JP2007279611A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、膜厚の厚い層および膜厚の薄い層がこの順で形成され、かつ膜厚の薄い層の表面に筋ムラ等のないカラーフィルタ、およびその製造方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、基板と、前記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、前記基板上または前記基板および前記厚膜部上に形成され、かつ前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている前記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、
前記厚膜部の膜厚を1としたときに、塗布時の膜厚が0.5〜5.0の範囲内となるように、前記基板上、または前記基板および前記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、前記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半透過型の液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタ、およびその製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置として、外光の反射と、バックライト光の透過光とを利用した半透過型液晶表示装置が開発され、この半透過型液晶表示装置は、外光を利用して表示を行なう従来の反射型カラー液晶表示装置に、バックライトを兼ね備え、周囲が暗い場合でもバックライトによる表示(透過表示)が行なえる、という利点を有する。しかしながら、このような半透過型液晶表示装置に用いられるカラーフィルタにおいては、外光が入射光および反射光として着色層を2回通過することから、外光により表示が行われる反射光用領域の色特性と、バックライト光によって表示が行われる透過光用領域との色特性が異なるという問題を有する場合があった。
そこで、例えば図8に示すように、基板1の反射光用領域r上に、透明樹脂層2を形成し、その透明樹脂層2を覆うように着色層4を形成する方法が提案されている(特許文献1)。この方法によれば、透明樹脂層2上に形成された着色層4の膜厚を薄く形成することができ、反射光用領域rの着色層4の膜厚と、透過光用領域tでの着色層4の膜厚とを異なるものとすることができる。したがってそれぞれの領域の色特性を調整することが可能となる。またこの際、上記反射光用領域rと透過光用領域tとの着色層表面に生じる膜厚差によって、カラーフィルタを対向基板11と対向させて配置した際のセルギャップ(aおよびb)を調整し、反射光用領域および透過光用領域における光の光路長差も調整することができる、という利点も有する。
また、例えば図9に示すように、反射光用領域rに、薄色の反射光用着色層2を膜厚が厚くなるように形成し、透過光用領域tに濃色の透過光用着色層4を膜厚が薄くなるように形成することにより、それぞれの領域の色特性を調整する方法も提案されている。この場合においても、上記反射光用領域rと透過光用領域tとのそれぞれの着色層(2および4)の膜厚差によって、カラーフィルタを対向基板と対向させて配置した際のセルギャップを調整し、反射光用領域および透過光用領域における光の光路長差を調整することができる、という利点を有する。
しかしながら、上記図8で示した方法においては、通常膜厚の厚い厚膜部(上記透明樹脂層)が形成された後に、膜厚の薄い薄膜部(上記着色層)が形成されることとなる。また図9で示した方法においては、原理上、膜厚の厚い厚膜部(上記反射光用着色層)と膜厚の薄い薄膜部(上記透過光用着色層)との形成順序は特に限定されるものではなく、いずれを先に形成することも可能である。しかしながら、各着色層を形成する際に加えられる熱による膜収縮や、各着色層形成用塗工液の非揮発性成分の全部あるいは一部が、本来着色層を形成する以外の領域に残ってしまった場合の残渣の影響、塗膜の耐性(耐熱性、UV耐性、および密着性等)等を考慮すると、厚膜部を形成した後に、薄膜部を形成することが必要とされる場合がある。これらの場合、例えば一般的な着色層の形成に用いられている方法により薄膜部を形成すると、基板上に形成される薄膜部の表面に放射状に筋ムラが生じてしまい、カラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、例えば色ムラや表示不良等の原因となる場合があるという問題があった。
特開2004−102243公報
上記のことから、膜厚の厚い層および膜厚の薄い層がこの順で形成され、かつ膜厚の薄い層の表面に筋ムラ等のないカラーフィルタ、およびその製造方法の提供が望まれている。
本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記厚膜部の膜厚を1としたときに、塗布時の膜厚が0.5〜5の範囲内となるように、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、塗布時の膜厚が上記範囲内となるように薄膜部形成用塗工液を塗布することから、上記厚膜部より膜厚が薄く、かつ表面に膜厚差の少ない薄膜部を形成することが可能となる。また本発明においては有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の値以上の膜厚差を有する部分がないものとされることから、製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
また本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記厚膜部の膜厚を1としたときに、固化膜厚が0.02〜0.75の範囲内となるように、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の値以上の膜厚差を有する部分がないものとされることから、製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
上記発明においては、上記薄膜部形成用塗工液の塗布時の膜厚が、上記厚膜部の膜厚を1としたときに、0.5〜5.0の範囲内であることが好ましい。これにより、上述したような膜厚を有し、かつ表面に膜厚差の少ない薄膜部を形成することが可能となるからである。
