JP2007281318A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】MISFETのゲート電極、ソース領域およびドレイン領域にニッケルシリサイド膜を形成した場合に、このニッケルシリサイド膜の高抵抗化および凝集を抑制できる一方で、層間絶縁膜中に含まれる水素や水分を充分に除去できる技術を提供する。
【解決手段】MISFETのゲート電極6a、6b、ソース領域およびドレイン領域にニッケルシリサイド膜16を形成する。その後、半導体基板1上に窒化シリコン膜17を形成する。続いて、半導体基板1に対してスパイクアニールを実施する。スパイクアニールは、例えば、レーザアニール装置を用いて行ない、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。
【選択図】図14

Description

本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、ゲート電極、ソース領域およびドレイン領域にニッケルシリサイド膜を形成する半導体装置の製造技術に適用して有効な技術に関するものである。
特開平10−83990号公報(特許文献1)には、ゲート電極、ソース領域およびドレイン領域にシリサイド膜を形成し、続いて、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜からなる積層膜を形成した後、瞬時熱アニール装置(RTA:Rapid Thermal Anneal)で熱処理する技術が開示されている。このときの熱処理は、窒素を含有する雰囲気中で行なわれ、温度を800℃にし、かつ、加熱時間を30秒にして実施される。これにより、窒化シリコン膜および酸化シリコン膜よりなる積層膜中の水素を除去することができるとしている。
特開平10−83990号公報
近年、半導体装置の小型化の要求に伴い、半導体装置を構成するMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の微細化が進められている。例えば、MISFETの微細化により、ゲート電極のゲート長が50nm以下で動作するトランジスタが必要となってきている。MISFETのゲート絶縁膜には、例えば、酸窒化シリコン膜が使用されるが、MISFETの微細化に伴い、酸窒化シリコン膜の膜厚も薄膜化している。例えば、酸窒化シリコン膜の酸化シリコン換算膜厚(EOT)が1.65nmあるいは1.2nmになるまで薄膜化が進んでいる。さらに、MISFETでは、ゲート電極、ソース領域およびドレイン領域の低抵抗化を図るため、これらの領域にシリサイド膜を形成することが行なわれている。すなわち、ゲート電極は一般にポリシリコン膜から形成されるが、このゲート電極の低抵抗化を図るため、ポリシリコン膜の上部をシリサイド化する技術が使用されている。ここで、シリサイド膜としては通常、コバルトシリサイド膜が使用されている。
しかし、ゲート電極の微細化によってゲート電極が細線化されている。このとき、細線化によってゲート電極の抵抗が上昇することになり、コバルトシリサイド膜では充分な低抵抗化を図ることが困難になってきている。そこで、細線効果に有利なニッケルシリサイド膜を使用することが検討されている。つまり、コバルトシリサイド膜よりも低抵抗なニッケルシリサイド膜をゲート電極、ソース領域およびドレイン領域に形成することが検討されている。
ところが、ニッケルシリサイド膜の場合、コバルトシリサイド膜に比べて、耐熱性が小さく、ニッケルシリサイド膜を形成した以降の工程を600℃以下で行なわなければならない制限がある。つまり、コバルトシリサイド膜を形成する場合に比べて、低熱負荷化する必要がある。
このようにMISFETの微細化を実現するにあたり、MISFETの構成が変更されるので、MISFETの製造工程も変更する必要がある。特に、ニッケルシリサイド膜を使用する場合、ニッケルシリサイド膜を形成した以降の工程を600℃以下で行なわなければならないため、層間絶縁膜中の水素や水分を充分に除去することができなくなる。つまり、層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜中に含まれる水素や水分を除去するため、熱処理が実施されるが、この熱処理の温度を600℃以上にできないことから、層間絶縁膜に含まれる水素や水分の除去を充分に行なうことができない問題点がある。
これらのことから、MISFETの信頼性の目安となるNBTi(Negative Bias Thermal instability)寿命が劣化することが懸念される。
つまり、NBTi寿命を改善する対策として、層間絶縁膜中の水素あるいは水分を充分に除去することが挙げられる。例えば、上述した特許文献1には、温度を800℃にし、加熱時間を30秒とする熱処理を実施することにより、層間絶縁膜中の水素を除去している。
しかし、特許文献1に記載されているような熱処理を実施すると、ニッケルシリサイド膜の抵抗値を増加させる組成変化が発生したり、ニッケルシリサイド膜の凝集を招き断線するおそれがある問題点がある。
本発明の目的は、MISFETのゲート電極、ソース領域およびドレイン領域にニッケルシリサイド膜を形成した場合に、このニッケルシリサイド膜の高抵抗化および凝集を抑制できる一方で、層間絶縁膜中に含まれる水素や水分を充分に除去できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、(b)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、(c)前記ゲート電極に整合してソース領域およびドレイン領域を形成する工程とを備える。そして、(d)前記ゲート電極、前記ソース領域および前記ドレイン領域にニッケルシリサイド膜を形成する工程と、(e)前記(d)工程後、熱処理をする工程とを備え、前記(e)工程は、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にする条件で実施することを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
ニッケルシリサイド膜および層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜中に含まれる水素あるいは水分を除去するために熱処理を行なう。この熱処理において、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にするので、ニッケルシリサイド膜の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、層間絶縁膜中の水素あるいは水分を充分に除去することができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態1における半導体装置として、nチャネル型MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)とpチャネル型MISFETを同一の半導体基板に形成したCMISFET(Complementary MISFET)を例に挙げて説明する。以下では、図面を参照しながら、CMISFETの製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1を用意する。このとき、半導体基板1は、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1の主面上に素子間を分離する素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域2は、例えばLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法やSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて形成することができる。図1では、STI法によって形成された素子分離領域2を示している。STI法では、以下のようにして素子分離領域2を形成している。すなわち、半導体基板1にフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板1上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;Chemical Mechanical Polishing)により、半導体基板1上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域2を形成することができる。
