JP2007271089A - 遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置 - Google Patents

遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置 Download PDF

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Abstract

【課題】遊星歯車機構を備えた差動歯車装置のプラネタリキャリア10の剛性を向上させる。
【解決手段】内歯歯車4の内側の同心円上に太陽歯車6が回転自在に嵌合している。内歯歯車4と太陽歯車6の間に、プラネタリキャリア10に保持された複数の遊星歯車8が配置され、前記内歯歯車4および太陽歯車6に噛み合っている。プラネタリキャリア10は、環状のベース10aとこのベース10a上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱10bを有し、これら各支持柱10bの間に前記遊星歯車8を保持している。支持柱10bの基部の外面に、R形状の切欠き10cを設けている。また、前記ベース10aの上面の、支持柱10b内面寄りにR形状の周壁10daを有する窪み10dを設けている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌用差動歯車装置に係り、特に、遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置に関するものである。
遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置は、内周面に内歯が形成された内歯歯車と、この内歯歯車の内周側の同心円上に配置された太陽歯車と、前記内歯歯車と太陽歯車との間に配置され、これら両歯車に噛み合う複数の遊星歯車と、これら遊星歯車を保持して前記内歯歯車および太陽歯車の回転軸線を中心に公転させるとともに、各遊星歯車の自転を許容するプラネタリキャリアとを備えており、例えば、前記プラネタリキャリアにエンジン側からの駆動を伝達するシャフトを連結するとともに、内歯歯車および太陽歯車を四輪駆動車の前後輪に連結するようになっている。
図12は、前記のような車輌用差動歯車装置の一例を示すものである。この差動歯車装置は、本出願の出願人がすでに出願した発明(特許文献1)の構成を示すものであり、この図により従来の差動歯車装置の構成について簡単に説明する。ハウジング102(102A、102B)の内部に内歯歯車104が回転自在に収容され、この内歯歯車104の内周側の同心円上に太陽歯車106が配置されている。これら内歯歯車104と太陽歯車106の間に、プラネタリキャリア110に保持された複数個の遊星歯車108が配置され、前記両歯車104、106に噛み合っている。前記プラネタリキャリア110は、ボルト112によって前記ハウジング102に固定されて一体的に回転する。この発明の構成では、内歯歯車104、太陽歯車106および遊星歯車108がいずれも捩れ歯を有しており、これら捩れ歯が互いに噛み合っている。
前記内歯歯車104は、円筒状の部分104eとその一端部(図12の右端)から内周側へ伸びる内向きフランジ部104fとを有しており、円筒状の部分104eの内周面に内歯104bが、フランジ部104fの内周面にスプライン溝104aが形成されている。このフランジ部104fのスプライン溝104aに、出力部材122の外周に形成されたスプライン溝122aが嵌合している。
前記構成の車輌用差動歯車装置では、例えば、プラネタリキャリア110の内周に形成されたスプライン溝110aに、エンジン側からの駆動を伝えるシャフトのスプライン溝を係合させるとともに、内歯歯車104にスプライン係合された出力部材122の内周に形成されているスプライン溝122bに、四輪駆動車の前後輪のいずれか一方を、そして、太陽歯車106の内周に形成されたスプライン溝106bに、前後輪の他方をそれぞれ連結する。
この車輌用差動歯車装置は、エンジンの駆動力が伝達されると、遊星歯車108を保持しているプラネタリキャリア110が回転駆動され、良好な路面を直進しているときには、プラネタリキャリア110に保持された遊星歯車108と、この遊星歯車108に噛み合う内歯歯車104および太陽歯車106が相対回転せずに一体的に回転する。また、コーナリング時等には、プラネタリキャリア110に保持された遊星歯車108が自転することによって、内歯歯車104と太陽歯車106にそれぞれ連結されている前後駆動輪の回転差を補正する。さらに、前後の路面のμが異なり、前後の駆動輪のグリップ力に相違が出たときには、互いに噛み合う捩れ歯同士の回転反力により発生する軸方向のスラスト力と、プラネタリキャリア110と遊星歯車108との当接面に発生する摩擦力によってトルク分配、つまり差動制限を行う。
