JP2007283557A - 液体収容体 - Google Patents

Abstract

【課題】寸法精度を向上することが可能な液体収容体を提供する。
【解決手段】液体収容体としてのインクカートリッジ２２は、ケース本体３０と蓋ケース３２とからなるケース２３、及びケース２３内に収容される可撓性を有したインクパック２５の表面に取着される移動部材３６を備える。移動部材３６は、インクパック２５内のインクの消費に伴うインクパック２５の容積減少に基づきケース２３内での位置態様が変化し、インクパック２５内のインクが空になった場合における位置態様をプリンタが備える検出装置により検出する。そして、これらケース本体３０、蓋ケース３２、及び移動部材３６を、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型して成型時の収縮率を小さくする。
【選択図】図２

Description

本発明は、例えばインクジェット式プリンタ等の液体噴射装置に装着される液体収容体に関する。

従来、記録ヘッド（液体噴射ヘッド）からインク（液体）をターゲットに対して噴射する液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ（以下、単に「プリンタ」と言う）が知られている。このプリンタは、往復移動するキャリッジ上に記録ヘッドを搭載し、通常は、この記録ヘッドに対してプリンタの所定箇所（例えば、キャリッジ上）に装着されたインクカートリッジ（液体収容体）からインクを供給するようにしている。

このようなプリンタにあって、インクカートリッジをキャリッジ上とは異なる別の箇所に装着するタイプ（所謂オフキャリッジタイプ）のプリンタの場合は、加圧ポンプから圧送される加圧空気によりインクカートリッジ内のインクパック（液体収容袋）を加圧し、チューブ（液体供給路）を介してインクを記録ヘッド側に圧送する場合がある。そして、インクパック内のインクが空になったことを検出した場合には、その古いインクカートリッジを新しいインクカートリッジと交換するようにしている（例えば、特許文献１参照）。

この特許文献１のインクカートリッジでは、ケース内に収容されるインクパックの表面に板状をなす移動部材が取着されている。すなわち、この移動部材は、インクパック内のインクの消費に伴う該インクパックの容積減少に基づき、そのインクパックの変形に追随してケース内での位置態様が変化するように設けられている。そして、インクパック内のインクが空になった場合には、その移動部材の一部がケースに形成された貫通孔からケース外に突出するようになり、ケース外に配設された検出装置に当接して該検出装置を作動させるようになっている。
特開平６−３２８７０６号公報

ところで、特許文献１のようなインクカートリッジでは、通常、ケースや移動部材が、一般的な合成樹脂の成型品により構成されている。しかしながら、一般的な合成樹脂の成型品は、成型時の収縮率が大きいため、反りなどが大きくなり易く、高い寸法精度で成型することが困難であった。特に、移動部材の寸法精度が低下すると、検出装置による検出精度が低下するため、移動部材の寸法精度の向上が従来から望まれていた。

本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、寸法精度を向上することが可能な液体収容体を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の液体収容体は、複数の部材により構成された液体収容体において、前記各部材のうち少なくとも一つを、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型した。

この発明によれば、ポリ乳酸は、他の一般的な合成樹脂（例えば、ポリアセタールなど）に比べて成型時の収縮率が小さいので、各部材のうち少なくとも一つを、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型することで、該各部材の寸法精度を向上することが可能となる。

本発明の液体収容体において、前記各部材は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に着脱自在に装着されるケースと、該ケース内に収容される可撓性を有した液体収容袋の表面に取着される移動部材とを含み、該移動部材は、前記液体収容袋内の液体の消費に伴う該液体収容袋の容積減少に基づきケース内での位置態様が変化し、前記液体収容袋内の液体が空になった場合における位置態様を前記液体噴射装置が備える検出装置により検出される構成とされ、少なくとも前記移動部材が、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型された。

この発明によれば、特に移動部材を、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型することで、該移動部材の寸法精度が向上されるため、移動部材の位置態様に基づく検出装置による検出精度を向上することが可能となる。

本発明の液体収容体において、前記ケースには、前記検出装置の配設位置と対応する箇所に貫通孔が形成される一方、前記移動部材には、前記液体収容袋内の液体が空になった場合の位置態様となったときに前記貫通孔を介して前記ケース外に突出することにより前記検出装置に検出される突出片が形成されている。