次に、図2に示すように、素子分離領域2で分離された活性領域に不純物を導入してウェルを形成する。例えば、活性領域のうちnチャネル型MISFET形成領域には、p型ウェル3を形成し、pチャネル型MISFET形成領域には、n型ウェル4を形成する。p型ウェル3は、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板1に導入することで形成される。具体的には、ホウ素を200keVのエネルギー、1×1013/cmのドーズ量で打ち込む。さらに、ホウ素を90keVのエネルギー、1×1013/cmのドーズ量で打ち込む。このように異なるエネルギーでホウ素を打ち込むのは、エネルギーの低いホウ素で半導体基板1の浅い領域に不純物を導入し、エネルギーの高いホウ素で半導体基板1の深い領域に不純物を導入する必要があるからである。このようにして、p型ウェル3を形成することができる。同様に、n型ウェル4は、例えばリン(P)や砒素(As)などのn型不純物をイオン注入法により半導体基板1に導入することで形成される。具体的には、リンを400keVのエネルギー、1×1013/cmのドーズ量で打ち込む。さらに、リンを210keVのエネルギー、1×1013/cmのドーズ量で打ち込む。これにより、n型ウェル4を形成することができる。
続いて、図3に示すように、p型ウェル3の表面領域およびn型ウェル4の表面領域にチャネル形成用の半導体領域を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。例えば、nチャネル型MISFETが形成されるp型ウェル3の表面領域には、ホウ素を8keVのエネルギー、1×1012/cmのドーズ量で打ち込む。一方、pチャネル型MISFETが形成されるn型ウェル4の表面領域には、砒素を70keVのエネルギー、1×1012/cmのドーズ量で打ち込む。このようにして、p型ウェル3あるいはn型ウェル4の表面領域にチャネル形成用の半導体領域を形成することができる。
次に、図4に示すように、半導体基板1上にゲート絶縁膜5を形成する。ゲート絶縁膜5は、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜5は、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜5を酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜5と半導体基板1との界面に窒素を偏析させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜5のホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜5に酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板1側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1をNO、NOまたはNHといった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1の表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜5を形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1を熱処理し、ゲート絶縁膜5と半導体基板1との界面に窒素を偏析させることによっても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜5は、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。従来、絶縁耐性が高い、シリコン−酸化シリコン界面の電気的・物性的安定性などが優れているとの観点から、ゲート絶縁膜5として酸化シリコン膜が使用されている。しかし、素子の微細化に伴い、ゲート絶縁膜5の膜厚について、極薄化が要求されるようになってきている。このように薄い酸化シリコン膜をゲート絶縁膜5として使用すると、MISFETのチャネルを流れる電子が酸化シリコン膜によって形成される障壁をトンネルしてゲート電極に流れる、いわゆるトンネル電流が発生してしまう。
そこで、酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる高誘電体膜が使用されるようになってきている。高誘電体膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。
例えば、高誘電体膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)が使用されるが、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)、HfAlO膜のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
続いて、ゲート絶縁膜5上にポリシリコン膜を形成する。ポリシリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、nチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜中にホウ素などのp型不純物を導入する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用してポリシリコン膜をパターニングすることにより、図5に示すようなゲート電極6a、6bを形成する。nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6aには、ポリシリコン膜中にn型不純物が導入されている。このため、ゲート電極6aの仕事関数値をシリコンの伝導帯近傍(4.15eV)の値にすることができるので、nチャネル型MISFETのしきい値電圧を低減することができる。一方、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6bには、ポリシリコン膜中にp型不純物が導入されている。このため、ゲート電極6bの仕事関数値をシリコンの価電子帯近傍(5.15eV)の値にすることができるので、pチャネル型MISFETのしきい値電圧を低減することができる。このように本実施の形態1では、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETの両方でしきい値電圧を低減することができる(デュアルゲート構造)。なお、ゲート電極6a、6bのゲート長は、例えば50nm以下となっている。すなわち、本実施の形態1で形成されるゲート電極6a、6bは微細化されている。
次に、図6に示すように、ゲート電極6a、6bの側壁にオフセットスペーサ7を形成する。オフセットスペーサ7は、例えば、酸化シリコン膜から形成されており、例えば、熱酸化法により形成することができる。
続いて、図7に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極6aに整合した低濃度n型不純物拡散領域8を形成する。低濃度n型不純物拡散領域8は、半導体領域であり、例えば、砒素を3.5keVのエネルギー、ドーズ量3×1014/cmで打ち込むことにより形成することができる。さらに、イオン注入法を使用することにより、p型半導体領域9を形成する。このp型半導体領域9は、halo領域と呼ばれ、ソース領域とドレイン領域とのパンチスルーを防止するために形成される。p型半導体領域9は、例えば、ホウ素を10keVのエネルギー、ドーズ量8×1012/cmで斜め(25°)から複数回(4回)打ち込むことにより形成することができる。このようにして、nチャネル型MISFET形成領域に、低濃度n型不純物拡散領域8とp型半導体領域9を形成することができる。同様に、pチャネル型MISFET形成領域に低濃度p型不純物拡散領域10およびn型半導体領域11を形成する。低濃度p型不純物拡散領域10は、ゲート電極6bに整合して形成される。この低濃度p型不純物拡散領域10は、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより形成することができる。具体的に、低濃度p型不純物拡散領域10は、ホウ素を0.5keVのエネルギー、ドーズ量4×1014/cmで打ち込むことにより形成することができる。さらに、イオン注入法を使用することにより、n型半導体領域11を形成する。このn型半導体領域11は、halo領域と呼ばれ、ソース領域とドレイン領域とのパンチスルーを防止するために形成される。n型半導体領域11は、例えば、リンを30keVのエネルギー、ドーズ量7×1012/cmで斜め(25°)から複数回(4回)打ち込むことにより形成することができる。
