JP2007273457A - 固体高分子電解質型燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、圧着工程の際に生じる圧力抜けを抑制することができ、密着性、発電効率に優れた固体高分子電解質型燃料電池を得ることができる固体高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、上記撥水層および固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する電解質材料を含有する触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、上記ガス拡散層と上記固体高分子電解質膜とを上記撥水層と上記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧着工程の際に生じる圧力抜けを抑制することができる固体高分子電解質膜型燃料電池の製造方法に関するものである。
固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と称する場合がある。)の最小発電単位である単位セルは、一般に、固体高分子電解質膜の両側に触媒電極層(アノード側触媒電極層およびカソード側触媒電極層)が接合された膜電極複合体(MEA)と、この膜電極複合体の両側に配置されたガス拡散層と、このガス拡散層の外側に配置されたセパレータと、を有するものである。
このような燃料電池においては、運転時に水素(H)と酸素(O)とが反応し、燃料電池内に生成水(HO)が生じる。この生成水が触媒電極層中に残留した場合、生成水が触媒表面を覆い、触媒と、水素ガスまたは酸素ガスとの接触を阻害するため、燃料電池の発電効率が低下する。そのため、生成水を燃料電池の外部に効率良く排出する必要があり、一般的には、触媒電極層とガス拡散層との間に撥水層が設けられる。このような撥水層には、例えばフッ素系樹脂等の撥水性材料が用いられる。
しかしながら、上記撥水層を用いて燃料電池を作製する場合、以下のような問題があった。すなわち、燃料電池を作製する場合に、燃料電池の構成部材を熱圧着するのであるが、この際、熱圧着の加熱温度が高すぎると、撥水層が過度に軟化し熱圧着の圧力が均等に伝達されないという問題があった。その結果、燃料電池を構成する各層間において、密着性が不充分な領域が発生し(圧力抜け)、燃料電池の発電効率低下の原因となる場合があった。
例えば、固体高分子電解質膜として炭化水素系電解質膜を用いる場合は、一般的に、加熱温度を150℃程度以上にする必要がある。このような場合に、撥水層を構成する撥水性材料としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いる場合は、PTFEは125℃程度で著しく軟化するため、熱圧着の際に上記のような圧力抜けの問題が生じる。
なお、特許文献1においては、密着不良部分が発生することを抑制する燃料電池用電極の製造方法が開示されている。具体的には、炭化水素系固体高分子電解質膜と電極基板とを圧着接合することが開示されており、フッ素系樹脂を含む溶液をガス拡散層に塗布することが開示されている。しかしながら、炭化水素系固体高分子電解質膜はガラス転移温度が高いため、接合の際に高温に加熱する必要があった。その結果、接合時にフッ素系樹脂(撥水性材料)が熱によって軟化し、圧着時に圧抜けを起こし、押圧力が伝わらずに接着不良を起こすおそれがあった。
特開2004−14202公報 特開2004−119398公報 特開2003−115302公報 特開2003−107202公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、圧着工程の際に生じる圧力抜けを抑制することができ、発電効率の優れた固体高分子電解質型燃料電池を得ることができる固体高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、上記撥水層および固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する電解質材料を含有する触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、上記ガス拡散層と上記固体高分子電解質膜とを上記撥水層と上記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、撥水層に形状保持材料を含有させることで、撥水性材料の軟化温度以上の加熱温度で熱圧着を行った場合であっても、撥水層の軟化による圧力抜けの発生を抑制することができる。すなわち、熱圧着工程は、良好な密着性を実現するという観点から、触媒電極層等をある程度溶融させた状態で行う必要がある。そのため、熱圧着の際の加熱温度を、触媒電極層に含まれる電解質材料のガラス転移温度近辺に設定する場合がある。本発明においては、電解質材料のガラス転移温度が、撥水性材料の軟化温度よりも高いために、上記電解質材料のガラス転移温度近辺の加熱温度で熱圧着を行うと、必然的に撥水性材料は軟化し圧力抜けの原因となり得る。本発明においては、撥水性材料が軟化する加熱温度で熱圧着を行う場合であっても、撥水層に形状保持材料を含有させることで、撥水層全体としての軟化を抑制し圧力抜けの発生を防止することができる。
