以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、バルブのリフト量を可変とする可変動弁装置100の第1実施形態を示す概略図である。図1(A)は、エンジン側方から見たときの可変動弁装置100を示す。また、図1(B)は、B−B面から見た可変動弁装置100を示す。なお、図1(A)は、一気筒当たりに2つのバルブを備える多気筒エンジンであり、一気筒分を代表して示したものである。
図1(A)に示す可変動弁装置100は、車両等のエンジンにおいて、バルブ2を図示しないポートに対して開閉する装置である。可変動弁装置100は揺動カム10と、その揺動カム10を揺動させる揺動カム駆動機構20と、バルブ2のリフト量を変化させ得るリフト可変機構30とを備える。なお、可変動弁装置100によって作動するバルブ2は、吸気バルブ、排気バルブのいずれのバルブでもよい。
図1(B)に示す通り、揺動カム10はロッカアーム40を押圧する駆動カム部11と、ロッカアーム40の不正運動を防止するリフト規制カム部12とを備える。すなわち、揺動カム10には、駆動カム部11及びリフト規制カム部12が一体形成されている。
駆動カム部11は、所望のバルブリフトが得られるようなカムプロフィールとなっている。駆動カム部11は、バルブ2がリフトしていない状態において、揺動カム10の揺動中心軸21cに対してバルブ2側に配置されている。駆動カム部11とリフト規制カム部12は、揺動カム10の揺動中心21cを挟んで互いに反対側に設けられる。この揺動カム10は、駆動カム部11とリフト規制カム部12との間に、バルブクリアランス管理等を行うためのベース部13を有する。また、揺動カム10は、後述する揺動カム駆動機構20によって、図示しないクランクシャフトと連動して駆動軸21を支点に揺動し、ロッカアーム40を介してバルブ2の開閉を行う。駆動カム11がロッカアーム40のバルブ2側からピボットピン3側(支点側)に向かう方向(矢印Aの方向)に揺動カム10が揺動しているとき、バルブ2が開かれる。ここで、図1(B)は、バルブ2がリフトしている状態を示している。
ロッカアーム40は、揺動カム10の駆動カム部11が摺動する摺動面を有する駆動フォロア41と、ロッカアーム40の不正運動を防止するためのリフト規制カム部12と当接可能な規制部42とを備え、略L字形状である。ロッカアーム40は、揺動カム10が揺動運動をした場合に、リフト規制カム部12と干渉しないように、駆動フォロア41と規制部42との間に凹部44を備える。駆動フォロア41の端部43は、バルブ2のステムエンド2aに当接する。このロッカアーム40は、ピボットピン3(またはラッシュアジャスタ3、以下同様)に対して揺動自在に支持されており、揺動カム10の揺動に応じて図1(B)中の左右に揺動する。
規制部42とリフト規制カム部12との間は、最小でも所定の微小隙間を有するように設定される。所定の微小隙間とは、ロッカアーム40が揺動する必要がある範囲ではリフト規制カム部12と規制部42とは互いに干渉せず、ロッカアーム40の揺動が不要な範囲ではリフト規制カム部12が規制部42に当接し、ロッカアーム40の揺動を規制できる最小限の隙間である。規制部42とリフト規制カム部12が常に所定の微小隙間を有することによって、規制部42は揺動カム角によらず、ロッカアーム40がジャンプしそうになるとロッカアーム40の揺動角を規制する構成となっている。
バルブ2は、そのバルブステムのステムエンド2aがロッカアーム40の端部43に当接し、ロッカアーム40の揺動に応じてポートを開閉する。バルブ2は、バルブステムに図示しないバルブスプリングを介装する。このバルブスプリングは、バルブ2を閉弁方向に付勢するもので、これにより揺動カム10からロッカアーム40が離れないように、バルブ2を介してロッカアーム40を揺動カム10に押圧する。
駆動カム部11と駆動フォロア41の接している部分である摺動部45における駆動フォロア41に対する法線L1と、規制部42とリフト規制カム部12が当接することによりロッカアーム40の揺動を規制するときの規制部42とリフト規制カム12との当接部47における規制部42に対する法線L2との交点Pは、ピボットピン3から見て、揺動カム10の揺動中心21cよりも外側にある。
このような可変動弁装置100において、揺動カム10は、図1(A)及び図1(B)に示すように駆動軸21の外周に回転自在に嵌合しており、揺動カム駆動機構20によってクランクシャフトと連動して揺動する。気筒列方向に延びる駆動軸21は揺動カム10に挿通される。一つの気筒に対して2つのバルブ2が備えられるので、一つの気筒には一対の揺動カム10とロッカアーム40とが設けられ、これらが互いに同期して同一的に作動するように、揺動カム10は互いに駆動軸21に回動自在に挿通した連結筒14により同一位相状態で結合されている。このため、揺動カム駆動機構20は一方の揺動カム10に対してのみ備えられる。
駆動軸21には、偏心カム22が圧入等によって固定されている。円形外周面を有する偏心カム22は、その外周面の中心が駆動軸21の軸心から所定量だけオフセットする。駆動軸21は、クランクシャフトの回転に連動して回転するため、偏心カム22は駆動軸21の軸心回りに偏心回転する。
偏心カム22の外周面には、第1リンク23の基端側の環状部23aが回転可能に嵌合している。第1リンク23の先端は、連結ピン24を介して連結アーム25の一端と連結する。また、連結アーム25の他端は、連結ピン26を介して第2リンク27の上端と連結する。第2リンク27の下端は、連結ピン28を介して揺動カム10の駆動カム部11と連結する。第2リンク27と揺動カム10の連結部(連結ピン28)は、揺動カム10の揺動中心21cに対してバルブ2側に配置されている。なお、連結アーム25の略中央部は、リフト可変機構30の制御軸31の偏心カム部32に揺動自在に支持される。
駆動軸21がエンジン回転に同期して回転すると、偏心カム22が偏心回転し、これにより第1リンク23が上下方向に揺動する。第1リンク23の揺動により連結アーム25が偏心カム部32の軸周りに揺動し、第2リンク27が上下に揺動して、揺動カム10を駆動軸21の軸回りに所定の回転角度範囲で揺動運動させる。
また、可変動弁装置100は、リフト可変機構30によって、揺動カム10の回転角度位相を制御する。リフト可変機構30の制御軸31の一端には、ギヤ等を介して図示しないアクチュエータが設けられている。アクチュエータによって制御軸31の回転位置を変化させると、連結アーム25の揺動中心となる偏心カム部32の軸心が制御軸31の回転中心周りを旋回し、これに伴い連結アーム25の支点が変位し、第1リンク23及び第2リンク27の姿勢が変化する。つまり、揺動カム10の揺動中心21cと連結アーム25の回転中心との距離が変化するため、揺動カム10の揺動特性を変化させることができ、運転条件に応じてバルブ2のリフト作動角及びリフト量を連続的に変化させることができる。
次に、第1実施形態に係る可変動弁装置100の作用について説明する。
図2は、連結アーム25の揺動中心32cと、駆動軸21の軸心21cとの距離D1が最短で、バルブ2の最大リフト量及び作動角が最大となる場合における、揺動カム10の揺動によるバルブ2のリフトを示す図である。図2(A)から図2(D)は、バルブ2がリフトしていない状態からフルリフト(最大作動角時における最大リフト(ピークリフト)状態)するまで変化する状態を示す。
揺動カム10は、揺動カム駆動機構20によって、駆動軸21の軸心21cを揺動中心として揺動する。揺動カム10の揺動中心21cは、バルブ2の軸心2cと、ピボットピン3の軸心3cとの間に位置する。