次に、半導体基板1上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、図8に示すようなサイドウォール12をゲート電極6a、6bの側壁に形成する。ここで、サイドウォール12は、酸化シリコン膜の単層膜から形成するようにしたが、これに限らず、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜からなるサイドウォール12を形成してもよい。
続いて、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFET形成領域にサイドウォール12に整合した高濃度n型不純物拡散領域13を形成する。高濃度n型不純物拡散領域13は、半導体領域であり、例えば、砒素を20keVのエネルギー、ドーズ量4×1015/cmで打ち込むことにより形成することができる。この高濃度n型不純物拡散領域13と低濃度n型不純物拡散領域8によってソース領域が形成される。同様に、高濃度n型不純物拡散領域13と低濃度n型不純物拡散領域8によってドレイン領域が形成される。このようにソース領域とドレイン領域を低濃度n型不純物拡散領域8と高濃度n型不純物拡散領域13で形成することにより、ソース領域およびドレイン領域をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。すなわち、ゲート電極6aの端部下に低濃度n型不純物拡散領域8を形成することにより、ゲート電極6aの端部下における電界集中を緩和することができる。なお、高濃度n型不純物拡散領域13には、低濃度n型不純物拡散領域8に比べて高濃度にn型不純物が導入されている。同様に、pチャネル型MISFET形成領域にサイドウォール12に整合した高濃度p型不純物拡散領域14を形成する。高濃度p型不純物拡散領域14は、例えば、ホウ素を2keVのエネルギー、ドーズ量4×1014/cmで打ち込むことにより形成することができる。この高濃度p型不純物拡散領域14と低濃度p型不純物拡散領域10によってソース領域およびドレイン領域が形成される。したがって、pチャネル型MISFETにおいてもソース領域およびドレイン領域はLDD構造をしており、ゲート電極6bの端部下における電界集中を緩和することができる。なお、高濃度p型不純物拡散領域14には、低濃度p型不純物拡散領域10に比べて高濃度にp型不純物が導入されている。このようにして、高濃度n型不純物拡散領域13および高濃度p型不純物拡散領域14を形成した後、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。
その後、図10に示すように、半導体基板1上にニッケル膜15を形成する。このとき、ゲート電極6a、6bに直接接するようにニッケル膜15が形成される。同様に、高濃度n型不純物拡散領域13および高濃度p型不純物拡散領域14にもニッケル膜15が直接接する。このニッケル膜15は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、ニッケル膜15を形成した後、500℃〜600℃程度の熱処理を施すことにより、ゲート電極6a、6bを構成するポリシリコン膜とニッケル膜15を反応させて、図11に示すようなニッケルシリサイド膜16を形成する。これにより、ゲート電極6a、6bはポリシリコン膜とニッケルシリサイド膜16の積層構造となる。ニッケルシリサイド膜16は、ゲート電極6a、6bの低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、高濃度n型不純物拡散領域13および高濃度p型不純物拡散領域14の表面においてもシリコンとニッケル膜15が反応してニッケルシリサイド膜16が形成される。このため、高濃度n型不純物拡散領域13および高濃度p型不純物拡散領域14においても低抵抗化を図ることができる。そして、未反応のニッケル膜は、半導体基板1上から除去される。
ここで、シリサイド膜として、コバルトシリサイド膜が使用されてきたが、ゲート電極6a、6bの微細化に伴って、コバルトシリサイド膜では充分な低抵抗化が図れなくなってきている。すなわち、本実施の形態1では、ゲート長が50nm以下であるゲート電極6a、6bを形成しており、このような微細化されたゲート電極6a、6bでは、ゲート電極6a、6bの表面にコバルトシリサイド膜を形成しても充分に低抵抗化を図ることができない。つまり、ゲート電極6a、6bの微細化にともなって、ゲート電極6a、6bが細線化されてきている。この細線化によってゲート電極の抵抗が上昇することになり、コバルトシリサイド膜では充分な低抵抗化を図ることが困難になってきている。そこで、細線効果に有利なニッケルシリサイド膜を使用することが検討されている。つまり、本実施の形態1では、コバルトシリサイド膜よりも低抵抗なニッケルシリサイド膜をゲート電極、ソース領域およびドレイン領域に形成することにより、ゲート電極6a、6bのゲート長が50nm以下に微細化された場合であっても、ゲート電極6a、6bなどの低抵抗化を充分に図ることができる。このようにして、半導体基板1上に、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETを形成することができる。
次に、配線工程について説明する。図12に示すように、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETを形成した半導体基板1上に窒化シリコン膜17を形成する。窒化シリコン膜17は、例えば、CVD法で形成することができる。
ここで、窒化シリコン膜17には、不純物である水素や水分が含まれている。この水素や水分は、窒化シリコン膜17から容易に拡散する性質を持っている。このため、窒化シリコン膜17中に存在する水素や水分がnチャネル型MISFETやpチャネル型MISFETのゲート絶縁膜5に侵入するおそれがある。特に、窒化シリコン膜17は、nチャネル型MISFETおよびpチャネル型MISFETの直上に形成されており、ゲート絶縁膜5に近いため、ゲート絶縁膜5中に水素や水分が侵入しやすい。水素や水分がゲート絶縁膜5に浸入すると、ゲート絶縁膜5中でシリコン−水素結合(Si−H)が形成される。このとき形成されるシリコン−水素結合は、非常に不安定で切断しやすい。したがって、シリコン−水素結合を形成するが切断されて、シリコンに未結合手(ダングリングボンド)が形成される。このようにシリコンに未結合手が形成されるとゲート絶縁膜5中に固定電荷が形成されやすくなる。ゲート絶縁膜5中に固定電荷が形成されると、MISFETのしきい値電圧が変動することになる。すなわち、窒化シリコン膜17中に存在する水素や水分などに起因してMISFETのしきい値電圧が規定値からずれることになる。MISFETのしきい値電圧の安定性を図るものとして、NBTi寿命というものがある。NBTi寿命とは、半導体装置の信頼性を図る尺度の役割を果たし、MISFETのしきい値電圧が規定値の範囲内である時間を示すものである。つまり、NBTi寿命が長いということは、MISFETのしきい値電圧が安定していることを示している。
上述したように、窒化シリコン膜17に水素や水分などが多量に含まれていると、これがゲート絶縁膜5中に拡散し、しきい値電圧の変動をもたらす。このため、NBTi寿命が劣化するという問題点が発生する。このため、通常の製造工程では、窒化シリコン膜17中の水素や水分を除去するために熱処理が実施される。この熱処理は、例えば、特許文献1に記載している技術のように、800℃程度の温度で30秒間加熱する条件で行なわれる。しかし、このような条件の熱処理を実施すると以下に示すような問題点が発生する。
従来、ゲート電極6a、6bに形成するシリサイド膜としてコバルトシリサイド膜が使用されてきた。コバルトシリサイド膜は耐熱性が充分あるので、コバルトシリサイド膜を形成した後、800℃程度の温度で30秒間加熱する熱処理を施しても問題はない。ところが、本実施の形態1のように、ゲート電極6a、6bの微細化に対応して、コバルトシリサイド膜に変えてより低抵抗なニッケルシリサイド膜16を形成する場合は問題が発生する。すなわち、ニッケルシリサイド膜16の耐熱性は、コバルトシリサイド膜に比べて低いという性質がある。したがって、ニッケルシリサイド膜16を形成した後、800℃程度の温度で30秒間加熱する熱処理を施すと、ニッケルシリサイド膜を構成する分子が組成変化を起こし高抵抗化する問題点や凝集による断線が生じる問題点が発生する。すなわち、ニッケルシリサイド膜16を形成した際、その組成はNiSiであり、この組成比のニッケルシリサイド膜16は低抵抗である。しかし、ニッケルシリサイド膜16を形成した後、600℃以上の高温の熱処理を長時間実施すると、ニッケルシリサイド膜16を構成する分子の組成がNiSiからNiSiに変化する。NiSiは、NiSiに比べて高抵抗である性質がある。このため、ゲート電極6a、6bに低抵抗なニッケルシリサイド膜16を形成したにもかかわらず、その後の熱処理によって高抵抗化してしまう。したがって、ゲート電極6a、6bにニッケルシリサイド膜を形成する利点が消失してしまう。さらに、600℃以上の高温の熱処理を長時間実施すると、ニッケルシリサイド膜16が凝集を起こす。このため、ゲート電極6a、6bがニッケルシリサイド膜16の凝集に起因した応力を受けることになり、断線するおそれがある。このことから、ニッケルシリサイド膜16を形成した後、600℃以上で長時間の熱処理を実施しないようにする必要がある。