また、燃料電池の発電効率を向上させるという観点からは、より高温で燃料電池を運転することが好ましい。そのためには、触媒電極層に含まれる電解質材料、または固体高分子電解質膜等に、ガラス転移温度の高い材料を用いることが必要となる。具体的には、上記電解質材料および上記固体高分子電解質膜として炭化水素系材料を用いる場合等が考えられるが、このようなガラス転移温度の高い材料を圧着するためには、より高い温度で熱圧着工程を行う必要があり、上述した圧力抜けの問題が顕著に発生し得る。本発明によれば、このような場合であっても、形状保持材料を用いることで、圧力抜けの発生を抑制することができる。
また、上記発明においては、上記電解質材料のガラス転移温度が130℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が高い電解質材料を用いる場合であっても、圧力抜けの発生を抑制することができ、発電効率に優れた燃料電池を得ることができるからである。
また、上記発明においては、上記撥水性材料が、ポリテトラフルオロエチレンであることが好ましい。撥水性に優れた撥水層を得ることができるからである。
また、本発明においては、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、上記撥水層、および上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、上記固体高分子電解質膜と上記ガス拡散層とを上記撥水層と上記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、高温での熱圧着を行って撥水性材料が軟化した場合であっても、形状保持材料の存在により、圧抜けを抑制することができ、触媒電極層と固体高分子電解質膜との界面における接着不良を抑制することができる。
本発明においては、圧着工程の際に生じる圧力抜けを抑制することができ、密着性、発電効率に優れた固体高分子電解質膜型燃料電池を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について詳細に説明する。本発明の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法は、2つの実施態様に大別することができる。以下、本発明の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について、実施態様ごとに説明する。
A.第一実施態様
まず、本発明の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法の第一実施態様について説明する。本実施態様は、触媒電極層に含まれる電解質材料のガラス転移温度が、撥水層に含まれる撥水性材料の軟化温度よりも高い実施態様である。
すなわち、本実施態様の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法は、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、上記撥水層および固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する電解質材料を含有する触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、上記ガス拡散層と上記固体高分子電解質膜とを上記撥水層と上記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有することを特徴とするものである。
次に、本実施態様の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について、図面を用いて説明する。図1は、本実施態様の燃料電池の製造方法の一例を示す工程図である。図1(a)に示すように、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を塗布することにより、ガス拡散層1上に撥水層2を形成する撥水層形成工程と、図1(b)に示すように、例えば撥水層2上に触媒電極層3を形成する触媒電極層形成工程と、図1(c)に示すように、ガス拡散層1と固体高分子電解質膜4とを、撥水層2と触媒電極層3とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有するものである。本実施態様においては、触媒電極層3に含まれる電解質材料のガラス転移温度が、撥水層2に含まれる撥水性材料の軟化温度よりも高い。そのため、熱圧着の際の加熱温度を、上記電解質材料のガラス転移温度近辺に設定すると、上記撥水性材料が軟化し圧力抜けの原因となり得るが、本実施態様においては、撥水層2に形状保持材料を含有させることで、撥水層2全体としての軟化を抑制し、圧力抜けの発生を防止することができる。なお、本実施態様においては、図1(d)に示すように、ガス拡散層1、撥水層2および触媒電極層3を有する積層体5を2つ用いて、固体高分子電解質膜4の両面と触媒電極層2とが接触するように設置し、熱圧着を行っても良い。
本実施態様の燃料電池の製造方法は、撥水層形成工程と、触媒電極層形成工程と、熱圧着工程と、を有するものである。各工程について、以下詳細に説明する。
1.撥水層形成工程
まず、本実施態様における撥水層形成工程について説明する。撥水層形成工程は、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する工程である。
図2は、本工程により得られる撥水層の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、本工程により得られる撥水層2は、ガス拡散層1上に形成され、撥水性材料6と、導電性材料7と、形状保持材料8と、を少なくとも有するものである。また、上記撥水層は、ガスを透過させるために、通常、多孔構造を有するものである。
