JP2005127480A - ローラ部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部材全体にわたり均一な内部セル構造および表面構造を有するローラ部材を得ることのできるローラ部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 中空柱状の金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に、少なくとも発泡剤を含有する原料4を注入する工程を含むローラ部材の製造方法である。金型本体1を、長手方向が略水平となるよう配置した状態で、金型本体1内の長手方向中央部近傍に原料4を注入する。好適には、金型本体1内にノズル5を挿入した後、金型本体1またはノズル5を長手方向に互いに離れる方向に移動させながら、ノズル5により金型本体1内に原料4を注入する。
【選択図】 図1
【解決手段】 中空柱状の金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に、少なくとも発泡剤を含有する原料4を注入する工程を含むローラ部材の製造方法である。金型本体1を、長手方向が略水平となるよう配置した状態で、金型本体1内の長手方向中央部近傍に原料4を注入する。好適には、金型本体1内にノズル5を挿入した後、金型本体1またはノズル5を長手方向に互いに離れる方向に移動させながら、ノズル5により金型本体1内に原料4を注入する。
【選択図】 図1
Description
本発明はローラ部材の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、画像形成装置等において各種用途に用いられるローラ部材の製造方法に関する。
複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真装置や静電記録装置においては、電子写真プロセスにおける現像、トナー層形成、クリーニング、給紙、搬送等の各工程で、現像ローラ、トナー供給ローラ、クリーニングローラ、給紙ローラ、搬送ローラ等の各種ローラ部材が多様な役割を果たしている。
これらローラ部材は、一般に、軸の外周にゴム材料や樹脂材料からなる弾性体層を担持させた構造を有しており、弾性体層を低硬度の高分子弾性フォームからなる発泡体にて形成した、発泡体層を備えるローラ部材も多く使用されている。このようなローラ部材においては、発泡体層が部材全体にわたり均一な内部セル構造および表面構造を有し、各部材に要求される所望のローラ特性を備えていることが重要となる。
かかるローラ部材の製造方法としては、従来より、ブロック状の弾性体から切り出してローラ形状を形成する手法などが知られている。最近では、切り出しロスの削減を図るなどの観点から、あらかじめ軸を配設した型を用いて、軸との一体成形により弾性体層を形成する手法が一般的となっており、良好なローラ性能を得るために、種々の製造方法が検討され、提案されている。かかる製造方法の一例の説明図を、図2に示す。
図示する型20は、中空柱状の金型本体21と、その両端に挿嵌され、芯金23を保持する保持具22a、22bとを備え、金型本体21の中心線上に芯金23を貫設した状態で内部に原料24を注入してローラ部材の製造を行うものである。この型20を用いてローラ部材を製造するに際しては、まず、図中の(a)に示すように、上方の保持具22aの孔部25aから、所定量の原料24を内部に注入する。この場合、原料24が型20内部の下方端まで充填されるにつれて、下方の保持具22bの孔部25bからエアーが抜けることになる。原料24の注入後、図中の(b)に示すように、保持具22a、22bの孔部25a、25bを夫々蓋26a、26bにより閉塞することで、内圧の作用により発泡が開始して、型20内部に発泡原料が充填される。さらに、加熱硬化、脱型等の工程を経ることで、ローラ部材を得ることができる。
また、弾性体層の配合の改良により均一なセル構造の実現を図った技術として、例えば、特許文献1には、所定の導電材と分散剤とをポリウレタンフォーム層に含有させたポリウレタンローラに係る技術が記載されている。
特開2003−98786号公報(特許請求の範囲等)
上述のように、弾性体層を備えるローラ部材の製造においては、部材全体にわたり均一なセル構造を有するローラ部材を実現することが求められている。しかしながら、図2に示すような製造方法では、この要求を十分に満足することはできなかった。即ち、図示するように、型20を縦置きにしてその内部に原料を注入することにより成形を行う方法では、重力の作用のためにローラ部材の長手方向においてセル構造の分布に偏りが生じてしまい、部材全体として均一なローラ部材を実現することは困難であった。上記特許文献1に示されるように種々改良が試みられてきてはいるが、より高度の均一性を実現できる技術が求められていた。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題を解消して、部材全体にわたり均一な内部セル構造および表面構造を有するローラ部材を得ることのできるローラ部材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、ローラ部材を製造する際の金型の配置と注入方法とを組み合わせて改良することで、成形時において、ローラ部材の長手方向における発泡セルの均一性を良好に確保することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明のローラ部材の製造方法は、中空柱状の金型本体の中心線上に芯金を貫設した状態で、該金型本体内に、少なくとも発泡剤を含有する原料を注入する工程を含むローラ部材の製造方法において、
