JP7349550B2 - アルミニウム合金、その製造方法及びアルミニウム合金の構造部材 - Google Patents

アルミニウム合金、その製造方法及びアルミニウム合金の構造部材 Download PDF

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Description

本開示は、材料の技術分野に関し、具体的には、アルミニウム合金、その製造方法及びアルミニウム合金の構造部材に関する。
ダイカストは、アルミニウム合金の基本的な成形方法の1つであり、複雑な構造部材の製品設計に用いることができる。最も一般的に使用されているダイカストアルミニウム合金は、日本工業規格JISH5302で規定されたAl-Si-Cu系ダイカスト用合金ADC12であり、その材料流動成形性能が高く、成形プロセスウィンドウが広く、コストパフォーマンスが高く、アルミニウム合金ダイカスト製品に広く用いられる。ADC12は、密度が低く、比重が高いなどの利点を有し、ハウジング、小さいサイズの薄型製品又はブラケットなどのダイカストに用いることができる。しかしながら、そのダイカスト製品の強度及び熱伝導性能が普通で、引張強度が230~250MPaで、降伏強度が160~190MPaで、伸び率が<3%で、熱伝導率(すなわち熱伝導係数)が96W/m・Kであるため、製品の変形、発熱などの問題を引き起こしやすく、従来の携帯電話、ノートパソコンなどの製品の強度及び放熱に対するニーズを満たすことは困難である。
したがって、現在のアルミニウム合金の関連技術は、まだ改善の余地がある。
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。そのため、本開示は、機械的性能、熱伝導性能及びダイカスト性能を兼ね備えたアルミニウム合金を提供することを1つの目的とする。
本開示の一態様では、本開示は、アルミニウム合金を提供する。本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、9~12%のSi、8~11%のZn、0.5~1.5%のMg、0.2~0.8%のCu、0~0.6%のFe、0.08~0.25%のMn、0~0.10%のSr、0~0.05%のSc、0~0.5%のEr、及び73.2~82.22%のAlを含む。該アルミニウム合金は、優れた強度、熱伝導性能及びダイカスト性能を同時に備え、高い熱伝導、強度が要求される構造部材の使用要求を満たすことができ、3C製品(コンピュータ、コミュニケーション、コンシューマーエレクトロニクス)の構造部材、自動車ラジエータ、タービンディスク、照明装置などの製造に適する。
本開示の別の態様では、本開示は、前述したアルミニウム合金を製造する方法を提供する。本開示の実施例によれば、該方法は、アルミニウム、シリコン含有原料、銅含有原料、鉄含有原料、マンガン含有原料、ストロンチウム含有原料、スカンジウム含有原料、エルビウム含有原料、亜鉛含有原料、及びマグネシウム含有原料を加熱溶融し、アルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記アルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬、及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップとを含む。該方法は、操作しやすく、便利であり、工業的に実施しやすく、得られたアルミニウム合金は、高い熱伝導性能を有すると同時に、優れた力学的性能とダイカスト性能を兼ね備える。
本開示の他の態様では、本開示は、アルミニウム合金の構造部材を提供する。本開示の実施例によれば、該アルミニウム合金の構造部材の少なくとも一部は、前述したアルミニウム合金で構成される。該アルミニウム合金の構造部材は、前述したアルミニウム合金の全ての特徴及び利点を有し、ここで重複して説明しない。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。以下に説明する実施例は、例示的なものであり、本開示を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものと理解すべきではない。実施例において具体的な技術又は条件が明記されていない場合、本分野の文献に記載されている技術、条件に従うか又は製品仕様書に従うものとする。使用される試薬又は機器としては、メーカーが明記されていない場合、いずれも市販で入手できる通常の製品である。
本開示の一態様では、本開示は、アルミニウム合金を提供する。本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、9~12%のSi、8~11%のZn、0.5~1.5%のMg、0.2~0.8%のCu、0~0.6%のFe、0.08~0.25%のMn、0~0.10%のSr、0~0.05%のSc、0~0.5%のEr、及び73.2~82.22%のAlを含む。
具体的には、該アルミニウム合金中のSi元素の具体的な含有量は、9%、10.5%、11.5%、12%などであってもよく、Si元素は、主な力学的性能の強化元素として、Alに溶け込んでα-Al固溶体及びAl-Si共晶又は亜共晶相を形成することができ、アルミニウム合金の力学的性能を向上させると同時に、ダイカストの流動性を保証し、量産の歩留まり問題を両立させる。しかしながら、Siを添加すると、アルミニウム合金の熱伝導率を低下させるため、その含有量を制御しなければならず、Siが上記含有量の範囲内であれば、アルミニウム合金は、優れた力学的性能、熱伝導率及びダイカスト性能を同時に備えることができ、Siの含有量が少なすぎると、アルミニウム合金の力学的性能及びダイカスト性能が低くなり、Siの含有量が多すぎると、アルミニウム合金の熱伝導率が低くなる。
