JP2007273467A - フルオロカーボンポリマーが蒸着された拡散媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池、並びに、燃料電池の作動の間の水管理に関連し、PTFEで被覆された拡散媒体の疎水性特性の維持を改善する方法を提供する。
【解決手段】燃料電池は、導電性基板上に蒸着されたフルオロカーボンポリマーを有する拡散媒体を備える。PEM燃料電池で使用するための拡散媒体は、改善された水管理のため疎水性領域及び親水性領域を備える。例えば、フルオロ樹脂等の疎水性ポリマーは、疎水性領域を形成するためペーパー上で蒸着され、親水性領域は、疎水性ポリマーによっては覆われておらず、又は、追加的に堆積された親水性ポリマーによって覆われている。
【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池、並びに、燃料電池の作動の間の水管理を改善するための方法に関する。本発明は、更に燃料電池のための拡散媒体を準備するための方法に関する。
燃料電池は、電気自動車及び他の用途のための電源としてますます使用されてきている。一例としての燃料電池は、触媒電極と該電極の間に形成された陽子交換膜(PEM)とを備えた膜電極アッセンブリ(MEA)を有する。燃料電池の作動の間に、水は、水素及び酸素の間の電極化学反応に基づいてカソード電極で発生する。燃料電池の効率的な作動は、システム内の有効な水管理を提供するための能力に依存している。
ガス拡散媒体は、PEM燃料電池で重要な役割を演じる。一般に、拡散媒体は、ガス流れチャンネルから触媒層を通した反応ガス輸送を維持しつつ、カソード触媒層からの生成水の除去を促進する必要がある。更に、電極の間の陽子交換膜は、それが完全に水和されるとき最も良く動作する。従って、ガス拡散媒体の最も重要な機能の一つは、燃料電池の作動の間の水管理を提供することである。
最良の水管理のために、親水性特性及び疎水性特性の望ましいバランスを有するガス拡散媒体を提供することが望ましい。ガス拡散媒体に親水性特性及び疎水性特性の適切なバランスを提供することによって、反応ガス及び生成水のための異なる輸送経路を提供し、よって、ガス拡散媒体の孔内の水の過度の蓄積に起因した電池内の溢れ状態を防止する。特に膜のアノード側部において、陽子交換膜の適切な水和を維持しつつ水の除去が達成されなければならない。該膜は、高い電流密度では、アノードからカソードへの電子透過性の牽引(陽子により運搬される水)に起因して乾燥する膜の最初の部分となる傾向がある。加えて、親水性特性及び疎水性特性の適切なバランスを達成することは、ガス拡散媒体内で適切な量の液体水を維持することによって又は電池内の液体水の再生によって、かなり乾燥した入口反応ガスの使用を可能にし、よって外部の加湿器に対する容量要求量を減少させることができる。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を炭素繊維拡散媒体に添加することは燃料電池技術において一般的である。そのような添加は、媒体をより疎水性にし、利点を提供する。PTFE被覆媒体の水管理能力を改善するため、追加の微細多孔性層のコーティング及び/又は拡散媒体への逃散材料の埋め込みを始めとした様々な試みがなされてきた。
PTFE被覆拡散媒体は、幾つかの場合に、例えば、標準化されたウィルヘルムテストにおける動的接触角度の測定によって、被覆媒体の疎水性が、時間の経過と共に減少する傾向にある欠点を示した。PTFEで被覆された拡散媒体の疎水性特性の維持を改善する方法による有意な進歩が求められている。
PEM燃料電池で使用するために適した拡散媒体は、フルオロカーボンポリマーの導電性多孔性基板への蒸着を含むプロセスによって準備される。図示のように、多孔性基板はカーボンファイバーを基にしたペーパーである。一実施例では、蒸着は、モノマー先駆ガスを、モノマー先駆ガスを熱分解し、基板表面の近傍で反応性CF種の源を生成するのに十分な温度で熱源にさらすことによって実行される。蒸着の生成物は、表面に堆積され、基板の孔内にある均一なPTFE状のポリマーである。様々な実施例では、蒸着は、基板の少なくとも1つの側部の表面を完全に覆い、又は、1つの側部の100%未満の領域を覆っている。フルオロカーボンポリマーの蒸着により覆われていないままである領域を、様々な親水性ポリマーで被覆し又は覆うことができる。加えて、1つの側部でミクロ細孔層を有し、他方の側部で蒸着されたフルオロカーボンポリマーを有する拡散媒体を設けることができる。
例えば、二極式プレート等の不浸透性の導電性部材によって電池のカソード側部及びアノード側部に形成された流体分配チャンネル内に配置された拡散媒体を含むPEM燃料電池が提供される。拡散媒体上の親水性領域及び疎水性領域(蒸着されたフルオロカーボンポリマー)を、燃料電池において所望の水管理レベルを提供するため所望のように調整することができる。例えば、様々な実施例では、流体分配チャンバーは、反応ガス入口側部と出口側部とを有する。例えば酸素等の酸化剤ガスは、カソード入口部に提供される。水素燃料は、アノード入口部に提供される。水素はアノードで酸化され、アノードからカソードへ陽子交換膜を通過する陽子を形成し、該陽子は酸素ガスとの反応によって水を形成する。カソード電極からの生成水の除去は、拡散媒体の作用によって容易にされ、酸化剤ガスの流れによって電池から除去される。一実施例では、拡散媒体上の疎水性ポリマーの含有量は、出口側部に隣接する拡散媒体の領域において、入口側部に隣接する拡散媒体の領域においてより大きい。代替例として、親水性ポリマーの含有量は、入口側部に隣接する拡散媒体の面積において、出口側部に隣接する領域においてより大きい。
拡散媒体、燃料電池及び拡散媒体を含む燃料電池スタックは、受容可能な燃料電池性能を示す。一態様では、燃料電池の性能は、蒸着された拡散媒体の観察された特性に起因して改善され、経年変化で大きい範囲にまでそれらの疎水性を維持する。
本発明の応用可能性の更なる領域は、後述される詳細な説明から明らかとなる。詳細な説明及び特定の例は、本発明の様々な実施例を示しているが、これは開示目的のためであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本発明は、次の詳細な説明及び添付図面からより完全に理解されるようになる。
燃料電池スタックは、直列に電気的に接続された複数の個別のPEM燃料電池から作られている。個別の燃料電池は、アノードと、カソードと、アノード及びカソードの間に配置された陽子交換膜と、カソード、アノード又はそれらの両方に隣接する拡散媒体と、を備える。燃料電池スタックにおいて、個別のPEM燃料電池の少なくとも1つにおける拡散媒体の少なくとも1つは、少なくともその表面に配置されたフルオロカーボンポリマー蒸気を有する多孔性導電性基板を備える。様々な実施例では、蒸着されたフルオロカーボンポリマーは、拡散媒体の面積の100%又は100%未満を覆っている。幾つかの実施例では、蒸着されたフルオロカーボンポリマーにより露わにされた拡散媒体の領域は疎水性ポリマーにより覆われている。燃料電池は、水素をアノードに供給し、酸素をカソードに供給し、その結果生じる電気化学反応を実行することにより作動される。
