の底部が冠面部C、その側面部が冠面部リップ部ピン方向Cp、冠面部リップ部垂直方向Cvとなっていると共に、その裏側が冠面裏部Cbとなっている。
なお、方向とはエンジンの前後方向をFr−Rr方向と表わしており、ピストンピンが挿入されている方向から90°を示す。
また、当該ピストンの側面上方位置には、トップリング溝Gt、セカンドリング溝Gs及びオイルリング溝Goから成るリング溝部Grが形成され、それぞれピストンリングが嵌合されるようになっていると共に、当該リング溝部Grの下方側がスカート部Sとなっており、コネクティングロッドを連結するためのピストンピンが挿入されるピストンピンボス部Bpが当該スカート部Sを貫通する状態に形成されている。
他方、図2は、ガソリンエンジン用ピストンの構造及び各部の名称を説明する断面図であって、当該ピストンは、その頂面に燃焼室がなく、平らな冠面部Cとなっていることを除いて、上記したディーゼルエンジン用と概ね同様の円筒状をなしている。
本発明のアルミニウム合金製部品は、例えば上記のようなピストンに適用することができ、この場合には、当該ピストンの各部位のうち、特に冠面部C、冠面裏部Cb若しくはリング溝部Gr、又はこれらの2個所以上の部位に上記のような銀や銅の偏在を伴う陽極酸化皮膜を形成することが望ましく、これによって、ピストンの冠面部Cにおいては熱亀裂の抑制と燃焼室からの熱吸収を高め、冠面裏部Cbにおいてはエンジンオイルへの熱捨てを促進し、リング溝部Grにおいては耐凝着性の向上とピストンリングへの熱伝達を向上させることができ、部品信頼性と燃焼室冷却性能を両立させることが可能になる。
さらには、上記ピストンのスカート部Sとピストンピンボス部Bpの内周面を除く部位に上記のような陽極酸化皮膜を形成することもでき、これによって、摺動性を損なうことなく、上記した冠面部C、冠面裏部Cb及びリング溝部Gr以外の部位からの抜熱促進を実現することができる。
なお、ピストンのスカート部Sとピストンピンボス部Bpの内周面に陽極酸化皮膜を形成した場合には、燃焼室の冷却効果は見込まれるものの、摺動特性に悪影響を及ぼし、フリクションの悪化や焼き付きにつながることになることから、望ましくない。
また、上記ピストンの冠面部C及び冠面裏部Cbにおける陽極酸化処理面積としては、冠面部についてはその全面積の60%以上、冠面裏部についてはその80%以上に陽極酸化皮膜を形成することが望ましく、冠面部及び冠面裏部の一方又は両方がこのような条件を満足することによって、効果的に燃焼室冷却性能を得ることができる。
すなわち、冠面部における陽極酸化皮膜面積がその60%に満たない場合には、ピストン燃焼室からの入熱不足となるために、燃焼室冷却性能不足となる可能性があり、冠面裏部における陽極酸化皮膜面積がその80%に満たない場合には、オイルへの排熱不足となることによって、燃焼室冷却性能不足となる傾向があることによる。
そして、陽極酸化処理を施すことによって陽極酸化皮膜と母材の界面には引張応力が残留することから、ディーゼルエンジン用ピストンのように、冠面にリップ部を持ち、このリップ部のピストンピン方向に高い引張応力が発生する場合には、この部位に陽極酸化層が存在すると引張応力がより大きなものとなって、熱亀裂が逆に助長されてしまう。したがって、ピストン冠面部に施す陽極酸化処理に際して、燃焼室リップ部ピン方向を除いて陽極酸化処理を施すことによって、当該部分を除いて陽極極酸化皮膜を形成することが望ましく、これによって冠面部リップ部ピン方向において、アルマイト層母材に生じる引張応力による亀裂発生を防止することができる。
