JP2007272670A - ペダル装置 - Google Patents
ペダル装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007272670A JP2007272670A JP2006099032A JP2006099032A JP2007272670A JP 2007272670 A JP2007272670 A JP 2007272670A JP 2006099032 A JP2006099032 A JP 2006099032A JP 2006099032 A JP2006099032 A JP 2006099032A JP 2007272670 A JP2007272670 A JP 2007272670A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil spring
- pedal
- damper member
- pedal device
- coil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
- Braking Elements And Transmission Devices (AREA)
- Springs (AREA)
- Mechanical Control Devices (AREA)
Abstract
【課題】ペダル装置において、踏力に抗する弾性付勢力をペダル部材に与える戻しばね組立体に組み込まれるダンパ部材を、コイルばねに対する緩衝機能位置に安定保持する。
【解決手段】ペダル装置10の戻しばね組立体14は、第1コイルばね38と、第1コイルばねの内側に収容される第2コイルばね40と、第1コイルばねと第2コイルばねとの間に介在してそれらコイルばねの相互作用を緩衝するダンパ部材42と、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、ダンパ部材が第1コイルばねと第2コイルばねとの間から脱落することを防止する脱落防止構造48とを有する。脱落防止構造は、例として、ダンパ部材に局部的に設けられる厚肉部分50を有する。ダンパ部材の厚肉部分は、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、第2コイルばねの巻線間隔よりも大きな厚みを有して第2コイルばねの内部空間に配置される。
【選択図】図3
【解決手段】ペダル装置10の戻しばね組立体14は、第1コイルばね38と、第1コイルばねの内側に収容される第2コイルばね40と、第1コイルばねと第2コイルばねとの間に介在してそれらコイルばねの相互作用を緩衝するダンパ部材42と、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、ダンパ部材が第1コイルばねと第2コイルばねとの間から脱落することを防止する脱落防止構造48とを有する。脱落防止構造は、例として、ダンパ部材に局部的に設けられる厚肉部分50を有する。ダンパ部材の厚肉部分は、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、第2コイルばねの巻線間隔よりも大きな厚みを有して第2コイルばねの内部空間に配置される。
【選択図】図3
Description
本発明は、ペダル装置に関し、特に、乗物のアクセルペダルやブレーキペダルに適用可能なペダル装置に関する。
乗物のアクセルペダルやブレーキペダルに適用されるペダル装置は、一般に、操作者からの踏力を受けて変位するペダル部材と、踏力に抗する弾性付勢力をペダル部材に与える戻しばね組立体とを備えている。乗物用のペダル装置で用いられる戻しばね組立体は、フェールセーフの観点から、互いにコイル径の異なる円筒形の第1及び第2の圧縮コイルばねを、入れ子式に重畳配置した二重ばね構造を備えることが通例である。二重ばね構造の戻しばね組立体では、外側に配置される大径の第1コイルばねと、その内側に収容される小径の第2コイルばねとの間に、両者の相互作用によって生ずる異音や損傷を低減するためのダンパ部材を介在させる構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載されるペダル装置において、戻しばね組立体に組み込まれるダンパ部材は、ゴム等の弾性材料から形成される板状要素であって、その中央領域が第2コイルばねの巻線の隙間から第2コイルばねの内部空間に挿入されるとともに、第2コイルばねの外側に延出する両端領域が中央領域に対し撓曲されて第2コイルばねと第1コイルばねとの間の空間に配置される。この状態で、ダンパ部材の両端領域が、第1コイルばねと第2コイルばねとの衝突等の相互作用を緩衝する。
上記した従来のペダル装置で用いられる戻しばね組立体では、ダンパ部材は、ペダル部材が所定のストローク(以下、変位ストロークと称する)を変位する間、第2コイルばねの線間隙間に挿入された状態で、第1及び第2コイルばねに対し所期の緩衝機能を発揮し得る位置(以下、緩衝機能位置と称する)に、自重に依存した両コイルばねとの接触による摩擦力下で保持される。したがって、ペダル部材の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動に起因して、第1及び第2コイルばねに対するダンパ部材の位置は、比較的容易に変動する傾向がある。その結果、ダンパ部材が、適正な緩衝機能位置から逸脱して所期の緩衝機能を発揮し難くなったり、極端な場合には両コイルばねの間から脱落したりすることが危惧される。
