JP2007270770A - ワンウェイクラッチ滑り検出装置、内燃機関制御装置及び内燃機関潤滑機構 - Google Patents

ワンウェイクラッチ滑り検出装置、内燃機関制御装置及び内燃機関潤滑機構 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチの滑りを検出する。更に滑りが生じた場合において円滑な内燃機関運転継続を可能とする。
【解決手段】始動時にリングギヤ回転数NRGと内燃機関回転数NEとの比較(S106)により、NE<NRGであった場合に(S106でyes)、ワンウェイクラッチが滑っていると容易に検出することができる(S108)。この滑りが検出されると警報が出力されるので(S110)、ドライバーにワンウェイクラッチの異常を認識させることができ、その後の対策を迅速に行わせることができる。更にワンウェイクラッチの滑りが検出されると、エコラン制御による内燃機関の自動的な再始動が迅速にできなくなる可能性が生じる。したがって次のエコラン制御による内燃機関停止は実行しないようにしている。このことにより以後の円滑な内燃機関運転継続を可能としている。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置、ワンウェイクラッチの滑り時の対策を実行する内燃機関制御装置、及びこの対策に用いることができる内燃機関潤滑機構に関する。
内燃機関の始動のために、ピニオンギヤとリングギヤとの噛み合いを介して、始動用モータの回転力にてクランキングを実行する内燃機関始動回転力伝達機構が用いられている。このような内燃機関始動回転力伝達機構として、回転力伝達経路にワンウェイクラッチを配置して、始動時に始動用モータの回転力を内燃機関側に伝達すると共に内燃機関始動完了後も上記噛み合いを維持したまま始動用モータの回転を停止できる常時噛み合いタイプが知られている(例えば特許文献1,2参照)。
特開平10−122107号公報(第3頁、図1) 特開昭63−18185号公報(第2頁、図2)
このようなワンウェイクラッチは内燃機関始動完了後には内燃機関側の回転部材の方が始動用モータ側の回転部材よりも高速に回転することにより、ワンウェイクラッチが解放状態となり始動用モータの回転停止を可能としている。この解放状態においては、ワンウェイクラッチにおけるスプラグなどの係合機能部材を、摺動相手の部材に対して十分に低摩擦状態として摩耗を防止する必要があるため、ワンウェイクラッチには潤滑油による潤滑がなされている。
しかしスプラグなどの係合機能部材の滑りが過剰となると、始動時に始動用モータの駆動により係合機能部材を相手部材に係合させようとしても滑りを生じて係合しなくなり、始動が困難となる場合が考えられる。
前記特許文献1,2ではこのようなワンウェイクラッチの滑りは検出していない。このため始動不能に陥ったことが迅速に判明できなかったり、原因特定が困難な場合がある。
更に車両走行停止時に特定条件下に内燃機関運転を自動的に一時停止させるエコランシステム(エコノミーランニングシステム)を搭載している場合には、エコランシステムによる制御、いわゆるエコラン制御にて十分なクランキングが困難となり内燃機関の円滑な再始動に問題を生じるおそれがある。
本発明は、内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチの滑りを検出すること、及びワンウェイクラッチに滑りが生じた場合において円滑な内燃機関運転継続を可能とすることを目的とする。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の回転部材の回転元回転数を検出する回転元回転数検出手段と、前記ワンウェイクラッチよりも前記クランク軸側の回転部材の回転先回転数を検出する回転先回転数検出手段と、内燃機関始動時に、前記回転元回転数検出手段にて検出された回転元回転数と、前記回転先回転数検出手段にて検出された回転先回転数とを比較し、前記回転元回転数が前記回転先回転数を越えている場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段とを備えたことを特徴とする。
始動時に始動用モータが駆動されて回転力を発生すれば、始動用モータ側の回転部材が最初に回転し、これに伴い、ワンウェイクラッチが正常に機能していれば始動用モータからの回転力は始動用モータ側の回転部材からクランク軸側の回転部材へ伝達される。このことで、回転元回転数と回転先回転数とは一致するはずである。その後、内燃機関運転が開始されると始動用モータ側の回転部材よりもクランク軸側の回転部材の回転数が上昇する。このことで回転元回転数よりも回転先回転数の方が高くなるはずである。
したがってワンウェイクラッチが滑っていなければ、回転元回転数が回転先回転数を越えることはない。しかしワンウェイクラッチが滑っていれば、始動時に内燃機関は回転抵抗となるので、回転元回転数が回転先回転数を越えることになる。
このように始動時において、回転元回転数検出手段により検出される回転元回転数が回転先回転数検出手段により検出される回転先回転数を越えていることに基づいて、ワンウェイクラッチの滑りの発生を検出することができる。
請求項2に記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の回転部材の回転元回転数を検出する回転元回転数検出手段と、前記回転元回転数検出手段にて検出された回転元回転数の変動周期を検出する回転元回転数変動周期検出手段と、内燃機関始動時に、前記回転元回転数変動周期検出手段により検出された回転元回転数の変動周期が、該回転元回転数に対応した変動周期より長い場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段とを備えたことを特徴とする。
内燃機関のクランキング時には内燃機関内の気筒の行程状態によって回転抵抗が変動する。したがってこの回転抵抗に対応した変動負荷が始動用モータ側の回転部材にも掛かることにより回転元回転数が周期的に変動する。ワンウェイクラッチが滑りを生じていなければ、回転元回転数とクランク軸側の回転とは連動し、回転抵抗変動の周期は回転元回転数に対応したものとなる。したがって回転元回転数の高さに対応して一意的に回転元回転数の変動周期は決定される。しかしワンウェイクラッチが滑りを生じていると、回転元回転数の高さに対応して一意的に回転元回転数の変動周期は決定されず、滑りを生じていない場合よりも周期が長くなり、回転元回転数の変動周期が回転元回転数に対応した変動を示さなくなる。
したがって、このように回転元回転数の変動周期が回転元回転数に対応した変動周期よりも長い場合に、ワンウェイクラッチには滑りが発生していると検出することができる。
請求項3に記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の負荷を検出する回転元負荷検出手段と、内燃機関始動時に、前記回転元負荷検出手段により検出された負荷が、内燃機関の正常なクランキングに対応した基準負荷より小さい場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段とを備えたことを特徴とする。
始動用モータ側では、内燃機関の正常なクランキング時には内燃機関側から回転抵抗を受け、この回転抵抗に対応した負荷が始動用モータ側に生じる。もしワンウェイクラッチが滑りを生じていれば、この負荷は小さくなり、あるいは無くなる。
このため始動用モータ側の負荷が、内燃機関の正常なクランキングに対応した負荷より小さい場合に、ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出することができる。
請求項4に記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記滑り検出手段は、前記ワンウェイクラッチに滑りが発生していると検出した場合には、警報を発生することを特徴とする。
このように警報を発生させることにより、内燃機関の管理者、例えば車両用内燃機関ならばドライバーにワンウェイクラッチの滑り異常を認識させることができ、その後の対策を迅速に行わせることができる。
請求項5に記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記ワンウェイクラッチは、内燃機関の回転出力軸に連結されたアウターレース部材と、始動用モータからの回転駆動力が伝達されるリングギヤとの間に配置されていることを特徴とする。
上述したごとくに配置されたワンウェイクラッチに対して、ワンウェイクラッチ滑り検出装置を適用でき、ワンウェイクラッチの滑りの発生を検出することができる。
請求項6に記載の内燃機関制御装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが基準回数あるいは基準時間検出されると、前記エコラン手段による内燃機関運転の自動停止を禁止する自動停止禁止手段とを備えたことを特徴とする。
ワンウェイクラッチの滑りが生じると、エコラン手段による自動的な運転停止を行ってもその後に必要な自動的な再始動が困難となる可能性がある。したがってワンウェイクラッチの滑りが基準回数あるいは基準時間検出されると、自動停止禁止手段がエコラン手段による内燃機関運転の自動停止を禁止することにより、以後のエコラン手段による制御が実質的に禁止される。尚、車両ドライバーによるキー始動は可能である。このことで以後の円滑な内燃機関運転継続を可能として退避走行等の車両走行ができるようにしている。
請求項7に記載の内燃機関制御装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるワンウェイクラッチ高摩擦化手段とを備えたことを特徴とする。
このようにワンウェイクラッチの滑りが検出されると、ワンウェイクラッチ高摩擦化手段がワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるので、エコラン手段による自動的な再始動、あるいはこの再始動ができないときにはキー操作による手動での始動が可能となる。このことにより、それ以後の円滑な内燃機関運転継続を可能となり、退避走行等の車両走行ができるようにしている。
請求項8に記載の内燃機関制御装置は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるワンウェイクラッチ高摩擦化手段と、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段により前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めた回数が基準回数を越えた場合に、内燃機関運転の自動停止を禁止する自動停止禁止手段とを備えたことを特徴とする。
このようにワンウェイクラッチの滑りが検出されると、ワンウェイクラッチ高摩擦化手段がワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるので、エコラン手段による自動的な再始動が可能となる。しかし滑り摩擦力を高めても、更にこれを繰り返しても滑りが解消されなかった場合にはワンウェイクラッチの滑りが深刻であることが判明する。
