JP2007276252A - 弾性ローラの脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状金型21の中空部に金型21と平行に配置したシャフト1と、この中空部に材料を注入し硬化させて形成した弾性層2とよりなる弾性ローラ10を、弾性層2の厚さが小さな弾性ローラ10であっても、容易に金型21から取り出すことのできる弾性ローラ10の脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置を提供する。
【解決手段】キャップを金型21から取り外し、シャフト1の少なくとも一方の端を筒状金型21の半径方向に変位させて弾性層2と金型内周面21aとの間に隙間dを形成したあと、シャフト1のいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って弾性ローラ10を脱型する。
【選択図】図5
【解決手段】キャップを金型21から取り外し、シャフト1の少なくとも一方の端を筒状金型21の半径方向に変位させて弾性層2と金型内周面21aとの間に隙間dを形成したあと、シャフト1のいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って弾性ローラ10を脱型する。
【選択図】図5
Description
本発明は、シャフトの周囲に弾性層を有する弾性ローラを、金型を用いて成型する際の脱型方法に関し、特に、弾性層の寸法や材料に影響されることなく、容易に脱型することができるものに関する。
複写機やプリンタには、電荷を感光ドラムに分布させる帯電ローラ等、種々の弾性ローラが用いられているが、このような弾性ローラは一般的に、図1に長さ方向断面図で示すように、シャフト1とその周囲に配設された弾性層2とを有して構成されている。このような弾性ローラ10を製造するには、例えば、図2に断面図で示すように、筒状の金型21の中空部22にシャフト1を配置し、次いで、メカニカルフロス法によって液状の樹脂もしくはゴム材料とガスとを混ぜ合わせて気泡を分散させた液状フォームを作成し、この液状フォームを、金型中空部に、その一方の端から注入し、金型21内を液状フォームで充満させたあと、これを加熱して硬化させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、弾性層2に対応するキャビティ11の両端を画成するためのキャップ5が、シャフト1のそれぞれの端に取り付けられていて、それぞれのキャップ5にはキャビティ11に通じる穴5aが設けられ、これらの穴5aは、材料を注入する金型一方側のキャップ5においては材料を注入するための注入口となり、金型他方側のキャップ5では、材料注入時にキャビティ11内の空気を排出するための排気口として機能する。
また、メカフロス法に代わってフォーム状の弾性層2を形成する方法としては、水発泡法によるものも知られており、これは、水を発泡剤として用いる低圧で弾性層2を形成するものである。
そして、いずれの方法においても、金型21の中空部22内で成型された弾性ローラ10を金型21から取り出すには、弾性ローラ10を金型一方側から他方側に変位させるが、この変位は、弾性ローラ10が金型他方側の端から取り出されるまで、シャフト1の金型一方側の端を押すことによって行われ(例えば、特許文献1参照。)、図3は、この工程において、シャフト1の金型一方側の端に押し棒6を押し当てた状態、図4は、押し棒6でシャフト1を押す途中の状態をそれぞれ示す断面図である。
特開平8−207172号公報
しかしながら、この従来の方法では、弾性層2の強度が低い場合、あるいは、金型内面と弾性層2との離型性が悪い場合等には、弾性ローラ10を金型21から取り出すのが難しいという問題があり、それぞれ、材料の強度アップや前記離型性の改良等を行ってきているが、未だその改良は不十分であり、しかも、最近、材料費削減のため、弾性層の厚さを減少させることが要求されており、このような弾性ローラを、金型21を用いて成形しようとした場合には、硬化過程における収縮量が、厚さが減少した分だけ小さくなり、金型内周面と出来上がった弾性層の外周面とが、互いに強い力で押圧し合う状態となって、単にシャフト1を押し棒6で押すだけでは、弾性ローラを取り出すことが難しいという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、筒状金型の中空部に金型と平行に配置したシャフトと、この中空部に材料を注入し硬化させて形成した弾性層とよりなる弾性ローラを、弾性層厚さが小さな弾性ローラであっても、容易に金型から取り出すことのできる弾性ローラの脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置を提供することを目的とする。
<1>は、筒状金型の軸線上に配置されたシャフトの両端を支持するそれぞれのキャップと、この筒状金型の内周面とによって区画されたキャビティに、材料を注入し硬化させて弾性層を形成したあと、この弾性層と前記シャフトとよりなる弾性ローラを、金型の長さ方向に変位させて金型から取り出す弾性ローラの脱型方法において、