しかし、ニッケルシリサイド膜16を形成した後には、半導体基板1上に層間絶縁膜の一部となる窒化シリコン膜17を形成する必要がある。この窒化シリコン膜17中には、水素や水分などの不純物が含まれており、これらの不純物がゲート絶縁膜5中に拡散してNBTi寿命を劣化させる。したがって、NBTi寿命を改善するために、熱処理を実施し、窒化シリコン膜17から水素や水分を除去する必要がある。このときの熱処理を600℃以下で実施すると、水素や水分の除去を充分に行なうことができない。以上のことから、ニッケルシリサイド膜16の特性を劣化させずに、窒化シリコン膜17中の水素や水分を除去することは困難であることがわかる。
そこで、本実施の形態1では、ニッケルシリサイド膜16を形成し、層間絶縁膜の一部となる窒化シリコン膜17を形成した後、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にする条件でスパイクアニールを実施する。本明細書でスパイクアニールとは、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にする条件で行なう熱処理をいうものとする。
図13は、本実施の形態1におけるスパイクアニールを実施する加熱処理装置の一例を示した模式図である。図13において、加熱処理装置100は、レーザ光を用いて加熱するレーザアニール装置を示している。この加熱処理装置100は、ステージ101を有しており、このステージ101上に加熱する半導体基板(半導体ウェハ)1が載置される。ステージ101の周囲には外枠体102が形成されており、この外枠体102の内部には、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスを含む雰囲気が充填されている。窒素あるいはアルゴンなどは、半導体基板1を加熱する際、雰囲気と半導体基板1との反応を抑制するために充填されている。外枠体102には、レーザ光を照射する射出口103が設けられており、この射出口103からレーザ光を半導体基板1上に照射するようになっている。そして、半導体基板1上にレーザ光を照射することにより、図14に示すように、半導体基板1を加熱する。レーザ光による加熱では、半導体基板1の局所領域を加熱し、その後、領域を移動して加熱することを続けて、半導体基板1の全面を加熱するようになっている。なお、本実施の形態1では、窒素あるいはアルゴンなどの不活性ガスを含む雰囲気中でスパイクアニールを実施しているが、例えば、大気中でスパイクアニールを実施してもよい。
図14に示すように、半導体基板1に対してレーザアニール装置を用いてスパイクアニールを実施する。このときのスパイクアニールは、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施することが本発明の特徴の1つである。このスパイクアニールでは、温度を700℃以上1300℃以下で実施しているので、窒化シリコン膜17中に含まれる水素や水分を充分に除去することができる。このため、スパイクアニールを実施した後は、窒化シリコン膜17中の水素や水分を充分に除去することができるので、水素や水分がゲート絶縁膜5に侵入することに起因したMISFETのしきい値電圧の変動を抑制することができ、半導体装置のNBTi寿命を改善することができる。
一方、スパイクアニールを700℃以上1300℃以下で実施しているので、従来のアニール工程であると、ゲート電極6a、6bに形成したニッケルシリサイド膜の高抵抗化および凝集が生じる懸念がある。しかし、本実施の形態1におけるスパイクアニールでは、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下という短時間で実施しているため、ニッケルシリサイド膜16の抵抗値を増加させる組成変化および凝集を起こさなくすることができるのである。つまり、半導体基板1の温度が700℃以上1300℃以下になる時間は、1マイクロ秒以上1ミリ秒以下という短時間であるため、ニッケルシリサイド膜16に加わる熱負荷量は大きくなく、ニッケルシリサイド膜16に悪影響を及ぼすことを防止できるのである。
このことから、本実施の形態1によれば、ニッケルシリサイド膜16の形成後に、700℃以上1300℃以下の熱処理を実施しているが、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下という短時間にすることにより、ニッケルシリサイド膜16の抵抗値を増加させる組成変化および凝集を防止できる。一方で、スパイクアニールの温度を700℃以上1300℃以下にしているので、窒化シリコン膜17中の水素や水分を充分に除去することができる。つまり、本実施の形態1では、ニッケルシリサイド膜16の特性を劣化させることなく、半導体装置のNBTi寿命を向上させることができる顕著な効果を奏する。
さらに、加熱時間が1マイクロ秒以上1ミリ秒以下という短時間であることから、MISFETのソース領域あるいはドレイン領域を構成する不純物拡散領域(低濃度n型不純物拡散領域8、高濃度n型不純物拡散領域13、低濃度p型不純物拡散領域10、高濃度p型不純物拡散領域14)の不純物を再拡散させることなく、スパイクアニールを実施できる。このため、本実施の形態1におけるスパイクアニールによれば、不純物拡散によるMISFETの特性劣化を生じることを抑制できる。
スパイクアニールは、上述したようにレーザアニール装置を用いて実施することができるが、このときのレーザアニールは、半導体基板1を構成するシリコンを溶融させて加熱する溶融レーザアニールだけでなく、シリコンを溶融させないで加熱する非溶融レーザアニールなども使用できる。さらに、レーザアニール装置だけでなく、キセノンランプを用いたフラッシュランプアニール装置を使用してスパイクアニールを実施することもできる。フラッシュランプアニール装置を使用する場合、スパイクアニールはレーザアニール装置を使用する場合と同様に、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。さらに、本実施の形態1におけるスパイクアニールは、赤外線ランプを使用する瞬時熱アニール装置(RTA)を用いて実施してもよい。瞬時熱アニール装置を用いる場合、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1秒以上10秒以下にする条件で実施する。瞬時熱アニール装置を用いた場合、加熱時間が1秒以上10秒以下であるが、この時間であってもニッケルシリサイド膜16の抵抗値を増加させる組成変化および凝集を防止できる。一方で、窒化シリコン膜17中の水素や水分を充分に除去することができる。
また、本実施の形態1におけるスパイクアニールを1000℃程度で実施することにより、ニッケルシリサイド膜16の形成によって脱活性化した不純物の再活性化も可能となる。すなわち、ソース領域およびドレイン領域を形成する際、不純物拡散領域に含まれる不純物の活性化を行なうため1000℃程度の熱処理を行なっている。その後、ニッケルシリサイド膜16を形成する際、500℃〜600℃程度の熱処理を行なう。このときの500℃〜600℃程度の熱処理によって、ソース領域あるいはドレイン領域を構成する不純物拡散領域の不純物が脱活性化してしまう。不純物が脱活性化すると、ソース領域およびドレイン領域の抵抗値が上昇し、駆動電流の減少を招いてしまう。しかし、本実施の形態1によれば、ニッケルシリサイド膜16を形成した後、スパイクアニールを実施している。このスパイクアニールを1000℃程度で行なうことにより、ソース領域あるいはドレイン領域を構成する不純物の再活性化を行なうことができる。したがって、ソース領域およびドレイン領域の低抵抗化を図ることができ、駆動電流の減少を抑制することができる。
なお、ソース領域あるいはドレイン領域を構成する不純物拡散領域の不純物を活性化するために、不純物を半導体基板1にイオン注入した後、1000℃程度の熱処理をしている。しかし、本実施の形態1によれば、ニッケルシリサイド膜16を形成した後、スパイクアニールを実施しているので、このスパイクアニールによってソース領域およびドレイン領域の不純物の活性化を行なってもよい。つまり、ソース領域およびドレイン領域の形成時に行なう熱処理を省略し、本実施の形態1におけるスパイクアニールによってソース領域あるいはドレイン領域の不純物の活性化を兼ねるように構成してもよい。このとき実施するスパイクアニールは、例えば、瞬時熱アニール装置を使用する場合、温度を1000℃以上1100℃以下にし、かつ、加熱時間を0.1秒以下にする条件で実施することで実現できる。