別の実施例では、PEM燃料電池で使用するための拡散媒体を準備する方法は、フルオロカーボンポリマーを蒸着によって多孔性導電性基板に塗布する工程を備える。蒸着によって基板上に堆積されたフルオロカーボンポリマーは、年数が経過してもその疎水性を大きく維持しようとする。蒸着は、多孔性基板の全面積に亘って実行されてもよいし、又は、例えば蒸着工程の間にマスクを使用することによって、基板の面積のうち100%未満の面積に亘って実行されてもよい。一実施例では、蒸着方法は、モノマー先駆物質ガスを熱分解して基板の近傍で反応性CF種の源を生成するのに十分な温度を有する熱源にモノマー先駆物質ガスをさらす工程を備えている。上記のように、PEM燃料電池は、蒸着方法によって準備された少なくとも1つの拡散媒体を備え、燃料電池スタックは、電気的に直列接続された複数の燃料電池を備える。一例としての燃料電池スタックは、20乃至500或いはそれ以上もの個別の燃料電池を含んでいる。
別の態様では、燃料電池は、アノードと、カソードと、アノード及びカソードの間に配置された陽子交換膜とを備えて提供される。流体分配チャンバーがカソードと連係され、ガス入口側部及びガス出口側部を有する。同様に、アノードと連係する流体分配チャンバーは、ガス入口側部及びガス出口側部を有する。拡散媒体は、カソードと連係した流体分配チャンバー、アノードと連係した流体分配チャンバー、又は、それらの両方内に配置され、拡散媒体は、入口側部から出口側部まで各分配チャンバーに亘っている。拡散媒体は、導電性多孔性材料を備え、該材料上には、疎水性フルオロカーボンが疎水性領域を形成するように蒸着され、親水性ポリマーが親水性領域を形成するように堆積されている。前記したように、燃料電池スタックは、電気的に直列に配置即ち接続された複数のそのような燃料電池を含んでいる。
更には、改善された水管理のための疎水性領域及び親水性領域を含むPEM燃料電池で使用するための拡散媒体は、2つの側部を有するシートの形態にある導電性多孔性材料と、疎水性領域を形成する多孔性材料上に蒸着されたフルオロカーボンポリマー蒸気と、多孔性材料上に堆積されて親水性領域を形成する親水性ポリマーとを備えている。好ましい多孔性材料は、カーボンファイバーペーパー又はカーボン布である。
別の実施例では、疎水性領域及び親水性領域を有するカーボンファイバーを基にした拡散媒体を準備する方法は、(a)カーボンを基にした基板に、基板の一部分が疎水性ポリマーが露わにされたままとなるパターンでフルオロカーボンポリマーを蒸着し、(b)基板の露わにされた部分に親水性ポリマーを堆積させる、各工程を備える。様々な実施例では、親水性ポリマーは、ポリアニリン又はポリピロールを含んでいる。
様々な実施例では、親水性ポリマーは、それが基板に被覆されたとき、親水性表面を与えるものである。親水性表面は、水により容易に湿らされる表面であり、水による湿潤性の一つの測度は、親水性ポリマーを含む表面上の水の接触角度である。親水性表面は、水(固着液滴)に関して90°より小さい接触角度によって特徴付けられる。
様々な実施例では、親水性ポリマーは、導電性であり、以下で説明するように堆積され、更には、本願出願人に共有譲渡され、2004年8月5日に出願された代理人整理番号8540G−000212(GP−303506)の、「電解重合によるカーボンファイバーペーパーの親水性を増大させる方法」と題された現在係属中の出願に記載されているように堆積される。その開示内容は、参照により本願に組み込まれる。好ましくは、導電性ポリマーは、電気化学的重合により重合されたモノマーの水溶液から堆積される。好ましくは、溶液は、電解質と、ピロール、チオフェン、アニリン、フラン、アズレン、カルバゾール、及び、それらの重合可能な誘導体からなる群から選択されたモノマーと、を含んでいる。電解重合は、電解重合プロセスにおける作用電極としてフルオロカーボンポリマーで部分的に被覆されたカーボンファイバー基板を設定することによって達成される。溶液がアニリンを含む場合、ポリアニリンが基板上へと堆積され、溶液がピロールを含む場合、ポリピロールが堆積される等々である。導電性ポリマーは、基板の露出部分へと堆積されるのが好ましい。電解重合は、主として親水性ポリマーが存在しない導電性表面上で発生するからである。
様々な実施例では、本発明の拡散媒体は、特にPEM燃料電池において、燃料電池で使用するのに適している。一例としての燃料電池は、アノードと、カソードと、アノード及びカソードの間に配置された陽子交換膜(PEM)と、を備えている。不浸透性の導電性膜は、カソード及びアノードに隣接して設けられ、各々の電極と共に、カソード及びアノードと連係した流体分配チャンバーを各々形成する。本明細書で説明されたように拡散媒体は、流体分配チャンバーの一つか又は両方に配置される。分配チャンバーは、一般に、ガス入口側部とガス出口側部とを有し、拡散媒体は、入口側部から出口側部へと流体分配チャンバーに亘っている。アノード側部では、ガスは反応体としての水素であり、カソード側部では、ガスは酸化剤としての酸素を含んでいる。幾つかの実施例では、拡散媒体は、フルオロカーボンポリマーで100%覆われている。フルオロカーボンの覆い率が100%未満であるとき、拡散媒体の疎水性領域及び親水性領域のバランス(即ち、疎水性の、即ちフルオロカーボン――ポリマーの量及び面積覆い率、親水性物質の量及び面積覆い率、並びに、これらの2つの物質の相対比率)を、燃料電池における水管理を提供するため所望の通りに変化させることができる。様々な実施例では、親水性領域は、疎水性ポリマーによって覆われていないカーボンファイバーペーパーの領域であるか又は親水性ポリマーで覆われている領域である。例えば、疎水性ポリマーの量を、流体分配チャンバーの入口側部及び出口側部に隣接した各々の拡散媒体の部分部分で異なるようにしてもよい。これに限定するわけではないが、拡散媒体がカソード側部にある場合、疎水性ポリマーの含有量は、入口側部に隣接する拡散媒体の領域よりも出口側部に隣接した拡散媒体の領域においてより大きい。
本発明の一態様では、カーボンファイバーを基にした拡散媒体等の多孔性材料上の疎水性領域及び親水性領域の母剤は、本明細書で説明した蒸着法により非導電性疎水性ポリマーで部分的に被覆された拡散媒体上に親水性ポリマーの電解重合によって形成される。電解重合のためのモノマーを含む水性溶液が部分的に被覆された拡散媒体に塗布されるとき、導電性ポリマーの堆積は、主として疎水性ポリマーで覆われていない基板の領域で発生する。これは、コーティングの非導電性及び疎水性の特性に部分的に起因しているものと考えられる。これによって、電解重合プロセスを開始するため電子が非導電性ポリマーを通って伝達することができないように、電解重合可能なモノマーを含む溶液でカーボンファイバーが湿ることを防止する。
様々な実施例では、フルオロカーボンポリマーの蒸気相堆積は、ボストンマサチューセッツのGVD社により開発され、例えば、米国特許番号5,888,591号に記載されている方法によって実行される。その内容は参照により本願に組み込まれる。加熱線プロセスの基本的なコンセプトは、反応ガス(モノマー先駆物質)が一連の熱フィラメントを通過し、よって、好ましくは1トールの低圧で、真空チャンバー内でラジカルを形成するということである。ラジカルはサンプル表面上に及び/又は多孔性材料の孔内へと拡散し、直鎖状ポリマーを形成する。ポリマーはラジカル源にさらされた拡散媒体の部分に優先的に堆積されるが、カーボンファイバーペーパー等の多孔性媒体への有意な貫通が達成される。かくして、この蒸気相蒸着は、見通し技術ではない。しかし、露出表面から多孔性基板のバルクへのポリマー濃度の勾配が得られる。フルオロカーボンポリマーを形成するためのCFラジカルの堆積のために、一般に酸化ヘクサフルオロプロピレンが、モノマー先駆ガスとして使用されている。堆積したポリマー材料は、「フルオロカーボン」、「フルオロカーボンポリマー」及びその他の類似の物として本明細書では言及されている。