バルブ2がリフトしておらずポートを閉弁している場合には、図2(A)に示すように、揺動カム10のベース部13がロッカアーム40の駆動フォロア41に接している。このとき、リフト規制カム部12と、ロッカアーム40の駆動フォロア41と規制部42の間の部分が干渉しないように、駆動フォロア41と規制部42との間に凹部44を備える。
揺動カム10は、図2(B)から図2(D)に示すように、ベース部13から駆動カム部11に向かって順次駆動フォロア41と接触する(以下「往路運動」という。)。この往路運動によって、駆動カム部11はロッカアーム40の駆動フォロア41を押圧する。すると、ロッカアーム40はピボットピン3を支点にして図中右まわりに傾き、ロッカアーム40の端部43に当接するバルブ2を押し下げる。これによって、バルブ2はリフトし、図示しないポートを開弁する。このとき、バルブ2のバルブステムに介装された図示しないバルブスプリングは、バルブリフトによって圧縮された状態となる。また、揺動カム10のリフト規制カム部12は、揺動カム10の往路運動に伴って、ロッカアーム40の凹部44から規制部42の先端に向かって移動する。リフト規制カム部12がロッカアーム40の規制部42の先端に向かって移動しても、リフト規制カム部12と規制部42とは接触しないように設定されている。
なお、本実施形態では、バルブ2がリフトしていない状態(図2(A))から、揺動カム10の最大正加速度付近(図2(C))までの間において、駆動カム部11とロッカアーム40の摺動部45がバルブ2に近づく向きに揺動カム10が揺動すると、バルブ2がリフトする。したがって、バルブ2とピボットピン3との距離をD2、ロッカアーム40と駆動カム部11とが摺動する摺動部45とピボットピン3との距離をD3とすると、バルブ2がリフトしていない状態から揺動カム10の最大正加速度付近までの間では、ロッカアーム40にかかる荷重が最も大きくなる揺動カム10の最大正加速度付近(図2(C))において、ロッカ比D2/D3が他のリフト状態に比べて相対的に小さくなる。ただし、以下、正加速度とは、揺動カム10が揺動している向きの加速度をいう。すなわち、揺動カム10がバルブ2を開弁しているときは、正加速度は揺動カム10のバルブ2を開く方向の加速度であり、また揺動カム10がバルブ2を閉弁しているときは、正加速度は揺動カム10のバルブ2を閉じる方向の加速度である。
バルブ2がフルリフトした後は、揺動カム10は駆動カム部11からベース部13に向かって順次駆動フォロア41と接触する(以下「復路運動」という。)。そして、リフト規制カム部12は、ロッカアーム40の規制部42の先端から凹部44に向かって移動する。この復路運動によって、駆動カム部11の駆動フォロア41に対する押圧力は解除されるため、バルブ2はバルブスプリングのスプリング反力によって押し上げられて閉弁する。このとき、ロッカアーム40は、スプリング反力によって、揺動カム10から離れないように付勢されている。
この揺動カム10は、バルブ2のフルリフト前の所定揺動角度の期間において、往路運動から復路運動に向きが変わるために減速する。また、バルブ2のフルリフト後の所定揺動角度の期間において、揺動カム10がロッカアーム40を介してバルブを押圧する力が解除される。しかし、このロッカアーム40を押圧する力が解除されても、ロッカアーム40にはバルブ2のリフト方向の慣性力が作用するので、ロッカアーム40が揺動カム10から離れる虞がある。したがって、このときにロッカアーム40の規制部42が揺動カム10のリフト規制カム部12に当接するようにすることにより、ロッカアーム40の不正運動を防止することができる。
図3は、バルブ2のリフト量を示す概略図である。横軸はクランク角度を示し、縦軸はバルブリフト量を示す。
エンジン負荷が低負荷から高負荷に変化した場合には、図3に示すように、バルブ2のバルブリフト量を破線Aから実線Bへと変更して、充填効率を上げてエンジン出力の向上を図る。しかしながら、実線Bのように同一クランク角度量でバルブリフト量を大きくすると、揺動カム10の揺動加速度が速くなり、バルブリフトが急峻となる。そのため、揺動カム10からの直接の駆動力がロッカアーム40に作用しなくなっても、ロッカアーム40に発生する慣性力が大きくなる。さらには、バルブリフトピークで揺動カム10にかかる負の加速度(リフト減少率)が増大するので、スプリング反力に抗してロッカアーム40が揺動カム10から離れることがある。このように、揺動カム10からロッカアーム40が離れると、バルブ2のリフト量が設定されたフルリフトよりも大きくなるバルブ不正運動が生じる。したがって、従来はバルブ不正運動が発生しないようにバルブリフト量を抑える等していたが、バルブリフト量を抑えると充填効率が低下するという問題がある。
そこで、本発明においては、その問題は、揺動カム10にリフト規制カム部12を設け、ロッカアーム40に規制部42を設けることによって解消している。
つまり、図2(D)のフルリフト時に、揺動カム10の揺動加速度が増大してロッカアーム40にスプリング反力よりも大きな慣性力が発生すると、ロッカアーム40がバルブ2をリフトさせる方向にさらに傾こうとして、ロッカアーム40が揺動カム10から離れそうになる。そうすると、ロッカアーム40の規制部42が、揺動カム10のリフト規制カム部12に当接して、ロッカアーム40がそれ以上バルブ2をリフトさせる方向に傾こうとするのを抑制する。
なお、図2(A)から図2(C)の状態(フルリフト時以外の状態)においても、リフト規制カム部12と規制部42は所定の微小隙間を設けて対向しているので、ロッカアーム40の駆動フォロア41が駆動カム部11から離れそうになり、ロッカアーム40が不正運動しそうになった場合には、規制部42が瞬時にリフト規制カム部12に当接し、ロッカアーム40がバルブ2をリフトさせる方向にさらに傾くのを抑制し、ロッカアーム40の不正運動が防止される。
また、図2(D)のフルリフト近傍でのみリフト規制カム部12と規制部42が所定の微小隙間を設けて対向するようにし、フルリフト近傍以外では所定の微小隙間よりも大きな隙間とし、フルリフト近傍のみにおけるロッカアーム40の不正運動が防止されるようにしてもよい。この場合、図2(A)から図2(C)のフルリフト近傍以外の状態において、リフト規制カム部12と規制部42の隙間を大きく取ることができるので、リフト規制カム部12を小さくすることができる。
以上により、第1実施形態は下記の効果を得ることができる。
可変動弁装置100は、揺動カム10にリフト規制カム部12を備え、ロッカアーム40に規制部42を備えるため、揺動カム10の加速度方向が変わり、慣性力によってロッカアーム40が揺動カム10から離れそうになると、規制部42がリフト規制カム部12に当接するので、ロッカアーム40が駆動カム部11から離れることを防止できる。ロッカアーム40の不正運動が防止されると、それまで一体に運動していたロッカアーム40とバルブ2は分離し、バルブ2のみの不正運動(揺動カム10によるリフトからのずれ)となる。規制部42及びリフト規制カム部12によるロッカアーム40のリフト角(揺動角)規制がない場合は、図示しないバルブスプリングによってバルブ2及びロッカアーム40が揺動カム10に向かって付勢される。一方、ロッカアーム40のリフト角規制がある場合は、図示しないバルブスプリングに揺動カム10に向かって付勢される部品はバルブ2のみとなるので慣性重量が低減され、同一バルブスプリング荷重では、ロッカアーム40のリフト角が規制されない場合よりも、バルブ不正運動が発生するエンジン回転数がより高回転に移行する。したがって、エンジン負荷が増大した場合においても、バルブ2のリフト量を大きくすることができ、充填効率の向上を図ることができる。