具体的には、該アルミニウム合金中のZnの具体的な含有量は、8%、9.5%、10.5%、11%などであってもよい。固溶状態のZnは、ゆっくりと析出して、自然時効強化を形成することができる。また、固溶状態のZnは、Alの熱伝導率に対する影響が小さく、Znは、上記含有量の範囲内であれば、強化効果を達成すると同時に、優れた熱伝導率を保証することができる。Znの含有量が低すぎると、アルミニウム合金の力学的性能が低くなり、Znの含有量が高すぎると、アルミニウム合金の熱伝導率に影響を及ぼし、アルミニウム合金の熱伝導率が低くなる。
具体的には、該アルミニウム合金中のMgの具体的な含有量は、0.05%、0.08%、0.12%、0.15%などであってもよい。Mgは、SiとMg2Si強化相を形成することができ、Zn、AlとMgZn2、AlMg3Zn2などの強化相を形成することができ、顕著な強化作用を有し、少量の添加でアルミニウム合金の強度を顕著に向上させることができる。しかしながら、Mgの含有量が高すぎると、アルミニウム合金の靭性及び可塑性が低下し、アルミニウム合金の熱伝導率を大幅に低下させる。発明者らは、実験的検証を経て、Mgが上記含有量の範囲内であれば、アルミニウム合金が優れた力学的性能を有すると同時に、熱伝導率に悪影響を及ぼすことなく、依然として優れた熱伝導性能を保持することができることを見出した。
具体的には、該アルミニウム合金中のCuの具体的な含有量は、0.2%、0.5%、0.7%、0.8%などであってもよい。Cuは、Al-Zn-Mg相及びアルミニウムマトリックスに溶け込んで、超硬質相を形成することができる。しかしながら、Al-Zn-Mg-Cu相が多すぎると、アルミニウム合金の破壊靭性、伸び率を低下させる。Cuは、上記含有量の範囲内であれば、アルミニウム合金を効果的に強化すると同時に、アルミニウム合金の破断靭性、伸び率に影響を及ぼすことがなく、これにより、アルミニウム合金は、優れた強度、破壊靭性及び伸び率を兼ね備える。
具体的には、該アルミニウム合金は、Feを含有しても含有しなくてもよく、該アルミニウム合金中のFeの具体的な含有量は、0%、0.2%、0.4%、0.6%などであってもよい。Fe元素は、ダイカストプロセスにおいてアルミニウム合金が金型に付着することを防止できるが、Feが多すぎると、アルミニウム合金中に針状又は片状のAl-Si-Fe相を形成し、結晶粒を切断し、アルミニウム合金の靭性を低下させ、製品の破断をもたらす。Feは、上記含有量の範囲内であれば、アルミニウム合金が金型に付着しないという優れた性能を有することを保証できるだけでなく、アルミニウム合金の力学的性能に影響を及ばすこともない。
具体的には、該アルミニウム合金中のMnの具体的な含有量は、0.08%、0.15%、0.25%などであってもよい。Mnは、補助強化の作用を果たすことができ、同量のMgの効果よりも優れており、また、Mnは、Al、Feと(Fe、Mn)Al6相を形成することができ、これにより、合金は、優れた可塑性を有するが、Mnは、アルミニウム合金の熱伝導性能を顕著に低下させるため、それを添加することを制限すべきである。実験的検証を経て、Mnは、上記含有量の範囲内であれば、補助強化の作用をよく果たして、アルミニウム合金が理想的な力学的性能を有するだけでなく、アルミニウム合金の熱伝導性能に影響を及ばすことがなく、これにより、該アルミニウム合金が理想的な力学的性能及び熱伝導性能を兼ね備えることができる。
さらに、FeとMnの比率は、(2.5~3.5):1(具体的には2.5:1、3.0:1、3.5:1など)であってもよい。これにより、Mnは、針状の鉄相を骨格状によりよく変換することができ、アルミニウム合金に対する割れ作用を解消し、各元素がよりよく協調して相乗作用することにより、アルミニウム合金の使用性能がより優れる。
具体的には、本開示のアルミニウム合金は、Srを含有しても含有しなくてもよい。該アルミニウム合金中のSrの具体的な含有量は、0%、0.01%、0.05%、0.1%などであってもよい。Srは、改質剤としてアルミニウム合金に添加することができ、α-Al固溶体及び針状のSi相を微細化し、アルミニウム合金の組織を改善し、粒界を浄化し、合金内の電子運動の抵抗を減少させることにより、アルミニウム合金の熱伝導性能及び力学的性能をさらに向上させることができるが、Srが多すぎると、脆性相を形成し、アルミニウム合金の力学的性能を低下させる。Srは、上記含有量の範囲内であれば、アルミニウム合金の熱伝導性能及び力学的性能をよりよく向上させることができる。
具体的には、本開示のアルミニウム合金は、Sc又は/及びErを含有しても含有しなくてもよく、すなわち、該アルミニウム合金は、ScもErも含有しなくてもよく、Scを含有するがErを含有しなくてもよく、Scを含有しないがErを含有してもよく、Sc及びErを同時に含有してもよい。本開示の発明者らは、Sc、Er希土類元素の添加が本開示のアルミニウム合金の力学的性能を効果的に改善できることを見出した。希土類元素の添加は、アルミニウム合金溶湯を浄化し、結晶粒を微細化し、組織を改善することに役立つことにより、アルミニウム合金の総合性能を向上させる。アルミニウム合金のコストを考慮して、アルミニウム合金の総重量を基準とし、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金中の希土類元素Scの含有量は、0.05%以下(例えば、0%、0.03%、0.05%など)であり、具体的には、0.015~0.025%の範囲内であってもよい。さらに、Erの価格は、約Scの1/(20~25)であり、Scの代わりに大量に添加することで、アルミニウム合金のコストを大幅に低減することができ、具体的には、アルミニウム合金の総重量を基準とし、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金中の希土類元素Erの含有量は、0.5%以下(例えば、0%、0.2%、0.5%など)であり、具体的には、0.15~0.35%の範囲内であってもよい。
