JP2007273140A - プラズマ処理装置のステージ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラズマ処理装置Mの接地電極を兼ねる主ステージ部21の平面視外側に近接するように昇降部材30を配置する。この昇降部材30を昇降機構50によって主ステージ部21から上に突出する上位置に位置させ、載置面31aに被処理物Wの外周部Wbを載置し、次いで載置面31aが主ステージ部21の上面21aから突出しない高さの下位置に位置させ、被処理物Wを主ステージ部21上に外周部を突出させて設置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、大気圧プラズマ処理装置において、シビアな精度を要求されることなく、処理ムラが出来るのを回避できる電極兼ステージ構造を提供することを目的とする。
前記被処理物が外周部を突出させるようにして設置されるべき電極を兼ねた主ステージ部と、
前記被処理物の外周部が載せられるべき載置面を有し、前記主ステージ部の平面視外側に近接して配置された昇降部材と、
前記昇降部材を、上位置と下位置との間で昇降させる昇降機構と、
を備え、前記昇降部材が上位置のとき、前記載置面が前記主ステージ部から上に突出し、前記昇降部材が下位置のとき、前記載置面が前記主ステージ部の上面から突出しない高さに位置することを特徴とする。
この特徴構成によれば、主ステージ部の平面視外側の昇降部材を上位置に位置させ、この昇降部材に被処理物の外周部を支持させた後、昇降部材を下位置に向けて下降させることにより被処理物を主ステージ部に設置することができる。処理後は、昇降部材を下位置から上昇させることにより、被処理物の外周部を該昇降部材にて支持して主ステージ部から持ち上げることができる。したがって、主ステージ部には昇降ピン用のピン孔をはじめとする孔や凹部を形成する必要がない。よって、主ステージ部上での電界を均一化でき、処理ムラを防止することができる。また、下位置の昇降部材は、載置面が前記主ステージ部の上面から突出しない高さに位置するようになっていればよく、シビアな精度を求められることはない。よって、昇降部材及び昇降機構の構成を簡素化でき、製造の容易化を図ることができる。
前記主ステージ部が、平面視四角形状をなしている場合、
前記昇降部材が、前記主ステージ部の少なくとも互いに対辺をなす2つの外端面にそれぞれ対応する直線部を有し、より好ましくは前記主ステージ部の3つの外端面にそれぞれ対応する直線部を有し、さらに好ましくは前記主ステージ部の4つの外端面にそれぞれ対応する直線部を有し、各直線部が、平面視において前記主ステージ部の対応する外端面に沿うように延びていることが好ましい。この場合、被処理物も平面視四角形状をなしているのが好ましい。
これによって、被処理物の外周部を確実に支持して昇降させることができる。直線部の数や長さは、被処理物の大きさや硬さ等を考慮して適宜設定するとよい。被処理物が小さい場合や硬い場合であれば、少なくとも対辺を支持することにより被処理物が垂れないようにして十分に支持することができる。被処理物が大型であったり薄く軟らかであったりした場合は、3辺を3つの直線部で支持するようにするとよい。
前記昇降部材が、複数の垂直な昇降ピンにて構成され、これら昇降ピンが、前記主ステージ部の周方向に離間して並べられていてもよい。
前記主ステージ部の形状は、平面視四角形に限られず、円形や四角形以外の多角形等の非四角形状であってもよい。
被処理物の形状についても、平面視四角形に限られず、円形や四角形以外の多角形等の非四角形状であってもよい。
前記主ステージ部の形状と被処理物の形状は、相似していることが好ましい。
この外周ステージ部を、前記主ステージ部の外周に添うセット位置と、前記主ステージ部の外周から離間した離間位置との間で進退させる外周ステージ進退機構と、
を更に備え、
前記下位置の昇降部材が、前記セット位置の外周ステージ部より下に位置し、
前記離間位置の外周ステージ部が、前記昇降部材より平面視外側に位置することが望ましい。
これによって、処理時には外周ステージ部にて被処理物の外周部を支持するようにすることができる。昇降部材が昇降するときは、外周ステージ部を離間位置に位置させることにより干渉を避けることができ、外周ステージ部をセット位置に位置させるときは、昇降部材を下位置に位置させることにより、干渉を避けることができる。