様々な実施例において、蒸着は、モノマーガスを重合し、基板表面の近傍でCFラジカル等の反応性フルオロカーボン種の源を生成するのに十分な温度を有する熱源にモノマー先駆ガスをさらすことによって達成される。基板表面は、該表面上でCF種の蒸着及び重合を誘起するため熱源よりも実質的に低い温度に維持される。
好ましくは、モノマー先駆ガスは、酸化ヘクサフルオロプロピレンを含み、熱源は、好ましくは、基板に面した熱分解表面を有する構造表面又は加熱プレートの上方に吊るされた耐熱性導電性フィラメントである。熱源の温度は約500°Kより高いのが好ましく、基板表面は実質的に約300°Kよりも低い温度に維持されるのが好ましい。
幾つかの実施例では、コーティングは、モノマー先駆ガスが反応性CF種を生成するためイオン化されているプラズマ環境に基盤をさらすことによって達成される。プラズマ環境は、交互インターバルを有する励起デューティサイクルによって特徴付けられたプラズマ励起パワーのモノマー先駆ガスへの印加によって生成される。交互インターバルでは、励起パワーがモノマー先駆ガスに印加されたり、励起パワーが印加されなかったりする。モノマー先駆ガスは、酸化ヘクサフルオロプロピレンを含んでいるのが好ましい。
好ましくは、励起パワーが印加されるプラズマ励起パワーデューティサイクルのインターバルは、約100μ秒から0.1秒の間、より好ましくは約1ミリ秒から100ミリ秒の間であり、励起パワーが印加されないプラズマ励起パワーデューティサイクルのインターバルは、約100μ秒から1秒の間、より好ましくは約350ミリ秒から450ミリ秒の間である。プラズマの励起は、プラズマ環境が約1ミリトールから10トールの間の圧力で生成される状態で、約100ワットから約300ワットの間のパワーを提供する。
多孔性材料又はフルオロカーボンポリマーの蒸着により被覆された基板は、一般に、導電性基板から作られた多孔性平面可撓性物品である。様々な実施例では、多孔性材料(シート材料と称される)は、編まれた又は編まれていないファブリックから作られる。
好ましい実施例では、シート材料は、カーボンファイバーペーパーから作られている。カーボンファイバーペーパーは、カーボンファイバーから作られ、炭化された樹脂と結合された、織られていないファブリックとして考えることができる。カーボンファイバーペーパーは、様々な形態で市販されている。様々な実施例では、例えば、ペーパーの密度は約0.3乃至約0.8g/cmであるか又は約0.4乃至約0.6g/cmであり、ペーパーの厚さは、約100μmから約1000μmであり、好ましくは、約100μmから約500μmであり、多孔率は約60%から約80%である。以下で説明されるような燃料電池用途で使用するための適切なカーボンファイバーペーパーは、例えば、東レ工業USAから入手できる。東レから市販されているカーボンファイバーペーパーの一例はTGPH−060であり、これは、0.45gm/cmのバルク密度を持ち、約180ミクロンの厚さである。
幾つかの実施例では、フルオロカーボンは、フルオロ樹脂によるカーボンファイバーペーパーの100%未満の覆い率、例えば、50%から99%の覆い率を表すパターンで、カーボンファイバーペーパー上に堆積される。様々な実施例では、フルオロカーボンポリマーは、シート面積の10%から90%を覆い、好ましくは、10%から60%又は10%から50%を覆っている。本方法は、基板の領域をマスクし、次にフルオロカーボンポリマーを蒸着する、各工程を備える。マスクされた領域は蒸着後にフルオロカーボンによって覆われていない状態のままである。拡散媒体の被覆されていない領域は、フルオロカーボンで被覆された領域よりも、疎水性が少ない。かくして、被覆されていない領域は、疎水性ポリマーで処理された領域に比べて、拡散媒体上で相対的に親水性の領域を提供する。様々な実施例では、親水性ポリマーはこれらの領域の親水性を増大させるため堆積される。
様々な実施例では、拡散媒体には、蒸着により適用されたコーティングに加えて表面コーティングが形成される。そのようなコーティングの限定されない例は、フルオロカーボンと結合した炭素粒子層であり、しばしば、ミクロ細孔層(MPL)と称されている。これは、5乃至80ミクロンの厚さでばらつき、燃料作動の間にカソード触媒層からの水の除去を促進する機能を有する。幾つかの実施例では、ミクロ細孔層は、多孔性導電性基板の一方の側又は両側に適用される。特定の実施例では、拡散媒体は、一方の側にミクロ細孔層を備え、他方の側に蒸着されたフルオロカーボンポリマーコーティングを備える。フルオロカーボンポリマーの他方の側への蒸着の前又は後のいずれにおいても、ミクロ細孔層を適用することができる。好ましくは、ミクロ細孔層は、フルオロカーボンポリマーの他方の側への蒸着前に適用される。図示のために、ペーストを含むフルオロカーボン−カーボン−粒子が、多孔性基板の一方の側に塗布され、蒸着フルオロカーボンポリマーが他方の側に適用される。拡散媒体は、ミクロ細孔層がカソードに向かい、蒸着側が流れ場(即ち、カソードから離れた側)に向かう燃料電池内に設置される。
塗布されるべきミクロ細孔層ペーストは、概して、例えばカーボン等の導電性粒子と、疎水性フルオロカーボンポリマーの粒子とを含む。ペーストは、ペーストの粘稠度を提供するため十分な水及び/又は溶媒を更に含んでいる。一例としての炭素粒子は、カーボンブラック、グラファイト粒子、グランドカーボンファイバー及びアセチレンブラックを含んでいるが、これらに限定されるものではない。ペースト内のフルオロカーボンポリマーは、例えば、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ヘクサフルオロプロピレン等のペルフルオロアルキルエチレンなどのモノマーを含むフッ素の重合によって形成された任意のポリマーであってもよい。ペーストを作るための好ましいフルオロカーボンポリマーはPTFEである。様々な実施例では、ペーストは、例えばドクターブレード法、スクリーン印刷、吹き付け、及び、ロッドコート法等の従来技術により基板に塗布される。
実際には、ペーストは、主要量の溶媒と、比較的少ない量の固体とから作られる。ペーストの粘性率は、固体のレベルを調整することによって変えることができる。当該固体は、約9:1から約1:9の重量比率で、炭素粒子及びフルオロカーボンポリマー粒子の両方を含んでいる。好ましくは、炭素粒子のフルオロカーボンポリマーに対する重量比率は、約3:1から約1:3である。フルオロカーボン粒子は、水中分散物として便利に供給される。一例としてのペースト組成は、2.4グラムのアセチレンブラックと、31.5mLのイソプロパノールと、37mLの脱イオン水と、1.33gの60重量%の水中のPTFE分散物と、を含んでいる。このペーストは、乾燥状態に基づいてアセチレンブラックのフルオロカーボンポリマーに対する重量比率を約3:1で有する。
