JPH09272998A - アルミニウム合金製摺動部材 - Google Patents
アルミニウム合金製摺動部材Info
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- JPH09272998A JPH09272998A JP10866096A JP10866096A JPH09272998A JP H09272998 A JPH09272998 A JP H09272998A JP 10866096 A JP10866096 A JP 10866096A JP 10866096 A JP10866096 A JP 10866096A JP H09272998 A JPH09272998 A JP H09272998A
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Abstract
性、耐焼付性に優れる皮膜を有する摺動部材を提供す
る。 【解決手段】 セラミックス粒子(2)を含むアルミニ
ウム合金母材(1)に陽極皮膜(3)を生成し、該皮膜
(3)中にセラミックス粒子(4)を分散させる。
Description
摺動環境下で使用されるアルミニウム合金製の摺動部材
に関するものである。
量、低燃費化等を目的にアルミニウム合金を主とした軽
量部材が多用されてきている。このアルミニウム合金は
構造部材として用いる一方、摺動部材としての用途も多
い。たとえば、動弁機構のスプリングリテーナ、バルブ
リフター等のエンジン部品にこのアルミニウム合金が利
用される。摺動部材に用いるアルミニウム合金として
は、Al−Si系合金、Al−Si−Cu系合金、Al−Si−Cu−Mg
系合金が一般的であり、共晶Si、あるいは共晶Siと初晶
Siをアルミニウム合金基地中に晶出させ、耐摩耗性、耐
焼付性を向上させている。上記アルミニウム合金系以外
のアルミニウム合金を用いる場合、アルミニウム合金か
らなる摺動部材の摺動部位に電気めっき、溶射等の表面
処理を施し摺動部位に耐摩耗性、耐焼付性を付与してい
るのが一般的である。又、軽微な摺動条件下では硬質ア
ルマイトのような陽極酸化皮膜を摺動部位に施して使用
することもある。最近では、硬質のセラミックス粒子、
セラミックス繊維を添加、含浸させ、基地中に分散させ
ることで耐摩耗性、耐焼付性の向上をはかる硬質粒子、
繊維分散型のアルミニウム合金基複合材料が用いられて
いる。
摺動部材たとえば、動弁機構のスプリングリテーナを内
燃機関等の過酷な摺動環境下で用いる場合、アルミニウ
ム合金の摺動部材であるAl−Si(−Cu−Mg)系の合金
は、晶出する共晶、初晶Siが耐摩耗性、耐焼付性の向上
に付与するものの、強度特性的には、基地中にこれらの
晶出物が存在することで逆に破壊の起点となりやすく、
靱性の低下が顕著となる。特に、初晶Siは、共晶Siに比
べて大きく、耐摩耗性、耐焼付性では有利となるもの
の、逆に靱性の低下は大きい。内燃機関に用いられる摺
動部材は、静的荷重、又は動的荷重を受け摺動している
が、動弁系部品のように動的荷重(叩かれ、衝撃)によ
る耐衝撃性を要求される部位には、上記合金の適用は信
頼性に問題を残す。表面処理での適用についても、めっ
き、溶射等は、アルミニウム合金界面との密着性を考慮
する必要があり、叩かれ、衝撃等の動的荷重が作用する
部位では、皮膜自身の割れ、界面での剥離が生じること
を考慮する必要がある。
表面を酸化させることで形成されるため、動的荷重に対
する密着性の問題は無いものの、電気めっき、溶射等に
比べて耐摩耗性、耐焼付性が劣るため、性能面での適用
が限られる。
ミニウム合金基複合材料は、耐衝撃強度等、靱性に優れ
たアルミニウム合金を基地材料にし、セラミックスを添
加する等、用途にあわせて、合金設計の自由度が高く、
動的荷重の作用する摺動部材としては、これまでの中で
優れた性能を有する。しかし、セラミックスは硬く、そ
れが耐摩耗性、耐焼付性に付与するものであるが、摺動
時、これらセラミックス粒子が脱落していくと、脱落し
たセラミックス粒子が研磨材として作用し、相手材を摩
耗させていく問題が生じてくるため、摺動条件等の環境
面での配慮が必要となる。
として、特に動弁部品としてのスプリングリテーナ等の
動的荷重が作用する場合にも適用可能な耐摩耗性、耐焼
付性に優れる皮膜を有するアルミニウム合金製摺動部材
を提供することにより、前述した従来技術の不具合を解
消させることにある。
を解決するために、基本的には、セラミックス等の硬質