本実施の形態1においては、nチャネル型MISFETとpチャネル型MISFETとを形成したCMISFETを例に挙げて説明しているが、特に、pチャネル型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用して有効である。pチャネル型MISFETでは、窒化シリコン膜17中に含まれる水素あるいは水分がゲート絶縁膜5に拡散することによって生じるしきい値電圧の変動が、nチャネル型MISFETに比べて顕著であることが知られているからである。したがって、ニッケルシリサイド膜16を形成したpチャネル型MISFETに本実施の形態1におけるスパイクアニールを実施することにより、ニッケルシリサイド膜16の特性劣化を生じることなく、窒化シリコン膜17中の水素や水分を除去することができ、NBTi寿命を改善することができる。つまり、nチャネル型MISFETよりもpチャネル型MISFETの方がNBTi寿命の改善効果が顕著に現れる。
次に、図15に示すように、半導体基板1の主面上に酸化シリコン膜18を形成する。この酸化シリコン膜18は、例えばTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としたCVD法を使用して形成することができる。その後、酸化シリコン膜18の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
次に、図16に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、酸化シリコン膜18にコンタクトホール19を形成する。続いて、コンタクトホール19の底面および内壁を含む酸化シリコン膜18上にチタン/窒化チタン膜20aを形成する。チタン/窒化チタン膜20aは、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜20aは、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
続いて、コンタクトホール19を埋め込むように、半導体基板1の主面の全面にタングステン膜20bを形成する。このタングステン膜20bは、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜18上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜20aおよびタングステン膜20bを例えばCMP法を除去することにより、プラグ21を形成することができる。
次に、図17に示すように、酸化シリコン膜18およびプラグ21上にチタン/窒化チタン膜22a、アルミニウム膜22b、チタン/窒化チタン膜22cを順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線23を形成する。さらに、配線23の上層に配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、本実施の形態1における半導体装置を形成することができる。
本実施の形態1によれば、ニッケルシリサイド膜16および窒化シリコン膜17を形成した後、窒化シリコン膜17中に含まれる水素あるいは水分を除去するために熱処理を行なう。この熱処理において、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にするので、ニッケルシリサイド膜16の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、窒化シリコン膜17中の水素あるいは水分を充分に除去することができる。すなわち、本実施の形態1によれば、ニッケルシリサイド膜16および窒化シリコン膜17を形成した後に、スパイクアニールを実施することにより、ニッケルシリサイド膜16の特性を劣化させることなく、半導体装置のNBTi寿命を改善することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、半導体基板1上に窒化シリコン膜17を形成した後、スパイクアニールを実施する例について説明した。本実施の形態2では、窒化シリコン膜17上に酸化シリコン膜18を形成した後に、スパイクアニールを実施する例について説明する。
図1から図12までは前記実施の形態1と同様である。続いて、図18に示すように、窒化シリコン膜17上に酸化シリコン膜18を形成する。窒化シリコン膜17と酸化シリコン膜18によって層間絶縁膜が形成されている。酸化シリコン膜18は、例えば、TEOSを原料としたCVD法によって形成することができる。ここで、TEOSを原料とした酸化シリコン膜18には、水素や水分などの不純物が多量に含まれている。したがって、前記実施の形態1のように窒化シリコン膜17を形成した後にスパイクアニールを実施しても、その後に形成する酸化シリコン膜18に水素や水分などの不純物が多量に含まれていると、酸化シリコン膜18中から水素や水分が拡散し、半導体装置のNBTi寿命を劣化させることになる。
そこで、本実施の形態2では、図19に示すように、窒化シリコン膜17と酸化シリコン膜18とを積層して形成した後、スパイクアニールを実施する。このようにすることにより、窒化シリコン膜17だけでなく酸化シリコン膜18中に含まれる水素と水分を除去することができるので、ゲート絶縁膜5の内部に水素や水分が拡散することをさらに防止することができ、半導体装置のNBTi寿命を改善することができる。このときのスパイクアニールの条件は、前記実施の形態1と同様であり、例えば、レーザアニール装置を使用する場合、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。これにより、ニッケルシリサイド膜16の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、層間絶縁膜(窒化シリコン膜17、酸化シリコン膜18)中に含まれる水素や水分を充分に除去することができる。さらに、層間絶縁膜を形成した後にスパイクアニールを実施することにより、層間絶縁膜を焼しめる効果も得られる。
なお、本実施の形態2でも、レーザアニール装置のほか、フラッシュランプアニール装置や瞬時熱アニール装置を使用してもよい。
また、酸化シリコン膜18および窒化シリコン膜17に、前述の実施の形態1の図16で示したようなコンタクトホール19を形成した後に、上記のスパイクアニールを実施することもでき、この場合も同様の効果を得ることができる。
(実施の形態3)
前記実施の形態2では、層間絶縁膜を形成した後に、スパイクアニールを実施する例について説明した。本実施の形態3では、配線層を形成した後に、スパイクアニールを実施する例について説明する。本実施の形態3では、一例として配線層をダマシン法による銅配線で形成する場合について説明する。
図1から図16までは前記実施の形態1と同様である。ただし、本実施の形態3では、窒化シリコン膜17を形成した直後にスパイクアニールを実施していない。図20から図28では、第1配線層より下層の構造については図示を省略している。
まず、図20に示すように、プラグ21を形成した酸化シリコン膜18上に窒化シリコン膜30および酸化シリコン膜31を形成する。窒化シリコン膜30および酸化シリコン膜31は、例えばCVD法を使用することにより形成できる。
続いて、図21に示すように、酸化シリコン膜31を形成した半導体基板1に対し、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、酸化シリコン膜31および酸化シリコン膜31の下層に形成された窒化シリコン膜30に配線溝32を形成する。この配線溝32の底部にはプラグ21が露出している。その後、図22に示すように、半導体基板1の主面上にチタン膜と窒化チタン膜の積層膜よりなるチタン/窒化チタン膜33aを形成する。このとき、配線溝32の内壁にチタン/窒化チタン膜33aが形成される。チタン/窒化チタン膜33aは、例えばスパッタリング法を使用して形成することができる。このチタン/窒化チタン膜33aは、導電性バリア膜としての機能を有している。すなわち、後述するように配線溝32へ埋め込まれる銅のシリコンなどへの拡散を防止する機能を有している。このような導電性バリア膜としては、チタン膜や窒化チタン膜に代えて、例えばタンタル膜、窒化タンタル膜、タングステン膜、窒化タングステン膜等の高融点金属の窒化物膜や、窒化チタンシリサイド膜、窒化タングステンシリサイド膜を用いてもよい。また、これらの合金を主材料に用いている膜でもよい。さらに、上記した単体膜だけでなく積層膜を使用することもできる。
