JP2007284757A - 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液からフッ素を除去する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ素を高レベルで含有する亜鉛含有物を溶解して得られた湿式亜鉛製錬用工程液に蓄積されてしまうフッ素を液中から効率よく吸着除去することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、低フッ素濃度の溶液の中ではフッ素吸着が飽和状態となっていて従来の工程では廃棄対象としていたフッ素吸着剤を、フッ素高濃度溶液を対象とするフッ素吸着剤としては十分な吸着サイトを持っているものとして有効活用する。さらに、自工程で発生する鉄化合物をフッ素吸着剤として使用して湿式亜鉛製錬用工程液中のフッ素濃度を目標範囲に管理するために必要な吸着剤コストが少なくなる。これにより、湿式亜鉛製錬用として安価な原料である亜鉛含有物の使用量を増やすことも可能となり、湿式亜鉛製錬工程のトータルコストを削減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】上記課題を解決するために、低フッ素濃度の溶液の中ではフッ素吸着が飽和状態となっていて従来の工程では廃棄対象としていたフッ素吸着剤を、フッ素高濃度溶液を対象とするフッ素吸着剤としては十分な吸着サイトを持っているものとして有効活用する。さらに、自工程で発生する鉄化合物をフッ素吸着剤として使用して湿式亜鉛製錬用工程液中のフッ素濃度を目標範囲に管理するために必要な吸着剤コストが少なくなる。これにより、湿式亜鉛製錬用として安価な原料である亜鉛含有物の使用量を増やすことも可能となり、湿式亜鉛製錬工程のトータルコストを削減することができる。
【選択図】図1
Description
本件発明は、フッ素を含む亜鉛含有物である粗酸化亜鉛などを溶解原料として使用することによりフッ素を含有してしまう亜鉛の電解採取用硫酸酸性工程液からのフッ素除去方法に関する。具体的には、低濃度フッ素水溶液中でフッ素を吸着したフッ素吸着剤を高濃度フッ素水溶液中のフッ素吸着剤として用いることによりフッ素吸着剤のフッ素吸着効率を改善したフッ素除去方法に関する。
一般的な湿式亜鉛製錬工程では、原料である硫化亜鉛鉱を焙焼して主成分である硫化亜鉛を酸化脱硫して酸化亜鉛を主成分とした焼鉱を得ている。その後、この焼鉱をいわゆる電解尾液(亜鉛電解槽で金属亜鉛の電解採取工程を経た硫酸酸性硫酸亜鉛溶液)で溶解浸出して亜鉛浸出液とし、この亜鉛浸出液から電解採取工程に悪影響を与える不純物(主に亜鉛よりもイオン化傾向の小さな金属)を除去した清浄液としている。亜鉛電解液はこの清浄液を用いて組成を調整され、電解工程内を循環している。そして、循環工程内に配備された亜鉛電解槽に於いて鉛系合金をアノードとし、アルミニウム板をカソードとして用いて電解法により亜鉛をカソード板に電着させて採取し、純度99.99%の電気亜鉛を製造している。本件発明では湿式亜鉛製錬工程に係わる硫酸酸性硫酸亜鉛溶液であるこれら電解尾液、亜鉛電解液、亜鉛浸出液及び清浄液を総称して「湿式亜鉛製錬用工程液」と称している。
一方、近年においては製鋼所における製鋼過程で排出される製鋼ダストや亜鉛めっき工程で発生する亜鉛滓類を再生処理して得られる粗酸化亜鉛などの亜鉛含有物を前述の焼鉱と混合して使用する方法も採用されてきている。
上述したように、亜鉛含有物は非硫化物であるために焙焼の必要がなく、もって湿式亜鉛製錬工程における製造コストの低下は図れるものではあるが、ハロゲン元素を含有していることにより湿式亜鉛製錬工程において不具合発生の原因となりうることもよく知られている。有害とされるハロゲン元素は限定されているものではないが、本件発明では湿式亜鉛製錬において特に重大な問題を引き起こすフッ素に着目している。
ところで、亜鉛電解液中のフッ素濃度の許容範囲であるが、一般的には20mg/Lが上限とされている。これを超えると亜鉛を電着させるカソードであるアルミニウム板の腐食が激しくなり、自動機械では電着した亜鉛板をカソード板であるアルミニウム板から剥ぎ取ることができない所謂密着板が発生する傾向が現れるのである。その結果、電解工程の連続操業を維持するためには密着板をオフラインで処理し、代替のカソード板と入れ替えるという操作が必要となってしまい、密着板の発生量が多い場合にはライン停止となってしまうこともあり得るのである。そして、密着板を人力で処理することは繰返し使用されるべきアルミニウム板の寿命が腐食及び機械的ダメージにより短縮してしまうことになり、結果として製造コストの上昇につながり、安価な原料の使用メリットを生かせなくなるどころか逆効果にもなりうるのである。
