JP2007270020A - シロキサン構造含有重合体、変性基体重合体組成物、基材重合体組成物、補強性重合体組成物及び加硫性ゴム組成物 - Google Patents
シロキサン構造含有重合体、変性基体重合体組成物、基材重合体組成物、補強性重合体組成物及び加硫性ゴム組成物 Download PDFInfo
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Abstract
Description
このため、補強剤として、従来のカーボンブラックに代えてシリカを配合することが行われる。タイヤ用ゴム組成物にシリカを配合すると、低発熱性が改良されて転動抵抗が小さくなる他、タイヤのウェット性能が向上するという特徴を有する。しかし、シリカはカーボンブラックと比較して、ゴム分子に対する親和性が小さいため、ゴムへの分散性が悪く、耐破断性及び耐摩耗性を改良する効果(補強性)の点で劣るという問題があった。そこで、ゴム組成物へシリカを配合する場合には、一般にシランカップリング剤が併用される。しかしながら、この方法を採用しても、補強性が十分ではない。
そこで、シリカを使用したときにカーボンブラックと同等レベルの補強性を得るために、種々の方法が検討され提案されている。
本発明者らは、末端をアミン化合物で変性した重合体がシリカやカーボンブラックとの高い親和性を有することに着目して、低分子量のアミン変性重合体とジエン重合体とのゴム組成物を開発した(特許文献3)。しかしながら、組成物の性能をより高めるべくアミン変性重合体の分子量を上げると、配合物粘度が上昇してしまい、加工性が低下するという問題が生じた。
しかしながら、この変性共役ジエン系重合体ゴムも同様に加工上の問題を有しており、得られるゴム組成物の品質が安定せず、また、得られるゴム組成物の低発熱性、耐摩耗性等の性能も十分に満足できるレベルにはない。
XsSiR8 4−s (I)
R8は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R8が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Xは、下記一般式(II)で表される構造を有する基であり、Xが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
(式(II)中、P2〜P4は、それぞれ、直接に又は連結基を介して、Si原子に結合している、共役ジエン単量体単位を含有する重合体鎖である。
R1は、炭素数1〜20の炭化水素基である。
R5〜R7は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
p、q及びrは、それぞれ、0〜200の整数であり、かつ、2p+q≧3を満たすものである。
また、R1、P2〜P4、及びR5〜R7は、任意の組み合わせで結合して環を形成していてもよい。)〕
YtSiR18 4−t (III)
R18は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R18が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Yは、下記一般式(IV)で表される構造を有する基であり、Yが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
(式(IV)中、R11及びR15〜R17は、それぞれ、基体重合体の活性部位と反応しない、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、又は前記極性の官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。R11及びR15〜R17は、任意の組み合わせで結合して環を形成していてもよい。
Z2〜Z4は、それぞれ、基体重合体の活性部位と反応可能な、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
d、e及びfは、それぞれ、0〜600の整数であり、かつ、2d+e≧3を満たすものである。)〕
本発明の基材重合体組成物において、基材重合体がジエン重合体であることが好ましい。
また、本発明の基材重合体組成物において、基材重合体が、シロキサン構造含有重合体であることが好ましい。
本発明の基材重合体組成物において、基材重合体主鎖中の二重結合量(DBS)と基体重合体主鎖中の二重結合量(DBL)とがDBS≧DBLの関係を満たすことが好ましい。
本発明の基材重合体組成物は、本発明の変性基体重合体組成物と基材重合体とを溶液状態で混合することによって得ることができる。
本発明の補強性重合体組成物において、基材重合体がゴム状重合体であることが好ましい。
本発明の補強性重合体組成物は、表面にシラノール基を有する補強性粒子と、上記本発明の基材重合体組成物とを、有機溶媒中で、混合することによって、好適に製造される。
本発明の加硫性ゴム組成物は、タイヤ用に好適である。