具体的には、本開示のアルミニウム合金中のアルミニウムの具体的な含有量は、73.2%、76%、79%、82%、82.22%などであってもよい。
当業者であれば理解できるように、関連技術において、アルミニウム合金に対して、強度と熱伝導率との間に負の相関関係が存在し、一般的にアルミニウム合金の強度が高いほど、熱伝導率が低くなる。本開示に係るダイカストアルミニウム合金は、アルミニウム合金の強度を向上させる以外、材料が優れた強度、熱伝導性能及びダイカスト性能を有することを保証でき、高い熱伝導、強度が要求される構造部材の使用要求を満たすことができ、3C製品の構造部材、自動車ラジエータ、タービンディスク、照明装置などの製造に適する。
本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、10~11%のSi、9.5~10.5%のZn、0.7~1%のMg、0.35~0.65%のCu、0.35~0.5%のFe、0.12~0.18%のMn、0.02~0.05%のSr、0.015~0.025%のSc、0.15~0.35%のEr、及び75.745~78.795%のAlを含む。該範囲内で、アルミニウム合金の熱伝導性能、力学的性能及びダイカスト性能がより優れる。
本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、不純物元素の単一元素の含有量が0.01%未満であり、前記不純物元素の総含有量が0.1%未満であるという条件の少なくとも1つを満たす。具体的には、原料の純度が100%に達することが困難であり、製造プロセスにおいて不純物を導入する可能性があるため、アルミニウム合金には通常、不可避的不純物(例えば、Ca、P、Zr、Cr、Pb、Be、Ti、Niなど)を含有し、本開示では、アルミニウム合金中の不純物元素の単一元素の含有量は、具体的には、0.01%、0.009%、0.008t%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%などであってもよく、不純物元素の総含有量は、具体的には、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%などであってもよい。具体的には、アルミニウム合金にTi、Zr、及びNiの3つの種類の不純物元素を含有することを例とし、Ti、Zr、及びNiの各元素の含有量は、いずれも0.01%未満であり、Ti、Zr、及びNiの3つの種類の元素の含有量の和は、0.1%よりも小さい。これにより、アルミニウム合金の各性能要件をよく保証することができ、アルミニウム合金に悪影響を及ぼすことはない。
本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、9~12%のSi、8~11%のZn、0.5~1.5%のMg、0.2~0.8%のCu、0~0.6%のFe、0.08~0.25%のMn、0~0.10%のSr、0~0.05%のSc、0~0.5%のEr、及び残りのAlというの成分で構成される。上記成分及び配合比率を有するアルミニウム合金は、優れた熱伝導性能、力学的性能、及びダイカスト性能を同時に兼ね備え、高強度と高熱伝導性能の要求を満たすことができ、3C製品の構造部材、自動車ラジエータ、タービンディスク、照明装置などを製造することに適する。
本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、前記アルミニウム合金は、10~11%のSi、9.5~10.5%のZn、0.7~1%のMg、0.35~0.65%のCu、0.35~0.5%のFe、0.12~0.18%のMn、0.02~0.05%のSr、0.015~0.025%のSc、0.15~0.35%のEr、及び残りのAlというの成分で構成される。上記成分及び配合比率を有するアルミニウム合金は、熱伝導性能、力学的性能、及びダイカスト性能がより優れており、3C製品の構造部材、自動車ラジエータ、タービンディスク、照明装置などの製造により適する。
本開示の実施例によれば、該アルミニウム合金は、降伏強度が245MPa以上であり、具体的には、245~270MPa(例えば、250MPa、260MPa、270MPaなど)であってもよく、引張強度が390MPa以上であり、具体的には、390~420MPa(例えば、390MPa、400MPa、410MPa、420MPaなど)であってもよく、伸び率が3%以上であり、具体的には、3~4%(例えば、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.8%、4.0%など)であってもよく、熱伝導率が125W/m・K以上であり、具体的には、125~140W/m・K(例えば、125W/m・K、130W/m・K、140W/m・Kなど)であってもよい、という条件の少なくとも1つを満たす。具体的には、該アルミニウム合金は、上記任意の1つの条件、任意の2つの条件、任意の3つの条件、又は全ての4つの条件を満たし、いくつかの具体的な実施例では、該アルミニウム合金は、上記全ての4つの条件を満たすことができる。これにより、該アルミニウム合金は、優れた強度、熱伝導性能及びダイカスト性能を同時に備え、高強度及び高熱伝導の開発ニーズを満たすことができ、3C製品の構造部材、自動車ラジエータ、タービンディスク、照明装置などの製造に用いられる。
