JP2007281517A - 可視赤及びirコントロールを備えたf2レーザ - Google Patents

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【課題】F2エキシマレーザは、1000から2000Hzの反復度で、157nmの波長で約10mJを超えるパルスエネルギを有するレーザパルスを生成できる。
【解決手段】エネルギ、パルスエネルギ範囲を10から5mJとした場合、1000から4000Hzの範囲で作動するレーザを照明源として、ステッパ又はスキャナ装置は0.1μm又はそれ以下の集積回路解像度を作り出す。好適な実施例では、二つの外部プリズムから成るセットを使い、レーザをフッ素の157.6nm線に同調させた。好適な第2実施例では、レーザを広帯域作動させ、157.6nm線を共振空胴の外部に選択している。好適な実施例では、注入シーディングを使い0.2pmの線幅を提供している。
【選択図】図4

Description

本出願は、「信頼性のあるモジュラー型の製造品質を備えた狭帯域高周波数F2エキシマレーザ」と題する1999年3月19日出願の米国特許出願番号第09/273,446号の一部継続出願である。本発明はレーザに、より厳密には狭帯域F2エキシマレーザに関する。
KrFエキシマレーザは集積回路リソグラフィ用の最新の光源である。このようなレーザの一つが、1990年9月25日付で発行された米国特許第4,959,340号に記載されている。このレーザは約248nmの波長で作動する。KrFレーザを使うと、180nm程度の寸法の集積回路を製造することができる。約193nmで作動するArFレーザ、又は約157nmで作動するF2レーザを使うと、更に微細な寸法のものを作ることができる。
このようなKrFレーザ、ArFレーザ、F2レーザは酷似しており、事実、KrFレーザを作るために使われる同じ基本的装置を、波長の僅かの差に対応するためにガス濃度を変更し制御装置と計器を変更するだけで、ArFレーザやF2レーザを作るために使用できる。
リソグラフィレーザ制御装置及び他のリソグラフィ装置には、このようなレーザにより生成された紫外線を感知するレーザパルスエネルギモニタが必要である。最新の集積回路リソグラフィ装置においてパルスエネルギをモニタするために使われる、標準的な先行技術による検知器は、シリコンフォトダイオードである。
集積回路生産で使われる代表的な先行技術によるKrFエキシマレーザを、図1と図2に示す。この先行技術によるレーザのレーザチャンバの断面図を図3に示す。パルスパワーシステム2はパルス高電圧電源3により駆動され、放電チャンバ8に配置された電極6に電気パルスを供給する。代表的な最新のリソグラフィレーザは、パルス速度約1000Hz、1パルス当たり約10mJのパルスエネルギで作動する。約3気圧のレーザガス(KrFレーザの場合、0.1%のフッ素、1.3%のクリプトン、残りはバッファガスとして機能するネオン)が、電極間の空間を約1000インチ/秒の速度で循環する。これにはレーザ放電チャンバ内に配置された接線流ブロワ10を使用する。レーザガスの冷却には、やはり放電チャンバ内に配置された熱交換器11と、チャンバの外側に取り付けた冷却プレート(図示せず)とを使用する。エキシマレーザの固有帯域巾は、ライン狭帯化モジュール18により狭められる。市販のエキシマレーザシステムは、通常、システムの他の部分を妨げることなく素早く交換できる、複数のモジュールから構成される。主要なモジュールには、レーザチャンバモジュール、高電圧電源モジュール付きパルスパワーシステム、整流子モジュール及び高電圧圧縮ヘッドモジュール、出力連結モジュール、ライン狭帯化モジュール、波長計モジュール、コンピュータ制御モジュール、ガス制御モジュール、冷却水モジュールが含まれる。
電極6は陰極6Aと陽極6Bとから構成される。陽極6Bは、この従来技術による実施例では、図3に断面図で示された陽極支持棒44により支持される。この図では流れは時計回り方向である。陽極支持棒44の一つのコーナーと一つのエッジはガイドベーンとして働き、ブロワ10からの空気を陰極6Aと陽極6Bの間に強制的に流す。この従来技術によるレーザの他のガイドベーンを46、48、50として示す。穴の開いた逆流板52は、陽極6Bがチャンバ8の金属構造体へ接地するのを助ける。本プレートには大きな穴(図3に示さず)がレーザガス流経路内に設けられているので、逆流板がガスの流れへ実質的に影響しないようになっている。アレイ状の個別のコンデンサ19から構成されたピーキングコンデンサは、各パルスを発生させる前に、パルスパワーシステム2により充電される。ピーキングコンデンサの電圧上昇の間に、二つのプレイオナイザ56により陰極6Aと陽極6B間でレーザガスを僅かながらイオン化し、コンデンサ19の充電が約16,000Vに達すると、電極を横切って放電が起こり、エキシマレーザパルスが生成される。各パルスに続き、電極間に約1インチ/ミリ秒のガス流をブロワ10で生成すれば、1ミリ秒後に起こる次のパルスに間に合うように新たなレーザガスを電極間に提供するには十分である。
通常のリソグラフィエキシマレーザでは、フィードバック制御システムにより各パルスの出力レーザエネルギを測定し、所望パルスエネルギからの変動度合を求め、次に電源電圧を調整するために信号を制御装置に送り、後に続くパルスのエネルギを所望エネルギに近づけるようにしている。
このようなエキシマレーザでは通常、1日24時間、毎週7日間の数ヶ月の連続操業が、定期点検用の僅かな停止のみで要求される。このような先行技術によるレーザで見られる問題の一つは、ブロワベアリングの過度の磨耗と偶発的故障である。集積回路産業には、KrFレーザやArFレーザでは得ることができない集積回路解像度を可能にするために、モジュラー型で信頼性のある製造ライン品質を備えたF2レーザへのニーズが存在している。
本発明は、1,000から2,000Hz又はそれ以上の範囲の反復度で、157nmの波長範囲で約1pm又はそれ以下の最大帯域幅、最大半値幅で数mJ範囲のパルスエネルギを有するレーザパルスを生成できる、信頼性のあるモジュラー型で製造品質のF2エキシマレーザを提供する。本発明は、レーザからの望ましくない赤外線及び可視光の放出を減らしつつレーザ効率を最大化するためのレーザガス混合気体も開示している。更に、赤外線及び可視光を実質的に感知しない紫外線エネルギ検知器も開示している。本発明の好適な実施例は、平均パワー出力を約10から40Wの範囲とし、パルスエネルギを1.0から10mJの範囲とし、1,000から4,000Hzの範囲で作動させることができる。このレーザを照明源、ステッパ又はスキャナ装置として用いると、0.1μm又はそれ以下の集積回路解像度を作ることができる。交換可能なモジュールとしては、レーザチャンバとモジュラーパルスパワーシステムがある。
好適な実施例では、レーザは二つの外部プリズムからなるセットを使ってF2の157.6nmの線に同調される。第2の好適な実施例では、広帯域でレーザを作動させ、157.6nmの線は共振空胴の外側に選択される。第3の好適な実施例では、インジェクションシーディングを使って0.2pmの線幅が提供される。第4の好適な実施例では、二つのF2線の内の一方がエタロン出力カプラを使って選択される。他の実施例では、線選択に格子を利用し、レーザを4気圧を超す圧力で作動させることにより同調範囲を拡大している。
(第1の好適な実施例)
図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
(モジュラーレーザ設計)
本発明の好適な実施例の正面図を図4に示す。本図は、修理、交換、メンテナンス時に素早くモジュールの交換ができる、本発明のモジュールの特性を強調している。本発明の主な特徴を図4の符号に対応させ、以下に列挙する。
201 レーザエンクロージャ
202 ガスモジュール
203 冷却水供給モジュール
204 交流/直流分配モジュール
205 制御モジュール
206 ライン狭帯化モジュール
207 圧縮ヘッド
208 高電圧パルス電源モジュール
209 パルス電源用整流子モジュール
210 金属フッ化物トラップ
211 レーザチャンバ
213 波長計
214 自動シャッタ
216 出力カプラ
217 ブロワモータ
218 金属フッ化物トラップ電源
219 状態指示ランプ
220 24V電源
221 チャンバ窓
222 ガス制御フレキシブル接続部
224 ベントボックス
(好適な実施例)
本発明の好適な実施例は、図1、2、3に示したレーザの改良版である。この 好適な実施例は下記の改良点を含んでいる。
1)効率の改善、プレイオナイゼーションの改良、電極間のレーザガス流の改善のために、先行技術の二本管プレイオナイザの組み合わせを単一管の大型プレイオナイザに置き換える。
2)ワンピースで機械加工されるシリコンを含まない(以下、無シリコン)ファンブレード。
3)半導体パルスパワーシステムを変更して立上り時間を早め、より安定したパルスを提供し、高電圧でのレーザ効率を改良する。
4)パルスパワーシステムの充電電圧のより精密な制御。
5)パルスエネルギとバーストエネルギの制御を大幅に改良する新アルゴリズムによりプログラムされたコンピュータ制御装置。
6)電極間隔を10mmへ削減する。
1 レーザチャンバ
1−1 単一管プレイオナイザ
図6は、図3に示す二本管プレイオナイザ56に代わる単一大型プレイオナイザ管56Aを示す。単一管プレイオナイザは、1998年2月17日に発行された米国特許第5,719,896号の記載に従って製造され、この特許は本明細書に参考文献として組み込まれている。本出願人は、単一管プレイオナイザがそれで十分なばかりでなく二本管プレイオナイザに比べ驚異的な性能向上をもたらすことを発見した。本実施例ではプレイオナイザを電極の上流に配置している。本出願人は、単一管プレイオナイザは、放電の空間的安定性の改良によりパルス間の安定性を改良すると判断している。
図7において、本プレイオナイザは、アンチトラッキング溝170を管の一体構成要素として組み込んでいるブッシング要素180を有する、一体型管のデザインを利用している。ロッド部分145の直径とプレイオナイザのブッシング部分180の外径は1/2インチである。内側のコンダクタロッド146の直径は7/37インチ、接地を行うためブッシング部分の内部を通り延びる接続ワイヤの直径は1/16インチである。先行技術によるプレイオナイザ管の設計では二直径設計を利用し、ロッド部分の直径を約1/4インチ、ブッシング部分の直径を約1インチとしている。このため、製造するためには、ブッシング部品を管部品に接続する接合工程が必要であった。直径が一定で厚肉の管設計は従来の設計ルールに反しており、低容量に起因するイオン化の減少が予想された。多くの設計では、管の肉厚は選ばれた材料の絶縁強度に左右される。当業者は、先行技術による従来のプレイオナイザ管の設計手法が、最高絶縁強度の材料を選びその容量に合う壁厚を決定する手法であることを認識している。例えばサファイア材料は1200V/ミルから1700V/ミルの絶縁強度を有することが知られている。それ故0.035インチの絶縁厚さであれば、レーザが25kVで作動する場合安全率は2である。この設計では低容量となるものの、この低減した容量がレーザ作動に及ぼす実際の影響は、電極ギャップで測定される幾何学的な放射照度が驚異的に増加するため、無視し得ることが発見されている。一定の直径、厚い管壁、一体ブッシング設計、単一片材料を採用しているので、アンチトラッキング溝170を設けるために機械加工ができる。単一片構造なので、超高純度(例えば99.9%)の多結晶半透明酸化アルミニウムセラミックを使う必要はない。とはいえ本出願人は超高純度材料を使い続けている。ブッシング180と管145の間に人工的に一体関係を作り出すための拡散接合に備えて、管形状へ難しい表面研磨を施す必要はない。事実、高純度は材料の空隙率ほどに重要な特性ではないことが判明している。空隙率が上がると絶縁強度は低くなることが分かっている。従って商業的等級のセラミックは少なくとも99.8%の純度と低空隙率を有することが好ましく、例えばクアーズセラミック社が絶縁耐力300V/ミルを有する材料番号AD−998Eとして製造するものが使用できる。ブッシング180には、先に述べたようにアンチトラッキング溝170が設けられているので、高電圧が管表面に沿って軸方向に陰極から接地面160へと伝わるのを防止する。