本発明の目的は、乗物のアクセルペダルやブレーキペダルに適用可能なペダル装置において、踏力に抗する弾性付勢力をペダル部材に与える戻しばね組立体に組み込まれるダンパ部材が、ペダル部材の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動に起因してコイルばねに対する所期の緩衝機能を発揮し得なくなることを未然に防止でき、以って高い作動信頼性を確保できるペダル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、踏力を受けて変位するペダル部材と、踏力に抗する弾性付勢力をペダル部材に与える戻しばね組立体とを具備し、戻しばね組立体が、第1コイルばねと、第1コイルばねの内側に収容される第2コイルばねと、第1コイルばねと第2コイルばねとの間に介在して第1コイルばねと第2コイルばねとの相互作用を緩衝するダンパ部材とを有する、ペダル装置において、戻しばね組立体は、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、ダンパ部材が第1コイルばねと第2コイルばねとの間から脱落することを防止する脱落防止構造を有すること、を特徴とするペダル装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、脱落防止構造は、ダンパ部材に局部的に設けられる厚肉部分を有し、この厚肉部分が、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、第2コイルばねの巻線間隔よりも大きな厚みを有して第2コイルばねの内部空間に配置される、ペダル装置を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、脱落防止構造は、ダンパ部材に局部的に設けられる湾曲縁部分を有し、この湾曲縁部分が、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、第2コイルばねの巻線の外周面に沿うように配置される、ペダル装置を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のペダル装置において、第2コイルばねの巻線が、ダンパ部材の湾曲縁部分に嵌入されて係合する、ペダル装置を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、脱落防止構造は、ダンパ部材に設けられる筒状部分を有し、この筒状部分が、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、第1コイルばねの巻線間隔よりも大きな長さを有して第1コイルばねと第2コイルばねとの間に配置される、ペダル装置を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、脱落防止構造は、第2コイルばねに局部的に設けられる狭ピッチ部分を有し、ダンパ部材の一部分が、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、狭ピッチ部分に第2コイルばねの軸線方向圧力下で挟持される、ペダル装置を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のペダル装置において、脱落防止構造は、第1コイルばねに局部的に設けられる小コイル径部分を有し、ダンパ部材の一部分が、ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、小コイル径部分と第2コイルばねとの間に挟持される、ペダル装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、戻しばね組立体のダンパ部材は、脱落防止構造の作用により、ペダル部材の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばねに対し適正な緩衝機能位置に保持されて、所期の緩衝機能を安定して発揮する。それにより、ペダル装置の高い作動信頼性が確保される。
請求項2に記載の発明によれば、ダンパ部材に局部的に設けられる厚肉部分が脱落防止構造として作用して、ダンパ部材を適正な緩衝機能位置に保持する。
請求項3に記載の発明によれば、ダンパ部材に局部的に設けられる湾曲縁部分が脱落防止構造として作用して、ダンパ部材を適正な緩衝機能位置に保持する。
請求項4に記載の発明によれば、ダンパ部材の湾曲縁部分による脱落防止作用が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、ダンパ部材に設けられる筒状部分が脱落防止構造として作用して、ダンパ部材を適正な緩衝機能位置に保持する。
請求項6に記載の発明によれば、第2コイルばねに局部的に設けられる狭ピッチ部分が脱落防止構造として作用して、ダンパ部材を適正な緩衝機能位置に保持する。
請求項7に記載の発明によれば、第1コイルばねに局部的に設けられる小コイル径部分が脱落防止構造として作用して、ダンパ部材を適正な緩衝機能位置に保持する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1〜図3は、本発明の一実施形態によるペダル装置10を示す図、図4及び図5は、ペダル装置10が有する戻しばね組立体の構成を明示する図である。図示実施形態によるペダル装置10は、自動車のアクセルペダルに適用されるものであるが、本発明に係るペダル装置の用途は、これに限定されない。