このため自動停止禁止手段は、ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めた回数が基準回数を越えた場合には内燃機関運転の自動停止を禁止している。尚、車両ドライバーによるキー始動は可能である。このことにより、以後のエコラン手段による制御は禁止されるので、以後の円滑な内燃機関運転継続を可能として退避走行等の車両走行ができるようにしている。
請求項9に記載の内燃機関制御装置では、請求項7又は8において、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチに供給する潤滑油を、より潤滑性の低い潤滑油に切り替えることにより前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする。
このことによりワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を容易に高めることができるので、エコラン手段による自動的な再始動を迅速にできるようになる。
請求項10に記載の内燃機関制御装置では、請求項9において、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチに供給する潤滑油よりも、潤滑促進剤の含有量が少ない又は潤滑促進剤が含まれていない潤滑油に切り替えることにより前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする。
この潤滑促進剤の含有量を低減した又は潤滑促進剤が存在しない潤滑油によりワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を容易に高めることができる。したがってエコラン手段による自動的な再始動を迅速にできるようになる。
請求項11に記載の内燃機関潤滑機構は、始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた内燃機関における潤滑機構であって、通常時に前記ワンウェイクラッチへ供給される潤滑油よりも潤滑性が低い潤滑油を、指示に応じて前記ワンウェイクラッチへ供給可能な低潤滑性潤滑油供給手段を備えたことを特徴とする。
このような低潤滑性潤滑油供給手段を備えて、必要に応じて通常時より潤滑性が低い潤滑油を供給するように指示することにより、ワンウェイクラッチにおける摩擦性を容易に上昇させることができる。このことによりワンウェイクラッチに滑りが生じた場合などにおいて、低潤滑性潤滑油の供給を指示するのみで容易にワンウェイクラッチの滑り抑制を実現することができる。
請求項12に記載の内燃機関制御装置では、請求項7〜10のいずれかにおいて、前記車両用内燃機関は請求項11に記載の内燃機関の潤滑機構を備えており、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記低潤滑性潤滑油供給手段に前記ワンウェイクラッチへ前記潤滑性が低い潤滑油の供給を指示することにより、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする。
このように内燃機関制御装置において請求項11の構成を採用することで、低潤滑性潤滑油の供給を指示するのみで容易にワンウェイクラッチの滑り摩擦力を高めることができ、エコラン手段による自動的な再始動を迅速にできるようになる。
請求項13に記載の内燃機関制御装置では、請求項6〜10、12のいずれかにおいて、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段として、請求項1〜5のいずれかに記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置を用いたことを特徴とする。
このようにワンウェイクラッチの滑り検出に、請求項1〜5のいずれかのワンウェイクラッチ滑り検出装置を用いることで容易にワンウェイクラッチの滑りが検出でき、迅速に対応することができる。
[実施の形態1]
図1に車両用内燃機関にてクランク軸2(回転出力軸に相当)の後端部2a近傍に設けられた内燃機関始動回転力伝達機構を縦断面で示す構成及び内燃機関制御装置の構成説明図を示す。ここでクランク軸2の後端部2aはクラッチ(又はトルクコンバータ)側へ内燃機関の回転駆動力を伝達する側である。図2はクランク軸2を図1に示す垂直面A−Aで破断して右側(後方側)の構成を示した断面図である。尚、内燃機関としてはガソリンエンジンとして説明するが、ディーゼルエンジンに適用できる。
シリンダブロック4とラダービーム6とによりジャーナル軸受部が構成されて、クランク軸2はジャーナル2bの部分で回転可能にシリンダブロック4に支持されている。このことによりクランク軸2は、後端部2a側がシリンダブロック4の後部から水平に突出した状態で配置されている。このクランク軸2の後端部2aとジャーナル2bとの間に形成された大径部8の周面には、ころがり軸受、ここでは玉軸受10を介してリングギヤ12が取り付けられ、大径部8の後端面にはアウターレース部材14、フライホイール(又はドライブプレート)16がボルト18により固定されている。このことによりアウターレース部材14は、フライホイール16と共にクランク軸2と連動して一体で回転する。
リングギヤ12は、図3,4に示すごとく中心部が大きく開口すると共に、径方向にて全周に渡って直角に屈曲された屈曲部12aを設けた円板状に形成されている。図3の(A)は正面側から見た斜視図、(B)は正面図、(C)は右側面図、図4の(A)は背面側から見た斜視図、(B)は背面図、(C)は左側面図である。
リングギヤ12の中心側における開口内縁部分にはフランジ状にワンウェイクラッチ20用のインナーレース22を設けている。リングギヤ12の外周側にはリング状にギヤ部12bを備えている。リングギヤ12は、インナーレース22部分において、ワンウェイクラッチ20が構成されている側とは反対側、すなわち中心側(回転軸C側)の面にて、前述したごとく玉軸受10を介してクランク軸2の大径部8の外周に取り付けられている。
リングギヤ12のギヤ部12bは、図2に示したごとく始動用モータ26にて回転されるピニオンギヤ28に常時噛み合わされており、内燃機関始動時に図示するごとく矢印Ax方向に回転するピニオンギヤ28を介して始動用モータ26から回転力を受けることによりリングギヤ12は矢印Ay方向に回転する。
インナーレース22と屈曲部12aとを連絡している平板リング状の中心部領域12cには、中心部領域12cの表裏に貫通したオイル戻し孔12dが回転軸C周りに等位相間隔で形成されている。ここでは6つの同一形状のオイル戻し孔12dが設けられている。
リングギヤ12の屈曲部12aとギヤ部12bとを接続する径方向中間領域12eには、6つの空隙12fが形成されており、このことにより空隙12fの間がスポーク12gとして形成されている。
アウターレース部材14は、図5に示すごとく中心部が開口部14aを形成すると共に、最外周部に直立する縁状にワンウェイクラッチ20用のアウターレース30を設けた円板状である。開口部14aを取り囲むようにクランク軸2の大径部8にボルト締結するためのボルト貫通孔14bが複数、ここでは8つ設けられている。図5の(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は右側面図、(D)は正面側から見た斜視図、(E)は背面側から見た斜視図である。
アウターレース部材14を、図1に示したごとくクランク軸2の大径部8の後端面に取り付けることでリングギヤ12に対して組み合わせた場合には、アウターレース部材14の外周側にあるアウターレース30は、リングギヤ12の内周側にあるインナーレース22に径方向にて対向して配置される。このアウターレース30の配置時に、あるいは配置に先立って、リングギヤ12側のインナーレース22上には、スプラグ20aとケージ20bとが配置され、これらをインナーレース22とアウターレース30とにより挟持することでワンウェイクラッチ20が構成される。
このように構成されたワンウェイクラッチ20は、リングギヤ12側からアウターレース部材14へ、始動用モータ26の回転力を伝達する一方向(図2における矢印Ay方向)での回転の場合には、アウターレース部材14とリングギヤ12とを係合状態とする。このことで始動用モータ26の回転力をクランク軸2に伝達して回転させ、始動用モータ26の出力によりクランキングさせることができる。内燃機関が運転を開始することで内燃機関出力によってクランク軸2に連動するアウターレース部材14の回転が、始動用モータ26の出力によるリングギヤ12の回転よりも速くなると、ワンウェイクラッチ20は解放状態となりクランク軸2側から始動用モータ26側への回転力伝達は阻止される。こうしてピニオンギヤ28とリングギヤ12とが常時噛み合い状態でも、内燃機関の始動完了後には始動用モータ26は停止可能となる。
玉軸受10及びワンウェイクラッチ20の潤滑のために、シリンダブロック4内の油路4aを介して図示矢線のごとく潤滑油Ojが玉軸受10に対して噴射されている。更にシリンダブロック4内やクランク軸2内の油路から潤滑油Orがクランク軸2のジャーナル2bの摺動面に供給され、この潤滑油Orも一部が玉軸受10側へ流れている。玉軸受10に供給されたこれら潤滑油Oj,Orは、玉軸受10内を通過して、更にワンウェイクラッチ20へも流れ込む。ワンウェイクラッチ20から流れ出た潤滑油はオイル戻し孔12dを通過してオイルパン32側に戻される。
この潤滑油Oj,Orは、クランク軸2の回転により駆動されるオイルポンプPにより汲み上げられて加圧された潤滑油が潤滑油供給油路Oaを経由して供給されているものである。この潤滑油Oj,Orはモリブデン系化合物(二硫化モリブデンや有機モリブデン化合物)からなる潤滑促進剤が添加剤として配合されている。この潤滑促進剤は、内燃機関各部にて表面被膜となることにより、潤滑促進剤が配合されていない場合に比較して摩擦を十分に低減させ潤滑性を高めている。尚、モリブデン系化合物の添加剤以外にテフロン(登録商標)系等の添加剤を用いても良い。
この潤滑油Oj,Orが外部へ漏出することを防止するために、リング状シール部材として第1オイルシール部材34及び第2オイルシール部材36が備えられている。第1オイルシール部材34は、アウターレース30と屈曲部12aとの間に配置されている。この第1オイルシール部材34は、屈曲部12aの内周面側に嵌合されることでリングギヤ12側に固定されている。このことで第1オイルシール部材34の内周側に形成されているシールリップ34aは、アウターレース30の外周面であるシール摺動面30aに摺動可能に接触している。こうして第1オイルシール部材34はアウターレース部材14とリングギヤ12との間のオイルシールを実行している。
第2オイルシール部材36は、屈曲部12aに対して第1オイルシール部材34とは反対側(外側)に配置されている。この第2オイルシール部材36は、クランク軸2より上方側では主にシリンダブロック4の円弧状シール嵌合部4bの内周面に、クランク軸2より下方側では主にオイルパン32の後端にある円弧状シール嵌合部32aの内周面に嵌合されることで、図示する位置に固定されている。このことで第2オイルシール部材36の内周側に形成されているシールリップ36aは、屈曲部12aの外周面に摺動可能に接触している。こうしてリングギヤ12と内燃機関(ここではシリンダブロック4及びオイルパン32)との間のオイルシールを実行している。