上記のように本出願人は、単一プレイオナイザは二つのプレイオナイザよりもはるかに性能がよいことを発見しており、上記のように第1の実施例では、単一プレイオナイザシステムを電極の上流に配置している。本出願人は、単一プレイオナイザを電極の下流に配置した実験も行っており、この構成では、一定のブロワ速度で、二つのプレイオナイザを上流に配置する場合に比べ、パルスエネルギの安定性が基本的に良好になることを見いだしている。
1−2 高効率チャンバ
レーザの効率を改良するためチャンバに改良が施されている。アルミナAL23で構成された単一片の陰極インシュレータ55Aは、図6に示すように、上部チャンバ構造から陰極を遮蔽する。先行技術による設計では、インシュレータの熱膨張応力によるインシュレータの割れを避けるため、8個の別々のインシュレータが必要であった。この重要な改良により、チャンバのヘッド部分を短縮でき、陰極83とピーキングコンデンサ82との間の距離を相当短くすることができた。ピーキングコンデンサアレイ82を形成する個々のコンデンサ54Aは、水平方向に動かされ、先行技術の場合に比べ、陰極へ近づいている。
市販のリソグラフィレーザ用の先行技術による陰極は、通常、図3に示すように、陰極支持棒53により支持されていた。この好適な実施例では陰極支持棒が不要であり、陰極83は若干厚くなり、単一片インシュレータ55A上に直接取り付けられている。陰極83は、フィードスルーロッド83Aと連結ナット83Bにより、ピーキングコンデンサ82の高圧側82Aへ接続される。好適な実施例では、新たな陰極支持棒84Aは、先行技術の陰極支持棒に比べて基本的に大きく、ガス流領域中に配置されたフィン84Bを含んでいる。この二つの特徴により陽極の温度変動が最小となる。
1−3 金属シール
本出願人は、先行技術のエラストマシールはフッ素ガスと反応し、レーザ性能を低下させる汚染物をレーザガス中に生じさせることを発見した。本発明の好適な実施例では、レーザチャンバをシールするため全てが金属のシールを使用する。好適な金属シールは、錫メッキしたインコネル1718のシールである。
1−4 モネル製の逆流板及びベーン
本出願人は、ステンレススチール製の構成要素もフッ素と反応し、汚染物をレーザガス中に生じさせることを発見した。それ故に、この好適な実施例では、先行技術によるステンレススチール製の逆流構造体とガスフローベーンとを、モネル製の逆流板250とモネル製のフローベーン252、254に置き換えた。
1−5 ファンの改良
本発明のこの好適な実施例は、真鍮を含まないブロワブレード構造体を含んでいる。ブロワブレードは、共振効果を大幅に減らし、ベアリング寿命を延ばす非対称ブレード構成となっている。
1−5−1 無シリコンファンブレード構造体
本出願人は、ブロワブレード構造体によく使われている真鍮材がレーザチャンバ内のSi6の主要源であることを発見した。このガスはKrFレーザではレーザ性能を相当低下させるものであったが、ArFレーザとF2レーザの場合は完全に駄目にするものであった。この問題に対し本出願人は4つの解決策を採用した。第一に、材料の中実ブロック(本ケースではアルミニウム)からブレード構造体を幾つかのセグメントに機械加工した。第二の解決策では、ブレード構造体を幾つかのセグメントに鋳造することであった。次に、新たな材料を一切加えない電子ビーム溶接により、これらのセグメントを溶接した。ブレードをフレーム構造体へと連結することによりブレード構造体を作ることもできるが、この場合、先行技術による蝋付け処理ではなく電子ビーム溶接により接続した。第四の解決方法は、無シリコン半田材を使う半田処理によりブレードをフレーム構造体へ接続することである。全ての構成要素片のベース材料として、アルミニウム6061が使用される。次に、これらの部品は半田付け工程に先立ち銅メッキされる。次に全部品を組み立て、これに、91%の錫(Sn)と9%亜鉛(Zn)で代表される低融点半田材を使って、ファンを真空炉で半田付けする。この半田材を選ぶ理由は、シリコンを含んでいないこと及び銅メッキされたアルミニウムを使えることである。次に、組立てられ半田付けされたファンをニッケルメッキする。この組立方法により、無シリコンファンを安価に製造できる。
1−5−2 共振効果の低減
先行技術によるブロワブレード構造体は、23枚の縦ブレードを有する接線流ブロワにより構成されていた。ブレードは構造体の外周に対称的に取り付けられていた。実質的な共振効果をファンパラメータと実際のレーザ性能の両者に対し測定した。レーザビーム内の摂動は、ファンの回転数の23倍の音響波と一致していることが示された。ベアリング性能に対する悪影響もファンの回転数の23倍に対して測定された。
ファン構造の改良には、図14Aに示すような非対称のブレード配置が必要である。図14Bに示す代替例では、ファンブレード構造は、各セグメントが23枚のブレードを有する、16の個別の機械加工又は鋳造されたセグメントで形成されており、各セグメントを隣接するセグメントに対し360°/(15x23)又は約1°だけ回転させて作られている。ファンブレード構造体を製作する上で機械加工又は鋳造の手法へ比較的簡単に折り込まれる別の改良は、ブレードを図14Cの320に示すようなエアフォイル状に形成することである。先行技術によるブレードは打ち抜き加工されていたが、打ち抜き加工ブレードの内の二つのブレードの断面314を比較のために示す。回転方向を318で、ファンブレード構造体の外周を330で示す。従来型ブレードでは厚みが一様であるのに対し、エアフォイルブレードは、丸みの付いたリーディングエッヂ、厚肉の中央部、先細のトレーリングエッヂを含む涙滴型形状をしている。
1−6 ベアリングの改良
本発明の実施例は、先行技術に対する2つの代替改良点の内の1つにより実現される。
1−6−1 セラミックベアリング
本発明の好適な実施例は、セラミックベアリングを含んでいる。好適なセラミックベアリングは合成潤滑剤で潤滑される窒化シリコン製であり、過フッ素ポリアルキルエーテル(PFPE)で潤滑されることが好ましい。このベアリングの寿命は先行技術によるエキシマレーザベアリングよりも基本的に長い。又、ベアリング、潤滑剤のいずれも反応性の高いフッ素ガスの影響を著しく受けることはない。
1−6−2 磁気ベアリング
本発明のもう一つの好適な実施例は、図5に示すように、ファン構造体を支える磁気ベアリングである。本実施例では、ファンブレード構造体146を支持するシャフト130はアクティブ磁気ベアリングシステムにより支持され、ブラシレスDCモーター130で駆動され、モーターのローター129と少なくとも二つのベアリングのローター128とはレーザ空洞のガス環境内でシールされ、モーター固定子140と磁気ベアリング磁石のコイル126はガス環境外に配置されている。この好適なベアリング設計も又、ガス環境外に配置されたコイルを有するアクティブ磁気スラストベアリング124を含んでいる。
1−7 空気力学的な陽極支持棒
図3に示すように、先行技術によるブロワ10からのガス流は、陽極支持棒44により電極6Aと6Bの間に強制的に流れされていた。しかし本出願人は、図3に示されているような先行技術による支持棒44の設計では、相当な空気力学的反力がブロワに生じてブロワベアリングに伝えられ、チャンバ振動を引き起こすことを発見した。本出願人は、この振動による力はブロワベアリングの磨耗と偶発的なベアリング故障の原因となるのではないかと考えた。本出願人は他の設計のものを試験し、その内の幾つかを12A−12Eに示しているが、いずれの場合も、ブレードが支持棒44の縁の近くを通過する度に生じる反力をより長い期間に亘って分散させることにより、空気力学的反力が減少した。本出願人が好適とする陽極支持棒の設計を図6Aの84Aに示す。この設計では基本的に大きな質量を持たせ陽極の温度上昇を最小に抑えた。陽極と陽極支持棒の全体質量は約3.4kgである。この設計には又、陽極を更に冷却するフィン84Bが含まれている。本出願人の試験の示す所では、音響的バッフルと空気力学的な陽極支持棒の両者はガス流を若干減らす傾向があるためガ、ス流が制限されており、この二つの改良点を利用するにはトレードオフ分析が必要であった。このような理由から二つの改良点は、図6Aには示されているが、図6には示されていない。
2 パルスパワーシステム
2−1 4つのパルスパワーモジュールの機能説明
好適なパルスパワーシステムは、図8A、8Bに示すように、4つの別々のモジュールで製造されており、各モジュールはエキシマレーザシステムの重要な部品であり、部品故障又は定期点検実施の際には素早く交換できるようになっている。本出願人はこれらのモジュールを高電圧電源モジュール20、整流子モジュール40、圧縮ヘッドモジュール60、レーザチャンバモジュール80と呼んでいる。
2−2 高電圧電源モジュール
高電圧電源モジュール20は、電源10からの208V三相交流発電電力を300Vの直流に変換するための300V整流器22を備えている。インバータ24は、整流器22の出力を100kHzから200kHzの範囲の高周波300Vパルスに変換する。インバータ24の周波数とオン時間は、システムの最終出力パルスエネルギを予定通りに調節するために、HV電源制御ボード21で制御される。インバータ24の出力は昇圧変圧器26により約1200Vに昇圧される。変圧器26の出力は、標準ブリッジ整流回路30とフィルターコンデンサ32とを含む整流器28により1200Vの直流に変換される。回路30からの直流電気エネルギは、図8Aに示すように、インバータ24の作動を制御するHV電源制御ボード21の指令通りに、整流子モジュール40の8.1μFC0充電コンデンサ42を充電する。HV電源制御ボード21内のセットポイントはレーザシステム制御ボード100により設定される。
図8Aに示すように、この実施例では、レーザシステムに対するパルスエネルギ制御を電源モジュール20が行っていることに注目されたい。整流子40と圧縮ヘッド60の中の電気回路は、電源モジュール20により充電コンデンサ42に貯えられた電気エネルギを使って、毎秒1000から2000回の割合で電気パルスを形成し、パルス電圧を増幅し、正しくパルス持続時間を圧縮する役割を果たすだけである。このような制御の例として図8Aでは、制御ボード100のプロセッサ102は、充電サイクルの間は半導体スイッチ46によって下流回路から遮断されている充電コンデンサ42へ正確に700Vが供給されるように、電源を制御している。整流子40と圧縮ヘッド60の中の電気回路は、スイッチ46が閉じられると即刻且つ自動的に、充電コンデンサ42に貯えられた電気エネルギを、次のレーザパルスを制御ボード100のプロセッサ102が決めた必要とされる正確なエネルギで提供するのに必要な、電極83、84を横切る正確な電気的放電パルスに変換する。
2−3 整流子モジュール
整流子モジュール40は、本実施例では8.1μFの合計キャパシタンスを提供する並列接続されたコンデンサバンクであるC0充電コンデンサ42を含む。電圧分割器44は、充電コンデンサ42の充電をある電圧(「制御電圧」と呼ぶ)に制限するために制御ボード21が使用するフィードバック電圧信号をHV電源制御ボード21に提供するが、この制御電圧は、電気パルスに形成され整流子40と圧縮ヘッド60の中で圧縮され増幅された時に、ピーキングコンデンサ82の上及び電極83、84を横切って所望放電電圧を作り出すものである。