前記キャップを金型から取り外し、前記シャフトの少なくとも一方の端を筒状金型の半径方向に変位させて前記弾性層と金型内周面との間に隙間を形成した後、前記シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型する弾性ローラの脱型方法である。
前記キャップを金型から取り外し、前記シャフトの少なくとも一方の端を筒状金型の半径方向に変位させて前記弾性層と金型内周面との間に隙間を形成した後、前記シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型する弾性ローラの脱型方法である。
<2>は、<1>において、前記弾性層と金型内周面との間の前記隙間を形成したあと、シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型するのに先立って、シャフトの前記一方の端から加圧流体を流入させて前記隙間に導きシャフトの他方の端に向かってこれを流出させる弾性ローラの脱型方法である。
<3>は、<1>もしくは<2>の弾性ローラの脱型方法に用いられる弾性ローラ脱型装置であって、
前記キャップを、形成済の弾性ローラのシャフトから取り外すキャップ取り外し手段と、弾性ローラの金型との密着を開放する密着開放手段と、密着を開放された弾性ローラを脱型する脱型手段とを具えてなり、
前記密着開放手段は、筒状金型の軸線から偏心した位置で長さ方向に往復変位する棒状部材と、棒状部材の先端に取り付けられ、金型内に配置された弾性ローラの前記シャフト一方側の端をシャフト長さ方向に押圧して半径方向に変位させる斜面を有するテーパ部材とを具えてなる弾性ローラ脱型装置である。
前記キャップを、形成済の弾性ローラのシャフトから取り外すキャップ取り外し手段と、弾性ローラの金型との密着を開放する密着開放手段と、密着を開放された弾性ローラを脱型する脱型手段とを具えてなり、
前記密着開放手段は、筒状金型の軸線から偏心した位置で長さ方向に往復変位する棒状部材と、棒状部材の先端に取り付けられ、金型内に配置された弾性ローラの前記シャフト一方側の端をシャフト長さ方向に押圧して半径方向に変位させる斜面を有するテーパ部材とを具えてなる弾性ローラ脱型装置である。
<4>は、<3>において、前記棒状部材の外側に、棒状部材に対して気密にかつその長さ方向に変位可能に配置された環状板部材と、前記環状板部材を金型端面に押し付ける付勢手段とが設けられ、前記テーパ部材には、このテーパ部材が前記シャフト一方側の端に押圧されるとともに環状板部材が金型端面に押し付けられた姿勢下で、前記環状板部材と、金型内周面と、金型内に配置された弾性ローラとに囲繞された空間に圧力気体を注入する空気穴が設けられてなる弾性ローラ脱型装置である。
<1>の発明によれば、前記キャップを金型から取り外したあと、シャフトの少なくとも一方の端を筒状金型の半径方向に変位させて弾性層と金型内周面との間に隙間を形成したあと、前記シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型するので、脱型に先立って確実に金型内周面と弾性層との密着を開放することができ、このことによって、脱型を極めて容易なものとすることができる。
<2>によれば、前記弾性層と金型内周面との間の前記隙間を形成したあと、シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型するのに先立って、シャフトの前記一方の端から加圧流体を流入させて前記隙間に導きシャフトの他方の端に向かってこれを流出させるので、金型内周面と弾性層との密着を開放を一層確実なものにすることができる。
<3>によれば、キャップを、弾性ローラのシャフトから取り外すキャップ取り外し手段と、弾性ローラの金型との密着をこの前記密着開放手段は、筒状金型の軸線から偏心した位置で長さ方向に往復変位する棒状部材と、棒状部材の先端に取り付けられ、金型内に配置された弾性ローラの前記シャフト一方側の端をシャフト長さ方向に押圧して半径方向に変位させる斜面を有するテーパ部材とを具えるので、前記弾性層と金型内周面との密着を開放したあと、弾性ローラを金型から取り出すことができ、しかも、この密着開放を簡単に実現することができる。
<4>によれば、前記棒状部材の外側に、棒状部材に対して気密にかつその長さ方向に変位可能に配置された環状板部材と、前記環状板部材を金型端面に押し付ける付勢手段とが設けられ、前記テーパ部材には、このテーパ部材が前記シャフト一方側の端に押圧されるとともに環状板部材が金型端面に押し付けられた姿勢下で、前記環状板部材と、金型内周面と、金型内に配置された弾性ローラとに囲繞された空間に圧力気体を注入する空気穴が設けられているので、弾性ローラの金型との密着を一層確実に開放することができる。
本発明に係る弾性ローラ10は、一般的に図1に示すように、シャフト1と、シャフト1の周りに形成された弾性層2とを具えて構成されるが、弾性層2の外側に、弾性層2よりも硬度の高い1層以上の表面層(図示せず)を設けて弾性ローラを構成することもできる。このような弾性ローラ10は、図2で示すように、筒状の金型21の中空部22に、両端をキャップ5によって支持されたシャフト1を、キャップ5ごと金型21内に挿入して金型21の中心軸線上に配置したあと、中空部22にフォーム材料を注入し硬化させて形成される。フォーム材料を形成するのには、メカニカルフロス法のほか、水発泡法を用いることもできる。