次に、チタン/窒化チタン膜33a上に銅(Cu)膜からなる比較的薄いシード膜(図示せず)を形成する。シード膜は、例えばスパッタリング法を使用して形成することができる。このシード膜は、後述する主導体膜である銅膜33bとチタン/窒化チタン膜33aとの密着性を向上させるために形成される。また、シード膜は、後述する電解めっき法を行う際の電極としての役割も有する。
その後、半導体基板1の全面にシード膜に比べて相対的に厚い銅膜33bを、配線溝32へ埋め込むように形成する。銅膜33bは、例えば電解めっきや無電解めっきなどのめっき法を使用して形成される。また、チタン/窒化チタン膜33a上に直接スパッタリング法により銅膜33bを形成した後、リフローすることにより表面を平坦化することによっても形成することができるし、CVD法を使用して銅膜33bを堆積させるようにしてもよい。
続いて、図23に示すように、配線溝32に埋め込まれたチタン/窒化チタン膜33aおよび銅膜33bを残す一方で、酸化シリコン膜31上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜33aおよび銅膜33bを除去することにより、配線34を形成する。不要なチタン/窒化チタン膜33aおよび銅膜33bの除去には、例えばCMPを使用した研磨によって行うことができる。
次に、図24に示すように、配線34を形成した酸化シリコン膜31上に窒化シリコン膜35を形成し、この窒化シリコン膜35上に酸化シリコン膜36を形成する。さらに、酸化シリコン膜36上に窒化シリコン膜37を形成し、この窒化シリコン膜37上に酸化シリコン膜38を形成する。窒化シリコン膜35、37は、例えばCVD法を使用することにより形成でき、酸化シリコン膜36、38は、TEOSを原料としたCVD法を使用して形成することができる。
そして、図25に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して窒化シリコン膜35から酸化シリコン膜38よりなる積層膜に配線溝40および接続孔39を形成する。このとき、接続孔39の底部では、配線34が露出している。その後、図26に示すように、配線溝40および接続孔39の内壁を含む半導体基板1の主面上にチタン/窒化チタン膜41aを形成する。
続いて、チタン/窒化チタン膜41aが形成された半導体基板1に、例えばスパッタリング法を使用して銅膜よりなる比較的薄いシード膜を形成する。そして、シード膜より厚い銅膜41bを配線溝40および接続孔39へ埋め込むように形成する。
次に、図27に示すように、配線溝40および接続孔39に埋め込まれたチタン/窒化チタン膜41aおよび銅膜41bを残す一方で、酸化シリコン膜38上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜41aおよび銅膜41bを除去することにより、配線42およびプラグを形成する。不要なチタン/窒化チタン膜41aおよび銅膜41bの除去には、例えばCMPを使用した研磨によって行うことができる。
このようにして配線層を形成した後、図28に示すように、配線層を形成した半導体基板に対してスパイクアニールを実施する。前記実施の形態2のように窒化シリコン膜17と酸化シリコン膜18を形成した後にスパイクアニールを実施しても、その後に形成する層間絶縁膜に水素や水分などの不純物が多量に含まれていると、配線層間に形成される層間絶縁膜中から水素や水分が拡散し、半導体装置のNBTi寿命を劣化させることになる。つまり、窒化シリコン膜17および酸化シリコン膜18は、MISFETの直上に形成されるため、これらの膜中に含まれる水素や水分がMISFETのゲート絶縁膜に拡散する可能性が高くなる。このため、これらの膜を形成した後、スパイクアニールを実施することは有効である。しかし、さらに上層には、配線層間を絶縁する層間絶縁膜が形成される。この層間絶縁膜も例えば、TEOSを原料としたCVD法により形成されるため、膜中に水素や水分などの不純物が含まれている。したがって、窒化シリコン膜17や酸化シリコン膜18中に含まれる水素や水分をスパイクアニールによって除去しても、スパイクアニール後に形成する上層の層間絶縁膜に含まれる水素や水分がMISFETのゲート絶縁膜中に拡散するおそれがある。
そこで、本実施の形態3では、図28に示すように、酸化シリコン膜18の上層に配線層を形成した後、スパイクアニールを実施する。このようにすることにより、配線層間を絶縁する層間絶縁膜中に含まれる水素と水分を除去することができるので、ゲート絶縁膜5の内部に水素や水分が拡散することをさらに防止することができ、半導体装置のNBTi寿命を改善することができる。このときのスパイクアニールの条件は、前記実施の形態1と同様であり、例えば、レーザアニール装置を使用する場合、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。これにより、ニッケルシリサイド膜16の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、配線層間に形成する層間絶縁膜中の水素や水分を充分に除去することができる。さらに、層間絶縁膜を形成した後にスパイクアニールを実施することにより、層間絶縁膜を焼しめる効果も得られる。なお、本実施の形態3でも、レーザアニール装置のほか、フラッシュランプアニール装置や瞬時熱アニール装置を使用してもよい。
また、配線層を形成した後に、スパイクアニールを実施すると、配線層のエレクトロマイグレーション特性やストレスマイグレーション特性も改善することができる。エレクトロマイグレーションとは、配線中を流れる電流密度が高くなると、電流により金属原子が運動量を得て下流側に金属原子が移動する現象をいう。この現象により、配線にボイド(void)が発生し断線の原因になったり、電子流の下流に突起(ヒロック:hillock)が発生し配線の信頼性が低下する原因となる。また、ストレスマイグレーションとは、配線が熱によって応力を受け、応力の緩和過程で発生するボイドが断線などを引き起こす現象をいう。本実施の形態3によれば、スパイクアニールを実施することにより、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションの発生を抑制することができる。つまり、スパイクアニールによる熱処理により、金属原子の移動を緩和することができ、さらに、配線にかかる応力を抑制することができるのである。
なお、本実施の形態3では、ダマシン法による銅配線を形成する例を説明したが、これに限らず、例えばアルミニウム配線を用いた場合にも適用することができる。特に、アルミニウム配線では、エレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションが起こりやすいので、本実施の形態3におけるスパイクアニールを実施することにより、層間絶縁膜中の水素や水分を充分に除去することができるとともに、効果的にエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションを抑制することができる。
実施の形態1〜3では、異なる工程で1回のスパイクアニールを実施する例を説明したが、実施の形態1〜3を組み合わせて、複数の工程でスパイクアニールを実施してもよい。複数の工程でスパイクアニールを実施することにより、さらに、層間絶縁膜中に含まれる水素や水分を除去することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、不揮発性メモリを含む半導体装置にスパイクアニールを実施する例について説明する。以下に、本実施の形態4における不揮発性メモリセルの製造工程について図面を参照しながら説明する。
図29に示すように、半導体基板50上に例えば熱酸化法を使用して酸化シリコン膜よりなるゲート絶縁膜51を形成する。そして、ゲート絶縁膜51上にポリシリコン膜を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、ポリシリコン膜をパターニングし、コントロールゲート電極52を形成する。
続いて、コントロールゲート電極52を形成した半導体基板50上に、例えば酸化シリコン膜からなる第1電位障壁膜53、窒化シリコン膜からなる電荷蓄積膜54および酸化シリコン膜からなる第2電位障壁膜55を形成する。そして、第2電位障壁膜55上にポリシリコン膜を形成する。
次に、異方性エッチングをすることにより、コントロールゲート電極52の両側の側壁にだけ、第1電位障壁膜53、電荷蓄積膜54、第2電位障壁膜55およびポリシリコン膜を残す。そして、片側の側壁に形成されている第1電位障壁膜53、電荷蓄積膜54、第2電位障壁膜55およびポリシリコン膜を除去して、コントロールゲート電極52の片側の側壁にだけ、第1電位障壁膜53、電荷蓄積膜54、第2電位障壁膜55およびメモリゲート電極56を形成する。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して不純物拡散領域57を形成する。この不純物拡散領域57は、不揮発性メモリのソース領域あるいはドレイン領域となる。