図3は、アルミニウム合金製部品の他の例として、内燃機関用吸気弁の基本構造を示す斜視図であって、当該吸気弁は、軸状のステム部Sと傘部から構成され、ステム部Sの軸端部Eに近い位置には、バルブスプリングを係止するリテーナを固定するためのコッターを受け入れるコッター溝部Gが形成されている一方、傘部は、エンジンの燃焼室側に面する傘表部Hfと、その裏面側でインテークマニホールド側に面する傘裏部Hbと、この傘裏部Hbの外周側に円錐状に形成され、弁座に密着するフェース部(バルブフェース)Fを備えている。
本発明のアルミニウム合金製部品は、上記のような吸気弁にも適用することができ、この場合には、高熱伝導性のアルミニウム材料により形成した吸気弁に、高熱放射率かつ高熱伝導率である銀若しくは銅、又はこれらの双方を含有する陽極酸化皮膜を傘表部若しくは傘裏部、又はその両方に施すことによって、0.85程度の熱放射率を有し、本来的に熱放射性に優れるものの、熱伝導率が低いという陽極酸化皮膜の欠点を改善して、上記陽極酸化皮膜を熱放射性、熱伝導性共に優れたものとし、もって傘表からの入熱(熱吸収)と傘裏からの熱放射を促進し、当該吸気弁を介した燃焼室内の熱放出を活発化して、燃焼室内の温度を低減させ、内燃機関の燃費向上を図るようにすることができる。
図4は、吸気弁を介した熱移動の様子を未処理のアルミニウム合金から成る従来の吸気弁(a)と、銀や銅を含有する上記陽極酸化皮膜を傘表及び傘裏に形成した本発明の吸気弁(b)とで比較した概念図であって、未処理の吸気弁においては、図4(a)に示すように傘表部Hfにおける熱放射率が低いことから、燃焼室で発生した燃焼エネルギーの多くが傘表部Hfで反射されて、ほとんど吸収することができず、傘部内での熱伝導は良好であるものの、傘裏部Hbにおける熱放射率も低いために、傘裏部Hbからの熱放射もわずかなものとなる。
これに対して、本発明の吸気弁においては、銀や銅を含有し、熱放射性、熱伝導性に優れた陽極酸化皮膜Ofを傘表部Hf及び傘裏部Hbに形成したことによって、図4(b)に示すように、燃焼エネルギーの多くを傘表部Hfに形成した陽極酸化皮膜Ocを介して吸収することができ、傘部内を円滑に伝導して、傘裏部Hbの陽極酸化皮膜Ocを介して大量の熱が放出されることになる。
母材との界面部に銀及び/又は銅が偏在する上記陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の傘表部や傘裏部における平均熱放射率については、0.5以上であることが望ましく、これによって燃料霧化促進による大幅な燃費向上を図ることができる。
また、上記平均熱放射率を0.7以上とすることがさらに望ましく、これによって燃料気化潜熱促進(燃料気化を促進させて、その際の気化潜熱で燃焼室温度を低下させる)による大幅な燃費向上効果を得ることができる。
なお、平均熱放射率とは、JIS R 1801に従う黒体との赤外放射スペクトル比を意味し、例えばFTIRによって測定することができる。また、厚膜化及び母材の高合金化による皮膜の黒化で陽極酸化皮膜の平均熱放射率を調整することができる。
なお、上記したように、陽極酸化皮膜の熱伝導率を向上させるために添加する銀や銅は、酸化皮膜の母材との界面側に偏在していることが望ましく、これによって、陽極酸化皮膜と母材との界面における熱障壁を緩和し、吸気弁としての熱伝導率を向上させ、燃料霧化促進及び燃料気化潜熱促進を図ることができる。
上記吸気弁においては、上記した傘部に加えて、軸端部E、フェース部F、ステム部S若しくはコッター溝部G、又はこれらの複数個所、さらには必要に応じて当該吸気弁の全体に、同様の陽極酸化皮膜を形成するようになすことができ、これによってこれら摺動部位の耐摩耗性や耐凝着性を向上させることができる。