前記金型本体を、長手方向が略水平となるよう配置した状態で、該金型本体内の長手方向中央部近傍に前記原料を注入することを特徴とするものである。
前記金型本体を、長手方向が略水平となるよう配置した状態で、該金型本体内の長手方向中央部近傍に前記原料を注入することを特徴とするものである。
本発明においては、前記金型本体内にノズルを挿入した後、該金型本体または該ノズルを長手方向に互いに離れる方向に移動させながら、該ノズルにより前記金型本体内に前記原料を注入する手法を好適に用いることができる。
また、前記原料の注入前に、前記金型本体および芯金をあらかじめ加熱することが好ましく、好適には、少なくとも前記原料注入工程を、前記金型本体を回転させながら行う。
さらにまた、本発明においては、キャップ部材であって、前記金型本体の開口部に挿嵌されるテーパー状に形成された挿嵌部を有し、該挿嵌部外周に、略挿嵌方向に延び、挿嵌後において前記金型本体の内部と外部とを連通させる溝を少なくとも1本有するキャップ部材を用いて、前記原料注入工程後に、前記金型本体の開口部を閉塞することも好ましい。
本発明は、前記原料としてポリウレタン原料を用いるポリウレタン製のローラ部材であって、特には、前記原料中に導電材を含有する導電性ローラ部材の製造に好適に適用することができる。
本発明においては、上記構成としたことにより、ローラ部材中央部近傍から発泡を開始させて、長手方向2方向に反応を進行させることで、部材全体として極めて均一な発泡状態を実現することができ、高度に均一な内部および表面セル構造を有するローラ部材を容易かつ確実に得ることができる。また、あらかじめ金型本体および芯金を加熱することで原料の反応性を高めれば、より均一なセル構造の形成に寄与することができる。さらに、金型を回転させることで、ローラ部材の長手方向に直交する面内におけるセル構造の均一性を向上することができる。さらにまた、金型本体内を減圧することで、原料の初期発泡速度を高めることができる。さらにまた、上記所定のキャップ部材を用いれば、金型本体両端部からのエアーのリーク量の調整により、セル密度を制御したローラ部材を得ることも可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明のローラ部材の製造方法の一例の説明図を示す。図示する金型10は、中空柱状の金型本体1と、その両端開口部に挿嵌されて開口部を閉塞するキャップ部材2と、を備え、金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に、少なくとも発泡剤を含有する原料4を注入してローラ部材の製造を行うものである。
図1に、本発明のローラ部材の製造方法の一例の説明図を示す。図示する金型10は、中空柱状の金型本体1と、その両端開口部に挿嵌されて開口部を閉塞するキャップ部材2と、を備え、金型本体1の中心線上に芯金3を貫設した状態で、金型本体1内に、少なくとも発泡剤を含有する原料4を注入してローラ部材の製造を行うものである。
本発明においては、図示するように、金型本体1を、長手方向が略水平となるよう横置きに配置した状態で、金型本体1内の長手方向中央部近傍に原料4を注入する点が重要である(図中の(b)参照)。従来の縦置き状態での成形では、原料の発泡が下方から上方への1方向のみで進み、また、重力の影響が大きくなるため、長手方向におけるセル構造の均一性確保が困難となるが、本発明においては、上述のようにすることで、原料の発泡が中央部近傍から両端部に向かって、重力の影響の少ない水平2方向に均等に進行するため、長手方向においてセル構造が高度に均一化されたローラ部材を得ることが可能となる(図中の(c)参照)。
具体的には例えば、図中の(a)および(b)に示すように、注型用のノズル5を用いることで、金型本体1の長手方向中央部近傍への原料4の注入を容易に行うことができる。この際には、図示するように、金型本体1内にノズル5を挿入した後、原料4の吐出速度に合わせてノズル5を金型本体1から引き出しながら、原料4の注入を行うことが好ましい。この手法においては、図示するように、金型本体1内に挿入可能な細径部分をある程度の長さで有するノズルを用いる必要があるが、このようなノズルでは、先端の吐出部5aと根本部5bとで内部の原料4の反応度合いが異なってくる。即ち、吐出部5a内では原料4の反応が進行していて硬化反応の進行度は低くなっており、一方、根本部5b内では原料4の反応はまだ進行しておらず、硬化反応の進行度が高い状態にあることになる。従って、原料4の反応状態および吐出速度に合わせてノズルの移動速度を適宜調整することで、原料4を金型本体1の中心部近傍に確実に注入することができ、両端部への原料4の発泡充填をより均等化することができる。
図示する例では、ノズル5を移動させながら原料の注入を行っているが、金型本体1からのノズル5の引き出し速度と原料4の吐出速度との調整を行うことができればいいので、ノズル5の代わりに金型本体1を移動させてもよい。即ち、金型本体1またはノズル5を長手方向に互いに離れる方向に移動させながら原料4の注入を行うことで、上記効果を得ることができる。
