JP2001129832A - 弾性多孔体ローラの製造方法およびその装置 - Google Patents

弾性多孔体ローラの製造方法およびその装置

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JP2001129832A JP31531299A JP31531299A JP2001129832A JP 2001129832 A JP2001129832 A JP 2001129832A JP 31531299 A JP31531299 A JP 31531299A JP 31531299 A JP31531299 A JP 31531299A JP 2001129832 A JP2001129832 A JP 2001129832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い硬度および高い耐久性を両立すると共
に、肉厚の薄いローラを容易に製造し得る方法と装置を
提供する。 【解決手段】 弾性多孔体ローラ20の芯材であって、
取付部50に立設されるシャフト22を、該ローラの外
径と略合致する内径を有するシリンダ68の内部に軸線
を整列させて配置すると共に、該シリンダの上部と下部
をピストン70および取付部によって対応的に規制し、
シリンダの内部に画成される円筒状の密閉空間68c
に、液状エラストマ配合物12および気体14を混合・
撹拌してなる発泡済み気液混合原料10を循環的に供給
し、シリンダに充満させた原料の挙動が静まった後に、
該シリンダをピストンに沿って上昇させることで、シャ
フトの周囲にローラ形状体16を形成し、これを硬化さ
せて、弾性多孔体ローラの形状を永久固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性多孔体ロー
ラの製造方法およびその装置に関し、更に詳細には、薄
い肉厚であって低い硬度および高い耐久性を併有する弾
性多孔体ローラを製造する方法と、該方法を好適に実施
し得る装置とに関するものである。
【0002】複写機、プリンタその他ファクシミリ等に
代表される事務用機器には、紙等の画像記録媒体の搬
送、感光体への帯電、トナーの付与や搬送、該トナーの
記録媒体への転写、残留トナーの除去等を行なう手段と
して、ゴム等の高分子弾性体からなるローラが多数使用
されている。なかでも、低硬度であるために低いニップ
圧が大きなニップ幅に亘って得られるウレタンフォーム
や発泡ゴムの如きエラストマ多孔体のローラが好適に使
い分けられている。
【0003】前記の弾性を有する多孔体ローラを製造す
る手段としては、例えば以下の各方法が知られている。 円筒形のキャビティを有する成形型に、ポリウレタ
ン等の液状原料やゴム・熱可塑性エラストマの如き粘弾
性原料を充填して発泡させ、これを硬化させた後に冷却
して円柱状の弾性体を取り出す方法。この方法は、例え
ば射出成形型、トランスファー成形型その他プレス成形
型等により実施される。この場合、ローラのシャフトは
一体的に成形するか、成形後に接着または圧入により取
り付けられる。また必要に応じて表面研磨等を行なっ
て、その外径や表面円滑度等を調整する。 ポリウレタンフォームにより予めブロック状の弾性
体を製造し、これにシャフトを圧入等の方法で後付けす
る。次いで、このブロック状弾性体を回転させながら、
例えばニクロム線ヒータにより加熱溶断した後に研磨し
てローラ本体を製造するか、または特開平10−104
937号公報に開示される如く、回転中の弾性体にカッ
タを押し当ててピーリングすることでローラ本体を製造
する方法。 発泡剤を含むゴムや熱可塑性エラストマを原料とし
て押出発泡成形を行ない、チューブ状のローラ本体を製
造する方法。この場合、シャフトを成形後に取り付け、
必要に応じてローラ外周を研磨して外径や表面円滑度等
の調整を行なう。 特開平7−76049号公報に開示される如く、円
柱または円筒状のローラ基材を回転させながら、その外
方に配設したアプリケーターにより、室温硬化型シリコ
ーンゴムフォーム用液状原料をローラ基材の外周面に一
定厚になるまで塗布し、得られた塗膜を発泡・硬化させ
ることでスポンジローラを得る方法。 ローラを構成する弾性体を、例えばシリコーンスポ
ンジの帯状長尺物として製作し、この弾性体をシャフト
の外周に所要の厚みになるまで螺旋状に巻き付けて固定
し、次いで円筒状となった本体外周部を研磨することで
所望直径のローラを得る方法(特開平8−6417号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、前述し
た各種事務用機器の小型化に伴って、これに使用される
ローラの外径も小さくなる傾向にある。このためシャフ
トの周りのローラ本体をなす弾性体も、その肉厚は必要
な機能を果す限りにおいて薄いものであることが要求さ
れるに至っている。しかしこの要請に対して、前述した
各方法は何れも以下の欠点を有している。前記の方法
について。この方法によれば、必要とされる製品寸法に
合わせたキャビティを有する成形型を使用することで、
様々な肉厚のローラに対応することが可能である。しか
し前記ローラの寸法・種類は多いので、夫々のローラ毎
に専用の成形型を製作する必要があり、型製作および型
管理等のコストが嵩む難点がある。また成形完了後に脱
型する手間や、該成形型を清掃する作業等も必要であ
る。前記の方法について。この方法は、予めブロック
状に成型した弾性体を所望の外径寸法にまで削切するも
