JP2007270049A - 一酸化炭素の還元による炭化水素の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い一酸化炭素転化率および高い連鎖成長確率(α)で、中間留分である燃料基材を効率良く製造する方法を提供すること。
【解決手段】ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行い、炭化水素を製造する方法。
【選択図】なし
【解決手段】ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行い、炭化水素を製造する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は一酸化炭素の還元により炭化水素を製造する方法に関する。
近年、ガソリンや軽油のような液体燃料に対する硫黄分規制が厳しくなり、硫黄分や芳香族炭化水素の含有量が低い環境にやさしいクリーンな液体燃料の製造が不可欠となっている。このようなクリーン燃料製造法の一つとして、一酸化炭素を水素で還元する、いわゆるフィッシャー・トロプシュ(FT)合成法が挙げられる。FT合成法により、パラフィン含有量に富み、かつ硫黄分を含まないクリーンな液体燃料基材を製造することができると共に、ワックス(FTワックス)も同時に製造することができる。そして、FTワックスは水素化分解により中間留分(灯油や軽油などのクリーンな燃料基材)へと変換することができる。
FT合成では鉄やコバルトなどの活性金属をシリカやアルミナなどの担体上に担持して得られる触媒を用いて実施されている(特許文献1参照)
また、これら触媒に上記活性金属に加えて第2金属を組み合わせて使用することにより、触媒性能が向上することが報告されている(特許文献2参照)。第2金属としては、ナトリウム、リチウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の他に、ジルコニウム、ハフニウムなどが挙げられ、一酸化炭素の転化率向上やワックス生成量の指標となる連鎖成長確率(α)の増加など、目的に応じて適宜使用されている。
中間留分である燃料基材を効率良く製造する為に、FT合成触媒の性能としては、高い一酸化炭素転化率および高い連鎖成長確率(α)が要求される。
特開平4−227847号公報
特開昭59−102440号公報
FT合成では鉄やコバルトなどの活性金属をシリカやアルミナなどの担体上に担持して得られる触媒を用いて実施されている(特許文献1参照)
また、これら触媒に上記活性金属に加えて第2金属を組み合わせて使用することにより、触媒性能が向上することが報告されている(特許文献2参照)。第2金属としては、ナトリウム、リチウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の他に、ジルコニウム、ハフニウムなどが挙げられ、一酸化炭素の転化率向上やワックス生成量の指標となる連鎖成長確率(α)の増加など、目的に応じて適宜使用されている。
中間留分である燃料基材を効率良く製造する為に、FT合成触媒の性能としては、高い一酸化炭素転化率および高い連鎖成長確率(α)が要求される。
触媒性能の向上には上記第2金属が重要な役割を担うが、その効果が最大限に生かされているとはいえないのが現状である。通常、第2金属を高分散に担持させる為にIncipient Wetness法に代表される含浸法が用いられるが、FT合成は著しい発熱反応であるため、反応が触媒の外表面近傍で起こりやすいと考えられる。
したがって、第2金属は触媒外表面上近傍に選択的に担持されている方が、触媒性能の向上により有利に働くと考えられる。しかしながら、第2金属を触媒外表面近傍に担持した例は無く、これが触媒性能の向上に障害となっている。
また、触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行う場合、触媒における担体の種類、活性金属および第2金属の量および担持方法により、炭化水素を効率良く製造する最適な反応条件が異なる。
したがって、第2金属は触媒外表面上近傍に選択的に担持されている方が、触媒性能の向上により有利に働くと考えられる。しかしながら、第2金属を触媒外表面近傍に担持した例は無く、これが触媒性能の向上に障害となっている。
