JP2007284743A - Mg合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価なREに依存することなく耐熱性を向上することのできる鋳造用耐熱Mg合金を提供する。
【解決手段】鋳造用Mg合金はCuを含み、具体的には、Al(8.0重量%);Cu(1.0〜5.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)である。耐食性を考慮するのであれば、Cuの添加量を1.0〜1.5重量%)に調整すると耐食性の低下を抑えることができ、更に、これにMnを0.5重量%〜1.0重量%添加すると耐食性を改善できる。
【選択図】図3
【解決手段】鋳造用Mg合金はCuを含み、具体的には、Al(8.0重量%);Cu(1.0〜5.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)である。耐食性を考慮するのであれば、Cuの添加量を1.0〜1.5重量%)に調整すると耐食性の低下を抑えることができ、更に、これにMnを0.5重量%〜1.0重量%添加すると耐食性を改善できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、Mg合金に関し、より詳しくは鋳造用Mg合金に関する。
マグネシウム(Mg)は、比重が1.74でAlの約2/3、Feの約1/4であり、実用金属では最も軽く、比強度、比剛性、電磁波遮蔽性、熱伝導性、寸法安定性や切削性が良好であり、また、リサイクルが可能であるなど優れた性質を持つ。これらの特性を活かし、軽量性の求められる携帯電話やノートパソコンなどのモバイル電子機器のボディーなどに使用されている。また、自動車業界でも、燃料消費率を改善するのに最も有効な軽量化のために、Mg合金を使った自動車用部品の開発及び実用化が推進されている。
代表的な鋳造用Mg合金として、Mg-Al-Zn系のAZ91D合金やMg-Al系のAM60B合金が知られている。マグネシウムの合金名はASTM規格による。JIS規格もこれに準じて規定されている。その表示方法は合金に含まれる元素記号を次のように表記する。A:Al、Z:Zn、M:Mn、K:Zr、E:RE、S:Si、Q:Ag、L:Li、C:Cu、W:Y、H:Tb等。そして元素記号の次の数字は成分量を表し、最後のアルファベットは制定された順番を示している。
AZ91D合金は、流動性、熱間割れ性、引け性等の鋳造性と機械的性質とのバランスに優れているだけでなく、安価であるため自動車部品から電子機器に至るまで幅広く使用されている。AM60B合金はAZ91D合金より延性に優れているため、自動車部品に多く利用されている。
AZ91D合金の適用例として、キーロックハウジング、サンルーフ、リトラクタブルルーフ、グローブボックス、灰皿等を挙げることができる。AM60B合金の適用例として、インスツルメントパネルのビーム、ブラケットなど、シート用フレーム、エアバックハウジング、ステアリングコラム、ペダルブラケット、ABSマウントブラケット、ロードホイール等を挙げることができる。
自動車の更なる軽量化のため、トランスミッションやエンジン回りのような使用環境の厳しい部位の部品にもMg合金の採用が検討されている。しかし、AZ91DやAM60B等のマグネシウム合金は100℃以上の環境下ではクリープ変形が生じて、ボルト締め付け部の寸法精度を害し、締付け力が低下するという問題を有する。
この問題のため、熱的に厳しい使用環境に適用可能な耐熱マグネシウム合金が開発され始めている。耐熱Mg合金の代表例として、Mg-Al-Si系やMg-RE系の合金が知られている。実際に、Mg-Al-Si系のAS41A合金で作ったエンジンブロックやトランスミッションケースの実施品が知られている。
しかし、Mg-Al-Si系のAS21、AS41等の合金は、鋳造時の金型への焼きつきが見られ、また、エンジン部品の使用に適した十分な耐熱性が得られていないのが実状である。他方、Mg-RE系のWE54合金、ZE41合金、QE22合金は、耐熱性に優れているものの、いずれもREが高価であるためコストアップ要因になるという問題を含んでいる。
すなわち、REは希土類金属であることから添加元素としては高価である。また、REを添加すると、鋳造時の湯流れが低下し、金型に焼きつくので成形性が悪くなるという問題や室温での強度を低下させてしまうという問題がある。
