JP2005224946A - ローラ部材製造用金型およびローラ部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ローラ部材の端部形状や長さを、芯金を傷つけることなく良好に確保することができ、かつ、芯金表面のクリーニングの手間を要することなく容易に完成品のローラ部材を得ることができる、ローラ部材製造用金型およびローラ部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 芯金3と、芯金3の外周に担持された弾性体層4とを備えるローラ部材100の製造用金型10である。中空柱状の金型本体1と、金型本体1の両端開口部に挿嵌されて開口部を閉塞するキャップ部材2と、を備える。金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に原料を注入してローラ部材の製造を行う。キャップ部材2が、芯金3を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材100における弾性体層4の長手方向端部面に相当する位置まで、嵌入させて担持する嵌入口11を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 芯金3と、芯金3の外周に担持された弾性体層4とを備えるローラ部材100の製造用金型10である。中空柱状の金型本体1と、金型本体1の両端開口部に挿嵌されて開口部を閉塞するキャップ部材2と、を備える。金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に原料を注入してローラ部材の製造を行う。キャップ部材2が、芯金3を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材100における弾性体層4の長手方向端部面に相当する位置まで、嵌入させて担持する嵌入口11を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ローラ部材製造用金型およびローラ部材の製造方法(以下、単に「金型」および「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、画像形成装置等において用いられる各種ローラ部材を製造するためのローラ部材製造用金型,およびローラ部材の製造方法に関する。
複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、電子写真プロセスにおける現像、トナー層形成、クリーニング、給紙、搬送等の各工程で、現像ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングローラ、給紙ローラ、搬送ローラ等の各種ローラ部材が多様な役割を果たしている。
例えば、かかる画像形成装置の現像部には、静電潜像を保持する画像形成体と、この画像形成体に当接して表面に担持したトナーを付着させることにより静電潜像を可視画像化する現像ローラと、この現像ローラにトナーを供給するためのトナー搬送ローラ(トナー供給ローラおよび不要トナー剥ぎ取りのためのクリーニングローラを含む)とが設けられており、トナーを、トナー収容部からトナー搬送ローラおよび現像ローラを介して画像形成体まで搬送する一連のプロセスにより、画像形成が行われる。
これらローラ部材は、一般に、樹脂製または金属製のシャフトの外周にゴム材料や樹脂材料からなる弾性体層を担持させた構造を有しており、特に、弾性体層を低硬度の高分子弾性フォームにて形成したローラ部材が多く使用されている。中でも、最も一般的に用いられているのが、弾性体層をポリウレタンフォームにて形成したポリウレタンフォーム製ローラである。
かかるローラ部材の製造方法としては、例えば、あらかじめシャフトを配設した金型を用いて、シャフトとの一体成形により弾性体層を形成する手法が一般的であり、所望の良好なローラ性能を得るために、種々検討がなされ、改良が進められてきている。従来のローラ部材製造用金型の一例を、図2(a)に示す。図示する金型20は、中空柱状の金型本体21と、その両端に貫挿され、芯金(シャフト)23を保持するキャップ部材22とを備えており、この金型本体21の中心線上に芯金23を貫設した状態で内部に原料を注入して、芯金23と弾性体層24との一体成形を行うことにより、成形ローラ部材を得ることができる。
ところで、このような金型成形により得られる成形ローラ部材においては、その端部近傍で粗大セルや密度不良等の欠陥が発生しやすい。そのため、通常、成形ローラ部材は、図2(b)に示すように、完成品のローラ部材における弾性体層24の長手方向端部面に相当する位置において、カッター等の切断器具25により弾性体層24を切断することで、図2(c)に示す完成品のローラ部材となる。
しかしながら、この場合、図示するように、芯金23に密着した状態で弾性体層24の切断を行う必要があるため、切断器具25により芯金23に傷をつけやすいという問題があった。また、成形ローラ部材端部の不要部分の除去に手間がかかり、芯金23表面に弾性体層24の材料27が残留してしまうためにクリーニングが必要であるなどの問題もあり、ローラ部材の端部形状や長さを厳密に確保することは困難であった。