また、触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行う場合、触媒における担体の種類、活性金属および第2金属の量および担持方法により、炭化水素を効率良く製造する最適な反応条件が異なる。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、金属酸化物の外表面近傍に第2金属であるジルコニアを選択的に担持した後、ルテニウムおよび/またはコバルトを担持した触媒が、一酸化炭素の還元反応(FT合成)により炭化水素を効率良く製造することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行い、炭化水素を製造する方法に関する。
また本発明は、pHが7以下の水溶液で金属酸化物を前処理した後、該金属酸化物にジルコニウムを担持させ、その後焼成することにより得られる担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いることを特徴とする前記記載の炭化水素を製造する方法に関する。
すなわち、本発明は、ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行い、炭化水素を製造する方法に関する。
また本発明は、pHが7以下の水溶液で金属酸化物を前処理した後、該金属酸化物にジルコニウムを担持させ、その後焼成することにより得られる担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いることを特徴とする前記記載の炭化水素を製造する方法に関する。
本発明の方法により、高い一酸化炭素転化率および高い連鎖成長確率(α)で、燃料基材である炭化水素を効率良く製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において用いられる触媒は、ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒である。
本発明で使用する触媒において、金属酸化物としては特に制限は無いが、シリカ、チタニア、アルミナ、マグネシアなどを挙げることができ、好ましくはシリカまたはアルミナである。
上記金属酸化物の性状に特に制限は無いが、窒素吸着法で測定される比表面積が50〜800m2/gであることが好ましく、150〜500m2/gがより好ましい。
また、金属酸化物の平均細孔径としては6〜40nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。平均細孔径が6nm未満ではジルコニウムの担持時間が長くなる傾向があるため好ましくない。一方、平均細孔径が40nmを超えるとジルコニウムが金属酸化物の内部にまで入りやすくなる傾向があるので好ましくない。
また、金属酸化物の形状についても特に制限は無いが、実用性を考慮すると、一般に石油精製や石油化学の実装置で使用されている球状、円柱状および三つ葉型などの形状が好ましい。また、その粒子径についても特に制限は無いが、実用性から10μm〜10mmであることが好ましい。
本発明において用いられる触媒は、ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒である。
本発明で使用する触媒において、金属酸化物としては特に制限は無いが、シリカ、チタニア、アルミナ、マグネシアなどを挙げることができ、好ましくはシリカまたはアルミナである。
上記金属酸化物の性状に特に制限は無いが、窒素吸着法で測定される比表面積が50〜800m2/gであることが好ましく、150〜500m2/gがより好ましい。
また、金属酸化物の平均細孔径としては6〜40nmが好ましく、10〜20nmがより好ましい。平均細孔径が6nm未満ではジルコニウムの担持時間が長くなる傾向があるため好ましくない。一方、平均細孔径が40nmを超えるとジルコニウムが金属酸化物の内部にまで入りやすくなる傾向があるので好ましくない。
また、金属酸化物の形状についても特に制限は無いが、実用性を考慮すると、一般に石油精製や石油化学の実装置で使用されている球状、円柱状および三つ葉型などの形状が好ましい。また、その粒子径についても特に制限は無いが、実用性から10μm〜10mmであることが好ましい。
本発明において、ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体を調製する方法としては、具体的には、pHが7以下の水溶液で金属酸化物を前処理した後、該金属酸化物にジルコニウムを担持させ、その後焼成する方法が挙げられる。
金属酸化物をpHが7以下の水溶液で前処理する方法について以下説明する。
前処理に使用するpHが7以下の水溶液としては、硝酸水溶液、酢酸水溶液、硫酸水溶液、塩酸水溶液、イオン交換水、蒸留水などを挙げることができる。pHは5〜7が好ましく、6〜7がより好ましい。pHが5未満の場合には、前処理後に担持するジルコニウム濃度を濃くする必要があるため経済的に好ましくない。