また本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に、固形分濃度が5%〜45%の範囲内である薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記固形分濃度を有する薄膜部形成用塗工液を用いることから、薄膜部表面に、膜厚差の少ないカラーフィルタを製造することができ、製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
上記発明において、上記薄膜部形成工程は、上記薄膜部形成用塗工液をダイコーターにより塗布する工程としてもよく、また上記薄膜部形成工程は、上記薄膜部形成用塗工液をスピンコート法により塗布した後、必要時間静置する過程を経て、上記薄膜部形成用塗工液を固化させる工程としてもよい。これにより、薄膜部の膜厚差のより少ないカラーフィルタを製造することができるからである。
また本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に上記厚膜部形成後に形成され、かつ上記厚膜部の膜厚を1としたときに、膜厚が0.02〜0.75の範囲内である薄膜部とを有するカラーフィルタであって、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないことを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、上記薄膜部の表面に生じている膜厚差が少ないものとされていることから、カラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
また本発明は、上記カラーフィルタの上記厚膜部が透明樹脂層であり、上記薄膜部が着色層であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。本発明によれば、上記着色層表面に膜厚差が少ないものとすることができ、色ムラ等の少ない半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることができる。また、上記透明樹脂層の膜厚に対して、着色層の膜厚が上記範囲内とされることから、透過光用領域および反射光用領域における光路長差を良好に調整することが可能となり、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることができるという利点も有している。
またさらに本発明は、上記カラーフィルタの、上記厚膜部が反射光用着色層であり、上記薄膜部が透過光用着色層であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを提供する。本発明によれば、上記透過光用着色層表面に膜厚差が少ないものとすることができ、色ムラや表示不良等の少ない高品質な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることができる。またさらに、上記反射光用着色層の膜厚に対して、透過光用着色層の膜厚が上記範囲内とされることから、反射光用領域および透過光用領域における色特性や光路長差を良好に調整することが可能となり、高品質な色表示が可能な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることができるという利点も有している。
本発明によれば、所定の膜厚を有する膜厚の厚い層および膜厚の薄い層を、膜厚の厚い層、膜厚の薄い層の順で形成することが可能であり、かつ膜厚の薄い層の膜厚差が少ないものとすることが可能となる。したがって、本発明により製造されたカラーフィルタは、液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができるという効果を奏するものである。
本発明は、半透過型の液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタ、およびその製造方法に関するものである。
以下、それぞれについてわけて説明する。
A.カラーフィルタの製造方法
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、3つの実施態様がある。以下、それぞれ説明する。
1.第1実施態様
本発明のカラーフィルタの製造方法の第1実施態様は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の範囲内での膜厚差が所定の値以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記厚膜部の膜厚に対して、塗布時の膜厚が所定の範囲内となるように、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有するものである。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図1(a)に示すように、パターン状に厚膜部2が形成された基板1を準備し、この基板1上、または基板1および厚膜部2上に、薄膜部形成用塗工液3を塗布し(図1(b))、薄膜部4を形成する(図1(c))薄膜部形成工程を有するものである。なお、上記薄膜部形成工程は、例えば図1(b)に示すように、上記基板1および上記厚膜部2上に薄膜部形成用塗工液3を塗布し、薄膜部4を形成する工程であってもよく、また例えば図2に示すように、上記基板1上および上記厚膜部2上に薄膜部形成用塗工液3を塗布し(図2(a))、上記基板1上にのみ薄膜部4を形成する(図2(b))工程であってもよい。いずれの場合においても、上記薄膜部形成用塗工液3の塗布時の膜厚aは、厚膜部2の膜厚bに対して所定の範囲内とされる。また、本実施態様により製造されたカラーフィルタの、有効表示領域内に、1回の薄膜部形成工程によって形成された薄膜部の表面には、所定の値以上大きな膜厚差がないものとされる。ここで、有効表示領域とは、カラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、パネル周縁部や画素(各着色層)間に形成されたブラックマトリクス等によって遮光されていない部分であって、さらにパネル周縁部のブラックマトリクスの内縁から5mm以上離れた部分であり、画像等の表示に用いられる領域をいうこととする。
本実施態様によれば、薄膜部形成用塗工液の塗布時の膜厚が、厚膜部の膜厚に対して所定の範囲内となるように薄膜部形成用塗工液を塗布することから、形成される薄膜部の表面に、所定の値以上大きな膜厚差が生じないものとすることができる。したがって、本実施態様により製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、例えば表示不良や着色層の色ムラ等が生じないものとすることができ、高品質なカラーフィルタとすることが可能となるのである。