内燃機関制御用ECU44は、マイクロコンピュータを中心として構成された電子制御回路であり、入出力インターフェースや各種デバイスのドライバー回路を備えている。このことで内燃機関回転数センサ46、リングギヤ回転数センサ48、吸気バルブリフト量センサ(又はスロットル開度センサ)、アクセル開度センサ、クラッチスイッチ、ブレーキスイッチ、空燃比センサ、車速センサ、冷却水温センサ等の各種センサ類から内燃機関の運転状態を検出している。尚、内燃機関回転数センサ46はクランク軸2の回転数NEを検出するセンサであり、リングギヤ回転数センサ48はリングギヤ12の回転数NRGを検出するセンサである。
更に内燃機関制御用ECU44は、別途備えられている変速制御用ECU等の間で検出データや演算データの交換を実行している。そして内燃機関制御用ECU44はこれらのデータに基づいて演算や内燃機関における燃料噴射量制御、バルブリフト量(又はスロットル開度)制御、始動用モータ26による始動制御、エコラン制御等の各種の内燃機関制御を実行している。また車両や内燃機関の運転情報、あるいは各種異常などの警報は、車両のダッシュボードに設けられたディスプレイ50に表示している。
次に内燃機関制御用ECU44が内燃機関制御の1つとして実行するOWC(「ワンウェイクラッチ」の略)滑り検出制御と、この検出結果に基づいて行われる制御について説明する。
図6はOWC滑り検出処理のフローチャートである。本処理は周期的に、ここでは一定時間周期で割り込み実行される処理である。なお個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まず現在始動中か否かが判定される(S100)。すなわち始動用モータ26が十分な回転数にてクランキングを開始しており、未だ内燃機関運転が運転開始(始動完了)を判定する回転数まで上昇していない状態であるか否かが判定される。始動用モータ26が十分な回転数にてクランキングを開始しているかは、例えば始動用モータ26の駆動開始からの時間経過にて判断しても良い。
ここで始動中でなければ(S100でno)、このまま一旦本処理を終了する。イグニッションキーによるドライバーの手動による始動中、あるいは前述したエコラン制御による始動中であれば(S100でyes)、次に滑りフラグFslipがOFFか否かが判定される(S101)。ここで内燃機関制御用ECU44の不揮発性メモリに記憶されている滑りフラグFslipの初期設定値はOFFであり、この初期設定状態が維持されていれば(S101でyes)、次に内燃機関回転数NEの読み込みがなされる(S102)。この内燃機関回転数NEは、内燃機関制御用ECU44が別途、内燃機関回転数センサ46から検出した値に基づいて繰り返し算出して更新しつつメモリに保持している値である。
次にリングギヤ回転数NRGが読み込まれる(S104)。このリングギヤ回転数NRGは、内燃機関制御用ECU44が別途、リングギヤ回転数センサ48から検出した値に基づいて繰り返し算出して更新しつつメモリに保持している値である。
次に内燃機関回転数NEとリングギヤ回転数NRGとを比較して、NE<NRGか否かが判定される(S106)。ここでワンウェイクラッチ20が完全に係合して、始動用モータ26の回転力によりリングギヤ12とアウターレース部材14とが一体に回転している場合には、NE=NRGである。又、内燃機関において燃焼が開始して内燃機関が回転し始めると内燃機関回転数NEが上昇しNE>NRGとなる。
これらは共にワンウェイクラッチ20の滑りが検出されていないことを示している(S106でno)。したがってこのままOWC滑り検出処理(図6)を一旦終了する。以後、始動中であり、ワンウェイクラッチ20が滑りを生じたと検出されない限り、上述したごとくの処理が繰り返されるので、ステップS108は処理されず、滑りフラグFslip=OFFの状態を維持する。
そして始動が完了すれば(S100でno)、OWC滑り検出処理(図6)では実質的な処理はなされなくなるので、滑りフラグFslip=OFFが維持される。
しかし始動中にNE<NRGとなると(S106でyes)、ワンウェイクラッチ20が滑っていなければ生じない状態であることから、ワンウェイクラッチ20の滑りが検出されたとして、滑りフラグFslipにONを設定する(S108)。そして警報が出力される(S110)。警報出力としては、ここではディスプレイ50に「クランキング異常」や「再始動異常」と言ったワンウェイクラッチ滑り異常を示す表示がなされる。
このことにより次の制御周期では始動中(S100でyes)であっても、Fslip=ONであることから(S101でno)、このままOWC滑り検出処理(図6)を終了するようになる。以後、Fslip=ONが維持される。
次に図7のフローチャートに示すエコラン制御について説明する。本処理は一定時間周期で割り込み実行される。本処理が開始されると、まずエコラン禁止フラグFpeがOFFか否かが判定される(S150)。ここで内燃機関制御用ECU44の不揮発性メモリに記憶されているエコラン禁止フラグFpeの初期設定値はOFFであり、この初期設定状態が維持されていれば(S150でyes)、次にエコラン内燃機関停止条件が成立しているか否かが判定される(S152)。
エコラン内燃機関停止条件としては、内燃機関運転中であることを前提条件として、例えば次のような条件の論理積である。
(a1)内燃機関が暖機後でありかつ過熱していない状態(内燃機関冷却水温が、予め設定した水温上限値よりも低くかつ水温下限値より高い)。
(a2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アクセル開度0%)。
(a3)ブレーキペダルが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチがオン)。
(a4)車両が停止している状態(車速が0km/h)。
(a5)変速機(ここでは手動変速機)のシフトがニュートラル(自動変速機ならばP、Nのいずれか)。
、内燃機関運転中であって、これらの条件(a1)〜(a5)が全て満足された場合にエコラン内燃機関停止条件が成立したと判定される。
ここで内燃機関運転中であるが、上記条件(a1)〜(a5)の内の一つでも満足されていない場合にはエコラン内燃機関停止条件は不成立として(S152でno)、次にエコラン内燃機関再始動条件が成立しているか否かが判定される(S156)。エコラン内燃機関再始動条件としては、エコラン制御での内燃機関停止状態であるとの前提条件下に、例えば、前記条件(a1)〜(a5)が一つでも満足されなくなった場合に成立する。
ここでエコラン制御での内燃機関停止状態ではない場合にはエコラン内燃機関再始動条件の前提条件が不成立として(S156でno)、一旦本処理を終了する。
エコラン制御(図7)において上述した処理を繰り返す内に、例えば、ドライバーが、交差点等にて車両を停止させたことにより、エコラン内燃機関停止条件が成立すると(S152でyes)、次に内燃機関停止が実行される(S154)。すなわち内燃機関制御用ECU44は内燃機関の全気筒において燃料噴射弁からの燃料噴射を停止し、吸気バルブのリフト量(あるいはスロットル開度)を全閉状態(0%)とする。このことにより全気筒の燃焼室内での燃焼が停止して、内燃機関運転は停止する。
次の制御周期では、ステップS150でyesと判定された後に、既に内燃機関は停止されたので(S152でno)、エコラン内燃機関再始動条件が成立しない限り(S156でno)、このまま処理を一旦終了する。以後、エコラン内燃機関再始動条件が成立しない限り、ステップS150でyes、ステップS152でno、ステップS156でnoと判定される処理が継続する。このことによりエコラン制御上での内燃機関停止状態が継続する。
そしてドライバーが車両走行を開始しようとしてブレーキを離すと、ブレーキスイッチがオフとなり、エコラン制御上の内燃機関停止状態にて条件(a3)が不成立となる。したがってステップS156でyesと判定され、内燃機関の再始動処理が行われる(S158)。すなわち内燃機関制御用ECU44は始動用モータ26を駆動することにより、ピニオンギヤ28に常時噛み合い状態にあるリングギヤ12を回転させ、ワンウェイクラッチ20を介してアウターレース部材14を回転させる。このことによりクランク軸2を回転させてクランキングを開始する。
次に滑りフラグFslipがONか否かが判定される(S160)。始動中では前述したOWC滑り検出処理(図6)にてワンウェイクラッチ20の滑りを検出する処理(S102〜S106)が実行されるが、この処理によって滑りフラグFslipがONとされない限り、ステップS160ではnoと判定される。そして次に再始動処理の継続が基準時間(又はクランク軸2における基準回転回数)未満か否かが判定される(S164)。この判定は、再始動が困難である状態で長期間にわたる再始動処理の継続を防止するためである。したがって再始動処理の継続が長期間にわたる場合には(S164でno)、再始動処理(S158)を停止するためにエコラン停止状態が解除され、キー始動要求がディスプレイ50に表示される(S166)。
ここで再始動処理の継続が基準時間未満であれば(S164でyes)、このまま本処理を一旦終了する。以後、内燃機関が始動を完了してステップS156でnoと判定されるまで、あるいはステップS164にてnoと判定されるまでは、始動用モータ26によるクランキング(S158)が繰り返される。
NE<NRGとならずに(図6:S106でno)、すなわち滑りフラグFslip=OFFのままで、内燃機関の始動が完了すれば、エコラン内燃機関再始動条件の前提条件が不成立となるので(S156でno)、始動用モータ26によるクランキングは終了することになる。そして滑りフラグFslip=OFFのままで内燃機関は再始動されたので、以後、次のエコラン制御による内燃機関停止まで、ステップS150にてyes、ステップS152及びステップS156にてnoと判定される処理が繰り返される。このようにステップS152の判定がなされることから、エコラン制御による内燃機関停止は可能である状態が維持される。
上述したエコラン制御による内燃機関再始動のためのクランキング(S158)中に、NE<NRGとなり(図6:S106でyes)、滑りフラグFslip=ONが設定された場合(図6:S108)には、ワンウェイクラッチ20の係合が十分でないことから、ステップS160にてyesと判定される。このことによりエコラン禁止フラグFpeにはONが設定される(S162)。そして再始動処理の継続が基準時間未満であれば(S164でyes)、一旦本処理を終了する。
次の制御周期においては、エコラン禁止フラグFpe=ONであることから(S150でno)、ステップS152の判定を行わずにステップS156の判定を行う。したがってエコラン制御上での内燃機関始動が完了していない間は(S156でyes)、再始動処理(S158)が継続される。
そしてワンウェイクラッチ20において滑りが存在しても完全な滑りでなくクランキングが有効に行われて内燃機関始動が完了すれば、ステップS156でnoと判定されて、ステップS158は実行されなくなるので始動用モータ26の駆動は停止することになる。しかし、これ以降のエコラン制御(図7)においては、エコラン禁止フラグFpe=ONとなっていることからステップS150にてnoと判定される状態となり、ステップS152でのエコラン内燃機関停止条件成立は判定されなくなる。このためエコラン制御による内燃機関停止はなされなくなる。