そこで本発明の目的は、ローラ部材の端部形状や長さを、芯金を傷つけることなく良好に確保することができ、かつ、芯金表面のクリーニングの手間を要することなく容易に完成品のローラ部材を得ることができる、ローラ部材製造用金型およびローラ部材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、金型の端部に用いるキャップ部材の形状を改良して完成品のローラ部材の弾性体層より長くなるように形成し、即ち、切断すべき不要部分が芯金に直接密着しないような金型構造とすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のローラ部材製造用金型は、芯金と、該芯金の外周に担持された弾性体層とを備えるローラ部材の製造用金型であって、中空柱状の金型本体と、該金型本体の両端開口部に挿嵌されて該開口部を閉塞するキャップ部材と、を備え、該金型本体の中心線上に前記芯金を貫設した状態で、該金型本体内に原料を注入してローラ部材の製造を行うローラ部材製造用金型において、
前記キャップ部材が、前記芯金を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置まで、嵌入させて担持する嵌入口を有することを特徴とするものである。
前記キャップ部材が、前記芯金を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置まで、嵌入させて担持する嵌入口を有することを特徴とするものである。
また、本発明のローラ部材の製造方法は、芯金と、該芯金の外周に担持された弾性体層とを備えるローラ部材の製造方法であって、
上記本発明のローラ部材製造用金型を用いて、前記芯金と弾性体層とを一体成形し、成形ローラ部材を得る成形工程と、
該成形ローラ部材を前記金型本体から取り出して、完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置において、該弾性体層を切断する切断工程と、を含むことを特徴とするものである。
上記本発明のローラ部材製造用金型を用いて、前記芯金と弾性体層とを一体成形し、成形ローラ部材を得る成形工程と、
該成形ローラ部材を前記金型本体から取り出して、完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置において、該弾性体層を切断する切断工程と、を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記構成としたことにより、成形ローラ部材における不要部分を切断する際に芯金に傷をつけるおそれがなく、また、切断した端部の不要部分をローラ部材から容易に除去することができるため、クリーニング工程の手間も省くことができる。従って、端部形状や長さを容易にかつ良好に確保して、完成品のローラ部材を得ることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。 図1(a)に、本発明の一好適構成例のローラ部材製造用金型10の部分断面図を示す。図示するように、本発明の金型10は、中空柱状の金型本体1と、その両端開口部に挿嵌されて開口部を閉塞するキャップ部材2と、を備えており、金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で金型本体1内に原料を注入することで、ローラ部材の製造を行うものである。
図示するように、本発明においては、キャップ部材2が、芯金3を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材における弾性体層の長手方向端部面に相当する位置Pまで、嵌入させて担持する嵌入口11を有している。図2(a)に示す従来のキャップ部材22においても、芯金23を担持するための軸孔26を設けることは行われていたが、本発明においては、芯金3の外周を、上記位置P、即ち、成形ローラ部材における不要部分の切断位置まで、キャップ部材2により覆う点が重要である。これにより、弾性体層4は不要部分については芯金3と離間した状態で形成されるため、成形後、キャップ部材2を取り外して切断工程に供すれば、カッター等の切断器具25が芯金3に達する前に不要部分の切断が完了することとなる(図1(b))。
嵌入口11は、図示するように、少なくとも端部から位置Pまでを嵌入可能に設ければよく、これにより本発明の初期の効果を得ることができるが、あまりローラ部材の中心方向に長く設け過ぎると、完成品のローラ部材の端部性能を損なうこととなるため、位置Pから0〜1mm程度までの長さを目安とする。
本発明の金型10においては、キャップ部材2に上記嵌入口11を設けることのみが重要であり、キャップ部材2のその他の部分や金型本体1の形状、構造等については、従来と同様に適宜構成することが可能であるが、好ましくは、以下の通りとする。
本発明に係るキャップ部材2には、挿嵌部外周に、閉塞時において金型本体1の内部と外部とを連通させる溝が少なくとも1本設けられていることが好ましい。かかる溝を設けることにより、金型の閉塞時にこの溝を介して金型内部のエアーおよび発泡圧力のリークを行うことができ、その断面寸法や本数を適宜調節することで、発泡時の発泡圧力を制御して、発泡セルの粗さをコントロールすることも可能である。具体的には、各溝の断面寸法および本数により決定される溝の全断面積を大きくすることで、リーク量が多くなり、即ち金型内圧力が低くなって、粗いセルが形成される。一方、溝の全断面積を小さくすることで、リーク量が少なく、即ち金型内圧力が高くなって、細かいセルが形成されることになる。通常、同じ断面積の溝の本数を2倍にすれば、リーク量も2倍になる。従って溝の本数は、所望のセル粗さに対応する断面積を有するものであれば、少なくとも1本設ければ本発明の効果を得ることは可能であるが、発泡圧抜きを効率良くかつバランス良く行う観点からは、少なくとも2本、周方向に等間隔で設けることが好ましい。なお、溝の断面寸法については、発泡圧のリーク後に原料にてシール可能な程度の細溝状に形成することが必要である。
