JP2007278122A - 水平軸風車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレード4のピッチ角を駆動制御するピッチ駆動制御装置を備える水平軸風車において、ブレードを所定のピッチ角(フェザーの角)へ付勢する弾性部材(捩りバネ13)が設けられる。プレードのピッチ軸Pと同軸に配置したスプライン(11,12)を介してブレードと捩りバネとが連結される。ハブ4内に配置された1つの三叉連結体14と、各3つのブリッジ11、スプライン軸12及び捩りバネ13とにより、3枚のブレードが三叉状に連結される。
【選択図】図2
Description
水平軸風車ではブレードのピッチ角変更によって起動トルクの増大を図ると共に、風速に応じた回転数の制御を行い、かつ強風時にはブレードを風向と平行にするフェザリングにより出力及び回転速度を常用範囲内に収める制御が行われている。
可変ピッチ式の風車の一つの構造として、例えば特許文献1に記載されるようにブレードの付根が旋回ベアリングを介してハブに固定されており、旋回ベアリングに付設された旋回ベアリングギアにアクチュエータ側のピニオンギアを噛み合わせて駆動する構造が利用されている。
また、特許文献1に記載の風車のように、各ブレードを各々独立したアクチュエータで制御する独立ピッチ可変機構が利用されている。
これにより、台風等の強風時にブレードのピッチ駆動制御装置に異常が発生したときに、ブレードのピッチ軸周りの回転拘束を解除することによって、ブレードがフルフェザー位置側に付勢され、かつフルフェザー位置に保持されてロータの過回転が有効的に回避されて安全性が確保できる。
特許文献1記載の発明にあっては、ブレードをフルフェザーの位置に付勢するには、ロータの回転に伴う錘の遠心力が必要であり、風力という動力が必要である。無風下では付勢力は作用しない。
また、通常使用するピッチ角度範囲(例えば、フラットからフェザーまでの90°)においてブレードに一定回転方向への付勢力が常時作用していれば、通常使用においてブレードのピッチ駆動系に組み込まれるギア(上記旋回ベアリングギア、ピニオンギアなど)のバックラッシを消失させて、それらのギアの損傷を防止することができるが、特許文献1記載の発明は無風下ではこのような効果は無いばかりか、付勢力が作用したり作用しなかったりすることによって、かえってギアの損傷の機会を増加させてしまう。
また、特許文献1記載の発明にあっては、ロータの回転軸から偏在させた錘を各ブレードの基端部に取り付けるので、風車の外観及びロータの慣性モーメントに影響する。
また、動力を必要としない簡素な構成で、所定のピッチ角度範囲においてブレードに一定回転方向への付勢力を常時作用させることができる水平軸風車を提供することを課題とする。
前記ブレードのピッチ角を駆動制御するピッチ駆動制御装置とを備える水平軸風車において、前記ブレードを所定のピッチ角へ付勢する弾性部材が設けられてなる水平軸風車である。
また、動力を必要としない簡素な構成で、前記所定のピッチ角から外れた所定のピッチ角度範囲においてブレードに一定回転方向への付勢力を常時作用させることができる。これにより、前記所定のピッチ角度範囲においてブレードのピッチ駆動系に組み込まれるギアのバックラッシを消失させて、それらのギアの損傷を防止することができる。
ナセル2はハブ4に接続された主軸3を介してハブ4とブレード5からなるロータ6
を軸支する。タワー1は、ナセル2をヨー回転自在に支持する。
ナセル2の内側には、図示しない増速機、発電機、および主軸ブレーキなどの動力伝達装置が収納されており、これらの各動力伝達装置に主軸3が連結されている。
スプライン軸12の一端には、メス型スプライン11aに嵌合するオス型スプライン12aが設けられており、他端には、ボルト挿入孔を有したメス型連結部12bが結合されている。捩りバネ13の両端には、ボルト挿入孔を有したオス型連結部13aが形成されている。メス型スプライン11aとオス型スプライン12aからなるスプラインは、軸周りのトルクを伝えるが、オス型スプライン12aがメス型スプライン11a内で軸方向に滑動することにより軸方向の力を伝えない。このスプラインの軸をピッチ軸Pに一致させる。