図面を参照すると、図1〜図3は、本発明の一実施形態によるペダル装置10を示す図、図4及び図5は、ペダル装置10が有する戻しばね組立体の構成を明示する図である。図示実施形態によるペダル装置10は、自動車のアクセルペダルに適用されるものであるが、本発明に係るペダル装置の用途は、これに限定されない。
図1〜図3に示すように、ペダル装置10は、操作者からの踏力Fを受けて変位するペダル部材12と、踏力Fに抗する弾性付勢力Rをペダル部材12に与える戻しばね組立体14とを備える。ペダル部材12は、金属、樹脂等の剛性材料からなる略L字形のアーム状部材であり、長手方向一端に、操作者(運転者)の脚による踏力Fを受ける踏部16が設けられるとともに、その反対側の長手方向他端に、戻しばね組立体14に係合するばね受け部18が設けられる。ペダル部材12はまた、踏部16とばね受け部18との間の中間位置でばね受け部18の近傍に、軸受穴状の軸着部20を有するとともに、軸着部20に近接してばね受け部18の略反対側に、外方へ突出する係止部22を有する。
ペダル装置10は、ペダル部材12をその軸着部20で回動可能に支持するベース部材24をさらに備える。ベース部材24は、平板状の端壁26と端壁26の外縁に沿って連設される周壁28とを有する皿状部材であり、それら端壁26及び周壁28が、ペダル部材12のばね受け部18及び軸着部20を受容する凹所30を画定する。ベース部材24の端壁26には、周壁28に局所的に形成した切欠き32の近傍に、ペダル部材12の軸着部20を回動可能に支持する軸部34(図2に破線で示す)が、凹所30内に突設される。ペダル部材12は、軸部34を軸着部20に摺動可能に受容した状態で、ベース部材24に対し、軸線12aを中心に回動することができる。
ペダル部材12をベース部材24の軸部34に適正に取り付けた状態で、ペダル部材12のばね受け部18は、ベース部材24の周壁28の一部分28aに対向可能に配置され、この周壁部分28aとばね受け部18との間に、戻しばね組立体14が装入される。また、この適正取り付け状態で、ペダル部材12の係止部22は、ベース部材24の周壁28の切欠き32に隣接形成した肩面36に、当接可能に配置される。この状態で、ペダル部材12の係止部22から踏部16に至るアーム部分が、ベース部材24の外部に露出して配置される。
図4及び図5に示すように、戻しばね組立体14は、互いにコイル径の異なる円筒形の第1及び第2の圧縮コイルばね38、40(それぞれ第1コイルばね38及び第2コイルばね40と略称する)を、それぞれの中心軸線を略同一方向に向けて入れ子式に重畳配置した二重ばね構造を有する。さらに戻しばね組立体14は、二重ばね構造の外側要素である大径の第1コイルばね38と、第1コイルばね38の内側に収容される小径の第2コイルばね40との間に、第1及び第2コイルばね38、40同士の衝突等の相互作用を緩衝して両コイルばね38、40に生じる異音や損傷を低減するダンパ部材42を備える。
戻しばね組立体14の第1及び第2の圧縮コイルばね38、40は、いずれも基本的には、一様なピッチP1、P2及びコイル径(外径)D1、D2を有する線形特性ばねである(図示実施形態では互いに逆の巻方向を有するものが使用されている)。戻しばね組立体14のダンパ部材42は、ゴム等の弾性材料から形成される板状要素であって、その中央領域42aが、第2コイルばね40の内部空間に配置される。また、第2コイルばね40の巻線隙間G2を介して外方に延出するダンパ部材42の複数の端部領域42bは、中央領域42aに対し撓曲されて、第2コイルばね40と第1コイルばね38との間の空間に配置される。その状態で、ダンパ部材42の各端部領域42bは、第1コイルばね38の巻線の隙間G1よりも大きな長さを呈して、第1コイルばね38と第2コイルばね40との衝突等の相互作用を緩衝する。なお、図示実施形態では、4個の端部領域42bを有する平面視で十字形状のダンパ部材42(図6)が使用されている。しかしこれに限らず、2個(図7(a))、3個(図7(b))等の、様々な個数の端部領域42bを有するダンパ部材42を使用することもできる。
戻しばね組立体14は、第1及び第2コイルばね38、40のそれぞれの軸線方向一端38a、40aを、ペダル部材12のばね受け部18に設けた段付座面18aに係合させるとともに、両コイルばね38、40のそれぞれの軸線方向他端38b、40bを、ベース部材24の周壁部分28aに設けた段付座面28bに係合させて、ベース部材24の凹所30に受容される(図3)。この状態で、戻しばね組立体14は、第1及び第2コイルばね38、40が生じる弾性付勢力Rにより、ペダル部材12を、その軸線12aを中心に、ペダル部材12のばね受け部18がベース部材24の周壁部分28aから離反する(すなわちペダル部材12の係止部22がベース部材24の肩面36に接近する)回転方向(図1矢印α)へ、弾性的に付勢する。
ペダル装置10は、ベース部材24にカバー部材44(図2)を取り付けて、凹所30内に、ペダル部材12のばね受け部18及び軸着部20並びに戻しばね組立体14を収容した状態で、ベース部材24を介して乗物の構造体(図示せず)に装着される。図示実施形態によるペダル装置10は、ベース部材24に対するペダル部材12の回転角度を非接触センサ(図示せず)で検出し、その検出信号をアクセル踏込量データとして、自動車のエンジン制御装置に送ることでスロットルを動作させる、非接触式アクセルペダル装置の構成を有する。このような構成のペダル装置10におけるペダル操作様態を、簡単に説明する。