この発明によれば、ケース外に配設された検出装置により突出片の貫通孔からの突出状態を検出することで、液体収容袋内の液体が空になったことを簡単な構成で確実に検出することが可能となる。

本発明の液体収容体において、前記各部材は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の液体収容体装着部に着脱自在に装着されるケースを含み、前記ケースが、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型された。

この発明によれば、ポリ乳酸は、特にケースを、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型することで、該ケースの寸法精度が向上されるため、液体噴射装置の液体収容体装着部に対する液体収容体の着脱動作を円滑に行うことが可能となる。

本発明の液体収容体において、前記ケースは、有底箱状をなすケース本体と、該ケース本体の開口部に取着される蓋ケースとを含み、前記ケース本体及び蓋ケースのうち少なくとも一つが、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型された。

この発明によれば、少なくともケース本体が少なくともポリ乳酸を含む材料により成型された場合には、該ケース本体の寸法精度が向上されるため、液体噴射装置の装着部に対する液体収容体の着脱動作を円滑に行うことが可能となる。一方、少なくとも蓋ケースが少なくともポリ乳酸を含む材料により成型された場合には、該蓋ケースの寸法精度が向上されるため、ケース本体に対する蓋ケースの取着動作を円滑に行うことが可能となる。

以下、本発明の液体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、図１を基準とした場合の「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」と一致するものとする。

図１に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ１１は、平面視矩形状をなすフレーム１２を備えている。フレーム１２内には、プラテン１３が架設されるとともに、該プラテン１３上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Ｐが給送されるようになっている。また、フレーム１２内におけるプラテン１３の上方には、該プラテン１３の長手方向と平行に、棒状のガイド部材１４が架設されている。

ガイド部材１４には、キャリッジ１５が、該ガイド部材１４の軸線方向に往復移動可能に支持されている。キャリッジ１５は、フレーム１２内の後面に設けられた一対のプーリ１６間に張設された無端状のタイミングベルト１７を介してフレーム１２の背面に設けられたキャリッジモータ１８に駆動連結されている。そして、キャリッジ１５は、キャリッジモータ１８の駆動により、ガイド部材１４に沿って往復移動されるようになっている。

キャリッジ１５上には、液体としてのインクの圧力を調整して記録ヘッド１９に供給するバルブユニット２０が、インクジェット式プリンタ１１に使用されるインクの色（種類）に対応して複数個（本実施形態では４個）備えられている。また、キャリッジ１５のプラテン１３に対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド１９が搭載されている。さらに、記録ヘッド１９の下面には、図示しないノズルが設けられているとともに、記録ヘッド１９の内部には図示しない圧電素子が設けられている。そして、この圧電素子の駆動により、ノズルからプラテン１３上に給送された記録用紙Ｐにインク滴が噴射されて印刷が行われるようになっている。

図１におけるフレーム１２の右端部には、液体収容体装着部としてのカートリッジホルダ２１が設けられている。このカートリッジホルダ２１には、液体収容体としてのインクカートリッジ２２が着脱自在に複数個（本実施形態では４個）装着されている。インクカートリッジ２２は、断面形状が矩形状をなすケース２３をそれぞれ備えるとともに、各ケース２３の内側にそれぞれ形成される空気室２４内には、袋状に形成された可撓性フィルムよりなる液体収容袋としてのインクパック２５がそれぞれ収容されている。そして、各インクパック２５内には、互いに異なる色のインクがそれぞれ充填されている。

また、図１におけるフレーム１２の右端部におけるカートリッジホルダ２１の近傍には、加圧ポンプ２６が設けられている。そして、各インクカートリッジ２２がカートリッジホルダ２１にそれぞれ装着されている状態では、加圧ポンプ２６が空気供給管２７を介して各インクカートリッジ２２にそれぞれ接続されるようになっている。この場合、各空気供給管２７の一端は、インクカートリッジ２２の各ケース２３を貫通して各空気室２４内まで達している。

また、各インクカートリッジ２２がカートリッジホルダ２１にそれぞれ装着されている状態では、各インクカートリッジ２２と各バルブユニット２０とが、インク供給管２８を介してそれぞれ接続されるようになっている。そして、加圧ポンプ２６が駆動されると、該加圧ポンプ２６から加圧空気が各空気供給管２７を介して各インクカートリッジ２２の空気室２４内にそれぞれ圧送されるようになっている。