のであるので、例えば5mm以下の肉厚が要求される薄
いローラを製作する場合には、無駄に消費される弾性体
の量が多くなり、経済的にも廃棄物処理の面からも問題
が大きい。前記の方法について。この方法では、前記
と同様に各ローラ毎に専用の押出発泡成形型を必要と
するので、製作コストが増大し、かつ押出型の管理等に
手間がかかるという難点がある。更に肉厚の極めて薄い
(例えば2mm程度以下)ローラの製作は非常に困難であ
り、また得られたローラの真円度等の寸法精度が設計値
を満たし難く、歩留りが低下する欠点も指摘される。前
記の方法について。この方法によれば、シャフトに塗
布された弾性体原料の発泡が、原料体温度のバラツキに
より不均一となり、部位によって発泡セル径、セル構造
および弾性体密度が大きく相違したローラとなってしま
う畏れがある。また該方法では、発泡反応に随伴して促
進される高分子反応によって、ローラ本体が容易に形状
が崩れない発泡構造とする必要がある。しかるに発泡開
始直後は、シャフトに塗布した原料中に僅かな気泡が存
在する状態であって、見掛け粘度は低下する。このため
保形性に乏しく、シャフトに供給されても弾性体原料は
自重で垂れ落ちてしまう場合がある。前記の方法につ
いて。この方法では、巻回されて螺旋状に隣接するスポ
ンジの帯の間に機械的および/または電気的な不連続性
が形成され、例えば記録媒体上の静電画像等に無視し得
ない不利な影響を与える欠点が指摘される。また前記
〜の何れの製法についても、硬度を低く設定するため
には、一般にAIBN(アゾビイゾブチルロニトリル)等
の発泡剤を増量して低密度化することで対応している
が、これは同時に永久圧縮歪みの悪化にもつながり、従
ってローラとしての特性の両立が困難となっていた。
【0005】
【発明の目的】この発明は、弾性多孔体ローラの製造に
際し従来技術に内在していた前記問題に鑑み、これを好
適に解決するべく提案されたものであって、低い硬度お
よび高い耐久性を両立すると共に、肉厚の薄いローラを
金型を使用することなく容易に製造し得る方法および装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本願の発明に係る弾性多孔体ロー
ラの製造方法は、弾性多孔体ローラの芯材であって、取
付部に着脱自在に立設されるシャフトを、該ローラに最
終的に要求される外径と略合致する内径を有するシリン
ダの内部に中心軸線を整列させて配置すると共に、該シ
リンダの上部および下部をピストンおよび該取付部によ
って対応的に規制し、前記シリンダの内部に画成される
円筒状の密閉空間に、液状エラストマ配合物および気体
を混合・撹拌してなる発泡済み気液混合原料を循環的に
供給し、前記シリンダに充満させた発泡済み気液混合原
料の挙動が静まった後に、該シリンダを前記ピストンに
沿って上昇させることで、前記取付部に立設したシャフ
トの周囲に該気液混合原料からなるローラ形状体を形成
し、この気液混合原料からなるローラ形状体を硬化させ
て、前記弾性多孔体ローラの形状を永久固定するように
したことを特徴とする。
【0007】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため、本願の別の発明に係る弾性多孔体ローラの
製造装置は、弾性多孔体ローラの芯材となるシャフトを
立設して取付け可能で、かつ該シャフトを立設状態で次
工程に向けて移動させる移送装置と、ローラ原料として
の気液混合原料を発泡・調製する泡立て機構と、前記次
工程において上方に配設され、立設状態にある該シャフ
トに中心軸線を整列させたピストンと、前記ピストンに
内挿されて摺動自在に昇降可能であって、円筒状の密閉
空間を内部に画成するシリンダと、更なる次工程に位置
し、前記シャフトの周囲に付与されてローラ状となった
気液混合原料を硬化させて、前記弾性多孔体ローラの形
状を永久固定する硬化装置とからなることを特徴とす
る。
【0008】同じく前記課題を克服し、所期の目的を達
成するため、本願の更に別の発明に係る弾性多孔体ロー
ラの製造装置は、弾性多孔体ローラの芯材となるシャフ
トを着脱自在に立設し得る取付部を備え、該取付部をそ
の移送方向に沿って位置する各ステーションに向けて間
欠的に移動させる移送装置と、前記ローラの原料である
液状エラストマ配合物および気体を混合・撹拌して発泡
済み気液混合原料を調製する泡立て機構と、前記取付部
の移送方向に沿って位置する原料付与ステーションの上
方に配設され、該ステーションに到来停止した該取付部
に立設した前記シャフトと中心軸線を整列させているピ
ストンと、前記ピストンに内挿されて摺動自在に昇降可
能であって、原料付与ステーションの定位置に停止して
いる前記取付部へ中心軸線を整列させて下降すること
で、前記ピストンおよび取付部によって上下を規制され
た円筒状の密閉空間を内部に画成するシリンダと、前記
原料付与ステーションより下流側に位置する硬化ステー
ションに配設され、前記シャフトの周囲に付与されてロ
ーラ状となった気液混合原料を硬化させて、前記弾性多
孔体ローラの形状を永久固定する硬化装置とからなり、
前記取付部へ下降させた前記シリンダへ前記泡立て機構
からの気液混合原料を循環的に供給し、該原料を前記円
筒状の密閉空間に充満させた後に、該シリンダを前記ピ
ストンに沿って上昇させることで、前記シャフトの周囲
にローラ形状を保持した気液混合原料を付与し、このロ
ーラ形状をなす気液混合原料を前記硬化装置で硬化させ
ることで、該シャフトが中心に挿通された弾性多孔体ロ