揺動カム10には、駆動カム部11及びリフト規制カム部12が一体形成されているので、駆動カム部11及びリフト規制カム部12を備えた揺動カム10を軽量、コンパクトに作成することができ、動弁機構の軽量化及び慣性重量の低減が可能になり、動弁駆動トルクの低減、各構成部材の応力低下を図ることができる。さらに、揺動カム10のコンパクト化により、レイアウトの自由度が向上する。
ロッカアーム40は、揺動カム10が揺動運動をした場合にリフト規制カム部12と干渉しないように、駆動フォロア41と規制部42との間に凹部44を備えるので、揺動カム10が揺動しても、リフト規制カム部12と凹部44との間でフリクションは発生しない。また、リフト規制カム部12と規制部42は、常に所定の微小隙間を設けて対向しているので、ロッカアーム40が不正運動となった場合は、ロッカアーム40の揺動角によらず規制部42がリフト規制カム部12に当接してロッカアーム40の不正運動を抑制するため、バルブ2のバルブスプリングのスプリング反力を低減できる。これにより、揺動カム10とロッカアーム40との間に生じるフリクションをより低減することができ、エンジンの燃費向上を図ることが可能となる。
もしくは、リフト規制カム部12と規制部42がフルリフト近傍でのみ所定の微小隙間を設けて対向するようにし、フルリフト近傍以外では所定の微小隙間よりも大きな隙間とする。このように、フルリフト近傍のみにおけるロッカアーム40の不正運動を防止することにより、リフト規制カム部12を小さくすることができ、小型で軽量な動弁系を形成することができる。
揺動カム10の駆動カム部11は、バルブ2がリフトしていない状態において、揺動カム10の揺動中心21cに対してバルブ2側に配置されるので、揺動カム10からロッカアーム40にかかる力が最大となる揺動カム10の最大加速度付近において、ロッカアーム40のロッカ比が他のクランク角度時に比べて相対的に小さくなる。揺動カム10の最大正加速度付近においてロッカアーム40のロッカ比が他のリフト状態に比べて相対的に小さくなると、揺動カム10への入力荷重が小さくなり、面圧を低減できる。したがって、ロッカアーム40との摩耗の発生が抑制できると共に、揺動カム10の材料選択の自由度が向上し、加工し易くかつ低コストの材料を選択できる。
第2リンク27と連結する揺動カム10の連結部(連結ピン28)は、揺動カム10の揺動中心21cに対してバルブ2側に配置されているので、バルブ2がリフトする際に、第2リンク27が圧縮力を受けることにより、第2リンク27の変形量を低減することができる。また、第2リンク27と揺動カム10の連結部(連結ピン28)と、摺動部45との距離を小さくすることができ、揺動カム10の変形を抑制することができる。これにより、高剛性な動弁系を構成することが可能であり、所望のリフト量を得ることができる。
また、第2リンク27と揺動カム10の連結部(連結ピン28)は、駆動カム部11に設けられているので、揺動カム10に新たに連結部を設ける必要がなく、小型・軽量な動弁を形成できる。
さらに、ロッカアーム40は、バルブ2の軸心と異なる位置に配置されるピボットピン3に対して揺動自在に支持されているので、ピボットピン3でバルブクリアランスを調整することでロッカアーム40の重量を低減でき、小型・軽量な動弁系を形成することができる。そして、ロッカアーム40の重量減により、動弁駆動トルクの低減、各構成部材の応力低下を図ることができる
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図4に基づいて説明する。
第2実施形態の可変動弁装置200は、第1実施形態の可変動弁装置100と基本構成はほぼ同様であるが、駆動カム部211の配置や、揺動カム210の揺動方向とバルブ202の動きの関係において第1の実施形態と相違している。
図4に、本発明の第2実施形態である可変動弁装置200の概略図を示す。図4(A)は、エンジン側方から見たときの可変動弁装置200を示し、図4(B)は、B−B面から見た可変動弁装置200を示す。
図4(A)に示す可変動弁装置200は、車両等のエンジンにおいて、バルブ202を図示しないポートに対して開閉する装置である。可変動弁装置200は揺動カム210と、その揺動カム210を揺動させる揺動カム駆動機構220と、バルブ202のリフト量を変化させ得るリフト可変機構230とを備える。なお、可変動弁装置200によって作動するバルブ202は、吸気バルブ、排気バルブのいずれのバルブでもよい。
図4(B)に示す通り、揺動カム210のカム面は、駆動軸221の中心軸221cを中心とする円弧上のベース部213と、ロッカアーム240を押圧する駆動カム部211と、ロッカアーム240の不正運動を防止するリフト規制カム部212とを備える。すなわち、揺動カム210には、駆動カム部211及びリフト規制カム部212が一体形成されている。駆動カム部211は、所望のバルブリフトが得られるようなカムプロフィールとなっており、バルブ202がリフトしていない状態において、揺動カム210の揺動中心軸221cに対してロッカアーム240の支点側(ピボット203側)に配置されている。駆動カム部211とリフト規制カム部212は、滑らかに連続されるように接続されており、一つの凸形状で形成されている。また、揺動カム210は、後述する揺動カム駆動機構220によって図示しないクランクシャフトと連動して駆動軸221を支点に揺動し、ロッカアーム240を介してバルブ202の開閉を行う。駆動カム211がロッカアーム240の支点側(ピボット203側)からバルブ202側に向かう方向(矢印Bの方向)に揺動カム210が揺動しているとき、バルブ202が開かれる。図4(B)はバルブ202がリフトされている状態を示している。
ロッカアーム240は、第1実施形態と同様のものである。リフト規制カム部212と規制部242との間は、所定の微小隙間を有するように設定され、ロッカアーム240が揺動する必要がある範囲では、揺動カム210が揺動するときに、揺動カム210の駆動カム部211以外の部分とロッカアーム240が干渉しないようにするとともに、揺動カム角によらず、ロッカアーム240がジャンプ(不正運動)しそうになるとロッカアーム240の揺動角を規制する構成となっている。
バルブ202は、そのステムエンド202aがロッカアーム240の端部243に当接し、ロッカアーム240の揺動に応じてポートを開閉する。バルブ202は、バルブステムに図示しないバルブスプリングを介装する。このバルブスプリングは、バルブ202を閉弁方向に付勢するもので、これにより揺動カム210からロッカアーム240が離れないように、バルブ202を介してロッカアーム240を揺動カム210に押圧する。ここで、摺動部245における駆動フォロア241に対する法線L3と、規制部242とリフト規制カム部212が当接することによりロッカアーム240の揺動を規制するときの規制部242とリフト規制カム212との当接部247における規制部242に対する法線L4との交点Qは、ピボットピン203からみて、揺動カム210の揺動中心221cよりも内側にある。
このような可変動弁装置200において、揺動カム210は、図4(A)及び図4(B)に示すように、駆動軸221の外周に回転自在に嵌合しており、揺動カム駆動機構220によってクランクシャフトと連動して揺動する。揺動カム駆動機構220の構成及び動作は、第2リンク227と揺動カム210の連結部の位置以外は第1実施形態と同じである。第2実施形態においては、第2リンク227と揺動カム210の連結部(連結ピン228)は、揺動カム210の揺動中心221cに対してロッカアーム240の支持部(ピボットピン203)側に配置されており、リフト規制カム部212に設けられている。また、リフト可変機構230の構成及び動作は第1実施形態と同じである。