このときの空気室２４内に圧送される加圧空気の加圧力によって各インクパック２５が押し潰されて、該各インクパック２５内のインクがインク供給管２８を介してバルブユニット２０にそれぞれ供給されるようになっている。なお、図１におけるフレーム１２内の右端部寄り位置であって、キャリッジ１５のホームポジションには、記録ヘッド１９のクリーニング等を行うためのメンテナンスユニット２９が配設されている。

次に、インクカートリッジ２２の構成について詳述する。
図２に示すように、インクカートリッジ２２を構成するケース２３は、有底四角箱状をなすケース本体３０と、該ケース本体３０の左端の開口部３１を覆うように該ケース本体３０に着脱自在に取着される四角板状の蓋ケース３２とを備えている。蓋ケース３２の後端部には一対の係止凸部３３が後方へ向かって突設されるとともに、蓋ケース３２の前端部には上下一対の係止爪３４が右方に向かって突設されている。

インクパック２５は、表面にアルミ蒸着処理をした２枚の可撓性フィルムが貼り合わされてなる長方形袋状をなすとともに、その後端部中央には内部のインクを導出するための円筒状のインク導出部材３５が挿着されている。インク導出部材３５は、その先端が、インクが導出されるインク導出口３５ａとされるとともに、その周面上にはインクパック２５の位置決めを行うための凹溝３５ｂが形成されている。また、インクパック２５の蓋ケース３２側となる表面上（図２では左面上）における中央部には、略四角板状の移動部材３６が貼着されている。移動部材３６の一端（図２では下端）には、突出部３６ａが外方（図２では下方）に向かって延設されるとともに、該突出部３６ａの先端部はケース本体３０の内底面側となる方向（図２では右方）に向かって直角に屈曲されてなる突出片３６ｂとされている。

ケース本体３０の後壁には蓋ケース３２の一対の係止凸部３３と対応するように一対の係止孔３７が貫通形成されるとともに、ケース本体３０の上下両内側壁には蓋ケース３２の一対の係止爪３４と対応するように一対の係止凹部３８が設けられている。また、ケース本体３０の後壁における両係止孔３７間には、切欠部３９が形成されている。この切欠部３９内には支持台４０が突設されるとともに、該支持台４０の先端部には後面視半円状の支持凹部４０ａが形成されている。

さらに、ケース本体３０の右壁（底壁）には、移動部材３６の突出片３６ｂと対応する位置に矩形状の貫通孔４１が形成されている。また、カートリッジホルダ２１（図１参照）内には、インクカートリッジ２２を装着した状態におけるケース本体３０の貫通孔４１と対応する位置に、検出装置４２（図３参照）が配設されている。この検出装置４２（図３参照）は、該検出装置４２に移動部材３６の突出片３６ｂが当接した場合にインクパック２５内のインクが空になったことを検出するようになっている。

なお、ケース本体３０、蓋ケース３２、及び移動部材３６は、ポリカーボネート（ＰＣ）とポリ乳酸（比重１．３８）とを重量比１：１で混合した混合材料（比重１．２９）を成型してなる成型品である。また、この混合材料での成型品の成型時の収縮率は、約０．５％であり、例えば一般的な合成樹脂材料であるポリアセタール（ＰＯＭ）の成型品の成型時の収縮率（約２％）に比べて格段に小さい。

次に、インクカートリッジ２２の組み付け方法について詳述する。
図２に示すように、インクカートリッジ２２を組み付ける場合には、まず、ケース本体３０内にインクパック２５を収容する。このとき、インク導出部材３５の凹溝３５ｂとケース本体３０の支持凹部４０ａとが係合することで、ケース本体３０内におけるインクパック２５の位置決めがなされる。この位置決めにより、移動部材３６の突出片３６ｂがケース本体３０の貫通孔４１を臨むように配置される。

続いて、蓋ケース３２の両係止凸部３３をケース本体３０の両係止孔３７にそれぞれ該ケース本体３０の内側から係入した後、蓋ケース３２の両係止爪３４をケース本体３０の両係止凹部３８にそれぞれ係止する。これにより、インクカートリッジ２２の組み付けが完了する。