尚、ワンウェイクラッチ20の滑りによりクランキングが不完全となり、内燃機関の再始動処理(S158)の継続が基準時間以上となった場合には(S164でno)、エコラン停止状態解除とキー始動要求が行われる(S166)。このエコラン停止状態解除により、エコラン制御での内燃機関停止状態であるとの前提条件が不成立となり、次の制御周期においてエコラン内燃機関再始動条件は成立せず(S156でno)、エコラン制御による再始動(S158)は行われなくなる。このため警報を認知したドライバーによるキー操作での始動となる。このキー操作時に或程度のワンウェイクラッチ20の係合がなされて内燃機関が始動しても、以後、ステップS150にてnoと判定される状態となり、ステップS152でのエコラン内燃機関停止条件成立は判定されなくなるので、以後、エコラン制御による内燃機関停止はなされなくなる。
図8のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20は正常に係合して内燃機関のエコラン制御による再始動が完了した例を示している。すなわち再始動が開始されると(t0:S156でyes、S158)、始動用モータ26の回転に伴って、リングギヤ回転数NRGも内燃機関回転数NEも共に同一値で推移し(S106でno)、内燃機関が運転を開始すると(t1)、NE>NRGとなってワンウェイクラッチ20が解放される。そして、内燃機関回転数NEが始動完了回転数を越えることにより内燃機関が運転を開始したと判定されて、再始動が終了する(t2:S156でno)。この場合にはエコラン禁止フラグFpeはOFFのままであるので、次のエコラン制御による内燃機関停止は可能となる。
図9のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑ることにより内燃機関が再始動しなかった場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t10:S156でyes、S158)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇しても、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGより低い回転数となる(t11:S106でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(S108)、警報が出力され(S110)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされる(t12:S162)。そして再始動状態のまま基準時間(又は基準回転回数)が経過することにより(t13:S164でno)、エコラン停止状態が解除されキー始動用要求がなされる(S166)。この後、ドライバーがキー操作による始動を実行することにより、始動する場合もあれば、始動しない場合もある。そして始動した場合も、以後はエコラン禁止フラグFpe=ONであるので(S150でno)、以後、エコラン制御による内燃機関停止はなされない。
図10のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑りを生じたが内燃機関は再始動した場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t20:S156でyes、S158)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇しても、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGより少し低い回転数となっている(t21:S106でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(S108)、警報が出力され(S110)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされる(t22:S162)。しかしその後、ワンウェイクラッチ20の滑りの程度が弱いことから内燃機関が運転を開始すると(t23)、NE>NRGとなってワンウェイクラッチ20が解放される(t24)。そして内燃機関回転数NEが始動完了回転数を越えることにより再始動が終了する(t25:S156でno)。ただし、この場合にはエコラン禁止フラグFpeはONに設定されているので、以後のエコラン制御による内燃機関停止はなされない。
上述した構成において、請求項との関係は、リングギヤ12が始動用モータ側の回転部材に、リングギヤ回転数NRGが回転元回転数に、リングギヤ回転数センサ48が回転元回転数検出手段に相当する。クランク軸2がクランク軸側の回転部材に、内燃機関回転数NEが回転先回転数に、内燃機関回転数センサ46が回転先回転数検出手段に相当する。図1の構成が内燃機関制御装置、ワンウェイクラッチ滑り検出装置、及びワンウェイクラッチ滑り検出手段に相当する。内燃機関制御用ECU44の処理の内、OWC滑り検出処理(図6)がワンウェイクラッチ滑り検出手段としての処理に相当する。図6のステップS106,S108,S110が滑り検出手段としての処理に相当する。
エコラン制御(図7)の内、ステップS152,S154,S156,S158がエコラン手段としての処理に相当し、ステップS150,S160,S162が自動停止禁止手段としての処理に相当する。尚、本実施の形態における自動停止禁止手段ではワンウェイクラッチ20の滑りが、基準回数として1回検出されるとエコラン手段による内燃機関運転の自動停止を禁止している。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).始動時(本実施の形態では、エコラン制御による始動時と、キー操作によるドライバー手動の始動時とのいずれにおいても)では、始動用モータ26が内燃機関制御用ECU44により駆動されて回転力を発生する。このことにより始動用モータ26側のリングギヤ12が最初に回転し、これに伴い、ワンウェイクラッチ20が正常に係合していれば始動用モータ26からの回転力はリングギヤ12からワンウェイクラッチ20とアウターレース部材14とを介してクランク軸2へ伝達される。この場合はリングギヤ回転数NRGと内燃機関回転数NEとは一致するはずである。その後、内燃機関運転が開始されるとリングギヤ12よりもクランク軸2の方が高速に回転するようになる。このことでリングギヤ回転数NRGよりも内燃機関回転数NEの方が高くなるはずである。
したがってワンウェイクラッチ20が滑っていなければ、リングギヤ回転数NRGが内燃機関回転数NEを越えることはない。ワンウェイクラッチ20が滑っていれば、少なくとも始動時に内燃機関は回転抵抗となるので、リングギヤ回転数NRGが内燃機関回転数NEを越える。
したがってOWC滑り検出処理(図6)では、始動時において、リングギヤ回転数NRGと内燃機関回転数NEとの比較(S106)により、NE<NRGであった場合に(S106でyes)、ワンウェイクラッチ20が滑っていると検出することができる(S108)。
(ロ).OWC滑り検出処理(図6)にてワンウェイクラッチ20の滑りが検出されると警報が出力されて(S110)ドライバーに知らされる。したがってドライバーにワンウェイクラッチ20の異常を認識させることができ、その後の対策を迅速に行わせることができる。
(ハ).OWC滑り検出処理(図6)によりワンウェイクラッチ20の滑りが検出されると、エコラン制御による自動的な運転停止(S154)を行っても、その後に必要となる内燃機関の自動的な再始動(S158)が迅速にできなくなる可能性が生じる。したがってエコラン制御(図7)では、エコラン禁止フラグFpeにONを設定することで(S162)、次のエコラン制御による内燃機関停止(S154)は実行しないようにしている(S150でno)。このことにより以後の円滑な内燃機関運転継続を可能としているので、退避走行等の車両走行ができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、図11の縦断面図に示すごとくの内燃機関潤滑機構が設けられている。すなわちオイルポンプPからの潤滑油供給油路Oaの途中にはチェックバルブ52を介して電磁切換バルブ54が設けられ、この電磁切換バルブ54とチェックバルブ52とを介してアキュムレータ56が潤滑油供給油路Oaに接続されている。これ以外の機械的構成は前記実施の形態1と同じであり、図1と同一の構成については同一の符号にて示している。
アキュムレータ56内には、前記実施の形態1にて説明した潤滑促進剤を含んでいない潤滑油が加圧状態で収納されている。以下、潤滑促進剤を含んでいない潤滑油を高μ潤滑油と称する。通常時に用いられる潤滑促進剤を含んでいる潤滑油を低μ潤滑油と称する。尚、アキュムレータ56内の高μ潤滑油の圧力は、オイルポンプPが低μ潤滑油を圧送している状態でも、潤滑油供給油路Oa内に高μ潤滑油を送り出せるように設定されている。
尚、電磁切換バルブ54は通常時では閉弁状態にあるので、アキュムレータ56内の高μ潤滑油が潤滑油供給油路Oa内に送り込まれることはない。この電磁切換バルブ54は内燃機関制御用ECU(電子制御ユニット)44により開閉が制御される。
前記内燃機関制御用ECU44にて実行される制御は、前記実施の形態1のOWC滑り検出処理(図6)の代わりに、図12に示すOWC滑り検出処理が実行される。尚、このOWC滑り検出処理(図12)のステップS200〜S210の各処理は、図6におけるステップS100,S102〜S110と同じである。すなわちステップS101が無く、始動中であると判定されると(S200でyes)、直ちに内燃機関回転数NEの読み込み(S202)を実行している。更に、内燃機関回転数NE≧リングギヤ回転数NRGと判定されると(S206でno)、滑りフラグFslipをOFFに設定している(S212)。したがって一旦、NE<NRGとなって(S206でyes)、滑りフラグFslip=ONとなっても(S208)、NE≧NRGとなれば(S206でno)、滑りフラグFslip=OFFに戻すこと(S212)ができることを意味する。尚、同一の始動時において、一旦、NE<NRGとなってからNE≧NRGとなるのは、ワンウェイクラッチ20の滑りが解消した場合と、ワンウェイクラッチ20が少し滑っていたとしても内燃機関の運転を再開できた場合の両方の場合が含まれる。
エコラン制御としては前記実施の形態1のエコラン制御(図7)の代わりに図13に示す処理が実行される。本処理においてステップS252〜S260は前記図7のステップS152〜S160と同じ処理内容である。
エコラン制御(図13)について特に図7と異なる点を中心に説明する。本処理は一定時間周期で割り込み実行される。
エコラン制御による内燃機関停止中に、エコラン内燃機関再始動条件が成立すると(S256でyes)、内燃機関の再始動処理が行われ(S258)、このことにより始動用モータ26が駆動されてクランキングを開始する。
次に滑りフラグFslipがONか否かが判定される(S260)。始動中となると、前述したOWC滑り検出処理(図12)にてワンウェイクラッチ20の滑りを検出する処理(S202〜S206)が実行されるが、この処理によって滑りフラグFslipがONとされない限り、ステップS260ではnoと判定される。そして後述する高μ潤滑油定量放出が行われていた場合は、その放出処理を中止して(S266)、本処理を一旦終了する。