ーラを製造する構成としたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る弾性多孔体ロ
ーラの製造方法およびその装置につき、好適な実施例を
挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願の
発明者は、液状エラストマ配合物に充分な量の気体を吹
き込み、かつ泡立てることで得られる微細な連続気孔を
有する気液混合原料を利用することで、見掛け粘度が高
くシャフトへ円筒状に付与した際にその形状が安定して
保たれ、硬化した後には低い硬度が得られて、耐久性が
高い各種事務用機器に好適なローラを簡便に製造し得る
ことを知見したものである。
【0010】本発明の好適な実施例に係る弾性多孔体ロ
ーラの製造装置30を、図1に概略的に示す。この装置
30は、弾性多孔体ローラの芯材となるシャフト22を
立設状態で固定して、制御下に該シャフト22を間欠的
に下流側へ水平に移動させる所要長の移送装置32と、
この移送装置32の上流域に設けられ、該シャフト22
にローラ20となるべき気液混合原料10を付与する付
与装置34と、下流域に設けられ、該シャフト22に付
与された気液混合原料10を硬化させてローラ本体を成
形する硬化装置36と、これら各装置に所要の制御指令
を与える制御装置(図示せず)とから基本的に構成され
る。
【0011】本実施例に示す移送装置32は、実質的に
無端ベルト式のコンベア機構であって、前記シャフト2
2を脱着自在に取付け可能な複数の取付部50を所定間
隔で配設したベルト部54と、このベルト部54を一方
向へ駆動する動力部としてのモータ56とから構成され
る。前記取付部50には、シャフト22を上方から垂直
に挿入させて取付けるための取付孔52aが穿設され、
後述する材料付与工程で気液混合原料10が該シャフト
22に付与される際に、該取付部50からの漏れを防止
するガスケット52が載置されている。
【0012】前記付与装置34は、前記移送装置32の
移送経路に沿って位置させた原料付与ステーション42
(後述)に配置され、図2に示す如く、原料供給部62お
よびミキサ64を備える泡立て機構60と、原料付与機
構66とに大別される。すなわち前記原料供給部60
は、後述する液状エラストマ配合物12を所定量貯留し
て送出する原料タンク60aと、気体14を蓄圧状態で
貯留するタンク60bとからなる。この気体14として
は、一般に大気中の空気が使用されるが、ドライヤを経
た乾燥空気その他窒素ガスの如き不活性ガス等を選択的
に使用してもよい。また前記泡立て機構60は、原料タ
ンク60aおよびタンク60bから送出される液状エラ
ストマ配合物12および気体14の予備混合されたもの
を攪拌して混合、高粘度かつ微細な気泡を有する気液混
合原料10とするミキサ64を備えている。このミキサ
64には、高剪断速度の混合が可能なオークスミキサ等
の動的ミキサ、または大きな分散総数を有するラモンド
スーパーミキサ等の静的ミキサが適宜に採用される。な
お前記ミキサ64は、前記原料供給部62から送出され
る気液混合原料10の供給口64a、原料付与機構66
へ原料10を送出する送出口64bおよび該原料付与機
構66から戻される原料10の受入口64cを備えてい
る。
【0013】前記原料付与機構66は、気液混合原料1
0からローラ形状体16(後述)を形成する円筒状の密閉
空間68cを画成した上下に昇降自在なシリンダ68
と、このシリンダ68の内面に摺動自在に密着し、ロー
ラ形状体16の軸方向長さを規制するピストン70と、
該シリンダ68の昇降駆動源となるリニアアクチェータ
(図示せず)とからなる。すなわち前記移送装置32によ
り移送される前記取付部50の移送方向に沿って原料付
与ステーション42が位置し、該ステーション42の上
方にピストン70が固定的に配設され、このピストン7
0は、該ステーション42に到来停止した該取付部50
に立設されている前記シャフト22と中心軸線を整列さ
せている。またシリンダ68は、前記ピストン70に内
挿されて摺動自在に昇降可能であって、原料付与ステー
ション42の定位置で停止する前記取付部50へ中心軸
線を整列させて下降することで、該ピストン70および
取付部50により上下を規制された円筒状の密閉空間6
8cを内部に画成可能となっている。なお前記シリンダ
68の下方には、前記泡立て機構60で得られた気液混
合原料10を内部に案内する流入口68aが設けられ、
また上方に気液混合原料10をシリンダ68からミキサ
64への戻す流出口68bが設けられている。
【0014】この流入口68aおよび流出口68bのシ
リンダ68への配設位置は、逆になっていてもよい。ま
た流入口68aおよび流出口68bは、必ずしもシリン
ダ68に設ける必要はなく、該シリンダ68への気液混
合原料10の供給・排出に充分な位置であれば、取付部
50やピストン70に配設するようにしてもよい。
【0015】前記流入口68aおよび流出口68bは、
パイプからなる流入管路80aおよび流出管路80bを
介してミキサ64に接続されている。すなわち前記流入
管路80aは、前記ミキサ64の送出口64bとシリン
ダ68の流入口68aに接続され、また流出管路80b
は、前記シリンダ68の流出口68bとミキサ64の受
入口64cに接続されている。また流入管路80aおよ
び流出管路80bの途中には、両管路を共通的に連通す
るバイパス管路82が連接されている。
【0016】前記流入口68aおよび流出口68bに