ここで、まず撥水層形成用組成物に含まれる撥水性材料について説明する。上記撥水性材料は、撥水層に撥水性を付与するものである。また、上記撥水性材料は、後述するように触媒電極層に含まれる電解質材料のガラス転移温度よりも低い軟化温度を有するものである。なお、本実施態様において「撥水性材料の軟化温度」とは、25℃における撥水性材料の弾性率を測定し、その値が1/5に低下する際の温度をいう。本実施態様において、上記撥水性材料の軟化温度としては、触媒電極層に含まれる電解質材料のガラス転移温度よりも低いものであれば特に限定されるものではないが、通常100〜130℃の範囲内である。
上記撥水性材料としては、撥水性を有し、燃料電池の運転により生じる生成水を燃料電池外部に排出することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、フッ素系樹脂等を挙げることができる。このようなフッ素系樹脂としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、パーフルオロエチレン−プロペン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィン−炭化水素系共重合体、フルオロアクリレート共重合体、フルオロエポキシ化合物等を挙げることができる。中でも本実施態様においては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリドが好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。撥水性に優れた撥水層を得ることができるからである。
撥水層形成用組成物における撥水性材料の含有量としては、特に限定されるものではないが、固形分換算で例えば、20〜80質量%の範囲内、中でも40〜60質量%の範囲内であることが好ましい。
次に、撥水層形成用組成物に含まれる形状保持材料について説明する。上記形状保持材料は、熱圧着工程において撥水性材料が軟化した場合に、撥水層の形状を保持するために用いられるものである。上記保持材料の原料としては、撥水層の形状を保持することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素、金属、樹脂等を挙げることができる。また、上記形状保持材料の形状としては、例えば、繊維状、筒状等を挙げることができる。また、上記形状保持材料は、撥水層の形状を保持するために用いられるものであるから、導電性を有するものであっても良く、導電性を有しないものであっても良いが、本実施態様においては、上記形状保持材料が導電性を有することが好ましい。撥水層の導電性を向上させることができるからである。
このような形状保持材料としては、具体的には、繊維状炭素、繊維状金属、筒状炭素、筒状金属等を挙げることができ、中でも繊維状炭素が好ましい。上記繊維状炭素としては、具体的には、気相成長炭素繊維(VGCF)、レーヨン系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等を挙げることができ、中でもVGCFが好ましい。
上記VGCFは、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解することによって製造されるものである。本実施態様において、上記VGCFの繊維径としては、特に限定されるものではないが、例えば500nm以下、中でも1〜300nmの範囲内であることが好ましい。また、上記VGCFの繊維長としては、特に限定されるものではないが、例えば100μm以下、中でも80μm以下、特に50μm以下であることが好ましい。なお、上記VGCFが分岐構造を有している場合、その繊維長とは、分岐点から先端または他の分岐点までの長さをいうものとする。また、上記VGCFは、例えば2500℃以上の温度で加熱することによって、結晶度を向上させたものであることが好ましい。結晶度を向上させることによって、導電性が向上するからである。
一方、上記繊維状金属としては例えば金属ウィスカ等が挙げられ、上記筒状炭素としては例えばカーボンナノチューブ等が挙げられ、上記筒状金属としては例えば金属ナノチューブ等が挙げられる。
撥水層形成用組成物における形状保持材料の含有量としては、特に限定されるものではないが、固形分換算で、例えば5〜50質量%の範囲内、中でも10〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
次に、撥水層形成用組成物に含まれる導電性材料について説明する。上記導電性材料は、撥水層に導電性を付与するものである。上記導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばカーボンブラック等の導電性粒子を挙げることができる。上記カーボンブラックとしては、具体的には、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。中でも本実施態様においては、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックが好ましい。導電性を付与する効果に優れているからである。また、導電性粒子の一次粒径としては、特に限定されるものではないが、1μm以下であることが好ましい。
また、本実施態様において、上述した形状保持材料が導電性を有する場合は、その形状保持材料を、導電性材料として用いることができる。この場合、形状保持材料と導電性材料とが同一の材料となる。このような材料については、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