耐熱Mg合金に関する従来の開発のアプローチは、上述したように2つの傾向に分類することができる。WE54合金やQE22合金を基にしたMg-RE系合金の開発と、AZ91DやAM60B合金などのMg-Al系合金を基にした開発である。Mg-RE系合金は元々、Mg-Th系合金の代替として開発された経緯があり、そのため、これらの合金は200〜300℃においても十分な耐熱性を示すが、そもそも軍用やレーシング用のために開発されたことから、一般向けの自動車に使用できるような量産性を持ち合わせていない。Mg-RE系合金の開発の傾向として、鋳造性の向上のためにZnやAgの添加量を調整した合金や更に耐熱性を向上させるためにCaやSiを加えたものが多くみられる。他方、Mg−Al系合金を基にした開発は近年に多くみられ、鋳造用AZ91DやAM60B等のMg-Al系合金を基にして耐熱性の向上のためにRE、Ca、Si、Srを組み合わせて添加する工夫が行われている。しかし、これらの添加元素は過剰に添加すると鋳造性を害する他に、室温強度、耐食性を低下させる。
本発明の目的は、高価なREに依存することなく耐熱性を向上することのできる鋳造用耐熱Mg合金を提供することにある。
本発明の更なる目的は、耐熱性と室温強度のバランスの取れた鋳造用耐熱Mg合金を提供することにある。
本発明の更なる目的は、耐熱性と室温強度のバランスを取りつつ耐食性の低下を抑えることのできる鋳造用耐熱Mg合金を提供することにある。
上記の技術的課題は、本発明によれば、基本的には、Alを約5.0〜9.0重量%含有するMg-Al系合金に、Cuを添加したことを特徴とする鋳造用Mg合金を提供することにより達成される。
本発明を適用可能なMg-Al系合金は、好ましくは、Alを約8.0重量%含有するMg-Al系合金であるのがよい。Cuの添加量は約1.0〜5.0重量%であれば耐熱性と室温強度のバランスをとることができるが、耐食性の低下を抑えるのにCuの添加量を約1.0〜1.5重量%に抑えるのがよく、Mnを更に添加するのが好ましい。Mnの添加量は好ましくは約0.5〜1.0重量%である。
本願発明者らは、耐熱性とコストや鋳造性などのバランスを考慮したときに、Mg-Al系合金を基に耐熱性の向上に寄与する元素を添加することが得策であると考え、耐熱性を向上させる元素としてCuを選択した。Cuは室温強度、鋳造性を害することなく耐熱性を向上させるだけでなく、REよりも安価に入手できる。Cuは、固溶強化と組織中に化合物を形成させることにより耐熱性を向上させることができる。ここに、Cuの固溶限界をMg-Al-Cuの三元状態図より検証したところ、MgにAlを8.0重量%添加した場合、Cuが最大の3.0重量%まで固溶できることが分かった。また、AlはMg-Al系合金において鋳造性と室温強度を向上させるために5.0〜9.0重量%添加されている。したがって、耐熱性と他の特性を考慮する場合、5.0〜9.0重量%添加するのがよく、好ましくは8.0重量%のAl添加量であるのがよいと考えられる。
更に、Mg(マグネシウム)の機械的性質と鋳造時の湯流れを改善させる作用があるZnを添加することで最も需要のあるAZ91D合金に近い室温強度と鋳造性が期待できると考えられるが、Znを2.0%以上添加すると合金を脆くするので添加量を2.0%とするのが良い。また、地球環境の問題によりSF6等のマグネシウムの燃焼防止ガスの使用が禁止されることから、燃焼防止の効果を持つBeを0.01%添加した。Beは、Mg溶湯の湯面と空気による酸化反応を抑制し、溶湯の燃焼を防止することから、AZ91D合金においても微量に添加されている。
Mg合金は高温環境下においてクリープ変形が著しく低下するため、耐クリープ性に代表される耐熱性の向上が求められている。ここに、クリープ変形は、機械設計の際にボルト部品の締め付け力に起因して発生すると寸法精度を害するため、耐クリープ性は重要視される。クリープ変形とは、金属に一定の応力を負荷し続けると最大引張応力以下であっても変形が進み、ついには破壊してしまう。このような一定応力下で時間と共に変形が生じる現象を「クリープ変形」と呼んでいる。
クリープ変形は低温で起こる場合と高温で起こる場合で機構が異なる。それは、0.5Tm以上の温度では熱軟化がおこり転位や原子空孔の挙動が低温時と異なるためである。ここに、Tmは絶対温度で表した融点であり、純Mgでは461.5Kである。