なお、図5に示すように、揺動カム210とロッカアーム240が摺動(または当接)する接触部分にローラ250を設けることもできる。駆動カム部211と駆動フォロア241の摺動部245及びリフト規制カム部212と規制部242の当接部247にそれぞれローラ250を設けることによって、揺動カム210とロッカアーム240との間のフリクション及び摩擦の低減を図ることができる。
次に、第2実施形態に係る可変動弁装置200の作用について説明する。
図6は、連結アーム225の揺動中心232cと、駆動軸221の軸心221cとの距離D4が最短で、バルブ202の最大リフト量及び作動角が最大となる場合における、揺動カム210の揺動によるバルブ202のリフトを示す図である。図6(A)から図6(D)は、バルブ202がリフトしていない状態からフルリフトしている状態まで変化する状態を示す。
揺動カム210は、揺動カム駆動機構220によってクランクシャフトと連動して駆動軸221を支点に揺動し、ロッカアーム240を介してバルブ202の開閉を行う。揺動カム210の揺動中心はバルブ202の軸心202cとピボットピン203の軸心203cとの間に位置する。
バルブ202がリフトしておらずポートを閉弁している場合には、図6(A)に示すように、揺動カム210のベース部213がロッカアーム240の駆動フォロア241に接している。
揺動カム210は、図6(B)から図6(D)に示すように、ベース部213から駆動カム部211に向かって順次駆動フォロア241と接触する。この往路運動によって、駆動カム部211はロッカアーム240の駆動フォロア241を押圧する。すると、ロッカアーム240はピボットピン203を支点にして図中右まわりへ傾き、ロッカアーム240の端部243に当接するバルブ202を押し下げる。これによって、バルブ202はリフトし、図示しないポートを開弁する。このとき、バルブ202のバルブステムに介装された図示しないバルブスプリングは、バルブリフトによって圧縮された状態となる。
なお、本実施形態では、バルブ202がリフトしていない状態(図6(A))から、揺動カム210の最大加速度付近(図6(C))までの間において、駆動カム部211とロッカアーム240の摺動部245がロッカアーム240の支持部(ピボットピン203)に近づく向きに駆動カム210が揺動するとバルブ202がリフトする。したがって、バルブ202とピボットピン203との距離をD5、摺動部245とピボットピン203との距離をD6とすると、バルブ202がリフトしていない状態から、揺動カム210の最大正加速度付近(図6(C))において、ロッカ比D5/D6が他のリフト状態に比べて相対的に大きくなる。
バルブ202がフルリフトした後は、揺動カム210は駆動カム部211からベース部213に向かって順次駆動フォロア241と接触する。この復路運動によって、駆動カム部211の駆動フォロア241に対する押圧力は解除されるため、バルブ202はバルブスプリングのスプリング反力によって押し上げられて閉弁する。このとき、ロッカアーム240は、スプリング反力によって、揺動カム210から離れないように付勢されている。
この揺動カム210は、バルブ202のフルリフト(図6(D))前の所定揺動角度の期間において、往路運動から復路運動に向きが変わるために減速する。また、バルブ202のフルリフト後の所定揺動角度の期間において、揺動カム210がロッカアーム240を介してバルブ202を押圧する力が解除される。しかし、このロッカアーム240を押圧する力が解除されても、ロッカアーム240にはバルブ202のリフト方向の慣性力が作用するので、ロッカアーム240が揺動カム210から離れる虞がある。したがって、このときにロッカアーム240の規制部242が揺動カム210のリフト規制カム部212に当接するようにすることにより、ロッカアーム240の不正運動を防止することができる。
前述したように、バルブリフト量を大きくすると、揺動カム210の揺動加速度が速くなり、バルブリフトが急峻となる。そのため、揺動カム210からの直接の駆動力がロッカアーム240に作用しなくなっても、ロッカアーム240に生じる慣性力が大きくなり、スプリング反力に抗してロッカアーム240が揺動カム210から離れることがある。このように、揺動カム210からロッカアーム240が離れると、バルブ202のリフト量が設定されたフルリフトよりも大きくなるバルブ不正運動が生じるが、本発明においては、その問題は、揺動カム210にリフト規制カム部212を設け、ロッカアーム240に規制部242を設けることによって解消している。つまり、図6(D)のフルリフト時において、揺動カム210の揺動加速度が増大してロッカアーム240をスプリング反力よりも大きな慣性力が発生して、ロッカアーム240がバルブ202をリフトさせる方向にさらに傾こうとし、ロッカアーム240が揺動カム210から離れそうになると、ロッカアーム240の規制部242が揺動カム210のリフト規制カム部212に当接して、ロッカアーム240がそれ以上バルブ202をリフトさせる方向に傾こうとするのを抑制する。
なお、図6(A)から図6(C)の状態(フルリフト以外の状態)においても、リフト規制カム部212と規制部242は微小の隙間を設けて対向しているので、ロッカアーム240の駆動フォロア241が駆動カム部211から離れ不正運動となった場合には、規制部242がリフト規制カム部212に当接してリフト角が規制され、ロッカアーム240の不正運動が防止される。
また、揺動カム210の往復運動の間に、揺動カム210と、ロッカアーム240の駆動フォロア241と規制部242の間の部分が干渉しないように、ロッカアーム240は凹部244を備えている。
図7(A)から図7(D)は、連結アーム225の揺動中心232cと、駆動軸221の軸心221cとの距離D7が最長で、バルブ202の最大リフト量及び作動角が最小となる場合における、バルブ202がリフトしていない状態からピークリフト(最大リフト)の状態まで変化する状態を示す図である。
この場合においても、図6の最大作動角時と同様に揺動カム210の往路運動によってバルブ202がリフトされる。また、図7(D)において、揺動カム210の揺動加速度が増大してロッカアーム240をスプリング反力よりも大きな慣性力が発生して、ロッカアーム240がバルブ202をリフトさせる方向にさらに傾こうとし、ロッカアーム240が揺動カム210から離れそうになると、ロッカアーム240の規制部242が揺動カム210のリフト規制カム部242に当接して、ロッカアーム240がそれ以上バルブ202をリフトさせる方向に傾こうとするのを抑制する。
以上により、第2実施形態は下記の効果を得ることができる。
可変動弁装置200は、揺動カム210にリフト規制カム部212を備え、ロッカアーム240に規制部242を備えるため、揺動カム210の加速度方向が変わり、慣性力によってロッカアーム240が揺動カム210から離れそうになると、規制部242がリフト規制カム部242に当接し、ロッカアーム240が駆動カム部211から離れることを防止できる。ロッカアーム240の不正運動が防止されると、それまで一体に運動していたロッカアーム240とバルブ202は分離し、バルブ202のみの不正運動(揺動カム210によるリフトからのずれ)となる。規制部242及びリフト規制カム部212によるロッカアーム240のリフト角(揺動角)規制がない場合は、図示しないバルブスプリングによってバルブ202及びロッカアーム240が揺動カム210に向かって付勢される。一方、ロッカアーム240のリフト角規制がある場合は、図示しないバルブスプリングに揺動カム210に向かって付勢される部品はバルブ202のみとなるので慣性重量が低減され、同一バルブスプリング荷重では、ロッカアーム240のリフト角が規制されない場合よりも、バルブ不正運動が発生するエンジン回転数がより高回転に移行する。したがって、エンジン負荷が増大した場合においても、バルブ202のリフト量を大きくすることができ、充填効率の向上を図ることができる。