撥水層形成用組成物における導電性材料の含有量としては、特に限定されるものではないが、固形分換算で、例えば20〜80質量%の範囲内、中でも40〜60質量%の範囲内であることが好ましい。導電性材料の含有量が少なすぎると、充分な導電性を付与することができない可能性があり、導電性材料の含有量が多すぎると、撥水層の撥水性を低下させる可能性があるからである。
また、上記撥水層形成用組成物は、溶媒を有していても良い。このような溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール等を挙げることができる。
一方、本実施態様に用いられるガス拡散層としては、撥水層を形成する際の加熱温度に対して充分な耐熱性を有するものであれば特に限定されるものではなく、市販のガス拡散層を用いることができる。具体的には、カーボン繊維ガス拡散層等を挙げることができる。
本工程においては、上記撥水層形成用組成物を上記ガス拡散層に塗布し、通常、加熱処理を行うことによって、ガス拡散層上に撥水層を形成する。上記加熱処理の際の加熱温度としては、特に限定されるものではないが、通常350℃程度である。また、このようにして得られる撥水層の重量としては、特に限定されるものではないが、具体的には、2〜80mg/cmの範囲内、中でも5〜40mg/cmの範囲内、特に10〜20mg/cmの範囲内であることが好ましい。
2.触媒電極層形成工程
次に、本実施態様における触媒電極層形成工程について説明する。触媒電極層形成工程は、撥水層および固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する電解質材料を含有する触媒電極層を形成する工程である。
図3は、本工程により得られる触媒電極層を例示する概略断面図である。本工程により得られる触媒電極層3は、図3(a)に示すように、撥水層1上に形成されるものであっても良く、図3(b)に示すように、固体高分子電解質膜4上に形成されるものであっても良く、図3(c)に示すように、撥水層1上および固体高分子電解質膜4上に形成されるものであっても良い。また、本工程により得られる触媒電極層は、電解質材料と、触媒と、触媒電極層用の導電性材料と、を少なくとも有するものである。以下、上記触媒電極層を構成する電解質材料、触媒および導電性材料、ならびに本実施態様に用いられる固体高分子電解質膜について説明する。
まず、触媒電極層に用いられる電解質材料について説明する。上記電解質材料は、触媒電極層の中でプロトン伝導を担うものである。また、本実施態様において、上記電解質材料は、上述した撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有するものである。
上記電解質材料のガラス転移温度は、上記撥水性材料の軟化温度よりも高い。上記電解質材料のガラス転移温度と、上記撥水性材料の軟化温度との差は、例えば5〜70℃の範囲内、中でも15〜30℃の範囲内であることが好ましい。また、上記電解質材料のガラス転移温度としては、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いものであれば特に限定されるものではないが、具代的には130℃以上、中でも130〜200℃の範囲内、特に135〜170℃の範囲内であることが好ましい。
このような電解質材料としては、プロトン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系電解質材料、パーフルオロカーボンスルホン酸系電解質材料等を挙げることができ、中でも、炭化水素系電解質材料が好ましい。炭化水素系電解質材料はガラス転移温度が高く、高温で熱圧着する必要があるため、上述した圧力抜けが生じる可能性が高く、本実施態様に用いられる形状保持材料がその効果を充分に発揮することができるからである。
上記炭化水素系電解質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系原料にプロトン伝導基を導入したもの等を挙げることができる。上記炭化水素系原料としては、例えば、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリエーテルサルフォン樹脂(PES)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ポリベンゾイミダゾール樹脂(PBI)等を挙げることができる。また、上記プロトン伝導基としては、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスファイト基、ホスホン酸基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、中でもスルホン酸基が好ましい。プロトン伝導性に優れているからである。
また、上記炭化水素系原料にプロトン伝導基を導入する方法は、所望の炭化水素系電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、PESにスルホン酸基を導入する場合は、PESを所定の溶媒に溶解させ、この溶液に対して、Trimetylsilylchlorosulfonate等のスルホン酸基含有化合物を含む溶液を滴下し反応させ、この反応液に、貧溶媒を添加することによって生成物の沈殿を得る方法等を挙げることができる。なお、生成物の同定は、NMR、IRにより行うことができる。
一方、上記パーフルオロカーボンスルホン酸系固体高分子電解質膜としては、例えば、ナフィオン(商品名、デュポン社製)、フレミオン(商品名、旭硝子社製)、アシプレックス(商品名、旭化成社製)等を挙げることができる。
