JP2006095981A - Oaローラの成形装置 - Google Patents

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倫夫 金城
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【課題】金型の開口部に嵌めるキャップにおける問題を解消し、金型内の気密性をはかるキャップの繰り返し使用を可能としたOAローラの成形装置を提供する。
【解決手段】円筒状の金型1内にシャフトを配置してから発泡体形成材料を注入し発泡硬化させて、シャフトの周りに発泡体層を形成してOAローラを製造する装置であって、前記金型1と、この金型両端部の開口部にそれぞれ嵌め合わせて金型内を密閉するためのキャップ4とを有し、該キャップ4は、金型内面と接触する嵌合部40を柔軟層41で覆う構造とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、乾式電子写真装置等の画像形成装置における、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングローラおよび給紙ローラなどに供するOAローラを製造する際に用いる成形装置に関する。
近年、電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置には、帯電用、現像用、転写用、トナー供給用、クリーニング用および給紙などの用途として、高分子材による部品が注目され、具体的には、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングローラおよび給紙ローラなどの弾性を有するローラの形態で用いられている。
これらOAローラの素材には、通常ゴム又はポリウレタンなどの高分子エラストマーやフォームが用いられ、低硬度であって、また画像形成体や転写材などを汚染しないことが要求される。
ところが、ゴムやポリウレタンのエラストマーを低硬度化するには、ジオクチルフタレートのような可塑剤やアロマオイルのようなオイル類を配合する必要があり、画像形成体などを汚染しないという要求を満たすのは困難である。
そこで、近年では、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)やシリコーンゴムなどを、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)のような発泡剤で発泡させたフォームや、ポリウレタンを水やフロンなどの発泡剤で発泡させたフォームを用いるのが有利であり、特にポリウレタン発泡体が推奨されている。
このポリウレタン発泡体によるローラの製造方法としては、例えばポリオール成分、ポリイソシアネート成分、物理発泡剤及び場合により導電性付与剤やウレタン反応触媒などを含む発泡体形成材料を、シャフトがセットされた所定の形状の金型に注入して発泡硬化させるか、又はブロック状に自由に発泡させたのち加熱硬化させ、ブロックから所定寸法に切り出し、シャフトを取付ける方法などが知られている。
これらの方法の中で、円筒状の金型を用いる方法は、脱型後に必ずしも研磨処理を必要としないことから、多用されている。
この円筒状の金型を用いてポリウレタン発泡体ローラを製造する方法としては、例えば特許文献1に基本的な工程が記載されている。すなわち、図1に示すように、まず金属製の円筒状金型1の一端側開口部をキャップ2で塞いだ後、その中心にシャフト3を配置してから、金型1の他方の開口部にキャップ4を嵌め合わせる。その後、図1(a)に示すように、キャップ2に設けた注入部(図示せず)から発泡体形成材料5を注入する。
次いで、図1(b)に示すように、通常15〜80℃、好ましくは20〜65℃の温度範囲に加熱して発泡させる。この発泡体形成材料5の発泡膨張をさらに進行させて、図1(c)に示すように、金型1内部を発泡体6で充満させる。その後、金型1内を密閉した圧力保持状態において、例えば70〜120℃程度の温度でキュアを行って、図1(d)に示すポリウレタン発泡体ローラ7が得られる。
特開2002−113727号公報
上記の発泡膨張およびその後のキュア工程では、金型1内を確実に密閉して所定の圧力に維持しておく必要があるため、金型1の開口部にキャップ4を強固に嵌め合わせて気密をはかることが肝要である。そのために、キャップ4は金型1の開口部から内部に強く押し込まれて装着されるのが通例である。一方でキャップ4は気密性保持の観点から、比較的に硬度のある合成樹脂から成るのが一般的であり、かような材質のキャップが上記のように金型1の開口部から内部に強く押し込まれた際に大きな応力を受けると、成形後に金型1からキャップを外した段階で塑性変形していることが多く、キャップを使い捨てにしているのが現状である。
なお、キャップを金属製にすることによって変形を防ぐことはできるが、気密性の保持が難しいために、キャップへの適用は難しい。
また、キャップ4を強固に嵌め合わせるため、金型1の内周面のコーティングを傷つけることがあり、その場合は金型内の発泡が阻害されるため問題となっていた。
そこで、本発明は、金型の開口部に嵌めるキャップにおける上記の問題を解消し、金型内の気密性をはかるキャップの繰り返し使用を可能としたOAローラの成形装置を提供しようとするものである。
発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、金型内に押し込むキャップの嵌合部の構造を工夫することによって、キャップの塑性変形および金型内面コーティングの傷付きを共に回避できることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の要旨は、次の通りである。
(1)円筒状の金型内にシャフトを配置してから発泡体形成材料を注入し発泡硬化させて、シャフトの周りに発泡体層を形成してOAローラを製造する装置であって、前記金型と、この金型両端部の開口部にそれぞれ嵌め合わせて金型内を密閉するためのキャップとを有し、該キャップは、金型内面と接触する嵌合部が柔軟層で覆われてなることを特徴とするOAローラの成形装置。
(2)柔軟層がエラストマー素材からなることを特徴とする請求項1に記載のOAローラの成形装置。
本発明によれば、キャップの金型内面と接触する嵌合部を柔軟層で覆って、キャップ本体と金型内面との間の緩衝として十分に機能させたため、キャップを金型に強く押し込んだ場合にもキャップの塑性変形を回避でき、一方で金型内面のコーティングの保護も十分に図ることができる。
次に、本発明の装置について、図面を参照して詳しく説明する。
先に図1で示した、金型1の一端側および他端側の開口部にキャップ2および4をそれぞれ嵌め合せた装置において、そのキャップ2および4の金型1内面と接触する部分に柔軟層を設ける。すなわち、図2にキャップ4の場合を例示するように、キャップ4の金型1内面と接触する嵌合部40の外周を柔軟層41で覆うことが肝要である。かような柔軟層41を設けることによって、キャップ4を金型1の開口部内に押し込み装着した際に、キャップ4の嵌合部40と金型1内面との間で緩衝材として働くため、キャップ4の差し込み時にキャップ4の嵌合部40を塑性変形させるほどの応力の発生は抑制されることになる。従って、成形後に取り外したキャップに、従来のように変形が残ることがないため、キャップの再使用が可能になるのである。
また、柔軟層41の介在によって、キャップ4の嵌合部40によって金型1内面のコーティングに傷が付く事態も回避でき、安定した発泡成形を実現できる。
ここで、柔軟層41は、その厚みが0.5ないし1.0mmで挿入部分全体に対応する長さを持ち、表面が凹凸のない滑らかなもので形成される。
特に、柔軟層41はエラストマー素材からなることが好ましく、具体的には、ポリプロピレン(PP)系エラストマー、ポリエチレン(PE)系エラストマー、ウレタン系エラストマー及びシリコン系エラストマーを用いることができる。
下記に従って調製したポリウレタン発泡体形成材料を用いて、図1に示した手順にてポリウレタン発泡体ローラを製造した。すなわち、内径18mmおよび長さ250mmのステンレス鋼製円筒状金型1の一端側開口をキャップ2で塞いだ後、その中心に径6mmおよび長さ260mmの鉄製シャフト3を配置してから、金型1の他方の開口部にキャップ4を嵌め合わせた。なお、キャップ2および4には、表1に示す材質および仕様による柔軟層を設けた、種々のキャップを使用した。
そして、キャップ2に設けた注入部から下記のポリウレタン発泡体形成材料5を注入した。該発泡体形成材料は直ちに発泡を開始して膨張し、温度約25℃にて約90秒間で金型内が発泡体で埋められた。その後90℃で20分間キュアし、次いで金型1からキャップ4を外して発泡体ローラを金型から取り出した。