また、上記陽極酸化皮膜は表面に位置し、成長層と浸透層から形成されるポーラス層と、ポーラス層と母材との間に存在するバリア層を備えたものとなるが、これらのうち成長層は浸透層と比較し多孔質のものであって、浸透層より摩耗し易く、また摩耗粉が砥粒として機能することから、上記した軸端部E、フェース部F、ステム部S及びコッター溝部Gに形成された陽極酸化皮膜については、その成長層を予め取り除き、浸透層とバリア層を残すようにすることが望ましく、これによって、当該吸気弁の初期摩耗時における摩耗粉の低減を図り、アルミナによる摺動部位への攻撃を緩和することができるようになる。
なお、本発明において、成長層とは基材表面から成長した多孔質層、浸透層とはアルミニウム基材内部に浸透した多孔質層、さらにバリア層とは基材ポーラス層間に現れる層を意味する。
以下、本発明を実施例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
AC8A合金のT6処理材(溶体化処理後、人口時効処理)を用いて、図2に示したガソリンエンジン用ピストンを作製し、以下の実施例1〜3に供した。
(実施例1)
上記ガソリンエンジン用ピストン素材に対して、冠面裏部Cb以外をマスキングした状態で、希硫酸を電解液として、5A/dmの電流密度の直流電流により、20分間の陽極酸化処理を施した後、15g/Lの銀を含有する希硫酸を電解液とし、13〜20Vの交流電圧を0〜20分間付加することによって、冠面裏部Cbにそれぞれ厚さ50μmの陽極酸化皮膜を形成したピストンを作製した。この陽極酸化皮膜表面の平均熱放射率をFTIRによって測定したところ、0.86であり、EPMAによって陽極酸化皮膜と母材の界面1μmの範囲における銀の含有量を測定した結果、0〜35%の銀が偏在していること、及び銀含有層はさらに5μmまで厚くなっていることが確認された。
このように冠面裏部Cbのみに陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜と母材との界面部における銀含有量を変化させたピストンをそれぞれエンジンに組み込み、エンジンの回転数を1200rpm、2000rpm、4000rpm、6400rpmとしてそれぞれ1時間づつ連続運転した場合の性能試験を行い、陽極酸化皮膜形成による燃焼室の冷却に基づく燃費向上効果について調査した。
この結果を図5に示す。なお、当該図において縦軸は、銀の含有量が2%の場合の燃費向上代を「1」とする相対値を示している。
図5から、銀含有量が2%以上の範囲において、燃焼室冷却による燃費向上効果が上昇していることがわかる。
これは銀含有量の上昇に伴い、陽極酸化皮膜と母材の界面の熱障壁が緩和され、伝熱が促進されることによるものと考えられる。
なお、銀含有量の増加と共に、さらなる熱伝達向上効果が見込まれるが、摺動部位において陽極酸化皮膜は耐剥離性が求められるため、図6に示すように、剥離強度の低下が認められない30%までが好適な銀含有量と認められる。
なお、図6は、JIS H 8682−1にしたがって求めたものである。往復運動評価摩耗試験において、皮膜−母材間の粒界剥離が発生する荷重の比を剥離強度比とした。
(実施例2)
上記ガソリンエンジン用ピストン素材に対して、陽極酸化皮膜の不要部をマスキングした状態で、希硫酸を電解液として、5A/dmの電流密度の直流電流により、20分間の陽極酸化処理を施した後、15g/Lの銀を含有する希硫酸を電解液として、14Vの交流電圧を4分間付加することによって、冠面部C、冠面裏部Cb、リング溝部Grのトップリング溝Gt、リング溝部Gr全部、さらにスカート部S及びピストンピンボス部Bpの内周面以外の全面にそれぞれ厚さ50μmの陽極酸化皮膜を形成したピストンをそれぞれ作製した。
この陽極酸化皮膜表面の平均熱放射率は0.86であり、EPMAによって陽極酸化皮膜と母材の界面1μmの範囲における銀の含有量を測定した結果2%の銀が偏在していることが確認された。