そこで、亜鉛電解液にフッ素を混入させない手法としていくつかの方法が提案されている。特許文献1には合計3種類の手法が開示されている。第一法はフッ素を亜鉛電解液に混入させない方法として亜鉛源(亜鉛原料)の段階で水洗を行う方法(「従来法1」とする。)である。第二法は硫酸化焙焼法でフッ素を除去する方法(「従来法2」とする。)である。そして第三法は亜鉛の電解製錬工程を2段階に分け、第1段階でフッ素イオンを含まない硫酸酸性硫酸亜鉛溶液を用いて所定量の亜鉛を析出させた後、第2段階としてフッ素イオンを含む硫酸酸性硫酸亜鉛溶液から既に析出している亜鉛の上に更に亜鉛を析出させるという亜鉛の2段階電解採取法(「従来法3」とする。)である。
また、特許文献2には、亜鉛電解液から直接フッ素を除去する方法として水酸化セリウムを用いたフッ素除去法が開示されている(「従来法4」とする。)。
そして、特許文献3〜特許文献8には排水処理工程に於けるフッ素の除去手法が開示されている。
前述の如く各種提案はなされてはいるものの、まず従来法1の手法である水洗のみでは亜鉛含有物に含まれているフッ素の化学結合状態がすべて易水溶性であるとは限らないためにフッ素の十分な除去はそれほど期待できない。
そして従来法2では硫酸化焙焼という特殊な工程を必要とするために追加設備が必要であり、故にランニングコストのアップも確実であり、経済性をかなり損なうものとなってしまう。
さらに従来法3では電解採取工程を2段階に分ける必要があるために類似の電解採取設備が最低2セット必要となり、フッ素の悪影響は避けられるものの製錬設備に対する設備投資費用が増大し、工程管理も複雑化するためにコストアップは免れ得ない。
さらに従来法4ではフッ素を吸着する機能を持つ水酸化セリウムの価格が高く、実操業への移行はランニングコスト面の問題から困難である。
即ち、これら特許文献1及び特許文献2に示された従来法1〜従来法4は、原料コストを抑えることができたとしてもフッ素を所期のレベルまで低減することが困難であったり、特殊な処理を行うために従来設備に対して更に追加設備を配備する必要があるために設備レイアウトの見直しも必要となったり、また高価な添加剤を用いる必要があるなど工程全体ではコストアップになってしまう点から実用化は困難な手法であった。
そして、特許文献3に示されている従来法5及び特許文献4に示されている従来法6は、廃水処理に適用されるフッ素の除去技術であり、最初にカルシウムを作用させてフッ化カルシウムとして取り除き、次いで液中に残留する低濃度フッ素を水酸化アルミニウムに吸着させて除去するという手法をとっている。
これらの手法は、湿式亜鉛製錬用工程液を代表とする硫酸濃度の高い水溶液を対象とした場合には大量の硫酸カルシウムが生成してしまうことになって適用は困難である。また、フッ素吸着剤としての水酸化アルミニウムは固形物となったフッ化物を濾別するために一旦溶解後再生するというプロセスを経ており、処理プロセスが煩雑であると同時に副産物であるアルミニウム化合物の廃棄処理などが必要となってしまうのである。したがって対象とする液質が異なっているが故に処理工程の構成が異なり、またフッ素除去の手法も異なっていて本件発明が目的とする湿式亜鉛製錬用工程液等には適用できないものである。
そしてまた、特許文献5〜特許文献8に開示されている技術も廃水処理に関連するフッ素除去又はフッ化カルシウムの回収技術であり、主にCaを用いてフッ素を固定する手法を採用しているため、硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中では硫酸カルシウムが生成してしまい用いることが困難な手法でもある。
以上から分かるように、安価な原料であるフッ素を含む粗酸化亜鉛などの亜鉛含有物を利用することによるコストダウンの効果を、その他追加工程や工程トラブルによるコストアップで相殺させないようにすることが亜鉛製錬業者にとって大きな命題であったのである。すなわち、大規模な設備の追加を伴うなどの投資を必要とせずランニングコストも小さくて済む湿式亜鉛製錬に好適な、フッ素を含む湿式亜鉛製錬用工程液からフッ素を除去する方法が希求されてきたのである。
本件発明者等は上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、フッ素を含有している亜鉛含有物を亜鉛電解液調製用の亜鉛源として用いた場合に湿式亜鉛製錬用工程液等の硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中に蓄積されるフッ素を、工程内で廃棄対象となっている物質を原料として吸着除去する本件発明に係るフッ素除去方法を見出したのである。以下に課題を解決するための手段について詳細に述べる。
本件発明は硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法であって、以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とする硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法を提供する。