当該ペーストは、表面からペーパーの内部へと延在するミクロ細孔層を提供するため乾燥した多孔性基板上に塗布される。様々な実施例では、ミクロ細孔層は、ペーパーの厚さの約5%乃至約20%である。例えば、典型的なペーパーが200ミクロン厚である場合、ミクロ細孔層は、ペーパーの表面の上方で約10乃至約40ミクロン厚である。ペーパーのバルクへのミクロ細孔層の貫通は、約100μm以内の範囲に及び、ペーストの粘性率に依存している。ペーパーに塗布するべきペーストの量は、固体の密度、ペーパーの面積、及び、所望のミクロ細孔層の厚さから決定することができる。様々な実施例では、ペースト内の固体の重量に基づいて、約1.0から約2.5mg/cmの面積当たりの積載量でペーパーに適用される。
蒸着の間の基板の一定面積上へのフルオロカーボンポリマーの堆積を防止するために使用されるマスクは、フルオロカーボンポリマーがシート材料上に堆積されるパターンを画定する開口部を有する比較的剛性の枠組材料から作られるのが好ましい。マスク中の開口部は、孔、穿孔、スロット又は他の形状の形態で設けることができ、任意の適切な打ち抜き、切除又は他のプロセスによってマスク内に設けることができる。幾つかの実施例では、マスクは、孔又は開口部のパターンを1次元又は2次元のパターンで有するスクリーンの形態で提供される。スクリーンの形態のマスクは、例えば、穿孔されたプレート又は網状に形成されたワイヤファブリックの形状を取り得る。これに限定されない例は、穿孔された鉄シート及び穿孔されたステンレス鋼スクリーンを含んでいる。様々な実施例では、開口部は、シートと接触されるべきスクリーンの面積の10%から90%を占める。幾つかの実施例では、開口部は、スクリーン接触面積の10%から60%、又は好ましくは10%から50%を占める。
図1aは、個体部、又は、マスク2内で開口部8を形成する不浸透性部6から作られたマスク2を示している。開口部8は、一連のスロット8として示されている。一般に、マスクの厚さは、フルオロカーボンの貫通に影響を与え、フルオロポリマーのプロフィールを細かく調整するため使用することができる。図1bは、個体部6及び開口部8を示すマスク2の断面を示している。図1cは、マスク2を多孔性基板と接触させ、フルオロカーボンコーティングを蒸着することによって作られたシート材料4を示している。シート4は、パターン部材内の開口部8に隣接して保持された位置に対応する領域10と、パターン部材の個体部6に隣接して保持された位置に対応する接触領域12と、を備える。ポリマーは、主要にはマスクの開放領域8でシート上に堆積される。
図2aは、マスク2の別の実施例の斜視図を示し、スクリーンの形態にある個体部6が孔の形態にある開口部8を2次元パターンで有するものとして示されている。図2bは、開放領域10上に主要に堆積されたポリマーを有するが、接触領域12には、ほとんどか或いは全くポリマーが堆積されてない多孔性基板4を示している。
図3aは、堆積チャンバー(図示せず)内のプラットフォーム128上に保持された、多孔性基板4と接触するマスク2の断面を示している。マスク2は、フルオロカーボンの堆積のための経路を形成する開口部8を有する個体部6から作られている。多孔性基板4は、接触領域12でマスク2と接触し、マスクと接触していない多孔性基板の開放領域10を残している。図3bは、堆積工程の後の多孔性基板3aの構造を概略形態で示している。図3bは、開放領域10に対応する位置で優勢に多孔性基板4に堆積されたポリマーを示している。他方では、多孔性基板が、蒸着の間にマスクと接触していた場所に対応する多孔性基板上の位置12では、ほとんどか或いは全くポリマーが堆積されていない。多孔性基板4の反対側11は、堆積工程の間にプラットフォーム128に対して保持されることによって蒸着に抗してマスクされている。様々な実施例では、反対側11には、蒸着の後又は好ましくは蒸着の前に、ミクロ細孔層(図示せず)が形成される。
一旦、疎水性ポリマーが、カーボンファイバーを基にした基板等のシート材料に堆積されたならば、親水性ポリマーを基板上に堆積することができる。様々な実施例では、親水性ポリマーは、疎水性ポリマーによって覆われていない基板の領域、例えば、上述された基板のマスクされた領域に優先的に堆積される。
幾つかの実施例では、親水性ポリマーは、上記したフルオロカーボンポリマーコーティングの蒸着のために使用された蒸着プロセスに類似した蒸着プロセスによって堆積することができる。熱フィラメントは、モノマーラジカルを発生するため使用され、モノマーラジカルはポリマーを形成するため表面上に反応する。このようにして形成することができるポリマーの間には、アセタール、ポリオキシメチレン、アクリレート及びメタクリレートポリマー及びスチレンポリマーが存在している。様々な実施例では、適切なマスクは、疎水性ポリマー及び親水性ポリマーの堆積の所望のパターンを提供するため使用される。
親水性ポリマーは、基板上に硬化可能な組成を塗布し、当該組成を硬化条件にさらすことによっても堆積することができる。そのような方法は、本明細書に記載され、2005年4月25日に出願された現在係属中の特許出願シリアル番号11/13,503号に記載されている。その内容は参照により本願に組み込まれる。一実施例では、自由ラジカル重合可能なモノマー、オプションの重合開始剤、及び、オプションの、溶媒若しくは他の適切な希釈剤中の架橋剤を含む、反応溶液が、多孔性基板と接触されている。処理された基板は、モノマー及び架橋剤の自由ラジカル重合をもたらすため所定条件下に配置される。モノマーが二官能性であるか又はより高い機能を有するとき、追加の架橋剤を使用する必要はない。
適切なモノマーには、自由ラジカル重合することができ、且つ、オプションで架橋することができるモノマーが含まれている。反応溶液内のモノマーの少なくとも一部分は、親水性であり、それにより、親水性ポリマーが重合時に形成される。親水性モノマーのこれに限定されない例には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−及び3−ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエトキシエチル−及びポリエトキシプロピルアクリレート類、アクリルアミド及び誘導体、ポリエチレングリコールアクリレート類及びジアクリレート、ポリプロプレングリコールアクリレート類及びジアクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸,2−及び4−ビニルピリジン、4−及び2−メチル−5−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、イタコン酸、フマル酸、及び、マレイン酸、並びに、スチレンスルホン酸が挙げられる。メタクリレート類は、アクリレートが使用される場合にはいつでも使用することができる。モノマーの混合物を使用することもできる。
適切な架橋剤には、例えば、ジ−及びトリ−等のニ基又は多不飽和機能基を有するモノマー、並びに、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールのテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。他の例には、ジビニルベンゼン及び誘導体が挙げられる。