は、図示しない制御装置からの指令で開閉制御されるな
流入弁84aおよび流出弁84bが設けられ、またバイ
パス管路82aの両端部には、第1バイパス弁84cお
よび第2バイパス弁84dが設けられている。そしてこ
れらの流入弁84a、流出弁84b、第1バイパス弁8
4cおよび第2バイパス弁84dを適宜開閉すること
で、気液混合原料10の流れを止めることなく、前記シ
リンダ68への該気液混合原料10の供給・停止を制御
し得る。すなわち、前記供給口64bから送出され、受
入口64cに至る気液混合原料10の管路として、流入
管路80a−シリンダ68−流出管路80bの供給管路
80、または流入管路80a−バイパス管路82a−流
出管路80bの戻り管路82の何れかが選択可能とな
る。これは前記気液混合原料10等の液状エラストマ系
物質の高い静止時粘性を考慮して、該原料10等の供給
に関するミキサ64等の各装置に定常運転状態を維持さ
せて容易な供給状態を確保するためであり、前述の戻り
管路82の採用以外に、複数の原料付与機構66を有す
る付与装置34を利用したり、これら2つの方法を併せ
て実施することが考えられる。
【0017】前記シリンダ68が上下に昇降し得る範囲
は、ローラ形状体16が形成されるシリンダ密閉位置か
ら、該ローラ形状体16が完全に露出するシリンダ開放
位置までである。また前記シリンダ68の上昇限界位置
で、かつ該シリンダの下部周端縁に近接してエアナイフ
等の切断手段72が配設されている。この切断手段72
は、前記シリンダ68が前記ピストン70に沿って上昇
し切ったタイミングで作動して、前記ローラ形状を保持
した気液混合原料10を該ピストン70から切離すため
に使用される。
【0018】前記硬化装置36は、前記原料付与ステー
ション42より下流側に位置する硬化ステーション44
に配設され、前記シャフト22の周囲に付与されてロー
ラ状となった気液混合原料10を硬化させて、最終製品
に近いローラ18の形状を永久固定するためのものであ
る。前記硬化処理としては様々な方法が考えられるが、
一般には複数の温度段階を設定可能なトンネル状加熱炉
による段階加熱法が、制御の簡便さ等から好適に採用さ
れる。
【0019】前述した製造装置30を使用して、以下の
各工程を経時的に実施することで実施例に係る製造方法
が達成される。すなわち弾性多孔体ローラは、図3に示
す各工程を経て製造される。 (配合物調整工程について)配合物調整工程では、液状エ
ラストマ配合物12の調整が行なわれる。ここで好適に
使用される液状エラストマ配合物12は、少なくとも液
状エラストマ原料および界面活性剤の2成分からなり、
その他必要に応じて、粘弾性特性調整剤、架橋剤、感熱
ゲル化剤、硬化触媒、電気導電性を付与するカーボンブ
ラックまたは炭素短繊維等の電子伝導性フィラー、補強
フィラー、増量フィラー、イオン伝導剤、酸化防止剤、
難燃剤または/および可塑剤等がこれに混入される。
【0020】前記液状エラストマ原料としては、NR
(天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR
(二トリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、アクリルゴ
ムまたはウレタンゴム等のエラストマ系高分子水分散
液、軟質塩化ビニル等の有機溶媒系プラスチゾルに代表
される、所謂プラスチゾル、或はポリウレタン、ポリウ
レアまたは液状シリコーンゴム等の、例えば水や有機溶
媒の如く分散媒を含有しない液状樹脂原料が好適に使用
される。
【0021】前記界面活性剤は、液状エラストマ原料に
気体14(後述)を吹き込んで気泡を生起させた際に、こ
の気泡を安定化させるために使用されると共に、併せて
気泡径および硬化後の発泡弾性体の通気量の調整・制御
効果も有する。この界面活性剤は、液状エラストマ原料
の成分との関連で適宜選択されるもので、前記エラスト
マ系高分子水分散液に対しては、アニオン系、カチオン
系、ノニオン系または両性の有機系界面活性剤が挙げら
れる。また液状エラストマ原料が有機溶媒系ブラスチゾ
ルまたは液状樹脂原料の場合には、ジメチルポリシロキ
サン−ポリオキシアルキレン共重合体等のシリコーン系
界面活性剤を単独で、または前述した有機系界面活性剤
と併用して使用される。なお温度または水分で固化する
型の原料については、前記各管路系、ミキサ64および
原料タンク60a等の内部で容易に硬化することのない
ポットライフ性が要求される。
【0022】(混合・撹拌工程について)前述した各原料
を混合して調整済み液状エラストマ配合物12を得た
後、この配合物12中に前記タンク60bから所定の体
積比で気体14(例えば空気、乾燥空気または窒素ガス
等)を吹き込み、かつ充分に混合することで気液混合原
料10を得る。本工程では、前記配合物12に気体14
を微細な気泡として取り込んだ気液混合原料10を得る
と共に、前記ミキサ64で充分に両者が撹拌される。こ
の気液混合原料10の流動特性は、後述する気液混合
比、液体エラストマ配合物中における高分子水分散体そ
の他混合物、殊に粘弾性特性調整剤および温度により決
定され、各要素に対して精密な制御が行なわれる。
【0023】前記液状エラストマ配合物12に気体14
を混合する際に、その気液混合比を如何に設定するかは
非常に重要であり、該液状エラストマ配合物12中のエ
ラストマ原料の粘度が通常の1〜5ポイズ程度の場合、
液状エラストマ配合物:気体=1:1〜10:1の範囲
とするのが好ましい。この範囲内で両者を混合すると、
