JP2007269923A - ハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜 - Google Patents

ハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜 Download PDF

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Abstract

【課題】空孔の欠陥の発生が抑制され、かつ大面積化が容易なハニカム状多孔質フィルム、及び該ハニカム状多孔質フィルムからなるハニカム複合膜、並びに該ハニカム複合膜を効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを含み、自己組織化により形成された空孔を有することを特徴とするハニカム状多孔質フィルムである。該ハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜である。仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
前記ハニカム状多孔質フィルムを作製するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、前記仮支持体上の前記剥離層と、前記ハニカム状多孔質フィルムとを貼り合わせる工程と、を含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法である。
【選択図】図5A

Description

本発明は、自己組織化により形成された空孔を有するハニカム状多孔質フィルム、及び該ハニカム状多孔質フィルムからなるハニカム複合膜、並びに該ハニカム複合膜の製造方法に関する。
近時、光学材料や電子材料の分野では、集積度の向上や情報量の高密度化、画像情報の高精細化などの要求が高まっている。このため、該分野に用いられるフィルムにも微細な構造(微細パターニング、微細パターン構造)が形成されていることが求められている。また、再生医療分野の研究には、表面に微細な構造を有する膜が、細胞培養における足場となる基材として有効であることが知られている(特許文献1参照)。
前記フィルムの微細パターニングについては、マスクを用いた蒸着法、光化学反応、並びに重合反応を用いた光リソグラフィー技術、レーザーアブレーション技術などの種々の方法が知られており、実用化もされている。
また、特殊な構造を有するポリマーの希薄溶液を高湿度下でキャストすることでミクロンスケールのハニカム構造を有するフィルムが得られることが知られている(特許文献2及び特許文献3参照)。このようなハニカム構造を有するフィルムに機能性微粒子を含有させることで光学材料や電子材料として用いられている。例えば、フィルム中に発光材料を含有させることで表示デバイスとして用いられる(特許文献4参照)。
また、光学材料である偏光板にも微細パターニングが形成されているフィルムが用いられている。例えば、モスアイ構造を有する反射防止機能を発現するフィルムがある。このようなフィルムは、サブミクロン〜数十ミクロンサイズの規則正しい微細パターニングが形成されている。
この場合、光リソグラフィーを中心としたマイクロ加工技術を用いた版を作製し、その版の構造を基材に転写する方法が主流である(特許文献5参照)。
前記特許文献5に記載のようなトップダウン方式の方法では、微細構造を決定する版の作製が、複雑でいくつもの工程を必要とし、高コストを招いている。また、大面積な版を製造することが困難であるという問題もある。
このため、微細な構造を自己会合的に形成することで、規則正しい微細構造を有する「自己組織化」を応用して、微細構造を有する自己組織化構造体(ハニカム状多孔質フィルム)を作製するボトムアップ方式が提案されている。
しかしながら、前記自己組織化構造体は、多数の空孔を有する薄膜であるため、強度が弱く、破れやすく、取り扱い性が劣るため、広汎な用途における利用の妨げとなっている。また、個々の空孔における欠陥の発生が抑制されて均質であり、かつ大面積化が容易な前記自己組織化構造体を得ることは困難であるため、その解決が望まれているのが現状である。
特開2001−157574号公報 特開2002−335949号公報 特開2002−347107号公報 特開2003−128832号公報 特開2003−302532号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、空孔の欠陥の発生が抑制され、かつ大面積化が容易なハニカム状多孔質フィルム、及び該ハニカム状多孔質フィルムからなるハニカム複合膜、並びに該ハニカム複合膜を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、以下の知見を得た。即ち、自己組織化構造体を作製する材料として、縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを用いることにより、空孔の鋳型となる水滴の融合が抑制され、その結果、得られる空孔の欠陥の発生が抑制され、均質であり、かつ大面積なハニカム状多孔質フィルムが得られるという知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを含むことを特徴とするハニカム状多孔質フィルムである。
<2> 少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーと、疎水性有機溶媒とを含むフィルム材料溶液を用いてフィルム材料層を形成し、前記フィルム材料層に相対湿度50〜95%の気体を送風し、前記疎水性有機溶媒を揮発させるとともに、前記フィルム材料層表面に結露を生成し、該結露を蒸発させることにより、自己組織化により形成された空孔を有する前記<1>に記載のハニカム状多孔質フィルムである。
<3> 縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される単位を有する化合物である前記<1>から<2>のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムである。
ただし、前記構造式(I)中、
Rは、R’及びR’Oのいずれかを表し、R’は、水素原子、及び炭素原子4〜22個を有する脂肪族炭化水素基を表し、