これによって、機構を簡単化することができる。
これによって、被処理物の外周部が下に垂れていたとしても、これに引っ掛かることなく、しかも垂れた外周部を元のまっすぐの状態に戻すようにして、外周ステージ部をセット位置に位置させることができる。
処理時には昇降部材にて被処理物の外周部を支持するようにしてもよい。
これによって、主ステージ部に固体誘電体層を設けないでも済み、主ステージ部が大面積であっても容易に製造できる。また、外周ステージ部上で助走的なプラズマ放電が起きるようにすることができ、主ステージ部上での正規のプラズマ放電の安定化を図ることができる。
これによって、外側誘電部上での助走放電の状態を主ステージ部上での正規の放電状態と同様のレベルにすることができる。
これによって、被処理物を段差面で位置決めして主ステージ部に設置することができる。
これによって、被処理物の外端部が昇降部材に対し多少ずれていても、段差面をガイドにして、ずれを修正することができ、位置決めの正確性を高めることができる。
図1は、常圧プラズマ処理装置Mの概略構成を示したものである。常圧プラズマ処理装置Mは、処理ユニット10と、ステージ20を備えている。処理ユニット10は、2つ(複数)の電極11,11と、プロセスガス導入部12と、吸引ノズル13と、カーテンガスノズル14とを有して、図1の紙面と直交する方向(前後方向)に延びている。
プロセスガスとしては、処理目的に合わせたガス種が用いられている。例えば、撥水化処理ではCF4等のフッ化炭素化合物と窒素が用いられている。
処理ユニット10の底面の右端部には底面延長板16が設けられている。
図2に示すように、主ステージ部21は、平面視四角形のアルミニウム等の金属板で構成され、電気的に接地されている。主ステージ部21は、電源電極11に対する接地電極の役目を兼ねている。主ステージ部21の上面(第1金属表面21a)には固体誘電体層が設けられておらず、該金属表面21aが露出されている。
主ステージ部21の上面は、基板Wよりも少し小さい。したがって、基板Wを主ステージ部21に設置すると、基板Wの外周部が主ステージ部21から突出するようになっている。
昇降部材30は、前後左右の4つの直線部30f,30b,30l,30rを有している。左右の直線部30l,30rは、それぞれ前後方向に水平に延びている。奥側の直線部30bは、左右方向に水平に延びている。この奥側直線部30bの両端部に左右の直線部30l、30rの奥側の端部が一体に連結されている。前側の直線部30fは、左右に水平に延びている。前側直線部30fの長さは、奥側直線部30b等の他の直線部より短く、前側直線部30fの両端部と左右直線部30l,30rの前端部との間には、スペースが設けられている。このスペースは、基板Wをハンドリングするためのフォーク状マニピュレータ6を通す挿通部になる。
上記前後左右の4つの外周ステージ部22,22,22,22は、離間位置のとき、これら直線部30f,30b,30l,30rの平面視外側に位置するようになっている。
昇降部材30のアルミ等からなる母材の載置面31a形成面の上に弾性体や発泡体等のクッションシートを設け、このクッションシートの上面が、載置面31aを構成していてもよい。
下位置の昇降部材30は、セット位置の外周ステージ部22より下に位置している。
図3に示すように、処理ユニット10を例えばステージ20の左外側に退避させ、かつ、4つの外周ステージ部22をそれぞれ離間位置に位置させたうえで、昇降機構50によって、昇降部材30を下位置から上昇させて上位置に位置させる。離間位置の外周ステージ部22は昇降部材30より平面視外側に位置しているので、干渉を避けることができる。そして、フォーク状マニピュレータ6を用いて、処理すべきガラス基板Wの外周部を昇降部材30の4つの直線部30f,30b,30l,30rの載置面31aに載せる。このとき、基板Wが多少位置ずれしていても、各直線部30f,30b,30l,30rの斜めをなす段差面31bに基板Wの外端縁が当たって案内されることによって基板Wの位置ずれを修正することができ、基板Wの外周部を各直線部30f,30b,30l,30rの載置面31a上に正確に設置することができる。