モノマーは、紫外放射(UV)及び/又は熱の作用下で重合可能である。モノマーを硬化させて親水性ポリマーを形成するためUVを使用するとき、モノマーの塗布後に基板をマスクし、UV光をマスクされていない部分に適用してマスクされていない部分にポリマーを形成することができ、反応していないモノマーをマスクした部分から洗い流すことができる。様々な実施例では、疎水性蒸着コーティングで被覆された基板の一部分は、親水性ポリマーの硬化前にマスクされる。
様々な実施例では、親水性ポリマーは、電気化学的重合のプロセスによって作られる。上述したようにフルオロカーボンポリマーで部分的に被覆されたカーボンファイバーペーパーは、電気化学的電池の作用電極として使用される。以下の電気化学的重合の説明におけるカーボンファイバーへの参照の全ては、上述したフルオロカーボンポリマーで部分的に被覆されたカーボンファイバー基板に参照されるものとして理解されるべきである。カーボンファイバーペーパーアノードは、モノマー及び電解質の溶液中に浸漬される。正の電位が、作用電極に印加され、導電性ポリマーがモノマーラジカルカチオンのアノード連結によって形成される(例えば、2,5位置でポリピロールを形成するためのピロールラジカルカチオン)。導電性ポリマーの形成とコーティングの表面特性とは、モノマー濃度、電解質濃度、及び、反応条件に依存している。
適切なモノマーには、モノマーの酸化電位を超える電圧を有するアノードで重合したとき導電性ポリマーを形成するべく使用されたモノマーが含まれている。そのようなモノマーの限定されない例には、ピロール、チオフェン、アニリン、フラン、アズレン、カルボザール、並びに、これらの置換誘導体が挙げられる。置換誘導体には、1−メチルピロール及び様々なβ−置換ピロール、チオフェン類及びフラン類が挙げられる。β−置換チオフェンのこれに限定されない例には、例えば、β−アルキルチオフェン、β−ブロモチオフェン、β−CHCNチオフェン、並びに、β,β’−ジブロモチオフェンが挙げられる。類似の置換は、フラン又はピロールリングに関しても提供することができる。更には、様々なアルキル、ハロ、及び、他の置換されたアズレン及びカルボザールを使用することができる。上記したように、カーボンファイバーペーパーは、電解重合の間に、作用電極又はアノードとして設定される。適切な対電極、例えば、グラファイトブロック又はステンレス鋼スクリーンも提供される。標準的なカロメル参照電極(SCE)を、作用電極に近接して配置してもよい。カーボンファイバーペーパーを、例えば、金属箔等の電流コレクターに連結してもよく、又は、適切なクリップ、リード線又は他のデバイスにより回路に直接接続してもよい。半透膜又は単一のチャンバーで分離された2つのチャンバーは、対電極及び作用電極のために使用することができる。対電極及び作用電極は、一般に、同じ電解質に浸漬される。作用電極が保持される区画室は、更に、適切な濃度の重合可能なモノマーを含んでいる。
一般には、重合可能なモノマーの濃度を、重合条件に応じて幅広い範囲に亘って選択することができる。重合率及びポリマーのカーボンファイバー表面への組み込みの範囲は、モノマーの濃度によって部分的に決定されることが理解されるべきである。適切なモノマー濃度には、約0.01Mとモノマーの上限溶解度との間の濃度が含まれている。様々な実施例では、重合可能モノマーの約1.5Mの最大濃度が使用される。様々な他の実施例では、モノマー濃度は、少なくとも約0.1M、少なくとも約0.5M、又は、約0.5Mから約1.5Mの範囲にある。
電解重合の区画室は、適切なレベルの電解質も含んでいる。幅広い範囲の様々な電解質を使用することができ、電解質の濃度は、電気化学的電池の他の特徴及び他の反応条件に応じて選択される。好ましくは、電解質濃度は、電解質分子を用いた電池を介した電荷移動が、生成率を制限しないように選択される。モノマーに関して、電解質の濃度は約0.01Mから溶媒中の溶解度限界以内の範囲に及び得る。好ましくは、電解質は、約0.01Mから約1.5Mの間、好ましくは、約0.1Mから約1.0Mの間で使用される。好ましい溶媒は水である。
電解質は、イオン化することができ、よって電極の間の溶液を通して電気を伝達することができる分子又は分子の混合物から選択することができる。一般に使用されている電解質は、例えば、カンフルスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、硫酸、アリザリンレッドSモノフドレート、及び、それらの塩類など、スルホン酸並びにスルホン酸塩、特に、ナトリウム塩等を含んでいるが、これらに限定されない。電解質は、通常、堆積された導電性ポリマーコーティングに含まれている。電解質の構成及び濃度は、被覆されたカーボンファイバーの表面自由エネルギーに影響を与える。
導電性ポリマーは、カーボンファイバー表面、電解重合電池内のアノード上に導電性ポリマーを形成するように反応するため十分な量のモノマーを酸化するための時間に亘って重合区画室を通して電流を流すことによってカーボンファイバーペーパー上に堆積される。ポリマーの堆積のための反応時間は、例えば、電池の温度、モノマー及び電解質の濃度、印加される電位、電池の構成、カーボンファイバーペーパー上のポリマーの組み込みの所望の範囲等、多数の因子に依存する。典型的な反応時間は、数秒から数分の範囲に及んでいる。上述されたようにパラメータを様々に変えることによって、被覆されていないカーボンファイバーのものを超える表面自由エネルギーから70ダイン/cmより大きい表面自由エネルギーを有する被覆されたカーボンファイバーペーパーを準備することができる。
電解重合は、重合可能なモノマーの酸化電位を超える電圧に保持されたアノードで実行される。当該電圧を超えた印加電圧は、反応時間、所望の表面自由エネルギー、モノマー濃度、電解質濃度、反応温度及び他のパラメータと首尾一貫するように選択される。実際問題として、印加電圧は、電気化学的電池内の水を電気分解する電圧よりも低く設定するべきである。様々な実施例では、印加電圧は、約0.5から約2.5ボルトの範囲にある。例えば、プラチナメッシュ、チタニウムメッシュ及びグラファイトブロック等の様々な対電極を使用することができる。
好ましい実施例では、電解重合は、パルス堆積技術を使用して実行される。例えば、電位差計が、パルス電圧(一定周波数で二乗波関数)を分配するために設定されたとき、重合プロセスは、溶液の代わりに、さらされたカーボンファイバー領域に優先的に発生する傾向があることが示される。溶液中のポリマーの形成は、非導電性疎水性ポリマーで最初に被覆された領域に望ましくないポリマー堆積をもたらしかねない。電圧が印加されるときのサイクルの間、モノマーは、アノードの表面で酸化され、当該表面上で重合する。これと同時に、基板表面の周りの電界質の体積では一時的にモノマーが激減する。電圧サイクルがオフにされたとき、反応が停止し、アノード電池電解質のバルクからの拡散によってアノードの表面で再び一定濃度のモノマーに確立されるようになり得る。電圧が再びオンにされたとき、モノマーはアノード表面で酸化され、前記したように重合する。電圧及び電流パルスの持続時間は、表面上の導電性ポリマーの形成の率及び均一性を最適化するように選択することができる。例えば、パルスの周波数は、約0.1Hzから約0.001Hzから選択することができる。サイクル中のオン/オフ時間のパーセント率も様々に変えることができる。典型的な実施例では、オン/オフサイクル時間は、50/50である。