一方、ワンウェイクラッチ20の滑りが検出されることでOWC滑り検出処理(図12)にて滑りフラグFslip=ONとされた場合には(S260でyes)、高μ潤滑油の定量放出処理がなされる(S262)。高μ潤滑油の定量放出処理は、電磁切換バルブ54を一定時間毎に一時的な開放を実行することによりアキュムレータ56内にて高圧状態で収納されている高μ潤滑油を潤滑油供給油路Oaへ定量放出する処理である。本処理により、潤滑油供給油路Oaから玉軸受10を介してワンウェイクラッチ20へ高μ潤滑油が供給される。このことによりワンウェイクラッチ20は潤滑促進剤を含んでいない高μ潤滑油にて洗浄される。このためワンウェイクラッチ20、特にスプラグ20a、インナーレース22及びアウターレース30の表面に付着していた潤滑促進剤が一時的に除去される。したがって今までよりもワンウェイクラッチ20での摩擦力が高まり係合力が強くなってワンウェイクラッチ20の滑りが少なくあるいは滑りが無くなる。尚、玉軸受10やクランク軸2のジャーナル2b部分も高μ潤滑油にて洗浄されるが、玉軸受10は転がり軸受なので大きな摩擦力とはならない。更にクランク軸2についても一部のジャーナル2bのみであり、クランク軸2の回転に支障はない。
次に高μ潤滑油を定量放出した累積回数が基準回数未満か否かが判定される(S263)。これはアキュムレータ56に蓄積されている高μ潤滑油の量が限られていることと、或程度、高μ潤滑油を放出しても滑りが継続している場合には、他の故障も考えられ、必要以上に高μ潤滑油を、オイルパンの低μ潤滑油中に加えることにより生じる燃費の悪化を防止するためである。尚、高μ潤滑油定量放出累積回数は内燃機関制御用ECU44の不揮発性メモリに記憶されている。
ここで基準回数として2以上の値が設定してあって、更に最初の高μ潤滑油定量放出であれば、高μ潤滑油定量放出累積回数<基準回数であることから(S263でyes)、このまま一旦本処理を終了する。
次の制御周期において、内燃機関運転が開始していない場合には(S256でyes)、再始動処理が継続し(S258)、滑りフラグFslip=ONか否かが判定される(S260)。ここでワンウェイクラッチ20の滑りが解消されていなければ、OWC滑り検出処理(図12)にて滑りフラグFslip=ONを設定し続けている(S206でyes、S208)。したがって高μ潤滑油定量放出処理(S262)が継続される。そして高μ潤滑油定量放出累積回数が基準回数未満か否かが判定される(S263)。高μ潤滑油定量放出累積回数が基準回数未満であれば(S263でyes)、このまま一旦本処理を終了する。
このように滑りフラグFslip=ONの状態が継続して、ステップS262が実行され続けることで、一定時間毎に高μ潤滑油定量放出が繰り返される。このことによりワンウェイクラッチ20の係合力が十分になると、NE=NRGとなり(図12:S206でno)、滑りフラグFslip=OFFに戻される(S212)。
したがってエコラン制御(図13)側では、ステップS260にてnoと判定されるようになり、高μ潤滑油定量放出の中止(S266)が実行されて、高μ潤滑油の一定時間毎の定量放出は中止される。以後、高μ潤滑油定量放出がなされない状態で、再始動によるクランキングが継続する(S258)。
こうして内燃機関の運転が開始されると(S256でno)、再始動によるクランキングは停止する。そしてエコラン制御(図13)における、以後の制御周期では、エコラン禁止フラグFpe=OFFのままに維持されているので(S250でyes)、ステップS252の判定がなされる。このため、ステップS252でyesなら内燃機関停止(S254)が可能であるので、エコラン制御は継続できる。
高μ潤滑油定量放出(S262)を継続しても滑りフラグFslip=ONの状態が継続し、このことにより高μ潤滑油定量放出累積回数が基準回数に到達した場合には(S263でno)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされキー始動要求がなされる(S264)。そして高μ潤滑油の一定時間毎の定量放出は中止される(S266)。尚、キー始動要求はディスプレイ50に表示するので一種の警報であるが、キー始動要求と共に、あるいはキー始動要求の代わりに、直接的に「ワンウェイクラッチ滑り異常」との警報を出力しても良い。
そして次の制御周期ではエコラン禁止フラグFpe=ONであり(S250でno)、ステップS252及びステップS256の判定は行わずに直ちに終了する。このことによりエコラン制御(図13)では実質的な処理はなされなくなり、エコラン制御による内燃機関の運転停止はなされなくなる。
本実施の形態においてワンウェイクラッチ20が正常に係合して内燃機関のエコラン制御による再始動が完了した場合の例は、前記実施の形態1に示した図8のタイミングチャートと同様である。
高μ潤滑油放出を実行してもワンウェイクラッチ20が滑ることにより内燃機関が再始動しなかった場合を図14のタイミングチャートに示す。すなわち再始動が開始されると(t30:S256でyes、S258)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇しても、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGより低い回転数となる(t31:S206でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(S208)、警報が出力される(S210)。そして高μ潤滑油定量放出処理(S262)の実行により、以後、一定時間毎に繰り返し、高μ潤滑油定量放出が行われる(t31,t32,t33,t34,t35)が、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGに到達しない。そして高μ潤滑油放出(S262)の回数が基準回数(本例では5回)に到達すると(t35:S263でno)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされ、キー始動用要求がなされる(S264)。そして高μ潤滑油の一定時間毎の定量放出は中止される(S266)。
エコラン禁止フラグFpe=ONにより、次の制御周期以降、エコラン制御での再始動処理は停止する(t36:S250でno)。この後、ドライバーがキー操作での始動を実行することにより、始動する場合もあれば、始動しない場合もある。そして始動した場合も、エコラン禁止フラグFpe=ONであるので(S250でno)、以後、エコラン制御による内燃機関停止はなされない。
図15のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑りを生じたが高μ潤滑油定量放出(S262)により、ワンウェイクラッチ20の係合力が上昇して内燃機関が再始動した場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t40:S256でyes、S258)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇しても、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGより低い回転数となる(t41:S206でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(S208)、警報が出力される(S210)。しかし以後の高μ潤滑油放出(S262:t41,t42,t43)によりワンウェイクラッチ20の滑りが解消されて、内燃機関回転数NEがリングギヤ回転数NRGに到達すると(S206でno:t44)、滑りフラグFslip=OFFに戻される(S212)。その後、内燃機関が運転を開始すると、NE>NRGとなってワンウェイクラッチ20が解放される(t45)。そして内燃機関回転数NEが始動完了回転数を越えることにより再始動が終了する(t46:S256でno)。この場合にはエコラン禁止フラグFpeはOFFのままであるので、次のエコラン制御による内燃機関停止は可能となっている。しかし、次の再始動時にワンウェイクラッチ20の滑りが生じた場合には、既に3回の高μ潤滑油放出がなされているので、残りの2回の高μ潤滑油放出がなされた時点で高μ潤滑油放出(S262)の回数が基準回数(本例では5回)に到達する(S263でno)。したがって高μ潤滑油放出が2回で、エコラン禁止フラグFpe=ONとされ、キー始動用要求がなされる(S264)。そして高μ潤滑油の一定時間毎の定量放出は中止されることになる(S266)。
図16のタイミングチャートは、始動開始(t50)の後にワンウェイクラッチ20が滑りを生じて(t51)、高μ潤滑油放出(t51,t52,t53)を実行したが、NE<NRGの状態で内燃機関が再始動した場合を示している。この場合もNE≧NRGと判定されると滑りフラグFslip=OFFに戻され(t54)、内燃機関回転数NEが始動完了回転数を越えることにより再始動が終了する(t55)。この場合もエコラン禁止フラグFpeはOFFのままであるので、次のエコラン制御による内燃機関停止は可能となっている。この場合も前記図15と同様に、次の再始動時にワンウェイクラッチ20の滑りが生じた場合には、高μ潤滑油放出が2回で(S263でno)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされ、キー始動用要求がなされる(S264)。そして高μ潤滑油の一定時間毎の定量放出は中止されることになる(S266)。
上述した構成において、請求項との関係は、リングギヤ12が始動用モータ側の回転部材に、リングギヤ回転数NRGが回転元回転数に、リングギヤ回転数センサ48が回転元回転数検出手段に相当する。クランク軸2がクランク軸側の回転部材に、内燃機関回転数NEが回転先回転数に、内燃機関回転数センサ46が回転先回転数検出手段に相当する。図11の構成が内燃機関制御装置、内燃機関潤滑機構、ワンウェイクラッチ滑り検出装置、及びワンウェイクラッチ滑り検出手段に相当する。チェックバルブ52、電磁切換バルブ54及びアキュムレータ56が低潤滑性潤滑油供給手段に相当する。
内燃機関制御用ECU44の処理の内、OWC滑り検出処理(図12)がワンウェイクラッチ滑り検出手段としての処理に相当する。図12のステップS206,S208,S210が滑り検出手段としての処理に相当する。エコラン制御(図13)の内、ステップS252,S254,S256,S258がエコラン手段としての処理に相当し、ステップS260,S262がワンウェイクラッチ高摩擦化手段としての処理に、ステップS250,S263,S264,S266が自動停止禁止手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).エコラン制御(図13)においては、OWC滑り検出処理(図12)にてワンウェイクラッチ20の滑りが検出されると(S260でyes)、高μ潤滑油定量放出(S262)として電磁切換バルブ54の開放を指示してアキュムレータ56内の高μ潤滑油をワンウェイクラッチ20へ供給している。このことでワンウェイクラッチ20における滑り摩擦力を高めている。このことによりワンウェイクラッチ20の滑りを抑制してエコラン制御による自動的な運転開始が迅速にできるようになる。