次いで、図5及び図6に示すように、外周ステージ進退機構40によって4つの外周ステージ部22を前進させ、主ステージ部21の4つの外端面に突き当てる。これによって、外周ステージ部22の内側誘電部26が、基板Wの外周部Wbの下側に宛がわれる。
この時、電源回路1から電極11Rへの電圧供給を開始する。これによって、電極11Rと金属製ベース部24との間に電界が印加され、該電極11Rと外側誘電部27の間に大気圧プラズマ放電が生成される。これによって、基板Wより外側に助走的なプラズマ放電D2を形成することができる。このとき、ベース部24は、電極11Rに対する接地電極として機能する。また、外側誘電部27は、金属製ベース部24の表面の固体誘電体層として機能し、安定放電に寄与する。外側誘電部27の厚さと誘電率の設定により、後述する基板W上での正規のプラズマ放電D1と略同じ放電状態を得ることができる。
電圧供給開始時に、電極11Rの約3割以上の部分、好ましくは約5割の部分がベース部24と対向しているので、電極11Rからの電界方向をベース部24に確実に向かわせることができ、電極11Rから周辺の金属部材に異常放電が起きるのを防止することができる。
電極11Rの一部がベース部24の上方に入って来ても上記所定位置より左側に位置している間は、電圧供給を停止し、上記所定位置に達した時はじめて電圧供給を行なうので、電極11Rからの電界がベース部24の外端部に局所的に集中するのを回避できる。これにより、固体誘電体層25等が損傷するのを防止することができる。
処理済みのガス(反応副生成物を含む)は、吸引口13aから吸込まれ、排出される。さらに、左右外側に窒素ガスカーテンが形成されることにより、プロセスガスの漏れが防止される。
処理ユニット10の進行方向の前方に延長板16を設けることにより、外気が放電部D1に巻き込まれるのを防止でき、処理効率を高めることができる。
図10に示すように、第2実施形態では、離間位置(同図の実線)の外周ステージ部22が、セット位置(同図の二点鎖線)のときより若干低い高さに位置している。矢印で示すように、外周ステージ進退機構40は、外周ステージ部22を、平面視において主ステージ部21の外端面とほぼ直交する方向に、しかもセット位置に向かうにしたがって上昇し、離間位置に向かうにしたがって下降するように若干斜めに進退させるようになっている。
これによって、基板Wの外周部Wbが下に垂れていたとしても、これに引っ掛かることなく、外周ステージ部22をセット位置に位置させることができる。しかも、外周ステージ部22をセット位置に移動させる際、垂れた基板外周部Wbを下から押し上げ、まっすぐの状態(同図の二点鎖線)に戻すようにすることができる。
例えば、下位置の昇降部材30が、セット位置の外周ステージ部を兼ねるようになっていてもよい。すなわち、下位置の昇降部材30の載置面31aが主ステージ部21の上面21aと面一をなし、処理時においても被処理物Wの外周部Wbを支持していてもよい。
昇降部材30が下位置のとき、少なくとも載置面31aが主ステージ部21の上面21aから上に突出していなければよい。
昇降部材30の前側直線部30f等を省略し、昇降部材30を3つの直線部で構成してもよく、左右の2つの直線部30l,30r又は前後の2つの直線部30f,30bだけで構成してもよい。
セット位置の外周ステージ部22と主ステージ部21の外端面との間に隙間があってもよい。
第2実施形態において、外周ステージ部22は、少なくともセット位置の近傍においてセット位置に向かうにしたがって上昇し、離間位置に向かうにしたがって下降するように進退するようになっていればよく、例えばセット位置からやや離れた部分では、水平に進退するようになっていてもよい。
W 基板
1 電源回路
2 プロセスガス源
3 排気装置
4 カーテンガス源
5 ユニット移動機構
6 フォーク状マニピュレータ
10 処理ユニット
10a 噴出し口
11(111R,11L) 電極
11a 隙間
12 プロセスガス導入部
13 吸引ノズル
13a 吸引口
14 カーテンガスノズル
14a 噴出し口
15 固体誘電体層
20 ステージ
21 主ステージ部
21a 主ステージ部の上面
22 外周ステージ部
23 外枠
24 ベース部