以上の検討結果に従い、Cuの添加量が異なる5つのMg合金を作って耐熱性の指標となる耐クリープ性を検討した。
(a)第1試料(Cu1.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(b)第2試料(Cu1.5%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(c)第3試料(Cu3.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(3.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(d)第4試料(Cu4.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(4.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(e)第5試料(Cu5.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(5.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(a)第1試料(Cu1.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(b)第2試料(Cu1.5%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(c)第3試料(Cu3.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(3.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(d)第4試料(Cu4.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(4.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
(e)第5試料(Cu5.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(5.0重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)。
上記第1〜第5試料の溶製は次のようにして行った。先ず、溶融アルミナメッキるつぼ(SUS430ステンレス鋼)を用意し、これを電気炉にて750℃まで加熱し、秤量したノルスク社製純Mg、純Al、純Cu、Al-2.98Be母合金、Znを使って溶解した。その後、鋳造した後に室温にて空冷して上記第1〜第5試料を作成した。なお、比較例には、AZ91DとAS21Bを用いた。なお、AS21Bの溶製には高純度Si(6N)を用いた。
耐熱性試験としてクリープ試験と高温引張試験を行った。なお、比較例のAZ91D、AS21B合金の合金組成は次の通りであった。
第1比較例であるAZ91Dの合金組成:Al(8.7重量%);Zn(0.7重量%);Be(0.0013重量%);Mg(残部)。
第2比較例であるAS21Bの合金組成:Al(2.5重量%);Zn(0.2重量%);Si(1.2重量%);Mg(残部)。
第1比較例であるAZ91Dの合金組成:Al(8.7重量%);Zn(0.7重量%);Be(0.0013重量%);Mg(残部)。
第2比較例であるAS21Bの合金組成:Al(2.5重量%);Zn(0.2重量%);Si(1.2重量%);Mg(残部)。
クリープ試験は耐熱性を知る上で最も一般的な試験であり、クリープ試験を行うことで高温における材料の変形条件を知ることができる。試験機にはシングル式クリープ試験機を用いた。試験条件は、試験温度150℃、試験荷重50MPa、昇温時間24hr、試験時間100hrで行い、クリープ伸びとクリープ速度を測定した。
耐熱材料を開発する上で高温環境下においても室温と同等の特性を示すことが求められる。このことから、高温(150℃)と室温(23℃)の2つの条件で引張試験を行った。引張速度10mm/minであった。