また、本発明においては、原料4の注入前に、金型本体1および芯金3をあらかじめ加熱しておくことが好ましく、これにより、注入された原料4の反応性を高めて発泡充填の進行をスムーズにすることができる。この予熱温度は原料4の配合にもよるが、例えば、金型本体1については40〜70℃程度、芯金3については50〜80℃程度とする。予熱温度があまり高すぎると反応が加速しすぎてセル径が不均一になり、一方、低すぎると上記の反応性向上効果が十分に得られない。
さらに、上記原料注入工程は、金型本体1を回転させながら行うことが好ましい。これにより、ノズル5が金型の中心にない場合でも、金型本体1の内部に均一に原料4を注入することができるので、ローラ部材の長手方向に直交する面内における原料4の発泡状態を周方向に均一化することができ、セル構造の均一性の向上に、より有効である。この場合、セル構造は、内部から表面に向かって僅かに密度が大きくなった状態で安定化すると考えられる。金型本体1の回転は、少なくとも原料注入工程において行えば上記効果を得ることができるが、好ましくは、その後の発泡充填および加熱硬化工程についても回転させながら行うことで、均一セル構造の形成により効果的である。
原料注入工程においては、図示するように、少なくとも金型本体の開口部の一方を、原料4の注入のために開放しておく必要があるが、他端については、図示するようにキャップ部材2により閉塞しておいても、図示はしないが開放したままであっても、いずれでもよく、特に制限されない。但し、原料4の注入後に金型本体1内に芯金3を配設することは実際上困難であるため、原料4は、芯金3が配設された状態で金型本体1内に注入することが必要である。
原料4の注入後には、キャップ部材2を挿嵌することにより、金型本体1の開口部を閉塞する。この場合、内部で発泡する原料により押し出されるエアーをリークするために、キャップ部材3には開孔部が設けられていることが必要である。この開孔部の設け方は、エアーがリーク可能なものであれば特に制限されず、貫通孔でなく、溝形状に設けられた孔でもよい。例えば、金型本体1の開口部に挿嵌されるテーパー状に形成された挿嵌部の外周に、略挿嵌方向に延び、挿嵌後において金型本体1の内部と外部とを連通させる少なくとも1本の溝を設けたものなどを、キャップ部材2として、好適に用いることができる。このようなキャップ部材2を用いることで、開孔部を介して両端部からのエアーのリーク量を調整することができるので、これにより金型本体1内の内圧を制御して、ローラ部材のセル密度を制御することも可能となる。なお、この閉塞は、金型内の原料が発泡を開始し、満充填される直前に行うと、金型内のエアーを効果的にリークさせることができ、好ましい。
開口部の閉塞後には、金型10を両端から加圧して、内部の原料を発泡させることで、図中の(c)に示すように、金型10の内部に発泡した原料が充填される。その後、加熱、硬化を行って、金型10から脱型した後、適宜表面の研削等を行うことで、所望のローラ部材を得ることができる。
本発明の製造方法におけるその他の製造条件や用いる金型本体1等の材質などについては、特に制限されるものではなく、常法に従い適宜決定することができる。例えば、金型本体1の材質としては、鉄、銅、アルミニウム、ステンレススチール等の金属の他、セラミックス等を使用することができるが、好適には、強度やコスト等の点から、ステンレススチールを用いる。また、キャップ部材2の材質についても、成形時の加熱に耐え得るものであれば特に制限されるものではないが、成形後のローラ部材の離型性の観点からは、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
また、本発明を適用することのできるローラ部材の芯金3の材質や原料の配合等についても特に制限されるものではなく、通常用いられる材料を適宜用いることができるが、例えば、原料としてポリウレタン原料を用い、水、低沸点物、ガス体等の発泡剤を含有させることで、軸の外周にポリウレタンフォーム層を担持させた構造のポリウレタン製のローラ部材を得ることができる。かかるポリウレタン原料としては、例えば下記に挙げるポリイソシアネート成分およびポリオール成分を用いることができる。
ポリイソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環族イソシアネートおよびこれらの誘導体等を用いることができ、中でも、芳香族イソシアネートおよびその誘導体、特には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートおよびその誘導体としては、例えば、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物等が用いられる。
また、ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンおよびその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートおよびその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。更に、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体等をブレンドして用いてもよい。