気液混合原料の見掛け粘度を著しく大きなものとなし得
る。そして移送時には流動可能な低粘度を、また静止時
には形状を保持し得る高粘度を夫々持つ、所謂チクソト
ロピック性を発現する。
【0024】(シャフト取付工程について)前記シャフト
22は、移送装置30の最上流側に位置する取付ステー
ション40で、取付部50の取付孔50aに上方から垂
直に差込むことで取付けられる。前記取付部50の上表
面には、シリンダ68の内径より大きな外径のガスケッ
ト52が載置され、該シリンダ68が下降して円筒状の
密閉空間68cを密閉した後に流し込まれる気液混合原
料10の漏洩を防止している。ここで前記シャフト22
の材質としては、アルミニウム、ステンレスまたは鋼材
にニッケル無電解メッキを施した金属材料、或いはポリ
プロピレン等の樹脂が好適に使用される。この気液混合
原料10の付与に先立ち、別工程で前記シャフト22の
表面部に接着性を高める等の目的で、様々なプライマー
を塗布する処理を施してもよい。
【0025】(混合原料付与工程について)充分に微細気
泡を含んだ気液混合原料10を得た後、移送装置32の
下流側に設置した付与装置34により、シャフト22に
該原料10の付与が行なわれる。この場合に気液混合原
料10は、前記ミキサ64により流入管路80a−バイ
パス管路82a−流出管路80bの戻り管路82を循環
して、該管路82内の空気を追い出しているものとす
る。
【0026】この混合原料付与工程では、図4に示す如
く、先ず取付部50に取付けたシャフト22を原料付与
ステーション42に到来させ、前記シリンダ68と中心
軸線を整列させる。このとき図4(a)に示すように、ピ
ストン70にシリンダ68の下端部が位置して流入口6
8aを閉成している。そしてシリンダ68を図4(b)に
示す如く、下降させて、その下端部を前記ガスケット5
2に当接させることで円筒状の密閉空間68cを密閉す
る。次いで流入口弁84aおよび流出口弁84bを開放
すると共に,第1バイパス弁84cおよび第2バイパス
弁84dを閉成させることで、前記気液混合原料10の
循環管路を戻り管路82から供給管路80に切替えて、
図4(c)に示すように前記円筒状の密閉空間68c内に
該原料10を充填させる。このとき円筒状の密閉空間6
8c内から追い出される空気は、流出孔68b、流出管
路80bを介して前記ミキサ64に混合用気体14の一
部として戻される。従ってタンク60bからの気体供給
量は、この戻り気体量を勘案して決定する必要がある。
また気液混合比をモニターし、必要に応じて配合物12
や気体14の供給量を調整することで所定比に保持する
よう制御してもよい。
【0027】前記気液混合原料10の充填が完了した
ら、再び流入口弁84aおよび流出口弁84bを閉成す
ると共に,第1バイパス弁84cおよび第2バイパス弁
84dを開放させて、該原料10の循環管路を供給管路
80から戻り管路82に変更する。そして図4(d)に示
すように、前記シリンダ68に充満させた発泡済み気液
混合原料10の挙動が静まった後に、前記シリンダ68
を前記ピストン70に沿って開放位置まで上昇させるこ
とで、円筒状の密閉空間68c内に形成されたローラ形
状体16が外部に露出する。
【0028】このローラ形状体16は既に充分な見掛け
粘度を有しているので、該シャフト22から自重で垂れ
落ちることはない。次に前記切断装置72により、前記
ローラ形状体16をその上部においてピストン70の下
部から切離す。この切離し手段としては、前述したエア
ナイフの他、前記ピストン70または/およびローラ形
状体16に瞬時に高い剪断速度を回転により与えてねじ
切る方法や、カッター等の薄い刃物で水平に切り込む方
法が考えられる。この切離しに際し、ローラ形状体16
の上部は若干崩れるが、これは後述の後加工工程で修正
される。
【0029】(硬化工程)次に、ローラ形状体16を硬化
させる工程が、硬化ステーション44への移送により実
施される。この硬化工程で採用される硬化方法として
は、例えば自発的な化学反応、外部からの加熱または放
射線照射等が挙げられる。この硬化工程を経ることで、
前記ローラ形状体16は充分に硬化される。
【0030】前記の硬化方法は、液状エラストマ配合物
12の原料の種類に対応して種々のものが選択される。
すなわち前記原料がエラストマ系高分子水分散液の場合
は、表面に不溶性物質を生成させ、構成粒子を相互に付
着させることでゲル化させ、引き続き加熱加硫を施す方
法や、加熱により分子構造に変化を起こさせたり、また
は水分除去をトリガーとして混合原料10をゲル化さ
せ、引続いて分子間の架橋反応を起こすことで硬化させ
る方法が知られている。例えば軟質塩化ビニル等の有機
溶媒系プラスチゾル等の溶媒系プラスチゾルの場合、先
ず加熱による溶媒量の減少をトリガーとしてゲル化さ
せ、更に加熱を施して溶媒を完全除去して硬化する方法
が知られている。またポリウレタン等の分散媒を含有し
ない液状樹脂原料の場合、硬化剤を主剤中に混合するこ
とで起こる自発的な硬化による方法や、加熱またはガン
マ線等の放射線をトリガーとして、架橋反応を起こさせ
て硬化させる方法が知られている。
【0031】(後加工工程)以上の工程に引続き、更に所
望に応じて次の後加工工程を実施して、前記取付部50
の反対側のローラ部分を所定長さ除去して、シャフト2
2を露出させ弾性多孔体ローラ20を完成させる。他に
例えば、製造時のエア抜き等を容易にするために施した
ローラ端のテーパー部の除去や、得られたローラ外表面