本発明の被覆されたカーボンファイバーペーパーを作るプロセスでは、電解重合のための好ましいモノマーには、ピロール及びアニリンが挙げられる。ポリピロール又はポリアニリンはカーボンファイバーペーパー内のカーボンファイバーの表面上に堆積される。一般には、当該プロセスは、少量の電解質を電着された導電性ポリマー内に組み込ませ、これによって、ポリマーコーティングの伝導度及び表面自由エネルギーを仕立て上げるように使用することができる。
被覆されたカーボンファイバーペーパーの表面自由エネルギー及び他の有用な物理的特性は、様々な因子、例えば、ポリマー内に組み込まれた対イオン(電解質)の性質、ポリマーの量、表面上に電解重合されたポリマーの表面形態に依存している。様々な実施例では、カーボンファイバーペーパーは、導電性ポリマーの約2重量%から約30重量%で被覆され、又は、約2重量%から約15重量%で被覆される。好ましい実施例では、ポリマーコーティングの厚さは、カーボンファイバーの直径の約5%から約10%である。
例えば、所定パターンで堆積したフルオロ樹脂等のポリマーを有するカーボンファイバーペーパー等のシート材料は、例えば、燃料電池内の拡散媒体として有用である。そのような燃料電池は、アノードと、カソードと、アノード及びカソードの間に配置された陽子交換膜と、を備える。燃料電池の作動の間、水が、カソードの表面で生成され、膜へと拡散され、該膜では、アノード側部から陽子交換膜を通って陽子が伝達することを容易にする必要がある。拡散媒体は、水管理で有用となる様々な機能と燃料電池内のガス反応物輸送とを実行するため、通常、アノード及びカソードの触媒層と接触して配置されている。
膜は、陽子交換膜(PEM)であり、この膜は、典型的には、ペルフルオロスルホン酸イオノマー膜等のイオン交換構成要素を備えている。そのような市販されている膜の一つが、ナフィオン(R)という商品名でE.I.デュポン・ダ・ニュマウアズ&Coによって販売されている陽子伝導性膜である。アノード及びカソードは、水素の電気化学的酸化及び酸素の電気化学的還元を促進するため、典型的には、触媒粒子が分布された多孔性材料を備える。陽子の輸送のため膜を適切に水和した状態に維持すること、並びに、適切な内部抵抗を提供することが重要である。
様々な実施例では、本発明の拡散媒体は、アノード側部、カソード側部又はそれらの両方で使用される。拡散媒体は、カソード側部での水の再分配を援助し、拡散媒体内に水を保持するためリザーバーを提供することによってアノード反応ガスを加湿するのにも役立っている。加えて、拡散媒体は、アノード又はカソードのいずれで使用されるときにも膜を水和した状態に維持する。
燃料電池作動の間、水素ガスがアノードに導入され、該アノード側部では水素(H)が、2つの電子を無くして2つの陽子(H)へと分離される。陽子は、膜を横断してカソード側部へと移行する。酸素又は空気がカソード側部に導入され、該カソード側部では酸素又は空気が多孔性電極へと流れていく。カソード電極内の触媒粒子は、陽子(H)と酸素(O)との間の反応を促進してカソード内で水を形成する。かくして、液体水が発生したとき、多孔性カソード材料内へのガスの流れが同時に維持されなければならない。そうしないと、電極は水で「溢れた状態」になってしまうからである。この溢れ状態は、拡散媒体を通した電極へのガス流れを妨害し、実際、膜電極アッセンブリで発生する反応を減少させたり或いは停止させたりする。拡散媒体は、部分的には水管理を促進するために設けられている。
様々な態様では、蒸着されたフルオロカーボンとオプションの親水性ポリマー及び/又は本明細書で説明されたミクロ細孔層を備える拡散媒体は、一体化した水管理を提供するため電気化学的燃料電池で使用される。そのような水管理の機能には、燃料電池の電気化学的反応の生成物として水が発生する燃料電池の湿った領域から水を逃がし、内部の比較的乾燥した領域に水を輸送し、湿った作動状態及び乾燥した作動状態の間に水を蓄えたり解放したりするための水リザーバーとして機能し、膜電極アッセンブリ(MEA)の陽子交換膜(PEM)を加湿させる各機能が含まれる。
概略、図4を参照すると、本発明の一つの好ましい実施例に係る3つの個別の陽子交換膜(PEM)燃料電池がスタックを形成するため接続されている。各PEM燃料電池は、導電性不浸透生のセパレータプレート16、18によって互いから分離され、更にスタックの各端部ではターミナルセパレータプレート20、22の間に挟まれている膜電極アッセンブリ(MEA)13、15、14を備えており、各ターミナルプレート20、22は、一つだけの電気的な活性側部24、26を有している。スタック内で直列に接続されていない個別の燃料電池は、一つだけの電気的な活性側部を備えたセパレータプレートを有している。例えば、図示のような多重燃料電池スタックでは、好ましい二極式セパレータプレート16は、典型的には、分離された反対電荷を各々備えた別個の膜電極アッセンブリ13、15に面した2つの電気的な活性側部28、30を各々有しており、よって、所謂、「二極式」プレートと称される。本明細書で説明したように、燃料電池スタックは、多数の燃料電池のスタック内に導電性の二極式セパレータプレートを有するが、本発明は、単一の燃料電池のみを有するスタック内の導電性セパレータプレートにも等しく適用可能である。
図示の実施例では、膜電極アッセンブリ13、15、14並びに二極式プレート16、18は、スタックの各端部に配置された締め付けプレート32の間及び端部接触ターミナルプレート要素20、22の間で一緒に積み重ねられている。端部接触ターミナルプレート要素20、22、並びに、二極式セパレータプレート16、18の両方の作用面28,30及び31、33は、燃料及び酸化ガス(即ち、H及びO)を膜電極アッセンブリ13、15、14に分配するための複数のガス流れチャンネル(図示せず)を備えている。非導電性ガスケット即ちシール部は、燃料電池スタックの幾つかの構成部品の間で密封及び電気的絶縁を提供する。本発明に係るガス透過性導電性拡散媒体34は、膜電極アッセンブリ13、15、14に対して押圧している。燃料電池スタックが組み立てられたとき、導電性ガス拡散層34は、膜電極アッセンブリ13、15、14の電極に亘るガスの均一な分配を援助し、生成水の除去を促進し、スタックを通した電流を伝達させることも援助する。
酸素は、適切な供給配管42を介してコンプレッサ又は送風機60によってスタック内の各燃料電池のカソード側部36に供給され、水素は、適切な供給配管46を介して、貯蔵タンク44から燃料電池のアノード側部38へと供給される。代替例として、空気が貯蔵タンクからカソード側部36に供給され、水素がメタノール又はガソリンの改質器等からアノード側部38に供給されてもよい。膜電極アッセンブリ13、15、14のアノード側部48及びカソード側部50のための排気配管が設けられている。スタック内へのガス流れは、典型的には、コンプレッサ又は送風機60によって促進され、出口ガスは、オプションで、コンプレッサに導入されたエネルギーの一部を取り戻すため膨張器62を通して通過させられてもよい。図4に示されたカソード流れシステムは、一例としての構成である。凝縮器54、コンプレッサ、及び膨張器の構成及び配列は、単なる例であって、この例に限定されるものではない。