弾性層2を形成する材料としては特に制限はないが、ポリウレタンもしくはゴムが好適に用いられる。これは、発泡剤のよる発泡対として形成されることが望ましい。
ゴムとしては、特に制限はなく、導電性ローラ用として公知のものの中から、適宜選択して用いることができる。このようなものとしては、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムなどのエラストマーを挙げることができるが、特にEPDMが好ましい。EPDMについては、エチレンとプロピレンと第3成分からなる三元重合体であり、この第3成分としては、特に制限されるものではないが、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が好適に用いられる。
導電性付与剤としては、カーボン導電剤やイオン導電剤などを用いることができる。カーボン導電剤としては、例えばケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのガスブラック、インクブラックを含むオイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。イオン導電剤としては、例えばテトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムなどのドデシルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムなどのオクタデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩:リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
発泡剤としては、特に制限はなく、公知のもの、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)、オキシベンゼンスルホニルヒドラジト(OBSH)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、アゾ化合物等の粉末状発泡剤が使用できるが、なかでもアゾジカルボンアミド(ADCA)とオキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)が好ましい。
ゴム材料中には、上記材料のほか、加硫剤や加硫促進剤等を添加することができる。
弾性層2をポリウレタンフォームにより形成する場合のポリウレタン材料としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。ポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、THF−アルキレンオキサイド共重合体ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、フォスフェート系ポリオール、ハロゲン含有ポリオール等を好適に用いることができる。
また、イソシアネート成分についても特に制限はなく、汎用であるTDI、MDI、粗製−MDI(ポリメリックMDI)、および変性MDIだけでなく、特殊なイソシアネートを用いても差し支えない。特殊なイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添−XDI、水添−MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフェスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロへプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらも好適に用いることができる。
ポリウレタン材料中には、これらポリウレタン原料に加え、所望に応じて架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、界面活性剤、導電性付与剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた層構造とすることができる。
発泡法による場合、発泡剤としては、製造プロセス上の使いやすさ、気化や発泡のしやすさ等を考慮して、一般に沸点が20〜60℃の範囲にある物理的発泡剤が好ましく用いられる。このような発泡剤をポリウレタンフォーム層2の原料として用いる場合には、発泡剤単独では粘度が低く、発泡機において安定した流量を得にくいため、ポリオール等の粘度の高い原料成分とあらかじめ混合して用いることが有利である。