JP2007279610A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スペーサ部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、かつ微小荷重域での変位量が大きく、上述したような重力ムラや低温発泡等が発生することがなく、また局所的な荷重に対しても十分な耐性を有し、さらにセルギャップを一定に保つことが可能な、高品質なカラーフィルタを提供することを主目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層と、上記撥液性層上に形成され、樹脂およびビーズを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、上記カラーフィルタに形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタおよびその製造方法に関するものである。
液晶表示装置は、カラーフィルタと液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入することによって薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御してカラーフィルタの透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行うものである。
このような液晶表示装置には、スタティック駆動方式、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方式など種々の駆動方式があるが、近年、パーソナルコンピューターや携帯情報端末などのフラットディスプレーとして、アクティブマトリックス方式又は単純マトリックス方式の液晶パネルを用いたカラー液晶表示装置が急速に普及してきている。
図8は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置パネルの一例である。一般的に液晶表示装置101は、カラーフィルタ11と液晶駆動側基板であるTFTアレイ基板12とを対向させて1〜10μm程度の間隙部13を設け、この間隙部13内に液晶Lを充填し、その周囲をシール材14で密封した構造をとっている(例えば特許文献1等)。カラーフィルタ11は、基材15上に、着色層17間の境界部を遮光するために所定のパターンに形成された遮光部16と、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)を所定順序に配列した着色層17と、オーバーコート層18と、透明電極層19とが、透明基板に近い側からこの順に積層された構成を有するものである。
一方、TFTアレイ基板12は、透明基板上にTFT素子を配列し、透明電極層を設けた構造をとっている(図示せず)。また、カラーフィルタ11及びこれと対向するTFTアレイ基板12の内面側には配向膜20が設けられる。そして、着色層の背後にある液晶層の光透過率を制御することによってカラー画像が得られる。
ところで、このような液晶表示装置においては、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能をカラー液晶表示装置に付与するために、上記液晶層の厚みに相当するセルギャップを一定に、かつ、均一に維持する必要がある。
セルギャップを維持する方法としては、例えば、上記液晶層中にスペーサとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズをランダムに多数散在させる方法が知られている。このような方法においては、スペーサの大きさをもってセルギャップが決定され、維持される。しかしながら、このような方法の場合、カラーフィルタの全面にビーズが散布されることになるため、着色層上にもビーズが散布されてしまい、上記スペーサが無色透明な場合、遮光状態では輝点となり、また上記スペーサが黒色の場合、透過状態で黒点となってしまうという問題があった。
また例えば、図8に示すように、カラーフィルタ11の内面側であって遮光部16上(非表示領域)に、セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサ22を形成する方法も一般的に行われている(例えば特許文献1等)。このような柱状スペーサは、カラーフィルタ上に光硬化性樹脂を均一な厚みに塗布し、得られた塗膜をフォトリソグラフィーによってパターン露光して硬化させることにより形成される。しかしながら、この方法においては、工程が煩雑である等の問題があった。
また一方で、このようなスペーサには、微小な荷重に対して容易に変形する特性が要求される。これは以下の理由によるものである。例えば液晶が低温に置かれた場合、液晶表示装置を構成する部材はすべて収縮しようとし、構成する部材の中では液晶材料の収縮率が最も大きいため、透明基板間のギャップが狭くなる方向に収縮することとなる。このとき、スペーサの変形が上記ギャップの狭まりに追従できなくなると、液晶表示装置内部に負圧が生じ、その結果液晶表示装置内に真空気泡(低温発泡)が発生し易くなるからである。
また、例えば液晶表示装置が用いられる際、バックライトから発せられる熱によって、液晶表示装置に熱がかかる。この場合、液晶表示装置を構成する部材は全て膨張しようとし、この場合においても、構成する部材の中で、液晶材料の膨張率が最も大きいことから、透明基板間のギャップが広くなる方向に膨張することとなる。このとき、上記と同様に、スペーサの変形が、上記ギャップの広がりに追従できなくなると、液晶セル内部に圧力が生じ、その結果透明基板と液晶層との間に隙間ができる。これにより、隙間から液晶材料が溢れ出すこととなり、その溢れ出した液晶材料が重力によって液晶セルから流れ落ち、ムラ(重力ムラ)が生じることとなるからである。
その一方で、さらにスペーサには、強い力を加え、その後力を除去した後の変位量が小さいことも要求される。これは、局所的に液晶セルに加重が加えられた場合、例えば指押し試験等の耐圧試験等において、力が除去された後の変位量が大きい場合には、表示不良が発生する可能性があるからである。
ここで、上記2つの特性は相反するものであることから、上記それぞれの特性を有するスペーサを形成することが困難であり、微小な荷重に対して変形が大きく、強い力に対する変位量の小さい液晶表示装置を形成することが困難であった。
特許公開2001−159707号公報