次に、インクカートリッジ２２の作用について説明する。
さて、図３（ａ）に示すように、インクジェット式プリンタ１１のカートリッジホルダ２１に新品のインクカートリッジ２２を装着した状態では、移動部材３６が上下方向に真っ直ぐに延びている。そして、インクパック２５内のインクが消費されると、重力によりインクがインクパック２５内の下側に集まるため、該インクパック２５が上側から徐々に収縮し始める。このインクパック２５の収縮に伴い、移動部材３６は、図３（ｂ）に示すように、その上端部が右側に倒れるように傾斜させられる。すなわち、インクパック２５内のインクの消費に伴って該インクパック２５の容積が減少し、この容積減少に伴って移動部材３６の位置態様が変化する。

さらに、インクパック２５内のインクが消費されると、インクパック２５の下側も収縮され、移動部材３６の突出片３６ｂがケース本体３０の貫通孔４１に接近するように移動される。そして、インクパック２５内のインクが空になった場合には、図３（ｃ）に示すように、移動部材３６の突出片３６ｂがケース本体３０の貫通孔４１を介してケース２３外へ突出して検出装置４２に当接する。これにより、検出装置４２は、該検出装置４２に移動部材３６の突出片３６ｂが当接したことを検出、すなわちインクパック２５内のインクが空になったことを検出する。

以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
（１）インクカートリッジ２２の構成部品であるケース本体３０、蓋ケース３２、及び移動部材３６は、ポリカーボネート（ＰＣ）とポリ乳酸とを重量比１：１で混合した混合材料によって成型した成型品であるため、例えばポリアセタール（ＰＯＭ）を材料として成型品を成型した場合に比べて成型時の収縮率を小さくすることができる。このため、各成型品の寸法精度を向上させることができる。

そして、移動部材３６を上記混合材料によって成型した場合には、移動部材３６の反りを抑制することができるので、移動部材３６の位置態様に基づく検出装置４２による検出精度を向上することができる。

また、ケース２３（ケース本体３０）を上記混合材料によって成型した場合には、該ケース２３（ケース本体３０）の寸法精度を向上することができるため、インクジェット式プリンタ１１のカートリッジホルダ２１に対するインクカートリッジ２２の着脱動作を円滑に行うことができる。

さらに、蓋ケース３２を上記混合材料によって成型した場合には、該蓋ケース３２の寸法精度を向上することができるため、ケース本体３０に対する蓋ケース３２の取着動作を容易かつ円滑に行うことができる。

（２）移動部材３６には、インクパック２５内のインクが空になった場合の位置態様となったときに貫通孔４１を介してケース２３外に突出する突出片３６ｂが形成されている。このため、ケース２３外に配設された検出装置４２により突出片３６ｂの貫通孔４１からの突出状態を検出するだけで、インクパック２５内のインクが空になったことを確実に検出することができる。すなわち、インクパック２５内のインクが空になったことを簡単な構成で確実に検出することができる。

（３）上記混合材料は、合成樹脂の中でも比較的比重の大きいポリカーボネート（比重１．２０）とポリ乳酸（比重１．３８）とを重量比１：１で混合することで、その比重が１．２９とされているため、一般的な合成樹脂で成型する場合に比べて成型品の重量を重くすることができる。特に、移動部材３６をこの混合材料によって成型することで、一般的な合成樹脂で成型する場合に比べて該移動部材３６の重量を重くすることができる。このため、インクパック２５内のインクの消費に伴って該インクパック２５の容積が減少する際の移動部材３６の該インクパック２５に対する追従性を向上することができる。因みに一般的な合成樹脂の比重を挙げてみると、ＡＢＳ樹脂では１．０、ポリスチレンでは１．０４、ポリプロピレンでは０．９であり、これらの合成樹脂に比べてポリカーボネートの比重が比較的大きいことが分かる。

（４）ポリ乳酸は、焼却したときの燃焼カロリーがポリエチレンなどの合成樹脂に比べて格段に低く、焼却してもダイオキシンや塩化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの有毒ガスを発生しない。したがって、インクカートリッジ２２の構成部品を、ポリ乳酸を含む上記混合材料により成型することで、インクカートリッジ２２を焼却廃棄する際の焼却炉への負担を大幅に軽減することができるとともに、大気汚染も抑制することができる。これらの効果は、上記混合材料に含まれるポリ乳酸の割合を多くするほど大きくなる。