燃料電池スタックは、電気的に直列に接続された本発明の複数の燃料電池を備えている。燃料電池スタック内の個別の燃料電池の数は、例えば、要求されるパワーや設置のために利用可能なスペース等の設計条件によって決定される。自動車や他の工業上の使用法にとって、典型的な燃料電池スタックは、10個以上、好ましくは、50個以上の個別の燃料電池を含んでいる。高いパワーを要求する用途は、200個以内、400個、500個、及び、それ以上の数もの燃料電池を有する燃料電池スタックを必要とする。与えられたパワー要求に対して必要となる燃料電池スタック内の燃料電池の数は、各々の電極の作用面積にも依存している。上記したように、パワー要求及び他の明細事項は、電気エネルギーを分配するため適切な燃料電池スタックを設計する際に考慮される。
蒸着プロセスは、堆積される膜の化学的組成の調整により、バルクPTFE又は他のフルオロカーボンポリマーのものに類似した化学量論及び材料特性を有するフルオロカーボンポリマー薄膜を生成することを可能にする。
本発明に係る第1の堆積プロセスでは、PTFE状の薄膜(「フルオロカーボンポリマー」又は「フルオロカーボンポリマーコーティング」と称される)で被覆されるべき構成物は、パルスプラズマ化学的蒸着条件(パルスPECVD)の下でフルオロカーボンモノマー種にさらされる。図5で概略的に示されたような高周波数(rf)プラズマ堆積システムを、堆積プロセスを実行するために用いることができる。当業者により認められるように、代替例として従来のプラズマ堆積システムを用いることができる。一例としての堆積システム100は、例えば鋼鉄等から形成された気密真空チャンバー112を備え、例えばアルミニウムから各々形成された、パワー電極114とグラウンド電極116を備える。
パワー電極114は、ガス120が、例えば、従来のシャワーヘッド構成でパワー電極内の管を通ってチャンバー内に導入されるように、供給ガス源118に接続されて構成されるのが好ましい。好ましくは、シャワーヘッド管は、上側電極の単位面積当たりで事実上等しい流量のガスを提供する。従って、シャワーヘッド管は、シャワーヘッドから噴射されたガスの濃度が比較的均一となるように間隔を隔てられているべきである。管の数及び配置間隔は、当業者により認められるように、特定の圧力、電極ギャップ間隔、温度、他のプロセスパラメータに依存している。例えば、約1トールの圧力と、約1cmの電極ギャップ間隔を用いる典型的なプロセスにとって、シャワーヘッド管の間隔は約1cmとなる。
流量コントローラ122は、パワー電極を通したチャンバー内へのガスの流れの制御を可能にするため設けられるのが好ましい。パワー電極は、チャンバー内で供給ガスのプラズマを生成するため、rf電源124又は他の適切な電源に電気的に接続されている。
接地電極116は、真空チャンバーシステムのグラウンド126に電気的に接続されている。好ましくは、接地電極116は、薄膜が堆積されるべき基板又は他の構造体を支持するための表面128を提供する。接地電極及びその支持表面は、例えば、冷却コイル131に接続された冷却剤ループ140と、温度コントローラ132と、を備え、ユーザーが例えば水冷却を用いて所望の電極温度を設定し維持することを可能にする冷却システムを介して冷却されるのが好ましい。
ポンプ134は、堆積チャンバーを所望の圧力に真空引きするために設けられ、チャンバーの圧力は例えば圧力ゲージ136を用いて監視される。好ましく更に提供されているものは、ユーザーが堆積プロセスの進行を監視することを可能にするための分析ポート138である。
ここで図6を参照すると、好ましい熱フィラメント式の熱CVDプロセスが、図5に示されて上述されたものと実質的に類似した真空堆積チャンバー内で実行される。該真空堆積チャンバーには、図6に示されるように、例えば、熱フィラメント150等の加熱表面が追加されている。熱フィラメント又は他の加熱表面は、導入された供給ガスが加熱構造体の近傍で流れてガスが反応性堆積種を生成するため熱分解されるように導入供給ガス流れに対する位置に提供されるのが好ましい。例えば、図6に示されるように、熱フィラメント150は、モノマー入力部156からシャワーヘッド付き電極を通ってチャンバーに噴射されるガスが熱フィラメントを通過するように、この図では付勢されていないシャワーヘッド付き電極114の下方に配置されている。熱フィラメントを、例えば、抵抗性加熱によって加熱することができる。この場合には、dc電圧源152が、加熱電圧を、例えばNi/Crワイヤから構成されたフィラメントに印加するため提供される。
上記場合には電気的に接触させる必要が無い下側電極116は、フィラメントの近傍で生成された反応性種がウェハーに輸送され、そこで堆積しポリマー化するように、熱フィラメントの温度より低い温度に維持される。冷却コイル131又は他の適切な冷却機構を、下側電極上で支持された、基板154又は他の構造体を所望の温度に維持するために用いることができる。
様々な実施例では、熱フィラメントとは異なる熱励起機構でも熱CVDプロセスに適している。選択された熱機構は、ガス分配システムと共に、均一なガス導入及びガスの均一な熱分解の両方を提供することが好ましい。代替例として、熱窓、電極、又は、他の表面、並びに、堆積チャンバーの加熱壁を、均一ガス熱分解を生成することを目的とする熱分解構成において用いることができる。更には、上述した堆積方法は、被覆された基板のバッチ生成に適している。大規模な製造のために、これらのプロセスの連続バージョンが用いられる。
本発明は、幾つかの実施例に関して上述された。本発明の更なる説明が、次の例において与えられるが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
(例)
例1:
東レ060カーボンファイバーペーパー(USA東レ工業の製品)は、熱フィラメント蒸着によってフルオロカーボンポリマーで被覆される。基板ペーパー上のPTFEの総合積載量は、基板及びコーティングの総重量に基づくと、約7%である。
エネルギー分散分光器を使用したフッ素マッピングは、基板上でのフッ素の均一な分布を示している。ペーパーの厚さを通した電子プローブマイクロ分析(EPMA)により測定されたフッ素(F)のプロフィールは、基板の中央部の濃度が表面の濃度よりも実質的に小さいものの、カーボンファイバーペーパー基板へのFの貫通を明瞭に示している。蒸着コーティングが基板の両側から塗布されるとき、2ピークのFの分布が、従来の浸潤乾燥されたサンプルに関して観察されたものに類似して観察された。
例2:
対象域外での加齢テストが、65℃で7日間に亘って15%の過酸化水素内に例1の被覆ペーパーを浸漬することによって実行された。被覆された側部は、ウィルヘルムテストで140度から接触角度を小さくするような減少は観察されなかった。これは、加齢による疎水性の損失が無いことを示しており、その一方で、被覆されていない側部は、20度の小さくなった接触角度を示し、加齢による疎水性の損失があることを示していた。PTFEコーティングを浸潤乾燥し、焼結することにより準備された比較サンプルは、加齢と共に10乃至20度まで接触角度が小さくなる減少を示した。