工程A: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程B: 前記初期吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
工程A: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程B: 前記初期吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
前記工程Aで使用されるフッ素吸着用の鉄化合物は前記工程Bで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることが好ましい。
本件発明は硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法であって、以下の工程a〜工程cを含むことを特徴とする硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法を提供する。
工程a: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程b: 前記初期吸着処理液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素中間吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と中間吸着処理液とに分別する一連の操作を少なくとも1回以上行う中間吸着工程。
工程c: 前記中間吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
工程a: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程b: 前記初期吸着処理液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素中間吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と中間吸着処理液とに分別する一連の操作を少なくとも1回以上行う中間吸着工程。
工程c: 前記中間吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
前記工程aで使用されるフッ素吸着用鉄化合物は前記工程bで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることが好ましい。
前記工程bで使用されるフッ素吸着用鉄化合物は前記工程cで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることが好ましい。
上記フッ素吸着用鉄化合物は塩基性硫酸鉄、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄、酸化鉄から選択された1種又は2種以上を用いることも好ましい。
前記フッ素吸着用鉄化合物は湿式亜鉛製錬の副産物である赤渣を溶解して得られた高温高酸溶解液に含まれる鉄イオンを出発材料とし、加水分解により鉄化合物としたものであることもより好ましい。
フッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物はフッ素濃度が30mg/L〜150mg/Lである吸着処理液と混合することが好ましい。
本件発明に係るフッ素吸着工程では使用するフッ素吸着剤の能力を最大限に発揮でき、フッ素吸着処理工程全体では処理工程規模の縮小と使用吸着剤量の削減、発生する廃棄物量の減少が可能となる。
本件発明に係るフッ素吸着工程を説明する前に、説明の理解が容易になるよう本件発明に係る鉄化合物によるフッ素の吸着機構について説明する。鉄化合物によるフッ素の吸着機構は、活性炭吸着のようにマイクロポアによる分子の物理的な取り込みによる吸着機構とは異なる化学吸着であって、吸着反応はイオン交換的な働きによる平衡反応であると考えられる。すなわち、このような場で用いられる吸着剤の吸着能は吸着済みの被吸着物質量と反応の場に存在する被吸着物質濃度の両方から影響を受けるのである。したがって、溶液中のフッ素濃度が高い場合には吸着剤の単位質量当たり多量にフッ素を吸着できるので、既にフッ素を吸着済みではあっても吸着処理対象である溶液中のフッ素濃度に対して飽和になっていないフッ素吸着用鉄化合物であれば吸着剤としての機能を発揮できるのである。以下本工程の流れの理解を容易にするために、図1に示す代表的なフローチャートを参照しながら説明する。
また、以下の本件出願の説明においては、図1に示す硫酸酸性硫酸亜鉛溶液は亜鉛含有物を電解亜鉛製錬工程で循環している電解尾液に溶解したものであってフッ素吸着未処理の状態にあるためこの溶液を「母液」と称する。そして、フッ素の吸着処理後分別された溶液も硫酸酸性硫酸亜鉛溶液ではあるがこれを「吸着処理液」と称して区分する。また、フッ素を未吸着のフッ素吸着用鉄化合物を「第一吸着剤」と称する。そして、フッ素吸着に使用され吸着処理液と分別して得られたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物をフッ素品位にかかわらず「第二吸着剤」と称する。