また、本実施態様によれば、例えば厚膜部(透明樹脂層)を反射光用領域のみに形成し、薄膜部(着色層)を反射光用領域および透過光用領域に形成することにより、反射光用領域および透過光用領域の光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることや、例えば反射光用領域に厚膜部(反射光用着色層)が形成された基板の透過光用領域上に薄膜部(透過光用着色層)を形成することにより、反射光用着色層および透過光用着色層の色特性や光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における各工程を詳しく説明する。
(1)薄膜部形成工程
まず、本実施態様における薄膜部形成工程について説明する。本実施態様における薄膜部形成工程は、パターン状に厚膜部が形成された基板上に、厚膜部の膜厚を1としたときに、塗布時の膜厚が0.5〜5.0の範囲内、中でも0.6〜4.0の範囲内、特に0.7〜3.0の範囲内となるように、基板上、または基板および厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、薄膜部を形成する工程である。なお上記塗布時の膜厚は、光干渉を利用した非接触式の膜厚測定器により測定することができる。また、上記膜厚は、薄膜部形成用塗工液が基板に塗布されてから2分以内、中でも1.5分以内、特に1分以内に測定されることとなる。ここで上記薄膜部形成用塗工液は、上記基板および厚膜部全面を覆うように塗布されるものであってもよく、また上記基板上のみに塗布されるものであってもよいが、基板および厚膜部上に薄膜部形成用塗工液が塗布される場合、上記塗布時の膜厚とは、基板上に塗布された薄膜部形成用塗工液の塗布時の膜厚をいうこととする。
また本工程において、有効表示領域に形成される上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上、中でも0.10μm以上、特に0.05μm以上である部分がないように、薄膜部が形成されることとなる。上記膜厚差を上記範囲内とすることにより、本発明により製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が生じ難いものとすることができる。上記薄膜部の表面の膜厚差は、上記薄膜部形成用塗工液を完全に乾燥または硬化させた後、上述の非接触式の膜厚測定器、または触針式の膜厚測定器によって薄膜部の表面を測定することにより得られる値である。
なお、通常カラーフィルタは、各画素内において、隣接する画素やブラックマトリックスの影響により、それらからの距離に応じて膜厚が変化することが普通である。しかしながら、本発明でいう膜厚差とは、このような微視的な要因に起因する膜厚差ではなく、1回の薄膜部形成工程で形成された薄膜部の異なる画素内において、隣接する画素やブラックマトリックスからの距離が相対的に同一である箇所間の膜厚差を意味する。
ここで、本実施態様における薄膜部形成用塗工液の塗布方法としては、薄膜部形成用塗工液の塗布時の膜厚が上記範囲内となるように、薄膜部形成用塗工液を塗布することが可能であり、かつ薄膜部形成用塗工液が塗布されて形成された薄膜部の表面に、上記範囲以上の膜厚差が生じないように薄膜部を形成可能な方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば特開2002−153795公報に記載されるようなダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布する方法、またはスピンコート法により薄膜部形成用塗工液を塗布した後、必要時間静置し、その後、薄膜部形成用塗工液を乾燥または固化させる方法等が挙げられる。なお、上記必要時間は、薄膜部形成用塗工液の種類や濃度、粘度等によって適宜選択されるものであり、予め薄膜部形成用塗工液のレベリングに必要な時間を測定することにより決定される。
本実施態様においては上記の中でも特に、ダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布する方法が用いられることが好ましい。これにより、効率よく目的とする薄膜部を形成することが可能となるからである。
また本実施態様に用いられる薄膜部形成用塗工液としては、熱硬化型のものであってもよく、また紫外線硬化型のものであってもよく、固化(乾燥または硬化)して所定の膜厚を有する薄膜部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、薄膜部の機能に合わせて適宜選択される。本実施態様においては特に、薄膜部形成用塗工液の固形分濃度が5%〜45%の範囲内、中でも7%〜40%の範囲内、特に10%〜36%の範囲内であることが好ましい。また上記薄膜部形成用塗工液の粘度が0.1cP〜30cPの範囲内、中でも1cP〜20cPの範囲内、特に2cP〜15cPの範囲内であることが好ましい。これにより、上記薄膜部形成用塗工液が固化(乾燥または硬化)して形成された薄膜部の表面の膜厚差を、容易に上述した範囲内とすることが可能となるからである。なお、上記粘度は、ローターを用いたトルク・バランス方式の粘度計により、温度23℃、ローター回転数20rpmの条件により測定される値である。
また、本工程により形成される固化後の薄膜部の膜厚としては、薄膜部の機能等に応じて適宜選択されるものであるが、通常0.20μm〜3.0μm程度、中でも0.20μm〜2.5μm程度、特に0.20μm〜2.3μm程度とされることが好ましい。
なお、上記薄膜部形成用塗工液の種類は、薄膜部に必要とされる機能に基づいて適宜選択され、一般的なカラーフィルタの各部材の形成に用いられるものと同様とすることができる。例えばカラーフィルタの着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液や、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの透過光用領域に用いられる透過光用着色層形成用塗工液等とすることができる。