そこで、スペーサ部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、かつ微小荷重域での変位量が大きく、上述したような重力ムラや低温発泡等が発生することがなく、また局所的な荷重に対しても十分な耐性を有し、さらにセルギャップを一定に保つことが可能な、高品質なカラーフィルタの提供が望まれている。
本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層と、上記撥液性層上に形成され、樹脂およびビーズを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、上記カラーフィルタに形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明においては、上記スペーサ部は、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されるものであることから、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズのみによって、その荷重が支えられることとなり、スペーサ部の変形をより生じやすくすることができる。これにより、例えば重力ムラや低温発泡等が生じることを防止することができる。
一方、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合には、平均粒径の小さいビーズ群からなるビーズによっても、加えられた荷重を支えられることとなることから、スペーサ部が加えられた荷重に対して大きな抗力を有する。したがって、液晶表示装置を局所的な荷重に対しても十分な耐性を有するものとすることができ、またセルギャップを一定にすることが可能なカラーフィルタとすることが可能である。
また、本発明によれば、上記樹脂およびビーズを含有するスペーサ部が、着色層の境界領域上に形成された撥液性層上に形成されていることから、上記スペーサ部が形成されることにより表示品質が低下することがなく、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際に、着色層の輝度低下等が生じることが少ないものとすることができる。
さらに、本発明によれば、上記スペーサ部は撥液性を有する撥液性層上に形成されていることから、上記スペーサ部の形成の際、インクジェット法を用いることにより容易に所定の位置に形成されたものとすることができる。
上記発明においては、上記撥液性層の表面に、フッ素が含有されていることが好ましい。これにより、上記撥液性層の表面を高い撥液性にすることができるため、例えば、上記スペーサ部がインクジェット法により形成された場合、所定の位置により精度良く形成されたものとすることができるからである。
また本発明においては、上記スペーサ部が、上記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部を有するものであってもよい。この場合、粒径が異なるビーズを散在させることができるため、より局所的な荷重に対して高い耐性を有するものとすることができる。また、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズが一つのスペーサ部中に混在したものとすることにより、高さの平均がほぼ均一なスペーサ部を有するものとすることができるという利点を有する。
さらに本発明においては、上記スペーサ部が、上記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、同一ビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部を有するものであってもよい。この場合、平均粒径の大きいビーズ群のビーズを含有するスペーサ部と平均粒径の小さいビーズ群のビーズを含有するスペーサ部それぞれの形成位置を特定することができるため、これらを均一に分散させて形成することができるという利点を有する。
また本発明においては、上記カラーフィルタの所定の領域内に形成された複数のスペーサ部に含まれるビーズ中、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズの数が平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズの数より多いことが好ましい。平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズを多く含有することにより、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合であっても、その荷重に対する耐性を十分なものとすることができるため、セルギャップの均一性が高いものとすることができる。
さらに本発明においては、上記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、平均粒径の最も小さいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量は、平均粒径の最も大きいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量を1とした場合、0.8以下であることが好ましい。これにより、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、大きな荷重に対する平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量が少ないものとすることができ、セルギャップの均一性が高いものとすることができる。
また本発明は、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層とを有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の、上記撥液性層上にインクジェット法により、樹脂および複数のビーズを含有するスペーサ部を形成するスペーサ部形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記インクジェット法により形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記撥液性層は撥液性を有することから、インクジェット法により所望の位置にスペーサ部形成用塗工液を塗布することができる。したがって、高精細なパターン状にスペーサ部を形成することができ、高品質なカラーフィルタを製造することが可能となる。また、本発明によれば、上記スペーサ部をインクジェット法により形成することから、簡易な工程で効率良くカラーフィルタを製造することが可能となるという利点も有する。