に研磨加工を施して外形寸法を調整する等がこれであ
る。この研磨加工は、ローラの最外表面に形成されてい
るスキン層を剥ぎ取る際にも採用される。このスキン層
の除去を行なうと、セル骨格が露出して表面が凸凹形状
になり、表面積が大きく増大するので、例えばトナー搬
送ローラの如き用途のローラに好適である。
【0032】また前記ローラ20の最外表面にコーティ
ング膜を施す後加工工程を実施してもよい。例えばフッ
素をコーティングしたローラでは、表面の離型性が大き
く向上するので、これを加圧ローラに採用すれば、トナ
ーが容易に剥離して高画質を得ることができる。またカ
ーボンブラックを含有する導電膜を形成して電気導電度
を付与する後加工工程も考えられる。この場合は、ロー
ラ表面の電気伝導度や抵抗値を所望値に制御し得るの
で、例えば帯電ローラ等に好適に施される。
【0033】以下に本発明に係る弾性多孔体ローラの製
造方法の好適な実験例を示す。これらの実験例で使用さ
れる移送装置32は、深さ10mmを有し、ガスケット
52(厚さ5mm、外径20mm)が載置された取付部5
2を100mm間隔で備え、移動2秒、停止13秒の1
サイクル15秒で運転される。また付与装置34は、内
径15mmのシリンダ68およびストローグ長220m
mのピストン70を備え、外径15mm、長さ220m
mのローラ形状体16を得ることができる。シャフトに
は、寸法が外径5mm、長さ232mmの無電解ニッケ
ルメッキ処理された鋼製品を使用した。
【0034】
【第1実験例】(配合物について)液状エラストマ原料の
ポリウレタン水分散液(製品名 スーパーフレックスE−
2000:第一工業製薬製:固形分50%)100重量部
に対して、架橋剤(製品名デナコールEX−614B:ナ
ガセ化成工業製)10部、ポリアクリル酸ナトリウム(製
品名 レオシック232H:日本純薬製)0.2部、感熱ゲ
ル化剤として無水硫酸ナトリウム1.5部および導電性
カーボンブラック(製品名 ケッチェンブラックEC:ラ
イオン製)5部を添加し、充分に混合して、液状エラス
トマ配合物を得た。気体として、乾燥空気を使用した。 (混合・撹拌について) 液状エラストマ配合物:乾燥空気=1:5に設定し、ミ
キサ(オークスミキサ) により充分に気液混合原料を得た。 (付与について)円筒状の密閉空間への気液混合原料の供
給スピードを、10ml/secに設定した。またロー
ラ形状体の形成完了後のシリンダの上昇スピードを、2
00mm/secとし、切断手段として、薄い刃物を用
い前記ローラ形状体とシリンダとを切離した。
【0035】(硬化について)硬化装置として、68℃、
100℃および140℃の3つの温度設定域を有する熟
風炉(それぞれ2,4,8m長)を使用し、それぞれの温度
域でゲル化、架橋および乾燥を施して硬化を完了した。 (後加工について)超音波洗浄槽にて洗浄を実施して、ロ
ーラ中に残留する硫酸ナトリウムを溶解除去した後、乾
燥させた。次いで取付部の反対側のシャフトを露出させ
るべく、余分なローラを切断除去した。最終的に水系潤
滑性コーティング剤(製品名 工ムラロン345:日本ア
チソン製)を、スプレー塗布により付与し、温度120
℃で、20分間乾燥させて15μmのコーティング層を
形成した。 (結果について)外径14mmの帯電ローラを得た。寸法
精度は良好で充分に高く、またこのローラのシャフト−
表面問の抵抗値は、抵抗値1×106Ω(9.8N荷重、
100V60秒値)であり、帯電ローラとして、充分に
使用し得るものであった。
【0036】
【第2実験例】(配合物について)液状エラストマ原料の
ポリウレタン水分散液(製品名 スーパーフレックスE−
2000:第一工業製薬製:固形分50%)100重量部
に対して、架橋剤(製品名デナコールEX−614B:ナ
ガセ化成工業製)10部、ポリアクリル酸ナトリウム(製
品名 レオシック232H:日本純薬製)0.2部、感熱ゲ
ル化剤としてシリコーン系物質(製品名 TPA439
0:GE東芝シリコーン製:有効成分33%)2部および
導電性カーボンブラック(製品名 ケッチェンブラックE
C:ライオン製)5部を添加し、充分に混合して、液状エ
ラストマ配合物を得た。気体として、乾燥空気を使用し
た。 (混合・撹拌について) 液状エラストマ配合物:乾燥空気=1:5に設定し、ミ
キサ(オークスミキサ) により充分に気液混合原料を得た。 (付与について)円筒状の密閉空間への気液混合原料の供
給スピードを10ml/secに設定し、取付部に流入
口を、ピストンに流出口を設けた。またローラ形状体の
形成完了後のシリンダの上昇スピードを200mm/s
ecとし、切断手段として、薄い刃物を用い前記ローラ
形状体とシリンダとを切離した。
【0037】(硬化について)硬化装置として、68℃、
100℃および140℃の3つの温度設定域を有する熟
風炉(それぞれ2,4,8m長)を使用し、それぞれの温度
域でゲル化、架橋および乾燥を施して硬化を完了した。 (後加工について)超音波洗浄槽にて洗浄を実施して、ロ
ーラ中に残留する硫酸ナトリウムを溶解除去した後、乾
燥させた。次いで取付部の反対側のシャフトを露出させ
るべく、余分なローラを切断除去した。最終的に表面部
1mmを研磨し、スキン層を除去した。 (結果について)外径12mmのトナー供給用ローラを得
た。寸法精度は良好で充分に高く、またこのローラのシ
ャフト−表面問の抵抗値は、抵抗値1×104Ω(9.8
N荷重、100V60秒値)であり、トナー供給用ロー
ラとして、充分に使用し得るものであった。また、表面