ポリオール成分としては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95重量%、より好ましくは5〜90重量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
尚、かかるポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。更に、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
これらポリオール成分およびポリイソシアネート成分は、ポリオールをポリイソシアネートによりあらかじめプレポリマー化して用いてもよい。その方法としては、ポリオールおよびポリイソシアネートを適当な容器に入れ、十分に撹拌して、30〜90℃、好ましくは40〜70℃にて、6〜240時間、好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。
ポリウレタン原料の硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。
ローラ部材に導電性を付与する場合には、ポリウレタン原料等の原料中に導電材を加えることができる。導電材にはイオン導電材と電子導電材があり、イオン導電材としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機イオン導電材;リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などの無機イオン導電材が挙げられる。また、電子導電材としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック;SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MT等のゴム用カーボンブラック;酸化カーボンブラック等のインク用カーボンブラック、熱分解カーボンブラック、グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅等の金属;カーボンウイスカー、黒鉛ウイスカー、炭化チタンウイスカー、導電性チタン酸カリウムウイスカー、導電性チタン酸バリウムウイスカー、導電性酸化チタンウイスカー、導電性酸化亜鉛ウイスカー等の導電性ウイスカーなどが挙げられる。これら導電材を適宜添加することで、ローラ部材の体積固有抵抗を調整することができる。
また、ポリウレタン原料等の原料中には、用途に応じて、上記導電材の他、無機炭酸塩等の充填材、シリコーン整泡剤や各種界面活性剤等の整泡剤、フェノールやフェニルアミン等の酸化防止剤、低摩擦化剤、電荷調整剤などを適宜添加することができる。このうちシリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合物等を好適に用いることができ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。また、界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や、各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリウレタン原料100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
さらに、原料中には、アルキド樹脂系分散剤やポリエステル樹脂系分散剤、特殊カルボン酸型高分子界面活性剤、両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、その他アニオン系、カチオン系、非イオン系の各種分散剤を配合することも可能である。具体的には例えば、アルキド樹脂系分散剤としては、Disperse Ayd No1、Disperse Ayd No8(共にELEMENTIS社(英)製)等を用いることができ、ポリエステル樹脂系分散剤としては、テキサホール873(サンノプコ(株)製)、ディスパロンKS−860(楠本化成(株)製)等を用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例
図1に示す金型10として、約70℃に予熱した金型本体1(内径φ16.0mm、外径φ20.0m、SUS製)に、約50℃に予熱した外径6mmの芯金3(SUM製)をあらかじめセットした。その後、図示するように、ノズル5を用いて、金型本体1内部の長手方向中央部近傍に、下記の表1に示す配合のA成分およびB成分からなるポリウレタン原料を注入した。次いで、キャップ部材2を両端に挿嵌して金型10を閉塞した後、両端から加圧した。金型10の内部は、発泡した原料で満充填された。この際のエアーのリークは、キャップ部材2の外周に180°間隔で2本設けられた溝により行った。これを、110℃で30分硬化させて、脱型することにより、実施例のローラ部材を得た。なお、表1中のケッチェンブラックECP(ライオン(株)製)のDBP吸油量は、360cm3/100g(JIS K6217、K6218、K6219へと変更(1997年改訂、旧JIS K6221)の吸油量測定法のA法(機械)に従う)であった。
