JP2007283788A - 車両用電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 演算制御部22は、通信部14と駆動部18に接続されており、CPU20とCPUを監視する監視部16を備えている。監視部16は、異常を検出すると異常検出信号を通信許可部10と禁止部12と駆動部18へ出力する。禁止部12は通信部14へ通信処理を禁止する禁止信号を出力するが、通信許可部10は検出された異常がどのような異常信号かを判断し、チェック用異常信号の場合には、通信部14に対し通信許可信号を出力することによって、動作チェック処理による通信処理開始の遅れをなくす。
【選択図】図1
Description
このシステムで使用する各々の車両用電子制御装置は、通信バスによって他の車両用電子制御装置に接続されており、各々の車両用電子制御装置が、通信バスとの間で通信を行う通信部と、制御対象機器(例えばブレーキあるいは変速機)に駆動指令を出力することによって制御対象機器を制御しながら駆動する駆動部と、演算制御部を備えている。演算制御部は、通信部と駆動部に接続されており、制御対象機器に出力する駆動指令のもととなるデータを演算したり、演算結果等を通信バスに発信したり、他の車両用電子制御装置が出力しているデータを通信バスから受信する。
特許文献2は、CPUに異常が発生したか否かを監視する技術と、異常が発生した時に制御対象機器に出力する駆動指令の出力を禁止する技術を開示している。
そこで禁止部が正常に動作しているか否かをチェックする技術が必要とされ、そのために、禁止部をチェックする機能を有する演算制御部が開発されている。この演算制御部は、禁止部が正常に動作しているか否かを診断するチェック処理時に、チェック用異常信号を出力する。チェック用異常信号を出力した時に、禁止部が禁止指令を出力すれば、禁止部が正常に動作していることを確認することができる。
車両に搭載されている電子制御装置の数は増加しており、チェック処理も複雑化しており、チェック処理に要する時間が長くなっている。チェック用異常信号の出力によって、他の電子制御装置と通信できないことが問題となり始めている。
なおこのことは、禁止部が正常に動作しているか否かのチェックを実施しないことにはならない。チェック用異常信号によって禁止部が出力した禁止指令により、駆動部が制御対象機器の駆動指令を停止するかを判断し、それによって禁止部が正常に動作しているか否かのチェックを実施する。
本発明では、そのチェックによって通信可能となる時期が遅れてしまう弊害を克服するために、その異常信号がチェック用異常信号である場合には、禁止部が通信を禁止する処理を実行することを確認するのにとどめ、通信許可部が禁止部による通信の禁止処理をキャンセルする。同時に、禁止部からの禁止処理により駆動部が駆動を停止するかどうかを判断することによって、禁止部が正常に動作しているか否かのチェック機能を維持しながら、通信可能となる時期が遅れてしまう弊害を克服するのに成功したものである。
演算制御部は、動作チェック処理時にチェック用異常信号を出力する。その異常信号によって、禁止部が通信部の通信処理と駆動部の駆動処理を禁止する処理を実行する。しかしながら、上記の車両用電子制御装置は、演算制御部が出力した異常信号がチェック用異常信号である時には通信部の通信処理を禁止させない通信許可部を備えているために、禁止部が通信部の通信処理と駆動部の駆動処理を禁止する処理を実行しようとしても、実際には通信処理は禁止されない。通信許可部を追加したために、通信可能となる時期が遅れてしまう弊害はない。これと同時に、駆動部の駆動処理が禁止されるか否かによって、禁止部が正常に動作するか否かをチェックすることができる。
演算制御部がチェック用異常信号以外の異常信号を出力する際には、通信許可部が動作せず、異常な通信が実行されることはない。その場合には、正常に動作することが確認されている禁止部が通信処理を禁止する。
その条件が満たされている場合には、通信許可部が、演算制御部の動作開始時からの異常信号の出力回数をカウントする計数部と、その計数値を所定値と比較する比較部を備えていることが好ましい。その比較結果によって、チェック用異常信号かその他の異常信号かを判別することができる。
(特徴1) 通信許可部の通信許可処理は、禁止部の通信禁止処理に優先する。
(特徴2) 実際に通信処理が禁止されたか否かとは別に、禁止部が禁止処理を実行したか否かを監視する処理が存在している。
(特徴3) 演算制御部は、CPUと、CPUの動作を監視する監視部を備えている。
ECU1の演算制御部22は、通信部14によって、自らの制御状態を通信バス4に出力することができる。これによって、他のECUはECU1の制御状態を認識し、他のECUの制御対象機器の制御に反映することができる。
演算制御部22が、通信部14によって、通信バス4からデータを入力したり、通信バス4にデータを出力したりするために、通信制御プログラム60が記憶されている。
ECU1は、動作開始時に禁止部12が正常に動作するか否かを診断する。このために、動作チェック用プログラム30を記憶している。CPU20は、動作開始時に動作チェック用プログラム30を実行すると、チェック用異常信号を出力する。このチェック用異常信号は、監視部16が出力する異常検出信号とは別であり、演算制御装置22の動作が正常であっても、チェック用異常信号が出力される。演算制御装置22は、監視部16が出力する異常検出信号と、監視部16と無関係にCPU20が出力するチェック用異常信号を出力する。以下では、前者の異常検出信号をチェック用異常信号以外の異常信号という。