前処理は、例えば、金属酸化物を入れた容器にpHが7以下の水溶液を注ぎ込むことにより行うことができる。
金属酸化物をpHが7以下の水溶液に浸す時間は、そのまま放置の場合は10〜72時間程度、振動させる場合は1〜12時間程度、超音波をかける場合は1〜30分程度が好ましい。いずれの場合も、金属酸化物を必要時間以上浸しておいても特に悪影響は無い。上記時間は水溶液の温度が室温の場合であり、水溶液を50℃まで加熱することで浸す時間を節約することもできる。ただし50℃を超えると水の蒸発が起こりやすくなり、pHが変化するので好ましくない。
前処理に使用するpHが7以下の水溶液としては、硝酸水溶液、酢酸水溶液、硫酸水溶液、塩酸水溶液、イオン交換水、蒸留水などを挙げることができる。pHは5〜7が好ましく、6〜7がより好ましい。pHが5未満の場合には、前処理後に担持するジルコニウム濃度を濃くする必要があるため経済的に好ましくない。
前処理は、例えば、金属酸化物を入れた容器にpHが7以下の水溶液を注ぎ込むことにより行うことができる。
金属酸化物をpHが7以下の水溶液に浸す時間は、そのまま放置の場合は10〜72時間程度、振動させる場合は1〜12時間程度、超音波をかける場合は1〜30分程度が好ましい。いずれの場合も、金属酸化物を必要時間以上浸しておいても特に悪影響は無い。上記時間は水溶液の温度が室温の場合であり、水溶液を50℃まで加熱することで浸す時間を節約することもできる。ただし50℃を超えると水の蒸発が起こりやすくなり、pHが変化するので好ましくない。
前記前処理を所定時間行った後、前処理を施した金属酸化物を含む容器に過剰のジルコニウムを含む溶液を注ぎ込むことにより、ジルコニウムを金属酸化物に担持させることができる。このとき、前処理後の水溶液の上澄み液を除去すると必要な容器が小さくなるので好ましい。ここでいう過剰とは、金属酸化物の体積に対して2倍以上の体積量を意味する。
ジルコニウム源としては硫酸ジルコニ−ル、酢酸ジルコニ−ル、炭酸ジルコニ−ルアンモニウム、三塩化ジルコニウムなどを用いることができ、炭酸ジルコニ−ルアンモニウムおよび酢酸ジルコニ−ルがより好ましい。
担持するジルコニウム量としては、金属酸化物に対して40質量%以下が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。40質量%を超えるとジルコニウムを金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持することができなくなる傾向がある。
ジルコニウムの担持時間は目的とする担持量に依存し特に制限されるものではないが、通常3〜72時間である。
ジルコニウム源としては硫酸ジルコニ−ル、酢酸ジルコニ−ル、炭酸ジルコニ−ルアンモニウム、三塩化ジルコニウムなどを用いることができ、炭酸ジルコニ−ルアンモニウムおよび酢酸ジルコニ−ルがより好ましい。
担持するジルコニウム量としては、金属酸化物に対して40質量%以下が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。40質量%を超えるとジルコニウムを金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持することができなくなる傾向がある。
ジルコニウムの担持時間は目的とする担持量に依存し特に制限されるものではないが、通常3〜72時間である。
ジルコニウム担持終了後、溶液と担体(ジルコニウムを担持した金属酸化物)とを分離し、その後、担体を乾燥処理する。乾燥処理は特に制限されるものではなく、例えば、空気中での自然乾燥や減圧下での脱気乾燥を挙げることができる。通常、温度100〜200℃、好ましくは110〜130℃で、2〜24時間、好ましくは5〜12時間行う。
上記乾燥処理後、次いで焼成処理を行い、ジルコニウムを酸化物へと変換する。焼成処理も特に制限されるものではないが、通常、空気雰囲気下に340〜600℃、好ましくは400〜450℃で、1〜5時間行うことができる。
上記乾燥処理後、次いで焼成処理を行い、ジルコニウムを酸化物へと変換する。焼成処理も特に制限されるものではないが、通常、空気雰囲気下に340〜600℃、好ましくは400〜450℃で、1〜5時間行うことができる。
かくして、金属酸化物の外表面近傍にジルコニウム酸化物が選択的に担持された担体を得ることができる。
次に、前記担体に、ルテニウムおよび/またはコバルトを担持する。
通常、FT合成における活性金属としては、ルテニウム、コバルト、鉄が挙げられるが、本発明において用いられる活性金属は、ジルコニアの特性を生かすため、ルテニウム若しくはコバルト、またはルテニウムとコバルトの組合わせに限定される。