実施例
図1に示す金型10として、約70℃に予熱した金型本体1(内径φ16.0mm、外径φ20.0m、SUS製)に、約50℃に予熱した外径6mmの芯金3(SUM製)をあらかじめセットした。その後、図示するように、ノズル5を用いて、金型本体1内部の長手方向中央部近傍に、下記の表1に示す配合のA成分およびB成分からなるポリウレタン原料を注入した。次いで、キャップ部材2を両端に挿嵌して金型10を閉塞した後、両端から加圧した。金型10の内部は、発泡した原料で満充填された。この際のエアーのリークは、キャップ部材2の外周に180°間隔で2本設けられた溝により行った。これを、110℃で30分硬化させて、脱型することにより、実施例のローラ部材を得た。なお、表1中のケッチェンブラックECP(ライオン(株)製)のDBP吸油量は、360cm3/100g(JIS K6217、K6218、K6219へと変更(1997年改訂、旧JIS K6221)の吸油量測定法のA法(機械)に従う)であった。
従来例
図2に示す形状の型20として、約70℃に予熱した金型本体21(内径φ16.0mm、外径φ20.0m、SUS製)に、約40℃に予熱した外径6mmの芯金23(SUM製)をあらかじめセットした。その後、下方の保持具22bの孔部25bからエアーを抜きながら、内部に実施例と同様のポリウレタン原料を注入して、上下の孔部25a、25bを蓋26a、26bにより夫々閉塞し、内圧の作用によりポリウレタン原料を発泡させて、型20内部に発泡原料を充填した。これを、110℃で30分硬化させて、脱型することにより、従来例のローラ部材を得た。
図2に示す形状の型20として、約70℃に予熱した金型本体21(内径φ16.0mm、外径φ20.0m、SUS製)に、約40℃に予熱した外径6mmの芯金23(SUM製)をあらかじめセットした。その後、下方の保持具22bの孔部25bからエアーを抜きながら、内部に実施例と同様のポリウレタン原料を注入して、上下の孔部25a、25bを蓋26a、26bにより夫々閉塞し、内圧の作用によりポリウレタン原料を発泡させて、型20内部に発泡原料を充填した。これを、110℃で30分硬化させて、脱型することにより、従来例のローラ部材を得た。
実施例および従来例の各ローラ部材サンプルにつき、図3に示すように、長手方向に3点A、B、C(縦置きの場合は上方から下方に向かって順次)を取って、各点におけるアスカーFP硬度の測定、および、セル密度の評価を行った。セル密度の評価は、ローラ部材サンプルに定規を当てて、1cm当りのセル個数を測ることにより行った。この結果を下記の表2中に示す。
上記表2からわかるように、実施例のサンプルは各点間で硬度およびセル密度が均一であったのに対し、従来例のサンプルは縦置き製造時における上方から下方に向かって硬度が高く、かつ、セル密度が密になっており、長手方向に不均一な構造を有していた。
以上説明してきたように、本発明によれば、部材全体にわたり均一な内部セル構造および表面構造を有するローラ部材、特には、導電性ポリウレタンローラを製造することができ、画像形成装置に用いる各種ローラ部材として好適に適用可能である。
1,21 金型本体
2 キャップ部材
3,23 芯金
4,24 原料
10 金型
20 型
22a,22b 保持具
25a,25b 孔部
26a,26b 蓋
2 キャップ部材
3,23 芯金
4,24 原料
10 金型
20 型
22a,22b 保持具
25a,25b 孔部
26a,26b 蓋
Claims (7)
- 中空柱状の金型本体の中心線上に芯金を貫設した状態で、該金型本体内に、少なくとも発泡剤を含有する原料を注入する工程を含むローラ部材の製造方法において、
前記金型本体を、長手方向が略水平となるよう配置した状態で、該金型本体内の長手方向中央部近傍に前記原料を注入することを特徴とするローラ部材の製造方法。 - 前記金型本体内にノズルを挿入した後、該金型本体または該ノズルを長手方向に互いに離れる方向に移動させながら、該ノズルにより前記金型本体内に前記原料を注入する請求項1記載のローラ部材の製造方法。
- 前記原料の注入前に、前記金型本体および芯金をあらかじめ加熱する請求項1または2記載のローラ部材の製造方法。
- 少なくとも前記原料注入工程を、前記金型本体を回転させながら行う請求項1〜3のうちいずれか一項記載のローラ部材の製造方法。
- キャップ部材であって、前記金型本体の開口部に挿嵌されるテーパー状に形成された挿嵌部を有し、該挿嵌部外周に、略挿嵌方向に延び、挿嵌後において前記金型本体の内部と外部とを連通させる溝を少なくとも1本有するキャップ部材を用いて、前記原料注入工程後に、前記金型本体の開口部を閉塞する請求項1〜4のうちいずれか一項記載のローラ部材の製造方法。
- 前記原料としてポリウレタン原料を用いる請求項1〜5のうちいずれか一項記載のローラ部材の製造方法。
- 前記原料中に、導電材を含有させる請求項1〜6のうちいずれか一項記載のローラ部材の製造方法。
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-
2003
- 2003-10-27 JP JP2003366383A patent/JP2005127480A/ja active Pending
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