本開示の別の態様では、本開示は、前述したアルミニウム合金を製造する方法を提供する。本開示の実施例によれば、該方法は、アルミニウム、シリコン含有原料、銅含有原料、鉄含有原料、マンガン含有原料、ストロンチウム含有原料、スカンジウム含有原料、エルビウム含有原料、亜鉛含有原料、及びマグネシウム含有原料を加熱溶融し、アルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記アルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬、及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップとを含む。該方法は操作しやすく、便利であり、工業的に実施しやすく、得られたアルミニウム合金は、高い熱伝導性能を有すると同時に、優れた力学的性能とダイカスト性能を兼ね備える。
本開示の実施例によれば、上記方法は、具体的には、アルミニウムと前記シリコン含有原料を加熱溶融し、前記銅含有原料、前記鉄含有原料、前記マンガン含有原料、前記ストロンチウム含有原料、前記スカンジウム含有原料、及び前記エルビウム含有原料を添加した後に加熱溶融し、第1のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記第1のアルミニウム合金溶湯に前記亜鉛含有原料を添加して加熱溶融し、その後にスラグ除去処理を行って、第2のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、保護雰囲気で、前記第2のアルミニウム合金溶湯に前記マグネシウム含有原料を添加して加熱溶融し、第3のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記第3のアルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬、及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップとを含む。
本開示の実施例によれば、上記各原料の供給形態は、特に制限されず、実際の必要に応じて柔軟に選択することができ、例えば、アルミニウムは、アルミニウムインゴットの形態で供給することができ、シリコン含有原料、銅含有原料、鉄含有原料、マンガン含有原料、ストロンチウム含有原料、スカンジウム含有原料、エルビウム含有原料、亜鉛含有原料、及びマグネシウム含有原料は、単体又は中間合金の形態で供給することができる。本開示のいくつかの具体的な実施例では、該方法は、アルミニウムインゴットとアルミニウムシリコンの中間合金を加熱溶融し、アルミニウム銅、アルミニウム鉄、アルミニウムマンガン、アルミニウムストロンチウム、アルミニウムスカンジウム、及びアルミニウムエルビウムの中間合金を添加した後に加熱溶融し、第1のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記第1のアルミニウム合金溶湯に亜鉛インゴットを添加して加熱溶融し、その後にスラグ除去処理を行って、第2のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、保護雰囲気で、前記第2のアルミニウム合金溶湯にマグネシウムインゴットを添加して加熱溶融し、第3のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、前記第3のアルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップとを含んでもよい。該方法は、操作しやすく、便利であり、工業的に実施しやすく、得られたアルミニウム合金は、高い熱伝導性能を有すると同時に、優れた力学的性能とダイカスト性能を兼ね備える。
具体的には、上記方法は、以下のステップを含んでもよい。純アルミニウムインゴット、Al-Si中間合金、純Znインゴット、純Mgインゴット、Al-Cu中間合金、Al-Fe中間合金、Al-Mn中間合金、Al-Sr中間合金、Al-Sc中間合金、Al-Er中間合金を原料とし、配合比率に応じて原材料を秤量し、次に純アルミニウムインゴット、Al-Si中間合金を坩堝に入れて合金を溶錬し、完全に溶融した後にAl-Cu中間合金、Al-Fe中間合金、Al-Mn中間合金、Al-Sr中間合金、Al-Sc中間合金、Al-Er中間合金を添加し、中間合金が全て溶融するまで加熱し続け、また純Znインゴットを添加し、完全に溶融するまでアルミニウム合金溶湯の温度を730~750°C(例えば、730°C、735°C、740°C、745°C、750°Cなど)に制御し、5~8分間(例えば5分間、6分間、7分間、8分間など)撹拌し、アルミニウム溶湯の表層の浮きかすを除去し、次に純Mgインゴットを添加し、保護ガスを導入し、完全に溶融した後にアルミニウム合金溶湯を均一に撹拌し、所望の範囲に達するまで各元素成分の含有量を検出して調整し、3~5minの精錬処理を行う。合金溶湯を温度が約700°Cに冷却するときに金型に鋳込んで合金インゴットを形成し、さらに一般的なダイカストの方式で所望のアルミニウム合金の構造部材製品を得る。
本開示の他の態様では、本開示は、アルミニウム合金の構造部材を提供する。本開示の実施例によれば、該アルミニウム合金の構造部材の少なくとも一部は、前述したアルミニウム合金で構成される。該アルミニウム合金の構造部材は、優れた強度と理想的な熱伝導性能を兼ね備えると同時に、簡単なダイカストプロセスにより成形することができ、使用効果が高く、製造コストが低く、厚さが薄くても、依然としてより優れた使用効果を有する。