この実施例(約3ジュール及び16,000Vの範囲で、毎秒2000Hzで電気パルスを提供するように設計されている)の場合、電源20が充電コンデンサ42を800Vに充電するには、約250μ秒(図8F1)が必要である。従って、充電コンデンサC0に蓄えられた3ジュールの電気エネルギを電極83と84の間の16,000Vの放電電圧に変換する高速のステップを開始する半導体スイッチ44が、整流子制御ボード41からの信号により閉じられた時、充電コンデンサ42は完全に充電され所望電圧で安定する。この実施例の場合、半導体スイッチ46はIGBTスイッチであるが、SCR、GTO、MCT等の他のスイッチ技術も使用できる。600nHの充電インダクタ48は半導体スイッチ46と直列に接続されており、C0充電コンデンサを放電させるためにスイッチ46が閉じている間にはスイッチ46を通過する電流を一時的に制限する。
2−3−1 パルス生成段階
高電圧パルスパワー生成の第一段階はパルス生成段階50である。パルスを生成するために、充電コンデンサ42上の電荷は、IGBTスイッチ46を閉じることにより図8F2に示すように、C18.5μFのコンデンサ52上へ約5μ秒で切り換えられる。
2−3−2 圧縮の第一段階
可飽和インダクタ54はまずコンデンサ52上に蓄えられた電圧を遅延し、次に飽和し、コンデンサ52から1:23昇圧パルス変圧器56を通してCp-1コンデンサ62への電荷転送が、図8F3に示すように、圧縮の第一段階61として約550n秒の転送時間内にできるようになる。
パルス変圧器56の設計を以下に述べる。パルス変圧器は非常に効率が高く、700V、17,500A、550n秒のパルス繰り返し数を16,100V、760A、550n秒のパルス繰り返し数に変換し、極めて短時間、圧縮ヘッドモジュール60中のCp-1コンデンサバンク62上に蓄える。
2−4 圧縮ヘッドモジュール60
圧縮ヘッドモジュール60によりパルスを更に圧縮する。
2−4−1 圧縮の第二段階
p-1可飽和インダクタ64(約125nHの飽和インダクタンスを有する)は、16.5nFのCp-1コンデンサバンク62上に電圧を約550n秒の間、遅延させた後、Cp-1上の電荷が、レーザチャンバ80の最上部に配置され、電極83、84及びプレイオナイザ56Aと電気的に並列に接続されている16.5nFCpピーキングコンデンサ82上へ流れる(約100n秒)ようにする。この550n秒の長さのパルスを、Cpピーキングコンデンサ82を充電するための100n秒の長さのパルスへの変換は、図8Aの65に示すように第二及び最後の段階を構成する。
2−5 レーザチャンバモジュール
レーザチャンバモジュール80の一部として、その最上部に取り付けられているピーキングコンデンサ82上へ電荷が流れ始めて約100n秒後、ピーキングコンデンサ82の電圧は約14,000Vに達し電極間の放電が始まる。放電が約50n秒続き、この間にレーザ現象がエキシマレーザの光学共鳴チャンバ内で起こる。光学共鳴チャンバは、本例の場合、図8Aに86で示す2プリズム波長選択器及びR−max鏡からなるライン選択パッケージ86と、出力カプラ88により形成される。このレーザのレーザパルスは狭帯域で、20から50n秒、約10mJで反復度2000パルス/秒までの157nmのパルスである。本パルスによりレーザビーム90が定められ、ビームのパルスはフォトダイオード92によりモニタされ、以上を関係を図8Aに示す。
2−6 パルスエネルギの制御
フォト検出器92からの信号は制御ボード100のプロセッサ102に送信され、プロセッサは、次及び/又は将来のパルスのためのコマンド電圧を設定するために、このエネルギ信号と好ましくは他のパルスエネルギの履歴データ(以下のパルスエネルギ制御アルゴリズムの項で説明する)を使用する。一連の短時間バースト(例えば、約0.1秒の不感時間で分離された2000Hzでの100パルス0.5秒バースト)でレーザが作動する、好適な実施例においては、制御ボード100のプロセッサ102は、パルス間及びバースト間のエネルギ変動が最小となるように、後続パルス用の制御電圧を選択するために、バースト中の過去の全パルスのエネルギ信号と他のパルスプロフィールの履歴データ共に、最新のパルスエネルギ信号を使う特別なアルゴリズムでプログラムされている。このアルゴリズムを使って、制御ボード100のプロセッサ102が約35μ秒の時間内でこの計算を実行する。レーザパルスは、図8F3のIGBTスイッチ46のT0ファイアリングの後の約5μ秒に発生し、レーザパルスエネルギデータの収集には約20μ秒が必要である(スイッチ46のファイアリングの開始をT0と呼ぶ)。こうして、前のパルス(2000Hzで、ファイアリング期間は500μ秒)に対するIGBTスイッチ46のファイアリングの後、約70μ秒で新たな制御電圧値が準備される(図8F1に示す)。エネルギ制御アルゴリズムの特徴を以下に述べるが、より詳しくは米国特許出願番号第09/034,870号に説明されており、これは本明細書に参考文献として組み込まれている。
2−7 エネルギ回収
この好適な実施例は、前のパルスから余分のエネルギを充電コンデンサ42へ回収する電子回路を備えている。この回路はエネルギの浪費を実質的に減らし、レーザチャンバ80内の後信号が事実上なくなる。
エネルギ回収回路57は、エネルギ回収インダクタ58とエネルギ回収ダイオード59とから成り、両者は直列に接続され、図8Bに示すようにC0充電コンデンサ42と並列に接続されている。実際には、パルスパワーシステムのインピーダンスはチャンバのインピーダンスと正確には一致せず、及びチャンバインピーダンスはパルス放電の間に数次のオーダーで変化するので、チャンバからパルス生成システムの前端へ向かって逆に伝搬するメインパルスにより、逆進行「反射」が生成される。余分のエネルギが圧縮ヘッド60と整流子40を通って、逆に伝搬した後で、制御装置がトリガ信号を取り除くことにより、スイッチ46が開く。エネルギ回収回路57は、ダイオード59によるインダクタ58内の電流の逆転に抗してクランプされたものとして、共鳴自由回転(充電コンデンサ42及びエネルギ回収インダクタ58から構成されたLC回路の信号の半サイクル)を通して、充電コンデンサ42上に負の電圧を生成した反射の極性を反転する。最終的に、チャンバ80から反射されたエネルギの実質的に全てが各パルスから回収され、次のパルスで利用する準備の整った正の電荷として充電コンデンサ42上に蓄えられる。図8F1−8F3は、コンデンサC0、C1、Cp-1、Cp上の電荷を示すタイムチャートである。チャートはC0上でのエネルギ回収プロセスを示している。
2−8 磁気スイッチによるバイアス
可飽和インダクタで使われる磁気材料の全B−H曲線スイングを完全に利用するために、スイッチ46を閉じることによりパルスが開始される時点で各インダクタが逆飽和状態になるように、直流バイアス電流が供給される。
整流子の可飽和インダクタ48、54の場合、これを達成するためインダクタを通して約15Aのバイアス電流が逆方向(通常のパルス電流方向と比べ)に供給される。このバイアス電流は、バイアス電流源120により絶縁インダクタLB1を通して供給される。実際の電流は、矢印B1で示すように電源から、整流子の接地接続、パルス変圧器の一次巻線、可飽和インダクタ54、可飽和インダクタ48、絶縁インダクタLB1を経て、バイアス電流源120へと流れる。
圧縮ヘッドの可飽和インダクタの場合、約5Aのバイアス電流B2が第二のバイアス電流源126から絶縁インダクタLB2を通して供給される。圧縮ヘッドで電流は分岐して、大部分の電流B2−1は、可飽和インダクタLp-164を通り、絶縁インダクタLB3を逆に通り、第二バイアス電流源126へと流れる。残りの小電流B2−2は、圧縮ヘッド60と整流子40とを接続するHV接続ケーブルを逆に通り、パルス変圧器の二次巻線を通って接地部へ、そして、バイアス抵抗器を通って、第二バイアス電流源126へと逆に流れる。この第二の小電流はパルス変圧器をバイアスさせるのに使われ、パルス変圧器がパルス作動のためにリセットされるようにもなっている。二つの枝部分の各々に分れる電流の量は各経路の抵抗によって決まり、各経路が正しい量のバイアス電流を受け取るように意図的に調整される。
2−9 電流の方向
本実施例では、システムを通って標準の三相電源10から電極及び電極の先の接地部へ流れるパルスエネルギの流れを「順方向流れ」、この方向を「順方向」と呼ぶ。順方向導電状態にある可飽和インダクタような電気的構成要素に言及する場合、電気的構成要素は、電極方向に「パルスエネルギ」を導電する飽和状態にバイアスされていることを意味する。逆方向導電状態にある場合、電気的構成要素はエネルギを電極から充電コンデンサの方向へ導電する飽和状態にバイアスされている。システム中の電流の実際の流れ(即ち電子の流れ)は、システム内で何処にいるかによって変わる。電流方向を説明したのは混乱する可能性をなくすためである。
図8A、8Bによると、本実施例では、C0コンデンサ42は、スイッチ46が閉じた時に、電流がコンデンサ42からインダクタ48を通りC1コンデンサ52へ向かって流れる(電子は実際には逆方向に流れる)ように、(例えば)正電圧700Vに充電される。同様に、電流はC1コンデンサ52からパルス変圧器56の一次側を通り接地部へ向かって流れる。このように、電流とパルスエネルギの方向は充電コンデンサ42からパルス変圧器56へと同じ方向となる。以下の項「パルス変圧器」で述べるように、パルス変圧器56の第一次側ループと二次側ループでは共に、電流は接地部へ向かっている。結果的に放電の開始初期部分の間(放電の主な部分[通常は80%])、パルス変圧器56と電極との間の電流は、電極からパルス変圧器56へと流れる。従って、主放電の間に電子は接地部からパルス変圧器56の第二次側を通り一時的にCp―1コンデンサ62の上そしてインダクタ64を通り、又一時的にCpコンデンサ82上へ、そしてインダクタ81を通り、電極84(放電陰極とも呼ぶ)を通って放電プラズマを通り、電極83を通って接地部へと逆に流れる。このように主放電の間、電子は、パルス変圧器56と電極84、83の間をパルスエネルギと同じ方向に流れる。放電の主要部分に続いて直ぐに電流と電子の流れが逆転し、電子は接地部から、接地された電極84、電極間の放電空間、電極83、電気回路、変圧器56を通って接地部へと逆に流れる。電子の逆の流れが変圧器56を通過すると、変圧器56の「一次側」ループ中に電流が生じ、電子の流れが接地部からパルス変圧器56の「一次側」を通り(メインパルスの電流と同じ方向)、最終的にはC0を、図8F2に定性的に示されているような負に充電する。 C0上の負の電荷は、図8F2に示され、先に「エネルギ回収」の項で説明したように逆転される。
3 パルスパワー構成要素の詳細な説明
3−1 電源
好適な実施例の電源部分の更に詳細な回路線図を図8Cに示す。図8Cに示されているように、整流器22は、+150Vから−150Vの直流出力の6パルス位相制御整流器である。インバータ24は、実際は三つのインバータ24A、24B、24Cである。8.1μFのC0充電コンデンサ42の電圧がコマンド電圧より50V小さいと、インバータ24B及び24Cが切れ、C042の電圧がコマンド電圧を僅かでも越えると、インバータ24Aが切れる。この方法では、充電終期近くで充電速度が下がる。昇圧変圧器26A、26B、26Cは定格がそれぞれ7キロワットで、電圧を1200V交流に変える。
三つのブリッジ整流器回路30A、30B、30Cを示す。HV電源制御ボード21は12ビットデジタルコマンドをアナログ信号に変換し、それをC0電圧モニタ44からのフィードバック信号45と比較する。フィードバック電圧がコマンド電圧を越えると、上記のようにインバータ24Aのスイッチが切れ、電源内に蓄えられたエネルギを分散させるためにQ2スイッチ34が閉じ、更なるエネルギが電源から逃げぬようにQ3絶縁スイッチ38が開き、Q1流出スイッチ38が閉じてC0の電圧がコマンド電圧と等しくなるまでC0の電圧を減らす。等しくなった時点でQ1は開く。
3−2 整流子と圧縮ヘッド
図8A、8Bは整流子40と圧縮ヘッド60の主要構成要素を示し、システム作動に関しては上記の通りである。本項では整流子の製作ついて詳述する。
3−3 半導体スイッチ
この好適な実施例では、半導体スイッチ46はペンシルベニア州、ヤングウッドに事務所を持つパワレックス社製P/NCM1000HA-28HIGBTスイッチである。