そして、このように各部に陽極酸化処理を施し、陽極酸化皮膜と母材との界面部に2%の銀を含有するピストンをそれぞれエンジンに組み込み、上記同様の性能試験を行い、ピストン各部に対する陽極酸化皮膜形成による燃焼室の冷却に基づく燃費向上効果について調査した。なお、このとき、界面に銀を含まないものを比較対象とした。この結果を図7に示す。
図7から明らかなように、冠面部C、冠面裏部Cb、トップリング溝部Gt、リング溝部Gr全面に陽極酸化皮膜を施した場合、これらの全てが燃焼室冷却による燃費向上に貢献していることがわかる。
すなわち、冠面部Cは燃焼室からの熱吸収の促進を、冠面裏部Cbはエンジンオイルへの熱捨ての促進を、リング溝部Grはピストンリングへの熱伝達の促進をそれぞれ実現し、燃焼室冷却に寄与している。
また、リング溝部Grにおいては、最も高温側に存在するトップリング溝Gtに陽極酸化皮膜を形成する方が燃焼室冷却の効果をより有効なものとすることができる。
さらに、ピストンスカート部S及びピストンピンボス部Bpを除いた全面に処理した場合には、さらなる燃費向上効果を得ることができる。これは、陽極酸化皮膜層と母材の界面に存在する銀が熱のパスを形成し、部品内での熱伝達が促進されていることによる。
このとき、ピストンスカート部S及びピストンピンボス部Bpに陽極酸化皮膜を形成した場合でも、燃焼室冷却効果の向上が見込まれるが、エンジン作動時の摺動特性に悪影響を及ぼし、フリクションの悪化や焼き付きにつながるため、処理部位から除外した。
(実施例3)
上記ガソリンエンジン用ピストン素材に対して、それぞれ冠面部C及び冠面裏部Cb以外をマスキングすると共に、冠面部C及び冠面裏部Cbについてもマスキング面積をそれぞれ変化させた状態で、希硫酸を電解液として、5A/dmの電流密度の直流電流により、20分間の陽極酸化処理を施した後、15g/Lの銀を含有する希硫酸を電解液として、14Vの交流電圧を4分間付加することによって、それぞれ冠面部C及び冠面裏部Cbにおける陽極酸化皮膜面積が異なるそれぞれ7種のピストンをそれぞれ作製した。
この陽極酸化皮膜の厚さはそれぞれ50μm、表面の平均熱放射率は0.86であり、EPMAによって陽極酸化皮膜と母材の界面1μmの範囲における銀の含有量を測定した結果2%の銀が偏在していることが確認された。
そして、このように冠面部Cにのみ陽極酸化処理を施し、冠面部面積に対する陽極酸化皮膜面積の比a(a=冠面部陽極酸化皮膜面積/冠面部面積)と、冠面裏部Cbにのみ陽極酸化処理を施し、冠面裏部面積に対する陽極酸化皮膜面積の比b(b=冠面裏部陽極酸化皮膜面積/冠面裏部面積)をそれぞれ0〜1の範囲で変化させたピストンをそれぞれエンジンに組み込み、上記同様の性能試験を行い、燃焼室の冷却に基づく燃費向上効果について調査した。その結果を図8に示す。なお、このときの比較対象は界面に銀を含まないものとした。
図8から明らかなように、a≧0.6、又はb≧0.8の範囲において、ピストン内部での熱伝達が促進され、燃焼室冷却による燃費向上効果が向上していることがわかる。
急冷凝固アルミニウム粉末合金を用いて、図3に示した形状の内燃機関用吸気弁(ステム部の径:5.5mm、長さ:90.2mm、傘部の径:33.8mm、高さ:14.5mm)を作製し、以下の各実施例に供した。
(実施例4)
上記吸気弁素材に対して、希硫酸を電解液として、4A/dmの電流密度の直流電流により、30分間の陽極酸化処理を施した後、15g/Lの銀を含有する希硫酸を電解液とし、14Vの交流電圧を4分間付加することによって、傘部に厚さ50μmの陽極酸化皮膜を形成した吸気弁を作製した。この陽極酸化皮膜表面の平均熱放射率をFTIRによって測定したところ、0.86であり、EPMAによって陽極酸化皮膜の母材との界面から3μmの範囲には2.0%の銀が偏在していることが確認され、それ以外では銀は確認されなかった。