例3:
単調な東レ060基板は、基板の一方の側部にミクロ細孔層(MPL)で最初に被覆された。MPLペーストの組成は、2.4グラムのアセチレンブラックと、31.5mLのイソプロパノールと、37mLの脱イオン水と、水中でPTFEの60重量%の分散物の1.33gと、を含んでいた。ミクロ細孔層の最終的な固体積載量は、1.15mg/cmであった。
PTFEが、基板支持テーブルに対して配置されたMPL側部並びにガス噴射ポートに向かって面するMPLと反対側の側部に蒸着された。蒸着によるPTFE積載量は、東レ060基板に対して約7重量%であった。これは、第1のサンプルである。
第2のサンプルが、類似の仕方で準備されたが、PTFEの堆積は、基板を4分間に亘って3%溶液(デュポンT−30から希釈された)内に浸漬し、次いで浸漬された基板の一方の側部から64℃で10分間に亘ってIR乾燥を実行し、基板の反対側にMPLを塗布し、MPL及びディップ乾燥したPTFEコーティングを380℃で一緒に焼結することによってなされた。
2つのサンプルの燃料電池の性能は、50cmの小さいスケールの燃料電池のテストを使用して比較された。燃料電池が80%から300%以下までの出口相対湿度で作動するとき2つのサンプルの間には性能差は観察されなかった。この結果は、蒸着されたPTFEが燃料電池性能に悪影響を及ぼさないことを示していた。
例2における対象域外での加齢テストは、第1のサンプルのMPLの対向側部の接触角度が140度の接触角度のままである一方で、MPLの反対側の側部上の第2のサンプルの接触角度が加齢によって120度まで減少するという観察結果へと導いた。第1のサンプルのこの安定した疎水性は、燃料電池用途における拡散媒体の水除去機能の改善された耐久性を提供している。

図1は、マスクを通した蒸着を示す。 図2は、マスクを通した蒸着を示す。 図3は、マスクを通した蒸着を示す。 図4は、一例としての燃料電池システムにおけるスタック内の3つの電池を概略的に示す。 図5は、蒸着を実行するのに適した真空チャンバー装置の概略図である。 図6は、蒸着を実行するための熱フィラメント装置の概略図である。

Claims (20)

  1. 電気的に直列に接続された複数の個別のPEM燃料電池を備える燃料電池スタックであって、前記個別の燃料電池は、
    アノードと、
    カソードと、
    前記アノード及び前記カソードの間に配置された陽子交換膜と、
    前記アノード、前記カソード又はそれらの両方に隣接した拡散媒体と、
    を備え、
    前記スタック内の前記燃料電池の少なくとも1つにおける前記拡散媒体の少なくとも1つは多孔性導電性基板を備え、該基板は、該基板上に蒸着されたフルオロカーボンポリマーを有する、燃料電池スタック。
  2. 前記蒸着されたフルオロカーボンポリマーは、前記少なくとも1つの拡散媒体の面積のうち100%未満を覆っている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記蒸着されたフルオロカーボンポリマーによって覆われていない前記拡散媒体の領域は、親水性ポリマーによって覆われている、請求項2に記載の燃料電池スタック。
  4. 前記フルオロカーボンポリマーは、モノマーガスを熱分解し、前記基板の近傍で反応性フルオロカーボンラジカルの源を生成するのに十分な温度を有する熱源にモノマー先駆ガスをさらす工程を備えるプロセスによって蒸着される、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記少なくとも1つの拡散媒体の一方の側部は、ミクロ細孔層で覆われ、他方の側部は蒸着されたフルオロカーボンポリマーを備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  6. 200乃至500個の個別の燃料電池を備える、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  7. PEM燃料電池で使用するための拡散媒体を準備する方法であって、
    前記方法は、蒸着工程によってフルオロカーボンポリマーを多孔性導電性基板に適用する工程を備え、
    前記フルオロカーボンポリマーの面積覆い率は、前記基板の100%より小さい、方法。
  8. 前記蒸着工程は、モノマーガスを熱分解し、前記基板の近傍で反応性フルオロカーボン種の源を生成するのに十分な温度を有する熱源にモノマー先駆ガスをさらす工程を備える、請求項7に記載の方法。
  9. 前記モノマー先駆ガスは、酸化ヘクサフルオロプロピレンを含んでいる、請求項9に記載の方法。
  10. 前記面積覆い率は、前記基板の10%から90%である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記フルオロカーボンポリマーを前記基板の一方の側部に適用し、ミクロ細孔層を前記他方の側部に適用する工程を更に備える、請求項7に記載の方法。
  12. 前記フルオロカーボンポリマーによって覆われていない前記基板の領域に親水性ポリマーを適用する工程を更に備える、請求項7に記載の方法。
  13. 請求項9に記載の発明に従って準備された拡散媒体を備えるPEM燃料電池。
  14. 請求項15に記載の複数の燃料電池を備える燃料電池スタック。
  15. 燃料電池であって、
    アノードと、
    カソードと、
    前記アノード及び前記カソードの間に配置された陽子交換膜と、
    前記カソードに隣接した不浸透性の導電性部材であって、該導電性部材及び前記カソードは、酸化剤入口側部と出口側部とを有する流体分配チャンバーを形成する、前記導電性部材と、
    前記カソードと前記導電性部材との間で前記流体分配チャンバー内に配置された拡散媒体であって、前記拡散媒体は、前記流体分配チャンバーにおいて前記酸化剤入口側部から前記出口側部までに亘っている、前記拡散媒体と、
    を備え、
    前記拡散媒体は、
    導電性多孔性材料と、
    前記多孔性材料に堆積された疎水性ポリマーを含む疎水性領域であって、該疎水性ポリマーは、蒸着されたフルオロカーボンポリマーを含む、前記疎水性領域と、
    を備える、燃料電池。
  16. 前記フルオロカーボンポリマーは、モノマーガスを熱分解し、前記基板の近傍で反応性フルオロカーボンラジカルの源を生成するのに十分な温度を有する熱源にモノマー先駆ガスをさらす工程を備えるプロセスによって堆積される、請求項15に記載の燃料電池。
  17. 前記出口側部に隣接した前記拡散媒体の領域における前記疎水性ポリマーの含有量は、前記入口側部に隣接した前記拡散媒体の領域における前記疎水性ポリマーの含有量よりも大きい、請求項15に記載の燃料電池。
  18. 前記入口側部に隣接した前記拡散媒体の領域における親水性領域の面積は、前記出口側部に隣接した領域における面積よりも大きい、請求項17に記載の燃料電池。
  19. 前記拡散媒体は、前記疎水性ポリマーによって覆われていない領域を更に備えている、請求項15に記載の燃料電池。
  20. 前記親水性領域は親水性ポリマーによって覆われている、請求項19に記載の燃料電池。
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