高μ潤滑油定量放出(S262)によってもワンウェイクラッチ20の滑りが解消されなかった場合には、ワンウェイクラッチ20の滑りが深刻であることが判明する。このためエコラン制御(図13)では、ワンウェイクラッチ20における滑り摩擦力を高めた回数が基準回数を越えた場合に(S263でno)、エコラン禁止フラグFpe=ONとしキー始動を要求する(S264)。そして一定時間毎の高μ潤滑油定量放出は中止される(S266)。こうしてエコラン制御は禁止されて(S250でno)、以後の円滑な内燃機関運転継続を可能とし、退避走行等の車両走行ができる。
(ロ).ワンウェイクラッチ20の滑り解消のために高摩擦化処理をしているが、この、高摩擦化処理は、より潤滑性の低い潤滑油、具体的には潤滑促進剤の含有量が少ない又は潤滑促進剤が含まれていない潤滑油に、潤滑油を一時的に切り替えること(S262)により実現している。このようにワンウェイクラッチ20における滑り摩擦力を容易に高めることができ、容易にワンウェイクラッチ20の高摩擦化が実現し、内燃機関の自動的な運転開始を迅速にできる。
[実施の形態3]
前記実施の形態1では内燃機関回転数NEとリングギヤ回転数NRGとを比較すること(S106)でワンウェイクラッチ20の滑りを検出していたが、本実施の形態では、リングギヤ回転数NRGとその変動周期との関係からワンウェイクラッチ20の滑りを検出している。
したがって、前記実施の形態1のOWC滑り検出処理(図6)の代わりに、図17に示すOWC滑り検出処理が一定時間周期で繰り返し実行される。これ以外の構成は、前記実施の形態1と同じであるので前記実施の形態1の他の図も参照して説明する。
OWC滑り検出処理(図17)が開始されると、まず現在始動中か否かが判定される(S300)。この処理は図6のステップS100と同じ処理である。
ここで始動中でなければ(S300でno)、このまま一旦本処理を終了する。イグニッションキーによるドライバーの手動による始動中、あるいは前述したエコラン制御による始動中であれば(S300でyes)、次に滑りが未判定か否かが判定される(S302)。滑り判定とはステップS312の判定であり、今回の始動中において、この判定が未だなされていないか否かを判定する。
始動の初期においては滑りは未判定であるので(S302でyes)、リングギヤ回転数NRGの読み込みが行われ(S304)、次にリングギヤ回転数NRGに基づいて正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λaを算出する(S306)。
始動時においてワンウェイクラッチ20が十分に係合していれば、クランク軸2はリングギヤ12の回転に一致して回転すると共に、リングギヤ12はクランク軸2の回転に伴って生じる行程(クランク角)変化に応じた負荷を内燃機関から受ける。したがって例えば4サイクル4気筒の内燃機関であれば、圧縮行程によりリングギヤ12の1回転に2回の負荷ピークが生じる。この負荷ピークにより正常時におけるリングギヤ回転数NRGは1回転に2回の回転数の極小が周期的に生じる。したがってステップS306では、この正常時におけるリングギヤ回転数NRG(単位:rpm)の変動周期を算出する。この正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λa(単位:s)はマップから算出しても良いが、例えば式1により算出できる。
[式1] λa ← 60/(2×NRG)
次にリングギヤ回転数センサ48により検出される実際のリングギヤ回転数NRGの変動からリングギヤ回転数NRG変動実周期λbを算出する(S308)。
そしてこれら正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λa及びリングギヤ回転数NRG変動実周期λbが高精度に得られているために必要な回転回数分の回転が完了しているか否かが判定される(S310)。高精度に周期λa,λbを得るには、或程度、少なくとも半回転はリングギヤ12が回転することが必要であることから、予め設定しておいた回転を行ったかをリングギヤ回転数センサ48が検出するパルス数から判定する。
未だ高精度に周期λa,λbを得るには不十分な回転回数である場合には(S310でno)、このまま一旦本処理を終了する。
その後、高精度に周期λa,λbを得るに十分な回転が行われると(S310でyes)、次にリングギヤ回転数NRG変動実周期λbが、正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λaより長いか否かが判定される(S312)。λa=λbであれば(S312でno)、ワンウェイクラッチ20は滑っていないことからこのまま本処理を一旦終了する。したがって滑りフラグFslipは初期設定のOFFのままとなる。
λbが検出できない場合、すなわちλbが無限大での場合も含めて、λa<λbであれば(S312でyes)、ワンウェイクラッチ20は滑っていることから滑りフラグFslipにONを設定する(S314)。そしてこの場合には、更に警報出力を行う(S316)。この警報出力は図6のステップS110と同じ処理である。
このように滑り判定(S312)が、yes、noのいずれであっても1回なされると、以後の制御周期ではステップS302にてnoと判定されるようになり、ワンウェイクラッチ20の滑り検出処理は実質的に終了する。
このようにして滑り検出処理により設定された滑りフラグFslipの内容に基づいて、前記実施の形態1のエコラン制御(図7)が実行される。
図18のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑ることにより内燃機関が再始動しなかった場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t60:S156でyes、S158)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇するが、リングギヤ回転数NRG変動実周期λbは正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λaより長いと判定される(t61:S312でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(t62:S314)、警報が出力される(S316)。このことによりエコラン禁止フラグFpe=ONとされる(t63:S162)。そして再始動状態のまま基準時間(又は基準回転回数)が経過することにより(t64:S164でno)、エコラン停止状態が解除されキー始動用要求がなされる(S166)。この後、ドライバーがキー始動を実行することにより、始動する場合もあれば、始動しない場合もある。そして始動した場合も、以後はエコラン禁止フラグFpe=ONであるので(S150でno)、エコラン制御による内燃機関停止はなされない。
上述した構成において、請求項との関係は、リングギヤ12が始動用モータ側の回転部材に、リングギヤ回転数NRGが回転元回転数に、リングギヤ回転数センサ48が回転元回転数検出手段に相当する。図1の構成が内燃機関制御装置、ワンウェイクラッチ滑り検出装置、及びワンウェイクラッチ滑り検出手段に相当する。内燃機関制御用ECU44の処理の内、OWC滑り検出処理(図17)がワンウェイクラッチ滑り検出手段としての処理に相当する。図17のステップS304,S308が回転元回転数変動周期検出手段としての処理に、ステップS306,S312,S314,S316が滑り検出手段としての処理に相当する。
エコラン制御(図7)の内、ステップS152,S154,S156,S158がエコラン手段としての処理に相当し、ステップS150,S160,S162が自動停止禁止手段としての処理に相当する。尚、本実施の形態における自動停止禁止手段ではワンウェイクラッチ20の滑りが、基準回数として1回検出されるとエコラン手段による内燃機関運転の自動停止を禁止している。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).リングギヤ回転数NRG変動実周期λbによってもワンウェイクラッチ20での滑りが検出でき、このことによっても前記実施の形態1の効果を生じさせることができる。
[実施の形態4]
本実施の形態は、前記実施の形態1のOWC滑り検出処理(図6)と、図19に示すエコラン制御との組み合わせによる制御が行われる。これ以外の構成、特に機械的構成は、前記図11に示した前記実施の形態2の構成と同じである。
OWC滑り検出処理(図6)にて滑りフラグFslipの設定がなされた後のエコラン制御(図19)について説明する。本処理は一定時間で周期的に割り込み実行される処理である。図19においてステップS450〜S464は、前記図13のステップS250〜S264と同じ処理である。ただし、ステップS462の高μ潤滑油放出処理は全量放出処理であり、更に高μ潤滑油定量放出累積回数判定(図13:S263)は行っていない。
エコラン制御による内燃機関停止中に、エコラン内燃機関再始動条件が成立すると(S456でyes)、内燃機関の再始動処理が行われる(S458)。次に滑りフラグFslipがONか否かが判定される(S460)。始動中となると、前述したOWC滑り検出処理(図6)にてワンウェイクラッチ20の滑りを検出する処理(S102〜S106)が実行されるが、この処理によって滑りフラグFslipがON(S106でyes)とされない限り、ステップS460ではnoと判定されてこのまま本処理を一旦終了する。
一方、ワンウェイクラッチ20の滑りが検出されて、OWC滑り検出処理(図6)にて滑りフラグFslip=ONと設定された場合には(S460でyes)、高μ潤滑油の全量放出処理がなされる(S462)。高μ潤滑油の全量放出処理は、電磁切換バルブ54を以後、開放状態に維持することによりアキュムレータ56内にて高圧状態で収納されている高μ潤滑油を潤滑油供給油路Oaへ全量放出する処理である。本処理により、潤滑油供給油路Oaから玉軸受10を介してワンウェイクラッチ20は高μ潤滑油にて十分に洗浄されることになる。このためワンウェイクラッチ20、特にスプラグ20a、インナーレース22及びアウターレース30の表面に付着していた潤滑促進剤が十分に除去される。このことにより今までよりもワンウェイクラッチ20での摩擦が高まって係合力が強くなり滑りが少なくあるいは滑りが無くなる。尚、玉軸受10やクランク軸2のジャーナル2b部分も高μ潤滑油にて洗浄されるが前記実施の形態2にて説明したごとく問題はない。
次にエコラン禁止フラグFpe=ONとされキー始動が要求される(S464)。このことにより次の制御周期ではエコラン禁止フラグFpe=ONであることから(S450でno)、ステップS452及びステップS456の判定は行わずに直ちに終了する。このことによりエコラン制御(図19)では実質的な処理は停止するので、エコラン制御による内燃機関の停止はなされなくなる。
図20のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑りを生じたため高μ潤滑油の全量放出(S462)を実行した場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t70:S456でyes、S458)、始動用モータ26の回転に伴ってリングギヤ回転数NRGは上昇しても、内燃機関回転数NEはリングギヤ回転数NRGより低い回転数となる(t71:S106でyes)。このため滑りフラグFslip=ONとなり(S108)、警報が出力される(S110)。更に高μ潤滑油の全量放出(t72:S462)がなされ、エコラン禁止フラグFpe=ONとなりキー始動が要求される(S464)。そして直ちにエコラン制御による再始動が停止される(t73:S450でno)。したがって以後、ドライバーのキー始動のみにより内燃機関の始動操作がなされる。ドライバーがキー始動を実行することにより、始動する場合もあれば、始動しない場合もある。そして始動した場合も、以後はエコラン禁止フラグFpe=ONであるので(S450でno)、以後、エコラン制御による内燃機関停止はなされなくなる。