また、本実施態様に用いられる基板としては、一般的なカラーフィルタに用いられる基板と同様とすることができ、透明性や可撓性等は適宜選択される。またさらに、上記基板上にパターン状に形成されている厚膜部としては、例えば半透過型液晶表示装置用カラーフィルタにおける反射光用領域と透過光用領域との光路長差を調整するために用いられる透明樹脂層や、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの反射光用領域に用いられる反射光用着色層等とすることができる。またさらに、樹脂層内に樹脂と異なる屈折率を有する材料、あるいは空隙を有する、光散乱機能を有する層等であってもよい。なお、上記厚膜部の膜厚としては、厚膜部の機能等により適宜選択されるものであるが、通常0.5μm〜10.0μm程度、中でも1.0μm〜8.0μm程度、特に1.5μm〜5.0μm程度とされることが好ましい。これにより、上記薄膜部との膜厚比を利用して、例えば半透過型液晶表示装置の反射光用領域と透過光用領域との光路長差等を調整することが可能となるからである。このような厚膜部としては、一般的なカラーフィルタに用いられる上記各部材と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)その他の工程
また、本実施態様のカラーフィルタの製造方法においては、上述した薄膜部形成用塗工液以外に、例えば基板上に上記厚膜部を形成する厚膜部形成工程や、薄膜部上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、液晶配向制御用突起や、セルギャップ保持用の構造物(フォトスペーサ)を形成する工程等を有するもの等であってもよい。
このような各工程については、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
2.第2実施態様
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法における第2実施態様について説明する。本実施態様におけるカラーフィルタの製造方法は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の範囲内での膜厚差が所定の値以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記厚膜部の膜厚に対して、固化膜厚が所定の範囲内となるように、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とする方法である。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図3(a)に示すように、パターン状に厚膜部2が形成された基板1を準備し、この基板1上、または基板1および厚膜部2上に、薄膜部形成用塗工液を塗布して、薄膜部4を形成する(図3(b))薄膜部形成工程を有するものであり、上記薄膜部の固化膜厚cが、厚膜部2の膜厚bに対して所定の範囲内となるように薄膜部が形成されるものである。また、本実施態様により製造されたカラーフィルタの、有効表示領域内の薄膜部4の表面には、所定の値以上大きな膜厚差がないものとされる。
本実施態様によれば、上記薄膜部の表面に、所定の値以上大きな膜厚差が生じないように薄膜部が形成されることから、液晶表示装置に用いられた際、表示不良や着色層の色ムラ等が生じない高品質なカラーフィルタとすることが可能となる。
また、本実施態様においては、上記厚膜部の膜厚と、薄膜部の膜厚との比が所定の範囲内とされることから、例えば厚膜部(透明樹脂層)を反射光用領域のみに形成し、薄膜部(着色層)を反射光用領域および透過光用領域に形成することにより、反射光用領域および透過光用領域の光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることや、例えば反射光用領域に厚膜部(反射光用着色層)が形成された基板の透過光用領域上に、薄膜部(透過光用着色層)を形成することにより、反射光用着色層および透過光用着色層の色特性や光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
(1)薄膜部形成工程
まず、本実施態様における薄膜部形成工程について説明する。本実施態様における薄膜部形成工程は、上記厚膜部の膜厚を1としたときに、固化膜厚が0.02〜0.75の範囲内、中でも0.05〜0.70の範囲内、特に0.1〜0.65の範囲内となるように、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、薄膜部を形成する工程である。ここで、上記固化膜厚とは、薄膜部形成用塗工液が完全に乾燥または硬化した状態での膜厚をいうこととする。また、上記薄膜部は、上記基板上にのみ形成されるものであってもよく、また上記基板および厚膜部を覆うように形成されるものであってもよいが、上記基板および厚膜部上に薄膜部が形成される場合には、上記薄膜部の固化膜厚とは、基板上に形成される薄膜部の固化膜厚をいうこととする。
またこの際、有効表示領域に形成される上記薄膜部の表面には、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上、中でも0.10μm以上、特に0.05μm以上である部分がないように、上記薄膜部が形成されることが好ましい。上記膜厚差を上記範囲内とすることにより、本発明により製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が生じ難いものとすることができるからである。上記薄膜部の表面の膜厚差は、上述した方法により測定される値である。
ここで、厚膜部の膜厚に対する薄膜部の固化膜厚が上述した範囲内となり、かつ表面の膜厚差が上記範囲内となるように薄膜部を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布する方法、またはスピンコート法により薄膜部形成用塗工液を塗布した後、必要時間静置し、その後薄膜部形成用塗工液を固化(乾燥または硬化)させる方法等が挙げられる。なお、上記必要時間については、第1実施態様で説明した方法と同様の方法により決定される。
本実施態様においても、特にダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布し、薄膜部を形成する方法であることが好ましい。これにより、上述したような膜厚を有し、かつ表面に膜厚差のない薄膜部を効率よく形成することが可能となるからである。なお、本実施態様に用いられる薄膜部形成用塗工液の種類や濃度、粘度、塗布時の膜厚等については、上述した第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。また本工程に用いられる基板や厚膜部についても、上述した第1実施態様に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)その他の工程