図1は、第1〜第5試料および第1、第2比較例のクリープ曲線を示す。図1のクリープ曲線を見ると、第1〜第5試料では、第1、第2比較例のAS21B合金、AZ91Dより低いクリープ歪みを示していることが分かる。また、Cu3.0〜5.0重量%を添加した合金(第3〜第5試料)ではCu添加量が増加する程クリープ歪みの値が低くなるのに対し、Cu1.0%〜1.5重量%を添加した合金(第1、第2試料)は同等のクリープ歪みの値を示していた。このことから、Cuを1.0%重量以上添加すると耐クリープ性が向上することが分かった。
図2は、第1〜第5試料および第1、第2比較例のクリープ速度と時間の関係を両対数目盛上に示す。この図2から、第1〜第5試料および第1、第2比較例のいずれの合金もクリープ速度が負のこう配をもつ直線を示していることから、遷移クリープの段階であると考えられる。
各合金の0.2%耐力、最大引張応力、引張伸びをそれぞれ図3、図4、図5に示す。図4を見ると室温と高温において、比較例であるAZ91D合金が最も高い最大引張応力を示していた。それに対し、第1〜第5試料のCuを添加したMg合金はいずれも室温では比較例であるAZ91Dより引張強さが僅かに劣っていたが、高温ではほぼ同等の引張強さを示した。また、図3の0.2%耐力は、室温において同様の傾向を示したが、高温ではCuの添加量が3.0%以上になるとAZ91D合金より高い0.2%耐力を示した。さらに、図5の伸びの値に着目すると、AZ91D合金は室温において8.0%、高温において24.3%と引張伸びが大きく変動していた。一方で、第1〜第5試料のCuを含むMg合金は、Cuの添加量が増加するにつれて引張伸びの変動が減少していく傾向にあった。このことからCuは添加量の増加とともに高温における引張変形を抑える効果があることが分かった。したがって、Mg-8.0%Al合金にCuを1.0〜5.0重量%添加すると耐クリープ性および高温引張特性などの耐熱性が向上することが確認できた。
Cuを1.0〜5.0重量%添加すると耐熱性を向上できるが、Mgの電極電位が−2.363Vであるのに対しCuの電極電位は0.153Vであるため、この大きな電位差によって耐食性を低下させる虞がある。
第1〜第5試料および第1、第2比較例の塩水浸漬試験を行った。試験用塩水は特級NaCl(塩化ナトリウム)を蒸留水中に溶解し5.0重量%NaC1水溶液を作製して、これを塩水浸漬試験に用いた。第1〜第5試料および第1、第2比較例を試験用塩水に12時間浸漬し、次いで、蒸留水にて洗浄した。その後、100℃まで加熱した10%酸化クロム水溶液中に浸漬して、各合金に付着している腐食性生成物(水酸化マグネシウム)を除去して、質量損失と試験前の表面積、試験時間から下記の式を用いて腐食速度を算出し、耐食性を評価した。
腐食速度(mm/year)={腐食量(mg)×365(day/year)×10(mm/cm)}/{密度(1810mg/cm3)×表面積(cm2)×経過時間(day)}
図6は第1〜第5試料および第1、第2比較例の腐食速度を示したものである。Cuを添加したMg合金(第1〜第5試料)は、そのいずれも、第1、第2比較例であるAZ91D、AS21B合金よりも腐食速度が速く、耐食性が劣っていることが分かる。第1〜第5試料は、傾向として、Cuの添加量が増加するほど耐食性が低下することが分かる。しかし、Cuの添加量が1.5%以下の合金(第1、第2試料)と、3.0%以上の合金(第3〜第5試料)とを比較すると腐食速度に大きな差が生じており、Cuの添加量が1.5%以下のMg合金(第1、第2試料)の腐食速度が小さいことが分かる。
耐食性の改善のためにMnの添加を試みた。Mnの添加量が1.0%を超えると化合物を形成せずに単体で析出すると考えられることから、Mnを0.25重量%〜1.0%重量添加した合金の耐食性試験と耐熱性試験を行った。
なお、この検討は、上述した第2試料(Cu1.5%-Mg合金)[Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mg(残部)]に対して、Mnの添加量の異なる3つの試料を作成して検証してみた。
(a)第6試料(Mn0.25%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mn(0.25重量%);Mg(残部)。
(b)第7試料(Mn0.5%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mn(0.5重量%);Mg(残部)。