まず、操作者(運転者)がペダル部材12に踏力Fを加えない非操作時には、ペダル部材12は、戻しばね組立体14の弾性付勢力Rの下で、係止部22がベース部材24の肩面36に当接された状態に保持される(図1)。この状態で、戻しばね組立体14は、所定の初期撓みを生じており、ペダル部材12がベース部材24上に安定して保持される。操作者がペダル部材12に適当な踏力Fを加えると、ペダル部材12は、戻しばね組立体14を圧縮しながら、ばね受け部18がベース部材24の周壁部分28aに接近する方向(図1矢印β)へ、軸線12aを中心に回転する。この間、踏力Fは、戻しばね組立体14の漸増する弾性付勢力Rに対応して漸増する。そして、ペダル部材12の踏込量増加方向βへの回転が、図示しない第2の係止構造によって係止された時点で、ペダル部材12の変位ストロークが終端する。
ペダル部材12とベース部材24との間には、ペダル部材12の踏込量増加方向βへの回転に伴って所定の摩擦力を生じる摩擦板46(図3)が、固定的に設置されている。したがって、操作者が、ペダル部材12を踏込量増加方向βへ回転させるときの踏力Fは、戻しばね組立体14の弾性付勢力Rと摩擦板46の摩擦力との合力に対抗するものとなる。他方、ペダル部材12を踏込量減少方向αへ回転させるときの踏力Fは、実質的に戻しばね組立体14の弾性付勢力Rのみによって決まる。ペダル装置10の操作に要する踏力Fがこのようなヒステリシス特性を有することで、ペダル操作時の操作者の疲労が軽減される。
上記構成においては、戻しばね組立体14に組み込まれるダンパ部材42が、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動に起因して、第1及び第2コイルばね38、40に対して適正な緩衝機能位置から逸脱すること(究極的にはダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落すること)を、確実に防止することが、ダンパ部材42による所期の緩衝機能を達成するために要求される。このような要求を満足するべく、本発明に係るペダル装置10では、戻しばね組立体14は、ペダル部材12の変位ストロークの全体に渡って、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することを防止する脱落防止構造48を有する(図4)。
戻しばね組立体14が有するダンパ部材42の脱落防止構造48(第1実施形態)は、図3及び図8に示すように、ダンパ部材42の中央領域42aに局部的に設けられる厚肉部分50を含んで構成される。厚肉部分50は、ダンパ部材42の中央領域42aの表面から直立状に、好ましくは中央領域42aに一体に突設される円柱部分によって形成される。ダンパ部材42の厚肉部分50は、戻しばね組立体14の適正な組立状態で、第2コイルばね40の内部空間に配置される。
ダンパ部材42の中央領域42aを含む厚肉部分50の厚みTは、戻しばね組立体14をペダル部材12と共にベース部材42に組み込んだ初期撓み状態(図1)で、第2コイルばね40の巻線間隔G2´よりも大きくなるように設定される(図8(b))。それにより、厚肉部分50は、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、変動する第2コイルばね40の巻線間隔G2´よりも大きな厚みTを呈して、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することを確実に防止する。その結果、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置に保持され、所期の緩衝機能を安定して発揮する。
なお、戻しばね組立体14を容易に組み立てることができるように、ダンパ部材42の中央領域42aを含む厚肉部分50の厚みTは、第2コイルばね40が無負荷(撓みゼロ)の状態では、第2コイルばね40の巻線間隔G2(図5(b))よりも小さくなるように設定される。また、厚肉部分50には、厚みTを確保できることを前提に、中を刳り貫く除肉を施してもよい。それにより、ダンパ部材42の生産性を向上させることができる。
本発明に係るペダル装置の戻しばね組立体が有するダンパ部材の脱落防止構造は、上記実施形態の構成に限らず、他の様々な構成を有することができる。以下、図9〜図13を参照して、上記戻しばね組立体14に採用可能な脱落防止構造48の、他の幾つかの好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、上記実施形態の構成要素に対応する構成要素は、共通する参照符号を付してその説明を省略する。
図9に示す脱落防止構造48(第2実施形態)は、ダンパ部材42に局部的に設けられる湾曲縁部分52を含んで構成される。湾曲縁部分52は、ダンパ部材42の中央領域42aの周縁部分であって、隣り合う端部領域42bの間に外側へ凹の円弧状に延設される計4個の周縁部分によって形成される。ダンパ部材42の湾曲縁部分52は、戻しばね組立体14の適正な組立状態で、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、第2コイルばね40の巻線54の外周面54aに、螺旋状に沿うことができるように配置される(図9(a))。