また、触媒電極層に用いられる導電性材料および触媒としては、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池に用いられる材料と同様のものを使用することができる。例えば、上記導電性材料としてはカーボンブラック等を挙げることができ、上記触媒としてはPt等を挙げることができる。
次に、本実施態様に用いられる固体高分子電解質膜について説明する。上記固体高分子電解質膜は、触媒電極層の間に挟持され、両触媒電極層間のプロトン伝導を担うものである。上記固体高分子電解質膜のガラス転移温度としては、良好な密着性を有する燃料電池を得ることができれば特に限定されるものではないが、上記電解質材料のガラス転移温度と同等またはそれ以下であることが好ましい。
また、上記固体高分子電解質膜としては、プロトン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系固体高分子電解質膜、パーフルオロカーボンスルホン酸系固体高分子電解質膜等を挙げることができ、中でも炭化水素系固体高分子電解質膜が好ましい。炭化水素系固体高分子電解質膜はガラス転移温度が高く、高温で熱圧着する必要があるため、上述した圧力抜けが生じる可能性が高く、本実施態様に用いられる形状保持材料がその効果を充分に発揮することができるからである。炭化水素系固体高分子電解質膜およびパーフルオロカーボンスルホン酸系固体高分子電解質膜としては、上記の炭化水素系固体電解質材料および上記パーフルオロカーボンスルホン酸系電解質材料と同様のものを用いることができるので、ここでの説明は省略する。また、上記固体高分子電解質膜は、上記電解質材料と同一の材料であっても良く、上記電解質材料と異なる材料であっても良いが、本実施態様においては、上記固体高分子電解質膜が上記電解質材料と同一の材料であることが好ましい。すなわち、本実施態様においては、上記固体高分子電解質膜および上記電解質材料が炭化水素系材料であることが好ましく、上記固体高分子電解質膜および上記電解質材料が同一の炭化水素系材料であることがより好ましい。
また、ガス拡散層上または固体高分子電解質膜上に、触媒電極層を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な方法を用いることができる。具体的には、触媒電極層を構成する材料を含有する触媒電極層形成用組成物を、ガス拡散層上または固体高分子電解質膜上に塗布し、乾燥する方法等を挙げることができる。
3.熱圧着工程
次に、本実施態様における熱圧着工程について説明する。本実施態様における熱圧着工程は、ガス拡散層と固体高分子電解質膜とを、撥水層と触媒電極層とを挟むように熱圧着する工程である。
本工程は、例えば図1(c)に示すように、固体高分子電解質膜4の片側に、触媒電極層3、撥水層2およびガス拡散層1を設置し熱圧着を行うものであっても良く、例えば図1(d)に示すように、固体高分子電解質膜4の両面に、積層体5を設置し熱圧着を行うものであっても良い。中でも、本実施態様においては、固体高分子電解質膜の両面に積層体を設置し熱圧着を行うことが好ましい。一度の工程で、膜電極複合体を得ることができるからである。
また、本工程における加熱温度としては、密着性に優れた燃料電池を得ることができる温度であれば特に限定されるものではない。具体的には、電解質材料のガラス転移温度近辺等で行われる。また、固体高分子電解質膜のガラス転移温度が、上記電解質材料のガラス転移温度以上である場合は、固体高分子電解質膜のガラス転移温度近辺に加熱温度を設定しても良い。
例えば、撥水性材料としてPTFEを用い、触媒電極層に含まれる電解質材料として炭化水素系電解質材料を用いる場合、熱圧着工程における加熱温度としては、密着性の良い燃料電池を得ることができれば特に限定されるものではないが、具体的には110〜200℃の範囲内、中でも120〜180℃の範囲内、特に130〜160℃の範囲内であることが好ましい。
また、本工程における加圧圧力としては、固体高分子電解質膜等の種類、上記加熱温度等により異なるものであるが、具体的には1〜20MPaの範囲内、中でも2〜15MPaの範囲内、特に3〜10MPaの範囲内であることが好ましい。
また、本工程において、熱圧着を行う方法としては、特に限定されるものではなく、市販の熱圧着機を用いることができる。
B.第二実施態様
次に、本発明の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法の第二実施態様について説明する。本実施態様は、固体高分子電解質膜のガラス転移温度が、撥水層に含まれる撥水性材料の軟化温度よりも高い実施態様である。
すなわち、本実施態様の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法は、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、上記撥水層、および上記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、上記固体高分子電解質膜と上記ガス拡散層とを上記撥水層と上記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、を有することを特徴とするものである。