本発明は、スペーサ部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、かつ微小荷重域での変位量が大きく、上述したような重力ムラや低温発泡等が発生することがなく、また局所的な荷重に対しても十分な耐性を有し、さらにセルギャップを一定に保つことが可能な、高品質なカラーフィルタを提供することができるという効果を奏する。
本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタおよびその製造方法に関するものである。以下、それぞれについて詳しく説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層と、上記撥液性層上に形成され、樹脂およびビーズを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、上記カラーフィルタに形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルタについて図を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルタの一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明のカラーフィルタ10は、基材1と、上記基材1上にパターン状にかつ複数形成された着色層2と、上記着色層2の境界領域a上に形成された撥液性層3と、上記撥液性層3上に形成され、樹脂および平均粒径が異なる複数のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部4とを有するものである。
図2は、このようなカラーフィルタを用いて製造した液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。このような液晶表示装置においては、図2に例示するように、本発明のカラーフィルタと液晶駆動側基板7とを対向させて配置し、その間に液晶Lが充填される。
本発明によれば、本発明のカラーフィルタを用いて形成された液晶表示装置に微小な荷重がかけられた場合、例えば図2(a)に示すように、平均粒径の大きいビーズ群に含まれる粒径の大きいビーズ5aにのみ荷重がかかることとなる。したがって、その荷重に対する抗力は小さいことから、その粒径の大きいビーズ5aは変形しやすく、液晶表示装置の変位量を大きなものとすることができる。一方、液晶表示装置に大きな荷重がかけられた場合、例えば図2(b)に示すように、荷重は粒径の大きいビーズ5aおよび平均粒径の小さいビーズ群に含まれる粒径の小さいビーズ5bによって、支えられることとなる。したがって、液晶表示装置にかかる荷重は分散され、その粒径の小さいビーズの高さより下方への液晶表示装置の変位が起こりづらく、それ以上の液晶表示装置の変位を少ないものとすることができる。
これにより、本発明の液晶表示装置を、低温発泡や重力ムラ等のないものとすることができ、かつ局所的な荷重がかけられた場合であっても、変形等のない、高品質な液晶表示装置とすることができる。
また本発明においては、上記樹脂およびビーズを含有するスペーサ部が、着色層の境界領域上に形成された撥液性層上、すなわち表示領域外に形成されていることから、上記スペーサ部が形成されることにより表示品質が低下することを抑制することができる。したがって、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際に、着色層の輝度低下等が生じることが少ないものとすることができる。
また、本発明によれば、上記スペーサ部は撥液性を有する撥液性層上に形成されていることから、上記スペーサ部の形成の際、インクジェット法を用いることにより容易に所定の位置に形成されたものとすることができる。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成について詳細に説明する。
1.スペーサ部
まず、本発明に用いられるスペーサ部について説明する。本発明に用いられるスペーサ部は、樹脂およびビーズを含有するものであり、上記ビーズは平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されるものである。また、本発明に用いられるスペーサ部は、後述する着色層の境界領域上の撥液性層上に形成されているものであって、本発明のカラーフィルタが液晶表示装置に用いられる際、カラーフィルタと液晶駆動側基板とのギャップ(セルギャップ)を一定に保つためのスペーサとして機能するものである。
本発明に用いられるスペーサ部が形成される位置としては、後述する着色層の境界領域上に形成された撥液性層上であれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルタの用途や、カラーフィルタと対向して配置される液晶駆動側基板の構造等に応じて任意に決定することができる。なかでも本発明のカラーフィルタにおいては、通常、複数のスペーサ部が規則的に配列するように配置されることが好ましい。
図3は、本発明のカラーフィルタにおいて上記スペーサ部が形成される態様の一例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明のカラーフィルタ10においては、通常、複数のスペーサ部4が、着色層2の境界領域上に形成された撥液性層3上に、規則的に配置されることが好ましい。
ここで、本発明に用いられるスペーサ部に含有されるビーズとしては、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されるものであるが、このようなビーズを含有するスペーサ部としては、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部を有する場合(第1実施態様)と、上記スペーサ部が、上記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、同一ビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部を有する場合(第2実施態様)との2つの実施態様に分けられる。
以下、それぞれの実施態様について分けて説明する。
(1)第1実施態様
まず、本発明におけるスペーサ部の第1実施態様について説明する。本実施態様におけるスペーサ部としては、例えば図2(a)に示すように、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズである5aおよび5bを共に含有し、これらのビーズ5aおよび5bが樹脂6によって固定されているスペーサ部を有するものである。