この基材重合体組成物に、シラノール基を有する補強性粒子を配合することにより、特に機械的強度及び耐摩耗性にも優れた補強性重合体組成物を得ることができる。
この補強性重合体組成物に加硫剤を配合することにより、特に機械的強度及び耐摩耗性にも優れた加硫性ゴム組成物が得られ、このものはタイヤ用に好適である。
XsSiR8 4−s (I)
R8は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R8が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Xは、下記一般式(II)で表される構造を有する基であり、Xが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
R1は、炭素数1〜20の炭化水素基である。
R5〜R7は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
p、q及びrは、それぞれ、0〜200の整数であり、かつ、2p+q≧3を満たすものである。
また、R1、P2〜P4、及びR5〜R7は、任意の組み合わせで結合して環を形成していてもよい。
重合体鎖P2〜P4の重量分子量は、通常、500以上であり、500〜100,000であることが好ましく、5,000〜70,000であることがより好ましい。
本発明のシロキサン構造含有重合体を、変性基体重合体として、基材重合体に配合する場合には、その基材重合体との親和性等を勘案して決定すればよい。例えば、基材重合体としてタイヤ用途等に用いられるスチレン−ブタジエン共重合体を使用する場合には、共役ジエン重合体、特に1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体又はこれらとスチレンとの共重合体であることが好ましい。
これらの共役ジエン単量体は、1種類を単独で使用しても2種類以上を組合せて用いてもよい。
これらの共役ジエン単量体と共重合可能な単量体は、1種類を単独で使用しても2種類以上を組合せて用いてもよい。
また、重合体鎖P2〜P4における共役ジエン部分のビニル結合量(1,2−ビニル結合及び3,4ビニル結合)の含有量は、通常、7〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、更に好ましくは30〜65モル%である。
重合体鎖P2〜P4における芳香族ビニル単量体単位の含有量は、通常、0〜50モル%、好ましくは10〜40モル%、更に好ましくは20〜35モル%である。
重合体鎖をSi原子に結合する連結基は、2価の有機基であれば特に限定されないが、その具体例としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、アミノ基(−NH−又は−NR−(Rは、炭化水素基))、カルボニル基、ピロリドニル基又はこれらの組み合わせ(オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、アミド基等)等を挙げることができる。
窒素原子を有する極性の官能基の具体例としては、アミノ基を挙げることができる。
酸素原子を有する極性の官能基の具体例としては、一般式(V):−R9−O−R10で表されるものを挙げることができる。
R10は、水素原子又は炭化水素基である。炭化水素基は、その炭素原子の一部が酸素、窒素、硫黄等の周期表第15族又は第16族の原子等で置換されていてもよい。これらの炭化水素基は、鎖状であっても環状であっても一部に環を有する鎖状であってもよい。その具体例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、エポキシ基、グリシジル基、フリル基、アジリジン基、エチレンスルフィド基、チオカルバメート基、スルフォキシド基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素基は、その水素原子がハロゲン等の置換基で置換されてもよい。
このような極性基の具体例としては、水酸基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシポリオキシアルキレン基、アルコキシポリオキシアルキレン基、グリシジルオキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基等を挙げることができる。
更に、R9とR10とは、互いに結合して酸素原子を含有する環を形成していてもよい。R9とR10とが互いに結合して酸素原子を含有する環を形成した極性の官能基の例としては、エポキシ基、グリシジル基等を示すことができる。
また、p及びqについては、p=0、且つ、q≧3であることが好ましく、rは、0〜100の整数であることが好ましい。
一般式(II)において、−SiP2P3−O−、−SiP4R5−O−及び−SiR6R7−O−で表される各繰り返し単位の結合様式は、ランダムでもブロックでもよい。