このような構成によれば、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動に起因して、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置から逸脱する挙動を示したときに、ダンパ部材42の少なくとも1つの湾曲縁部分52が、第2コイルばね40の巻線54の外周面54aの局部に、螺旋状に沿って接触することになる。このような螺旋状の接触形態は、例えば図8の実施形態におけるダンパ部材42と第2コイルばね40の巻線54との接触形態(図8(a))に比べて、より大きな摩擦力を生じるので、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することを確実に防止することができる。その結果、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置に保持され、所期の緩衝機能を安定して発揮する。
上記した湾曲縁部分52を含む脱落防止構造48は、図10に変形例として示すように、第2コイルばね40の巻線54が、ダンパ部材42の湾曲縁部分52に嵌入されて係合する構成を有することが有利である。つまり、ダンパ部材42の湾曲縁部分52は、中央領域42aの周縁部分であって、隣り合う端部領域42bの間の隅部を円弧状に抉った形状を有する周縁部分から形成される。このような構成によれば、ダンパ部材42は、その湾曲縁部分52に第2コイルばね40の巻線54が嵌入されることで、第2コイルばね40上に係止されるので、第1コイルばね38と第2コイルばね40との間からのダンパ部材42の脱落が、一層確実に防止される。
図11に示す脱落防止構造48(第3実施形態)は、ダンパ部材42に設けられる筒状部分56を含んで構成される。図示実施形態では、ダンパ部材42の全体が、第2コイルばね40を収容可能な円筒形の筒状部分56として形成される。つまり、この実施形態によるダンパ部材42は、第2コイルばね40の内部空間に配置される中央領域42aを有さず、筒状部分56が端部領域42bとして緩衝機能を発揮する。
ダンパ部材42の筒状部分56は、戻しばね組立体14の適正な組立状態で、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、変動する第1コイルばね38の巻線間隔G1´よりも大きな長さLを有して、第1コイルばね38と第2コイルばね40との間の空間に配置される。それにより、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することが確実に防止される。その結果、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置に保持され、所期の緩衝機能を安定して発揮する。
ペダル装置10の戻しばね組立体14が有する脱落防止構造48は、ダンパ部材42に設けられる構成に限らず、第1及び第2コイルばね38、40に設けることもできる。例えば、図12に示す脱落防止構造48(第4実施形態)は、第2コイルばね40に局部的に設けられる狭ピッチ部分58を含んで構成される。戻しばね組立体14の適正な組立状態で、第2コイルばね40の狭ピッチ部分58は、その軸線方向へ隣り合う巻線部分の間に、ダンパ部材42の中央領域42aの環状縁部分を挟持する。
第2コイルばね40の狭ピッチ部分58のピッチP2´は、第2コイルばね40のばね特性を左右する既定のピッチP2に比べて、十分に小さく、かつ、戻しばね組立体14をペダル部材12と共にベース部材42に組み込んだ初期撓み状態(図1)で、ダンパ部材42の中央領域42aの環状縁部分を、第2コイルばね40の軸線方向圧力下で挟持できるように設定される。それにより、狭ピッチ部分58は、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、ダンパ部材42の中央領域42aの環状縁部分をばね圧力下で挟持して、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することを確実に防止する。その結果、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置に保持され、所期の緩衝機能を安定して発揮する。
なお、狭ピッチ部分58は、第2コイルばね40の軸線方向中間位置に形成することもできる(図12(a))し、第2コイルばね40の軸線方向末端40bの座巻部分に隣接して形成することもできる(図12(b))。また、戻しばね組立体14を容易に組み立てることができるように、第2コイルばね40の狭ピッチ部分58のピッチP2´は、第2コイルばね40が無負荷(撓みゼロ)の状態では、ダンパ部材42の中央領域42aの厚みよりも大きくなるように設定される。