本開示の実施例によれば、前記アルミニウム合金の構造部材は、3C製品の構造部材、自動車ラジエータの構造部材、タービンディスクの構造部材、照明装置の構造部材のうちの少なくとも一種を含む。具体的には、携帯電話のミドルフレーム、携帯電話の裏蓋、携帯電話のミドルボードなどの構造部材であってもよい。これにより、該構造部材は、優れた力学的強度、可塑性、及び熱伝導性能を有し、ユーザの製品に対する高強度、高熱伝導性能の要求をよく満たし、ユーザ体験を向上させることができる。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。
<実施例1>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に以下に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A1を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
アルミニウム合金の溶錬製造方法は、以下のとおりである。
純アルミニウムインゴット、Al-Si中間合金を坩堝に入れて合金を完全に溶融するまで溶錬する。Al-Cu中間合金、Al-Fe中間合金、Al-Mn中間合金、Al-Sr中間合金、Al-Sc中間合金、Al-Er中間合金を入れて、中間合金が全て溶融するまで加熱し続ける。純Znインゴットを添加し、完全に溶融するまでアルミニウム合金溶湯の温度を730~750°Cに制御し、5~8分間撹拌し、アルミニウム溶湯の表層の浮きかすを除去し、次に純Mgインゴットを添加し、保護ガスを完全に溶融するまで導入する。アルミニウム合金溶湯を均一に撹拌し、所望の範囲に達するまで各元素成分の含有量を検出して調整し、3~5minの精錬処理を行う。合金溶湯を温度が約700°Cに冷却するときに金型に鋳込んで合金インゴットを形成し、さらに一般的なダイカストの方式で所望の鋳物製品を得る。
<実施例2>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A2を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例3>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A3を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例4>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A4を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例5>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A5を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例6>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A6を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例7>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A7を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例8>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A8を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例9>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A9を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<実施例10~33>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材A9-A33を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例1>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B1を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例2>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B2を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例3>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B3を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例4>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B4を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例5>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B5を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例6>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B6を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例7>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B7を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