また、溝の挿嵌方向内方端部には、エアーを外部に導くための誘導溝が設けられていることが好ましい。誘導溝を設けることにより、エアーの流れを良くして、得られるローラ部材の端部形状を整ったものとすることができる。誘導溝の形状は、例えば、V字形、U字形、半円形等とすることができるが、特に制限されるものではない。また、V字形に形成する場合には、そのV字の角度は好適には90°程度である。
さらに、溝は、キャップ部材2の挿嵌方向内方端部の外周面のうち、最も窪んだ部分を起点として設けることが好ましく、これにより、エアーのリークをよりスムーズに行うことができる。なお、溝を設ける長さは挿嵌部の長さや誘導溝の有無により決まるが、溝の長さが、例えば、5mm未満程度と短すぎると、リーク量が増加するとともに安定しなくなるため、リーク量のコントロールを適切に行うことができなくなり好ましくない。
なお、キャップ部材2に設けるリーク用の溝は、上述の例には限られず、図3(a)、(b)に示すような形状とすることもできる。図3(a)は、キャップ部材2にテーパー状の孔12を設けた場合であり、同(b)は、ストレート状の孔13を設けた場合である。これらの場合も、上記の場合と同様に、孔の大きさ(径)および数を適宜調整することにより、エアーのリーク量を適切に制御することができる。
また、本発明においては、図4(a)、(b)に示すような分割形式のキャップ部材を用いることも好適である。図示するキャップ部材は、略筒状の本体キャップ部2Aと、これに内挿される芯金キャップ部2Bとからなり、これら本体キャップ部2Aと芯金キャップ部2Bとの組み合わせにより金型本体1の開口部を閉塞する。図4(c)に示すように、芯金キャップ部2Bの内挿部16の外周には、少なくとも1本、図示する例では8本の溝15が形成されており、この溝15を介してリークが行われる。即ち、図4(a)に示すように、原料5が発泡している間においては、本体キャップ部2Aと芯金キャップ部2Bとは内挿途中の状態にあり、芯金キャップ部2Bに形成された溝15を介して金型本体1の内部と外部とが連通されて、リークが行われる。その後、図4(b)に示すように、本体キャップ部2Aと芯金キャップ部2Bとの内挿を完了することにより溝15が閉塞され、これにより金型本体1の開口部も完全に閉塞されることになるのである。
本体キャップ部2Aと芯金キャップ部2Bとの内挿構造は、内挿途中でリーク可能であって、内挿完了により金型本体1の開口部が閉塞されるものであれば特に限定されるものでがないが、例えば、図示するように、芯金キャップ部2Bの内挿部16の終端にテーパー状の大径分14を設け、これに対応するテーパー状の小径部17を本体キャップ部2Aに設けることで、大径部14と小径部17との嵌め合いにより、金型本体1が閉塞されるものとすることができる。なお、この場合も、ミゾ加工(溝15の大きさ、数等)によりエアー抜き、リーク量を適宜制御することが可能である。
金型本体1は、その両端開口部がキャップ部材2を挿嵌可能な形状に形成されているものであればよく、その材質としては、鉄、銅、アルミニウム、ステンレススチール等の金属の他、セラミックス等を使用することができる。好適には、強度や防錆、コスト等の点から、ステンレススチールを用いる。また、キャップ部材2の材質についても、成形時の加熱に耐え得るものであれば特に制限されるものではないが、成形後のローラ部材の離型性の観点からは、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
また、本発明のローラ部材の製造方法は、芯金3と、その外周に担持された弾性体層4とを備えるローラ部材100(図1(c)参照)を製造するに当たり、上記本発明の金型10を用いて芯金3と弾性体層4とを一体成形し、成形ローラ部材200を得る成形工程(図1(a))と、得られた成形ローラ部材200を金型本体1から取り出して、完成品のローラ部材100における弾性体層4の長手方向端部面に相当する位置Pにおいて、弾性体層4を切断する切断工程(図1(b))とを含むものである。
上記金型10を用いて成形を行うことで、前述したように、弾性体層4の成形端部が芯金1と離間した状態で形成されるため、成形後の切断工程において、芯金1を傷つけずに不要部分を切断除去することが可能となる。また、芯金1表面に弾性体層4が残留しないので、切断後にクリーニングを行う工程を省くことができ、効率性に優れる。但し、弾性体層4が低硬度である場合には、切断位置Pから弾性体層4の成形端部までの長さを3mm以上とすることが好ましい。長さが1mm程度しかないと、切断器具25の抵抗により成形端部が逃げてしまい、良好な切断面が得られない。この場合、図1(b)に示すように、成形ローラ部材200を、一方のキャップ部材2を外した状態で、他方のキャップ部材2とともに取り出して切断を行えば、弾性体層4が低硬度である場合でも、切断器具25の刃を入れた場合に成形端部が逃げることを防止して、切断作業をスムーズに行うことが可能である。
本発明の製造方法においては、上記金型を用いて製造を行う点のみが重要であり、これにより所望の適切な端部形状および長さを有するローラ部材を得ることができる。従って、それ以外の弾性体層4の原料注入工程や成形工程の具体的条件等については、常法に従い適宜設定することができ、特に制限されるものではない。また、本発明に適用可能なローラ部材の芯金の材質や原料の配合等についても特に制限されるものではなく、通常用いられる材料を適宜用いることができるが、特には、従来方法を用いた場合に芯金表面に弾性体層の付着が生じやすい原料、例えば、ポリウレタン原料を用いて、弾性体層をポリウレタンにより形成する場合に、本発明は効果的である。かかるポリウレタン原料としては、例えば下記に挙げるポリイソシアネート成分およびポリオール成分を用いることができる。
ポリイソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートおよびこれらの誘導体等を用いることができ、中でも、芳香族イソシアネートおよびその誘導体、特には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートおよびその誘導体としては、例えば、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物等が用いられる。
また、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンおよびその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。更に、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体等をブレンドして用いてもよい。
ポリオール成分としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95重量%、より好ましくは5〜90重量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
尚、かかるポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。更に、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
これらポリオール成分およびポリイソシアネート成分は、ポリオールをポリイソシアネートによりあらかじめプレポリマー化して用いてもよい。その方法としては、ポリオールおよびポリイソシアネートを適当な容器に入れ、十分に撹拌して、30〜90℃、好ましくは40〜70℃にて、6〜240時間、好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。
ポリウレタン原料の硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
ローラ部材に導電性を付与する場合には、ポリウレタン原料等の原料中に導電材を加えることができる。導電材にはイオン導電材と電子導電材があり、イオン導電材としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機イオン導電材;リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などの無機イオン導電材が挙げられる。また、電子導電材としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック;SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボンブラック;酸化カーボンブラック等のインク用カーボンブラック、熱分解カーボンブラック、グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅等の金属;カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカーなどが挙げられる。これら導電材を適宜添加することで、ローラ部材の体積固有抵抗を調整することができる。
また、ポリウレタン原料等の原料中には、用途に応じて、上記導電材の他、無機炭酸塩等の充填材、シリコーン整泡剤や各種界面活性剤等の整泡剤、フェノールやフェニルアミン等の酸化防止剤、低摩擦化剤、電荷調整剤などを適宜添加することができる。このうちシリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合物等を好適に用いることができ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。また、界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や、各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリウレタン原料100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
以下の手順に従い、図1に示すような、金型本体1と、嵌入口11を有するキャップ部材2とを備え、中心線上に径6.0mmのシャフトを貫設した内径20.0mm、長さ300mmの筒状金型を用いて、ローラ部材を作製した。
まず、下記表1に示すポリオール成分系とイソシアネート成分系とからなるポリウレタン材料を、高圧注入機を用いて、注入ヘッドを介して金型の上方開口部から内部に注入した。かかるポリオール成分系とイソシアネート成分系とは、注入ヘッド内で噴射圧力100kg/cm2にて衝突混合され、高圧発泡した状態で、供給量10g/secにて金型内部に注入された。その後、注入された発泡ポリウレタン材料を硬化させることにより、シャフトの外周にポリウレタンフォーム層が一体的に形成されてなる成形ローラ部材200を得た。
以下の手順に従い、図1に示すような、金型本体1と、嵌入口11を有するキャップ部材2とを備え、中心線上に径6.0mmのシャフトを貫設した内径20.0mm、長さ300mmの筒状金型を用いて、ローラ部材を作製した。