粒子を分散させた高靱性、高強度のアルミニウム合金基
複合材料において、その表面に陽極酸化(アルマイト)
処理を施し、セラミックス粒子を分散させた複合陽極酸
化皮膜を形成させる手段を採用する。この手段の採用
は、陽極酸化皮膜中に分散しているセラミックス粒子
を、前述のように高硬度の陽極酸化皮膜により固定させ
ているため、セラミック粒子が脱落しにくく、セラミッ
クス粒子と陽極酸化皮膜により優れた耐摩耗性、耐焼付
性を示す。ベースとなるアルミニウム合金は、高靱性、
高強度の組成配合(たとえば、AA2618)とするこ
とで、動的荷重の作用する内燃機関の摺動部材として信
頼性の高いものとなり得る。
母材に形成した皮膜硬さがHmV200以上であって、
かつ皮膜厚さが5μm 以上である陽極酸化(アルマイ
ト)皮膜層に、平均粒径5〜15μm であってかつ硬さ
HmV1000以上を有するセラミックス粒子を皮膜容量を
100とした場合に2.5〜10.0容量%複合分散させて
なるアルミニウム合金製摺動部材を提供する。
15μm 、硬さがHmV1000以上あるセラミックス粒子
を2.5〜10.0容量%添加したアルミニウム合金母材の
表面に、陽極酸化(アルマイト)処理を皮膜硬さがHm
V200以上、かつ皮膜厚さが5μm以上になるように
施す。これより陽極酸化皮膜は、セラミックスが皮膜容
量を100とした場合に2.5〜10.0容量%複合分散さ
せた硬質粒子分散複合陽極酸化(アルマイト)皮膜を形
成してなるアルミニウム合金製摺動部材となる。
化皮膜中に分散するセラミックス粒子の平均粒径を5〜
15μm とした理由として、5μm 以下では、耐摩耗
性、耐焼付性の効果は認められず、15μm 以上では、
アルミニウム合金本体の靱性が損なわれることによる。
又、2.5容量%以下の添加では、耐摩耗性、耐焼付性の
効果が認められず、10.0容量%以上では、耐摩耗性、
耐焼付性のそれ以上の改善は認められず、かえってアル
ミニウム合金本体の靱性を損ねてしまう。同様に、陽極
酸化皮膜についても硬さがHmV200以下では、添加
硬質粒子の脱落を阻止するのに効果はなく、皮膜厚さが
5μm 以上なければ同様にその効果は認められない。
を有するアルミニウム合金として知られているAA26
18合金溶湯をアトマイズ法により急冷凝固させて合金
粉末にしたものに、平均粒径が8μm となるAl2O3 セラ
ミックス粒子2を5容量%添加し、混合した後、圧粉成
形体とし、熱間押し出し加工を施しベースとなるアルミ
ニウム合金母材1を作製した。次に、目的とする摺動部
材を得るため、上記材料を所定の形状に加工後、硬質ア
ルマイト処理を実施し、硬質アルマイト層3を得た。硬
質アルマイトの処理条件は12%硫酸浴(浴温0℃)、
電流値;600A、処理時間;50min である。
径8μm のAl2O3 (硬さ;HmV2500)セラミックス粒
子4が、皮膜容量を100とした場合に5.0容量%複合
分散し、硬質アルマイト皮膜硬さはHmV320、皮膜
厚さを20μm とする硬質粒子分散複合陽極酸化皮膜を
有するアルミニウム合金製摺動部材用の素材5を得た。
ニウム合金摺動部材用の素材5からテストピース7を作
り、図2の試験機を用い、摩耗テストをした。試験機6
は回転するドラム8(ScM浸炭材よりなる)にテスト
ピース7を荷重をかけて押付け、その摺接面には潤滑油
9を供給するものである。テスト条件は、テストピース
7への荷重10kgf 、ドラム8とテストピース7との摺
動速度3m/sec 、潤滑油9はモータオイル(80℃)で
ある。
ミックスを2.5容量%としたものについての同テストの
結果を示す。皮膜中に分散するセラミックス粒子の平均
粒径が、5μm 以下では、セラミックス粒子による耐摩
耗性の効果は低下し、摩耗量が多くなる。又、2.5容量
%以下の添加でも、耐摩耗性の効果が認められない。陽
極酸化皮膜についても硬さがHmV200以下では、添
加硬質粒子の脱落を阻止するのに効果はなく、相手材の
摩耗を多くしている。
能を確認するため、ガソリンエンジン用のバルブリテー
ナに素材5を成形加工し、モータリング耐久試験(1300
0rpm×50Hr)を行った。上記摺動部材としたものを本
発明品とし、比較材として、AA2618組成のものに
平均粒径が8μm のAl2O3 セラミックス粒子を5容量%
添加し、その後の硬質アルマイト処理を施さないものを
比較材Aとし、AA2618組成でセラミックス粒子を
含まない皮膜硬さはHmV320のものに、皮膜厚さ2