本実施態様によれば、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを共に含有するスペーサ部を有することにより、粒径の異なるビーズを散在させることができるため、より局所的な荷重に対してより高い耐性を有するものとすることができる。また、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを一つのスペーサ部中に含有させることにより、各スペーサ部の高さの平均をほぼ均一とすることができ、セルギャップを均一に保つことができるという利点を有する。
本実施態様に用いられるスペーサ部としては、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば図1に示すように、全てのスペーサ部が、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部であってもよく、図4に示すように、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部4aの他に、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、同一ビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部を1種類または複数種類有するものであってもよい。本実施態様においては、上述した中でも、少なくとも50%以上、特に好ましくは80%以上のスペーサ部が、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部であることが好ましい。これにより、より局所的な荷重に対する耐性を高めることができ、かつ製造効率の点からも有利となるからである。
また、このような平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部を形成する方法としては、例えば後述するビーズおよび樹脂を含有するスペーサ部形成用塗工液等を用いてインクジェット法により形成することができる。
本実施態様において、スペーサ部形成用塗工液中に含まれるビーズが、平均粒径の大きなビーズ群に含まれるビーズと、平均粒径の小さなビーズ群に含まれるビーズとからなる場合、平均粒径の大きなビーズ群に含まれるビーズのスペーサ部形成用塗工液中に含まれるビーズに対する割合としては、30質量%〜60質量%の範囲内であることが好ましく、特に40質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
また本実施態様に用いられるスペーサ部の高さは、含まれるビーズのうち、平均粒径の一番大きなビーズ群に含まれるビーズの平均粒径に依存し、通常、1.0μm〜8μmの範囲内であることが好ましく、さらには2μm〜6μmの範囲内であることが好ましい。
また、本実施態様に用いられるスペーサ部が形成される面積としては、後述するスペーサ部に含有させるビーズの粒径等に応じて、所望の数のビーズを内包できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本実施態様においては、200μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に300μm〜1200μmの範囲内であることが好ましく、さらには500μm〜800μmの範囲内であることが好ましい。形成面積が上記範囲よりも狭いと、所望数のビーズを内包できない可能性があり、また、上記範囲よりも広いと、スペーサ部が表示領域上まで及んでしまう可能性があり、着色層の輝度低下等のおそれがあるからである。
以下、このようなスペーサ部に含有されるビーズと樹脂とについて、それぞれ分けて説明する。
(a)ビーズ
本実施態様に用いられるビーズとしては、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に分類されるものである。このような平均粒径が異なるビーズ群の種類としては、2種類以上であれば特に限定されるものではないが、本実施態様においては、通常2種類〜3種類程度、好ましくは2種類程度である。
また本実施態様においては、上記カラーフィルタの所定の領域内に形成された複数のスペーサ部に含まれるビーズ中、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズの数が平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズの数より多いことが好ましい。これにより、本実施態様のカラーフィルタを用いて液晶表示装置とした際、液晶表示装置に微小な荷重がかけられた場合、少ない粒径の大きいビーズを含有するスペーサ部によってその荷重を支えることとなり、それらのスペーサ部の変形が生じやすいものとすることができる。一方、大きな荷重が液晶表示装置にかけられた場合には、荷重をかければかけるほど、その荷重に対する抗力が大きくなり、スペーサ部の変位を小さいものとすることができる。したがって、荷重が小さい場合には、液晶表示装置の変位が大きく、荷重が大きい場合には液晶表示装置の変位が少ないものとすることができる。
また本実施態様においては、上記平均粒径の異なる複数種類のビーズ群のうち、平均粒径の最も小さいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量は、平均粒径の最も大きいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量よりも小さいことが好ましい。このように平均粒径の最も小さいビーズが変形しにくいものとすることにより、本実施態様のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた際、大きな荷重に対する耐性を高めることができ、セルギャップの均一性を高いものとすることができる。このような平均粒径の最も小さいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量として具体的には、平均粒径の最も大きいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量を1とした場合、0.8以下であることが好ましく、中でも0.7以下、特に0.45〜0.55の範囲内であることが好ましい。なお、弾性変形量は、微小硬度計(フィッシャー社製H100−V)を用い、下記条件にてビーズを個々に測定し、10個の変形量を算術平均して求めた値である。