このような発泡剤としては、具体的には、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、メチレンクロリド、フロン134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、フロン245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、フロン365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)、フロン356、フロン141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、フロン142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン)、フロン22(クロロジフルオロメタン)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、触媒としては、例えば、有機金属触媒のジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンジマレニート、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、フェニル水銀、プロピオン酸銀、オクテン酸錫、アミン触媒のトリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノエタノール、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等が好ましく用いられる。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
整泡剤としては、例えば、ポリエーテルシリコーンオイル、ノニオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
弾性層2の外側に表面層を設ける場合には、シャフト1の周りに弾性層2が形成されたものを金型から取り出したあと、表面層となる材料を、弾性層の外表面に塗装すればよく、塗装方法としては、ディップ塗装、スプレー塗装、あるいは、ロールコータ塗装によることができる。
図5は、本発明に係る実施形態の弾性ローラ脱型装置の構成を例示する配置図であり、弾性ローラ脱型装置20は、円筒状の金型21の中空部の両端を閉止していたキャップ5を取り外すキャップ取り外し手段48と、キャップ5が取り外されたあとの弾性ローラ10の、金型21の内周面との密着を開放する密着開放手段30と、密着状態から開放された弾性ローラ10を脱型する脱型手段49とを具えてなり、金型搬送手段25により、金型21をこれらの手段48、30、49のそれぞれの位置に順に移動させることにより、金型21から弾性ローラ10を脱型することができるよう構成されている。
図6は、密着開放手段30を示す側面図であり、また、図7は、図6のA−A矢視に対応する矢視図であり、密着開放手段30は、金型21の軸線Lから距離aだけ偏心した位置で金型21の長さ方向に往復変位する棒状部材31と、棒状部材31の先端に取り付けられ、金型21内に配置された弾性ローラ10のシャフト1の一方側の端をシャフト1の長さ方向に押圧することにより金型21の半径方向に変位させる斜面33aを有するテーパ部材33と、棒状部材31の外側に、棒状部材31に対して気密にかつその長さ方向に変位可能に配置された環状板部材34と、環状板部材34を金型端面に押し付ける付勢手段としてのバネ35とを具え、テーパ部材33には、このテーパ部材33がシャフト1の一方側の端を押圧し、環状板部材34が金型端面に押し付けられた姿勢下で、環状板部材34と、金型内周面21aと、金型21内に配置された弾性ローラ10とに囲繞された空間38に圧力気体を注入する空気穴36が設けられている。
棒状部材31は、上下フレーム37に取り付けられ、上下フレーム37は、前後フレーム40に上下往復移動可能に取り付けられており、例えば、図7において、29は、前後フレーム40を上下に往復駆動するためのラックピニオン式駆動装置を、39は、前後フレーム40の上下往復移動をガイドする直動ガイドを表す。
前後フレーム40は、ベース44から突出するように取り付けられた前後ガイド棒43上を前後往復移動可能に設けられ、図6に示す状態において、前後ガイド棒43上に設けられた引っ張りバネ42によって、ベース44に最も接近した前後位置に保持されている。
ベース44には、斜面45aを有するガイド45が設けられ、斜面45aは、上下フレーム37を下降させたとき、上下フレーム37の角が当接するよう配置され、上下フレーム37を斜面45aに当接させながら下降させることにより、前後フレーム40を、引っ張りバネ42の引っ張り力に抗してベース44から遠ざかる方向に移動させるよう作用し、このことによって、棒状部材31を、その中心線が金型21の軸線Lと一致するよう移動させ、金型21の中心に対して一旦偏心させられていたシャフト1を、金型21の中心に戻すことができる。
次に、このような弾性ローラ脱型装置20を用いて、金型21から、弾性ローラ10を脱型する方法について説明する。この脱型方法は、キャップ取り外し手段48を用いて少なくとも一方側のキャップ5を金型21から取り外し(キャップ取り外し工程)、次いで、密着開放手段30を用いて、シャフト1の一方側のキャップ5に対応する一方の端を金型21の半径方向に変位させて弾性ローラ10と金型内周面21aとの密着を開放し(密着開放工程)、そのあと、脱型手段49を用いて、シャフト1のいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って弾性ローラ10を金型21の長さ方向に移動させて脱型する(脱型工程)ものである。