ルテニウムまたはコバルトを含む前駆体化合物としては特に限定されることは無く、その金属の塩または錯体を使用することができる。例えば、硝酸塩、塩酸塩、蟻酸塩、プロピオンサン塩、酢酸塩などを挙げることができる。
ルテニウムおよびコバルトの担体に対する量に特に制限は無いが、一般には3〜50質量%、好ましくは10〜30質量%を担持することができる。この担持量が3質量%未満では活性が不十分であり、50質量%を超えると活性金属の凝集が起こりやすくなるので実用的なFT合成触媒としては利用価値が低くなると思われる。
活性金属の担持方法としては特に制限は無く、Incipient Wetness法に代表される含浸法を用いることができる。
次に、前記担体に、ルテニウムおよび/またはコバルトを担持する。
通常、FT合成における活性金属としては、ルテニウム、コバルト、鉄が挙げられるが、本発明において用いられる活性金属は、ジルコニアの特性を生かすため、ルテニウム若しくはコバルト、またはルテニウムとコバルトの組合わせに限定される。
ルテニウムまたはコバルトを含む前駆体化合物としては特に限定されることは無く、その金属の塩または錯体を使用することができる。例えば、硝酸塩、塩酸塩、蟻酸塩、プロピオンサン塩、酢酸塩などを挙げることができる。
ルテニウムおよびコバルトの担体に対する量に特に制限は無いが、一般には3〜50質量%、好ましくは10〜30質量%を担持することができる。この担持量が3質量%未満では活性が不十分であり、50質量%を超えると活性金属の凝集が起こりやすくなるので実用的なFT合成触媒としては利用価値が低くなると思われる。
活性金属の担持方法としては特に制限は無く、Incipient Wetness法に代表される含浸法を用いることができる。
活性金属を担持した後、通常、温度100〜200℃、好ましくは110〜130℃で、2〜24時間、好ましくは5〜10時間乾燥し、次いで、空気雰囲気下に340〜600℃、好ましくは400〜450℃で、1〜5時間焼成処理を行い、活性金属を酸化物へと変換して、本発明で使用する一酸化炭素の還元触媒を調製する。
上記調製法で作られた触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行う場合、反応温度は通常180〜320℃、好ましくは200〜300℃である。反応温度が180℃未満では一酸化炭素がほとんど反応せず、炭化水素収率が低い傾向にある。また、反応温度が320℃を超えると、メタンなどのガス生成量が増加する傾向にあるので好ましくない。
触媒に対するガス空間速度に特に制限は無いが、通常500〜4000h−1であり、好ましくは1000〜3000h−1である。ガス空間速度が500h−1未満では液体燃料の生産性が低下する傾向にあり、また4000h−1を超えると反応温度が高くなることに伴いガス生成が大きくなる傾向にあるので好ましくない。
反応圧力(一酸化炭素と水素からなる合成ガスの分圧)は特に制限が無いが、通常1〜7MPa、好ましくは2〜4MPaの範囲で反応を行うことができる。反応圧力が1MPa未満では液体燃料の収率が低下する傾向にあり、また7MPaを超えると設備投資額が大きくなる傾向にあるため好ましくない。
原料としては一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスであれば特に制限は無いが、通常、水素/一酸化炭素のモル比が1.5〜2.5であり、1.8〜2.2であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(触媒Aの調製)
球状のシリカ(平均細孔径10nm、平均粒子径1.8mm)30gを250mlのガラス瓶に秤量し、そこへpH6.6の硝酸水溶液100mlを加え、超音波を40℃で10分照射した。その後、約50mlの上澄み液をパスツールピペットで吸出し、濃度0.2mol/Lの炭酸ジルコニ−ルアンモニウム水溶液150mlを加えて24時間室温で放置した。その後、ろ紙でろ過した後、120℃で6時間真空乾燥を行い、次いで空気雰囲気下、430℃で3時間焼成した。
得られた担体に対して金属コバルトとして10質量%に相当する量の硝酸コバルトの水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で12時間乾燥し、その後420℃で3時間焼成し、触媒Aを得た。
この触媒中のジルコニウム量を蛍光X線を用いて定量化した。また、電子走査マイクロ分析(EPMA)により、触媒粒子の半径方向に対するジルコニウムの分布および定量を行った。表1に、上記測定結果として、触媒中のジルコニウム量および全ジルコニウム量に対する外表面から中心に向けた半径の1/5以内(外表面近傍)に存在するジルコニウム量の割合を示す。