Aは、炭素数1〜50個を有する脂肪族の二価基を表し、
nは、0〜6の整数を表し、
Xは、−COOM、−SOM、及び−PO(OM)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、Mは、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
ただし、構造式(II)中、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、及びハロゲン原子のいずれかを表し、
及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、
Yは、−COOM、−SOM、及び−PO(OM)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、Mは、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜である。
<5> ハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する前記<4>に記載のハニカム複合膜である。
<6> ハニカム状多孔質フィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する前記<4>から<5>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<7> ハニカム状多孔質フィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム状多孔質フィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する前記<4>から<6>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<8> ハニカム状多孔質フィルムが延伸されてなる前記<4>から<7>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<9> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<8>に記載のハニカム複合膜である。
<10> ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を有する前記<4>から<9>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<11> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<8>に記載のハニカム複合膜である。
<12> ハニカム状多孔質フィルムにおける空孔内に屈折率制御材料が充填されている前記<4>から<11>のいずれかに記載のハニカム複合膜。
<13> 仮支持体及び剥離層を剥離し、除去して使用される前記<4>から<12>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<14> 位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる前記<4>から<13>のいずれかに記載のハニカム複合膜である。
<15> 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムを支持体上に作製するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、
前記仮支持体上の前記剥離層と、前記ハニカム状多孔質フィルムとを貼り合わせる工程と、を含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法である。
<16> 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
前記<1>から<3>のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムを前記仮支持体上の前記剥離層上に作成するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、を含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法である、
<17> ハニカム状多孔質フィルムを延伸する延伸工程を含む前記<15>から<16>のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法である。
<18> ハニカム状多孔質フィルムの表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む前記<15>から<17>のいずれかに記載のハニカム複合膜の製造方法である。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、空孔の欠陥の発生が抑制され、かつ大面積化が容易なハニカム状多孔質フィルム、及び該ハニカム状多孔質フィルムからなるハニカム複合膜、並びに該ハニカム複合膜を効率よく製造する方法を提供することができる。
(ハニカム状多孔質フィルム)
本発明のハニカム状多孔質フィルムは、少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを含んでなり、自己組織化により形成された空孔を有することが好ましい。
前記ハニカム状多孔質フィルムにおけるハニカム構造とは、一定形状、一定サイズの空孔が連続かつ規則的に配列している構造を意味する。この規則配列は単層の場合には二次元的であり、複層の場合は三次元的にも規則性を有する。この規則性は、例えば、図4Aに示すように、二次元的には1つの空孔の周囲を複数(例えば、6つ)の空孔が取り囲むように配置され、三次元的には結晶構造の面心立方や6方晶のような構造を取って、最密充填されることが多いが、製造条件によってはこれら以外の規則性を示すこともある。
また、本発明のハニカム状多孔質フィルムは、少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーと、疎水性有機溶媒とを含むフィルム材料溶液からなるフィルム材料層を形成し、前記フィルム材料層に相対湿度50〜95%の気体を送風し、前記疎水性有機溶媒を揮発させるとともに、前記フィルム材料層表面に結露を生成し、該結露を蒸発させることにより形成された空孔、すなわち自己組織化により形成された空孔を有することが好ましい。