キャップ取り外し工程および脱型工程については、種々の従来技術を用いて実現することができるので詳細の説明を省略し、密着開放工程について、図8〜図10を参照して説明する。まず、図8に示すように、上下フレーム37を下降させて、これに取り付けられている、棒状部材31、テーパ部材33、および、環状板部材34を下降させ、テーパ部材33をシャフト1の一方の端に当接させるが、テーパ部材33の先端はVの字状の斜面33aで構成されており、Vの字の頂点は金型21の軸線Lから距離aだけ偏心した線上に位置しているので、このとき、Vの字を構成する一方側の斜面33aだけがシャフト1の端面の縁に当接する。
さらにテーパ部材33を下降させると、図9に示すように、シャフト1の端面の中心が棒状部材31の中心線上に位置するよう、シャフト1を金型21の半径方向に移動させることができ、その結果、金型内周面21aと一方の端部付近の弾性層2との密着を開放し、これらの間に隙間dを形成することができる。また、棒状部材31の外側に棒状部材31に対して気密にかつ摺動自在に配置されている環状板部材34は、このとき、金型21の端面に当接するよう、バネ35によってテーパ部材33に向かって押されており、その結果、環状板部材34と、金型内周面21aと、弾性ローラ10とは、これらに囲繞された空間38を形成する。
次いで、テーパ部材33に設けられた空気穴36から加圧流体を噴出させ、上記のようにして形成された密閉空間38に加圧流体を注入する。注入された加圧流体は、シャフトの半径方向移動によって形成された隙間dに導入され、その圧力と、隙間のくさび効果とによって、加圧流体が弾性層2と金型内周面21aとの間をシャフト1の他方側の端に向かって流動するに従い、次々に、弾性層2と金型内周面21aとの密着が開放されてゆく。
弾性層2と金型内周面21aとの密着が全面にわたって開放されたあと、空気穴36からの加圧気体の注入を停止し、図10に示すように、上下フレーム37をさらに下降させると、上下フレーム37は、ガイド45の斜面に当接して、先に説明したように、棒状部材31を、その中心線が金型21の軸線Lと一致するよう移動させるで、金型21の中心に対して一旦偏心させられていたシャフト1を、金型21の中心に戻すことができる。
以上のように、密着開放工程においては、弾性層2と金型内周面21aとの密着を開放することができ、この工程のあと金型21を、脱型手段49に対応する位置まで移動させ、例えば、図11に示すように、引き棒47の先端に設けられたグリップ46でシャフト1の他端を把持し、引き棒47を引くことによってシャフト1を引き出し、弾性ローラ10を金型21から脱型することができる。このとき、弾性層2と金型内周面21aとの密着はすでに開放されているので、弾性層2の表面を損傷することもなく、金型内周面21aに弾性層2の一部を付着させることもなく、弾性ローラ10の脱型を極めてスムースなものとなる。
以上に説明した密着開放手段30は、金型中心からいったん偏心させたシャフト1を強制的にその中心に戻す機能を有するが、シャフト1を金型中心に戻す機能を、弾性層2の復元力に委ねることもでき、この場合の密着開放手段としては、図12に示すような簡素なものとすることができ、密着開放手段50は、例えば、金型21の軸線Lから距離aだけ偏心した位置で金型21の長さ方向に往復変位する棒状部材51と、棒状部材51の先端に取り付けられ、金型21内に配置された弾性ローラ10のシャフト1の一方側の端をシャフト1の長さ方向に押圧することにより金型21の半径方向に変位させる斜面53aを有するテーパ部材53と、棒状部材51の外側に、棒状部材51に対して気密にかつその長さ方向に変位可能に配置された環状板部材54と、環状板部材54を金型端面に押し付ける付勢手段としてのバネ55と、棒状部材31を往復変位させるシリンダ57とで構成することができる。なお、テーパ部材53には、密着開放手段30におけると同様に、圧力気体を噴出する空気穴36が設けられている。
金型21と弾性層2との密着度合いによっては、たとえば、図6に示した密着開放手段30において、環状板部材34と、バネ35とを省くとともに、テーパ部材33に空気穴36を形成することを止めることもできる。
本発明は、メカニカルフロス法や発泡剤による発泡法によって形成される種々の弾性ローラに用いることができ、弾性ローラとしては、感光ドラムを帯電させる帯電ローラ、感光ドラムに形成された潜像に応じて非性磁性トナーを移送する現像ローラ、トナーを現像ローラに供給するトナー供給ローラ、感光ドラム上のトナーを印刷紙に転写する転写ローラなどを例示することができる。
1 シャフト
2 弾性層
5 キャップ
5a キャップの穴
6、7 押し棒
10 弾性ローラ
11 キャビティ
20 弾性ローラ脱型装置
21 金型
21a 金型内周面
22 金型中空部
23 閉空間
25 金型搬送手段
29 ラックピニオン式駆動装置
30 密着開放手段
31 棒状部材
33 テーパ部材
33a テーパ部材の斜面
34 環状板部材
35 バネ
36 空気穴
37 上下フレーム