揺動カム210には、駆動カム部211とリフト規制カム部212とが一つの凸形状で形成されているため、小型で軽量な動弁機構を実現でき、慣性重量が低減されるので、動弁駆動トルクの低減、各構成部材の応力低下を図ることができる。さらに、揺動カム210の小型化により、レイアウトの自由度が向上する。
ロッカアーム240は、揺動カム210が揺動運動をした場合に、揺動カム210と干渉しないように、駆動フォロア241と規制部242との間に凹部244を備えるので、揺動カム210が揺動しても揺動カム210と凹部244との間でフリクションは発生しない。また、リフト規制カム部212と規制部242は、常に所定の微小隙間を設けて対向しているので、ロッカアーム240が不正運動となった場合は、ロッカアーム240の揺動角によらず規制部242がリフト規制カム部212に当接してロッカアーム240の不正運動を抑制するため、バルブ202のバルブスプリングのスプリング反力を低減できる。これにより、揺動カム210とロッカアーム240との間に生じるフリクションをより低減することができ、エンジンの燃費向上を図ることが可能となる。
揺動カム210の駆動カム部211は、バルブ202がリフトしていない状態において、揺動カム210の揺動中心221cに対してロッカアーム240の支持部(ピボットピン203)側に配置して、摺動部245と当接部247とを向かい合わせるようにしたので、ロッカアーム240と摺動する揺動カム210のベースサークル面を大きく取ることができる。これにより、ロッカアーム240とリフト規制カム部212とが干渉しなくなるので、揺動カム210の揺動範囲を広く確保することができる。
また、揺動カム210の最大正加速度付近において、ロッカアーム240のロッカ比が他のリフト状態に比べ大きくなり、バルブ202がリフトするとき、ロッカ比が大きくなる方向に摺動部245が移動するので、動弁系のサイズを大きくすることなく、リフト量を大きく取れる。
第2リンク227と揺動カム210との連結部(連結ピン228)は、揺動カム210の揺動中心221cに対して支持部(ピボットピン203)側に配置されているので、バルブ202がリフトする際に、第2リンク227が圧縮力を受けることにより、第2リンク227の変形量を低減することができる。また、第2リンク227と揺動カム210との連結部(連結ピン228)と、摺動部245との距離を小さくすることができ、揺動カム210の変形を抑制することができる。これにより、高剛性な動弁系を構成することが可能であり、所望のリフト量を得ることができる。
また、第2リンク227と揺動カム210との連結部(連結ピン228)が、リフト規制カム部212に設けられているので、揺動カム210に新たに連結部を設ける必要がなく、小型・軽量な動弁を形成できる。
さらに、規制部242及び摺動部245にローラ250を設けたので、揺動カム210とロッカアーム240間のフリクション、磨耗の低減を図ることができ、動弁駆動トルクを低減することができる。
(第3実施形態)
図8は、本発明の第3実施形態である可変動弁装置300の概略図である。
可変動弁装置300の構成は、第2実施形態の可変動弁装置200と基本構成はほぼ同様であるが、リフト規制カム部312の構成において相違する。つまり、第2実施形態においては、リフト規制カム部212とロッカアーム240の規制部242は揺動カム角によらず所定の微小の隙間を設けて対向しているので、ピークリフト近傍に限らず常にロッカアーム240の不正運動を防止できるのに対し、本実施形態ではロッカアーム340の不正運動が最も問題となるピークリフト近傍においてのみリフト規制カム部312と規制部340が所定の微小隙間を設けて対向するようにし、ロッカアームの不正運動を防止する。以下にその相違点を中心に説明する。
揺動カム310のカム面は、駆動軸321の中心軸321cを中心とする円弧形状のベース部313と、ロッカアーム340を押圧する駆動カム部311と、ロッカアーム340の不正運動を防止するリフト規制カム部312から構成されている。そして、駆動カム部311がロッカアーム340を押圧することにより、バルブ302がリフトされる。
駆動カム部311は、所望のバルブリフトを得られるようなカムプロフィールとなっている。また、リフト規制カム部312は、ピークリフト近傍のみにおいてリフト規制カム部312と規制部342が微小の隙間を設けて対向するように設けられている。ピークリフト近傍において慣性力によってロッカアーム340が揺動カム310から離れそうになると、ロッカアーム340の規制部342がリフト規制カム部312に当接し、ロッカアーム340の不正運動を防止し、ひいてはバルブ302の不正運動を防止する。
図8(A)から図8(C)は、バルブ302がリフトしていない状態からピークリフトの状態まで変化する状態を示す。
バルブ302がリフトしておらずポートを閉弁している場合には、図8(A)に示すように、揺動カム310のベース部313がロッカアーム340の駆動フォロア341に接している。このとき、リフト規制カム部312と規制部342との隙間tは所定の微小隙間である必要はなく、ある程度の隙間があってよい。
揺動カム310はベース部313から駆動カム部311に向かって順次駆動フォロア41と接触し、図8(B)の状態になるが、この間もリフト規制カム312と規制部342との間にはある程度の隙間がある。
図8(C)はピークリフトの状態を示す。このとき、リフト規制カム部312と規制部342との間は微小な隙間となっており、慣性力によってロッカアーム340が揺動カム310から離れそうになると、規制部342がリフト規制カム部312に当接してロッカアーム340の不正運動が防止される。
以上により、第3実施形態では下記の効果を得ることができる。
リフト規制カム部312がピークリフト近傍でのみ規制部342に当接する設計にすることにより、リフト規制カム部312の摺動部を小さく取ることができ、小型で軽量な動弁系を形成することが可能となる。
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態である可変動弁装置400の概略図である。図9(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置400を示し、図9(B)はB−B面から見た可変動弁装置400を示す。
可変動弁装置400の構成は、第1実施形態の可変動弁装置100と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム440の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム440をロッカシャフト429の軸心に対して揺動させるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図9に示す通り、可変動弁装置400は揺動カム410と、揺動カム410の揺動に応じてバルブ402の開閉を行うロッカアーム440とを備える。
ロッカアーム440は、駆動フォロア441及び規制部442を一体形成する。
規制部442とリフト規制カム部412との間は、最小でも所定の微小隙間を有するように設定される。所定の微小隙間とは、リフト規制カム部412と規制部442が互いに干渉せず、さらにロッカアーム440がジャンプしそうになった時にリフト規制カム部412が規制部442に当接し、ロッカアーム440の揺動を規制できる最小限の隙間である。規制部442とリフト規制カム部412が常に所定の微小隙間を有することによって、規制部442は揺動カム角によらず、ロッカアーム440がジャンプしそうになるとロッカアーム440の揺動角を規制する構成となっている。