・平面圧子:100μm角
・負荷:9秒間で0mNから20mNまで荷重を高くし、その後5秒間保持
また上記平均粒径の異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズは、全て同じ材料から形成されるものであってもよく、またビーズ群ごとに異なる材料から形成されるものであってもよい。
また上記ビーズとしては、所望の弾性変形率を有する材料からなり、本実施態様に用いられるスペーサ部を所望の高さに形成できる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではない。このようなビーズとしては、例えば、ガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al23)などの無機化合物の多孔質体や非多孔質体、中空体等からなるものや、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン、シリコーン樹脂などのプラスチック類からなるもの等、一般的な液晶表示装置用のビーズを用いることができる。
また、本実施態様に用いられるビーズの表面は、スペーサ部中に含有される樹脂との接着性を良好なものとするため、表面処理が施されたもの等であってもよい。
また上記ビーズの形状については、スペーサ部を所望の高さに形成できる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではないが、本実施態様においては、通常球状とされる。
また上記平均粒径の異なる複数種類のビーズ群のうち、平均粒径の最も大きいビーズ群の平均粒径を1とした場合、平均粒径の最も小さいビーズ群の平均粒径が0.5〜0.99の範囲内であることが好ましく、中でも0.7〜0.95の範囲内、特に0.8〜0.9の範囲内であることが好ましい。これにより、上述したように本実施態様のカラーフィルタを液晶表示装置とした際、局所的な荷重に対してより十分な耐性を有するものとすることができるからである。
ここで、平均粒径が最も大きいビーズ群の平均粒径として具体的には、2μm〜8μmの範囲内、中でも3μm〜7μmの範囲内であることが好ましい。また平均粒径が最も小さいビーズ群の平均粒径として具体的には、1μm〜8μmの範囲内、中でも2.5μm〜6.5μmの範囲内であることが好ましい。ここで、平均粒径は、隣接する10個のスペーサ部に含まれているビーズの粒径をそれぞれ走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡により拡大して測定し、それらビーズを各ビーズ群に分類し、同一ビーズ群に含まれるビーズの粒径を算術平均した値である。
また、本発明でいうビーズ群とは、同様な粒径を有するビーズの集合体を意味するものであり、一つのビーズ群に含まれる各ビーズの粒径のばらつきが、0.3μm以下、特に0.15μm以下であるものをいう。ここで、ビーズの粒径のばらつきは、隣接する10個のスペーサ部に含まれているビーズの粒径をそれぞれ走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡により拡大して測定し、それらビーズを各ビーズ群に分類し、同一ビーズ群に含まれるビーズの粒径の最大値と最小値の差である。
また、本実施態様に用いられる各スペーサ部に含有されるビーズの数は、通常、1個〜25個の範囲内であることが好ましく、なかでも3個〜15個の範囲内であることが好ましく、さらには5個〜10個の範囲内であることが好ましい。
なお、本実施態様に用いられるビーズは、透明なものであっても良く、また着色されているものであっても良い。
(b)樹脂
本実施態様における樹脂としては、上記ビーズを固定することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような硬化性樹脂としては、例えば、光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂を挙げることができる。本実施態様に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
また、本実施態様に用いられる樹脂は、1種類のみであっても良く、または、複数の樹脂が混合されて用いられていても良い。
さらに本実施態様に用いられるスペーサ部における樹脂の含有量としては、上記ビーズを所望の強度で固定できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本実施態様においては、上記スペーサ部の固形分中に75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも85質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、上記ビーズを強固に固定することができ、例えば、カラーフィルタ上に形成された配向膜をラビングする際に、ビーズが脱着してしまうことを防止できるからである。
(2)第2実施態様
次に、本発明におけるスペーサ部の第2実施態様について説明する。本実施態様におけるスペーサ部としては、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成され、上記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、同一ビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部を有することを特徴とする。このようなスペーサ部としては、例えば図5に示すように、平均粒径が小さいビーズのみを含有するスペーサ部4bと、平均粒径が大きいビーズのみを含有する4cとを有するものである。
本実施態様においては、平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部は高さの高いスペーサ部とされ、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部は高さの低いスペーサ部とされる。これにより、所望の位置に所望の高さのスペーサ部を形成することができるため、これらが均一に分散させて形成されたカラーフィルタとすることができるという利点を有する。
また、このような同一ビーズ群のビーズのみからなるスペーサ部を複数種類有するスペーサ部を形成する方法としては、例えば後述するビーズおよび樹脂を含有するスペーサ部形成用塗工液等を用いてインクジェット法により形成することができる。この際、上記スペーサ部形成用塗工液は、液中に含まれるビーズが、同一ビーズ群に含まれるビーズのみであり、ビーズ群毎に複数種類のスペーサ部形成用塗工液を準備する必要がある。