〔第一フッ素吸着方法〕
本件発明に係る第一フッ素吸着方法は母液中のフッ素除去方法であって、以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とするフッ素除去方法である。
工程A: 母液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液を第二吸着剤と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程B: 前記初期吸着処理液と第一吸着剤とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液を第二吸着剤と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
本件発明に係る第一フッ素吸着方法は母液中のフッ素除去方法であって、以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とするフッ素除去方法である。
工程A: 母液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液を第二吸着剤と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程B: 前記初期吸着処理液と第一吸着剤とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液を第二吸着剤と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
まず工程Aであるが、図1では初期吸着工程として記載している部分である。ここでフッ素の吸着処理対象としているのは母液であり、全体の中で最もフッ素濃度が高い溶液からのフッ素除去工程である。従って工程Aでは後述する最終吸着工程である工程Bから得られる吸着処理液中のフッ素濃度を目標値まで低下させることのできるレベルまでフッ素濃度を低下させるのである。そして、この工程でフッ素を吸着済みとなったフッ素吸着剤は全工程の中で最もフッ素品位の高いものであるため、廃棄対象とするのである。
そして工程Bは、図1で最終吸着工程として記載している部分である。この工程では工程Aから得られたフッ素濃度が低くなった初期吸着処理液に対し第一吸着剤を用いて溶液中のフッ素を吸着させ、最終吸着処理液中のフッ素濃度を目標濃度に調整するのである。この工程では溶液中のフッ素濃度が低く、また吸着処理液中のフッ素濃度を確実に目標値に調整する必要があるため吸着能力が明確である第一吸着剤を用い、最適な混合量を算出した上で添加して処理し、目的とした最終吸着処理液を得るのである。
前記工程Aで使用されるフッ素吸着用鉄化合物は前記工程Bで分別された第二吸着剤であることが好ましい。工程Bで最終フッ素吸着混合液から分別して得られた第二吸着剤は母液よりもフッ素濃度の低い硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中でフッ素を吸着済みのものであって母液に対するフッ素吸着能力が十分備わっており、本工程Aではフッ素吸着剤として好適に用いることができるのである。
〔第二フッ素吸着方法〕
本件発明に係る第二フッ素吸着方法は母液中のフッ素除去方法であって、以下の工程a〜工程cを含むことを特徴とするフッ素除去方法である。
工程a: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液を第二吸着剤と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程b: 前記初期吸着処理液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素中間吸着混合液を第二吸着剤と中間吸着処理液とに分別する一連の操作を少なくとも1回以上行う中間吸着工程。
工程c: 前記中間吸着処理液と第一吸着剤とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液を第二吸着剤と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
本件発明に係る第二フッ素吸着方法は母液中のフッ素除去方法であって、以下の工程a〜工程cを含むことを特徴とするフッ素除去方法である。
工程a: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液を第二吸着剤と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程b: 前記初期吸着処理液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素中間吸着混合液を第二吸着剤と中間吸着処理液とに分別する一連の操作を少なくとも1回以上行う中間吸着工程。