（５）ポリ乳酸は、トウモロコシなどに含まれるデンプンを原料としているため、焼却時に炭酸ガスを発生させるものの、これらの炭酸ガスは再びトウモロコシなどの炭酸源として再吸収されるため、自然界の炭酸ガスの量は全体として増加することがない。したがって、インクカートリッジ２２の構成部品を、ポリ乳酸を含む上記混合材料により成型することで、インクカートリッジ２２を焼却廃棄しても地球温暖化の原因となる自然界の炭酸ガス量の増加を抑制することができる。この効果は、上記混合材料に含まれるポリ乳酸の割合を多くするほど大きくなる。

（６）上記混合材料は、ポリ乳酸を含むので、その成型品は優れた形状再現性を有している。このため、移動部材３６をインクパック２５から引き剥がして再利用する場合、移動部材３６が引き剥がし時の応力を受けて弾性変形しても、すぐに元の形状に戻りやすい。

（変更例）
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、ケース本体３０、蓋ケース３２、及び移動部材３６は、いずれか２つ（例えば、ケース本体３０と蓋ケース３２）が上記混合材料で成型されると共に、残り１つ（例えば、移動部材３６）が上記混合材料以外の材料で成型されたものであってもよい。

・上記実施形態において、ケース本体３０、蓋ケース３２、及び移動部材３６は、いずれか１つ（例えば、移動部材３６）が上記混合材料で成型されると共に、残り２つ（例えば、ケース本体３０と蓋ケース３２）が上記混合材料以外の材料で成型されたものであってもよい。

・上記混合材料には、ポリ乳酸が含まれてさえいれば、その割合は任意の値でもよい。例えば、上記混合材料の代わりにポリ乳酸１００％の材料を用いてもよい。
・上記混合材料において、ポリカーボネートの代わりに、ＡＢＳ樹脂、ポリスチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂を用いてもよい。あるいは、ポリカーボネートも含めたこれらの合成樹脂のうち少なくとも１種類を上記混合材料に混合するようにしてもよい。

・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタ１１として具体化したが、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造や、有機ＥＬディスプレイ等の画素形成に利用される液体噴射装置であってもよい。

実施形態のインクジェット式プリンタの平面図。 実施形態のインクカートリッジの分解斜視図。 （ａ）は、新品のインクカートリッジの断面図、（ｂ）は、インクがある程度消費された状態のインクカートリッジを示す断面図、（ｃ）は、インクが空になった状態のインクカートリッジを示す断面図。

符号の説明

１１…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ、１９…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、２１…液体収容体装着部としてのカートリッジホルダ、２２…液体収容体としてのインクカートリッジ、２３…ケース、２５…液体収容袋としてのインクパック、３０…ケース本体、３１…ケース本体の開口部、３２…蓋ケース、３６…移動部材、３６ｂ…突出片、４１…貫通孔、４２…検出装置。

Claims (5)

1. 複数の部材により構成された液体収容体において、
   前記各部材のうち少なくとも一つを、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型したことを特徴とする液体収容体。
2. 前記各部材は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に着脱自在に装着されるケースと、該ケース内に収容される可撓性を有した液体収容袋の表面に取着される移動部材とを含み、
   該移動部材は、前記液体収容袋内の液体の消費に伴う該液体収容袋の容積減少に基づきケース内での位置態様が変化し、前記液体収容袋内の液体が空になった場合における位置態様を前記液体噴射装置が備える検出装置により検出される構成とされ、
   少なくとも前記移動部材が、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型されたことを特徴とする請求項１に記載の液体収容体。
3. 前記ケースには、前記検出装置の配設位置と対応する箇所に貫通孔が形成される一方、前記移動部材には、前記液体収容袋内の液体が空になった場合の位置態様となったときに前記貫通孔を介して前記ケース外に突出することにより前記検出装置に検出される突出片が形成されていることを特徴とする請求項２に記載の液体収容体。
4. 前記各部材は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置の液体収容体装着部に着脱自在に装着されるケースを含み、
   前記ケースが、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型されたことを特徴とする請求項１に記載の液体収容体。
5. 前記ケースは、有底箱状をなすケース本体と、該ケース本体の開口部に取着される蓋ケースとを含み、
   前記ケース本体及び蓋ケースのうち少なくとも一つが、少なくともポリ乳酸を含む材料により成型されたことを特徴とする請求項４に記載の液体収容体。

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