前記ハニカム状多孔質フィルムにおいては、前記有機溶媒が揮発する際に、潜熱を奪われて温度が下がった前記フィルム材料層表面で、前記気体中の水が結露して微小液滴となり付着する。前記フィルム材料層中の両親媒性ポリマーにおける親水性部分の働きによって、水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、水滴の凝集が防止され、前記有機溶媒の揮発と周囲からの補填による未揮発の前記有機溶媒の流れにより液滴が移送・集積され、更に横毛管力により最密充填され、最後に水が蒸発することにより、空孔がハニカム状に並んで形成されることにより得られる。
前記空孔は、具体的には、図1A〜図1Dに示すようにして形成される。
図1Aに示すように、相対湿度50〜95%の気体35中の水分(モデル的に図示している)43は、フィルム材料層40上で結露して液滴44となる。そして、図1Bに示すように液滴44を核として水分43が結露して液滴44を成長させる。図1Cに示すように乾燥風37がフィルム材料層40に送風されると、疎水性有機溶媒42がフィルム材料層40より揮発する。なお、この際にも液滴44からも水分が揮発するが、疎水性有機溶媒42の揮発速度の方が速い。そのため、液滴44は、疎水性有機溶媒42の揮発に伴い表面張力により略均一の形態となる。更に、乾燥が進行すると図1Dに示すように、フィルム材料層40の液滴44から水分が水蒸気48として揮発する。フィルム材料層40から液滴44が蒸発すると、液滴44を形成していた箇所が空孔47となり、層の厚さに応じて、空孔が貫通した(断面図を図2Aに示す)、又は空孔が貫通していない(断面図を図2Bに示す)ハニカム状多孔質フィルムが得られる。
前記ハニカム状多孔質フィルムの厚みとしては、孔径サイズ以上、最大200μm程度であることが好ましい。前記フィルム材料溶液中のポリマー濃度を高めることにより、図2Bに示すように、空孔のない肉厚の層を設けることもできる。この場合、前記空孔のない肉厚の層の厚みとしては、1〜500μmの範囲が好ましい。
前記フィルム材料溶液としては、少なくとも前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーと、前記疎水性有機溶媒からなる溶液であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、疎水性ポリマー、並びに適宜選択したその他の成分を含んでいてもよい。
なお、前記フィルム材料溶液中のポリマー成分は、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーであることも好ましい。
<縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマー>
前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーとしては、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される単位を有する化合物が好ましい。
ただし、前記構造式(I)中、Rは、R’及びR’Oのいずれかを表し、R’は、水素原子、及び炭素原子4〜22個を有する脂肪族炭化水素基を表し、Aは、炭素数1〜50個を有する脂肪族の二価基を表し、nは、0〜6の整数を表し、Xは、−COOM、−SOM、及び−PO(OM)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、Mは、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
前記R’で表される炭素原子数が4〜22個の脂肪族炭化水素基としては、直鎖でもよく、分枝鎖でもよく、また、不飽和性結合を有していてもよく、さらに、前記脂肪族炭化水素基の2種以上の混合物でもよい。
前記R’で表される脂肪族炭化水素基の炭素原子数としては、6〜18個が好ましい。 前記R’の例としては、例えば、ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、及びオクタデシル等のアルキル基、並びにシス−9−オクタデセニル基などのアルケニル基等が挙げられる。
前記Aで表される炭素原子数が1〜50個を有する脂肪族の二価基としては、例えば、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基、及びアルキレンオキシ−アルキレン基等の二価基が挙げられ、具体的には、エチレン、トリメチレン、オクタメチレン、エチレンオキシ、ポリエチレンオキシ、ポリプロピレンオキシ、エチレンオキシ−トリメチレン基等が挙げられる。
前記Xで表される−COOM、−SOM、及び−PO(OM)のいずれかの酸性基、並びにその塩における前記Mとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、バリウム、アンモニウム、及び炭素数1〜4のアルキルアンモニウム等が挙げられる。
前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーとしては、前記構造式(I)で表される単位を、5モル%以上含むことが好ましく、10モル%以上含むことが好ましい。
前記構造式(I)の重合体は、共重合体であってもよく、単独重合体であってもよい。
前記共重合体である場合には、前記構造式(I)で表される単位を約5〜95モル%含むことが好ましく、10〜95モル%含むことがより好ましい。
前記構造式(I)で表される単位と共重合される単位としては、一種でもよく、二種以上であってもよく、共重合される単位としては、例えば、メチレン基を有するベンゼン環、又はメチレン基を有するナフタレン環からなる二価の単位が挙げられる。