工程c: 前記中間吸着処理液と第一吸着剤とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液を第二吸着剤と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。
本第二フッ素吸着方法に含まれる工程aは前述の第一フッ素吸着方法における工程Aに相当し、工程cは工程Bに相当するため繰り返しとなる説明は省略し、以下工程bを中心に説明する。
上記工程bは、図1では中間吸着工程として記載されている部分であり、この工程はフッ素吸着剤の吸着効率の最大化を目的としている。前述のように、フッ素吸着用鉄化合物のフッ素吸着能力は吸着処理液中のフッ素濃度の影響を受けている。従って、少量の吸着剤を使用して吸着効率の最大化を図ろうとすると、処理対象溶液中のフッ素濃度を段階的に低下させると同時に吸着剤のフッ素品位を逐次高めてゆくことになり、最終吸着処理液中のフッ素濃度を目標値に到達するまで吸着処理液と第二吸着剤のカウンターフローとなるフッ素吸着処理を繰り返すことが必要になる。すなわち、工程cで処理対象となる吸着処理液中のフッ素濃度が第一吸着剤の添加に最適な濃度になるまで、必要回数工程bを繰り返すのである。そして、処理開始時点の条件が同一であれば、当該工程bを回数多く実行するほど最終吸着処理液中のフッ素濃度はより低いレベルに、且つ廃棄される第二吸着剤中のフッ素品位はより高く出来るため使用する第一吸着剤は少なくできるのである。しかし実操業に当たっては、目標とするフッ素除去後のフッ素濃度と使用可能なフッ素吸着用鉄化合物の総量、そして経済性とのバランスを考えて繰り返し回数を設定することが好ましいのである。
そして、前記工程aで使用されるフッ素吸着用鉄化合物は前記工程bで分別された第二吸着剤であることが好ましく、前記工程bで使用されるフッ素吸着用鉄化合物は前記工程cで分別された第二吸着剤であることが好ましいのである。そして、工程bを複数回繰り返す場合(例えば工程b1→工程b2等)、後工程であるb2では工程cから得られた第二吸着剤を使用し、前工程であるb1では後工程b2から得られた第二吸着剤を使用するのである。また、工程aでは工程cで分別された第二吸着剤を使用しても構わないのである。
上記フッ素吸着用鉄化合物は塩基性硫酸鉄、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄、酸化鉄から選択された1種又はそれらの混合物であることも好ましい。これら鉄化合物はフッ素に対する吸着能を有する物質として本件発明者等が既に合成して確認済みの物質である故に好ましいのである。
前記フッ素吸着用鉄化合物は湿式亜鉛製錬の副産物である赤渣を溶解して得られた高温高酸溶解液に含まれる鉄イオンを出発材料とし、加水分解により鉄化合物としたものであることもより好ましい。本件発明がフッ素除去の対象工程としている湿式亜鉛製錬では原料として使用する硫化亜鉛鉱に鉄が含有されている。そして、硫化鉱を焙焼して得られる焼鉱から亜鉛を浸出する工程では未溶解残渣が発生し、従来は廃棄処理されていた物であった。しかし、この工程で発生する残渣は赤渣といわれ、その中には鉄が亜鉄酸亜鉛として含有されているのである。したがって、赤渣は亜鉄酸亜鉛を含んだ原料として高温高酸条件で溶解し、亜鉛の採集率を上げる取り組みも行われているのである。
この様な状況下では、鉄をフッ素吸着剤として有効活用し、製鋼ダストや亜鉛めっき工程で発生する亜鉛滓類を再生処理して得られる粗酸化亜鉛などの亜鉛含有物を前述の焼鉱と混合して使用する際の含有フッ素量と赤渣発生量とのバランスを最適化することができれば、フッ素除去に必要となる吸着剤コストを最小にできるのである。そして、この高温高酸溶解液を中和することによって析出してくる鉄化合物は前記塩基性硫酸鉄、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄、酸化鉄のいずれの形態をも取り得るのである。
また、前述のように工程液中のフッ素量と赤渣量とのバランスがとれることが好ましいのではあるが、一時的にしろバランスがとれない場合には別途鉄化合物を形成させて添加することが当然必要となるのである。そして、この場合には可能であれば最もフッ素の吸着能が大きな形態での補助添加が推奨される。しかしながら形態を限定する必然性もなく、最も入手が容易であったり、コストの低い物が選択されることが好ましいのである。また、フッ素吸着用鉄化合物の添加方式についても前記化合物として添加する方式に限定されることはなく、前述のように高温高酸溶解液を用いるなど鉄を含んでいる溶液を添加し、その後混合液のpHや液温そしてエアレーションや酸化剤の添加などにより、溶液中でフッ素の吸着に有効な化合物形態とすることも有効なのである。