また、基体重合体の構造も、重合体鎖P2〜P4のそれと同様であってよい。
金属化基体重合体は、重合活性末端に金属原子を有する金属活性末端基体重合体であるか又は基体重合体を公知の方法により金属化(以下、「狭義の金属化」ということがある。)して重合体の末端又は側鎖に金属を導入したものである。(以下、狭義の金属化によって得られた金属化基体重合体を「狭義の金属化基体重合体」ということがある)。
これらの中でも、重合活性末端に金属原子を有する金属活性末端基体重合体と一般式(III)で表わされるシロキサン化合物との反応の効率の観点から、リビング重合性をもった触媒を用いるのがよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属触媒、ネオジムやガドリニウム等の遷移金属触媒が好ましく、アルカリ金属触媒が最も好ましい。
これらの有機溶媒は、一種類を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
YtSiR18 4−t (III)
R18は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。R18が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Yは、下記一般式(IV)で表される構造を有する基であり、Yが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
また、2d+e≧4であることが好ましく、2d+e≧10であることがより好ましく、2d+e≧40であることが特に好ましい。
dは、3以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。
eは、3以上であることが好ましく、3〜200であることがより好ましい。
fは、0〜500であることが好ましい。
重量平均分子量がこの範囲内にある変性基体重合体組成物を使用すると、強度特性及び耐摩耗性に優れた補強性重合体組成物を得ることができる。
変性基体重合体組成物の量は、基材重合体100重量部に対して、5〜100重量部であるのが好ましく、10〜60重量部であるのがより好ましい。
本発明において使用し得る基材重合体の種類は、基材重合体組成物の用途や使用目的に応じて適宜選定すればよく、樹脂状重合体であってもゴム状重合体であってもよい。
これらのゴムは、それぞれ単独で、又は2種類以上を組合せて使用することができる。
ゴム状重合体、好ましくは共役ジエン系ゴムを基材重合体として得られる基材重合体組成物に補強性粒子を配合すると、耐摩耗性等に優れた加硫性ゴム組成物等を得ることができる。
シロキサン構造を含有する基材重合体として、一般式(VI)で表されるものを、特に好ましく用いることができる。
R21及びR25〜R28は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R21及びR25〜R28が、それぞれ、複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
P21〜P24及びP28は、それぞれ、直接に又は連結基を介してSi原子に結合している重合体鎖であり、P21〜P24及びP28が、それぞれ、複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
ssは、1〜4の整数である。
pp、qq及びrrは、それぞれ、0〜200の整数であり、かつ、2pp+qq≧3を満たすものである。
両重合体主鎖中の二重結合量がこの関係を満足するとき、この基材重合体組成物を用いて最終的に得られる加硫性ゴム組成物の加硫速度が優れたものとなる。
混合方法としては、両者を溶液状態で混合するのが、簡便であり、均一な組成物を得るのに適している。
珪酸質粒子としては、乾式法シリカ;湿式法シリカ;アルミニウムシリケートやカルシウムシリケート等の合成珪酸塩系シリカ;等が挙げられる。これらの中でも、含水珪酸を主成分とする湿式法シリカが特に好ましい。
また、補強性粒子の他の具体例として、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の表面をシラン化合物と反応させる等の方法によって得られる、表面にシラノール基を有するものを挙げることができる。
これらの補強性粒子は、それぞれ単独で又は二種以上を組合せて使用することができる。
珪酸質粒子の比表面積には、特に制限はないが、BET法による窒素吸着比表面積が50〜800m2/gのものがよい。窒素吸着比表面積は、好ましくは80〜250m2/g、更に好ましくは100〜200m2/gである。比表面積がこの範囲内にあるとき、加工性、低発熱性、耐摩耗性が特に優れた重合体組成物を得ることができる。珪酸質粒子のpHは特に限定されないが、酸性の珪酸質粒子がよく、pHが3〜6.9のものが好ましく、pHが5〜6.7のものが更に好ましい。