・ 平均分子量5000,官能基数3のポリエーテルポリオール:70質量部
・ スチレングラフトタイプのポリマーポリオール:30質量部
・ トリエチレンジアミン:0.3質量部
・ N−メチルモルフォリン:0.2質量部
・ 水1.5質量部
・ シリコーン整泡剤1.5質量部
・TDI−80/ポリメリックMDIの比率が50/50のイリシアネート:インデックス105
以上の製造工程を経て金型1から取り外したキャップ4について、変形の有無を確認するとともに、キャップ4と接触した金型1内面における傷の有無も確認した。その結果を表1に併記する。
Figure 2006095981
本発明のOAローラの製造方法を説明する工程図である。 本発明で用いる金型のキャップ構造を示す図である。
符号の説明
1 金型
2 キャップ
3 シャフト
4 キャップ
5 発泡体形成材料
6 発泡体
7 発泡体ローラ
40 嵌合部
41 柔軟層

Claims (2)

  1. 円筒状の金型内にシャフトを配置してから発泡体形成材料を注入し発泡硬化させて、シャフトの周りに発泡体層を形成してOAローラを製造する装置であって、前記金型と、この金型両端部の開口部にそれぞれ嵌め合わせて金型内を密閉するためのキャップとを有し、該キャップは、金型内面と接触する嵌合部が柔軟層で覆われてなることを特徴とするOAローラの成形装置。
  2. 柔軟層がエラストマー素材からなることを特徴とする請求項1に記載のOAローラの成形装置。
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