3−4 インダクタ
インダクタ48、54、64は、米国特許第5,448,580号及び第5,315,611号に記載された可飽和インダクタと類似の可飽和インダクタである。好適な可飽和インダクタ設計の平面図と断面図をそれぞれ図8G1、8G2に示す。図8G2に示すように、本実施例のインダクタでは、インダクタ内の漏洩磁束を減らすために301、302、303、304のような磁束遮断金属片を加えている。このインダクタへの入力電流は、コンデンサ62にも接続されているバスへのスクリュー接続305で行われる。電流は鉛直インダクタを通り4回半のループを形成する。電流は位置305から1Aとラベル付けされた中央の大径導体へ下り、外周の6個の小経インダクタ1Bを上り、2Aを下り、2Bを上り、次に全ての磁束遮断要素を下り、3Bを上り、3Aを下り、4Bを上り、4Aを下り、それから電流は位置306から出てゆく。ポットのようなハウジング64Aは高電圧電流リード線の役目を果たす。可飽和インダクタの「蓋」64Bは、テフロン(登録商標)のような電気絶縁体材料で構成される。先行技術のパルスパワーシステムでは、オイル絶縁された電気構成要素からのオイル漏れが問題であった。本実施例では、オイル絶縁された電気構成要素は可飽和インダクタに限られており、オイルは、上記のように、高電圧接続出力線の役目を果たすポットのようなオイル収容金属ハウジング64Aに収容されている。全てのシール接続部はオイルレベルよりも上方に配置され、オイル洩れの可能性を実質的に無くしている。例えばインダクタ64の最も低い位置にあるシールは、図8G2の308である。磁束遮断金属構成要素はインダクタを通る電流経路の中央部分にあるので、電圧は、磁束遮断金属部品と他の巻線の金属ロッドとの間の安全ホールドオフ間隔が減ることを許容する。放熱を改善するためにフィン307が備えられている。
3−5 コンデンサ
コンデンサバンク42、52、62は全て、市販の入手可能な規格品コンデンサが並列接続されたバンクで構成されている。これらのコンデンサは、ジョージア州スミルナに事務所を持つムラタのような納入業者から入手できる。出願人が好適とするコンデンサとインダクタとの接続方法は、米国特許第5,448,580号に記載の方法と類似の方法により、厚くニッケル鍍金された銅線を有する特別のプリント回路板上の正端子及び負端子へ、コンデンサとインダクタとを半田付けするか又はボルト締めするものである。
3−6 パルス変圧器
パルス変圧器56も米国特許第5,448,580号及び第5,313,481号に記載のパルス変圧器と類似しているが、本実施例のパルス変圧器は、一回だけ巻いた二次巻線と、23個の個別の一次巻線を有する。パルス変圧器56の図面を図8Dに示す。23個の一次巻線はそれぞれ、図8Dの底面エッジに沿って示すように、プリント回路板56B上の正端子及び負端子にボルト締めされた(それぞれ、ボルトねじ穴を有する平らなエッジを備える)二つのフランジを有する、アルミニウムのスプール56Aを備えている。絶縁体56Cが各スプールの正端子と隣のスプールの負端子を隔てている。スプールのフランジの間には、長さ11/16インチ、外径0.875インチ、壁厚約1/32インチの中空シリンダーがある。スプールは、幅1インチ、厚さ0.7ミルのメトグラス2605S3Aと、厚さ0.1ミルのマイラー薄膜とで、絶縁されたメトグラス包装材の外径が2.24インチになるまで包装されている。一次巻線を形成する単一包装済みスプールの斜視図を図8Eに示す。
変圧器の二次側は、電気ガラス製の締まり嵌めの絶縁管内に取りつけられた単一ステンレス鋼ロッドである。巻線は図8Dに示すように四つの部分にある。図8Dに56Dとして示したステンレス鋼の二次側はプリント回路板56B上のアース線に56Eで接地され、高電圧端子は56Fである。上記のように、第一巻線の+及び−端子の間の700Vのパルスは、1:23の変圧作用により二次側端子の端子56Fにマイナス16,100Vのパルスを作り出す。本設計によれば、漏洩インダクタンスは非常に低いので、出力上昇時間は非常に早まる。
3−7 レーザチャンバパルス出力構成要素
Cpコンデンサ82は、レーザチャンバ圧力容器の最上面に取り付けられた28個の0.59nfコンデンサバンクで構成されている。各電極83、84は長さ約28インチの中実真鍮棒で、お互いが約0.5から1.0インチ離されている。本実施例では、図8Aに示すように、最上部電極83が陰極で、最下部電極84が接地されている。
3−8 圧縮ヘッド取り付け
本発明のこの好適な実施例は、図8H1、8H2に示す圧縮ヘッド取り付け技術を含む。図8H1はレーザシステムの側断面図で、電極83、84に対するコンプレッサーヘッドモジュール60の位置を示す。本技術は、圧縮リードチャンバ接続に関連するインピーダンスを最小化するために考案されたが、同時に圧縮ヘッドが容易に素早く取り替えられるようにしている。図8H1、8H2に示すように、接地接続は、図8H1の81Aと、図8H2の81Bで示されている圧縮ヘッドの後面沿いに長さ約28インチのスロットタブ接続により行われる。スロットタブの底面は、柔軟性のあるフィンガストック81Cと嵌合されている。好適なフィンガストック材料が商品名マルチラムで販売されている。
高電圧接続は、図8H1の89の個所で、可飽和インダクタ64の6インチ直径の滑らかな底面と柔軟性のあるフィンガストックの嵌合アレイとの間で行われる。上記のように、好適なフィンガストック材料はマルチラムである。本構成により、修理又は予防的メンテナンスのために圧縮ヘッドモジュールを約5分で取り替えることができる。
4 ガス制御モジュール
この好適な実施例は、選択されたスイートスポット内でフッ素モニタを使わずに作動できるフッ素制御システムを備えている。図16を参照しこの実施例を述べる。
4−1 フッ素消耗
レーザチャンバ1は、約20.3リットルのレーザガスを含んでいる。上記のように普通、成分はフッ素が0.1%、残りがバッファガス(ヘリウム、ネオン又はヘリウムとネオンの組み合わせが望ましい)で、約4気圧である。0.1%のフッ素は、4気圧で約0.0023リットル即ち2.3mlのフッ素である。質量換算すると、レーザチャンバ内のフッ素の公称量は約110mgである。純粋フッ素の分圧は、約411Pa、純粋フッ素(1%フッ素混合物の約41kPaに相当)である。衝撃係数約40%(通常のリソグラフィレーザ)で作動するレーザでは、フッ素は通常の作動の間に毎時約4.5mgの割合で消耗される(1時間にチャンバ内のフッ素の約4%を消費することに相当)。純粋フッ素分圧に換算すると、この通常のフッ素消耗割合は毎時約16Paである。1%のフッ素ガス混合物を使ってこの消耗を補うために、毎時約1.6kPaに相当する体積の混合物がチャンバに加えられる。
レーザのフッ素消耗割合は一定からは程遠い。レーザファンが作動してもレーザが発生しない場合、フッ素消耗割合は約半分に下がる。ファンを止めるとフッ素消耗割合は、40%衝撃係数での消耗割合の約1/4に低下する。100%衝撃係数の場合、フッ素消耗割合は40%衝撃係数での消耗割合の約二倍である。
4−2 ガス交換
上記プロセスでは、消耗したフッ素を基本的にほぼ絶え間無く交換する。フッ素ガス源はフッ素を僅か1%しか含まないから、チャンバ内のバッファガス又はガスの一部もほぼ絶え間無く交換している。にもかかわらず、たとえレーザガスの一部を実質的に絶え間無く交換しても、このモードでの作動により結果的に汚染物質がレーザガス内に貯まるので、レーザ効率が低下する。効率が低下すると、所望のパルスエネルギを維持するために電圧を上げること、及び/又はフッ素濃度を上げることが必要となる。このため、先行技術によるシステムを普通に運転することは、実質的に完全なガス交換を行うためにレーザを定期的に一時停止することを示唆している。この実質的に完全なガス交換を補充と呼ぶ。この周期は、1億パルスのような補充から補充の間のレーザパルス数に基づいて決めるか、補充回数を前回の補充からのカレンダー時間で決めるか、又はパルスとカレンダー時間の組み合わせに基づいて決める。補充回数は又、特定のフッ素濃度での所望出力に必要な充電電圧の大きさから決めてもよい。補充後は、「スイートスポット」に関する新たなテストを行うべきである。また補充の間は定期的に、スイートスポットが変わった場合に新たなスイートスポットが何処にあるかを運転者が知ることができるよう、「スイートスポット」試験を実施すべきである。
補充は、図16に示すシステムを使い以下のようにして達成される。ここでの検討では、0.1%のフッ素と残りがバッファガスという構成の通常のレーザガスを想定する。バルブ510、506、515、512、517、504を閉じ、バルブ506、512を開き、真空ポンプ513を作動させ、レーザチャンバを絶対圧13kPa以下に真空引きする(素早く圧力を下げられるようにチャンバ1と真空ポンプ513の間に直接圧力低減配管を備えてもよい)。バルブ512を閉じる。バルブ516を開き、ヘリウム100%のバッファガスをバッファガス瓶からチャンバに加え、262kPa/50℃相当の圧力となるように充填する(20.3リットルのレーザチャンバでは、50℃からのチャンバ温度変動に対しては1kPa/℃の△P/△T補正式を使って、温度補正を近似できることに注目されたい。チャンバ温度が23℃であれば、247kPaまで充填することになる。)バルブ517を閉じ、バルブ515を開き、1%のフッ素と99%のバッファガスの混合物をハロゲンリッチガス瓶514からチャンバ1に加え、290kPa/50℃相当の圧力になるように充填する。これにより、ほぼ0.1%のフッ素と99.9%のバッファガスから成るガス混合物がチャンバ内に生成される。チャンバを約50℃に加熱すると、圧力は約4気圧となる。
5 パージシステム
酸素は、157nmの光を強力に吸収するので、ビーム経路から除かなければならない。本出願人は、従来技術システムを大巾に改良した窒素パージシステムを開発した。レーザに関連するチャンバ外の全ての光学構成要素は、窒素を使ってパージされる。この窒素システムはレーザが作動する間に、大気圧より僅か約10パスカル高い圧力で運転される。この僅かな気圧差は、圧力が光学構成要素に及ぼす歪みの影響を避けるのに好適である。パージされる構成要素は、ライン狭帯化モジュール、出力連結器、波長計、シャッターアセンブリを含む。
漏洩の可能性のある全個所をシールする。内径1/16インチ、長さ6フィートの管で構成される出力ポートを備える。パージシステムの適切な機能を確保するために、出力ポートを通過する流れをモニタする。内径1/16インチ、長さ6フィートの管を通過する、好適な流量である約4リットル/分は、所望の窒素差圧に対応する好適な流量である。6フィートの出力ポート管304は、コイル状に巻かれているのが望ましい。図17に示すように、窒素の流れにより開いたままに保たれ流れが無くなると警告灯302を点灯させる簡単なフラップスイッチにより、流れをモニタする。同様のパージシステムを出力連結器及び波長計に適用するのが好ましい。
パージガスにヘリウムを使うこともできる。ヘリウムの利点は、熱伝達特性と光学特性が良い点である。しかしヘリウムは窒素よりもはるかに高いので、量産用レーザに使う場合、ヘリウム再利用の収集システムを考えることが好ましい。
6 レーザ構成要素の冷却
1000から2000Hzを越える反復度での作動に特に有用な本発明の好適実施例は、エキシマレーザを冷却するために、図13に示す独特の冷却技術を含んでいる。
レーザの構成要素は、僅かな真空を内側に維持しているエンクロージャ240内に含まれており、この真空は図13及び4Aの224で示されているベントに取り付けられたブロワより作り出される。キャビネットは、キャビネットの最上部近くに濾過吸気ポート241とガスケット付き扉のような僅かな漏洩源とを備え、レーザエンクロージャを通過するチャンバ内空気の流量は約200ft3/分となっているが、この流量はレーザの熱生成構成要素が生成する熱を除くのに十分とはいえない。