まず、下記表1に示すポリオール成分系とイソシアネート成分系とからなるポリウレタン材料を、高圧注入機を用いて、注入ヘッドを介して金型の上方開口部から内部に注入した。かかるポリオール成分系とイソシアネート成分系とは、注入ヘッド内で噴射圧力100kg/cm2にて衝突混合され、高圧発泡した状態で、供給量10g/secにて金型内部に注入された。その後、注入された発泡ポリウレタン材料を硬化させることにより、シャフトの外周にポリウレタンフォーム層が一体的に形成されてなる成形ローラ部材200を得た。
得られた成形ローラ部材200は、その表面に、連続した平滑面を形成するスキン層を有しており、かかるスキン層には、内部セルに連通する開口部が形成されていた。かかる成形ローラ部材200を金型本体1から取り出して、完成品のローラ部材における弾性体層4の長手方向端部面に相当する位置Pにおいて、カッター25を用いて弾性体層4を切断した(図1(b))。
結果として、得られたローラ部材100は、良好な端部形状および長さを有しており、また、芯金3には傷つきおよび弾性体層4の残留はなかった。これにより、本発明の金型およびそれを用いた製造方法により、所期の効果が得られることが確かめられた。
1、21 金型本体
2、22 キャップ部材
2A 本体キャップ部
2B 芯金キャップ部
3、23 芯金(シャフト)
4、24 弾性体層
5 原料
10、20 金型
11 嵌入口
12、13 孔
14 大径部
15 溝
16 内挿部
17 小径部
25 切断器具(カッター)
26 軸孔
27 残留材料
100 ローラ部材
200 成形ローラ部材
2、22 キャップ部材
2A 本体キャップ部
2B 芯金キャップ部
3、23 芯金(シャフト)
4、24 弾性体層
5 原料
10、20 金型
11 嵌入口
12、13 孔
14 大径部
15 溝
16 内挿部
17 小径部
25 切断器具(カッター)
26 軸孔
27 残留材料
100 ローラ部材
200 成形ローラ部材
Claims (8)
- 芯金と、該芯金の外周に担持された弾性体層とを備えるローラ部材の製造用金型であって、中空柱状の金型本体と、該金型本体の両端開口部に挿嵌されて該開口部を閉塞するキャップ部材と、を備え、該金型本体の中心線上に前記芯金を貫設した状態で、該金型本体内に原料を注入してローラ部材の製造を行うローラ部材製造用金型において、
前記キャップ部材が、前記芯金を、端部から、少なくとも完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置まで、嵌入させて担持する嵌入口を有することを特徴とするローラ部材製造用金型。 - 前記キャップ部材の挿嵌方向内方端部面に、閉塞時において前記金型本体の内部と外部とを連通させるテーパー状またはストレート状の孔が設けられている請求項1記載のローラ部材製造用金型。
- 前記キャップ部材が、前記金型本体の開口部を閉塞する略筒状の本体キャップ部と、該本体キャップ部に内挿される芯金キャップ部とからなり、該芯金キャップ部の内挿部外周に少なくとも1本の溝が形成され、前記本体キャップ部と芯金キャップ部とが、内挿途中においては該溝が前記金型本体の内部と外部とを連通させ、内挿完了により該溝が閉塞される内挿構造を有する請求項1記載のローラ部材製造用金型。
- 前記キャップ部材が、前記挿嵌部外周に、閉塞時において前記金型本体の内部と外部とを連通させる溝を少なくとも1本有する請求項1記載のローラ部材製造用金型。
- 前記溝の、挿嵌方向内方端部に、半円形、U字形またはV字形の誘導溝が設けられている請求項4記載のローラ部材製造用金型。
- 前記キャップ部材がポリプロピレンからなる請求項1〜5のうちいずれか一項記載のローラ部材製造用金型。
- 芯金と、該芯金の外周に担持された弾性体層とを備えるローラ部材の製造方法であって、
請求項1〜6のうちいずれか一項記載のローラ部材製造用金型を用いて、前記芯金と弾性体層とを一体成形し、成形ローラ部材を得る成形工程と、
該成形ローラ部材を前記金型本体から取り出して、完成品のローラ部材における前記弾性体層の長手方向端部面に相当する位置において、該弾性体層を切断する切断工程と、を含むことを特徴とするローラ部材の製造方法。 - 前記弾性体層を、ポリウレタンにより形成する請求項7記載のローラ部材の製造方法。
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JP2004032805A JP2005224946A (ja) | 2004-02-10 | 2004-02-10 | ローラ部材製造用金型およびローラ部材の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009086010A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-23 | Bridgestone Corp | 導電性ローラの製造方法および導電性ローラ |
JP2015057300A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-03-26 | 富士ゼロックス株式会社 | 端部切断装置、ゴムロール製造装置、端部切断方法、ゴムロール製造方法 |
-
2004
- 2004-02-10 JP JP2004032805A patent/JP2005224946A/ja active Pending
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JP2015057300A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-03-26 | 富士ゼロックス株式会社 | 端部切断装置、ゴムロール製造装置、端部切断方法、ゴムロール製造方法 |
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