特願2001−244146号(第3−4頁、図1)
前記従来の車輌用差動歯車装置では、遊星歯車108を保持するプラネタリキャリア110が、環状のベース110bとこのベース110b上に所定の間隔で直立して設けられた複数の支持柱110cを有し、これら各支持柱110cの間の支持部に前記各遊星歯車108を保持している。つまり、遊星歯車108を支持している支持柱110cは、一端がベース110bに結合され、他端が自由な状態になっている。従って、各支持柱110は片持ち状態であり、応力集中によって基部(ベース110bと支持柱110cとの結合部)にクラックが入る等のおそれがあり強度上の問題があった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、プラネタリキャリアの各支持柱に応力が集中することを避け、剛性を向上させることができる遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載された発明に係る遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置は、内歯歯車と、この内歯歯車の内側の同心円上に配置された太陽歯車と、内歯歯車と太陽歯車の間に配置され、これら両歯車と噛み合ってトルクの伝達を行う遊星歯車と、遊星歯車を公転および自転可能に保持したプラネタリキャリアとを備え、このプラネタリキャリアが、環状のベースとこのベース上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱を有し、これら各支持柱の間に前記遊星歯車を保持した遊星歯車機構を備えており、特に、前記各支持柱の基部の外周面に、R形状の切欠きを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、内歯歯車と、この内歯歯車の内側の同心円上に配置された太陽歯車と、前記内歯歯車と太陽歯車との間に配置され、これら両歯車と噛み合ってトルクの伝達を行う遊星歯車と、遊星歯車を公転および自転可能に保持したプラネタリキャリアとを備え、このプラネタリキャリアが、環状のベースとこのベース上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱を有し、これら各支持柱の間に前記遊星歯車を保持して遊星歯車機構を備えており、特に、前記ベースの上面の、支持柱内面寄りに窪みを設けたことを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置において、前記ベースの上面の、支持柱内面寄りに窪みを設けたことを特徴とするものである。
請求項1に記載した発明に係る遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置では、遊星歯車を保持するプラネタリキャリアが、環状のベース上に直立して所定の間隔で設けられた複数の支持柱を有しており、これら各支持柱はベースに結合されている部分と逆の端部側が開放した状態になっているので、ベースとの結合部に応力が集中しやすいが、各支持柱の基部の外周面にR形状の切欠きを設けたことにより、その部分への応力の集中を避け、支持柱の剛性を向上させることができる。
また、請求項2に記載した発明の構造でも、各支持柱の内面側のベース上面に、窪みを設けたことにより、前記請求項1の構造と同様に、その部分への応力の集中を避け、支持柱の剛性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明の構成では、請求項1に記載の発明の特徴である各支持柱の基部の外周面に、R形状の切欠きを設けた構成と、請求項2に記載の発明の特徴である前記ベースの上面の、支持柱内面寄りに窪みを設けた構成とを組み合わせたので、より一層、支持柱の基部への応力の集中を避け、支持柱の剛性を向上させることができる。
内歯歯車と、この内歯歯車の内周側の同心円上に配置された太陽歯車と、プラネタリキャリアに保持され、外側の内歯歯車と内側の太陽歯車に噛み合ってトルクの伝達を行う遊星歯車を有する遊星歯車機構を備えており、前記プラネタリキャリアが、環状のベースとこのベース上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱を有し、各支持柱の間に前記遊星歯車を回転自在に保持しており、さらに、前記各支持柱の基部の外面に、R形状の切り欠きを設けるという構成により、各支持柱の基部への応力の集中を避けて、各支持柱の剛性を向上させるという目的を達成した。
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は、本発明の一実施例に係る遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置の回転軸線に沿う断面図、図2は、前記車輌用差動歯車装置の回転軸線に直角な断面図である。この差動歯車装置は、円筒状のハウジング2の内部に、内歯歯車4、太陽歯車6、遊星歯車8およびこれら遊星歯車8を保持するプラネタリキャリア10からなる遊星歯車機構が収容されている。