の多孔質構造が緻密でかつ表面から内部に向けてセル径
が順次拡大する特徴がみられた。
【0038】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る弾性
多孔体ローラの製造装置およびその方法によれば、金型
等の専用部材を用いることなく、低い硬度でかつ高い耐
久性を併有し、薄肉であるローラを容易に製造し得る。
また連続してローラを形成し得ると共に、研磨等により
無駄となる原料が殆どなくなるので、生産効率および歩
留りが高まる有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る製造装置を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の実施例に係る付与装置を示す概略断面
図である。
【図3】本発明の実施例に係る製造方法を示すフローチ
ャート図である。
【図4】本発明の実施例に係る付与工程を示す工程図で
ある。
【符号の説明】
10 気液混合原料 12 液状エラストマ配合物 14 気体 16 ローラ形状体 20 弾性多孔体ローラ 22 シャフト 32 移送装置 36 硬化装置 42 原料付与ステーション 44 硬化ステーション 46 取外しステーション 50 取付部 52 ガスケット 54 モータ 56 無端コンベアベルト 60 泡立て機構 62a 原料タンク 62b タンク 64 ミキサ 68 シリンダ 68c 円筒状の密閉空間 70 ピストン 72 切断手段 80 供給管路 82 戻り管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501A 4F202 15/16 15/16 4F203 21/10 B29K 75:00 // B29K 75:00 105:04 105:04 105:22 105:22 B29L 31:32 B29L 31:32 G03G 21/00 312 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 2H032 AA05 BA19 2H034 BC01 2H077 AC04 AD06 FA00 FA22 3J103 AA02 AA13 AA23 AA51 BA41 EA03 EA13 EA20 FA12 FA15 GA02 GA32 HA05 HA12 HA18 HA20 HA41 HA52 4F202 AA31 AA45 AB03 AB18 AD03 AD15 AH04 AP11 CA01 CA23 CB01 CB12 CB17 CK25 CM01 CM18 CN01 CQ07 4F203 AA31 AA45 AB03 AB18 AD03 AD15 AH04 AP11 DA01 DA11 DB01 DB11 DC01 DJ01 DK02 DN10 DW06 DW23

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性多孔体ローラ(20)の芯材であって、
    取付部(50)に着脱自在に立設されるシャフト(22)を、該
    ローラ(20)に最終的に要求される外径と略合致する内径
    を有するシリンダ(68)の内部に中心軸線を整列させて配
    置すると共に、該シリンダ(68)の上部および下部をピス
    トン(70)および該取付部(50)によって対応的に規制し、 前記シリンダ(68)の内部に画成される円筒状の密閉空間
    (68c)に、液状エラストマ配合物(12)および気体(14)を
    混合・撹拌してなる発泡済み気液混合原料(10)を循環的
    に供給し、 前記シリンダ(68)に充満させた発泡済み気液混合原料(1
    0)の挙動が静まった後に、該シリンダ(68)を前記ピスト
    ン(70)に沿って上昇させることで、前記取付部(50)に立
    設したシャフト(22)の周囲に該気液混合原料(10)からな
    るローラ形状体(16)を形成し、 この気液混合原料(10)からなるローラ形状体(16)を硬化
    させて、前記弾性多孔体ローラ(20)の形状を永久固定す
    るようにしたことを特徴とする弾性多孔体ローラの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記液状エラストマ配合物(12)の原料
    は、エラストマ系高分子水分散液である請求項1記載の
    弾性多孔体ローラの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ローラ形状体(16)を担持した前記取
    付部(50)を原料付与ステーション(42)の下流側に位置す
    る硬化ステーション(44)に移動させ、この硬化ステーシ
    ョン(44)で該ローラ形状体(16)の硬化が行なわれる請求
    項1記載の弾性多孔体ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 弾性多孔体ローラ(20)の芯材となるシャ
    フト(22)を立設して取付け可能で、かつ該シャフト(22)
    を立設状態で次工程に向けて移動させる移送装置(32)
    と、 ローラ原料としての気液混合原料(10)を発泡・調製する
    泡立て機構(60)と、 前記次工程において上方に配設され、立設状態にある該
    シャフト(22)に中心軸線を整列させたピストン(70)と、 前記ピストン(70)に内挿されて摺動自在に昇降可能であ