また、本実施態様のカラーフィルタの製造方法においても、上述した薄膜部形成用塗工液以外に、例えば基板上に上記厚膜部を形成する厚膜部形成工程や、薄膜部上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、液晶配向制御用突起や、セルギャップ保持用の構造物(フォトスペーサ)を形成する工程等を有するもの等であってもよい。
このような各工程については、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
3.第3実施態様
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法の第3実施態様について説明する。本実施態様におけるカラーフィルタの製造方法は、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に形成され、かつ上記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の範囲内での膜厚差が所定の範囲以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に、固形分濃度が所定の範囲内である薄膜部形成用塗工液を塗布して、上記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とする方法である。
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、例えば図4(a)に示すように、パターン状に厚膜部2が形成された基板1を準備し、この基板1上、または基板1および厚膜部2上に、所定の濃度を有する薄膜部形成用塗工液3を塗布し(図4(b))、薄膜部4を形成する(図4(c))方法である。また、本実施態様により製造されたカラーフィルタの、有効表示領域内の薄膜部4の表面には、所定の値以上大きな膜厚差がないものとされる。
本実施態様によれば、所定の濃度の薄膜部形成用塗工液を塗布し、薄膜部を形成することから、薄膜部表面に、膜厚差の少ないカラーフィルタを製造することができ、製造されたカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
また、本実施態様においては、膜厚の厚い厚膜部と膜厚の厚い薄膜部とを有するカラーフィルタとされることから、例えば厚膜部(透明樹脂層)を反射光用領域のみに形成し、薄膜部(着色層)を反射光用領域および透過光用領域に形成することにより、反射光用領域および透過光用領域の光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることや、例えば反射光用領域に厚膜部(反射光用着色層)が形成された基板の透過光用領域上に、薄膜部(透過光用着色層)を形成することにより、反射光用着色層および透過光用着色層の色特性や光路長差を調整した半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることが可能となる。
以下、本実施態様のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
(1)薄膜部形成工程
まず、本実施態様における薄膜部形成工程について説明する。本実施態様における薄膜部形成工程は、上記基板上、または上記基板および上記厚膜部上に、固形分濃度が5%〜45%の範囲内、中でも7%〜42%の範囲内、特に10%〜40%の範囲内の薄膜部形成用塗工液を塗布して、薄膜部を形成する工程である。薄膜部形成用塗工液の固形分濃度を上記範囲内とすることにより、有効表示領域に形成される上記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上、中でも0.10μm以上、特に0.05μm以上である部分がないように、薄膜部を形成することが可能となる。上記薄膜部の表面の膜厚差は、上述した方法により測定される値である。
また本実施態様においては、上記薄膜部形成用塗工液の粘度が0.1cP〜30cPの範囲内、中でも1cP〜20cPの範囲内、特に2cP〜15cPの範囲内であることが好ましい。これにより、上記薄膜部形成用塗工液が固化(乾燥または硬化)して形成された薄膜部の表面の膜厚差を、より容易に上述した範囲内とすることが可能となるからである。なお、上記粘度は上述した方法により測定される値である。
ここで、本実施態様において上記固形分濃度を有する薄膜部形成用塗工液を塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布する方法、またはスピンコート法により薄膜部形成用塗工液を塗布した後、一定時間静置し、その後、薄膜部形成用塗工液を乾燥または硬化させる方法等が挙げられる。なお、上記必要時間については、第1実施態様で説明した方法と同様の方法により決定される。
本実施態様においても、ダイコート法で薄膜部形成用塗工液を塗布し、薄膜部を形成する方法が用いられることが特に好ましい。これにより、表面に膜厚差のない薄膜部を効率よく形成することが可能となるからである。なお、本実施態様に用いられる薄膜部形成用塗工液の種類や塗布時の膜厚、乾燥または硬化時の膜厚等については、上述した第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。また本工程に用いられる基板や厚膜部についても、上述した第1実施態様に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)その他の工程
また、本実施態様のカラーフィルタの製造方法においても、上述した薄膜部形成用塗工液以外に、例えば基板上に上記厚膜部を形成する厚膜部形成工程や、薄膜部上に透明導電層を形成する透明導電層形成工程、液晶配向制御用突起や、セルギャップ保持用の構造物(フォトスペーサ)を形成する工程等を有するもの等であってもよい。
このような各工程については、一般的なカラーフィルタの製造方法におけるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
B.カラーフィルタ