ハウジング2は、円筒の一方側(図1の左側)に底部2aおよび外部に突出する小径の円筒部2bを有しており、このハウジング2の内部の底部2a寄りに、内周面に内歯4aが形成された内歯歯車4が回転自在に収容されている。この内歯歯車4の内部に、内歯歯車4の回転軸線L1と同一軸線を中心に回転する太陽歯車6が配置されている。この太陽歯車6は外周面に歯車6aが形成されている。これら内歯歯車4と太陽歯車6との間に、プラネタリキャリア10に保持された複数個の遊星歯車8が配置されて、前記両歯車4、6に噛み合っている。
プラネタリキャリア10は、前記内歯歯車4および太陽歯車6の回転軸線L1を中心に回転する。そして、このプラネタリキャリア10に保持されている各遊星歯車8は、プラネタリキャリア10の回転によって、その中心軸線L2が前記プラネタリキャリア10の回転軸線L1を中心に回転、つまり公転するとともに、プラネタリキャリア10の保持空間内で、その軸線L2を中心に回転(自転)できるようになっている。この発明の構成では、これら内歯歯車4、太陽歯車6および遊星歯車8はいずれも捩れ歯を有しており、各遊星歯車8がそれぞれ外周側の内歯歯車4と、内周側の太陽歯車6に噛み合っている。
プラネタリキャリア10は、環状のベース10aと、このベース10a上に所定の間隔で、かつ、このベース10aに対して直角に設けられた複数の支持柱10bを有している。また、これら各支持柱10b間に遊星歯車保持部12(後に説明する図3参照)が形成されており、各遊星歯車保持部12内にそれぞれ遊星歯車8が挿入されて保持されている。このプラネタリキャリア10は、支持柱10b間の保持部12内に遊星歯車8を挿入した状態で、支持柱10bのベース10aと逆側の端部(開放端)をハウジング2の底部2a側に向けて、このハウジング2内に挿入されている。そして、前記ベース10aの外周に形成されたスプライン10cを、ハウジング2の開口部内面に形成されたスプライン2cに係合させて、プラネタリキャリア10とハウジング2とを回転方向に連結している。
前記プラネタリキャリア10の各支持柱10bは、図3および図4に示すように、遊星歯車8を保持する両側の側壁10baが、遊星歯車8の歯先径とほぼ一致する内径の円弧状をしており、遊星歯車8の回転時にはその歯先が支持柱10bの側壁10baに摺接する。また、各支持柱10bの内面10bbと外面10bcは同心円であり、外面10bc側が内面10bb側よりも長くなっている。プラネタリキャリア10の各支持柱10bの間が、前記遊星歯車保持部12になっており、この保持部12の底面、つまりベース10aの上面に、遊星歯車8の端面が当接する円形の凹部10aaが形成されている。
さらに、この実施例の特徴として、各支持柱10bの基部(ベース10aと支持柱10bとの結合部)の外面側に、支持柱10bの上下方向に切り欠いたR形状の切欠き10cが形成されている。なお、図4では基部の一方側に形成された切欠き10cが示されているが、基部の他方側(隠れている部分)にも同様の切欠きが形成されていることは言うまでもない。また、遊星歯車10の端面が当接する前記ベース10a上の凹部10aaの内周側に、窪み10dが形成されている。この窪み10dは、その周壁10daがR形状をしている。この窪み10dの周壁10daのRは、前記凹部10aaの周壁10abのRよりも大きいことが好ましい。このようなR形状の切欠き10c、あるいは窪み10dを設けたことにより、支持柱10bの基部への応力の集中を避けることができ、支持柱10bの剛性を向上させることができる。
なお、この実施例では、支持柱10bの外面10bc側にR形状の切欠き10cを、そして、内面10bb側にR形状の周壁10daを有する窪み10dを形成したが、必ずしも両方を備える必要はなく、いずれか一方を設けることによって、応力集中を避け剛性を向上させることができる。
前記内歯歯車4は、円筒状の部分4bとその一端部(図1の左端)から内周側へ伸びる内向きフランジ部4cとを有しており、円筒状の部分4bの内周面に内歯4aが、フランジ部4cの内周面にスプライン溝4dが形成されている。このフランジ部4cのスプライン溝4dに、出力部材14の外周に形成されたスプライン溝14aが嵌合している。
前記太陽歯車6の軸方向の一端面(図1の右端面)とプラネタリキャリア10との間および他端面と内歯歯車4に連結された出力部材14との間にそれぞれ、前記遊星歯車8との相対回転時に発生するスラスト力を受けるワッシャ16A、16B、16Cが配置されている。また、内歯歯車4の軸方向の一端面とプラネタリキャリア10との間および他端面とハウジング2の底部2aとの間にそれぞれ、遊星歯車8との相対回転時に発生するスラスト力を受けるワッシャ18A、18Bが配置されている。