混合の順序にも特に限定はなく、変性基体重合体組成物と基材重合体とを混合した後、得られた基材重合体組成物をシラノール基を有する補強性粒子と混合する方法、変性基体重合体組成物と基材重合体とのどちらか一方をシラノール基を有する補強性粒子と混合した後、得られた混合物に他方を混合する方法、三成分を同時に混合する方法等のいずれでもよい。
混合は、三成分全てを固形状態で混練するドライブレンド、任意の一又は二成分を溶液状態として、これに第三成分を固形状態で添加した後、溶媒を除去する方法、その他の方法のいずれでもよい。
好ましくは、変性基体重合体組成物と基材重合体とを混合した後、得られた基材重合体組成物にシラノール基を有する補強性粒子を混合する方法である。
攪拌速度は、通常、10〜10,000回転/分で、好ましくは50〜5,000回転/分、更に好ましくは100〜1,000回転/分である。攪拌速度がこの範囲内にあると、補強性粒子が沈降することがなく反応効率がよい。攪拌翼の形状は、特に限定されず、平板、ヘリカル、ダブルヘリカル等を適宜組合せることができる。また、ホモジナイザー等を用いて高速で、且つ、せん断を与えながら混合してもよい。
混合時の雰囲気は、特に限定されないが、安全のために不活性雰囲気下で行なうのが好ましい。混合時の系内の圧力も特に限定されない。また、混合時間は、攪拌速度等にも依るが、通常、5分〜3時間程度である。
補強性重合体組成物は、この溶液から、蒸発乾固、遠心分離等の適切な方法で溶媒と分離して、固形粒子として得ることができるが、溶液の状態で使用してもよい。
これら配合剤の添加は、重合体組成物が溶液状態にあるときに行ってもよく、また、固形状とした後で行ってもよい。
タイヤ用途に好適な加硫性ゴム組成物に用いるゴム状重合体としては、共役ジエン系ゴムが好ましく用いられ、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムが特に好ましく用いられる。
この共役ジエン系ゴムにおける各単量体単位の配列様式は、特に限定されず、ランダムであっても、ブロック構造でも、テーパ構造でもよいが、8連鎖以上の芳香族ビニル化合物単位を含む割合は少ないほうがよく、通常、全結合芳香族ビニル化合物量に対して、10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは1%以下である。また、共役ジエン単位が重合体鎖の少なくとも一つの末端にブロック状で含まれているのが好ましい。
加硫剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。加硫剤の配合割合がこの範囲にあるときに、引張強度や耐摩耗性に優れるとともに、耐熱性や残留ひずみ等の特性にも特に優れる組成物を得ることができる。
加硫促進剤の配合割合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。
これらの加硫活性化剤は、それぞれ単独で又は2種以上を併用して用いることができる。加硫活性化剤の配合割合は、加硫活性化剤の種類により適宜選択される。
高級脂肪酸を用いる場合、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部配合する。酸化亜鉛を用いる場合は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.5〜3重量部配合する。加硫活性化剤の配合割合がこの範囲にあるときに、組成物の加工性、引張強度及び耐摩耗性等の特性が高度にバランスされ好適である。
このような添加剤としては、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、粉砕シリカ等の充填剤;ビス−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)モノスルフィド、ビス−(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)ペンタスルフィド、ビス−(2−トリエトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3−オクタチオ−1−プロピルエトキシシラン等のシランカップリング剤;ナフテン系、パラフィン系又はアロマ系プロセスオイル;ジオクチルフタレート等の可塑剤;鉱物系のプロセスオイル;ナタネ油、桐油、トール油、亜麻仁油、パーム油等の植物系オイル;牛脂等の動物系オイル;石油合成オイル;テルペン樹脂、石油樹脂類;老化防止剤;等を挙げることができる。これらの配合剤の量は、通常用いられる範囲でよい。
本発明の加硫性ゴム組成物は、常法に従って各成分を配合することにより得ることができる。
なお、各特性は、以下の方法により評価した。
高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求める。具体的には、東ソー社製HLC8220を用い、GMH−HR−Hカラム2本を用い、テトラヒドロフラン(THF)を使用し、40℃、1ml/minの速度で測定する。分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施する。