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基板と、上記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、上記基板上または上記基板および上記厚膜部上に上記厚膜部形成後に形成され、かつ上記厚膜部の膜厚を1としたときに、膜厚が所定の範囲内である薄膜部とを有するカラーフィルタであって、有効表示領域に形成されている上記薄膜部の表面に、所定の範囲内での膜厚差が所定の値以上である部分がないことを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタは、例えば図5に示すように、基板1と、その基板1上にパターン状に形成された厚膜部2と、上記厚膜部2が形成された後に形成され、かつ上記厚膜部2の膜厚bに対して所定の範囲内の膜厚cを有する薄膜部4とを有するカラーフィルタであって、有効表示領域に形成されている上記薄膜部4の表面に、所定の値以上の膜厚差を有する部分がないように形成されているものである。
本発明によれば、上記薄膜部の表面に、膜厚差が少ないものとすることができることから、カラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が少ないものとすることができる。
また、本発明においては、上記厚膜部の膜厚と、薄膜部の膜厚との比が所定の範囲内とされることから、例えば反射光用領域のみに形成された厚膜部(透明樹脂層)と、反射光用領域および透過光用領域に形成された薄膜部(着色層)とを有し、反射光用領域および透過光用領域の光路長差が調整された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすることや、例えば反射光用領域に形成された厚膜部(反射光用着色層)と、透過光用領域に形成された薄膜部(透過光用着色層)とを有し、反射光用着色層および透過光用着色層の色特性や光路長差が調整された半透過型液晶表示装置用カラーフィルタとすること等が可能となる。
以下、本発明のカラーフィルタについて、各構成ごとに詳しく説明する。
1.薄膜部
まず、本発明のカラーフィルタに用いられる薄膜部について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる薄膜部は、後述する基板上、または基板および厚膜部上に形成されているものであって、後述する厚膜部の膜厚を1としたときに、0.02〜0.75の範囲内、中でも0.05〜0.70の範囲内、特に0.10〜0.65の範囲内の膜厚で形成されているものである。なお、上記薄膜部は、上記基板上にのみ形成されているものであってもよく、また上記基板および厚膜部を覆うように形成されているものであってもよいが、上記基板および厚膜部上に薄膜部が形成されている場合、上記薄膜部の膜厚とは、基板上に形成されている部分の薄膜部の膜厚をいうこととする。
また、上記薄膜部の表面には、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上、中でも0.10μm以上、特に0.05μm以上である部分がないものとされる。上記薄膜部の表面の膜厚差は、上述した方法により測定される値である。これにより、本発明のカラーフィルタが液晶表示装置に用いられた際、色ムラや表示不良等が生じないものとすることができるからである。
また上記薄膜分の膜厚としては、薄膜部の用途によって適宜選択されるものであるが、通常0.20μm〜3.0μm程度、中でも0.20μm〜2.5μm程度、特に0.20μm〜2.3μm程度とされることが好ましい。
なお、上述したような薄膜部の形成方法や薄膜部の形成に用いられる薄膜部形成用塗工液等については、上述した「A.カラーフィルタの製造方法」で説明したものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
このような薄膜部としては、上述したように、例えば半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられる着色層や、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの、透過光用領域に形成される透過光用着色層等とすることができる。
2.厚膜部
次に、本発明のカラーフィルタに用いられる厚膜部について説明する。本発明のカラーフィルタに用いられる厚膜部は、後述する基板上にパターン状に形成されているものであれば、その種類等は特に限定されるものではなく、カラーフィルタの種類等によって適宜選択される。例えば上記厚膜部が、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの反射光用領域に形成される透明樹脂層とされていてもよく、また半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの反射光用領域に用いられる反射光用層等であってもよい。またさらに、樹脂層内に樹脂と異なる屈折率を有する材料、あるいは空隙を有する、光散乱機能を有する層等であってもよい。
また厚膜部が形成されるパターンについても、上記厚膜部の用途によって適宜選択されることとなる。またさらに、上記厚膜部の膜厚についても、厚膜部の用途によって適宜選択されるものであるが、通常0.5μm〜10.0μm程度、中でも1.0μm〜8.0μm程度、特に1.5μm〜5.0μm程度とされることが好ましい。
3.基板
次に、本発明のカラーフィルタに用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は、上記厚膜部および薄膜部が形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なカラーフィルタに用いられる基板と同様とすることができる。また、上記基板の透明性や可撓性等については、カラーフィルタの用途等に応じて適宜選択されることとなる。
4.その他
また、本発明のカラーフィルタは、上記基板、厚膜部、および薄膜部を有するものであればその構成等は特に限定されるものではなく、必要に応じて、例えば透明導電層や液晶配向制御用突起、ブラックマトリクス等、適宜他の部材を有していてもよい。このような他の部材については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。
なお、本発明のカラーフィルタは後述するように、半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに特に有用である。上記カラーフィルタを用いることにより、容易に半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの透過光用領域と反射光用領域との光路長差を調整すること等が可能となり、また薄膜部表面に膜厚差がないことから、各領域における色調整等も容易となるからである。
C.半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ
次に本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、2つの実施態様がある。以下、それぞれについてわけて説明する。
1.第1実施態様
まず、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの第1実施態様について説明する。本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの第1実施態様は、上述したカラーフィルタの上記厚膜部が透明樹脂層であり、上記薄膜部が着色層であることを特徴とするものである。
本実施態様の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、例えば図6に示すように、基板1上にパターン状に形成された透明樹脂層2´と、上記基板1および上記透明樹脂層2´を覆うように形成された着色層4´とを有するものとされ、上記透明樹脂層2´が形成されている領域が反射光用領域r、上記透明樹脂層2´が形成されていない領域が透過光用領域tとして用いられることとなる。
本実施態様によれば、上記透明樹脂層2´によって、本実施態様の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10と対向して配置される対向基板11とのギャップ(aおよびb)を調整することが可能となり、反射光用領域rおよび透過光用領域tの光路長差を容易に調整することが可能となる。またさらに、上記着色層4´表面に所定の値以上の膜厚差がないものとされていることから、液晶表示装置とされた際に、色ムラや表示不良等が生じないものとすることができるのである。
なお、上記透明樹脂層や、着色層については、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。
2.第2実施態様
次に、本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの第2実施態様について説明する。本実施態様の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、上記カラーフィルタの、上記厚膜部が反射光用着色層であり、上記薄膜部が透過光用着色層であることを特徴とするものである。
本実施態様の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタは、例えば図7に示すように、基板1上にパターン状に形成された反射光用着色層2´´と、隣接する上記反射光用着色層2´´間に形成された透過光用着色層4´´とを有するものとされ、上記反射光用着色層2´´が形成されている領域が反射光用領域r、上記透過光用着色層4´´が透過光用領域tとして用いられることとなる。
本実施態様によれば、上記反射光用着色層2´´および透過光用着色層4´´の膜厚が異なることから、本実施態様の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ10と対向して配置される対向基板11とのギャップ(aおよびb)を調整することが可能となり、反射光用領域rおよび透過光用領域tの光路長差を容易に調整することが可能となる。またさらに、上記透過光用着色層4´´表面に所定の値以上の膜厚差がないものとされていることから、液晶表示装置とされた際に、透過光用領域において色ムラや表示不良等が生じないものとすることができるのである。
なお、上記反射光用着色層や透過光用着色層については、一般的な半透過型液晶表示装置用カラーフィルタに用いられるものと同様とすることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
620mm×750mm×0.7mmのガラス基板(商品名:AN100 旭硝子(株)製)上に、パネルサイズ4インチのVGA画面に対応して、短辺側に平行に、線幅10μm、間隔42μmのストライプ状のブラックマトリックスを有するパターンをCrで形成した。さらに、幅64μm、高さ3.5μmで64μm間隔のストライプ状透明樹脂層(厚膜部)を、感光性樹脂液(商品名:REPS0101(0623S) 三菱化学(株)製)により形成した。この基板上に、赤色の感光性を有するアクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:RERR0101(E672R) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度3.2cP))をダイコート法により、9.3μm厚に塗布した後、減圧乾燥し、プリベーク、UV露光、現像、熱キュア工程を経て、基板上での膜厚が1.0μm、透明樹脂層上での膜厚が0.3μmであり、幅が42μmである、透明樹脂層に直交するストライプ状の赤色着色層(薄膜部)を、84μm間隔で形成した。
引き続いて、緑色の感光性アクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:REGG0101(E688G) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度2.9cP))、および青色の感光性アクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:REBB0101(E819B) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度3.3cP))を用い、上記と同様に、緑色着色層(薄膜部)および青色着色層(薄膜部)を形成し、カラーフィルタを作成した。このカラーフィルタは、赤、緑、および青の各着色層において、有効表示領域内で距離3mmの範囲内に膜厚差が0.05μm以上となる部分のないものであった。
[実施例2]
620mm×750mm×0.7mmのガラス基板(商品名:AN100 旭硝子(株)製)上に、実施例1と同一のブラックマトリックスパターンを、アクリル樹脂液(商品名:REBK0101(0646A) 三菱化学(株)製)により、1μmの厚さで形成した。さらに、幅64μm、高さ3.5μmで64μm間隔のストライプ状透明樹脂層(厚膜部)を、感光性樹脂液(商品名:REPS0101(0623S) 三菱化学(株)製)により形成した。上記基板上に、赤色の感光性を有するアクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:RERR0101(E672R) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度3.2cP))をスピンコート法により、9.3μm厚に塗布した後、90秒間静置し、減圧乾燥、プリベーク、UV露光、現像、熱キュア工程を経て、基板上での厚さが1.0μm、透明樹脂層上での厚さが0.3μmであり、幅が42μmである、透明樹脂層に直交するストライプ状の赤色着色層(薄膜部)を、84μm間隔で形成した。