球状のシリカ(平均細孔径10nm、平均粒子径1.8mm)30gを250mlのガラス瓶に秤量し、そこへpH6.6の硝酸水溶液100mlを加え、超音波を40℃で10分照射した。その後、約50mlの上澄み液をパスツールピペットで吸出し、濃度0.2mol/Lの炭酸ジルコニ−ルアンモニウム水溶液150mlを加えて24時間室温で放置した。その後、ろ紙でろ過した後、120℃で6時間真空乾燥を行い、次いで空気雰囲気下、430℃で3時間焼成した。
得られた担体に対して金属コバルトとして10質量%に相当する量の硝酸コバルトの水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で12時間乾燥し、その後420℃で3時間焼成し、触媒Aを得た。
この触媒中のジルコニウム量を蛍光X線を用いて定量化した。また、電子走査マイクロ分析(EPMA)により、触媒粒子の半径方向に対するジルコニウムの分布および定量を行った。表1に、上記測定結果として、触媒中のジルコニウム量および全ジルコニウム量に対する外表面から中心に向けた半径の1/5以内(外表面近傍)に存在するジルコニウム量の割合を示す。
(触媒Bの調製)
円柱状のアルミナ(平均細孔径115nm、直径1/16インチ、長さ約3mm)30gを250mlのガラス瓶に秤量し、そこへイオン交換水(pH7.0)100mlを加え、超音波を40℃で10分照射した。その後、約50mlの上澄み液をパスツールピペットで吸出し、濃度0.15mol/Lの炭酸ジルコニ−ルアンモニウム水溶液150mlを加えて36時間室温で放置した。その後、ろ紙でろ過した後、120℃で6時間真空乾燥を行い、次いで空気雰囲気下、430℃で3時間焼成した。
得られた担体に対して金属コバルトとして10質量%に相当する量の硝酸コバルトの水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で12時間乾燥し、その後420℃で3時間焼成し、触媒Bを得た。
この触媒中のジルコニウム量を蛍光X線を用いて定量化した。また、電子走査マイクロ分析(EPMA)により、触媒粒子の半径方向に対するジルコニウムの分布および定量を行った。表1に、上記測定結果として、触媒中のジルコニウム量および全ジルコニウム量に対する外表面から中心に向けた半径の1/5以内(外表面近傍)に存在するジルコニウム量の割合を示す。
円柱状のアルミナ(平均細孔径115nm、直径1/16インチ、長さ約3mm)30gを250mlのガラス瓶に秤量し、そこへイオン交換水(pH7.0)100mlを加え、超音波を40℃で10分照射した。その後、約50mlの上澄み液をパスツールピペットで吸出し、濃度0.15mol/Lの炭酸ジルコニ−ルアンモニウム水溶液150mlを加えて36時間室温で放置した。その後、ろ紙でろ過した後、120℃で6時間真空乾燥を行い、次いで空気雰囲気下、430℃で3時間焼成した。
得られた担体に対して金属コバルトとして10質量%に相当する量の硝酸コバルトの水溶液をIncipient Wetness法により含浸させた。含浸後、120℃で12時間乾燥し、その後420℃で3時間焼成し、触媒Bを得た。
この触媒中のジルコニウム量を蛍光X線を用いて定量化した。また、電子走査マイクロ分析(EPMA)により、触媒粒子の半径方向に対するジルコニウムの分布および定量を行った。表1に、上記測定結果として、触媒中のジルコニウム量および全ジルコニウム量に対する外表面から中心に向けた半径の1/5以内(外表面近傍)に存在するジルコニウム量の割合を示す。
(触媒Cの調製)
触媒Aの調製で使用したシリカ30gにジルコニウム金属として1.2gに相当する硝酸水溶液をIncipient Wetness法で含浸させたこと以外は触媒Aと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
触媒Aの調製で使用したシリカ30gにジルコニウム金属として1.2gに相当する硝酸水溶液をIncipient Wetness法で含浸させたこと以外は触媒Aと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
(触媒Dの調製)
触媒Bの調製で使用したアルミナ30gにジルコニウム金属として1.2gに相当する硝酸水溶液をIncipient Wetness法で含浸させたこと以外は触媒Bと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
触媒Bの調製で使用したアルミナ30gにジルコニウム金属として1.2gに相当する硝酸水溶液をIncipient Wetness法で含浸させたこと以外は触媒Bと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