ロッカアーム440は、揺動カム410が揺動運動をした場合に、揺動カム410と干渉しないように、駆動フォロア441と規制部442との間に凹部444を備える。また、ロッカアーム440の駆動フォロア441の端部443は、ラッシュアジャスタ445を介して、バルブ402のステムエンド402aと当接する。ラッシュアジャスタ445は、揺動カム410の揺動によって駆動フォロア441やステムエンド402aが摩耗等してもバルブクリアランスを自動的に調整する。本実施形態では、ラッシュアジャスタ445をロッカアーム440の支点側に設定できないため、ロッカアーム440の端部443側に設定している。
このロッカアーム440にはロッカシャフト429が貫通し、ロッカアーム440はロッカシャフト429を支点にして揺動自在に支持される。ロッカアーム440が、第1実施形態と同様にピボットピンによって支持されている場合には、ロッカアーム440は揺動カム410が揺動する方向以外にも自由度を有するため、ロッカアーム440が揺動カム410の揺動方向以外に傾いた場合には、ロッカアーム440がピボットピンから外れたり、ロッカアーム440の端部443がバルブ402のステムエンド402aから外れたりする可能性がある。しかしながら、本実施形態では、ロッカアーム440はロッカシャフト429によって揺動カム410が揺動する方向のみに揺動することになるため、上述したような問題が生じることはない。
また、ロッカアーム440にスプリング反力よりも大きな慣性力が発生して、ロッカアーム440がバルブ402をリフトさせる方向にさらに傾こうとすると、規制部442がリフト規制カム部412に当接する。そのため、ロッカアーム440が揺動カム410から離れて傾くことが抑制され、バルブ402が設定値以上にリフトすることが防止される。
以上により、第4実施形態では下記の効果を得ることができる。
本可変動弁装置400は、規制部442を有するロッカアーム440をロッカシャフト429により揺動自在に支持するため、第1実施形態と同様の効果に加えて、ロッカアーム440がバルブ402のステムエンド402aから外れたりすることを防止でき、可変動弁装置400の動作の確実性を向上させることが可能となる。
また、ロッカアーム440のラッシュアジャスタ445をロッカアーム440の支点側に設定できず、ロッカアーム440の端部443側に設けた場合であっても、リフト規制カム部412及び規制部442によってロッカアーム440の不正運動が防止されるので、通常は問題となる慣性重量増によるバルブ402の不正運動を防止することができる。
なお、本実施形態では第1実施形態と同じように、バルブ402がリフトしていない状態において、駆動カム部411が揺動カム410の揺動中心軸421cに対してバルブ402側に配置されている可変動弁装置にロッカシャフト429を中心として揺動するロッカアーム440を適用しているが、図10に示すように、駆動カム部511が揺動カム510の揺動中心軸521cに対してロッカアーム540の支持部(ロッカシャフト529)側に配置されている第2実施形態と同様な構成の可変動弁装置にも適用することができる。
(第5実施形態)
図10は、本発明の第4実施形態の改変例である可変動弁装置500の概略図である。図10(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置500を示し、図10(B)はB−B面から見た可変動弁装置500を示す。
可変動弁装置500の構成は、第2実施形態の可変動弁装置200と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム540の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム540をロッカシャフト529の軸心に対して揺動させるようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図10に示す通り、可変動弁装置500は揺動カム510と、揺動カム510の揺動に応じてバルブ502の開閉を行うロッカアーム540とを備える。
ロッカアーム540は、駆動フォロア541及び規制部542を一体形成する。
規制部542とリフト規制カム部512との間は、最小でも所定の微小隙間を有するように設定される。所定の微小隙間とは、リフト規制カム部512と規制部542が互いに干渉せず、さらにロッカアーム540がジャンプしそうになった時にリフト規制カム部512が規制部542に当接し、ロッカアーム540の揺動を規制できる最小限の隙間である。規制部542とリフト規制カム部512が常に所定の微小隙間を有することによって、規制部542は揺動カム角によらず、ロッカアーム540がジャンプしそうになるとロッカアーム540の揺動角を規制する構成となっている。
ロッカアーム540は、揺動カム510が揺動運動をした場合に、揺動カム510と干渉しないように、駆動フォロア541と規制部542との間に凹部544を備える。
駆動フォロア541の端部543は、ラッシュアジャスタ545を介して、バルブ502のステムエンド502aと当接する。ラッシュアジャスタ545は、揺動カム510の揺動によって駆動フォロア541やステムエンド502aが摩耗等してもバルブクリアランスを自動的に調整する。本実施形態では、ラッシュアジャスタ545をロッカアーム540の支点側に設定できないため、ロッカアーム540の端部543側に設定している。
このロッカアーム540にはロッカシャフト529が貫通し、ロッカアーム540はロッカシャフト529を支点にして揺動自在に支持される。ロッカアーム540が、第2実施形態と同様にピボットピンによって支持されている場合には、ロッカアーム540は揺動カム510が揺動する方向以外にも自由度を有するため、ロッカアーム540が揺動カム510の揺動方向以外に傾いた場合には、ロッカアーム540がピボットピンから外れたり、ロッカアーム540の端部543がバルブ502のステムエンド502aから外れたりする可能性がある。しかしながら、本実施形態では、ロッカアーム540はロッカシャフト529によって揺動カム540が揺動する方向のみに揺動することになるため、上述したような問題が生じることはない。
また、ロッカアーム540にスプリング反力よりも大きな慣性力が発生して、ロッカアーム540がバルブ502をリフトさせる方向にさらに傾こうとすると、規制部542がリフト規制カム部512に当接する。そのため、ロッカアーム540が揺動カム510から離れて傾くことが抑制され、バルブ502が設定値以上にリフトすることが防止される。
以上により、第5実施形態では下記の効果を得ることができる。
本可変動弁装置500は、規制部542を有するロッカアーム540をロッカシャフト529により揺動自在に支持するため、第2実施形態と同様の効果に加えて、ロッカアーム540がバルブ502のステムエンド502aから外れたりすることを防止でき、可変動弁装置500の動作の確実性を向上させることが可能となる。
また、ラッシュアジャスタ545をロッカアーム540の支点側に設定できず、ロッカアーム540の端部543側に設けた場合であっても、リフト規制カム部512及び規制部542によってロッカアーム540の不正運動が防止されるので、通常は問題となる慣性重量増によるバルブ502の不正運動を防止することができる。
(第6実施形態)
図11は、本発明の第6実施形態である可変動弁装置600の概略図である。図11(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置600を示し、図11(B)はB−B面から見た可変動弁装置600を示す。