例8>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B8を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例9>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B9を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例10>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B10を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例11>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B11を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例12>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B12を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例13>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B13を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例14>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B14を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例15>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B15を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例16>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B16を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例17>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B17を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例18>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B18を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
<比較例19>
原料を配合して計算した後、重量に応じて各標準中間合金及び金属単体を秤量し、次に実施例1に示すアルミニウム合金の溶錬製造方法に従ってインゴットを得て、ダイカストで本開示のアルミニウム合金のダイカスト部材B19を得て、その主な元素の重量含有量を表1に示す。
Figure 0007349550000001
Figure 0007349550000002
力学的性能テスト
本テストは、実施例1~33と比較例1~19で得られたアルミニウム合金の室温での力学的性能を測定する。《GB/T 228.1-2010金属材料引張試験の第1の部分:室温試験方法》を参照して引張強度、降伏強度、及び伸び率をテストし、具体的な結果を表2に示す。
熱伝導性能テスト
本テストは、実施例1~33と比較例1~19で得られたアルミニウム合金の室温での熱伝導性能を測定する。《ASTME1461フラッシュ法による熱拡散係数測定の標準方法》を参照してテストし、具体的な結果を表2に示す。
不純物含有量テスト:
レーザ直読分光計により上記実施例1~33で得られたアルミニウム合金中の各成分の含有量をテストし、全てのアルミニウム合金中の不純物の総含有量がいずれも0.1%以下であり、単一の不純物元素の含有量がいずれも0.01%以下である。
上表のデータから分かるように、本開示のアルミニウム合金の力学的性能(降伏強度及び引張強度)、伸び率、及び熱伝導係数がいずれも高く、実施例16~17、20、23~24、27、及び30におけるアルミニウム合金の上記性能がより優れており、比較例4及び6から分かるように、シリコンの含有量が低すぎると、力学的性能及び伸び率が低く、シリコンの含有量が高すぎると、力学的性能が向上するが、熱伝導率が明らかに低下し、比較例1~19から分かるように、各成分の含有量が本願の保護範囲内でないと、アルミニウム合金の力学的性能(降伏強度及び引張強度)、伸び率、及び熱伝導係数を両立させることができず、上記性能がいずれも低いか、上記性能の1つ又は2つの性能が高く、他の性能が低く、力学的性能(降伏強度及び引張強度)、伸び率、及び熱伝導係数をよくバランスさせることができない。以上のことから分かるように、本開示のアルミニウム合金は、各成分及び配合比率の調整により、それらが互いに協働し、相乗作用することにより、アルミニウム合金が優れた力学的性能、伸び率、及び熱伝導係数を同時に有し、高強度、高熱伝導性能、及び靭性(伸び率)の使用要求をよく満たすことができ、3C製品の構造部材、自動車ラジエータの構造部材、タービンディスクの構造部材、照明装置の構造部材などの製造に適する。
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。また、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