前記構成の車輌用差動歯車装置は、例えば、プラネタリキャリア10がスプライン係合されたハウジング2の外周2dにエンジン側の駆動を伝えるとともに、内歯歯車4にスプライン係合された出力部材14の内周に形成されているスプライン溝14bに、四輪駆動車の前後輪のいずれか一方を、そして、太陽歯車6の内周に形成されたスプライン溝6bに、前後輪の他方をそれぞれ連結する。
以上の構成に係る遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置の作用について、前述のように、ハウジング2、内歯歯車4および太陽歯車6にそれぞれ、四輪駆動車のエンジンおよび前後輪を接続した場合を例として説明する。通常の平坦路を直進走行している時には、前後の駆動輪は同一回転をしているため、内歯歯車4と遊星歯車8と太陽歯車6とは噛み合ったまま相対回転はせずに、この差動歯車装置全体が一体となって前記回転軸線L1を中心に公転する。
コーナリング時など前後駆動輪に回転差が生じたときには、プラネタリキャリア10に保持された遊星歯車8が、前記回転軸線L1を中心に公転しつつその中心軸線L2を中心に自転することによって前記回転差を補正する。つまり、前後駆動輪の回転差により、これら駆動輪にそれぞれ接続されている内歯歯車4と太陽歯車6の一方が加速する方向に、他方が減速する方向に、前記遊星歯車8が自転することにより差動機能を行う。
四輪駆動車等での悪路走行時等において、前後輪のグリップ力に差が生じたときには、この差動歯車装置がトルク分配を行う。つまり、各歯車4、6、8の噛み合いにより発生する摩擦力によって、空転している方の駆動輪の回転力を減じ、その減じられたトルクをそのままトラクションの高い方の駆動輪に伝えることによりトルク分配機能、すなわち差動制限機能を行う。具体的には、一方の駆動輪がスリップすると、内歯歯車4および太陽歯車6と噛み合う遊星歯車8が自転する。これら内歯歯車4、太陽歯車6および遊星歯車8はいずれも捩れ歯を有しており、相対回転すると、互いの回転反力により、軸方向のスラスト力が発生するとともに、プラネタリキャリア10と遊星歯車8との当接面に摩擦力が発生する。この摩擦力が差動制限力となる。また、内歯歯車4および太陽歯車6は軸方向移動可能になっており、そのスラスト力は、プラネタリキャリア8との間のワッシャ16A、16B、18Aまたは出力部材14およびハウジング2との間のワッシャ16C、18Bによって受けられ、そのときに発生する摩擦力も差動制限力となる。
この実施例に係る差動歯車装置では、プラネタリキャリア10の構成が、ベース10a上に所定の間隔で形成されている各支持柱10bの、基部の外面側にR形状の切欠き10cを設けているので、この支持柱10bの基部への応力集中が回避され、支持柱10bの剛性を向上させることができる。また、プラネタリキャリア10のベース10aの上面に、支持柱10bの内面寄りに位置させてR形状の周壁10daを有する窪み10dを設けたことにより、前記切欠き10cと同様に支持柱10bへの応力の集中を避けて、剛性を向上させることができる。
図5および図6は第2の実施例に係る遊星歯車機構を備えた差動歯車装置を示すもので、図5はその回転軸線L1に沿う断面図、図6は前記軸線L1に直交する断面図である。この実施例に示す差動歯車装置は、ベベルギヤ式フロントデフ120と遊星歯車式センターデフ122とを一体とした構成を有している。この車輌用差動歯車装置は、第1ハウジング102Aと第2ハウジング102Bとを突き合わせて構成されたハウジング102の内部に、ベベルギヤ式のフロントデフ120と遊星歯車式のセンターデフ122とが一体的に組み付けられている。
前記ハウジング102の内部に、内周面に内歯104aが形成された内歯歯車104が回転自在に嵌合している。この内歯歯車104の内周側に、内歯歯車104の回転軸線L1と同一軸線を中心に回転する太陽歯車106が配置されている。さらに、前記内歯歯車104と太陽歯車106との間に、プラネタリキャリア110に保持された複数の遊星歯車108が配置されている。遊星歯車108は、プラネタリキャリア110の円周方向に所定の間隔で形成された複数の保持部(空間)内にそれぞれ保持されており、その歯先が保持部の内面に摺接している。なお、この実施例では、プラネタリキャリア110が、第1ハウジング102Aに一体に設けられている。これら内歯歯車104、太陽歯車106、遊星歯車108およびプラネタリキャリア110等により遊星歯車式センターデフ122が構成されている。