例えば図5に示すように、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部4bと平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部4cとからなるスペーサ部を形成するものである場合、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部形成用塗工液と、平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部形成用塗工液の2種類が用いられる。
また、本実施態様に用いられるスペーサ部の高さおよび形成面積としては、上述した第1実施態様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本実施態様に用いられるスペーサ部に含有されるビーズおよび樹脂については、上述した第2実施態様で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.撥液性層
次に、本発明に用いられる撥液性層について説明する。本発明に用いられる撥液性層は、後述する複数の着色層同士の境界領域上に形成されたものであれば特に限定されるものではなく、例えば着色層の境界領域上のみに形成されたものであってもよく、着色層の境界領域上および着色層上に形成されたものであってもよい。
また、このような撥液性層としては、所望の撥液性を有するものであればその種類等は特に限定されるものではないが、中でもカラーフィルタに用いられる遮光層、保護層または透明電極層(例えば、ITO層)からなる群から選択される少なくとも一つの層を撥液化させたものとすることが好ましい。これにより、スペーサ部を形成する目的のために撥液性層を形成することのないものとすることができ、製造工程上有利となるからである。
ここで、撥液性層が遮光層である場合、例えば図6(a)に示すように、基材1上に形成された着色層2同士の境界領域a上の遮光層40上にスペーサ部4が形成される。また撥液性層が保護層である場合、例えば図6(b)に示すように、基材1上に形成された着色層2同士の境界領域a上の保護層50上にスペーサ部4が形成される。さらに撥液性層がITO層である場合、例えば図6(c)に示すように、基材1上に形成された着色層2同士の境界領域a上のITO層60上にスペーサ部4が形成される。ここで、透明電極層(ITO層60)を直に撥液性層とすることが難しい場合は、透明電極層上に透明電極層の作用に影響を与えない程度の膜厚を有する薄膜層を形成し、この薄膜層を撥液化してもよい。
なお、上記遮光部、保護層および透明電極層(ITO層)については、カラーフィルタの部材として一般に用いられているものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
また、本発明に用いられる撥液性層は、所望の程度の撥液性を備えるものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、表面にフッ素を含有するものを好適に用いることができる。フッ素を含有する撥液性層は表面の撥液性が高いため、上記スペーサ部をインクジェット法により形成する際、所望の位置により精度良く形成することができるからである。
このような表面にフッ素を含有する撥液性層を形成する方法としては、例えばフッ素を含有する材料を用いて形成する方法や、樹脂材料等を用いて形成された層にフッ素を導入する方法等が挙げられる。なお、撥液性層として透明電極層(ITO層)を用いる場合、上述したように、透明電極層(ITO層)の表面にフッ素を含有する材料を用いて薄膜層を形成する方法や、透明電極層(ITO層)の表面に樹脂材料を用いて薄膜を形成し、フッ素を導入する方法としてもよい。
フッ素を含有する材料を用いて撥液性層等を形成する方法を用いる場合、フッ素を含有する材料としては、撥液性の薄膜を形成する際に用いられるフッ化炭素等が用いられることが好ましい。
また、樹脂材料等を用いて形成された層にフッ素を導入する方法としては、フッ化炭素(CF)、窒化フッ素(NF)、フッ化硫黄(SF)、CCl、C、C等のフッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射する方法を用いることができる。上記プラズマの照射方法としては、例えば、大気圧プラズマ照射法を好適に用いることができる。
ここで、上記撥液性層がフッ素を含有するものとする場合、上記フッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、撥液性層表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
3.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、後述する基材上にパターン状に、かつ複数形成されるものである。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。また上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
なお、本発明に用いられる着色層の具体的態様については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
4.基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、通常カラーフィルタに用いられるものであれば特に限定されるものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
5.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、上記基材、着色層、撥液性層、およびスペーサ部を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。このような他の構成としては、本発明のカラーフィルタの用途等に応じて任意の構成を採用することができる。
B.カラーフィルタの製造方法