(c)第8試料(Mn1.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mn(1.0重量%);Mg(残部)。
(b)第7試料(Mn0.5%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mn(0.5重量%);Mg(残部)。
(c)第8試料(Mn1.0%-Mg合金):Al(8.0重量%);Cu(1.5重量%);Zn(2.0重量%);Be(0.01重量%);Mn(1.0重量%);Mg(残部)。
第6〜第8試料の合金の溶製は上述した第1〜第5試料の合金の場合と同様の手順で行った。また、Mn添加にはAl-Mn母合金と高純度アルミニウムを高周波溶解炉にて溶解し、目標の配合量になるように成分を調整したAl-Mn母合金を用いた。また、電気炉内にてMg溶湯を800℃まで加熱しAl-Mn母合金を添加し、60秒ほど溶湯を撹拌した。
図7は、Mnを添加した第6〜第8試料および第1、第2比較例(AZ91D、AS21B)並びに同じく比較例として第2試料(Cu1.5%-Mg合金)の腐食速度を示す。この図7からMnの添加量が0.25重量%の場合(第6試料)は腐食速度40.96mm/yearであり、これはMn添加無しの合金(第2試料)の46.23mm/yearとあまり変化がない。それに対し、Mn添加量が0.5重量%以上の合金(第7、第8試料)では腐食速度が22.80〜26.18mm/yearと腐食速度が低下していた。このことから耐食性の向上には、0.5重量%〜1.0重量%のMnを添加すると耐食性を改善できることが分かった。
図8、図9は、夫々、第6〜第8試料および第1、第2比較例並びに第2試料の各合金のクリープ曲線、クリープ速度を示す。Mnを添加した合金はいずれも無添加のものと同等のクリープ歪みを示した。また、クリープ速度も近似した直線を示していた。このことから、Mnの添加は耐クリープ性に害を及ぼさないと考えられる。
図10〜図12は、第6〜第8試料および第1、第2比較例並びに第2試料の各合金の0.2%耐力、最大引張応力、引張伸びを示す。図10〜図12を参照すると分かるように、Mn添加量が0.5%、1.0%(第7、第8試料)の合金は、高温(150℃)と室温(23℃)とにおいて、Mn添加無し(第2試料)の合金と同等の引張特性を示していることが分かる。また、Mn添加量が0.25%(第6試料)の合金は、高温(150℃)における最大引張応力、引張伸びが著しく低下していた。通常の高温における引張変形は温度の上昇とともに転位の移動が活性になり変形量が増加する。しかし、Mn0.25%(第6試料)の合金の場合は、試験片中に介在物など欠陥が存在し、引張破断の起点になったため、低い引張特性を示したと考えられる。
如上の結果から、Mg-8.0%Al-1.5%Cu合金にMnを0.5重量%〜1.0重量%添加すると耐食性が向上すると共に、Mg-8.0%Al-1.5%Cu合金が結晶粒内にAlMn化合物が微細に存在している場合に、耐クリープ性、高温引張特性を害することなく耐食性の向上に寄与することが分かった。
Claims (10)
- Alを約5.0〜9.0重量%含有するMg-Al系合金に、Cuを添加したことを特徴とする鋳造用Mg合金。
- Mg-Al系合金がAlを約8.0重量%含有する、請求項1に記載の鋳造用Mg合金。
- Cuの添加量が約1.0〜5.0重量%である、請求項1又は2に記載の鋳造用Mg合金。
- Cuの添加量が約1.0〜1.5重量%である、請求項1又は2に記載の鋳造用Mg合金。
- Mnが更に添加されている、請求項4に記載の鋳造用Mg合金。
- Mnの添加量が約0.5〜1.0重量%である、請求項5に記載の鋳造用Mg合金。
- Mg-Al系合金に、約1.0〜5.0重量%のCuと、約2.0重量%のZnと、約0.01重量%のBeとを含む鋳造用Mg合金。
- Mg-Al系合金に、約1.0〜1.5重量%のCuと、約2.0重量%のZnと、約0.01重量%のBeと、約0.25〜1.0重量%のMnとを添加したことを特徴とする鋳造用Mg合金。
- Mg-Al系合金が、Alを約5.0〜9.0重量%含有する、請求項7又は8に記載の鋳造用Mg合金。
- Mg-Al系合金が、Alを約8.0重量%含有する、請求項7又は8に記載の鋳造用Mg合金。
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