本実施態様によれば、高温での熱圧着を行って撥水性材料が軟化した場合であっても、形状保持材料の存在により、圧抜けを抑制することができ、触媒電極層と固体高分子電解質膜との界面における接着不良を抑制することができる。例えば、固体高分子電解質膜が高いガラス転移温度を有している場合には、膜電極複合体を形成する際に各構成部材を高温で熱圧着する必要がある。この際、高温で熱圧着を行うと、撥水層が軟化し撥水層の圧抜けが発生する。その結果、ガス拡散層を介した押圧力が触媒電極層に充分に伝達されなくなり、触媒電極層と固体高分子電解質膜との界面で密着不良が生じる場合があった。これに対して、本実施態様においては、撥水性材料が軟化する加熱温度で熱圧着を行う場合であっても、撥水層に形状保持材料を含有させることで、撥水層全体としての軟化を抑制し圧力抜けの発生を防止することができるのである。
次に、本実施態様の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について、図面を用いて説明する。本実施態様(第二実施態様)の製造方法は、原則的に、上述図1に示した第一実施態様の製造方法と同様である。ただし、本実施態様においては、固体高分子電解質膜4のガラス転移温度が、撥水層2に含まれる撥水性材料の軟化温度よりも高い。
本実施態様の燃料電池の製造方法は、撥水層形成工程と、触媒電極層形成工程と、熱圧着工程と、を有するものである。各工程について、以下詳細に説明する。
1.撥水層形成工程
本実施態様における撥水層形成工程は、撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する工程である。本実施態様における撥水層形成工程については、上記「A.第一実施態様」に記載した撥水層形成工程の内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.触媒電極層形成工程
本実施態様における触媒電極層形成工程は、撥水層、および撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、触媒電極層を形成する工程である。なお、本実施態様においては、上述した第一実施態様と同様に、触媒電極層を撥水層上に形成しても良く、触媒電極層を固体高分子電解質膜上に形成しても良く、触媒電極層を撥水層および固体高分子電解質膜の両方の表面上に形成しても良い(上述した図3参照)。
本実施態様に用いられる固体高分子電解質膜は、触媒電極層の間に挟持され、両触媒電極層間のプロトン伝導を担うものである。本実施態様において、上記固体高分子電解質膜は、上述した撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有するものである。
上記固体高分子電解質膜のガラス転移温度は、上記撥水性材料の軟化温度よりも高い。上記固体高分子電解質膜のガラス転移温度と、上記撥水性材料の軟化温度との差は、例えば5〜70℃の範囲内、中でも15〜30℃の範囲内であることが好ましい。また、上記固体高分子電解質膜のガラス転移温度としては、上記撥水性材料の軟化温度よりも高いものであれば特に限定されるものではないが、具代的には130℃以上、中でも130〜200℃の範囲内、特に135〜170℃の範囲内であることが好ましい。
このような固体高分子電解質膜としては、プロトン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系固体高分子電解質膜、パーフルオロカーボンスルホン酸系固体高分子電解質膜等を挙げることができ、中でも炭化水素系固体高分子電解質膜が好ましい。炭化水素系固体高分子電解質膜はガラス転移温度が高く、高温で熱圧着する必要があるため、上述した圧力抜けが生じる可能性が高く、本実施態様に用いられる形状保持材料がその効果を充分に発揮することができるからである。上記固体高分子電解質膜の材料については、上記「A.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
次に、本実施態様に用いられる触媒電極層について説明する。本実施態様に用いられる触媒電極層は、通常、電解質材料、導電性材料および触媒を含有するものである。本実施態様において、上記電解質材料は、触媒電極層の中でプロトン伝導を担うものである。上記電解質材料のガラス転移温度としては、良好な密着性を有する燃料電池を得ることができれば特に限定されるものではないが、上記固体高分子電解質膜のガラス転移温度と同等またはそれ以下であることが好ましい。
上記電解質材料としては、プロトン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系電解質材料、パーフルオロカーボンスルホン酸系電解質材料等を挙げることができる。汎用性の観点からはパーフルオロカーボンスルホン酸系電解質材料が好ましい。一方、ガラス転移温度が高く、本発明の効果を充分に発揮できるという観点からは、炭化水素系電解質材料が好ましい。上記電解質材料の材料については、上記「A.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、上記電解質材料は、上記固体電解質と同一の材料であっても良く、上記固体電解質と異なる材料であっても良いが、本実施態様においては、上記電解質材料が上記固体高分子電解質膜と同一の材料であることが好ましい。すなわち、本実施態様においては、上記電解質材料および上記固体高分子電解質膜が炭化水素系材料であることが好ましく、上記固体高分子電解質膜および上記電解質材料が同一の炭化水素系材料であることがより好ましい。
触媒電極層に用いられる導電性材料および触媒としては、特に限定されるものではなく、一般的な燃料電池に用いられる材料と同様のものを使用することができる。例えば、上記導電性材料としてはカーボンブラック等を挙げることができ、上記触媒としてはPt等を挙げることができる。