第一吸着剤はフッ素濃度が30mg/L〜150mg/Lである吸着処理液中に添加することが好ましい。この濃度は使用できるフッ素吸着用鉄化合物量と被吸着物質であるフッ素の除去目標レベルの設定次第で変動しうる数値ではある。しかし、一般的な湿式亜鉛製錬工程を対象と考えた場合には前述の如く最終的に得られる溶液中のフッ素濃度を20mg/L以下とすることが目標となっており、この目標達成とのバランスをとるためには最適な範囲なのである。即ち、使用するフッ素吸着用鉄化合物の形態によって異なるフッ素濃度域別吸着能を勘案することで、最小のフッ素吸着用鉄化合物量と工程数で最大のフッ素吸着を実現できることになる。したがって亜鉛製錬工程に供用可能な亜鉛含有物量の最大化にはより好ましく、推奨されるのである。
すなわち、工程全体で使用されるフッ素吸着用鉄化合物の総使用量〔Fe(g)〕と母液中に含有されるフッ素量〔F(g)〕との比〔Fe(g)/F(g)〕はより小さいことが好ましいことになる。前述のように従来は廃棄対象であった赤渣をフッ素吸着剤として活用できたとしてもその使用可能量は供用する硫化鉱の鉄品位や絶対量に依存しており、常に必要とされるフッ素除去量とバランスがとれているとは言えないのである。したがって、湿式亜鉛製錬工程のコストダウンのために酸化焙焼工程を必要としない安価な前記亜鉛含有物を原料としてより多く使用しようとしても前記赤渣の発生量により使用量の上限が定まってしまうのである。そして、現状で使用可能とされている硫化鉱や酸化鉱の鉄品位から見込まれる赤渣発生量と前記亜鉛含有物中のフッ素品位からバランスがとれるFe使用量を算定してみると、上記重量比は300以下〔(添加Fe:g)/(溶液中F:g)≦300〕であることが現実的には好ましいのである。
<フッ素除去工程フロー>
亜鉛含有物を電解尾液に溶解した尾液溶解液を母液とし、図2に示したフローでフッ素の吸着試験を実施した。
亜鉛含有物を電解尾液に溶解した尾液溶解液を母液とし、図2に示したフローでフッ素の吸着試験を実施した。
ここで用いた亜鉛含有物の成分組成、電解尾液の液組成及び亜鉛含有物300gを電解尾液1.7Lに溶解して得られた尾液溶解液(母液)の液組成を表1に示す。この表1に見られるように、実施例における母液中のフッ素濃度は200mg/Lであった。
<フッ素濃度分析>
溶液中のフッ素濃度分析は以下のような測定方法によった。被検溶液から試料溶液5mLを100mLビーカーに採取し、これに1mol/Lのクエン酸ナトリウム20mLを添加して撹拌した。その後、0.5mol/LのEDTA・2Na溶液40mLを添加して撹拌した後、10wt%の水酸化ナトリウム溶液及び/又は1.8mol/Lの硫酸を用いてpH8.0に調整した。このpH調整した溶液の全量を容量100mLのメスフラスコに移し、純水でメスアップして液量を100mLとした。そしてこの100mLの溶液を、ビーカーに移しフッ素イオン電極を挿入して電位を測定した。そして予め作成しておいた検量線と照合し、溶解液中のフッ素濃度を算定した。
溶液中のフッ素濃度分析は以下のような測定方法によった。被検溶液から試料溶液5mLを100mLビーカーに採取し、これに1mol/Lのクエン酸ナトリウム20mLを添加して撹拌した。その後、0.5mol/LのEDTA・2Na溶液40mLを添加して撹拌した後、10wt%の水酸化ナトリウム溶液及び/又は1.8mol/Lの硫酸を用いてpH8.0に調整した。このpH調整した溶液の全量を容量100mLのメスフラスコに移し、純水でメスアップして液量を100mLとした。そしてこの100mLの溶液を、ビーカーに移しフッ素イオン電極を挿入して電位を測定した。そして予め作成しておいた検量線と照合し、溶解液中のフッ素濃度を算定した。
<フッ素吸着剤の調製>
本実施例では、赤渣を高温高酸条件で尾液に溶解した高温高酸溶解液をフッ素濃度を目標値に調整する第一吸着剤の原料として用いた。この高温高酸溶解液を吸着処理液に添加すると鉄濃度が上昇しpHは低下するのである。しかしながら、中和剤を用いてpH範囲を3.5〜4.5とすることにより鉄化合物が析出し、フッ素吸着剤として機能するのである。ここで用いた高温高酸溶解液の組成を表2に示す
本実施例では、赤渣を高温高酸条件で尾液に溶解した高温高酸溶解液をフッ素濃度を目標値に調整する第一吸着剤の原料として用いた。この高温高酸溶解液を吸着処理液に添加すると鉄濃度が上昇しpHは低下するのである。しかしながら、中和剤を用いてpH範囲を3.5〜4.5とすることにより鉄化合物が析出し、フッ素吸着剤として機能するのである。ここで用いた高温高酸溶解液の組成を表2に示す
<最終吸着工程>
最終吸着工程では前記高温高酸溶解液7.0Lを初期吸着処理液1.7Lに加えて攪拌混合し、Zn濃度115g/L、F濃度0.032g/L、Fe濃度13.8g/Lの溶液を得た。そして、この溶液に、フッ素を吸着する鉄化合物の生成と同時にフッ素の吸着操作を行うためのpH調整剤として亜鉛含有物を加えて、液温を80℃として60分間攪拌し、pHを3.5〜4.5とした。