レーザにより生成される廃熱(100%衝撃係数で略12kw)の大半(略90%)は、図13に示す冷水システムにより除かれる。
この実施例ではレーザ内の主な熱源は、高電圧電源20、整流子40、圧縮ヘッド60、レーザチャンバ80である。チャンバ用の水冷却熱交換器がチャンバの内側に配置され、熱は循環するレーザガスから熱交換器を通り冷却水へ伝えられる。別の熱交換器(図示せず)がチャンバの外側表面に取り付けられる。残りの主な熱生成構成要素用に冷却水配管が構成要素まで配管されており、一つ又はそれ以上のファンが、水から空気へ熱を伝える熱交換器を通過する風を図13に示すように構成要素へ送る。圧縮ヘッドでは、図示のように内部循環であるが、HVPS及び整流子では、循環空気が構成要素へ、次にエンクロージャの別の部分を通過し、再び熱交換器に戻る前に別の構成要素を冷却する。
分割パン242及び243は全体的な通気を、フィルター241から矢印244が示した経路へ通過させ、ベント224へ誘導する。
この冷却システムにはダクトがなく、レーザチャンバの内側及びレーザチャンバに装着された熱交換器に水を供給する管以外には、いかなるレーザ構成要素とも接続される水管は含まれていない。全構成要素(レーザチャンバを除く)はエンクロージャの内側付近に吹き付ける風によって冷却されるので、構成要素を組込/交換する時に運転を停止させる冷却用の接続部分はない。配管が必要ないため、利用できる構成要素とエンクロージャ内の作業空間が大巾に増える。
7 パルスエネルギ制御アルゴリズム
7−1 作動モード−チップリソグラフィ
本発明の実施例は、先行来技術に見られたパルスエネルギ及び積分された全体バーストエネルギにおける変動を実質的に減らす新しいアルゴリズムを備えたコンピュータコントローラープログラムを含んでいる。改良された装置及びソフトウェア、エネルギシグマとバースト線量変動を減らすための好適なプロセスを以下に述べる。
本明細書の背景の項で述べたように、バーストモードは、リソグラフィによる量産集積回路のステッパ機器光源に使われるエキシマレーザを作動させる典型的モードである。このモードでレーザが作動すると、ウェーハのある部分を照らす110パルスを生成するために、約110ミリ秒間に亘り1000Hzの割合で「バースト」パルスが作りだされる。バーストが終わるとステッパがウェーハとマスクを移動させ、一秒にも満たない時間で移動が一旦完了すると、レーザは別の110パルスのバーストを生成する。従って、通常の作動は約110ミリ秒のバーストであり、その後に一秒未満の無駄時間が続く。別の作動を実行できるように長めの無駄時間が様々な時に設定される。この基本プロセスは一般に、レーザで一日に数百万回のバーストを生成しながら、一日24時間、週7日続く。上記のバーストモードでは、ウェーハの各部分が各バーストにおいて同じ照度エネルギを受けることが重要である。又、チップ製造者はパルス間の変動が最小となることを望んでいる。本発明の好適な実施例では、各パルス(N−1番目のパルス)のエネルギをモニタし、次に
1)N−1番目のパルスにより測定されたエネルギと、目標パルスエネルギとの比較、及び
2)N−1番目のパルスによるバーストの累積線量と、N−1番目のパルスによる目標パルス線量との比較、
の両比較の結果に基づいて、次のパルス(N番目のパルス)のエネルギを制御する装置及びソフトウェアを用いて、これらの目的を達成する。
典型的なフッ素エキシマレーザの場合、あるバーストの最初の30から40ミリ秒のエネルギは、レーザガス内の過渡的影響のため他のバーストに比べ一般に不安定であることがずっと問題とされてきた。第一パルス後の約40ミリ秒以後では、一定電圧でのパルスエネルギは比較的一定である。これらの初期の摂動を処理するに当たり本出願人は、バーストを時間方向で二つの領域、即ち「K」領域と呼ばれる第一領域(多数の初期パルス、例えば40パルス)と本明細書で出願人が「L」領域と呼ぶ第二領域(K領域の後に続くパルスから成る)とに分割した。
本発明の実施例では、先行技術のエキシマレーザ装置をパルスエネルギの制御に利用する。各バーストの各パルスにおけるパルスエネルギは、図8Aの示すようなフォトダイオード92により測定される。このフォトダイオードとそのサンプル及びホールド回路の全体応答時間は、回路をリセットする時間を含め実質的に500μ秒未満である。約15ナノ秒のパルスのそれぞれから生じる累積信号はパルス終了後の数μ秒間に亘って保存されるが、この信号は、パルス開始後約1.0μ秒でコンピュータコントローラー22によって6回読み取られ、その平均が記憶される。あるバースト中の過去の個々の全パルスの累積エネルギをバースト線量値と呼ぶ。コンピュータコントローラーは、N+1番目のパルスに対して高電圧を規定するために、目標パルスエネルギ及びN番目のパルスのパルスエネルギを表す信号とバースト線量値とを利用する。この計算には約200μ秒が必要である。N+1番目のパルスのための高電圧が決定されると、コンピュータコントローラーは、N+1番目のパルスのために充電電圧を確立する信号を、図8Aに示された高電圧電源の高電圧コマンド(VCMD)へ送るが、これには数μ秒が必要である。コンピュータコントローラーは、コンデンサC0を規定電圧に充電するように高電圧電源に指示する。(計算が完了する以前に2000Hzを越える高速の反復度で充電を開始することが好ましい)。N番目パルスためのトリガ信号の後の0.5m秒の時点で、コンデンサC0が完全に充電され、図2に示されたトリガ回路13からN+1番目パルスのためのトリガ信号を受信した時に準備ができているようにするには、充電に約250μ秒が必要である。トリガ信号の時点でコンデンサC0が約700Vの電圧を図8Bの磁気圧縮回路へ約5μ秒間に亘って放電すると、パルスは磁気圧縮回路によって圧縮/増幅され、約16100Vの放電電圧がコンデンサCp上に生成され、次いで約100ナノ秒の放電が電極間で起こり、持続時間が約15ナノ秒で約10mJのレーザパルスが生成される。
7−2 好適なアルゴリズム
バーストモード作動時に所望のパルスエネルギを実質的に達成するために、充電電圧を調整するための特別の好適なプロセスは、次の通りである。
プロセスは二つの電圧調整アルゴリズムを利用する。第一アルゴリズムは最初の80パルスに適用されKPIアルゴリズムと呼ばれる。第二アルゴリズムは40番目のパルス以降のパルスに適用されPIアルゴリズムと呼ばれる。80番目のパルス以降の時間を、本明細書ではバーストの「L領域」と呼ぶ。頭文字「PI」は「比例積分」を指し、「KPI」の「K」はバーストの「K領域」を指している。
7−3 KPIアルゴリズム
K領域は、1番目からK番目までのパルスから成り、好適な本実施例ではK=40である。N番目パルスのための充電電圧を設定するためのアルゴリズムは、
Figure 2007281517
但し、
N=N番目のパルスのための充電電圧
(VBN =K領域のN番目パルスのための目標エネルギETを生成するために必要な電圧に関する電流の最良推定値を表すk個の記憶された電圧アレイ。このアレイは以下の方程式に従って各バースト終了後に更新される。
(VCN-1=一つ前のパルスのエネルギ誤差とバースト中の過去のN−1番目のパルスまでに生じたエネルギ誤差
Figure 2007281517
定義より
(VC0=0
A,B=一般に0から1の分数で、好適な本実施例ではA、B共に0.5である。
εi =i番目パルスのエネルギ誤差
=Ei-ET、Eiはi番目パルスに関するエネルギ、ETは目標エネルギである。
Di=バーストの累積線量誤差であり、1からiまでの全パルスを含む。
Figure 2007281517
dE/dV=充電電圧によるパルスエネルギの変化率(本実施例では、一つ又はそれ以上のdE/dVの値を各バーストの間に実験的に決定し、これらの数値の移動平均を計算に使う)。
記憶された値(VB)Nは、各バースト間又は各バースト後に次の比較式に従って更新される。
Figure 2007281517
但しインデックスMは、バースト番号である。
C=一般に0から1の間の分数で、好適な本実施例では0.3である。
7−4 PIアルゴリズム
L領域は、K+1番目のパルスからバーストの最後のパルスまでのパルスから成り、(好適な実施例では、パルス番号は41以上である。)
N番目パルスのための充電電圧を設定するアルゴリズムは、
Figure 2007281517
但し
N=N番目パルスに対する電圧充電
N-1=N−1番目(一つ前)パルスのための充電電圧
変数A、B、ε1、D1、dE/dVは先の定義の通り。
7−5 dE/dVの決定
レーザ特性の比較的遅い変化を追跡するために、dE/dVの新しい数値を周期的に決定する。好適実施例では、L領域の二連続パルスの間に、制御された方法で電圧を変えるか又はディザーすることによりdE/dVを測定する。これら二つのパルスに対しては、通常のPIエネルギ制御アルゴリズムを一時的に中断し以下のアルゴリズムに置き換える。
パルスjに対して
Figure 2007281517
但し、 VDither=一定の電圧増分、通常は数ボルトである。
パルスj+1に対して
Figure 2007281517
パルスj+1の後に、dE/dVを計算する。
Figure 2007281517
電圧のディザーのため予想されるエネルギの変動の強さはレーザの通常のエネルギ変動と同じであるので、dE/dVの計算は雑音が多い。好適な実施例では、過去50回のdE/dV計算値の移動平均が実際にPIアルゴリズムとKPIアルゴリズムで使われる。
Dither選択のための好適な方法では、所望エネルギのディザーVDither、即ち、通常はエネルギ目標ETの数パーセントを規定し、VDitherを計算するためにdE/dVに関する電流(平均)値を用いる。
Figure 2007281517
J+2パルス(二つのディザーパルス直後)はディザーしないが、特定値を持つ。
Figure 2007281517
j-2に関するこの特別な値は、加えられた電圧のディザーとパルスj+1から予想されるエネルギディザーとの両者に関する補正が行われる。
上記アルゴリズムには様々な修正をすることができる。例えば、K領域と同様にL領域でもdE/dVを決定することができる。ディザリングは、バースト毎に一回又は数回実行することができる。ディザリングのシーケンスは、先述のように決まったパルス番号jで行われてもよいし、又は無作為に選ばれたパルス番号で開始されて次のバーストへ移っても良い。
A、B、Cは、収束係数であり他の多くの値となり得ることを理解されたい。上記に規定した値よりも大きければ素早く収束するが、不安定さが増す。別の好適な実施例ではA=√2Bである。この関係は臨界減衰を生成するために既存の手法から開発された。Bは、線量補正を行わないゼロの場合もあり得るが、Aはアルゴリズムの線量搬送部分のための減衰項を提供するので、ゼロであってはならない。
dE/dVの決定値が小さすぎると、上記アルゴリズムでは過剰補正を生じさせる。従ってエネルギシグマ値が閾値を越える場合、好適な技術ではdE/dVを任意に二倍の値にする。バーストの第一パルスに対しては、V及びdE/dVの値はデフォルト値とされる。各バーストの開始時、Dはゼロに設定される。dE/dVのデフォルト値は、初期の過剰修正を避けるために予想されるdE/dVの約三倍に設定される。
上記のディザーを伴わずにdE/dVを決定する代替方法では、レーザ作動中のエネルギ値と電圧値を単に測定し記憶する。(規定された電圧値ではなく測定された電圧値が使われてもよい。)パルスエネルギが一定の場合、これらのデータを使ってVの関数としてdE/dVを決定できる。数値要素は相当な不確定性を有する測定値の差であるため、それぞれの個別のdE/dV値は相当な不確定性を有することに注目されたい。しかし多くのdE/dV値を平均することにより、このような不確定性を減らすことができる。
dE/dVを決定するためのディザーの運用は、バースト毎に行う必要はなくMバースト毎に1回のように定期的に行ってもよい。又はdE/dVの測定値をコンピュータが実行した計算と置き換えることもできるし、VN+1を計算するために一つ前のパルスのdE/dV値をオペレータにより手動で挿入することもできる。代替手法ではこの制御システムのためにVNの実際の測定値を用いる。