次に、半導体基板50上に酸化シリコン膜を形成した後、異方性エッチングすることにより、コントロールゲート電極52およびメモリゲート電極56の側壁にサイドウォール58を形成する。そして、半導体基板50上に、例えばスパッタリング法を使用してニッケル膜を形成した後、500℃〜600℃の熱処理を施す。これにより、コントロールゲート電極52、メモリゲート電極56および不純物拡散領域57にニッケルシリサイド膜59を形成する。ニッケルシリサイド膜59は低抵抗化のために形成される。
続いて、図30に示すように、半導体基板50上に層間絶縁膜となる窒化シリコン膜60および酸化シリコン膜61を形成する。窒化シリコン膜60は、例えばCVD法を使用して形成することができ、酸化シリコン膜61は、例えばTEOSを原料としたCVD法を使用することにより形成することができる。
ここで、窒化シリコン膜60および酸化シリコン膜61には、水素や水分などの不純物が含まれている。この窒化シリコン膜60や酸化シリコン膜61に含まれている水素や水分は容易に拡散する。例えば、水素や水分が拡散して、メモリトランジスタの電荷蓄積膜54内に侵入すると、電荷蓄積膜54の電荷保持特性(リテンション特性)を劣化させる。すなわち、不揮発性メモリセルの信頼性(データ保持特性)を低下させることになる。また、選択トランジスタのゲート絶縁膜51内に水素や水分が拡散すると、前記実施の形態1で説明したように、しきい値電圧の変動が生じることになる。
このため、不揮発性メモリセルでは、窒化シリコン膜60および酸化シリコン膜61を形成した後、水素や水分を除去するための熱処理が行なわれる。通常、この熱処理は、600℃以上の温度(例えば800℃)で、かつ、加熱時間を長時間(30秒以上)にして行なわれる。しかし、本実施の形態4では、低抵抗化を図るため、コントロールゲート電極52、メモリゲート電極56および不純物拡散領域57にニッケルシリサイド膜59を形成している。ニッケルシリサイド膜59に600℃以上の温度で長時間の熱処理を加えると、ニッケルシリサイド膜59は、抵抗値を増加させる組成変化や凝集を起こす。したがって、ニッケルシリサイド膜59を形成した本実施の形態4における不揮発性メモリセルでは、通常の熱処理を行なうことができない。
そこで、本実施の形態4では、図31に示すように、窒化シリコン膜60および酸化シリコン膜61を形成した後、スパイクアニールを実施している。このようにすることにより、窒化シリコン膜60や酸化シリコン膜61中に含まれる水素と水分を除去することができるので、電荷蓄積膜54やゲート絶縁膜51の内部に水素や水分が拡散することをさらに防止することができる。このため、不揮発性メモリセルのデータ保持特性(リテンション特性)を改善することができる。このときのスパイクアニールの条件は、前記実施の形態1と同様であり、例えば、レーザアニール装置を使用する場合、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。これにより、ニッケルシリサイド膜59の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、窒化シリコン膜60および酸化シリコン膜61中に含まれる水素や水分を充分に除去することができる。さらに、層間絶縁膜を形成した後にスパイクアニールを実施することにより、層間絶縁膜を焼しめる効果も得られる。なお、本実施の形態4でも、レーザアニール装置のほか、フラッシュランプアニール装置や瞬時熱アニール装置を使用してもよい。
この後は、通常の製造工程を経て配線層を形成する。このようにして、本実施の形態4における不揮発性メモリセルを形成することができる。図29に示す不揮発性メモリセルによれば、コントロールゲート電極52を備える選択トランジスタをオン/オフすることにより、特定の不揮発性メモリセルを選択する。そして、メモリゲート電極56を備えるメモリトランジスタにおいて、電荷蓄積膜54に電荷を蓄積することによって書き込み動作を行い、また、電荷蓄積膜54に電荷が蓄積されているか否かによってしきい値電圧が変化することを利用して読み出し動作を行なう。さらに、電荷蓄積膜54に蓄積された電荷を引き抜くことにより消去動作を行なうようになっている。
(実施の形態5)
前記実施の形態1では、窒素あるいはアルゴンを充填した加熱処理を用いてスパイクアニールを実施する例について説明した。本実施の形態5では、水素あるいは重水素を充填した加熱処理装置を用いてスパイクアニールを実施する例について説明する。
図32は、本実施の形態5におけるスパイクアニールを実施する加熱処理装置100を示した図である。図32に示す加熱処理装置は、前記実施の形態1で使用する加熱処理装置100とほぼ同様の構成をとっている。異なる点は、前記実施の形態1では、窒素あるいはアルゴンを充填した状態で加熱するのに対し、本実施の形態5では、水素あるいは重水素を充填した状態で加熱する点である。すなわち、本実施の形態5では、例えば、加熱処理装置100としてレーザアニール装置を使用する場合、水素あるいは重水素を含む雰囲気中で、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件でスパイクアニールを実施する。これにより、ニッケルシリサイド膜の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、層間絶縁膜中の水素や水分を充分に除去することができる。なお、加熱処理装置100は、レーザアニール装置だけでなく、キセノンランプを用いたフラッシュランプアニール装置を使用してスパイクアニールを実施することもできる。フラッシュランプアニール装置を使用する場合、スパイクアニールはレーザアニール装置を使用する場合と同様に、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にする条件で実施する。さらに、本実施の形態5におけるスパイクアニールは、赤外線ランプを使用する瞬時熱アニール装置(RTA)を用いて実施してもよい。瞬時熱アニール装置を用いる場合、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を1秒以上10秒以下にする条件で実施する。
ここで、水素あるいは重水素を含む雰囲気中で半導体基板を加熱すると、加熱工程において、雰囲気を構成する水素あるいは重水素がゲート絶縁膜中に侵入する懸念がある。しかし、以下に説明するように、水素あるいは重水素を含む雰囲気中でスパイクアニールを実施すると、かえってMISFETのMBTi寿命を向上させることができるのである。すなわち、層間絶縁膜中に含まれる水素や水分が拡散してゲート絶縁膜に侵入する場合、ゲート絶縁膜中でシリコン−水素(Si−H)結合を形成するが、このとき形成されるシリコン−水素結合は非常に弱いものである。このため、シリコン−水素結合が切れて、シリコンに未結合手(ダングリングボンド)が生じ固定電荷が発生する。固定電荷が生成されるとしきい値電圧の変動が加速され、MBTi寿命が劣化する。つまり、MBTi寿命が劣化するのは、ゲート絶縁膜にシリコン−水素結合が生じるためというよりも、形成されたシリコン−水素結合が切れて固定電荷が発生する点にある。
ここで、水素あるいは重水素を含む雰囲気中でスパイクアニールを実施した場合、ゲート絶縁膜内で水素あるいは重水素とシリコンが結合してシリコン−水素結合が形成される。しかし、本実施の形態5のようなスパイクアニールで意図的に形成されるシリコン−水素結合は、層間絶縁膜から拡散する水素あるいは水分によって形成されるシリコン−水素結合に比べて結合力が強くなっている。したがって、スパイクアニールによって意図的に形成されるシリコン−水素結合は切れにくく、固定電荷の発生を抑制することができるのである。つまり、ゲート絶縁膜に強い結合力を持ったシリコン−水素結合を意図的に形成することにより、層間絶縁膜から拡散してきた水素による弱いシリコン−水素結合の形成を抑制して、しきい値電圧の変動を生じる固定電荷の発生を低減できるのである。特に、重水素とシリコンの結合力は、水素とシリコンの結合力よりも強いので、重水素を多く含有させることがより効果的である。なお、本実施の形態5におけるスパイクアニールは、雰囲気中の水素と重水素のモル濃度を50%以上100%以下にして実施することが望ましい。