このとき、傘表部のみに陽極酸化皮膜を形成したグループと、傘裏部のみに陽極酸化皮膜を形成したグループとに区分し、傘表部及び傘裏部にそれぞれ一部にマスキングを施し、マスキング面積を変えることによって、傘表部及び傘裏部の平均熱放射率をそれぞれ変化させた。
それぞれ傘表部及び傘裏部のみに陽極酸化処理を施し、平均熱放射率の異なる各吸気弁をそれぞれエンジンに組み込み、エンジンの回転数を1000rpm、2000rpm、4000rpm、6000rpmとしてそれぞれ1時間づつ連続運転した場合の性能試験を行い、霧化促進による燃費向上効果の変化代に対する平均熱放射率の影響を傘表部に陽極酸化皮膜を形成した吸気弁と、傘裏部に陽極酸化皮膜を形成した吸気弁とについて調査した。
この結果を図9に示す。なお、当該図において縦軸は、平均熱放射率が0.5の場合の燃費向上代を「1」とする相対値を示し、傘表部のみに陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を●印で、傘裏部にのみ陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を◆印で表している。
図9から、傘表部、傘裏部のいずれに酸化皮膜を形成した吸気弁においても、平均熱放射率が0.5以上の範囲において、霧化促進による燃費向上効果が上昇していることが分かる(図10参照)。
(実施例5)
上記同様の性能試験を行い、気化潜熱による抜熱促進がもたらす燃費向上効果の変化代に対する平均熱放射率の影響を傘表部に陽極酸化皮膜を形成した吸気弁と、傘裏部に陽極酸化皮膜を形成した吸気弁とについて調査した。
この結果を図11に示す。なお、この図においても縦軸は、図9と同様に平均熱放射率が0.5の場合の燃費向上代を「1」とする相対値を示し、傘表部のみに陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を●印で、傘裏部にのみ陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を◆印で表している。
図11から明らかなように、傘表部、傘裏部のいずれに酸化皮膜を形成した吸気弁においても、平均熱放射率が0.7以上の範囲において、気化潜熱による燃費向上効果が上昇していることが分かる(この効果はシリンダヘッド中央温度を測定した図12参照)。
(実施例6)
上記吸気弁素材に対して、希硫酸を電解液として、4A/dmの電流密度の直流電流により、30分間の陽極酸化処理を同様に施した後、15g/Lの銀を含有する希硫酸を電解液とし、13〜20Vの交流電圧を0〜20分間付加することによって、傘表部及び傘裏部のみに銀含有量の異なる厚さ50μmの陽極酸化皮膜をそれぞれ形成した吸気弁を作製した。
この陽極酸化皮膜表面の平均熱放射率を同様に測定したところ、0.86であり、EPMAによって陽極酸化皮膜の母材との界面から1μmの範囲における銀含有量を測定したところ、0〜25%の範囲で変化していることが確認された。銀含有層はさらに5μmまで厚くなっているのが確認された。
これら銀含有量の異なる陽極酸化皮膜を傘表部及び傘裏部のみに備えた吸気弁をそれぞれエンジンに組み込み、同様の性能試験を繰り返し、燃費向上効果の変化代に対する銀含有量の影響を傘表部にのみ陽極酸化皮膜を形成した吸気弁と、傘裏部にのみ陽極酸化皮膜を形成した吸気弁について調査した。
この結果を図13に示す。なお、当該図において縦軸は、銀含有量が2%の場合の燃費向上代を「1」とする相対値を示し、傘表部のみに陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を●印で、傘裏部にのみ陽極酸化皮膜を形成した吸気弁の場合を◆印で表している。
