JP2007278319A - 燃料ガスタンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素が高圧で貯蔵されるタンク本体11と、タンク本体11に固定され、水素の充填口となる充填部20と、タンク本体11の外部に配置されると共に、その両端がタンク本体11内と接続した配管61と、を備え、水素の充填時に、タンク本体11内の水素が、タンク本体11から配管61を通って、タンク本体11に戻って充填されるように構成されている水素タンク1である。
【選択図】図1
Description
また、逆止弁の下流側と配管の一端側とでジェットポンプが構成されており、充填時における逆止弁からタンク本体内への燃料ガスの流れによって、配管の一端内が吸引される。この吸引力によって、タンク本体内の燃料ガスは、配管の他端内に流れ込み、配管内を流れた後、配管の一端からタンク内に戻る。すなわち、このような構成とすることで、タンク本体内の燃料ガスが配管内を効率的に流通することができ、これにより、燃料ガスを効率的に冷却することができると共に、タンク本体内に冷却された燃料ガスを速やかに充填することができる。
図1に示す本実施形態に係る水素タンク1(燃料ガスタンク)は、燃料電池と共に燃料電池自動車(ともに図示しない)に搭載されたものであって、燃料電池(燃料ガス消費機器)に水素(燃料ガス)を供給するためのものである。したがって、水素タンク1では、水素の充填又は放出が繰り返される。すなわち、本実施形態では、燃料ガスを水素とした場合を例示する。
図1に示すように、水素タンク1は、外形が略円柱状のタンク本体11と、タンク本体11の軸方向において、その右側(一方側)に固定された充填口となる充填部20と、その左側(他方側)に固定された放出口となる放出部30と、タンク本体11の外部に配置されると共に充填部20と放出部30とを接続する配管61と、配管61に設けられた熱交換器70と、を主に備えている。
タンク本体11(ライナーとも称される)は、例えば、アルミニウム合金から形成され、その内部に水素が高圧で貯蔵されるタンク室を有している。そして、タンク本体11は、その右側に充填部20が取り付けられるネック部12と(図2参照)、その左側に放出部30が取り付けられるネック部13と(図3参照)、を有している。
また、タンク本体11は、カバー14で覆われている(図2等参照)。カバー14は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)や、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic:ガラス繊維強化プラスチック)等から形成され、タンク本体11が補強されると共に、水素タンク1の断熱性が高められている。
次に、充填部20について、図1に加えて、図2を参照して、詳細に説明する。なお、図2は後記する逆止弁24が開いた状態を記載している。
図2に示すように、充填部20は、筐体である弁箱21と、充填口として機能する充填用リセプタクル22(レセプタクル)と、ノズル23と、逆止弁24と、配管61(図1参照)と接続するリセプタクル26と、リリーフ弁27とを主に備えている。
ノズル23は、第2中空部21bを囲む縁に螺合固定されており、その中空部23aは、第2中空部21bと連通している。また、ノズル23のタンク本体11側は徐々に細くなっており、充填時における水素の流速が高まるようになっている。
次に、放出部30について、図1に加えて、図3及び図4を参照して、詳細に説明する。なお、図3は充填時(後記するソレノイド46のOFF時)を、図4放出時(ソレノイド46のON時)を示す。
放出部30は、タンク本体11内と、配管61と、燃料電池側の放出用リセプタクル33との間に設けたられた三方弁Vを内蔵している。因みに、三方弁Vは、後記するプランジャ41と、ガイド体45と、を備えて構成されている。なお、三方弁Vは、特許請求の範囲における放出口として機能する放出用リセプタクル33(放出部)と配管61との間に配置されると共に、放出時に開かられる開閉弁として機能している。
このような本実施形態に係る放出部30は、タンク本体11に螺合固定された固定部30Aと、プランジャ41(弁体)を有する作動部30Bと、を主に備えている。
固定部30Aは、筐体である弁箱31と、リセプタクル32と、燃料電池への接続口となる放出用リセプタクル33と、を主に備えている。
次に、放出部30の作動部30Bについて説明する。
作動部30Bは、燃料電池自動車に搭載されたECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)からの指令に従い、プランジャ41(弁体)を作動させる部分である。具体的に、作動部30Bは、プランジャ41と、シール44と、ガイド体45と、ソレノイド46と、圧縮コイルバネ47(リターンスプリング)と、カップ48と、を主に備えている。
カップ48は、ガイド体45に外嵌する共に、弁箱31の底面に固定されている。また、カップ48とガイド体45との間には、リング状のリング空間48aが形成されており、このリング空間48aを介して、ガイド体45の連通孔45bと、弁箱31の連通路31dとが連通されている。
充填時は、ソレノイド46がOFFされ、図3に示すように、圧縮コイルバネ47がプランジャ41を弁箱31側に付勢し、プランジャ41の先端部43が弁座部31cに当接した状態となる。よって、タンク本体11内に連通する第1中空部31aと、燃料電池側の放出用リセプタクル33に連通する第2中空部31bとが遮断され、タンク本体11内から燃料電池に水素が流出しないように構成されている。
