JP2007278307A - すべり軸受装置およびポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸4の外周面に対して摺接して回転軸4を回転自在に保持する円筒状の軸受体15が円筒状のハウジング16に嵌め込まれ、ハウジング16がポンプのケーシング内の固定部材6に取付けられ、ハウジング16と軸受体15との間に、異方性を持った弾性部材17が設けられ、弾性部材17は、径方向Raにおいて複数の薄いゴム層28と複数の薄い鋼板29とを交互に積層した構造を有しており、径方向Raに比べて周方向に弾性変形し易い特性を備えている。
【選択図】図2
Description
ハウジングと軸受体との間に弾性部材が設けられたすべり軸受装置であって、
軸受体に径方向へ所定の力を加えた時の軸受体の径方向の変位量をAとし、軸受体に周方向へ上記所定の力を加えた時の軸受体の周方向の変位量をBとすると、A<Bとなる特性を有するものである。
また、本第2発明におけるすべり軸受装置は、軸受体に径方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の径方向の変位量をAとし、軸受体に周方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の周方向の変位量をBとし、変位比をB/Aと定義した場合、軸受体の変位比が1.5〜100の範囲であり、
軸受装置の径方向のばね定数が1〜18MN/mの範囲であるものである。
軸受装置の径方向のばね定数が3〜12MN/mの範囲であるものである。
また、本第4発明におけるすべり軸受装置は、弾性部材は径方向に比べ周方向に弾性変形しやすい異方性を有するものである。
また、本第5発明におけるすべり軸受装置は、弾性部材は径方向において複数のゴム層と板材とを交互に積層した構造を有するものである。
また、本第6発明におけるすべり軸受装置は、軸受体は回転軸に摺接自在な筒状の軸受側摺接部材を有し、
軸受側摺接部材が回転軸に外嵌されているものである。
また、本第7発明におけるすべり軸受装置は、軸受体は回転軸に摺接自在な軸受側摺接部材を有し、
軸受側摺接部材は、周方向に所定間隔をあけて配置された複数のセグメントによって構成されているものである。
また、軸受側摺接部材を複数のセグメントで構成することにより、筒状の軸受側摺接部材を用いる場合と比べて、高価な軸受側摺接部材の使用量を削減することができる。さらに、摺接面の加工工数を低減することも可能となる。
これによると、回転軸の径方向へのぶれが減少するため、回転軸に設けられた羽根車がポンプのケーシングに接触してしまう等の不具合を防止することができる。
図1に示すように、1は先行待機運転が行える立軸斜流ポンプ装置(ポンプ装置の一例)であり、ケーシング2の下端に吸込口3が形成されている。ケーシング2内には主軸である回転軸4が挿通されており、回転軸4の下端に羽根車5が設けられている。上記回転軸4は上下複数のすべり軸受装置11〜13によって軸心7を中心に回転自在に支持されている。これらすべり軸受装置11〜13はそれぞれケーシング2内の円筒状の固定部材6に設けられている。また、上記吸込口3に空気を吸気する吸気管14が設けられ、この吸気管14は気水切替装置(図示せず)によって開閉されるように構成されている。尚、上記立軸斜流ポンプ1は、羽根車5が回転して水を吸い上げる揚水運転と、羽根車5が回転しているが水を吸い上げないドライ運転の運転パターンが選定できるものである。
図2,図3に示すように、すべり軸受装置11は、回転軸4を回転自在に保持する円筒状の軸受体15と、軸受体15の径方向外側に配置された金属製の円筒状のハウジング16とを有している。軸受体15はハウジング16に嵌め込まれており、軸受体15とハウジング16との間には、弾性部材17が周方向において複数個設けられている。
図4に示すように、弾性部材17は、径方向Raにおいて複数の薄いゴム層28と複数の薄い鋼板29(板材の一例)とを交互に積層した積層体30と、積層体30の径方向Raにおける両端に設けられた取付板31,32と、積層体30の外側を被覆する被覆ゴム33とで構成されている。図3に示すように、一方の取付板31はねじ34によってシェル21の嵌め込み部21aの外周面に取付けられている。また、他方の取付板32はねじ35によってハウジング16の内周面に取付けられている。尚、各ゴム層28と鋼板29とはそれぞれ、回転軸4の軸心7を中心とした円弧状に形成されている。
B=r×θ
また、すべり軸受装置11の径方向Raのばね定数は1〜18MN/m(=1×106〜18×106N/m)の範囲である。さらに、軸受体15の変位比とすべり軸受装置11の径方向Raおよび周方向Rbのばね定数とは下記のような関係にある。
以上がすべり軸受装置11の構成であり、他のすべり軸受装置12,13も同様に構成されており、このうち、すべり軸受装置12は上下反対に設けられている。