可変動弁装置600の構成は、第1実施形態の可変動弁装置100と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム640の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム640とバルブ602とを機械的に連結するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図11に示す通り、ロッカアーム640は、駆動フォロア641、規制部642及び挟持部646を一体形成する。このロッカアーム640はピボットピン603によって支持され、揺動カム610の揺動に応じてピボットピン603を支点として揺動する。ロッカアーム640は、駆動フォロア641と規制部642との間に揺動カム610との干渉を防ぐ凹部644を有する。本実施形態では、第1実施形態と異なり、規制部642は常にリフト規制カム部612と摺接するように形成されている。
ロッカアーム640の凹部644の下方に形成される挟持部646は、バルブ602に向かって延設されている。この挟持部646の端部647は、バルブ602のステムエンド602aの近傍に固定されているリテーナ604の下面604aに下側から当接する。また、ロッカアーム640の駆動フォロア641の端部643がバルブ602のステムエンド602aに当接する。このように、バルブ602は、ステムエンド602aに当接する駆動フォロア641と、リテーナ604に当接する挟持部646とによって保持され、強制的に駆動されるため、バルブステムにバルブスプリングを介装する必要がない。
本実施形態では、揺動カム610が往路運動する場合には、揺動カム610の駆動カム部611が駆動フォロア641を押圧する。このとき、揺動カム610のリフト規制カム部612は、凹部644から規制部642の先端に向かって摺動する。これによって、ロッカアーム640は図中右側に傾き、駆動フォロア641を介してバルブ602が押し下げられて開弁する。
一方、揺動カム610が復路運動する場合には、揺動カム610は、駆動カム部611からベース部613に向かって順次駆動フォロア641と接触する。このとき、揺動カム610のリフト規制カム部612が、規制部642の先端から凹部644に向かって摺動して、ロッカアーム640を図中左側に傾くように押圧する。すると、ロッカアーム640の挟持部646によりリテーナ604を介してバルブ602が押し上げられて閉弁する。
以上により、第6実施形態では下記の効果を得ることができる。
第6実施形態の可変動弁装置600では、駆動フォロア641が駆動カム部611と摺接し、規制部642がリフト規制カム部612と摺接して、さらに駆動フォロア641と挟持部646とによってバルブ602を挟持する。これにより、エンジン回転数が高回転になって揺動カム610の揺動加速度が増大しても、ロッカアーム640が揺動カム610から、またバルブ602がロッカアーム640から、それぞれ離れることはなく、バルブ不正運動を確実に防止することができる。
また、ロッカアーム640とバルブ602とを駆動フォロア641及び挟持部646によって機械的に連結するため、バルブ602にバルブスプリングを介装する必要がなく、部品数が低減してコスト削減が可能となるだけでなく、組立作業性の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、第1実施形態のように、バルブ602がリフトしていない状態において、駆動カム部611が揺動カム610の揺動中心軸621cに対してバルブ602側に配置されている可変動弁装置に規制部642及び挟持部646を一体形成したロッカアーム640を適用しているが、図12に示すように、揺動カム710の揺動中心軸721cに対してロッカアーム740の支持部(ピボットピン703)側に駆動カム部711が配置されている第2実施形態と同様な構成の可変動弁装置にも適用することができる。
(第7実施形態)
図12は、本発明の第7実施形態である可変動弁装置700の概略図である。図12(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置700を示し、図12(B)はB−B面から見た可変動弁装置700を示す。
可変動弁装置700の構成は、第2実施形態の可変動弁装置200と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム740の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム740とバルブ702とを機械的に連結するようにしたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図12に示す通り、ロッカアーム740は、駆動フォロア741、規制部742及び挟持部746を一体形成する。このロッカアーム740はピボットピン703によって支持され、揺動カム710の揺動に応じてピボットピン703を支点として揺動する。ロッカアーム740は、駆動フォロア741と規制部742との間に、揺動カム710との干渉を防ぐ凹部744を有する。本実施形態では、第2実施形態と異なり、規制部742は常に揺動カム710のリフト規制カム部712と摺接するように形成されている。
ロッカアーム740の凹部744の下方に形成される挟持部746は、バルブ702に向かって延設されている。この挟持部746の端部747は、バルブ702のバルブステムのステムエンド702aの近傍に固定されているリテーナ704の下面704aに下側から当接する。また、ロッカアーム740の駆動フォロア74の端部743がバルブ702のステムエンド702aに当接する。このように、バルブ702は、ステムエンド702aに当接する駆動フォロア741と、リテーナ704に当接する挟持持部746とによって保持されて強制的に駆動されるため、バルブステムにバルブスプリングを介装する必要がない。
本実施形態では、揺動カム710が往路運動する場合には、揺動カム710の駆動カム部711がロッカアーム740の駆動フォロア741を押圧する。これによって、ロッカアーム740は図中左側に傾き、駆動フォロア741を介してバルブ702が押し下げられて開弁する。
一方、揺動カム710が復路運動する場合には、揺動カム710は、駆動カム部711からベース部713に向かって順次駆動フォロア741と接触する。このとき、揺動カム7100のリフト規制カム部712が、ロッカアーム740が図中右側に傾くように規制部742を押圧する。すると、ロッカアーム740の挟持部746によりリテーナ704を介してバルブ702が押し上げられて閉弁する。
以上により、第7実施形態では下記の効果を得ることができる。
第7実施形態の可変動弁装置700では、駆動フォロア741が駆動カム部711と摺接し、規制部742がリフト規制カム部712と摺接して、さらに駆動フォロア741と挟持部746とによってバルブ702を挟持する。これにより、エンジン回転数が高回転になって揺動カム710の揺動加速度が増大しても、ロッカアーム740が揺動カム710から、またバルブ702がロッカアーム740から、それぞれ離れることはなく、バルブ不正運動を確実に防止することができる。
また、ロッカアーム740とバルブ702とを、駆動フォロア741及び挟持部746によって機械的に連結するため、バルブ702のバルブステムにバルブスプリングを介装する必要がなく、部品数が低減してコスト削減が可能となるだけでなく、組立作業性の向上を図ることが可能となる。
(第8実施形態)
図13は、本発明の第8実施形態である可変動弁装置800の概略図である。図13(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置800を示し、図13(B)はB−B面から見た可変動弁装置800を示す。