このようなことから、本実施の形態5によるスパイクアニールでは、ニッケルシリサイド膜の高抵抗化あるいは凝集を招くことなく、層間絶縁膜中の水素や水分を充分に除去することができる。さらに、ゲート絶縁膜中に強い結合力をもったシリコン−水素結合を意図的に形成することができる。このため、ニッケルシリサイド膜を形成した半導体装置の特性を劣化させることなく、半導体装置のMBTi寿命を向上させることができる。なお、本実施の形態5におけるスパイクアニールは、前記実施の形態1〜4で示したスパイクアニールに適用することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図1に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図2に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図3に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図4に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図5に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図6に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図7に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図8に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図9に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図10に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図11に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態1における加熱処理装置の概略構成を示す図である。 図12に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図24に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図25に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図26に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図27に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態4における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図29に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図30に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態5における加熱処理装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 素子分離領域
3 p型ウェル
4 n型ウェル
5 ゲート絶縁膜
6a ゲート電極
6b ゲート電極
7 オフセットスペーサ
8 低濃度n型不純物拡散領域
9 p型半導体領域
10 低濃度p型不純物拡散領域
11 n型半導体領域
12 サイドウォール
13 高濃度n型不純物拡散領域
14 高濃度p型不純物拡散領域
15 ニッケル膜
16 ニッケルシリサイド膜
17 窒化シリコン膜
18 酸化シリコン膜
19 コンタクトホール
20a チタン/窒化チタン膜
20b タングステン膜
21 プラグ
22a チタン/窒化チタン膜
22b アルミニウム膜
22c チタン/窒化チタン膜
23 配線
30 窒化シリコン膜
31 酸化シリコン膜
32 配線溝
33a チタン/窒化チタン膜
33b 銅膜
34 配線
35 窒化シリコン膜
36 酸化シリコン膜
37 窒化シリコン膜
38 酸化シリコン膜
39 接続孔
40 配線溝
41a チタン/窒化チタン膜
41b 銅膜
42 配線
50 半導体基板
51 ゲート絶縁膜
52 コントロールゲート電極
53 第1電位障壁膜
54 電荷蓄積膜
55 第2電位障壁膜
56 メモリゲート電極
57 不純物拡散領域
58 サイドウォール
59 ニッケルシリサイド膜
60 窒化シリコン膜
61 酸化シリコン膜
100 加熱処理装置
101 ステージ
102 外枠体
103 射出口

Claims (18)

  1. (a)半導体基板上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    (b)前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程と、
    (c)前記ゲート電極に整合してソース領域およびドレイン領域を形成する工程と、
    (d)前記ゲート電極、前記ソース領域および前記ドレイン領域にニッケルシリサイド膜を形成する工程と、
    (e)前記(d)工程後、熱処理をする工程とを備え、
    前記(e)工程は、温度を700℃以上1300℃以下にし、かつ、加熱時間を10秒以下にする条件で実施することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記(e)工程は、瞬時熱アニール装置を用いて実施し、加熱時間を1秒以上10秒以下にすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記(e)工程は、レーザアニール装置を用いて実施し、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記(e)工程は、フラッシュランプアニール装置を用いて実施し、加熱時間を1マイクロ秒以上1ミリ秒以下にすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記(d)工程後、前記半導体基板上に窒化シリコン膜を形成し、前記窒化シリコン膜を形成した後、前記(e)工程を実施することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記(d)工程後、前記半導体基板上に窒化シリコン膜と酸化シリコン膜からなる積層膜を形成し、前記積層膜を形成した後、前記(e)工程を実施することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記酸化シリコン膜は、TEOSを原料としたCVD法を用いて形成することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記(d)工程後、前記半導体基板上に配線層を形成し、前記配線層を形成した後、前記(e)工程を実施することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記(e)工程は、窒素あるいはアルゴンを含む雰囲気中で実施することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記(e)工程は、水素あるいは重水素を含む雰囲気中で実施することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記半導体装置は、不揮発性メモリを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記(e)工程は、前記ニッケルシリサイド膜の抵抗値を増加させる組成変化および凝集を起こさないことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記(e)工程は、前記ニッケルシリサイド膜の抵抗値を増加させる組成変化および凝集を起こさない一方、前記積層膜中に存在する水素あるいは水分を除去することを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記(e)工程は、前記ソース領域あるいは前記ドレイン領域に含まれている不純物の活性化も兼ねることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記(e)工程は、温度を1000℃以上1100℃以下にし、かつ、加熱時間を0.1秒以下にする条件で実施することを特徴とする請求項14記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記半導体装置は、pチャネル型MISFETを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記ゲート電極のゲート長は、50nm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記ゲート絶縁膜は、酸窒化シリコン膜から形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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