またVBINの数値は、上記実施例における実際の測定値ではなく規定値から計算される。測定電圧値を使うことは明らかに代替手法である。ETは一般に10mJのような定数であるが、必ずしも一定である必要はない。例えば、最後の10パルスのETを公称パルスエネルギより小さくし、これらのパルスによる目標ETからの変動割合が全体のパルス線量にあまり影響しないようにすることができる。又状況により、バースト間で変動するET値をコンピュータコントローラー22が与えるようにプログラムすることが望ましい。
8 プロトタイプユニット
本出願人と協力者は、プロトタイプのF2レーザシステムユニットを組み立て試験した。
プロトタイプレーザは、その大半が現量産型のKrFレーザ及びArFレーザをベースとし、先行技術のエキシマレーザシステムに対して複数の重要な改良点を折り込み、高効率のチャンバと半導体パルスによるパワー励起を利用している。ガスの汚染を最小にするために、コロナプレイオン化の放電を行わせる。全光学ビーム経路を窒素によりパージし、酸素による光吸収を避け光学構成要素に対する損傷を回避する。全光学共鳴器は、レーザチャンバに据え付けられた角度付きのチャンバ窓の外側に置かれた。ガス混合物は4気圧のヘリウム中に0.1%のフッ素を含み、電極間隔は10mmに縮小された。
このプロトタイプユニットは改良されたパルス変圧器が利用される。本パルス変圧器では、二次巻線として機能する4部分から成る単一ステンレス鋼ロッド(図8Dに図示、既述)は、円筒形の内部ロッドと二つの同軸管とから成る変圧器の第二導体と置き換えられ、これら全ては図22A、22B、22Cに示すように直列接続され互いに絶縁されている。第二導体は、バスバーに対して302の個所で、HVケーブルに対して304の個所で接続された二つの同軸アセンブリ(断面図を図22B、22Cに示す)から成る。図22Dは、図22B、22C同様に同じ断面図を示し、第一巻線を形成するスプールの円筒形部分308の周囲に巻き付けられたメトグラス及びマイラー薄膜の層306も示している。図22Dは又、パルス変圧器の第二部分を形成する中央線310と中空円筒形導体312、314も示している。メトグラス及びマイラー層は、図22A、22B、22Cには示されていない。電圧ピークが約1、000Vの電流パルス(316)は、図22Aで318として示された第二HV端子に約0−36、000Vのパルスを生成する。
一次巻線と三つの同軸二次導体は、図8Eに関連して述べたメトグラスとマイラー薄膜とを巻きつけることにより連結される。本実施例は特殊な圧縮段階(追加コンデンサバンクCP-1による)を備えている。本実施例のコンデンサバンクの値は、
0 =約12.1μF
l =約12.4μF
P-2=約 8.82μF
P-1=約 8.4μF
P =約10nF
である。
本プロトタイプ実施例の改良されたパルスパワーシステムは、約80n秒の出力利用時間をピーキングコンデンサバンクに生成する。パルス変圧器の昇圧比は36倍(詳述した上記実施例では23倍)である。これによりレーザは、相応に低いフッ素濃度でも実質的に高電圧で作動できる。高電圧作動により放電の安定性が改良され高い反復度が得られることが確認できた。
9 実験結果
プロトタイプユニットによる実験結果を以下に述べる。レーザ出力を標準出力計で測定し焦電ジュール計と相関させた。赤と原子F2レーザの寄与分は除かれ、この寄与分は通常は全エネルギの3%未満であった。157nmの光を強く吸収する空気へビーム発射管を通気させることによって、赤の放射を測定できる。
本プロトタイプユニットのレーザ波長は、二個外部プリズムのセットを用いて調整することにより、157.6nmの単一線モードで作動させた。レーザは157.5nm遷移線へ調節することもできるが、効率は下がる。156.7nmでの遷移は観測されなかった。2メートルジョビンイボンVUV分光計で記録されたレーザスペクトルは、測定限界の線幅6pmを示す。
広帯域(又は複線)作動では、反復度1000Hzで12ワットの最大出力が得られた。出力は反復度と共に線形的に増加し、飽和の兆候は見られなかった。単一線モードでの動作も同様であったが、エネルギは三分の一であった。このエネルギ減少は、本プリズム機構において空洞長さが大巾に長くなったためであり、かなり縮小することができる。バーストモードでは、5%の3σ安定性が記録された。出力エネルギの点で良性のバースト過渡現象だけが観測された。この点は、より高いエネルギの不安定性とガス流に関係したバースト過渡現象とを示すArFレーザに比べて望ましい。このことから、量産用のフッ素リトグラフィレーザは、現在のArFレーザより更に良好な安定性を有するとの結論を得ることができる。積分二乗パルス持続時間は、ArFレーザの性能に近い30n秒であった。
レーザチャンバ材料を慎重に選択すること及びコロナ放電によりプレイオン化することにより、極低温浄化もハロゲン注入もすることなく数時間に及ぶレーザ作動と、エネルギ低下を最小とする3Mの発射とが可能となった。
広帯域レーザ出力と反復度との関係を図10Aの上部分に示す。図10Aの下部分は、パルスエネルギが反復度1000Hz以上で若干下がることを示す。レーザ出力は反復度に対しほぼ比例して増え、1kHzで15W、2000Hzで約19Wである。この線形関係に基づき、ガスの流れを相応に増やせば、更に数kHzの作動までF2レーザの規模を拡大できると仮定できる。本出願人はバッファガスとしてヘリウムを使ったが、標準的ネオンベースレーザのブロワ出力の数分の一しか必要でないので、より高速な流れに対する制限は存在しない。
エネルギ安定の尺度は、バーストモード中のエネルギ過渡現象を観測して得る。このためレーザはバースト中に繰り返し発射され、バースト中の各パルス位置での平均エネルギが記録される。バースト中の各パルス番号に関して、バースト間のエネルギの平均変動も計算される。F2レーザ及び比較のための狭帯化ArFレーザに関して、実験結果のエネルギ曲線と安定性曲線を図10B1、10B2に示す。F2レーザでは120回のショットバーストに対してエネルギ変動が少ない。エネルギ安定性はバーストの開始時に初期増加を示し、次に約3%の3σレベルで安定する。これと対照的に、ArFレーザは、エネルギにおける大きな過渡現象と7%程度の3σ不安定性を示す。ArFレーザでは60パルス窓で0.5%の線量安定性を得たので、F2レーザでも少なくとも同じ線量安定性が得られると思われる。図10Cは、1000Hzと1900Hzにおけるパルスエネルギ値と3σ値を示す。
VUV分光計で記録された広帯域F2レーザのスペクトルを図10D1、10D2に示す。二本の遷移線が157.52nmと157.63nmにはっきり認められる。レーザエネルギの87%は157.63nmの長い波長線にある。156.7nmで過渡現象は観測されなかった。157.63nmの単一線モード作動は、二個外部プリズムのセットを使って調節することにより達成された。レーザは157.52nmの遷移線にも同調できるが効率は下がる。図10D1と10D2は157.63nmのレーザ線の拡大図も示す。FWHMが1.14pmで95%をカバーする幅が2.35pmのうず巻き状の線幅が測定された。これらの線幅は、過去に予想されていた線幅よりもはるかに狭い。従って、狭帯化を追加しないで線選択されたF2レーザは、ほぼ完全な屈折画像システムに対して十分な性能がある。単一線レーザのレーザ出力と反復度動作の関係は、広帯域レーザと同じ比例関係を示す。しかしこの初期実験での最大出力は4Wに限られた。出力低下は線選択レンズでの反射損失と空洞長さが長すぎるためであった。
水平方向及び垂直方向のビームプロファイルを、レーザから1m離れた所で測定した(10E1、10E2を参照)。ビームは対称性の高い滑らかなプロファイルを示す。この種類のプロファイルは、非常に均一な照度を生成するために現在使われている均一化技術により容易に達成される。
ガス寿命の推定値は、フッ素注入をすることなく一定電圧でF2レーザを運転し、ショット数とレーザ出力発生を記録することにより導かれる。これらの測定では極低温浄化は行われない。図10Fで明らかなように、レーザ出力は400万回のレーザショット後に20パーセント足らず低下するが、同等のArFレーザと少なくとも同じである。ArFレーザによる先の実験から、ガス寿命は、定期的なフッ素注入を行いながら約2500万回のショットであると推定することができる。これは明らかに、レーザチャンバに同等の材料を選びコロナのプレイオン化を利用する場合の結果である。KrFレーザとArFレーザでは、フッ素消耗とチャンバ寿命の直接相関は過去に確立されている。従って、F2レーザのチャンバ寿命をArFレーザに同程度と推定することができる。
図15Aの下のグラフはパルスエネルギとフッ素濃度の関係を、上のグラフは最大パルス反復度とフッ素濃度の関係を示し、両者共にブロワ速度は2500rpmである。図15Bの上のグラフは時間関数としてのパルス形状と16n秒のFWHMを示し、下のグラフは積分二乗パルス幅が約37n秒であることを示す。
10 パルスエネルギのモニタリング
上記プロトタイプユニットを使う場合、先行技術によるUVパルスエネルギ検知器では良好な結果が得られない。これは、先行技術によるKrFレーザ及びArFレーザに使われるパルスエネルギ検知器が、赤外線及びネオン赤外線スペクトル領域の光に非常に敏感なためである。実際これらの標準シリコン光ダイオードは、157nmのレーザ光に対してよりも赤及び赤外線に対して遙かに敏感である。従って、光が上記のように約3%の領域内にある場合でも、シリコンフォトダイオードへの影響は3%を遙かに越える。従って、可視赤及び赤外線の影響をあまり受けないエネルギ検知器が要望されている。UV放射に対し特に敏感で、赤及び赤外放射に対し比較的又は完璧に敏感な検知器を、市場で入手できる。これらの検知器は一般に太陽光不感検知器と呼ばれ、大気圏外天文学分野で使われているが、本出願人が知る限りレーザパルスエネルギの測定には使われていない。「太陽光不感」光検知器を組み立てるために多くの方法を利用できる。幾つかの方法を以下に述べる。
10−1 光電管
光電管は二つの電極と、光電陰極と陽極とから成る真空装置である。光電陰極に光を当てると、光電作用により陰極材料から電子を放出させることができる。陽極と陰極の間に正電圧を加えると、放出された電子が陽極へ移動し、1秒間に光電陰極に当たる光子数に比例して装置を通る電流が生成される。この効果にはカットオフがあり、一定の値よりも波長の長い光を使って照射しても光電子は生成されない。最大波長は、
λmax=hc/Φ
で定められ、ここでHはプランク定数、cは真空中の光の速度、Φは仕事関数と呼ばれる材料の特性である。仕事関数が十分に高い(例えば>4電子ボルト)光電陰極材料を選ぶと、300nmよりも短い波長での照明に対してだけ光電流を生成する、即ち太陽光不感応答となる。受容できる仕事関数を有する光電陰極材料の例は、CsTe及びCsIダイヤモンド薄膜である。
10−2 光電導体
幾つかの半導体及び/又は絶縁材の照明は、光電子効果に密接に関係した効果を作り出す、即ち、材料内の光子と電子の間の相互作用が電子を励起し、電子は材料内の特定の場所(即ち、価電子帯)に拘束されず、加えられた電圧に応じて結晶を通過し自由に動くようになる(即ち、導電帯)。やはり、材料に当たる光子束に比例した電流が生成される。この効果は、上記の式で与えられるカットオフと同一の波長カットオフを示すが、違うのは、材料の仕事関数Φが一般に帯域ギャップEgと呼ばれる別の特性に置き換えられることである。更に、帯域ギャップが十分大きい材料は短波長の放射にのみ応答する。5.48eVの帯域ギャップを有するダイヤモンドは、200nm未満の波長で光電導体応答を示す。
10−3 フォトダイオード