図13からは、傘表部、傘裏部のいずれに酸化皮膜を形成した吸気弁においても、陽極酸化皮膜の母材との界面から1μmの範囲における銀含有量が2%以上の範囲において、燃費向上効果が上昇していることが分かる。
(実施例7)
上記吸気弁素材に対して、希硫酸を電解液としての直流陽極酸化処理の後、銀イオン含電解液による交流陽極酸化処理を施す上記実施例1と同様の条件によって、吸気弁の全体に同様の陽極酸化皮膜を約50μmの厚さに形成した。
このように作製した吸気弁と陽極酸化処理を施していない吸気弁をそれぞれエンジンに組み込み、上記同様の性能試験を実施し、試験終了後における吸気弁の軸端部E、フェース部F、ステム部S、コッター溝部Gの摩耗量を調査し、その結果をそれぞれ図14〜17に示す。
これらの図から明らかなように、陽極酸化処理を施すことにより吸気弁各部位の硬度及び耐凝着性が向上しているものと考えられ、性能試験後の摩耗量が減少することが分かる。
(実施例8)
吸気弁素材に対して、上記実施例7と同様の条件によって、吸気弁の全体に同様の陽極酸化皮膜を約50μmの厚さに形成したのち、当該吸気弁に形成された陽極酸化皮膜をその厚さの半分である25μmだけ研磨し、陽極酸化皮膜のうちの成長層を取り除き、浸透層及びバリア層を残した。
そして、このように作製した成長層のない吸気弁と、陽極酸化処理ままの吸気弁をそれぞれエンジンに組み込み、上記同様の性能試験を実施し、試験終了後の吸気弁のフェース部Fにおける摩耗量を調査した。その結果を図18に示す。
図から明らかなように、陽極酸化処理後に成長層のみを研磨・除去することにより面圧が早期に安定し、しかも砥粒となるアルミナ粉が出難くなることから、性能試験終了後の摩耗量が減少することが分かる。
なお、浸透層及びバリア層まで除去した場合には、表面硬度低下が起こり耐摩耗性は劣化するものと考えられる。また、このような現象は、軸端部E、ステム部S、コッター溝部Gの各摺動部位についても同様に生じることは言うまでもない。
なお、上記各実施例においては、銀を含有する陽極酸化皮膜について説明したが、銅イオンを含む電解液を用いた陽極酸化処理による銅含有酸化皮膜についても、同様の効果が得られることが確認されている。
また、陽極酸化処理に際して、処理開始当初から銀イオンや銅イオンを含有する電解液を用いた場合でも、ある程度の効果が得られることは言うまでもない。また、平均熱放射率や銀や銅の含有量を少しでも増加させると、燃費向上効果が認められることは実施例で確認済みである。
ディーゼルエンジン用ピストンの構造及び各部の名称を説明する断面図である。 ガソリンエンジン用ピストンの構造及び各部の名称を説明する断面図である。 内燃機関用吸気弁の構造を例示する斜視図である。 吸気弁を介した熱放出の状況を未処理の吸気弁(a)と、所定の陽極酸化皮膜を傘部に形成した本発明の吸気弁(b)とで比較して示す概念図である。 実施例1の結果として燃費向上代に及ぼす陽極酸化皮膜と母材との界面部に存在する銀含有量の影響を示すグラフである。 陽極酸化皮膜の剥離強度に及ぼす陽極酸化皮膜と母材との界面部に存在する銀含有量の影響を示すグラフである。 実施例2の結果として陽極酸化皮膜形成部位による燃費向上代の相違を示すグラフである。 実施例3の結果として燃費向上代に及ぼす冠面部及び冠面裏部における陽極酸化皮膜面積の割合の影響を示すグラフである。 実施例4の結果として燃料霧化促進に基づく燃費向上分に及ぼす平均熱放射率の影響を示すグラフである。 燃料気化率に及ぼす平均熱放射率の影響を示すグラフである。 実施例5の結果として気化潜熱による抜熱促進に基づく燃費向上分に及ぼす平均熱放射率の影響を示すグラフである。 