24a ベース部の上面
25 固体誘電体層
26 内側誘電部
27 外側誘電部
30 昇降部材
30f 前側直線部
30b 奥側直線部
30l 左側直線部
30r 右側直線部
31a 載置面
31b 段差面
40 外周ステージ進退機構
50 昇降機構
Claims (10)
- 被処理物を大気圧近傍のプラズマ放電に晒して表面処理する装置におけるステージ構造であって、
前記被処理物が外周部を突出させるようにして設置されるべき電極を兼ねた主ステージ部と、
前記被処理物の外周部が載せられるべき載置面を有し、前記主ステージ部の平面視外側に近接して配置された昇降部材と、
前記昇降部材を、上位置と下位置との間で昇降させる昇降機構と、
を備え、前記昇降部材が上位置のとき、前記載置面が前記主ステージ部から上に突出し、前記昇降部材が下位置のとき、前記載置面が前記主ステージ部の上面から突出しない高さに位置することを特徴とするプラズマ処理装置のステージ構造。 - 前記昇降部材が、平面視において前記主ステージ部の外周に沿うように延びていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
- 前記主ステージ部が、平面視四角形状をなし、
前記昇降部材が、前記主ステージ部の少なくとも互いに対辺をなす2つの外端面にそれぞれ対応する直線部を有し、各直線部が、平面視において前記主ステージ部の対応する外端面に沿うように延びていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。 - 前記主ステージ部の外周に沿って延び、前記被処理物の外周部が設置されるべき外周ステージ部と、
この外周ステージ部を、前記主ステージ部の外周に添うセット位置と、前記主ステージ部の外周から離間した離間位置との間で進退させる外周ステージ進退機構と、
を更に備え、
前記下位置の昇降部材が、前記セット位置の外周ステージ部より下に位置し、
前記離間位置の外周ステージ部が、前記昇降部材より平面視外側に位置することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプラズマ処理装置のステージ構造。 - 前記外周ステージ進退機構が、前記外周ステージ部を前記主ステージ部の外端面とほぼ直交する水平方向に進退させることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
- 前記外周ステージ進退機構が、前記外周ステージ部を、平面視において前記主ステージ部の外端面とほぼ直交する方向に、しかも、少なくとも前記セット位置の近傍においては前記セット位置に向かうにしたがって上昇し、前記離間位置に向かうにしたがって下降するように進退させることを特徴とする請求項4に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
- 前記被処理物が誘電体にて構成され、
前記主ステージ部の上面が、露出された金属にて構成され、
前記外周ステージ部が、金属からなるベース部と、このベース部の上面に設けられた固体誘電体層とを有し、前記固体誘電体層が、前記被処理物の外周部が設置されるべき内側誘電部と、前記被処理物の外周部より外側に配置されるべき外側誘電部とを有していることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のプラズマ処理装置のステージ構造。 - 前記外周ステージ部の外側誘電部の厚さと誘電率の比が、被処理物の厚さと誘電率の比と略同じであることを特徴とする請求項7に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
- 前記昇降部材が、前記載置面と交差して前記被処理物の外端面と対向すべき段差面を有していることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
- 前記段差面が、上に向かうにしたがって外側へ傾く斜面になっていることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置のステージ構造。
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