連結軸14aの先端にはメス型連結部14dが結合している。このメス型連結部14dにもボルト挿入孔が設けられる。他の2つの連結軸14b,14cの先端にも同様のメス型連結部(図示せず)が結合している。
捩りバネ13が自然状態のとき、ブレード5のピッチ角はフルフェザーの角度である。
図5に示すように、フェザーの角度を90°、フラットの角度を0°とする。90°から80°、70°とフラット側にブレード5をピッチ旋回させていくと、捩りバネ13の弾性力によりフェザー側にブレード5をピッチ旋回させるトルク(「バネトルク」とする。)が発生する。
図5に示すように、バネトルクS1を上回るフラット側への駆動トルクDを負荷することによって、ピッチ駆動制御装置はブレード5のピッチ角を制御することができる。
(1)いま、ピッチ角が90°(フェザー)であるとする。
(2)適度な風速があるのでロータ6を風力により回すため、ブレード5のピッチ角を駆動トルクDによりピッチ角0°まで変角させ、ピッチモータのブレーキによりピッチ角を固定する。ロータ6は風力により回転する。このとき、捩りバネ13が捩り変形しており、弾性エネルギーが蓄えられている。
(3)必要によりピッチ角を変えるときは、風によるブレード5に対するピッチ軸P周りの空力トルクとバネトルクS1との合計トルクに打ち勝って駆動トルクDにより変角させ、一定ピッチ角で保持する時はピッチモータのブレーキによりピッチ角を固定する。なお、ディスクブレーキなどのブレーキをピッチモータとは別に設けて、それを用いても良い。
(4)ブレード5をフェザーに戻すときは、ピッチモータを制御して戻せばよいが、上記(2)又は(3)の状態で、暴風雨等で電力供給系統に異常(停電や装置故障)が発生しピッチ駆動制御装置が不能となったとする。このときピッチモータへの電力が絶たれピッチモータは回転フリーの状態となる。ピッチモータが回転フリーの状態となると、ブレード5はバネトルクS1によりフェザーのピッチ角に戻される。その後、フェザリングによりロータ6の過回転が回避される。
これにより、動力を必要としない簡素な構成で、フェザーの角度から外れたピッチ角度範囲においてブレード5にフェザー側への回転方向への付勢力を常時作用させることができる。したがって、フェザーの角度を除くピッチ角度範囲においてブレード5のピッチ駆動系に組み込まれるギアのバックラッシを消失させて、それらのギアの損傷を防止することができる。
ブレードが3枚以上のロータであってもバネの一部をハブに固定してもよい。
上記実施形態においては、電力によりブレードのピッチを駆動する形態を想定したが、油圧等の他のエネルギー形態を駆動源とするものでも、駆動源が絶たれたときにバネトルクによりブレードを所定ピッチ角に収めることができるから、本発明は有効に利用できる。
2 ナセル
3 主軸
4 ハブ
5 ブレード
6 ロータ
7 ブレード取付孔
8 旋回ベアリング
9 旋回ベアリングギア
10 ピニオンギア
11 ブリッジ
11a メス型スプライン
12a オス型スプライン
12 スプライン軸
13 バネ
14 三叉連結体
A 回転軸
P ピッチ軸
Claims (4)
- ハブと少なくとも2枚以上のブレードとを有し回転自在に軸支されたロータと、
前記ブレードのピッチ角を駆動制御するピッチ駆動制御装置とを備える水平軸風車において、前記ブレードを所定のピッチ角へ付勢する弾性部材が設けられてなる水平軸風車。 - 前記弾性部材を捩りバネとし、前記ブレードのピッチ軸と同軸に配置したスプラインを介して前記ブレードと前記捩りバネとが連結されてなることを特徴とする請求項1に記載の水平軸風車。
- 前記弾性部材を捩りバネとし、前記ブレードを3以上備え、ピッチ軸の異なる2以上のブレードの付根同士が前記ハブ内に配置した前記捩りバネを介して連結されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水平軸風車。
- 前記所定のピッチ角をフェザーの角度とすることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載の水平軸風車。
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