[重合体のミクロ構造]
プロトンNMRにより測定する。
JIS K6300に従って測定する。
[破断時引張強度]及び[破断時伸び]
160℃、30分加硫後サンプルについて、JIS K6251:1993に従い、ダンベル状3号形を用いて測定する。引張強度及び伸びの測定単位は、それぞれ、MPa及び%である。いずれも数値が大きいほどよい。
JIS K6300に従って測定する。レオメータのトルクカーブから最低トルク(ML)及び最高トルク(MH)及びその差分dS(=MH−ML)から、トルクがML+0.1×dS及びML+0.9×dSとなる時間を求める。この両者の間の時間を加硫時間(単位:分)とする。この測定値を基準サンプルを100とする指数に換算して示す。この指数の数値が小さいほど、配合物の均一性がよいことを示す。
なお、測定は、東洋精機社製RLR型加硫試験機を用い、160℃(振れ角1度)の条件で行った。
シリカの分散性の指標として、160℃、30分加硫後サンプルの1Hz、60℃で、0.3%から70%のG’(貯蔵弾性率)の歪依存性を、ラバープロセスアナライザーRPA2000(アルファテクノロジー社製)を用いて測定する。測定単位はMPaである。この測定値を、基準サンプルを100とする指数に換算して示す。指数の数値が小さいほど、シリカの分散性がよい。
160℃、30分加硫後サンプルについて、JIS K6264に従い、ランボーン摩耗試験機を用いて測定する。測定単位は、ccである。測定値の逆数を、基準サンプルを100とする指数で示す。指数の数値が大きいほど、耐摩耗性が優れる。
実施例1は、実施例1A、参考例1B、実施例1C、実施例1D及び実施例1Eから構成される。他の実施例及び比較例も同様である。
[実施例1A](シロキサン構造含有重合体を含有する変性基体重合体組成物の製造)
攪拌器付オートクレーブを用いて、シクロヘキサン/ヘキサン混合溶媒(混合比9/1)中、テトラメチルエチレンジアミンを単量体1kg当り40ミリモル存在させた上で、n−ブチルリチウムを単量体1kg当り20ミリモルを用いて、スチレンとブタジエンとの共重合を行い、金属活性末端基体重合体を得た。
この金属活性末端基体重合体に、表1に示すシロキサン化合物b(シロキサン化合物1g中に含まれるエポキシ基のモル数が、3.13ミリモルである)を、シロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量(金属活性末端基体重合体1kg当たり6.4g)添加した後、反応を停止させて、結合スチレン量25%、ブタジエン部分のビニル結合量63モル%、主鎖の二重結合量28%、3分岐以上の重合体の割合25%、及び重量平均分子量123,000である変性基体重合体組成物A1の溶液(濃度10重量%)を得た(表2を参照)。
攪拌器付オートクレーブを用いて、シクロヘキサン/ヘキサン混合溶媒(混合比9/1)中で、テトラメチルエチレンジアミンを単量体1kg当り8ミリモル存在させた上で、n−ブチルリチウムを単量体1kg当り5ミリモルを用いて、スチレンとブタジエンとの共重合を行い、金属活性末端基体重合体を得た。これに変性剤として、シロキサン化合物bをシロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量(金属活性末端基体重合体1kg当たり1.47g)添加した後、反応を停止させて、結合スチレン量21%、ブタジエン部分のビニル結合量63モル%、主鎖の二重結合量29%、3分岐以上の重合体の割合25%、及び重量平均分子量720,000であるシロキサン構造を含有する基材重合体B1の溶液(濃度10%)を得た。
実施例1Aで得た変性基体重合体組成物A1の溶液(固形分換算100部)及び参考例1Bで得た基材重合体B1の溶液(固形分換算30部)を混合して、重量平均分子量565,000の基材重合体組成物C1の均一な溶液を得た。これをスチームストリッピング後、真空乾燥して、固形の基材重合体組成物C1を得た(表3を参照)。
この固形の基材重合体組成物C1と、基材重合体B1 100部に対してシリカ粒子が80部となる割合の湿式法シリカ(ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET)165m2/g、pH6.5の含水珪酸、商品名Z1165MP)とを、110℃、毎分50回転の条件下、バンバリーミキサーで2分間混練した後、バンバリーミキサーから取り出し、固形の補強性重合体組成物D1を得た(表3を参照)。
補強性重合体組成物D1 210部をに、110℃、毎分50回転の条件下、バンバリーミキサーで30秒間混練した後、アロマチックオイル(プロセスオイル)20部、シランカップリング剤のカーボンブラック吸着物(混合重量比50/50,デグッサ社製、商品名X50S)8部、亜鉛華3部、ステアリン酸2部及び老化防止剤6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)2部及びワックス系老化防止剤(大内新興化学工業社製、サンノック)2部を添加して、バンバリーミキサーを用いて毎分50回転の条件下で、150℃になるまで混練した。次いで、得られた混練物に、50℃のロールを使用して、硫黄1.6部、加硫促進剤DPG(1,3−ジフェニルグアニジン)0.5部及び加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)1.8部を配合して加硫性ゴム組成物E1を得た。