図13に示す脱落防止構造48(第5実施形態)は、第1コイルばね38に局部的に設けられる小コイル径部分60を含んで構成される。第1コイルばね38の小コイル径部分60は、戻しばね組立体14の適正な組立状態で、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、第2コイルばね40との間に、ダンパ部材42の少なくとも1つの端部領域42bを挟持可能な形状及び寸法を有する。つまり、第1コイルばね38の小コイル径部分60の外径D1´は、第1コイルばね38のばね特性を左右する既定のコイル径D1に比べて小さく、かつ第2コイルばね40のコイル径D2よりも大きく設定される。それにより、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することが確実に防止される。その結果、ダンパ部材42は、ペダル部材12の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動の影響を受けることなく、第1及び第2コイルばね38、40に対し適正な緩衝機能位置に保持され、所期の緩衝機能を安定して発揮する。
なお、脱落防止構造48として、第1コイルばね38に局部的に設けられる図示の小コイル径部分60に代えて、第2コイルばね40に局部的に設けられる大コイル径部分(図示せず)を採用することもできる。この構成では、第2コイルばね40の大コイル径部分は、戻しばね組立体14の適正な組立状態で、前述したペダル部材12の変位ストロークの全体に渡り、第1コイルばね38との間に、ダンパ部材42の少なくとも1つの端部領域42bを挟持可能な形状及び寸法を有し、それにより、ダンパ部材42が第1コイルばね38と第2コイルばね40との間から脱落することを確実に防止する。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、乗物のアクセルペダルやブレーキペダルに適用可能なペダル装置において、踏力に抗する弾性付勢力をペダル部材に与える戻しばね組立体に組み込まれるダンパ部材が、ペダル部材の変位の繰り返しや乗物の走行中の振動に起因して、第1及び第2コイルばねに対する所期の緩衝機能を発揮し得なくなることを、脱落防止構造によって未然に防止することができる。したがって本発明によれば、高い作動信頼性を確保できるペダル装置が提供される。
10 ペダル装置
12 ペダル部材
14 戻しばね組立体
24 ベース部材
38 第1コイルばね
40 第2コイルばね
42 ダンパ部材
48 脱落防止構造
50 厚肉部分
52 湾曲縁部分
54 巻線
56 筒状部分
58 狭ピッチ部分
60 小コイル径部分
12 ペダル部材
14 戻しばね組立体
24 ベース部材
38 第1コイルばね
40 第2コイルばね
42 ダンパ部材
48 脱落防止構造
50 厚肉部分
52 湾曲縁部分
54 巻線
56 筒状部分
58 狭ピッチ部分
60 小コイル径部分
Claims (7)
- 踏力(F)を受けて変位するペダル部材(12)と、該踏力に抗する弾性付勢力(R)を該ペダル部材に与える戻しばね組立体(14)とを具備し、該戻しばね組立体が、第1コイルばね(38)と、該第1コイルばねの内側に収容される第2コイルばね(40)と、該第1コイルばねと該第2コイルばねとの間に介在して該第1コイルばねと該第2コイルばねとの相互作用を緩衝するダンパ部材(42)とを有する、ペダル装置(10)において、
前記戻しばね組立体は、前記ペダル部材の変位ストロークの全体に渡って、前記ダンパ部材が前記第1コイルばねと前記第2コイルばねとの間から脱落することを防止する脱落防止構造(48)を有すること、を特徴とするペダル装置。 - 前記脱落防止構造は、前記ダンパ部材に局部的に設けられる厚肉部分(50)を有し、該厚肉部分が、前記ペダル部材の前記変位ストロークの全体に渡って、前記第2コイルばねの巻線間隔(G2´)よりも大きな厚み(T)を有して該第2コイルばねの内部空間に配置される、請求項1に記載のペダル装置。
- 前記脱落防止構造は、前記ダンパ部材に局部的に設けられる湾曲縁部分(52)を有し、該湾曲縁部分が、前記ペダル部材の前記変位ストロークの全体に渡って、前記第2コイルばねの巻線(54)の外周面(54a)に沿うように配置される、請求項1に記載のペダル装置。
- 前記第2コイルばねの前記巻線が、前記ダンパ部材の前記湾曲縁部分に嵌入されて係合する、請求項3に記載のペダル装置。
- 前記脱落防止構造は、前記ダンパ部材に設けられる筒状部分(56)を有し、該筒状部分が、前記ペダル部材の前記変位ストロークの全体に渡って、前記第1コイルばねの巻線間隔(G1´)よりも大きな長さ(L)を有して該第1コイルばねと前記第2コイルばねとの間に配置される、請求項1に記載のペダル装置。
- 前記脱落防止構造は、前記第2コイルばねに局部的に設けられる狭ピッチ部分(58)を有し、前記ダンパ部材の一部分(42a)が、前記ペダル部材の前記変位ストロークの全体に渡って、該狭ピッチ部分に該第2コイルばねの軸線方向圧力下で挟持される、請求項1に記載のペダル装置。
- 前記脱落防止構造は、前記第1コイルばねに局部的に設けられる小コイル径部分(60)を有し、前記ダンパ部材の一部分(42b)が、前記ペダル部材の前記変位ストロークの全体に渡って、該小コイル径部分と前記第2コイルばねとの間に挟持される、請求項1に記載のペダル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006099032A JP2007272670A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | ペダル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006099032A JP2007272670A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | ペダル装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007272670A true JP2007272670A (ja) | 2007-10-18 |