最終吸着工程では前記高温高酸溶解液7.0Lを初期吸着処理液1.7Lに加えて攪拌混合し、Zn濃度115g/L、F濃度0.032g/L、Fe濃度13.8g/Lの溶液を得た。そして、この溶液に、フッ素を吸着する鉄化合物の生成と同時にフッ素の吸着操作を行うためのpH調整剤として亜鉛含有物を加えて、液温を80℃として60分間攪拌し、pHを3.5〜4.5とした。
そして、亜鉛含有物の添加によりpH調整した液を固液分離し、最終吸着処理液8.7Lと第二吸着剤482gとに分別した。この最終吸着処理液の組成を分析したところ、フッ素濃度は19mg/Lであり、所期の目的は達成されていた。詳細を表2に示す。
<初期吸着工程>
そして、初期吸着工程では最終吸着工程において分別して得られた第二吸着剤を使用したのである。この第二吸着剤は、フッ素最終吸着混合液の状態ではフッ素吸着がほぼ飽和状態になっていたと考えられるものである。前述のように高濃度フッ素を含有する母液1.7Lに当該第二吸着剤の全量482gを加え攪拌してフッ素の吸着操作を行い、分別することにより表2に示したフッ素初期吸着処理液が得られたのである。
そして、初期吸着工程では最終吸着工程において分別して得られた第二吸着剤を使用したのである。この第二吸着剤は、フッ素最終吸着混合液の状態ではフッ素吸着がほぼ飽和状態になっていたと考えられるものである。前述のように高濃度フッ素を含有する母液1.7Lに当該第二吸着剤の全量482gを加え攪拌してフッ素の吸着操作を行い、分別することにより表2に示したフッ素初期吸着処理液が得られたのである。
その結果、フッ素初期吸着処理液中のフッ素濃度は200mg/Lであった母液に対し80mg/Lにまで低下している。すなわち、フッ素最終吸着混合液中では飽和状態になっていたと考えられる第二吸着剤は、フッ素濃度の高い初期吸着工程では十分に吸着能を有していることが明らかである。
<亜鉛含有物処理可能量>
上記結果から、フッ素吸着剤として機能する高温高酸溶解液に含まれるFe分に対して処理可能なフッ素量と亜鉛含有物の処理可能量を算出した。その結果、単位フッ素量とそのフッ素を除去するのに必要であったFe量との比〔Fe(g)/F(g)〕は179であり、工程で発生するFeの1t当たり処理できる亜鉛含有物量は3.2tであった。
上記結果から、フッ素吸着剤として機能する高温高酸溶解液に含まれるFe分に対して処理可能なフッ素量と亜鉛含有物の処理可能量を算出した。その結果、単位フッ素量とそのフッ素を除去するのに必要であったFe量との比〔Fe(g)/F(g)〕は179であり、工程で発生するFeの1t当たり処理できる亜鉛含有物量は3.2tであった。
<比較例>
比較例では高温高酸溶解液に直接亜鉛含有物を溶解して中和した場合に、フッ素濃度が実施例と同様の19mg/Lになるまでに溶解可能な亜鉛含有物量を求めた。その結果、得られたフッ素除去後工程液の組成は実施例と同じであったが、単位フッ素量とそのフッ素を除去するのに必要であったFe量の比〔Fe(g)/F(g)〕は301であり、実施例に比べ1.68倍の吸着剤を必要とした。そして、工程で発生するFeの1t当たり処理できる亜鉛含有物量は1.7tであり、実施例と比較した場合の処理能力は53%であった。得られたフッ素除去後工程液の組成を表3に示す。
比較例では高温高酸溶解液に直接亜鉛含有物を溶解して中和した場合に、フッ素濃度が実施例と同様の19mg/Lになるまでに溶解可能な亜鉛含有物量を求めた。その結果、得られたフッ素除去後工程液の組成は実施例と同じであったが、単位フッ素量とそのフッ素を除去するのに必要であったFe量の比〔Fe(g)/F(g)〕は301であり、実施例に比べ1.68倍の吸着剤を必要とした。そして、工程で発生するFeの1t当たり処理できる亜鉛含有物量は1.7tであり、実施例と比較した場合の処理能力は53%であった。得られたフッ素除去後工程液の組成を表3に示す。
実施例の結果から、本件発明に係る工程を採用することにより、フッ素吸着剤としての鉄化合物の能力を有効に活用できることが明らかになった。上記実施例では吸着工程数を2段階とし、中間吸着工程無しでも目標を達成できている。しかし、中間吸着工程を設けて繰り返し回数を増やすことにより、更にフッ素吸着剤が本来持っている吸着能力を効率良く発揮可能とできるのである。しかしながら繰り返しの回数を増やすことは設備投資の増加もしくは処理能力の低下をも意味しているため、適用される工程の原料事情などを加味し、最適な工程設計をすべきと発明者等は考えている。
そして、上記実施形態及び実施例において本件発明の内容を具体的に示したが、当業者であれば本件発明の基本的思想及び教示に基づき容易に種々のアレンジを行いうるものである。例えば高温高酸溶解液を第一吸着剤の原料として使用した場合に必要となる中和工程には必ずしも亜鉛含有物を用いなければならないというものでもないのである。また、パイロットスケール又は量産スケールで実施した場合にはパラメータ及び諸条件に多少の変動がありうることは論を待つ必要はなく、したがって本件発明は上記に記載の実施例の条件に制約されるものではない。