引き続いて、緑色の感光性アクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:REGG0101(E688G) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度2.9cP))、および青色の感光性アクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液(商品名:REBB0101(E819B) 三菱化学(株)製、固形分濃度14%、粘度3.3cP))を用い、上記と同様に、緑色着色層(薄膜部)および青色着色層(薄膜部)を形成し、カラーフィルタを作成した。このカラーフィルタは、赤、緑、および青の各着色層において、有効表示領域内で距離3mmの範囲内に膜厚差が0.05μm以上となる部分のないものであった。
[比較例1]
赤色の感光性を有するアクリル樹脂液(薄膜部形成用塗工液)として、固形分濃度が60%、粘度が53.2cPであるものを用い、塗布時の膜厚を1.7μmとした以外は、実施例1と同様に、カラーフィルタを作成した。形成されたカラーフィルタは、赤色着色層において、有効表示領域内で、距離3mmの範囲内に膜厚差が0.10〜0.18μmとなる部分を有していた。
[比較例2]
赤色、緑色、および青色の各感光性樹脂液をスピンコートした後、30秒で減圧乾燥以降の工程へ進んだ以外は、実施例2と同様にカラーフィルタを作成した。形成されたカラーフィルタは、肉眼により、中心から放射状に広がるムラが見え、また上記各色着色層において、有効表示領域内で、距離3mmの範囲内に膜厚差が0.06〜0.12μmとなる部分を有していた。
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 従来の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを示す概略断面図である。 従来の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを示す概略断面図である。
符号の説明
1…基板
2…厚膜部
3…薄膜部形成用塗工液
4…薄膜部

Claims (9)

  1. 基板と、前記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、前記基板上または前記基板および前記厚膜部上に形成され、かつ前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている前記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、
    前記厚膜部の膜厚を1としたときに、塗布時の膜厚が0.5〜5.0の範囲内となるように、前記基板上、または前記基板および前記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、前記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 基板と、前記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、前記基板上または前記基板および前記厚膜部上に形成され、かつ前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている前記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、
    前記厚膜部の膜厚を1としたときに、固化膜厚が0.02〜0.75の範囲内となるように、前記基板上、または前記基板および前記厚膜部上に薄膜部形成用塗工液を塗布して、前記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記薄膜部形成用塗工液の塗布時の膜厚が、前記厚膜部の膜厚を1としたときに、0.5〜5.0の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 基板と、前記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、前記基板上または前記基板および前記厚膜部上に形成され、かつ前記厚膜部より膜厚の薄い薄膜部とを有し、有効表示領域に形成されている前記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないカラーフィルタの製造方法であって、
    前記基板上、または前記基板および前記厚膜部上に、固形分濃度が5%〜45%の範囲内である薄膜部形成用塗工液を塗布して、前記薄膜部を形成する薄膜部形成工程を少なくとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記薄膜部形成工程は、前記薄膜部形成用塗工液をダイコーターにより塗布する工程であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記薄膜部形成工程は、前記薄膜部形成用塗工液をスピンコート法により塗布した後、必要時間静置する過程を経て、前記薄膜部形成用塗工液を固化させる工程であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 基板と、前記基板上にパターン状に形成された厚膜部と、前記基板上または前記基板および前記厚膜部上に前記厚膜部形成後に形成され、かつ前記厚膜部の膜厚を1としたときに、膜厚が0.02〜0.75の範囲内である薄膜部とを有するカラーフィルタであって、
    有効表示領域に形成されている前記薄膜部の表面に、距離3mmの範囲内での膜厚差が0.15μm以上である部分がないことを特徴とするカラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルタの、前記厚膜部が透明樹脂層であり、前記薄膜部が着色層であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
  9. 請求項7に記載のカラーフィルタの、前記厚膜部が反射光用着色層であり、前記薄膜部が透過光用着色層であることを特徴とする半透過型液晶表示装置用カラーフィルタ。
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