前記ベンゼン環又はナフタレン環は、置換基(例えば、アルキル基(アルキル基の炭素原子は4〜22個が好ましく、例えばブチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、オクタデシル基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子など)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(アルキル部分の炭素原子は4〜22個が好ましく、例えばオクチロキシ基、ヘキシロキシ基、ドデシロキシ基、β−ヒドロキシエトキシなど)、ハロアルコキシ基(アルキル部分の炭素原子は4〜22個が好ましく、例えばβ−クロルエトキシ、β−ブロモエトキシなど)など)が置換されうる。少なくとも1個の置換基が置換されていることが好ましい。
前記共重合される単位としては、例えば、下記のものが挙げられる。
ただし、上記式中、Rは、炭素数4〜22個の脂肪族炭化水素基を表わす。
分子量としては、特に限定されないが、好ましくは600〜10,000が好ましく、900〜5,000がより好ましい。
以下、好ましい重合体の具体例を示す。
これらの化合物の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の合成方法から選択することができ、例えば、アルキルフェノールのホルマリン重縮合体の合成としては、工業化学雑誌第66巻、391頁(1963年)、油化学第12巻625頁(1963年)に記載されている方法が挙げられ、スルホン酸の導入方法としては、例えば、工業化学雑誌第73巻563頁(1970年)、同第59巻221頁(1956年)、及びJ.Am.Chem.Soc.第77巻、2496頁(1955年)等に記載されている方法が挙げられる。
ただし、構造式(II)中、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、及びハロゲン原子のいずれかを表し、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、Yは、−COOM’、−SOM’、及び−PO(OM’)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、M’は、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
前記構造式(II)中、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、tert−アミル基、n−へキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−ノニル基、ドデシル基、オクタデシル基等)、炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル基、p−トルイル基、m−クロロフェニル基等)、炭素数2〜20のアルケニル基(例えば、オレイル基、ビニル基、アリル基等)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基等)、−NRCO−Rで表わされるカルバモイル基、(ただし、R及びRは、それぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のアルケニル基を表わし、異なっていても同じであってもよい。)、−CONRで表わされるカルボンアミド基(ただし、R及びRは、前記カルバモイル基におけるR及びRと同じ)、−SONRで表わされるスルホンアミド基(ただし、R及びRは、前記カルバモイル基におけるR及びRと同じ)、及びハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)が好ましく、これらの中でも水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フッ素原子、及び塩素原子がより好ましい。
前記構造式(II)中、R及びRとしては、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基等)、及び炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、p−トルイル基、α−ナフチル基、p−クロロフェニル基等)が好ましく、これらの中でも、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、及びフェニル基がより好ましい。また、RとRとは、互いに結合して環構造を形成していてもよい。
前記Yで表される−COOM’、−SOM’、及び−PO(OM’)のいずれかの酸性基、並びにその塩におけるM’としては、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、及びアンモニウムイオンが好ましく、これらの中でも水素原子、ナトリウムイオン、及びカリウムイオンがより好ましい。
前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーとしては、例えば、前記構造式(II)で表される単位の2種以上の構造を同一分子内に有する共重合体、及び前記構造式(II)で表される単位と下記構造式で表されるような前記構造式(II)で表される単位以外の単位との共重合体が好ましい。
前記構造式(II)で表される単位は、前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマー中の10〜100%を占めることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。
以下、前記構造式(II)で表わされる単位を有する重合体の具体的な例を挙げるが、前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーは、これらの化合物例に限定されるものではない。
前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーの配合量としては、前記フィルム材料溶液中、0.005〜30質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましい。
前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーの配合量が0.005質量%未満であると、空孔の欠陥の発生が抑制できなくなることがある。
ここで、本発明において、空孔の欠陥とは、(1)空孔の径が均一ではない(例えば、図4Bに示す)、(2)空孔が円形ではない(例えば、図4C、図4Dに示す)、(3)空孔が存在しない(例えば、図4Dに示す)状態を指す。