38 空間
39 直動ガイド
40 前後フレーム
42 引っ張りバネ
43 前後ガイド棒
44 ベース
45 ガイド
45a ガイドの斜面
46 グリップ
47 引き棒
48 キャップ取り外し手段
49 脱型手段
50 密着開放手段
51 棒状部材
53 テーパ部材
53a テーパ部材の斜面
54 環状板部材
55 バネ
56 空気穴
57 シリンダ
d 隙間
2 弾性層
5 キャップ
5a キャップの穴
6、7 押し棒
10 弾性ローラ
11 キャビティ
20 弾性ローラ脱型装置
21 金型
21a 金型内周面
22 金型中空部
23 閉空間
25 金型搬送手段
29 ラックピニオン式駆動装置
30 密着開放手段
31 棒状部材
33 テーパ部材
33a テーパ部材の斜面
34 環状板部材
35 バネ
36 空気穴
37 上下フレーム
38 空間
39 直動ガイド
40 前後フレーム
42 引っ張りバネ
43 前後ガイド棒
44 ベース
45 ガイド
45a ガイドの斜面
46 グリップ
47 引き棒
48 キャップ取り外し手段
49 脱型手段
50 密着開放手段
51 棒状部材
53 テーパ部材
53a テーパ部材の斜面
54 環状板部材
55 バネ
56 空気穴
57 シリンダ
d 隙間
Claims (4)
- 筒状金型の軸線上に配置されたシャフトの両端を支持するそれぞれのキャップと、この筒状金型の内周面とによって区画されたキャビティに、材料を注入し硬化させて弾性層を形成したあと、この弾性層と前記シャフトとよりなる弾性ローラを、金型の長さ方向に変位させて金型から取り出す弾性ローラの脱型方法において、
前記キャップを金型から取り外し、前記シャフトの少なくとも一方の端を筒状金型の半径方向に変位させて前記弾性層と金型内周面との間に隙間を形成した後、前記シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型する弾性ローラの脱型方法。 - 前記弾性層と金型内周面との間の前記隙間を形成したあと、シャフトのいずれか一方の端を押し、もしくは、引っ張って前記弾性ローラを脱型するのに先立って、シャフトの前記一方の端から加圧流体を流入させて前記隙間に導きシャフトの他方の端に向かってこれを流出させる請求項1に記載の弾性ローラの脱型方法。
- 請求項1もしくは2に記載の弾性ローラの脱型方法に用いられる弾性ローラ脱型装置であって、
前記キャップを、形成済の弾性ローラのシャフトから取り外すキャップ取り外し手段と、弾性ローラの金型との密着を開放する密着開放手段と、密着を開放された弾性ローラを脱型する脱型手段とを具えてなり、
前記密着開放手段は、筒状金型の軸線から偏心した位置で長さ方向に往復変位する棒状部材と、棒状部材の先端に取り付けられ、金型内に配置された弾性ローラの前記シャフト一方側の端をシャフト長さ方向に押圧して半径方向に変位させる斜面を有するテーパ部材とを具えてなる弾性ローラ脱型装置。 - 前記棒状部材の外側に、棒状部材に対して気密にかつその長さ方向に変位可能に配置された環状板部材と、前記環状板部材を金型端面に押し付ける付勢手段とが設けられ、前記テーパ部材には、このテーパ部材が前記シャフト一方側の端に押圧されるとともに環状板部材が金型端面に押し付けられた姿勢下で、前記環状板部材と、金型内周面と、金型内に配置された弾性ローラとに囲繞された空間に圧力気体を注入する空気穴が設けられてなる請求項3に記載の弾性ローラ脱型装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006105047A JP2007276252A (ja) | 2006-04-06 | 2006-04-06 | 弾性ローラの脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006105047A JP2007276252A (ja) | 2006-04-06 | 2006-04-06 | 弾性ローラの脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置 |
Publications (1)
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JP2007276252A true JP2007276252A (ja) | 2007-10-25 |
Family
ID=38678235
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006105047A Withdrawn JP2007276252A (ja) | 2006-04-06 | 2006-04-06 | 弾性ローラの脱型方法およびそれに用いられる弾性ローラ脱型装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007276252A (ja) |
-
2006
- 2006-04-06 JP JP2006105047A patent/JP2007276252A/ja not_active Withdrawn
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