上述した構成において、請求項との関係は、リングギヤ12が始動用モータ側の回転部材に、リングギヤ回転数NRGが回転元回転数に、リングギヤ回転数センサ48が回転元回転数検出手段に相当する。クランク軸2がクランク軸側の回転部材に、内燃機関回転数NEが回転先回転数に、内燃機関回転数センサ46が回転先回転数検出手段に相当する。図11の構成が内燃機関制御装置、内燃機関潤滑機構、ワンウェイクラッチ滑り検出装置、及びワンウェイクラッチ滑り検出手段に相当する。チェックバルブ52、電磁切換バルブ54及びアキュムレータ56が低潤滑性潤滑油供給手段に相当する。
内燃機関制御用ECU44の処理の内、OWC滑り検出処理(図6)がワンウェイクラッチ滑り検出手段としての処理に相当する。図6のステップS106,S108,S110が滑り検出手段としての処理に相当する。エコラン制御(図19)の内、ステップS452,S454,S456,S458がエコラン手段としての処理に相当し、ステップS460,S462がワンウェイクラッチ高摩擦化手段としての処理に、ステップS450,S464が自動停止禁止手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).このようにワンウェイクラッチ20に滑りが生じたと検出した場合に直ちに高μ潤滑油を全量放出し、エコラン制御を禁止することによっても、ワンウェイクラッチ20の滑りを抑制して、キー操作による手動による運転開始が迅速にできるようになる。これと共にエコラン制御は禁止されるので、以後の円滑な内燃機関運転継続を可能として退避走行等の車両走行ができる。
(ロ).ワンウェイクラッチ20の滑り解消のために、より潤滑性の低い潤滑油を全量放出しているので、ワンウェイクラッチ20における滑り摩擦力を迅速に高めることができ、早期にワンウェイクラッチ20の高摩擦化を実現して、内燃機関の運転開始が迅速にできるようにすることができる。
[実施の形態5]
本実施の形態では、前記実施の形態4におけるOWC滑り検出処理(図6)の代わりに図21に示すOWC滑り検出処理が一定時間周期で繰り返し実行される点が異なる。更に始動用モータ26への供給電流の電流量を検出する電流量センサが設けられて、内燃機関制御用ECU44がその供給電流量であるモータ駆動電流量Am(始動用モータ26側の負荷に相当)を検出している。その他、エコラン制御(図19)や機械的構成(図11)等は、前記実施の形態4と同じである。
OWC滑り検出処理(図21)について説明する。本処理が開始されると、まず現在始動中か否かが判定される(S500)。この処理は図6のステップS100と同じ処理である。
ここで始動中でなければ(S500でno)、このまま一旦本処理を終了する。イグニッションキーによるドライバーの手動による始動中、あるいは前述したエコラン制御による始動中であれば(S500でyes)、次に滑りが未判定か否かが判定される(S502)。滑り判定とはステップS506の判定であり、今回の始動中において、この判定が未だなされていないか否かを判定する。
始動の初期においては滑りは未判定であるので(S502でyes)、始動用モータ26に対するモータ駆動電流量Amを読み込む(S504)。次にこのモータ駆動電流量Amが基準供給電流量As(基準負荷に相当)より小さいか否かが判定される(S506)。
この基準供給電流量Asは、ワンウェイクラッチ20が滑らずに正常にクランキングがなされている場合に始動用モータ26へのモータ駆動電流量Amの下限値を予め実験等により設定した基準値である。もしワンウェイクラッチ20が滑っていた場合には始動用モータ26に対する負荷が正常時よりも低くなるので、始動用モータ26へのモータ駆動電流量Amは自ずと低下する。したがって始動時、特に内燃機関運転が全く開始していない初期においては、モータ駆動電流量Amが基準供給電流量Asより低下している状態は、ワンウェイクラッチ20の滑りが生じていることを表すことになる。
Am≧Asであれば(S506でno)、ワンウェイクラッチ20は滑っていないことからこのまま本処理を一旦終了する。したがって滑りフラグFslipは初期設定のOFFのままとなる。
Am<Asであれば(S506でyes)、ワンウェイクラッチ20は滑っていることから滑りフラグFslipにONを設定する(S508)。そしてこの場合には、更に警報出力を行う(S510)。この警報出力は図6のステップS110と同じ処理である。
このように滑り判定(S506)が1回なされると、以後の制御周期ではステップS502にてnoと判定されるようになり、ワンウェイクラッチ20の滑り検出処理は実質的に終了する。
このようにして滑り検出処理により設定された滑りフラグFslipの内容に基づいて、前記実施の形態4にて説明したエコラン制御(図19)が実行されることになる。
図22のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が正常に係合して内燃機関のエコラン制御による再始動が完了した例を示している。すなわち再始動が開始されると(t80:S456でyes、S458)、始動用モータ26には正常な負荷がかかるので、Am≧Asとなる(S506でno)。したがって滑りフラグFslip=OFFを維持し、内燃機関回転数NEが始動完了回転数を越えることにより再始動が終了する(t81:S456でno)。この場合にはエコラン禁止フラグFpeはOFFのままであるので、次のエコラン制御による内燃機関停止は可能となる。
図23のタイミングチャートはワンウェイクラッチ20が滑ることにより内燃機関が再始動しなかった場合を示している。すなわち再始動が開始されると(t90:S456でyes、S458)、始動用モータ26には正常時よりも低い負荷しか掛からないので、Am<Asとなる(S506でyes)。したがって滑りフラグFslip=ONとなり(t91:S508)、警報が出力される(S510)。そして高μ潤滑油が全量放出され(t92:S462)、エコラン禁止フラグFpe=ONとされキー始動が要求される(S464)。そしてエコラン制御による再始動処理は停止される(t93:S450でno)。この後、ドライバーがキー始動を実行することにより、始動する場合もあれば、始動しない場合もある。そして始動した場合も、以後はエコラン禁止フラグFpe=ONであるので(S450でno)、エコラン制御による内燃機関停止はなされない。
上述した構成において、請求項との関係は、始動用モータ26への供給電流の電流量を検出する電流量センサが回転元負荷検出手段に相当する。図11の構成が内燃機関制御装置、内燃機関潤滑機構、ワンウェイクラッチ滑り検出装置、及びワンウェイクラッチ滑り検出手段に相当する。チェックバルブ52、電磁切換バルブ54及びアキュムレータ56が低潤滑性潤滑油供給手段に相当する。
内燃機関制御用ECU44の処理の内、OWC滑り検出処理(図21)の処理がワンウェイクラッチ滑り検出手段としての処理に相当する。図21のステップS506,S508,S510が滑り検出手段としての処理に相当する。エコラン制御(図19)の内、ステップS452,S454,S456,S458がエコラン手段としての処理に相当し、ステップS460,S462がワンウェイクラッチ高摩擦化手段としての処理に、ステップS450,S464が自動停止禁止手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).このようにモータ駆動電流量Amのレベル判定によってもワンウェイクラッチ20に滑りを検出でき、このことにより、前記実施の形態4の効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1,3において、ワンウェイクラッチの滑りが検出された後も、基準時間又は基準回転回数が経過するまでは再始動が継続されていたが、滑り検出と同時に再始動を停止して、キー始動要求を行っても良い。
(b).前記実施の形態1〜4においてはリングギヤ回転数NRGの検出は、図1,11に示したごとくリングギヤ回転数センサ48にてを直接、リングギヤ12の回転数を検出していた。この代わりに、始動用モータ26の回転、例えばピニオンギヤ28の回転数を検出してギヤ比に基づいてリングギヤ回転数NRGに換算して用いても良い。逆に内燃機関回転数NEの方を、ギヤ比に基づいてピニオンギヤ28の回転数に換算して、ピニオンギヤ28での回転数を比較しても良い。
又、リングギヤ回転数NRG回転数を求めるために、リングギヤ回転数センサ48のような回転数センサを設けずに、始動用モータ26の電流量あるいは電圧値からリングギヤ回転数NRG回転数を求めても良い。すなわち始動用モータ26の駆動時の電流量とモータ回転数との関係マップ、あるいは電圧値とモータ回転数との関係マップを、予め計測により作成しておく。そして内燃機関制御用ECU44が始動用モータ26の駆動時電流量又は電圧値を測定して、前記マップに基づき始動用モータ26の回転数を求め、ピニオンギヤ28とリングギヤ12とのギヤ比からリングギヤ回転数NRG回転数を算出して制御に用いても良い。尚、マップ自体をギヤ比によって換算した関係としておけば、始動用モータ26の駆動時電流量又は電圧値から直ちにリングギヤ回転数NRGを求めることができる。
(c).前記実施の形態2,4,5において、アキュムレータ56内に収納されていたのは、潤滑促進剤が含まれていない潤滑油であったが、潤滑促進剤が含まれていてもその含有量が通常よりも少ない潤滑油としても良い。又、潤滑促進剤の程度ではなく、潤滑油自体が通常よりも潤滑性の低い、すなわちより高い滑り摩擦性を有する潤滑油を用いても良い。
又、高μ潤滑油の潤滑油供給油路Oaへの放出は、アキュムレータ56内の圧力によったが、このような圧力によらずに高μ潤滑油放出用のポンプを別途設けて、内燃機関制御用ECU44がこのポンプを駆動することにより高μ潤滑油を低μ潤滑油中に放出するようにしても良い。あるいは低μ潤滑油の供給油路を高μ潤滑油の貯蔵室を経由するように切り替えることにより、高μ潤滑油を低μ潤滑油中に放出するようにしても良い。
(d).前記実施の形態3において、直接、周期を用いるのではなく、周波数により変動周期の長さを判定しても良い。この場合、周波数が低いほど周期が長いので正常時の周波数よりも実周波数が低い場合に、リングギヤ回転数NRG変動実周期λbが正常時リングギヤ回転数NRG変動周期λaより長いと判定できる。
(e).前記実施の形態5において、OWC滑り検出処理(図21)ではワンウェイクラッチの滑りをモータ駆動電流量にて判定していたが、モータ駆動電圧値のレベルにて判定しも良い。
(f).各実施の形態では、1回を基準回数として、ワンウェイクラッチ20の滑りが基準回数検出されると滑りフラグFslip=ONとしていたが、2回以上を基準回数としても良い。又、基準回数ではなく、基準時間を設定して、ワンウェイクラッチ20の滑りが、基準時間に到達すると、滑りフラグFslip=ONとしても良い。
(g).前記各実施の形態にてワンウェイクラッチ20はスプラグが用いられていたが、その他のタイプのワンウェイクラッチでも良い。