可変動弁装置800の構成は、第1実施形態の可変動弁装置100と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム840の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム840を二股形状としたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図13(A)に示す通り、可変動弁装置800は、揺動カム機構820に連結する揺動カム810bと、その揺動カム810bと連動して揺動する揺動カム810aとを備える。
ロッカアーム840は、揺動カム810a、810bの間に配置されるピボットピン803によって支持され、揺動カム810の揺動に応じてピボットピン803を支点として揺動する。ロッカアーム840には、ピボットピン803と連結する部分に二股アーム848が形成され、二股アーム848の一方は揺動カム810aに向かって延設され、他方は揺動カム810bに向かって延設される。揺動カム810b側の二股アーム848は、図13(B)に示すように、第1実施形態と同様に駆動フォロア841b、規制部842bを形成する。また、揺動カム810b側の二股アーム818は、揺動カム810bが揺動運動をした場合に、リフト規制カム部812bと干渉しないように、駆動フォロア841bと規制部842bとの間に凹部844bを備える。なお、揺動カム810a側の二股アーム848にも同様に駆動フォロア841a、規制部842a等を形成するが、説明の便宜上省略する。
このように、ロッカアーム840は、ピボットピン803の軸心に対して左右対称の構造となり、第1実施形態よりも大形化するため、ロッカアーム840の慣性重量は増加する。したがって、第1実施形態と比較して揺動カム810bの揺動加速度が小さい場合でも、ロッカアーム840が揺動カム810bから離れそうになるが、ロッカアーム840の規制部842bが揺動カム810bのリフト規制カム部812bに当接するため、ロッカアーム840が揺動カム810から離れて傾くことが抑制され、バルブ802が設定値以上にリフトすることが防止される。
以上により、第8実施形態は下記の効果を得ることができる。
ロッカアーム840は、二股アーム848の揺動カム810bの側に駆動フォロア841bと規制部842bを設け、揺動カム810aの側にも同様に駆動フォロア841aと規制部842aを設けて、ピボットピン803の軸心に対して左右対称な構造とする。これにより、エンジン負荷が高負荷になって揺動カム810の揺動加速度が増大してもバルブ不正運動を抑制することでき、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、ロッカアーム840は、揺動カム810a、810bの間に配置されるピボットピン803によって支持され、異なる2つの揺動カム810a、810bの駆動フォロア841a、841bや規制部842a、842bを一体形成するため、第1実施形態と比較して部品数を低減することができ、コスト削減が可能となるだけでなく、組立作業性の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、第1実施形態のように、バルブ802がリフトしていない状態において、駆動カム部811a、811bが揺動カム810a、810bの揺動中心軸821cに対してバルブ802側に配置されている可変動弁装置に二股形状のロッカアーム840を適用しているが、図14に示すように、揺動カム910の揺動中心軸921cに対してロッカアーム940の支持部(ピボットピン903)側に駆動カム部911a、911bが配置されている第2実施形態と同様の構成の可変動弁装置にも適用することができる。
(第9実施形態)
図14は、本発明の第9実施形態である可変動弁装置900の概略図である。図14(A)はエンジン側方から見たときの可変動弁装置900を示し、図14(B)はB−B面から見た可変動弁装置900を示す。
可変動弁装置900の構成は、第2実施形態の可変動弁装置200と基本構成はほぼ同様であるが、ロッカアーム940の構造において一部相違する。つまり、ロッカアーム940を二股形状としたもので、以下にその相違点を中心に説明する。
図14(A)に示す通り、可変動弁装置900は、揺動カム機構920に連結する揺動カム910bと、その揺動カム910bと連動して揺動する揺動カム910aとを備える。
ロッカアーム940は、揺動カム910a、910bの間に配置されるピボットピン903によって支持され、揺動カム940の揺動に応じてピボットピン903を支点として揺動する。ロッカアーム940には、ピボットピン903と連結する部分に二股アーム948が形成され、二股アーム948の一方は揺動カム910aに向かって延設され、他方は揺動カム910bに向かって延設される。揺動カム910b側の二股アーム948は、図14(B)に示すように、第2実施形態と同様に駆動フォロア941b、規制部942bを形成する。また、揺動カム910b側の二股アーム948は、揺動カム910bが揺動運動をした場合に、リフト規制カム部912bと干渉しないように、駆動フォロア941bと規制部942bとの間に凹部944bを備える。なお、揺動カム910a側の二股アーム948にも同様に駆動フォロア941a、規制部942b等を形成するが、説明の便宜上省略する。
このように、ロッカアーム940はピボットピン903の軸心に対して左右対称の構造となり、第2実施形態よりも大形化するため、ロッカアーム940の慣性重量は増加する。したがって、第2実施形態と比較して揺動カム910bの揺動加速度が小さい場合でも、ロッカアーム940が揺動カム910bから離れそうになるが、ロッカアーム940の規制部942bが揺動カム910bのリフト規制カム部912bに当接するため、ロッカアーム940が揺動カム910から離れて傾くことが抑制され、バルブ902が設定値以上にリフトすることが防止される。
以上により、第9実施形態は下記の効果を得ることができる。
ロッカアーム940は、二股アーム948の揺動カム910bの側に駆動フォロア941bと規制部942bを設け、揺動カム910aの側にも同様に駆動フォロア941aと規制部942bを設けて、ピボットピン903の軸心に対して左右対称な構造とする。これにより、エンジン負荷が高負荷になって揺動カム910bの揺動加速度が増大してもバルブ不正運動を抑制することでき、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、ロッカアーム940は、揺動カム910a、910bの間に配置されるピボットピン903によって支持され、異なる2つの揺動カム910a、910bの駆動フォロア941a、941bや規制部942a、942bを一体形成するため、第2実施形態と比較して部品数を低減することができ、コスト削減が可能となるだけでなく、組立作業性の向上を図ることが可能となる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
例えば、第6から第9実施形態においても、第4及び第5実施形態と同様に、ロッカアームにロッカシャフトを揺動自在に貫通するようにしてもよい。
また、第2実施形態以外の実施形態においても、第2実施形態と同様に、規制部及び摺動部にローラを設けてもよい。
さらに、第4から第9実施形態において、リフト規制カム部とロッカアームの規制部が揺動カム角によらず所定の微小の隙間を設けて対向し、ピークリフト近傍に限らず常にロッカアームの不正運動を防止できるようにしてもよいし、もしくは、ロッカアームの不正運動が最も問題となるピークリフト近傍においてのみリフト規制カム部と規制部が所定の微小隙間を設けて対向するようにし、ロッカアームの不正運動を防止するようにしてもよい。