なお、前記空孔は、粒径の揃った水滴の六方細密充填構造を鋳型として形成されるため、理想的なハニカム構造では孔の形は正六角形であるが、実際には水滴間距離が長くなるにつれ円形になる。本発明のハニカム状多孔質フィルムにおいては、空孔が円形であることが多いため、空孔の大きさはフィルム表面に形成された円の直径で規定する。平均孔径とは、任意の100個以上の空孔の直径の平均値とする。一方、空孔が正六角形の場合は、長い方の径と短い方の径の平均で規定する。
前記(1)空孔の径が均一ではない状態とは、平均孔径に対して50%以上異なる径の空孔が存在する(例えば、図4B)ことを示す。
前記(2)空孔が円形ではない状態とは、例えば、楕円形の空孔(図4C)、2個の球形がつながったようなもの(図4D)などを示し、楕円形とは、空孔中の最も長い径と最も短い径の差が平均孔径の50%以上である空孔のことを示す。
前記(3)空孔が存在しない状態とは、平均孔径に対して150%以上の径の隙間が存在する(例えば、図4E)ことを示す。
前記ハニカム状多孔質フィルムとしては、光学顕微鏡下において1250倍で観察した際、視野(190×250μm)中に前記空孔の欠陥が5個以下であることが好ましく、前記空孔の欠陥が視野内に5個以下の領域の最大面積が1cm×1cm以上であることがより好ましい。
本発明のハニカム状多孔質フィルター中に、前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーが含まれていることは、作製された前記ハニカム状多孔質フィルターを適当な重水素化溶媒に溶解し、1H−NMR測定を行うことにより確認することができ、他のポリマー成分との含有量比も定量することができる。
<疎水性ポリマー>
前記疎水性ポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーであることも好ましい。例えば、ビニル重合ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸など)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。
これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態をとってもよい。なお、これらのポリマーは必要に応じて2種以上のポリマーの混合物として用いてもよい。
前記疎水性ポリマーの数平均分子量(Mn)としては、1,000〜10,000,000が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましい。
前記疎水性ポリマーの前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーとの組成比率は、全固形分中の質量%として0〜99.95が好ましく、50〜99.9がより好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、重合性の多官能モノマー(以下、「多官能モノマー」という)を配合することができる。
前記多官能モノマーとしては、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレート又はこれらの変性物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はこれらの変性物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記多官能モノマーを含むフィルム材料溶液を用いて作製したハニカム状多孔質フィルムに対し、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことも好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。
また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。
なお、前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。外光増感剤の具体例とし
て、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
前記熱ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、有機ジアゾ化合物、などを用いることができる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
<疎水性有機溶媒>
前記疎水性有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;二硫化炭素、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、又はこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用しても構わない。
前記フィルム材料溶液中のポリマー濃度としては、0〜30質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましい。前記ポリマー濃度が30質量%を超えると、十分なハニカム構造体が得られにくくなることがある。
(ハニカム複合膜)
本発明のハニカム複合膜は、本発明のハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有する。
前記仮支持体を剥離可能に有することにより、薄く取扱いが困難な前記ハニカム状多孔質フィルムを保護して取扱性を向上させることができ、使用時には前記仮支持体を容易に除去することができる。
また、前記ハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する態様、及び前記ハニカム状多孔質フィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する態様が好ましい。
更に、前記ハニカム状多孔質フィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム状多孔質フィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様が好ましい。