プラネタリキャリア110は、前記内歯歯車104および太陽歯車106の回転軸線L1を中心に回転し、このプラネタリキャリア110に保持されている遊星歯車108は、プラネタリキャリア110の回転によって、その中心軸線L2が前記プラネタリキャリア110の回転軸線L1を中心に回転、つまり公転するとともに、プラネタリキャリア110の遊星歯車保持部内で、自らの軸線L2を中心に回転(自転)できるようになっている。この実施例では、これら内歯歯車104、太陽歯車106および遊星歯車108はいずれも捩れ歯を有しており、各遊星歯車108がそれぞれ外周側の内歯歯車104と、内周側の太陽歯車106に噛み合っている。また、前記内歯歯車104の内周側に円筒部104eが形成されてハウジング102から外部に延びており、この円筒部104eにリヤ側の車軸が接続されている。
前記太陽歯車106の内周側には、内面が球面状のケース124が、スプライン106a、124aを介して連結されている。ケース124には、円筒状の壁面を直径方向に貫通する二つの円孔124bが形成され、これら上下の円孔124b内にピニオンピン126の両端が挿入されている。
ピニオンピン126の両端部寄りの外周に、それぞれピニオンギヤ128が嵌合している。これら一対のピニオンギヤ128は、前記遊星歯車式デフ122の内歯歯車104および太陽歯車106の回転軸線L1を中心として左右両側に配置された一対のサイドギヤ130に噛み合っている。前記ケース124の円孔124bに挿通されたピニオンピン126、このピニオンピン126に嵌合した一対のピニオンギヤ128、および左右両側に配置されてピニオンギヤ128に噛み合う一対のサイドギヤ130等によりベベルギヤ式のフロントデフ120が構成されており、左右のサイドギヤ130がそれぞれフロント側の左右車軸に接続されている。
フロントデフ120とセンターデフ122とを一体化した構成の前記差動歯車装置は、例えば、エンジンの駆動力がハウジング102に入力されると、このハウジング102と一体のプラネタリキャリア110が回転し、このプラネタリキャリア110に保持されている遊星歯車108を介して、前記内歯歯車104および太陽歯車106が前記回転軸線L1を中心に回転する。内歯歯車104の中心部寄りに形成された円筒部104eはリヤ側の車軸に接続されており、この内歯歯車104を介して駆動力がリアホイールに伝達される。
また、前記太陽歯車106の回転によりケース124に挿通されたピニオンピン126が回転すると、このピニオンピン126に取り付けられている2個のピニオンギヤ128が、前記内歯歯車104および太陽歯車106の回転軸線(フロントの左右両車軸の中心軸線)L1を中心に回転(公転)する。自動車が平坦路を直進するような場合には、左右の駆動ホイールの回転抵抗が等しいので、左右のサイドギヤ128は同じ回転数でピニオンギヤ128の公転に従って動き、全体が一つのブロックとなって回転する。また、コーナリング時等には、両ピニオンギヤ128がピニオンピン126を中心に回転(自転)することにより、左右両ホイールつまり左右両サイドギヤ130の回転差を補正する。
この実施例では、プラネタリキャリア110がハウジング102と一体になっており、第1実施例の構成と異なっているが、環状のベース110aとこのベース110a上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱110bを有し、これら各支持柱110bの間に前記遊星歯車108を保持している。そして、図示はしないが、第1実施例の図4と同様に、各支持柱110bの基部外面側にR形状の切欠き(図4に符号10cで示す切欠き参照)を設けるとともに、ベース110aの上面の、支持柱110b内面寄りにR形状の周壁を有する窪み(図4に符号10dで示す窪み参照)を設けている。従って、前記第1の実施例と同様の効果を奏することができる。
図7ないし図9は第3の実施例に係る差動歯車装置を示すもので、図7はその内部のプラネタリキャリアおよび遊星歯車を示す断面図、図8はプラネタリキャリアの全体の構成を示す斜視図、図9はプラネタリキャリアの要部を示す説明図である。この実施例は、差動歯車装置としての基本的構成は、前記第1実施例と同様であり、プラネタリキャリア210の構成だけが異なっているので、その部分についてのみ説明し、同一または対応する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
このプラネタリキャリア210は、前記各実施例の構造と同様に、ベース210aおよびこのベース210aに対し直立して設けられた複数の支持柱210bとを有しており、さらに、各支持柱210bの基部の外面側にR形状の切欠き210cが設けられている。なお、この実施例では、切欠き210cは省略しても良い。また、前記各実施例の構成ように、ベース210aの上面の、各支持柱201bの内面寄りにR形状の周壁を有する窪み(図4に符号10dで示す窪み参照)を設けても良い。