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層とを有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、上記カラーフィルタ用基板の、上記撥液性層上にインクジェット法により、樹脂および複数のビーズを含有するスペーサ部を形成するスペーサ部形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記インクジェット法により形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、例えば図7に示すように、基材1と、上記基材1上にパターン状に、かつ複数形成された着色層2と、上記着色層2の境界領域a上に形成された撥液性層3とを有するカラーフィルタ用基板30を形成するカラーフィルタ用基板形成工程(図7(a))と、上記カラーフィルタ用基板の上記撥液性層3上にインクジェット法により、樹脂および平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成される複数のビーズを含有するスペーサ部4を形成するスペーサ部形成工程(図7(b))とを有する方法であり、
本発明によれば、撥液性を有する撥液性層上に、スペーサ部がインクジェット法により形成されることから、スペーサ部を形成するためのスペーサ部形成用塗工液が濡れ広がってしまうことを防ぐことができ、形成されるスペーサ部の形状を容易に制御することが可能となる。したがって、目的とする領域のみに高精細なパターン状にスペーサ部を形成することができるという利点を有している。また本発明によれば、上記スペーサ部をインクジェット法により形成することから、大掛かりな装置等を必要とすることなく、簡易な工程で効率よくカラーフィルタを製造することができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
(カラーフィルタ用基板形成工程)
まず、本発明におけるカラーフィルタ用基板形成工程について説明する。本発明におけるカラーフィルタ用基板形成工程は、基材と、上記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層とを有するカラーフィルタ用基板を形成する工程である。
上記カラーフィルタ用基板形成工程としては、基材上に着色層および撥液性層を形成する工程を有するものであれば特に限定されるものではないが、撥液性層の種類に応じて、他の層の形成工程を有していてもよい。例えば撥液性層が遮光層である場合、上記カラーフィルタ用基板形成工程は、基板上に遮光層を形成する遮光層形成工程と、上記遮光層により区画された開口部に着色層を形成する着色層形成工程とを有するものとすることができる。また例えば、撥液性層が保護層である場合、上記遮光層形成工程および着色層形成工程の後に、遮光層と着色層とを覆うように保護層を形成する保護層形成工程を有するものとすることができる。さらに例えば、撥液性層が透明電極層(ITO層)である場合、上記遮光層形成工程、着色層形成工程および保護層形成工程の後に(透明電極層)ITO層形成工程を有するものとすることができる。なお、上述した遮光層形成工程、着色層形成工程、保護層形成工程、および(透明電極層)ITO層形成工程については、一般的なカラーフィルタの製造方法における各工程と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
なお、本工程における基板、着色層および撥液性層については、上述した「A.カラーフィルタ」で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(スペーサ部形成工程)
次に、本発明におけるスペーサ部形成工程について説明する。本発明におけるスペーサ部形成工程は、上記カラーフィルタ用基板の、上記撥液性層上にインクジェット法により、樹脂および複数のビーズを含有するスペーサ部を形成するスペーサ部形成工程であり、上記インクジェット法により形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されるものである。
本工程において、上記スペーサ部が形成される位置としては、上記着色層の境界領域上に形成された撥液性層上であれば特に限定されるものではなく、カラーフィルタの種類やカラーフィルタと対向して配置されることとなる液晶駆動側基板の構造等により適宜選択される。
また、本工程において用いられるスペーサ部を形成するためのスペーサ部形成用塗工液としては、インクジェット法により塗布することが可能なものであって、硬化した後スペーサとして用いることが可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば硬化性樹脂、ビーズ、溶媒、および添加剤等を含有するものとすることができる。
なお、上記スペーサ部形成用塗工液中に含有される硬化性樹脂および平均粒径の異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズとしては、上述した「A.カラーフィルタ」で説明したものと同様とすることができるのでここでの説明は省略する。また、上記スペーサ部形成用塗工液中に含有される溶媒および添加剤等としては、一般的なインクジェット用インクに用いられているものと同様とすることができ、硬化性樹脂の種類等に合わせて適宜選択される。
また、本工程においては、上記インクジェット法によりスペーサ部形成用塗工液を塗布した後、上記硬化性樹脂の種類等に合わせて適宜硬化を行うこととなる。上記硬化方法としては、一般的な硬化性樹脂の硬化方法と同様とすることができる。
(その他の工程)
本発明においては、上記スペーサ部形成工程以外に、他の工程を有していてもよく、例えば上記スペーサ部形成工程後に配向膜を形成する配向膜形成工程や、撥液性層の種類に応じて上述した保護層形成工程および(透明電極層)ITO層形成工程等を適宜有していてもよい。上記配向膜形成工程については、一般的なカラーフィルタの製造方法における配向膜を形成する工程と同様とすることができるのでここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を示すことにより本発明についてさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(カラーフィルタ用基板形成工程)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光層と、上記遮光層により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光層および着色層を覆うように形成された保護層とを有するカラーフィルタ用基板形成用基板を準備した。
次いで、上記保護層表面に下記の条件で大気圧プラズマ照射することにより、保護層表面の撥液化処理を行って撥液性層を形成し、カラーフィルタ用基板を得た。
<プラズマ照射条件>