フッ素を高レベルで含有する亜鉛含有物を溶解して得られた硫酸酸性硫酸亜鉛溶液からフッ素を亜鉛電解工程投入前に除去してフッ素濃度を管理する工程において、当該工程で普遍的に発生する赤渣をフッ素吸着剤の原料として用い、そのフッ素吸着能力を最大限に活用することにより、湿式亜鉛製錬工程での密着板の発生を低コストで抑制することができる。その結果、湿式亜鉛製錬工程の運営に支障を来すことなく亜鉛含有物を亜鉛製錬原料として用いることが可能となり、湿式亜鉛製錬工程のコストダウンが図れる。
Claims (8)
- 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法であって、
以下の工程A及び工程Bを含むことを特徴とする硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法。
工程A: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程B: 前記初期吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。 - 前記工程Aで使用するフッ素吸着用の鉄化合物が前記工程Bで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素除去方法。
- 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法であって、
以下の工程a〜工程cを含むことを特徴とする硫酸酸性硫酸亜鉛溶液中のフッ素除去方法。
工程a: 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素初期吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と初期吸着処理液とに分別する初期吸着工程。
工程b: 前記初期吸着処理液とフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素中間吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と中間吸着処理液とに分別する一連の操作を少なくとも1回以上行う中間吸着工程。
工程c: 前記中間吸着処理液とフッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物とを混合してフッ素吸着処理をしたフッ素最終吸着混合液をフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物と最終吸着処理液とに分別する最終吸着工程。 - 前記工程aで使用するフッ素吸着用鉄化合物が前記工程bで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることを特徴とする請求項3に記載のフッ素除去方法。
- 前記工程bで使用するフッ素吸着用鉄化合物が前記工程cで分別されたフッ素を吸着したフッ素吸着用鉄化合物であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のフッ素除去方法。
- 上記フッ素吸着用鉄化合物は塩基性硫酸鉄、水酸化鉄、オキシ水酸化鉄、酸化鉄から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のフッ素除去方法。
- 前記フッ素吸着用鉄化合物は湿式亜鉛製錬の副産物である赤渣を溶解して得られた高温高酸溶解液に含まれる鉄イオンを出発材料とし、加水分解により鉄化合物としたものであることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のフッ素除去方法。
- フッ素未吸着のフッ素吸着用鉄化合物はフッ素濃度が30mg/L〜150mg/Lである吸着処理液中に添加することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のフッ素除去方法。
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JP2006114317A JP2007284757A (ja) | 2006-04-18 | 2006-04-18 | 硫酸酸性硫酸亜鉛溶液からフッ素を除去する方法 |
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CN111320202A (zh) * | 2020-03-02 | 2020-06-23 | 广西埃索凯生物科技有限公司 | 一种硫酸锌溶液的深度除铁方法及硫酸锌的制备方法 |
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2006
- 2006-04-18 JP JP2006114317A patent/JP2007284757A/ja active Pending
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