また、ガス拡散層上または固体高分子電解質膜上に触媒電極層を形成する方法、およびその他の事項については、上記「A.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.熱圧着工程
本実施態様における熱圧着工程は、ガス拡散層と固体高分子電解質膜とを、撥水層と触媒電極層とを挟むように熱圧着する工程である。本実施態様における熱圧着工程については、上記「A.第一実施態様」に記載した熱圧着工程に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(撥水層の作製)
撥水性材料としてPTFE粉末(ダイキン工業社製、軟化温度121℃)4g、導電性材料として炭素微粉5g、形状保持材料として気相成長炭素繊維(VGCF、昭和電工社製)4gを混合し、撥水層形成用組成物を得た。この撥水層形成用組成物をカーボン繊維ガス拡散層(TGP060、東レ株式会社製)に塗布し、350℃で焼成することによって、撥水層を得た。
(触媒電極層の作製)
白金の担持された炭素粉1g、水5g、エタノール6g、Nafion(商品名、デュポン社製)20%溶液1.5gを混合し、触媒電極層形成用組成物を得た。この触媒電極層形成用組成物を、上記の撥水層上にスプレー塗布し、乾燥させることによって、撥水層上に触媒電極層を得た。これにより、拡散層、撥水層および触媒電極層がこの順に積層された積層体を得た。
(膜電極複合体の作製)
ガラス転移温度が140℃である固体高分子電解質膜(SF702x、旭化成社製)を用意し、上記の積層体を2個用いて、固体高分子電解質膜の両面が積層体の触媒電極層と接触するように配置し、150℃、8MPaの条件で4分間熱圧着を行うことにより、膜電極複合体を得た。
[比較例]
上記の撥水層に気相成長炭素繊維を用いないこと以外は、実施例と同様にして、膜電極複合体を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた膜電極複合体を用い、セル温度80℃、ストイキ比2/2、アノードガス加湿露点45℃/カソードガス加湿露点55℃の条件で、発電試験を行った。得られた電流−電圧曲線を図4に示す。図4から明らかなように、実施例で得られた膜電極複合体は、比較例で得られた膜電極複合体に比べて、優れた発電効率を有するものであった。
また、実施例および比較例で得られた膜電極複合体から、ガス拡散層を機械的に剥離し、剥離後の触媒電極層付電解質膜の表面(撥水層)を観察することで、電解質膜と触媒電極層との密着性を評価した。実施例の触媒電極層付電解質膜の表面には、図5(a)に示されるように、均一な撥水層(黒色部)および残存したガス拡散層基材(白色線状部)が確認された。一方、比較例の触媒電極層付電解質膜の表面には、図5(b)に示されるように、ガラス転移温度より高い温度で熱プレスしているにもかかわらず、電極未付着部(白色斑点部)が確認された。このことから、実施例が比較例に比べて、優れた電解質膜−触媒電極層接合性を示していることが明らかになった。
本発明の燃料電池の製造方法の一例を示す工程図である。 撥水層形成工程により得られる撥水層の一例を示す概略断面図である 触媒電極層形成工程により得られる触媒電極層を例示する概略断面図である。 発電試験における電流−電圧曲線を示すグラフである。 ガス拡散層剥離後の触媒電極層付電解質膜の表面(撥水層)を示す画像である。
符号の説明
1 … ガス拡散層
2 … 撥水層
3 … 触媒電極層
4 … 固体高分子電解質膜
5 … 積層体
6 … 撥水性材料
7 … 導電性材料
8 … 形状保持材料

Claims (4)

  1. 撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、
    前記撥水層および固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、前記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する電解質材料を含有する触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、
    前記ガス拡散層と前記固体高分子電解質膜とを前記撥水層と前記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、
    を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  2. 前記電解質材料のガラス転移温度が130℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池の製造方法。
  3. 前記撥水性材料が、ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体高分子電解質型燃料電池の製造方法。
  4. 撥水性材料、導電性材料および形状保持材料を含む撥水層形成用組成物を、ガス拡散層に塗布し、撥水層を形成する撥水層形成工程と、
    前記撥水層、および前記撥水性材料の軟化温度よりも高いガラス転移温度を有する固体高分子電解質膜の少なくとも一方に、触媒電極層を形成する触媒電極層形成工程と、
    前記固体高分子電解質膜と前記ガス拡散層とを前記撥水層と前記触媒電極層とを挟むように熱圧着する熱圧着工程と、
    を有することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池の製造方法。
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