・導入ガス :CF‥‥15l/min
:N‥‥‥25l/min
・電極−基板間距離 :2mm
・電源出力 :160V − 5A
(スペーサ部形成工程)
遮光層上の撥液性層(撥液化された保護層)上に、以下の組成を有するスペーサ部形成用塗工液Aを1滴ずつ(15pl)塗布し、ホットプレートで80℃、10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。その結果、上記撥液性層(撥液化された保護層)上に平均粒径3.5μmのビーズが平均2個と平均粒径3.0μmのビーズが平均8個のビーズが含有されたスペーサ部を形成し、カラーフィルタを得た。
<スペーサ部形成用塗工液A>
・熱硬化型樹脂:アクリル樹脂
(主成分グリシジルメタクリレート) 5.0wt%
・希釈溶剤 :ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合液 93.95wt%
・ビーズ :ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.5μm)
0.3wt%
ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.0μm)
0.75wt%
[実施例2]
(カラーフィルタ用基板形成工程)
実施例1と同様にしてカラーフィルタ用基板を得た。
(スペーサ部形成工程)
遮光層上の撥液性層(撥液化された保護層)上に以下の組成を有するスペーサ部形成用塗工液Bを510μm置きに1滴ずつ(15pl)塗布し、続けて異なるインクジェットヘッドを用いて、以下の組成を有するスペーサ部形成用塗工液Cを170μm置き(但しスペーサ部形成用塗工液Bが塗布される位置は除く)に1滴ずつ(15pl)塗布し、ホットプレートで80℃、10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。その結果、上記撥液性層(撥液化された保護層)上に平均粒径3.5μmのビーズが平均5個含有されたスペーサ部と、平均粒径3.0μmのビーズが平均10個のビーズが含有されたスペーサ部とを得た。
<スペーサ部形成用塗工液B>
・熱硬化型樹脂:アクリル樹脂
(主成分グリシジルメタクリレート) 5.0wt%
・希釈溶剤 :ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合液 94.25wt%
・ビーズ :ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.5μm)
0.75wt%
<スペーサ部形成用塗工液C>
・熱硬化型樹脂:アクリル樹脂
(主成分グリシジルメタクリレート) 5.0wt%
・希釈溶剤 :ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合液 94.0wt%
・ビーズ :ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.0μm)
1.0wt%
本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの特性を説明するための説明図である。 本発明のカラーフィルタにおいてスペーサ部が形成される位置を説明するための説明図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法を説明するための工程図である。 従来のカラーフィルタを説明するための説明図である。
符号の説明
1 …基材
2 …着色層
3 …撥液性層
4 …スペーサ部
5a、5b …ビーズ
6 …樹脂

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、前記着色層の境界領域上に形成された撥液性層と、前記撥液性層上に形成され、樹脂およびビーズを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、
    前記カラーフィルタに形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするカラーフィルタ。
  2. 前記撥液性層の表面に、フッ素が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記スペーサ部が、前記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、異なる種類のビーズ群に含まれるビーズを含有するスペーサ部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記スペーサ部が、前記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、同一ビーズ群に含まれるビーズのみを含有するスペーサ部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ。
  5. 前記カラーフィルタの所定の領域内に形成された複数のスペーサ部に含まれるビーズ中、平均粒径の小さいビーズ群に含まれるビーズの数が平均粒径の大きいビーズ群に含まれるビーズの数より多いことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記平均粒径が異なる複数種類のビーズ群のうち、平均粒径の最も小さいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量は、平均粒径の最も大きいビーズ群に含まれるビーズの弾性変形量を1とした場合、0.8以下であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタ。
  7. 基材と、前記基材上にパターン状に、かつ複数形成された着色層と、前記着色層の境界領域上に形成された撥液性層とを有するカラーフィルタ用基板を形成するカラーフィルタ用基板形成工程と、
    前記カラーフィルタ用基板の、前記撥液性層上にインクジェット法により、樹脂および複数のビーズを含有するスペーサ部を形成するスペーサ部形成工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記インクジェット法により形成されたスペーサ部に含まれるビーズが、平均粒径が異なる複数種類のビーズ群に含まれるビーズから構成されることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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