JP2007277147A - ヒドロキシ化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニッケル含有メタロシリケートさせた触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造する方法であって、該触媒の使用に伴う選択率低下を抑制することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】二酸化炭素の共存下に加水分解する。反応雰囲気中の二酸化炭素の存在量が30〜80容量%とすることが好ましく、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜60容量%とすることであり、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜50容量%とすることである。二酸化炭素の存在量が過少であると触媒の選択率の低下を抑制するという本発明の効果が不十分である場合がある。
【選択図】なし
【解決手段】二酸化炭素の共存下に加水分解する。反応雰囲気中の二酸化炭素の存在量が30〜80容量%とすることが好ましく、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜60容量%とすることであり、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜50容量%とすることである。二酸化炭素の存在量が過少であると触媒の選択率の低下を抑制するという本発明の効果が不十分である場合がある。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒドロキシ化合物の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、ニッケル含有メタロシリケート触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造する方法であって、選択率低下を抑制することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物の製造方法に関するものである。
ニッケル含有メタロシリケート触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造する方法は公知である(たとえば、特許文献1参照。)。
しかしながら、従来の方法によると、塩素化炭化水素に対する水のモル比が高いため、反応生成物より目的とするヒドロキシ化合物を回収するために多大のエネルギーコストを必要とする欠点があった。一方、塩素化炭化水素に対する水のモル比を低くすることがエネルギーコストの観点から良いが、従来の方法では、水と塩素化炭化水素のモル比を低くすると、目的とする加水分解反応の触媒寿命、特に加水分解生成物の選択率が使用に伴って低下するという問題があった。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、ニッケル含有メタロシリケート触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造する方法であって、塩素化炭化水素に対する水のモル比の低い反応条件にて該触媒の使用に伴う選択率低下を抑制することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物の製造方法を提供する点に存する。
すなわち、本発明は、ニッケル含有メタロシリケート触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造するに際し、二酸化炭素の共存下に加水分解するヒドロキシ化合物の製造方法に係るものである。
本発明により、ニッケル含有メタロシリケートさせた触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造する方法であって、該触媒の使用に伴う選択率低下を抑制することができるという優れた特徴を有するヒドロキシ化合物の製造方法を提供することができる。
本発明において用いられる触媒は、ニッケル含有メタロシリケート触媒である。該触媒を得る好ましい方法としては、下記の方法をあげることができる。
すなわち、メタロシリケートに塩化ニッケルを乳鉢で共存させる工程を用いる。メタロシリケートとは、Siを必須成分として含み、Al、Cu、Ga、Fe、B、Zn、Cr、Be、Co、La、Ge、Ti、Zr、Hf、V、Ni、Sb、Bi、Nb等から選ばれる1種又は2種以上の金属元素を含み、Siと他金属原子比、Si/Me原子比(ここに、Meは、Al、Cu、Ga、Fe、B、Zn、Cr、Be、Co、La、Ge、Ti、Zr、Hf、V、Ni、Sb、Bi、Nb等から選ばれる1種又は2種以上の金属元素を示す。)が、5以上であるメタロシリケートがより好ましいが、Me成分を実質的に含まない二酸化ケイ素からなる結晶性シリケートでもよい。メタロシリケートには結晶性のものと非晶性のものがあり、本発明はどちらも使用できるが、加水分解反応の収率、選択率向上の観点から結晶性のものがこのましい。ここで結晶性とはX線回折において回折ピークが観察されるものを示す意味する。塩化ニッケルを添加方法としては乳鉢で混合する方法をあげることができるが、溶解させたものに含浸、またはイオン交換させた後、濾過または蒸発乾固することによって添加することもできる。
上記の操作の後は、乾燥(たとえば、80〜150℃、1〜24時間)及び焼成(たとえば、300〜500℃、1〜8時間)することにより粉状の触媒を得ることができる。必要に応じ、成形して用いることができる。焼成するときガスに酸素、水蒸気が存在してもよい。特に、乳鉢で混合させ調製した触媒は水蒸気存在下での焼成が好ましい。
本発明は、塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造するものである。塩素化炭化水素化合物としては、メチルクロライド、エチルクロライド、アリルクロライドのような鎖状炭化水素に塩素原子が一つ置換した塩素化炭化水素化合物や、四塩化炭素のような塩素原子が複数個置換されたもの、モノクロルベンゼン、1,2−、1,3−又は1,4−ジクロルベンゼン、1,2,3−、1,2,4−又は1,3,5−トリクロルベンゼン、テトラクロルベンゼン、ペンタクロルベンゼン又はヘキサクロルベンゼン、モノ又はポリクロロトルエン、モノ又はポリクロロキシレン等の芳香族化合物に塩素原子が、一つ、または複数個置換された化合物を挙げることができる。また、それらの化合物の芳香環がニトロ基、アミノ基、アルキル基(メチル基を除く。)等の置換基で置換されていてもよい。更に、上記の単環式芳香族化合物の他に、ナフタレン環、アントラセン環等の多環式芳香族化合物であってもよい。また、芳香環に直接塩素が置換された化合物のみならず、塩化ベンジル、クミルクロライドのように芳香環の置換基が塩素化されたものであってもよい。加水分解反応の具体例としては、クロルベンゼンをフェノールに変換する反応をあげることができる。