さらにこの実施例では、プラネタリキャリア210の各支持柱210bの、前記ベース210aと逆側の端部(開放端)に、環状の連結部材240を嵌着してこれら各支持柱210bの開放端を互いに連結している。連結部材240は、各支持柱210bの先端の形状(図3および図4参照)と同一形状の凹部240aと、各支持柱210bの間に形成されている遊星歯車保持部(遊星歯車8を保持する空間)212の形状と同一形状の凸部240bを有しており、連結部材240の各凹部240aに各支持柱210bの先端を嵌合させることにより、プラネタリキャリア210と連結部材240とを強固に連結している。このように連結部材240により各支持柱210bの先端部を連結しているので、本来の構造が片持ち構造である支持柱210bの剛性を向上させることができる。
図10は第4の実施例に係る遊星歯車機構を備えた差動歯車装置の一部を切断した断面図であり、基本的な構造は、第2実施例と同様の、ベベルギヤ式フロントデフ120と遊星歯車式センターデフ122とを一体とした構成の差動歯車装置であり、プラネタリキャリア310の構成を除いて前記第2実施例と同一の構成なので、同一の部分には図5と同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例でも、前記第3実施例と同様に、プラネタリキャリア310の各支持柱310bの、前記ベース310aと逆側の端部(開放端)に、環状の連結部材340を嵌着してこれら各支持柱310bの先端を互いに連結している。この実施例の構成でも、第3の実施例と同様に支持柱310bの剛性を向上させるという効果を奏することができる。
図11は第5の実施例に係る差動歯車装置の要部を示す図であり、第3および第4実施例では、プラネタリキャリア210、310の各支持柱210b、310bの先端を、環状の連結部材240、340により同時に連結して一体化しているが、この実施例では、各支持柱410b間の空間(遊星歯車保持部412)内にワッシャ状の連結部材440を個々に嵌着して、隣接する支持柱410b間を互いに連結している。この場合も、前記各実施例と同様に片持ち状態の支持柱410bの剛性を向上させることができる。
車輌用差動歯車装置の縦断面図である。(実施例1) 前記差動歯車装置の軸線に直角な断面図である。 図2の要部(A部)を拡大して示す図である。 プラネタリキャリアの要部を拡大して示す斜視図である。 車輌用差動歯車装置の縦断面図である。(実施例2) 前記差動歯車装置の軸線に直角な断面図である。 差動歯車装置のプラネタリキャリアおよび遊星歯車を示す断面図である。(実施例3) 前記差動歯車装置のプラネタリキャリアを示す斜視図である。 図7の要部を示す説明図である。 差動歯車装置のプラネタリキャリアおよび遊星歯車を示す断面図である。(実施例4) 他の実施例に係るプラネタリキャリアの要部を示す図である。 従来の差動歯車装置の縦断面図である。
符号の説明
4 内歯歯車
6 太陽歯車
8 遊星歯車
10 プラネタリキャリア
10a プラネタリキャリアのベース
10b プラネタリキャリアの支持柱
10c R形状の切欠き
10d 窪み
240 連結部材(環状部材)

Claims (3)

  1. 内歯歯車と、この内歯歯車の内側の同心円上に配置された太陽歯車と、内歯歯車と太陽歯車の間に配置され、これら両歯車と噛み合ってトルクの伝達を行う遊星歯車と、遊星歯車を公転および自転可能に保持したプラネタリキャリアとを備え、このプラネタリキャリアが、環状のベースとこのベース上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱を有し、これら各支持柱の間に前記遊星歯車を保持した遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置において、
    前記各支持柱の基部の外面に、R形状の切欠きを設けたことを特徴とする遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置。
  2. 内歯歯車と、この内歯歯車の内側の同心円上に配置された太陽歯車と、内歯歯車と太陽歯車の間に配置され、これら両歯車と噛み合ってトルクの伝達を行う遊星歯車と、遊星歯車を公転および自転可能に保持したプラネタリキャリアとを備え、このプラネタリキャリアが、環状のベースとこのベース上に所定の間隔で直立して設けられた支持柱を有し、これら各支持柱の間に前記遊星歯車を保持した遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置において、
    前記ベースの上面の、支持柱内面寄りに窪みを設けたことを特徴とする遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置。
  3. 請求項1に記載の遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置において、
    前記ベースの上面の、支持柱内面寄りに窪みを設けたことを特徴とする遊星歯車機構を備えた車輌用差動歯車装置。
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