得られた加硫性ゴム組成物E1について、各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
なお、各実施例及び各比較例の加硫性組成物の各特性評価結果(破断時引張強度及び破断時伸びを除く)については、後述する比較例1の加硫性組成物Ec1の各特性値を基準として指数で示している。
[実施例2A]
n−ブチルリチウムの量を表2に示すように変更するほかは、実施例1Aと同様に重合を行い、金属活性末端基体重合体を得た。この金属活性末端基体重合体に、表1に示されるシロキサン化合物c(シロキサン化合物1g中に含まれるエポキシ基のモル数が、4.34ミリモルである)を、シロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量(金属活性末端基体重合体1kg当たり3.8g)添加した後、反応を停止させて、結合スチレン量25%、ブタジエン部分のビニル結合量63モル%、主鎖の二重結合量28%、3分岐以上の重合体の割合31%、及び重量平均分子量155,000である変性基体重合体組成物A2の溶液(濃度10重量%)を得た(表2を参照)。
[参考例2B]
参考例1Bと同様にして、基材重合体B2(=B1)の溶液(濃度10%)を得た(表2を参照)。
[実施例2C]
変性基体重合体組成物A1の溶液に代えて、実施例2Aで得た変性基体重合体組成物A2の溶液を用いるほかは実施例1Cと同様にして固形の基材重合体組成物C2を得た(表2を参照)。
[実施例2D]
基材重合体組成物C1に代えて基材重合体組成物C2を用いるほかは実施例1Dと同様にして、補強性重合体組成物D2を得た(表2を参照)。
[実施例2E]
補強性重合体組成物D1に代えて補強性重合体組成物D2を用いるほかは実施例1Eと同様にして、加硫性ゴム組成物E1を得た。
得られた加硫性ゴム組成物E1について、各種特性の評価を行った。結果を表2に示す。
用いるシロキサン化合物を表1に示すシロキサン化合物d(シロキサン化合物1g中に含まれるエポキシ基のモル数が、4.00ミリモルである)に変更して、金属活性末端基体重合体1kg当たり5.0g(シロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量)用いるほかは実施例1Aと同様にして、表2に示す変性基体重合体組成物A3を得た。
また、実施例1Bと同様にして、基材重合体B3(=B1)の溶液(濃度10%)を得た(表2を参照)。
この変性基体重合体組成物A3及び基材重合体B3を用いて実施例1Cと同様にして固形の基材重合体組成物C3を得、この基材重合体組成物C3を用いて実施例1Dと同様にして固形の補強性重合体組成物D3を得た。この補強性重合体組成物D3を用いて実施例1Eと同様にして加硫性組成物E3を得た(表2を参照)。得られた加硫性ゴム組成物E3について、各種特性の評価を行った。結果を表2に示す。
基材重合体組成物の均一な溶液を得るまで、実施例3と同様にして、溶液状態の基材重合体組成物C4を得た(表2を参照)。
これに、攪拌下に、基材重合体B4(=B1)100重量部に対してシリカ粒子が80重量部となる割合の湿式法シリカ(ローディア社製、窒素吸着比表面積(BET)165m2/g、pH6.5の含水珪酸、商品名Z1165MP)を5分間掛けて徐々に添加して更に10分間混合を続け、補強性重合体組成物D4の溶液を得た。この溶液をスチームストリッピングして、脱溶媒して、次いで真空乾燥して固形の補強性重合体組成物D4を得た。補強性重合体組成物D1に代えて補強性重合体組成物D4を用いるほかは実施例1Eと同様にして、加硫性ゴム組成物E4を得た(表2を参照)。得られた加硫性ゴム組成物E4について、各種特性の評価を行った。結果を表2に示す。
変性基体重合体を得るまで、実施例3と同様にして、変性基体重合体組成物A5を得た。次いで、変性剤として、シロキサン化合物bに代えて、四塩化ケイ素をその塩素原子が重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量(金属活性末端基体重合体1kg当たり0.0735g)用いるほかは参考例1Bと同様にして、結合スチレン量21%、ブタジエン部分のビニル結合量63モル%、主鎖の二重結合量29%、3分岐以上の重合体の割合35%、及び重量平均分子量720,000である基材重合体B5の溶液(濃度10%)を得た。この変性基体重合体組成物A5及び基材重合体B5を用いて実施例1Cと同様にして表2に示す固形の基材重合体組成物C5を得、この基材重合体組成物C5を用いて実施例1Dと同様にして固形の補強性重合体組成物D5を得た。この補強性重合体組成物D5を用いて実施例1Eと同様にして加硫性組成物E5を得た(表2を参照)。得られた加硫性ゴム組成物E5について、各種特性の評価を行った。結果を表2に示す。