(h).各OWC滑り検出処理(図6,12,17,21)における始動中か否かの判定(S100,S200,S300,S500)は、ドライバー手動でのキー操作による始動中あるいはエコラン制御による始動中のいずれかであるが、エコラン制御による始動中に限っても良い。
実施の形態1の内燃機関始動回転力伝達機構及び内燃機関制御装置の構成説明図。 図1におけるA−A断面図。 実施の形態1のリングギヤの構成説明図。 実施の形態1のリングギヤの構成説明図。 実施の形態1のアウターレース部材の構成説明図。 実施の形態1にて内燃機関制御用ECUが実行するOWC滑り検出処理のフローチャート。 同じくエコラン制御のフローチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2の内燃機関始動回転力伝達機構、内燃機関制御装置及び内燃機関潤滑機構の構成を示す縦断面図。 実施の形態2にて内燃機関制御用ECUが実行するOWC滑り検出処理のフローチャート。 同じくエコラン制御のフローチャート。 実施の形態2の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態3にて内燃機関制御用ECUが実行するOWC滑り検出処理のフローチャート。 実施の形態3の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態4にて内燃機関制御用ECUが実行するエコラン制御のフローチャート。 実施の形態4の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5にて内燃機関制御用ECUが実行するOWC滑り検出処理のフローチャート。 実施の形態5の制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5の制御の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
2…クランク軸、2a…後端部、2b…ジャーナル、4…シリンダブロック、4a…油路、4b…円弧状シール嵌合部、6…ラダービーム、8…大径部、10…玉軸受、12…リングギヤ、12a…屈曲部、12b…ギヤ部、12c…中心部領域、12d…オイル戻し孔、12e…径方向中間領域、12f…空隙、12g…スポーク、14…アウターレース部材、14a…開口部、14b…ボルト貫通孔、16…フライホイール(ドライブプレート)、18…ボルト、20…ワンウェイクラッチ、20a…スプラグ、20b…ケージ、22…インナーレース、26…始動用モータ、28…ピニオンギヤ、30…アウターレース、30a…シール摺動面、32…オイルパン、32a…円弧状シール嵌合部、34…第1オイルシール部材、34a…シールリップ、36…第2オイルシール部材、36a…シールリップ、44…内燃機関制御用ECU、46…内燃機関回転数センサ、48…リングギヤ回転数センサ、50…ディスプレイ、52…チェックバルブ、54…電磁切換バルブ、56…アキュムレータ、C…回転軸、C…中心側(回転軸、Oa…潤滑油供給油路、Oj,Or…潤滑油、P…オイルポンプ。

Claims (13)

  1. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、
    前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の回転部材の回転元回転数を検出する回転元回転数検出手段と、
    前記ワンウェイクラッチよりも前記クランク軸側の回転部材の回転先回転数を検出する回転先回転数検出手段と、
    内燃機関始動時に、前記回転元回転数検出手段にて検出された回転元回転数と、前記回転先回転数検出手段にて検出された回転先回転数とを比較し、前記回転元回転数が前記回転先回転数を越えている場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段と、
    を備えたことを特徴とするワンウェイクラッチ滑り検出装置。
  2. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、
    前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の回転部材の回転元回転数を検出する回転元回転数検出手段と、
    前記回転元回転数検出手段にて検出された回転元回転数の変動周期を検出する回転元回転数変動周期検出手段と、
    内燃機関始動時に、前記回転元回転数変動周期検出手段により検出された回転元回転数の変動周期が、該回転元回転数に対応した変動周期より長い場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段と、
    を備えたことを特徴とするワンウェイクラッチ滑り検出装置。
  3. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構におけるワンウェイクラッチ滑り検出装置であって、
    前記ワンウェイクラッチよりも前記始動用モータ側の負荷を検出する回転元負荷検出手段と、
    内燃機関始動時に、前記回転元負荷検出手段により検出された負荷が、内燃機関の正常なクランキングに対応した基準負荷より小さい場合に、前記ワンウェイクラッチの滑りが発生していると検出する滑り検出手段と、
    を備えたことを特徴とするワンウェイクラッチ滑り検出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記滑り検出手段は、前記ワンウェイクラッチに滑りが発生していると検出した場合には、警報を発生することを特徴とするワンウェイクラッチ滑り検出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記ワンウェイクラッチは、内燃機関の回転出力軸に連結されたアウターレース部材と、始動用モータからの回転駆動力が伝達されるリングギヤとの間に配置されていることを特徴とするワンウェイクラッチ滑り検出装置。
  6. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、
    車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、
    前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、
    前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが基準回数あるいは基準時間検出されると、前記エコラン手段による内燃機関運転の自動停止を禁止する自動停止禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。
  7. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、
    車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、
    前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、
    前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるワンウェイクラッチ高摩擦化手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。
  8. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた車両用内燃機関の制御装置であって、
    車両走行停止期間に運転停止条件が成立すると内燃機関運転を自動的に停止し、運転再開条件が成立すると前記始動用モータの回転力によるクランキングにて内燃機関運転を自動的に開始させるエコラン手段と、
    前記ワンウェイクラッチの滑りを検出するワンウェイクラッチ滑り検出手段と、
    前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めるワンウェイクラッチ高摩擦化手段と、
    前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段により前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めた回数が基準回数を越えた場合に、内燃機関運転の自動停止を禁止する自動停止禁止手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関制御装置。
  9. 請求項7又は8において、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチに供給する潤滑油を、より潤滑性の低い潤滑油に切り替えることにより前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする内燃機関制御装置。
  10. 請求項9において、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチに供給する潤滑油よりも、潤滑促進剤の含有量が少ない又は潤滑促進剤が含まれていない潤滑油に切り替えることにより前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする内燃機関制御装置。
  11. 始動用モータから内燃機関のクランク軸への始動時回転力伝達経路にワンウェイクラッチを備えることで、前記始動用モータからの回転力は前記クランク軸へ伝達されるが、前記クランク軸から前記始動用モータへの回転力伝達は阻止されている内燃機関始動回転力伝達機構を備えた内燃機関における潤滑機構であって、
    通常時に前記ワンウェイクラッチへ供給される潤滑油よりも潤滑性が低い潤滑油を、指示に応じて前記ワンウェイクラッチへ供給可能な低潤滑性潤滑油供給手段を備えたことを特徴とする内燃機関潤滑機構。
  12. 請求項7〜10のいずれかにおいて、前記車両用内燃機関は請求項11に記載の内燃機関の潤滑機構を備えており、前記ワンウェイクラッチ高摩擦化手段は、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段にて前記ワンウェイクラッチの滑りが検出されると、前記低潤滑性潤滑油供給手段に前記ワンウェイクラッチへ前記潤滑性が低い潤滑油の供給を指示することにより、前記ワンウェイクラッチにおける滑り摩擦力を高めることを特徴とする内燃機関制御装置。
  13. 請求項6〜10、12のいずれかにおいて、前記ワンウェイクラッチ滑り検出手段として、請求項1〜5のいずれかに記載のワンウェイクラッチ滑り検出装置を用いたことを特徴とする内燃機関制御装置。
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EP2757236A1 (fr) 2013-01-16 2014-07-23 Airbus Helicopters Système de surveillance du démarrage d'un aéronef à voilure tournante, aéronef et procédé mettant en oeuvre ce système
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