Family
ID=38675397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006099032A Pending JP2007272670A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | ペダル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007272670A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102010051354A1 (de) | 2010-11-13 | 2012-05-16 | Volkswagen Ag | Vorrichtung zur Schwingungsdämpfung einer Schraubenfeder |
WO2016208461A1 (ja) * | 2015-06-22 | 2016-12-29 | オイレス工業株式会社 | ダンパ |
CN108609000A (zh) * | 2016-12-12 | 2018-10-02 | 华晨汽车集团控股有限公司 | 一种制动踏板总成 |
DE102010001670B4 (de) | 2009-02-09 | 2023-12-07 | Denso Corporation | Federdämpfer und Gaspedalvorrichtung hiermit |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006099032A patent/JP2007272670A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102010001670B4 (de) | 2009-02-09 | 2023-12-07 | Denso Corporation | Federdämpfer und Gaspedalvorrichtung hiermit |
DE102010051354A1 (de) | 2010-11-13 | 2012-05-16 | Volkswagen Ag | Vorrichtung zur Schwingungsdämpfung einer Schraubenfeder |
WO2016208461A1 (ja) * | 2015-06-22 | 2016-12-29 | オイレス工業株式会社 | ダンパ |
CN108609000A (zh) * | 2016-12-12 | 2018-10-02 | 华晨汽车集团控股有限公司 | 一种制动踏板总成 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4618450B2 (ja) | アクセル装置 | |
WO2013031302A1 (ja) | ダンパ | |
JP4831499B2 (ja) | スプリングダンパ及びこれを用いたアクセル装置 | |
JP2004147791A (ja) | アームレスト装置 | |
US9141127B2 (en) | Pedal effort adjusting apparatus of accelerator pedal | |
JP7128061B2 (ja) | スロットル装置 | |
JP4148553B2 (ja) | 車両用アクセルペダル機構 | |
US20150013494A1 (en) | Damper and operation unit | |
JP2007272670A (ja) | ペダル装置 | |
JP2007299137A (ja) | ペダル装置 | |
JP5697469B2 (ja) | 操作装置 | |
US20070034038A1 (en) | Pedal assembly for a vehicle | |
JP2004108214A (ja) | アクセル装置 | |
JP4333579B2 (ja) | アクセルペダル構造 | |
EP0943907A1 (en) | Accelerator position sensor | |
US10647227B2 (en) | Precision linear mechanical lock device | |
JP2000326754A (ja) | 自動車用アクセルペダル装置 | |
JP2010143427A (ja) | アクセルペダル装置 | |
JP2015010613A (ja) | ダンパ部材及びそれを用いたアクセル装置 | |
JP2004211791A (ja) | 防振装置 | |
JP5157605B2 (ja) | アクセル装置 | |
JP2001294058A (ja) | アクセルペダル装置 | |
JP2005271826A (ja) | アクセルペダル装置 | |
JP2009248612A (ja) | アクセル装置 | |
JP2003136999A (ja) | ダンパ及びこのダンパを用いたアクセルペダル装置 |