シリンダヘッド中央の温度に及ぼす平均熱放射率の影響を示すグラフである。 実施例6の結果として燃費向上分に及ぼす陽極酸化皮膜の母材界面側における銀含有量の影響を示すグラフである。 実施例7の結果として軸端部の摩耗量に対する陽極酸化皮膜の効果を示すグラフである。 実施例7の結果としてフェース部の摩耗量に対する陽極酸化皮膜の効果を示すグラフである。 実施例7の結果としてステム部の摩耗量に対する陽極酸化皮膜の効果を示すグラフである。 実施例7の結果としてコッター溝部の摩耗量に対する陽極酸化皮膜の効果を示すグラフである。 実施例8の結果としてフェース部の摩耗量に対する陽極酸化皮膜の成長層除去の効果を示すグラフである。
符号の説明
C 冠面部
Cp 冠面部リップ部ピン方向
Hb 傘裏部
Cb 冠面裏部
Gr リング溝部
S スカート部
Bp ピストンピンボス部
Oc 陽極酸化皮膜
Hf 傘表部
Hb 傘裏部
E 軸端部
G コッター溝部
S ステム部
F フェース部

Claims (11)

  1. 陽極酸化皮膜を備えたアルミニウム合金から成り、上記陽極酸化皮膜が銀及び/又は銅を含有していることを特徴とするアルミニウム合金製部品。
  2. 銀及び/又は銅が陽極酸化皮膜と母材との界面部に偏在しており、上記陽極酸化皮膜における母材との界面から少なくとも1μmまでの範囲に2〜30質量%の銀及び/又は銅を含有していることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金製部品。
  3. 内燃機関用のピストンであって、該ピストンの冠面部、冠面裏部及びリング溝部から選ばれた少なくとも1つの部位に上記陽極酸化皮膜を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金製部品。
  4. スカート部及びピストンピンボス部内周面以外の部位に上記陽極酸化皮膜を備えていることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金製部品。
  5. 冠面部に施した陽極酸化皮膜面積の冠面部面積に対する比をa、冠面裏部に施した陽極酸化皮膜面積の冠面裏部面積に対する比をbとしたとき、a≧0.6及び/又はb≧0.8であることを特徴とする請求項3又は4に記載のアルミニウム合金製部品。
  6. 冠面部には、燃焼室リップ部ピン方向を除く部位に陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載のアルミニウム合金製部品。
  7. 内燃機関用の吸気弁であって、上記陽極酸化皮膜を傘表部及び傘裏部の少なくとも一方に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金製部品。
  8. 上記傘表部及び傘裏部の少なくとも一方の平均熱放射率が0.5以上であることを特徴とする請求項7に記載のアルミニウム合金製部品。
  9. 上記傘表部及び傘裏部の少なくとも一方の平均熱放射率が0.7以上であることを特徴とする請求項7に記載のアルミニウム合金製部品。
  10. 軸端部、フェース部、ステム部及びコッター溝部から成る群から選ばれた少なくとも1つの部分、又は全面に上記陽極酸化皮膜を備えていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つの項に記載のアルミニウム合金製部品。
  11. 軸端部、フェース部、ステム部及びコッター溝部に形成された陽極酸化皮膜の成長層が取り除かれ、浸透層及びバリア層が残してあることを特徴とする請求項10に記載のアルミニウム合金製部品。
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