0μm の硬質アルマイトのみを施したものを比較材Bと
して用いた。又、比較材Cとして、比較材Aの表面にNi
−Pめっきを20μm 施したものも試験に供した。
リング耐久試験後のスプリングと当接するスプリング座
面の摩耗をリテーナの摩耗量とし、スプリング側の当接
面の摩耗をスプリング摩耗量として、耐摩耗性の比較に
用いた。比較材Aは、添加分散しているセラミックス粒
子の研磨作用により、相手スプリングの摩耗は多い。比
較材Bは、硬質アルマイト自身の耐摩耗性能が不足して
いるため、硬質アルマイト皮膜は摩滅し、リテーナが異
常摩耗を起こしている。又、比較材Cでは、衝撃等の動
的荷重を受けるため、めっきの密着性が問題となり、こ
こでは剥離を生じていた。これら比較材に対して、本発
明材は、相手材を摩耗させることもなく、自身の摩耗も
少なく、良好な耐摩耗性を示していた。
限定する必要もなく、動的荷重等の作用しない部位への
摺動部材としての適用も可能である。
材の断面図である。
例である。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム合金母材に形成した皮膜硬
さがHmV200以上であって、かつ皮膜厚さが5μm
以上である陽極酸化(アルマイト)皮膜層に、平均粒径
5〜15μm であってかつ硬さHmV1000以上を有する
セラミックス粒子を皮膜容量を100とした場合に2.5
〜10.0容量%複合分散させてなるアルミニウム合金製
摺動部材。 - 【請求項2】 アルミニウム合金母材はアルミニウム合
金粉末にセラミックス粒子を添加し、混合、成形、熱間
加工をして形成される請求項1記載のアルミニウム合金
製摺動部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10866096A JPH09272998A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | アルミニウム合金製摺動部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10866096A JPH09272998A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | アルミニウム合金製摺動部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09272998A true JPH09272998A (ja) | 1997-10-21 |
Family
ID=14490452
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10866096A Pending JPH09272998A (ja) | 1996-04-05 | 1996-04-05 | アルミニウム合金製摺動部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09272998A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209411A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-09-24 | Kobe Steel Ltd | 半導体液晶製造装置用アルミニウム合金部材 |
WO2018173719A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | Kyb株式会社 | 摺動部材の製造方法及び摺動部材 |
-
1996
- 1996-04-05 JP JP10866096A patent/JPH09272998A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010209411A (ja) * | 2009-03-10 | 2010-09-24 | Kobe Steel Ltd | 半導体液晶製造装置用アルミニウム合金部材 |
WO2018173719A1 (ja) * | 2017-03-23 | 2018-09-27 | Kyb株式会社 | 摺動部材の製造方法及び摺動部材 |
JP2018159113A (ja) * | 2017-03-23 | 2018-10-11 | Kyb株式会社 | 摺動部材及び摺動部材の製造方法 |
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