変性基体重合体を得るまで、実施例3と同様にして、変性基体重合体組成物A6を得た。次いで、基材重合体B1に代えて、基材重合体B6としてNipol 9528R(日本ゼオン社製のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ゴム成分100部に対して37.5部のアロマオイル含有)のシクロヘキサン溶液(ゴム成分濃度10%)を用いるほかは実施例1Cと同様にして表3に示す固形の基材重合体組成物C6を得、この基材重合体組成物C6を用いて実施例1Dと同様にして固形の補強性重合体組成物D6を得た。この補強性重合体組成物D6を用いて実施例1Eと同様にして加硫性組成物E6を得た(表3を参照)。得られた加硫性ゴム組成物E6について、各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
n−ブチルリチウムの量を表3に示すように変更し、シロキサン化合物bに代えてn−ブチルリチウムと当量となる量のジフェノキシメチルクロルシラン(DPOMS)を用いるほかは実施例1Aと同様にして、表3に示すスチレン/ブタジエン共重合体Ac1を得た。この共重合体は、スチレン/ブタジエン共重合体鎖末端にジフェノキシメチルシリル基が結合した構造を有していて、シロキサン構造を有していない。変性基体重合体組成物A1に代えてこのスチレン/ブタジエン共重合体Ac1を用いるほかは、以下参考例1B及び実施例1C〜1Eと同様にして、非シロキサン構造含有基材重合体組成物Cc1、補強性重合体組成物Dc1及び加硫性組成物Ec1を得た。これらの各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
n−ブチルリチウムの量を表3に示すように変更し、シロキサン化合物bに代えて、シロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量の表1に示すシロキサン化合物a(シロキサン化合物1g中に含まれるエポキシ基のモル数が、3.40ミリモル)を用いるほかは、実施例1と同様にして、3分岐以上の重合体を含有しない変性基体重合体組成物Ac2、3分岐以上の重合体を含有しない基材重合体組成物Cc2、補強性重合体組成物Dc2及び加硫性組成物Ec2を得た(表3を参照)。これらの各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
n−ブチルリチウムの量を表3に示すように変更し、これに対応してシロキサン化合物aの量も変更する(シロキサン化合物中のエポキシ基が、重合に用いたn−ブチルリチウムと当量になる量であることは同じ)ほかは比較例2と同様にして、3分岐以上の重合体を含有しない変性基体重合体組成物Ac3、3分岐以上の重合体を含有しない基材重合体組成物Cc3、補強性重合体組成物Dc3及び加硫性組成物Ec3を得た。これらの各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
n−ブチルリチウムの量を表3に示すように変更し、シロキサン化合物bに代えてn−ブチルリチウムと当量となる量の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)を用いるほかは実施例1Aと同様にして、表3に示すスチレン/ブタジエン共重合体Ac4を得た。この共重合体は、スチレン/ブタジエン共重合体鎖末端にジエチルアミノベンゾフェノン基が結合した構造を有していて、シロキサン構造を有していない。変性基体重合体組成物A1に代えてこのスチレン/ブタジエン共重合体Ac4を用いるほかは、以下参考例1B及び実施例1C〜1Eと同様にして、非シロキサン構造含有基材重合体組成物Cc4、補強性重合体組成物Dc4及び加硫性組成物Ec4を得た(表3を参照)。これらの各種特性の評価を行った。結果を表3に示す。
重合体鎖末端にSi原子を有するがシロキサン構造を含有しない重合体を配合して得た加硫性ゴム組成物は、加硫速度が遅く、強度が低く、シリカの分散性及び耐摩耗性に劣ることが分かる(比較例1)。
また、重合体鎖末端をアミン化合物で変性した重合体を配合して得た加硫性ゴム組成物は、配合物粘度が非常に高く、加硫速度が遅く、強度にも劣り、また、耐摩耗性が低いことが分かる(比較例4)。
シロキサン構造含有重合体を含有する変性基体重合体組成物を配合した場合も、変性基体重合体組成物の分子量が本発明で規定する範囲よりも低い場合は、配合物粘度は低いものの、加硫速度が遅く、強度及び耐摩耗性に劣ることが分かる(比較例2)。
更に、分子量が本発明で規定する範囲よりも高い変性基体重合体組成物を配合した場合は、配合物粘度が高く、強度は優れているものの、耐摩耗性に劣る。