加水分解反応させる方法は、特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。クロルベンゼンをフェノールに変換する反応を例にしてあげれば次のとおりである。反応は、液相、気相いずれによっても実施されるが、通常は気相反応を用いる。反応形態としては、固定床、流動床、移動床のいずれでもよい。塩酸中の水と塩素化炭化水素のモル比(水/塩素化炭化水素)は通常0.5〜10であるが、0.8〜6が好ましく、1〜2.5以下がさらに好ましい。水と塩素化炭化水素のモル比が高すぎると、原料ガスが加熱し難くなる。一方、低すぎると、転化率、選択率が低下し、触媒寿命が短くなることがある。反応温度は160〜600℃であり、反応圧力は減圧、常圧、加圧いずれでもよいが、通常は常圧である。反応後、触媒を濾別し、得られた反応液から目的物であるフェノールを分離すればよい。
本発明の最大の特徴は、二酸化炭素の共存下に加水分解することであり、加水分解反応の反応雰囲気中の二酸化炭素の存在量が30〜80容量%であることが好ましく、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜60容量%とすることであり、更に好ましくは二酸化炭素の存在量が30〜50容量%とすることである。二酸化炭素の存在量が過少であると触媒の選択率の低下を抑制するという本発明の効果が不十分である場合がある。一方、二酸化炭素の存在量が過多であるとガス量が多くなり、加熱および反応生成物から二酸化炭素を分離して目的生成物を回収する際に多大なエネルギーが必要になり、特に工業上の実施の観点から不都合である。なお、二酸化炭素の存在量を測定するにはガス成分をガスクロマトグラフで分析し、定量すればよい。二酸化炭素は、反応生成物より、フェノール、塩化水素および未反応のクロルベンゼン、水を分離した後のガス成分として回収され、全量あるいは一部分を加水加水分解反応にリサイクルすることがてきる。
上記の二酸化炭素の存在量を所望の範囲に調節するには、たとえば二酸化炭素ガス供給ラインに流量計を設置し、供給量を調節すればよい。
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1
市販のNa−ZSM−5ゼオライト(N.E.ケムキャット製 Si/Al=25 パウダー)20.0gに塩化ニッケル六水和物(和光製 99.9%)0.49gを添加し、乳鉢で15分間混合し、Niとして0.6wt%含有触媒を得た。
この触媒9.3gを、内径17mmφのガラス固定床反応器に充填し、455℃に保持した。二酸化炭素11.0ml/minを流通させた200℃の固定床蒸発器に、水を11.6ml/min供給し、2時間加熱処理した。次いでに、クロルベンゼン(和光製 特級)を9.3ml/min(水/クロルベンゼン=1.25)で供給して製造した混合ガスを上記ガラス固定床反応器に供給して反応を開始した。反応時のガス組成は、二酸化炭素が34.5容量%、クロルベンゼンが29.1容量%、水が36.4容量%であった。
1.5時間経過後、生成ガスをトルエン溶媒に吸収させ、生成物をガスクロマトグラフにより分析としたところ、36.4%、フェノール選択率81.3%、ベンゼン選択率16.5%であった。24時間経過後、クロルベンゼン転化率22.9%、フェノール選択率70.1%、ベンゼン選択率29.0%であった。
実施例1
市販のNa−ZSM−5ゼオライト(N.E.ケムキャット製 Si/Al=25 パウダー)20.0gに塩化ニッケル六水和物(和光製 99.9%)0.49gを添加し、乳鉢で15分間混合し、Niとして0.6wt%含有触媒を得た。
この触媒9.3gを、内径17mmφのガラス固定床反応器に充填し、455℃に保持した。二酸化炭素11.0ml/minを流通させた200℃の固定床蒸発器に、水を11.6ml/min供給し、2時間加熱処理した。次いでに、クロルベンゼン(和光製 特級)を9.3ml/min(水/クロルベンゼン=1.25)で供給して製造した混合ガスを上記ガラス固定床反応器に供給して反応を開始した。反応時のガス組成は、二酸化炭素が34.5容量%、クロルベンゼンが29.1容量%、水が36.4容量%であった。
1.5時間経過後、生成ガスをトルエン溶媒に吸収させ、生成物をガスクロマトグラフにより分析としたところ、36.4%、フェノール選択率81.3%、ベンゼン選択率16.5%であった。24時間経過後、クロルベンゼン転化率22.9%、フェノール選択率70.1%、ベンゼン選択率29.0%であった。
比較例1
実施例1の触媒を用い、二酸化炭素の代わりに窒素を使用した以外同様反応し、1.5時間経過後、クロルベンゼン転化率35.7%、フェノール選択率79.9%、ベンゼン選択率18.0%であった。24時間経過後、クロルベンゼン転化率24.1%であったが、フェノール選択率は52.7%まで低下し、不用副生生物であるベンゼンの選択率が46.2%まで上昇した。
実施例1の触媒を用い、二酸化炭素の代わりに窒素を使用した以外同様反応し、1.5時間経過後、クロルベンゼン転化率35.7%、フェノール選択率79.9%、ベンゼン選択率18.0%であった。24時間経過後、クロルベンゼン転化率24.1%であったが、フェノール選択率は52.7%まで低下し、不用副生生物であるベンゼンの選択率が46.2%まで上昇した。
Claims (3)
- ニッケル含有メタロシリケート触媒を用いて塩素化炭化水素化合物を加水分解してヒドロキシ化合物を製造するに際し、二酸化炭素の共存下に加水分解するヒドロキシ化合物の製造方法。
- 反応雰囲気中の二酸化炭素の存在量が30〜80容量%である請求項1記載の製造方法。
- 加水分解反応がクロルベンゼンをフェノールに変換する反応である請求項1記載の製造方法。
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JP2006104998A JP2007277147A (ja) | 2006-04-06 | 2006-04-06 | ヒドロキシ化合物の製造方法 |
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