以上、本開示の実施例を示し説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。

Claims (17)

  1. 総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、
    9~12%のSi、
    8~11%のZn、
    0.5~1.5%のMg、
    0.2~0.8%のCu、
    0~0.6%のFe、
    0.08~0.25%のMn、
    0~0.10%のSr、
    0~0.05%のSc、
    0~0.5%のEr
    73.2~82.22%のAl、及び不純物元素からなる、アルミニウム合金。
  2. 総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、
    10~11%のSi、
    9.5~10.5%のZn、
    0.7~1%のMg、
    0.35~0.65%のCu、
    0.35~0.5%のFe、
    0.12~0.18%のMn、
    0.02~0.05%のSr、
    0.015~0.025%のSc、
    0.15~0.35%のEr
    75.745~78.795%のAl、及び不純物元素からなる、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、含有する、Al、Si、Zn、Mg、Cu、Fe、Mn、Sr、Sc、Er以外の不純物元素の単一元素の含有量は、0.01%未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金。
  4. 総重量に基づいて、重量百分率で計算すると、含有する、Al、Si、Zn、Mg、Cu、Fe、Mn、Sr、Sc、Er以外の不純物元素の総含有量は、0.1%未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルミニウム合金。
  5. FeとMnの重量比は、(2.5~3.5):1であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  6. 降伏強度は、245MPa以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  7. 降伏強度は、245~270MPaであることを特徴とする請求項6に記載のアルミニウム合金。
  8. 引張強度は、390MPa以上であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  9. 引張強度は、390~420MPaであることを特徴とする、請求項8に記載のアルミニウム合金。
  10. 伸び率は、3%以上であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  11. 伸び率は、3~4%であることを特徴とする、請求項10に記載のアルミニウム合金。
  12. 熱伝導率は、125W/m・K以上であることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のアルミニウム合金。
  13. 熱伝導率は、125~140W/m・Kであることを特徴とする、請求項12に記載のアルミニウム合金。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載のアルミニウム合金の製造方法であって、
    アルミニウム、シリコン含有原料、銅含有原料、鉄含有原料、マンガン含有原料、ストロンチウム含有原料、スカンジウム含有原料、エルビウム含有原料、亜鉛含有原料、及びマグネシウム含有原料を加熱溶融し、アルミニウム合金溶湯を得るステップと、
    前記アルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬、及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップと、を含むことを特徴とする、製造方法。
  15. アルミニウムと前記シリコン含有原料を加熱溶融し、前記銅含有原料、前記鉄含有原料、前記マンガン含有原料、前記ストロンチウム含有原料、前記スカンジウム含有原料、及び前記エルビウム含有原料を添加した後に加熱溶融し、第1のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、
    前記第1のアルミニウム合金溶湯に前記亜鉛含有原料を添加して加熱溶融し、その後にスラグ除去処理を行って、第2のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、
    保護雰囲気で、前記第2のアルミニウム合金溶湯に前記マグネシウム含有原料を添加して加熱溶融し、第3のアルミニウム合金溶湯を得るステップと、
    前記第3のアルミニウム合金溶湯に対して順に撹拌、精錬、及び鋳造処理を行って、前記アルミニウム合金を得るステップと、を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 少なくとも一部が請求項1~15のいずれか一項に記載のアルミニウム合金で構成されることを特徴とする、アルミニウム合金の構造部材。
  17. 3C製品(コンピュータ、コミュニケーション、コンシューマーエレクトロニクス)、の構造部材、自動車ラジエータの構造部材、タービンディスクの構造部材、照明装置の構造部材のうちの少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項16に記載のアルミニウム合金の構造部材。
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