ダイオード接合(ショットキー、p-n又はp-I-nドープ半導体)の照明も、価電子帯から導電帯へと電子を促し、光電流を生成できる。ダイオードが順方向にバイアスされると、この場合、担体寿命が長くなる点を除き、性能は光電導体と非常に良く似ている。逆方向にバイアスされると、加えられた電界により装置の応答速度が改善される。バンドギャップが十分大きい接合ではやはり、UV波長でのみ応答ができる。
10−4 吸収深度選別
バンドギャップの小さい光導電体又はダイオードの赤への反応を、そのUVへの反応に比べて、強く抑制する一つの方法は、デバイスの厚みを適切に選択することである。材料の深部にまでUV光子が浸透することは可視光に比べずっと少ないことが、このような材料の特徴である。つまり、UV光の完全な吸収が表面付近の非常に薄い層で起こる。デバイスの厚みをUV光吸収深度と同等に選ぶことにより、デバイスを長波長に対し透過性(応答しない)とすることができる。真に太陽光不感でなくとも、このような構成によりデバイスの可視/赤外線応答を検出可能な閾値よりもさらに下げることができる。
好適な既製の太陽光不感光電管検知器を、カリフォルニア州、ロサンゼルス及び日本に事務所を持つハママツ社のような納入業者から入手できる。CsIを使った同社のモデルR1187は、115nmから200nmの領域でスペクトル応答を示す。CsTeを使うモデルR1107及びR763は最良応答領域が約157nmより少し上であるが、使用できるであろう。
図18は、パルスエネルギ及び/又は線量エネルギを所望レベルへ制御するためにレーザシステム内で使われる太陽光不感検知器を示す。(パルスエネルギ及び線量エネルギの制御の詳細については、以前の章を参照。)
10−5 反射ベースモニタ
サンプルビーム(赤及びVUV)は、(157nm)VUV波長では高反射率に、赤/赤外線(所望しない波長は635nmから755nmまでの領域)では低反射率になるように設計されている、誘電コーティングを施された複数のミラーで反射される。吸光率が24:1までならば、通常の光学器は157nmで95%の反射率を、赤/IRで4%の反射率を有する。所望の吸光率(一般的には500又は1000:1)は、複数のミラーへ連続的に入射させることにより得られる。これらのミラーを通る光は、散乱光が検知器への経路を進むことがないように、赤/赤外線吸収カラーガラスフィルター又は他の光捕獲要素に当たるようにしなければならない。
10−6 分散による分離
VUVを赤/赤外線波長から分離するために分散要素(プリズム又は回折格子)が使われ、光ダイオードはVUVビームだけを遮るために配置される。格子要素を使い、赤/赤外線波長の高い回折オーダーとUV波長の高い回折オーダーとの間に実質的に重なりがないように、溝の間隔を選択しなければならない。即ち、mの数値(mは常に整数であり、例えば、Dsin(シータ)=m1*157nm≠m2*755nm(例えば全可視放出波長/赤外線放出波長に関して))を変えることにより、格子方程式が、設計角度シータにおいて、紫外線波長及び可視波長/赤外線波長に対して同時に満足されることの無いようにしなければならない。
10−7 フッ素による検知
157nm光に曝されて可視又は赤外線内で蛍光を発する材料は、シリコン光検知器の前に配置される。VUV光を可視/IR光に変換することにより、フォトダイオ−ドの赤への強い応答が相殺される。蛍光放出波長が実質的に赤/IRレーザ放出波長と異なる場合には、蛍光変換器の後に赤/IR吸収フィルターを使って赤/IR放出を直接抑えることができる。蛍光変換器もそのような吸収材料で構成してもよいし、そのような吸収材料でドーピングしてもよい。
10−8 赤色放射の低減
先行技術によるF2レーザは通常、バッファガスとしてヘリウムを利用している。ネオンも使えるが、バッファガスにネオンを使うレーザの効率は、バッファガスにヘリウムを使うF2レーザに比べ大巾に下がる。一般にバッファガスにネオンを使うと、同等のレーザパルスエネルギを生成するのに実質的に高濃度のフッ素と高電圧が必要となる。ヘリウムはネオンよりはるかに安いので、先行技術ではフッ素バッファガスに自然とヘリウムが選ばれてきた。しかし上記のように、ヘリウムバッファガスによるF2レーザはかなり高割合の可視及び赤外線光を生成するので、超蛍光又はレーザ発光さえもが当該波長で起こる。通常この割合は十分に高いので、これらの長波長においてレーザ発光が実際に起こる。レーザビーム内のこれらの長波長は、上記のエネルギ検出に関する問題を引き起こす可能性があり、赤波長も下流のリトグラフシステム内で問題を引き起こす可能性がある。これらの問題は対処可能であるが、多くの場合良好な解決方法は、ビームがレーザ内に生成されている時にビームから赤及び赤外線光を実質的に減らすか又は無くすことである。
本出願人は、バッファガスが純粋ヘリウムからヘリウムとネオンの適切な混合に変わる時に、事実ビーム中の赤及び近赤外線が無くなると説明した。しかし、望ましくない赤及び近赤外線の成分を実質的に減らすことに加えて、ネオンを追加することは、望ましいUV波長でのレーザ効率に影響を及ぼす。従ってヘリウムとネオンの最良の混合は、最大パルスエネルギの重要性と赤及び近赤外線を無くすことの相対的な重要性に左右され、異なる可能性がある。全バッファ量に対する割合として、ネオンの好適な範囲は通常、約40%から95%である。図21に示すように、赤―IRエネルギを実質的にゼロにしながら最大UVパルスエネルギを提供する良好なバッファガス混合の範囲は、ネオンが0.52から0.63で残りがヘリウムとなる範囲である。
11 単線と狭線構成
図11Aは、好適なF2レーザシステムの好適な単線構成を示す。この構成では、二つの主なフッ素線の内の一つを図示の簡単なプリズム選択器により選択する。図11Bは線を狭めた好適なシステムを示し、このシステムでは電力発振器が主発振器によりシードされる。主発振器と電力発振器の両方が同じレーザチャンバを使うことができる。F2レーザの線を狭めるため、1999年9月27日出願の米国特許出願番号第09/407,120号に記載された手法を使って、エタロン出力カプラが使用されており、この出願は参考文献として本明細書に組み込まれている。この手法によりエタロン出力カプラは、二つの主要線の内の一方で光の約20%を反射し他方の主要フッ素線で光を通すように調整される。次にレーザは、反射された線でレーザ発光する。
図19と20は、調節領域が拡大した可同調F2レーザを示す。レーザ共振器は、出力連結器ミラー32と波長同調光学機器とから成る。波長同調光学機器はビーム拡大光学サブアセンブリ31と回折格子38とから成る。光学利得媒体はガス放電のフッ素ガス分子を励起する手段により、ガス放電チャンバ30内に生成される。同様の構成が、長波長、即ち248nmのKrFレーザ及び193nmのArF、で作動するリトグラフのための狭帯域エクシプレックスレーザで現在使われている。これらのレーザ間の主な違いは、利得媒体のスペクトル利得分布と時間利得ダイナミックである。エクシプレックス分子は通常少なくとも数十pmのはるかに広いスペクトル領域内で利得を示すのに対して、約157nmで観察されたフッ素分子遷移のスペクトル利得分布は、複数線及び単線のレーザ放出スペクトルの最近の測定結果によれば、普通は約1.1pmに制限されていると考えられている。しかし詳しく調べると、例えば特定の高利得値が含まれる場合、観察されたスペクトルは利得媒体の実際の利得分布を必ずしも反映していないので、これは真実ではないことが判明している。分子F2レーザ媒体の高特定利得と、約0.5mから1mという利得媒体の通常使用される長さのため、観測できる放射スペクトルは、狭められ、利得媒体を通る単一経路内に既にある固有遷移波長の最大値の個所でピークとなる。この物理的な既知の挙動は、カリフォルニア州、ミルバレー、大学科学書、A.E.シーグマン著「レーザ」等、多くの標準的なレーザ手引書に記載されている。残念ながら、この単純な手法によるジオプティク画像光学系を使って、リソグラフにとって役立つ帯域にまで線を狭める操作を達成するために必要な利得長製品は、少なくとも数mの不合理な増幅長を必要とする。
いずれの個別UV/VUV分子F2レーザ遷移の本当に利用可能なFWHM(最大半値幅)利得帯域も、フッ素分子を励起することにより利得を生成するガス放電の通常の作動条件においては、157.6299nmで4pmと推定することができる。レーザの光共振器及び放出波長は、UV/VUV分子F2レーザ遷移の任意の単一の遷移のほぼFWHM帯域の範囲に亘って同調させることができる。FWHM利得帯域へ主に寄与するのは、圧力誘発衝突による幅拡大であるので、同調範囲は放電チャンバ内の圧力を上げることで容易に拡大できる。157nmフッ素分子遷移の約7pm離れている隣接回転線遷移が、圧力を高めた時の個別遷移の圧力拡大によって重なるのであれば、拡大された波長(約50pm)の範囲に亘るほぼ連続的同調を達成することができる。図20は、圧力を高めたときの157.6299nmの強線近傍のスペクトル利得分布を示す。
勿論、先行技術によるエキシマレーザで通常使用されている約3気圧という圧力以上にチャンバ圧力を上げると、チャンバコストが増大する。しかし、本出願人は、約7から10気圧の範囲内の気圧ならば大巾にコストを上げずに対処できるし、同調領域を実質的に広げることになるであろうことを提案する。
12 利得媒体線識別
2レーザの二つの主スペクトル線の中心は、約157.630nmと、157.523nmである。自励レーザでは通常、157.630nm線は157.523nm線よりも実質的に大きい。しかし一般に157.523nmは、多くの製品で問題となるくらい広い。本出願人は、小さい線を識別するための利得媒体に関係なく上記方法を述べた。本出願人は、放電領域を約21.5インチから約14インチへ短くし放電電圧を下げれば、157.630nmだけでレーザ発光させることができ、157.523線は現れないことを発見した。
本F2レーザシステムを特定の実施例を参照しながら説明したが、様々な変更と修正ができることを認識されたい。例えば、多数の代替実施例が本明細書の最初の項に列挙した特許出願で述べられており、そのすべてが参考文献として本明細書に組み込まれている。更に線を狭めるために、エタロン出力カプラを使うこともできる。バッファガスはヘリウムでなくネオンとすることもできる。本発明は上記請求項によってのみ限定されるものとする。
先行技術による市販のエキシマリソグラフィレーザの図面である。 集積回路リソグラフィ用に使われる先行技術による市販のエキシマレーザの主要要素の幾つかを示すブロック線図である。 図2のレーザのレーザチャンバの図面である。 本発明の好適な実施例の図面である。 磁気ベアリングを含むブロワ駆動ユニットを示す図面である。 本発明の好適な実施例のレーザチャンバの断面図である。 本発明の好適な実施例のレーザチャンバの断面図である。 好適なプレイオナイザ管の特徴を示す図面である。 本発明の好適な実施例のパルス出力システムのブロック線図である。 上記の好適な実施例の簡略化された回路線図である。 上記の好適な実施例の一部の高電圧電源の混成のブロック線図と回路線図である。 上記の好適な実施例で使われるパルス変圧器の斜視アッセンブリ図である。 上記の好適な実施例で使われるパルス変圧器の一次巻線の図面である。 上記の好適な実施例を用いたパルス圧縮を示すタイムラインチャートである。 上記の好適な実施例を用いたパルス圧縮を示すタイムラインチャートである。 上記の好適な実施例を用いたパルス圧縮を示すタイムラインチャートである。 可飽和インダクタの平面図である。 図8G1の線8G2−8G2に沿う可飽和インダクタの断面図である。 好適な実施例における圧縮ヘッドの取付を示す。 好適な実施例における圧縮ヘッドの取付を示す。 好適な熱交換器の設計を示す図面である。 好適な熱交換器の設計を示す図面である。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 プロトタイプのF2レーザの実験中に得られた試験データのグラフである。 好適なF2システム構成を示す。 好適なF2システム構成を示す。 陽極支持棒の設計を示す。 陽極支持棒の設計を示す。 陽極支持棒の設計を示す。 陽極支持棒の設計を示す。 陽極支持棒の設計を示す。 好適なエンクロージャ冷却システムを示す。 好適なブロワブレード構造の設計を示す。 好適なブロワブレード構造の設計を示す。 好適なブロワブレード構造の設計を示す。 フッ素濃度に対する、最大パルス反復度と、パルスエネルギとの関係を示す。 時間に対する、相対電力と、パルス巾との関係を示す。 大型のマニホールドガス供給システムを示す。 光学的パージシステムを示す。 好適なパルスエネルギ検知システムを示す。 2レーザの線を狭くするための手法を示す。 圧力を高めF2レーザビームを拡大する様子を定性的に示す。 他のバッファガスをヘリウムとしてネオン濃度を高める場合の、パルスエネルギと光スペクトルの変化を示す。 高電圧パルスを生成するための好適なパルス変圧器の特徴を示す。 高電圧パルスを生成するための好適なパルス変圧器の特徴を示す。 高電圧パルスを生成するための好適なパルス変圧器の特徴を示す。 高電圧パルスを生成するための好適なパルス変圧器の特徴を示す。