一方、放出時は、ソレノイド46がONされ、図4に示すように、プランジャ41がタンク本体11内側に移動する。そうすると、プランジャ41の先端部43が弁座部31cから離間し、第1中空部31aと第2中空部31bとが連通した状態となる。
図1に戻って説明を続ける。
配管61は、充填部20と放出部30とを接続するものであり、その一端は充填部20のリセプタクル26(図2参照)に接続しており。その他端は放出部30のリセプタクル32(図3参照)に接続されている。そして、充填時には水素が配管61内を充填部20に向かって流れ、一方、放出時には水素が配管61内を放出部30に向かって流れるようになっている。
熱交換器70は、配管61内を流れる水素と外部空気との間において、効率的に熱交換させる機器である。さらに説明すると、充填時は、圧縮によって高温となった水素が配管61内を流れるため、熱交換器70において、この水素の熱が効率的に放熱されるように設計されている。一方、放出時は、膨張によって低温となった水素が配管61内を流れるため、熱交換器70では、水素が外部空気の熱を効率的に吸熱するように設計されている。
このような水素タンク1によれば、充填時、放出時において、次の作用効果を主に得ることができる。
充填時には、外部の水素ステーション等から充填用リセプタクル22等を介して、タンク本体11内に水素が流れ込むと共に、充填部20のジェットポンプPによって、配管61内が吸引される(図2、矢印A1参照)。一方、図3に示すように、ソレノイド46はOFFされているので、タンク本体11内と放出用リセプタクル33の中空部33aとは遮断されており、タンク本体11内とリセプタクル32の中空部32aとは連通している。
放出時には、図4に示すように、ソレノイド46はONされ、放出用リセプタクル33の中空部33aと、リセプタクル32の中空部32aとが連通している。
したがって、タンク本体11内の水素が、図2に示すように、第1中空部21a及びリセプタクル26を介して配管61に流れ込む。そして、図4に示すように、リセプタクル32から、連通路31d、第1中空部31a、第2中空部31b、放出用リセプタクル33を介して、燃料電池に放出される。
また、水素タンク1は、このように簡易な構造であるため、容易に製造することができると共に、燃料電池自動車等に容易に搭載することができる。
このような水素タンク2によれば、右側のネック部12(図2参照)は不要になると共に、タンク本体11への充填部20及び放出部30の組み付けが1回となるため、水素タンク2の製造工程を減らすことができる。また、充填部20及び放出部30が同一側に配置されるため、これらに接続する配管の取り回しが容易となる。
したがって、このような水素タンク3によれば、充填時には、冷却された予備タンク81内の水素を優先的にタンク本体11内に戻して充填することができる。一方、放出時には、昇温された予備タンク81内の水素を優先的に燃料電池に放出することができる。
前記した実施形態では、説明の都合上、配管61がタンク本体11の外部であって、タンク本体11から離れた場合を記載したが、その他に例えば、配管61がタンク本体11の表面に一体的に固定された構成であってもよい。
11 タンク本体
20 充填部
21 弁箱
22 充填用リセプタクル(充填口)
23 ノズル
24 逆止弁
27 リリーフ弁
30 放出部
31 弁箱
31c 弁座部
33 放出用リセプタクル(放出口)
41 プランジャ
44 シール
46 ソレノイド
47 圧縮コイルバネ
61 配管
70 熱交換器
71 フィン
A1 充填時の水素の流れ
A2 放出時の水素の流れ
P ジェットポンプ
V 三方弁(開閉弁)
Claims (5)
- 燃料ガスが高圧で貯蔵されるタンク本体と、
前記タンク本体に固定され、燃料ガスの充填口となる充填部と、
前記タンク本体の外部に配置されると共に、その両端が前記タンク本体内と接続した配管と、
を備え、
燃料ガスの充填時に、前記タンク本体内の燃料ガスが、当該タンク本体から前記配管を通って、当該タンク本体に戻って充填されるように構成されていることを特徴とする燃料ガスタンク。 - 前記充填部は、燃料ガスの充填時に開く逆止弁を備えると共に、
前記逆止弁の下流側と前記配管の一端側とでジェットポンプが構成されており、充填時における前記逆止弁から前記タンク本体内への燃料ガスの流れによって、前記配管の一端内が吸引されることを特徴とする請求項1に記載の燃料ガスタンク。 - 燃料ガスが高圧で貯蔵されるタンク本体と、
前記タンク本体に固定され、燃料ガスの放出口となる放出部と、
前記タンク本体の外部に配置されると共に、当該タンク本体内と前記放出部とを接続する配管と、
を備え、
燃料ガスの放出時に、前記タンク本体内の燃料ガスが、前記配管、前記放出部を順に通って外部に放出されるように構成されていることを特徴とする燃料ガスタンク。 - 前記放出部と前記配管との間に開閉弁を備えると共に、
前記放出部の下流側は、燃料ガスを消費する燃料ガス消費機器に接続されており、
当該燃料ガス消費機器に燃料ガスを放出する際に、前記開閉弁は開かれることを特徴とする請求項3に記載の燃料ガスタンク。 - 前記配管に設けられた熱交換器を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料ガスタンク。
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