これに対して、本発明のシロキサン構造含有重合体を含有する変性基体重合体組成物を配合して得た加硫性ゴム組成物は、配合物粘度が低く、加硫速度が速く、強度特性に優れ、シリカの分散性及び耐摩耗性にも優れている。
Claims (13)
- 下記一般式(I)で表わされる構造を有するシロキサン構造含有重合体。
XsSiR8 4−s (I)
〔式(I)中、sは、1〜4の整数である。
R8は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R8が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Xは、下記一般式(II)で表される構造を有する基であり、Xが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
(式(II)中、P2〜P4は、それぞれ、直接に又は連結基を介して、Si原子に結合している、共役ジエン単量体単位を含有する重合体鎖である。
R1は、炭素数1〜20の炭化水素基である。
R5〜R7は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
p、q及びrは、それぞれ、0〜200の整数であり、かつ、2p+q≧3を満たすものである。
また、R1、P2〜P4、及びR5〜R7は、任意の組み合わせで結合して環を形成していてもよい。)〕 - 共役ジエン単量体単位を含有し活性部位を有する基体重合体と、下記一般式(III)で表されるシロキサン化合物とを、反応させることを特徴とする、請求項1に記載のシロキサン構造含有重合体の製造方法。
YtSiR18 4−t (III)
〔式(III)中、tは、1〜4の整数である。
R18は、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基であり、R18が複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
Yは、下記一般式(IV)で表される構造を有する基であり、Yが複数存在するときは、それらは、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
(式(IV)中、R11及びR15〜R17は、それぞれ、基体重合体の活性部位と反応しない、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、又は前記極性の官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。R11及びR15〜R17は、任意の組み合わせで結合して環を形成していてもよい。
Z2〜Z4は、それぞれ、基体重合体の活性部位と反応可能な、周期表第15族若しくは第16族の原子を有する極性の官能基、ハロゲン原子、又は前記極性の官能基若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
d、e及びfは、それぞれ、0〜600の整数であり、かつ、2d+e≧3を満たすものである。)〕 - 共役ジエン単量体単位を含有し活性部位を有する基体重合体と、前記一般式(III)で表されるシロキサン化合物とを、反応させることにより得られる変性基体重合体組成物であって、請求項1に記載のシロキサン構造含有重合体を含有し、かつ、重量平均分子量が2,000〜200,000である変性基体重合体組成物。
- 重量平均分子量300,000〜1,000,000の基材重合体100重量部と請求項3に記載の変性基体重合体組成物0.1〜100重量部とを含有してなる基材重合体組成物。
- 基材重合体が共役ジエン重合体である請求項4記載の基材重合体組成物。
- 基材重合体がシロキサン構造含有重合体である請求項4又は5に記載の基材重合体組成物。
- 基材重合体主鎖中の二重結合量(DBS)と基体重合体主鎖中の二重結合量(DBL)とがDBS≧DBLの関係を満たすことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の基材重合体組成物。
- 変性基体重合体組成物と基材重合体とを溶液状態で混合することを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の基材重合体組成物の製造方法。
- 請求項4〜7のいずれかに記載の基材重合体組成物と、この基材重合体組成物に含有される基材重合体100重量部当たり5〜300重量部の、表面にシラノール基を有する補強性粒子とを、含有してなる補強性重合体組成物。
- 基材重合体がゴム状重合体である請求項9に記載の補強性重合体組成物。
- 表面にシラノール基を有する補強性粒子と、請求項4〜7のいずれかに記載の基材重合体組成物とを、溶媒中で混合することを特徴とする請求項9又は10に記載の補強性重合体組成物の製造方法。
- 請求項10に記載の補強性重合体組成物及び加硫剤を含有してなる加硫性ゴム組成物。
- タイヤ用である請求項12に記載の加硫性ゴム組成物。
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