符号の説明
201 レーザエンクロージャ
202 ガスモジュール
203 冷却水供給モジュール
204 交流/直流分配モジュール
205 制御モジュール
206 ライン狭帯化モジュール
207 圧縮ヘッド
208 高電圧パルス電源モジュール
209 パルス電源用整流子モジュール
210 金属フッ化物トラップ
211 レーザチャンバ
213 波長計
214 自動シャッタ
216 出力カプラ
217 ブロワモータ
218 金属フッ化物トラップ電源
219 状態指示ランプ
220 24V電源
221 チャンバ窓
222 ガス制御フレキシブル接続部
224 ベントボックス

Claims (31)

  1. 少なくとも約1000Hzの反復度で狭帯域のパルスレーザビームを生成するための、非常に狭い帯域の信頼性あるモジュラー型の製造品質を備えた高反復度のF2エキシマレーザにおいて、
    A.1)二つの細長い電極と、
    2)a)フッ素と、b)ヘリウムとネオンを含むバッファガス混合物とを含むレーザガスと、
    3)前記ガスを前記電極間に少なくとも2cm/ミリ秒の速度で循環させるためのガス循環器とを備えたレーザチャンバを備えたレーザチャンバモジュールと、
    B.前記電極を横切り少なくとも14,000Vの高電圧電気パルスを、少なくとも約1000Hzの割合で生成するための、電源回路及びパルス圧縮回路及び増幅回路と、パルス出力制御装置とからなるパルス出力システムと、
    C.前記パルス出力システムによって提供される電圧を制御するために、レーザパルスエネルギモニタと、所望のエネルギ範囲内のパルスエネルギを有するレーザパルスを生成するのに必要な電気パルスを履歴パルスエネルギデータに基づいて計算するためのアルゴリズムによりプログラムされたコンピュータプロセッサとを備えるレーザパルスエネルギ制御システムとを備えていることを特徴とするレーザ。
  2. 前記混合物が、0.4から0.95の範囲内のネオン濃度であることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  3. 前記混合物が、0.52から0.63の範囲内のネオン濃度であることを特徴とする請求項2に記載のレーザ。
  4. 前記チャンバと前記ガス循環器が、ガス流経路と上流方向を定め、前記レーザが更に前記電極の上流に配置された単一管プレイオナイザを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  5. 前記電極のそれぞれが、ある電極長さを有し、前記単一管プレイオナイザが、前記電極長さより長いAl23の中空円筒管の軸に沿って配置されて接地された導電性ロッドを含んでいることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  6. 前記レーザチャンバが、チャンバ構造体を輪郭付け、前記二つの細長い電極が陰極及び陽極を形成し、前記陰極は、前記チャンバ構造体のある部分に取り付けられたAl23の単一片絶縁物により前記チャンバ構造体から絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  7. 前記陰極が、前記単一片絶縁物へ直接取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載のレーザ。
  8. 前記レーザガスに曝されている全シールが、金属シールであることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  9. 前記二つの細長い電極が、陰極及び陽極を形成し、前記陽極が前記ベアリング上の空気力学的反力を減らすために配置されたテーパ付きの表面を有する陽極支持棒により支持されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  10. 前記電源が、交流電力を直流電力に変換するための整流器と、直流電力を高周波数交流電力に変換するためのインバータと、前記高周波数交流電力の電圧をより高い電圧に上げるための昇圧変圧器と、充電コンデンサを充電するために前記より高い電圧を前記レーザパルスエネルギ制御システムにより確立されたコマンド電圧又はその付近の電圧へ変えるための整流器とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  11. 前記電源が、前記充電コンデンサを僅かに過充電するように構成され、更に前記充電コンデンサを前記コマンド電圧までブリードするためのブリード回路を備えていることを特徴とする請求項10に記載のレーザ。
  12. 前記パルス出力システムが、閉じられると直ちに、前記記録コンデンサに高電圧電荷を作り出すために電荷を前記充電コンデンサから第二コンデンサへ流すことにより前記高電圧電気パルスを開始する半導体スイッチを備えていることを特徴とする請求項10に記載のレーザ。
  13. 更にインダクタと、パルス変圧器と、第三コンデンサとを備え、前記インダクタと、パルス変圧器と、前記第三コンデンサとが、前記パルス変圧器の出力に非常に高い電圧パルスを生成して前記第三コンデンサに一時的に蓄えるために前記第二コンデンサ上の高電圧電荷が前記パルス変圧器の一次側を通して地面に流れるように配列されていることを特徴とする請求項10に記載のレーザ。
  14. 前記パルス変圧器の前記一次側は、各々が軸を有し直列に接続される複数の中空スプールを備え、前記パルス変圧器の二次側は、前記複数のスプールの軸に対して整列する少なくとも一つのロッドを備えていることを特徴とする請求項10に記載のレーザ。
  15. 前記少なくとも一つのロッドが、直列に接続された四つのロッドであり、一方が接地リード線で他方が非常に高電圧のリード線である二つのリード線となることを特徴とする請求項10に記載のレーザ。
  16. 前記レーザパルス出力システムが、インダクタの高電圧リード線の役割も果たすポットの中に含まれているオイルの油面より上に出ているコイルを有する少なくとも一つの可飽和インダクタを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  17. 前記ガス循環器が、少なくとも二つのアクティブ磁気ベアリングに支持されたシャフトを備えたブロワを備え、前記ベアリングのそれぞれが固定子及び回転子を備え、前記シャフトは固定子及び回転子を備えたモーターによりドライバを支え、前記ブロワは、前記固定子を前記レーザガスを含む環境の外側にしながら、前記回転子を前記レーザガスを含む前記環境内にシールするためのシール手段も備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  18. 前記ガス循環器が、少なくとも二つのセラミックベアリングにより支持されるシャフトを備えたブロワを備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  19. ある長さを有する長い管を備え、前記長さの五十分の一より小さい平均内径を有する出口ポートを有し、前記レーザチャンバの外側の少なくとも一つのレーザ光学構成要素にパージフローを提供するパージシステムを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  20. 前記パージシステムが、パージフローを検知するために流れモニタを備えていることを特徴とする請求項19に記載のレーザ。
  21. 可視赤光及び赤外線光のパルスエネルギに鈍感な材料を含むパルスエネルギ検知器を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  22. パルスエネルギを検知するために太陽光不感エネルギ検知器を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ。
  23. 少なくとも約1000Hzの反復度で狭帯域のパルスレーザビームを生成するための、非常に狭い帯域の信頼性あるモジュラー型の製造品質を備えた高反復度のF2エキシマレーザにおいて、
    A.1)二つの細長い電極と、
    2)a)フッ素と、b)バッファガスとを含むレーザガスと、
    3)前記ガスを前記電極間に少なくとも2cm/ミリ秒の速度で循環させるためのガス循環器とを備えたレーザチャンバを備えたレーザチャンバモジュールと、
    B.前記電極を横切り少なくとも14,000Vの高電圧電気パルスを、少なくとも約1000Hzの割合で生成するための、電源回路及びパルス圧縮回路及び増幅回路と、パルス出力制御装置とからなるパルス出力システムと、
    C.前記パルス出力システムによって提供される電圧を制御するために、レーザパルスエネルギモニタと、所望のエネルギ範囲内のパルスエネルギを有するレーザパルスを生成するのに必要な電気パルスを履歴パルスエネルギデータに基づいて計算するためのアルゴリズムによりプログラムされたコンピュータプロセッサとを備えるレーザパルスエネルギ制御システムと
    D.157nmの領域のUV光には敏感であるが、可視赤光と赤外線光の両者には鈍感なパルスエネルギ検知器とを備えていることを特徴とするレーザ。
  24. 前記検知器が、太陽光不感検知器であることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  25. 前記検知器が、光電管であることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  26. 前記検知器が、CsTeと、CsIと、ダイヤモンドとから成るグループから選択される光電陰極材料を備えた光電管であることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  27. 前記バッファガスが、ヘリウムを含んでいることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  28. 前記バッファガスが、ヘリウムとネオンを含んでいることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  29. 前記検知器が、UV光を優先的に反射するか又は通すように構成されている少なくとも一つのミラーを備えていることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  30. 前記検知器が、前記ビーム内に存在する可視光又は赤外線光とは異なる方向へUV光を分散するように構成された少なくとも一つの分散要素を備えていることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
  31. 前記検知器が、UV光に曝された時に蛍光発光するように構成されている蛍光発光要素を備えていることを特徴とする請求項23に記載のレーザ。
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