これによると、各弾性部材17は、径方向Raの力に対して変形し難く、周方向Rbの力に対して弾性変形し易い。したがって、図5に示すように、回転軸4が所定の回転方向Eへ回転する際、回転軸4の軸側摺接部4cの外周面が軸受体15の軸受側摺接部材20に接触し、軸受体15が回転軸4との摩擦によって上記所定の回転方向Eの力を受けると、各弾性部材17が主に周方向Rbに弾性変形することによって、軸受体15が上記回転方向Eへ変位して逃げる。このように、各弾性部材17の周方向Rbへの弾性変形によって、軸受体15が上記所定の回転方向Eへ逃げることができるため、回転軸4が受ける上記回転方向Eとは逆方向の反発力Fは弱められ、その結果、振れ回り振動が軽減される。
上記第1の実施の形態では、軸受側摺接部材20が円筒状に形成されているが、第2の実施の形態では、図6に示すように、軸受側摺接部材20は周方向Rbに所定間隔をあけて配置された複数のセグメント20aによって構成されている。
上記第1の実施の形態では、弾性部材17の各ゴム層28と鋼板29とは軸心7の方向から見て円弧状に形成されているが、第3の実施の形態では、図7に示すように、各ゴム層28と鋼板29とは、軸心7の方向から見て、円弧状ではなく、直線状に形成されている。
次に、本発明における第4の実施の形態を図8,図9に基いて説明する。
これによると、弾性部材40は、径方向Raの力に対して変形し難く、周方向Rbの力に対して弾性変形し易い。したがって、回転軸4が所定の回転方向Eへ回転する際、回転軸4の軸側摺接部4cの外周面が軸受体15の軸受側摺接部材20に接触すると、軸受体15が回転軸4との摩擦によって上記所定の回転方向Eへ変位し、軸受体15と連動して弾性部材40が主に周方向Rbに弾性変形する。このように、弾性部材40の周方向Rbへの弾性変形によって、軸受体15が上記所定の回転方向Eへ逃げることができるため、回転軸4が受ける上記回転方向Eと逆方向の反発力Fは弱められ、その結果、振れ回り振動が軽減される。
上記各実施の形態では、異方性を有する弾性部材として、図3,図8に示すように、ゴム層28,41と鋼板29,42とを積層して構成された弾性部材17,40を挙げたが、このような構成のものに限定されるものではなく、空隙や添加材をゴム等の弾性材料中に偏在させた構成のものでもよい。また、上記弾性部材として、ゴムを用いずに、板ばねやつるまきばねを用いて、軸受体15が径方向Raよりも周方向Rbに変位し易い特性を有するように構成してもよい。
4 回転軸
6 固定部材
11〜13 すべり軸受装置
15 軸受体
16 ハウジング
17 弾性部材
20 軸受側摺接部材
20a セグメント
28 ゴム層
29 鋼板(板材)
40 弾性部材
41 ゴム層
42 鋼板(板材)
Ra 径方向
Rb 周方向
Claims (8)
- 回転軸の外周面に摺接して回転軸を回転自在に保持する軸受体がハウジングに嵌め込まれ、
ハウジングと軸受体との間に弾性部材が設けられたすべり軸受装置であって、
軸受体に径方向へ所定の力を加えた時の軸受体の径方向の変位量をAとし、軸受体に周方向へ上記所定の力を加えた時の軸受体の周方向の変位量をBとすると、A<Bとなる特性を有することを特徴とするすべり軸受装置。 - 軸受体に径方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の径方向の変位量をAとし、軸受体に周方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の周方向の変位量をBとし、変位比をB/Aと定義した場合、軸受体の変位比が1.5〜100の範囲であり、
軸受装置の径方向のばね定数が1〜18MN/mの範囲であることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受装置。 - 軸受体に径方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の径方向の変位量をAとし、軸受体に周方向へ980Nの力を加えた時の軸受体の周方向の変位量をBとし、変位比をB/Aと定義した場合、軸受体の変位比が3〜70の範囲であり、
軸受装置の径方向のばね定数が3〜12MN/mの範囲であることを特徴とする請求項1記載のすべり軸受装置。 - 弾性部材は径方向に比べ周方向に弾性変形しやすい異方性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のすべり軸受装置。
- 弾性部材は径方向において複数のゴム層と板材とを交互に積層した構造を有することを特徴とする請求項4に記載のすべり軸受装置。
- 軸受体は回転軸に摺接自在な筒状の軸受側摺接部材を有し、
軸受側摺接部材が回転軸に外嵌されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のすべり軸受装置。 - 軸受体は回転軸に摺接自在な軸受側摺接部材を有し、
軸受側摺接部材は、周方向に所定間隔をあけて配置された複数のセグメントによって構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のすべり軸受装置。 - 上記請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のすべり軸受装置を備えたことを特徴とするポンプ装置。
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