(触媒Eの調製)
イオン交換水(pH7.0)のかわりにアンモニア水溶液(pH8.5)を用いたこと以外は触媒Bと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
イオン交換水(pH7.0)のかわりにアンモニア水溶液(pH8.5)を用いたこと以外は触媒Bと同じ調製および分析を行った。得られた分析結果を表1に示す。
(実施例1)
固定床流通式反応装置に触媒Aを30g充填した。反応前に水素気流下において400℃で2時間、触媒の還元処理を行った。次に、水素/一酸化炭素が2/1(モル比)の原料混合ガスをガス空間速度2000h−1で供給し、反応温度215℃、反応塔内圧力2.5MPaの条件で反応を行った。反応部出口のガス組成および生成油をガスクロマトグラフィーで分析し、一酸化炭素転化率および連鎖成長確率を常法に従い算出した。
反応結果を表2に示す。
固定床流通式反応装置に触媒Aを30g充填した。反応前に水素気流下において400℃で2時間、触媒の還元処理を行った。次に、水素/一酸化炭素が2/1(モル比)の原料混合ガスをガス空間速度2000h−1で供給し、反応温度215℃、反応塔内圧力2.5MPaの条件で反応を行った。反応部出口のガス組成および生成油をガスクロマトグラフィーで分析し、一酸化炭素転化率および連鎖成長確率を常法に従い算出した。
反応結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1における反応温度を225℃で行ったこと以外は実施例1と同じ触媒および反応条件で反応を行った。反応結果を表2に示す。
実施例1における反応温度を225℃で行ったこと以外は実施例1と同じ触媒および反応条件で反応を行った。反応結果を表2に示す。
(実施例3)
触媒Aの代わりに触媒Bを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
触媒Aの代わりに触媒Bを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
(比較例1)
触媒Aの代わりに触媒Cを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
触媒Aの代わりに触媒Cを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
触媒Aの代わりに触媒Dを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
触媒Aの代わりに触媒Dを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
(比較例3)
触媒Aの代わりに触媒Eを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
触媒Aの代わりに触媒Eを30g使用したこと以外は、実施例1と同様の反応条件下で反応を行った。その結果を表2に示す。
表1、2に示すように、外表面近傍にジルコニアを選択的に担持した触媒を用いることで、一酸化炭素転化率および連鎖成長確率(α)が高く、燃料基材を効率良く製造することができる。
Claims (4)
- ジルコニウムを酸化物として金属酸化物の外表面近傍に選択的に担持した担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いて一酸化炭素の還元反応を行い、炭化水素を製造する方法。
- pHが7以下の水溶液で金属酸化物を前処理した後、該金属酸化物にジルコニウムを担持させ、その後焼成することにより得られる担体に、コバルトおよびルテニウムから選択される金属を1種類以上担持してなる触媒を用いることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素を製造する方法。
- 金属酸化物が球状であり、触媒の外表面から中心に向けた半径の1/5以内に、ジルコニア酸化物の総量の75質量%以上が担持されている触媒を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素の製造方法。
- 反応温度が200〜300℃であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の炭化水素を製造する方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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