チェック用異常信号とそれ以外の異常信号は区別されることなく、禁止部12に入力される。
本実施例のECU1は、CPU20が出力した異常信号がチェック用異常信号である時に、通信部14の通信処理を禁止させない通信許可部10を有している。演算制御装置22が出力する異常信号は、通信許可部10にも入力される。通信許可部10は、演算制御装置22が出力する異常信号がチェック用異常信号である場合には、禁止部12による通信禁止処理を解除する。禁止部12による通信禁止処理よりも、通信許可部10による通信許可処理の優先度が高い。
本実施例では、禁止部12による通信禁止処理よりも優先度が高い通信許可処理を行う通信許可部10を備えているために、動作チェックを実行することによって通信可能となる時期が遅れてしまうという弊害を解消し、様々なECUが通信し合って正常な制御処理を開始するまでの時間の短縮化を図ることができる。
駆動部18は、禁止指令を入力したために駆動指令の出力を停止する。ステップS304では、CPU20は、通信許可部10によって実際に通信処理が禁止されたか否かとは別に、禁止部12が禁止処理を実行したか否かの判断を、駆動部18の出力が停止したかどうかにより判断する。これによって禁止部12の正常異常が判別できる。駆動部18が出力を停止し、禁止部が正常に動作すると判断された場合(判断がYESの場合)は、ステップS305へ進む。ステップS305では、通信許可部10は、入力された信号がチェック用異常信号であるために、通信部14の通信処理を許可する。禁止部12による通信禁止処理よりも、通信許可部10による通信許可処理の優先度が高いために、通信部14の通信処理は実際には禁止されない。通信許可部10は、CPU20と、異常信号を判断し、通信を許可するプログラムによって構成されている。ステップS304において駆動部18が実行するべき処理を実行しなかったのであれば(判断がNOの場合)、禁止部12のエラー処理に進む(ステップS306)。
ステップS316では、監視部16が、CPU診断プログラム40によって、CPU20が異常か否かを判別する。監視部16によって異常が検出されない間(判断がNOの場合)は、ECU1は通常処理を続行する。CPU診断プログラム40と監視部16によって、CPU20の異常が検出された場合(判断がYESの場合)には、監視部16が異常検出信号を出力する(ステップS318)。この結果、禁止部12が通信部14の通信処理と駆動部18の駆動指令の出力を禁止する(ステップS319)。この場合、入力される信号がチェック用異常信号でないために、通信許可部10は動作しない。禁止部12が通信部14の通信処理を実際に禁止してしまう。そのために、CPU20の動作異常時に、誤った通信を続行してしまうことがない。
通信処理を禁止した後、ステップS320でCPU20等の初期化処理を実行し、正常な動作状態に復帰させる。その後に、ステップS322で、通信と駆動指令の禁止状態が解除され、通信と駆動指令の出力が再開される。その後に、CPU20は、ステップS314に戻り、通常時プログラムを実行する。
ステップS508では、比較部44が計数部42におけるカウント数Iと所定値の比較を行う。本実施例においては、動作チェック用プログラム30の実行中にチェック用異常信号が2回出力されることは前に述べたとおりである。このため、比較部44はカウント数Iが3以上であるかどうかの判断を行う。ステップS504で更新されたカウント数Iが所定値を超えない間(判断がNOの場合)は、通信部14は通信許可部10からの通信許可信号を受け、通信を継続している(ステップS509)。I≧3でないときは、ステップS502からステップS509を繰返す。I≧3のとき(判断がYESの場合)は、通信許可部10は通信部14の通信を許可しない(ステップS510)。カウント数I≧3の条件を満たしてからは、通信許可部10に異常信号が入力されるたびにステップS502からステップS510までの処理を繰返す。
例えば、実施例においては独立して図示している構成は、CPU内のプログラムモジュールであってもよいし、それぞれがハードウェアとして構成されていてもよい。禁止部12や通信許可部10は、ソフトウエアで実現してもよい。
2:ECU
3:ECU
4:通信バス
5:電源
6:センサ類
8:制御対象機器
10:通信許可部
12:禁止部
14:通信部
16:監視部
18:駆動部
20:CPU
22:演算制御部
24:インターフェース
30:動作チェック用プログラム
40:CPU診断用プログラム
42:計数部
44:比較部
50:機器制御プログラム
60:通信制御プログラム
Claims (2)
- 車両用電子制御装置であり、通信バスによって他の車両用電子制御装置に接続されており、
通信バスとの間で通信を行う通信部と、
制御対象機器に駆動指令を出力する駆動部と、
通信部と駆動部に接続されており、異常発生時に異常信号を出力するとともに、動作チェック処理時にチェック用異常信号を出力する演算制御部と、
演算制御部が異常信号を出力した時に、通信部の通信処理と駆動部の駆動処理を禁止する禁止部と、
演算制御部が出力した異常信号がチェック用異常信号である時に、通信部の通信処理を禁止させない通信許可部と、
を有する車両用電子制御装置。 - 前記通信許可部は、
演算制御部の動作開始時からの異常信号の出力回数をカウントする計数部と、
その計数値を所定値と比較する比較部を備えており、
その比較結果によって、チェック用異常信号かその他の異常信号かを判別することを特徴とする請求項1の車両用電子制御装置。
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