    って、円筒状の密閉空間(68c)を内部に画成するシリン
    ダ(68)と、 更なる次工程に位置し、前記シャフト(22)の周囲に付与
    されてローラ状となった気液混合原料(10)を硬化させ
    て、前記弾性多孔体ローラ(20)の形状を永久固定する硬
    化装置(36)とからなることを特徴とする弾性多孔体ロー
    ラの製造装置。
  5. 【請求項5】 弾性多孔体ローラ(20)の芯材となるシャ
    フト(22)を着脱自在に立設し得る取付部(50)を備え、該
    取付部(50)をその移送方向に沿って位置する各ステーシ
    ョン(42,44)に向けて間欠的に移動させる移送装置(32)
    と、 前記ローラ(20)の原料である液状エラストマ配合物(12)
    および気体(14)を混合・撹拌して発泡済み気液混合原料
    (10)を調製する泡立て機構(60)と、 前記取付部(50)の移送方向に沿って位置する原料付与ス
    テーション(42)の上方に配設され、該ステーション(42)
    に到来停止した該取付部(50)に立設した前記シャフト(2
    2)と中心軸線を整列させているピストン(70)と、 前記ピストン(70)に内挿されて摺動自在に昇降可能であ
    って、原料付与ステーション(42)の定位置に停止してい
    る前記取付部(50)へ中心軸線を整列させて下降すること
    で、前記ピストン(70)および取付部(50)によって上下を
    規制された円筒状の密閉空間(68c)を内部に画成するシ
    リンダ(68)と、 前記原料付与ステーション(42)より下流側に位置する硬
    化ステーション(44)に配設され、前記シャフト(22)の周
    囲に付与されてローラ状となった気液混合原料(10)を硬
    化させて、前記弾性多孔体ローラ(20)の形状を永久固定
    する硬化装置(36)とからなり、 前記取付部(50)へ下降させた前記シリンダ(68)へ前記泡
    立て機構(60)からの気液混合原料(10)を循環的に供給
    し、該原料(10)を前記円筒状の密閉空間(68c)に充満さ
    せた後に、該シリンダ(68)を前記ピストン(70)に沿って
    上昇させることで、前記シャフト(22)の周囲にローラ形
    状を保持した気液混合原料(10)を付与し、このローラ形
    状をなす気液混合原料(10)を前記硬化装置(36)で硬化さ
    せることで、該シャフト(22)が中心に挿通された弾性多
    孔体ローラ(20)を製造する構成としたことを特徴とする
    弾性多孔体ローラの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記移送装置(32)は、水平に配設されて
    モータ(56)により所定方向へ間欠的に駆動される無端コ
    ンベアベルト(54)からなり、この無端コンベアベルト(5
    4)の表面に前記取付部(50)が所要間隔で複数取付けられ
    る請求項4または5記載の弾性多孔体ローラの製造装
    置。
  7. 【請求項7】 前記シリンダ(68)の上昇限界位置で、か
    つ該シリンダ(68)の下部周端縁に近接して切断手段(72)
    が配設され、該シリンダ(68)が前記ピストン(70)に沿っ
    て上昇し切ったタイミングで該切断手段(72)が作動する
    ことで、前記ローラ形状を保持した気液混合原料(10)が
    該ピストン(70)から切離される請求項4または5記載の
    弾性多孔体ローラの製造装置。
  8. 【請求項8】 前記取付部(50)に所要径のガスケット(5
    2)が載置され、前記シリンダ(68)を該取付部(50)に向け
    て下降させた際に、該シリンダ(68)の下端部周縁は該ガ
    スケット(52)に密着的に当接して、このシリンダ(68)に
    充填された前記気液混合原料(10)の漏洩を防止する請求
    項5記載の弾性多孔体ローラの製造装置。
  9. 【請求項9】 前記泡立て機構(60)は、液状エラストマ
    配合物(12)を貯留する原料タンク(62a)と、気体(14)を
    貯留するタンク(62b)と、これら両タンク(62a,62b)から
    混合状態で供給される前記配合物(12)および気体(14)を
    撹拌して発泡させるミキサ(64)とからなる請求項4また
    は5記載の弾性多孔体ローラの製造装置。
  10. 【請求項10】 前記ミキサ(64)からの発泡済み気液混
    合原料(10)は、供給管路(80)を介して前記シリンダ(68)
    に循環的に供給され、該シリンダ(68)に充満して余剰と
    なった気液混合原料(10)は、戻り管路(82)を介して該ミ
    キサ(64)に循環的に戻される請求項9記載の弾性多孔体
    ローラの製造装置。
  11. 【請求項11】 前記硬化ステーション(44)の下流側に
    位置する取外しステーション(46)を設け、前記硬化装置
    (36)で硬化された弾性多孔体ローラ(20)を前記取付部(5
    0)と共に該取外しステーション(46)まで移送した後、こ
    こで該弾性多孔体ローラ(20)は前記シャフト(22)と共に
    該取付部(50)から取外される請求項5記載の弾性多孔体
    ローラの製造装置。
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