本発明のハニカム複合膜の例を、図5B、図5C、及び図5Dに示す。
図5Bに示す前記ハニカム複合膜は、前記ハニカム状多孔質フィルム12の一方の面に、剥離層2を有し、該剥離層2上に前記仮支持体1を有する態様であり、前記仮支持体1の剥離層2上に本発明のハニカム状多孔質フィルム12を形成したものであってもよく、また、図5Aに示すような任意の支持体3上に形成した本発明のハニカム状フィルム12を、該支持体3から剥離し、剥離層を有する前記仮支持体1上の前記剥離層2と貼り合わせて形成したものであってもよい。
図5Cに示す前記ハニカム複合膜は、前記ハニカム状多孔質フィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム状多孔質フィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する態様であり、例えば、図5Aに示すような支持体3上に形成した本発明のハニカム状フィルム12を、該支持体3から剥離せずに、前記仮支持体1上の前記剥離層2と貼り合わせて形成してもよい。
図5Dに示す前記ハニカム複合膜は、前記ハニカム状多孔質フィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する態様であり、例えば、図5Bに示す前記ハニカム複合膜の前記ハニカム状多孔質フィルム上に、さらに剥離層を有する前記仮支持体1上の前記剥離層2と貼り合わせて形成したものが挙げられる。
<剥離層>
前記剥離層は、前記ハニカム状多孔質フィルムと前記仮支持体との剥離性を向上させるために設けられることが好ましく、例えば、前記仮支持体上に形成されることがより好ましい。
前記剥離層としては、前記ハニカム状多孔質フィルムと前記仮支持体とを損傷させることなく剥離させることができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、少なくとも離型剤を含むことが好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のシリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エポキシアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、該剥離層を形成する箇所(例えば、前記仮支持体上)に、前記離型剤を含む剥離層形成用溶液を塗布する方法などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーテイング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法、エクストルージョン塗布法、スピン塗布法、などが挙げられる。
前記離型層形成用溶液の付着量としては、固形分で0.4〜3.0g/mが好ましく、0.5〜2.0g/mがより好ましい。
<仮支持体>
前記仮支持体としては、前記ハニカム状多孔質フィルムを保護し、かつ取扱性を向上させることが可能であり、さらに、使用時に容易に除去することができる材料であることが好ましく、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
前記仮支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.02〜4.0mmが好ましい。
<支持体>
前記支持体としては、その表面で前記ハニカム状多孔質フィルムを形成可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記仮支持体と同様の材料、前記ハニカム状多孔質フィルムを表面に形成することによりデバイス化される基材(例えば、ガラス基板、電極材料等)、及び前記ハニカム状多孔質フィルムを製造するためのフィルム製造設備における流延ベルトなどが挙げられる。
<ハニカム状多孔質フィルム>
前記ハニカム複合膜における前記ハニカム状多孔質フィルムとしては、加工されていてもよく、好ましい態様としては、例えば、延伸されてなるハニカム状多孔質フィルム、表面に金属層を有するハニカム状多孔質フィルム、空孔内に屈折率制御材料が充填されているハニカム状多孔質フィルム等が挙げられる。
−延伸−
前記延伸としては、例えば、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかが好ましい。
前記ハニカム状多孔質フィルムを延伸する方法としては、特に制限はなく、種々の延伸機を用いて実施することができ、例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター延伸などが好適に利用できる。
前記延伸における延伸倍率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に延伸する場合は約1.05〜12倍、好ましくは1.2〜10倍であり、二軸延伸の場合は面積倍率で1.2〜60倍、好ましくは1.5〜50倍である。
前記延伸により、前記ハニカム状多孔質フィルムには楕円状乃至スリット状の空孔が形成され、特に、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口した空孔が形成される。この場合、前記空孔は、直線状に配列していることにより、後述する金属層を形成した際にワイヤーグリッド機能を発揮させることができる点で好ましい。
−金属層−
前記ハニカム状多孔質フィルム表面には、金属層を設けることができ、特に、前記延伸により楕円状乃至スリット状に開口した空孔を有する前記ハニカム状多孔質フィルム表面には、金属層を設けることが好ましい。
前記金属層における金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記金属層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記ハニカム状多孔質フィルムに金属層を形成した偏光膜の場合、該金属層の厚みとしては、50〜1000nmが好ましい。
また、前記ハニカム状多孔質フィルム表面の空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有することが好ましい。即ち、楕円状乃至スリット状空孔が直線状に配列し、該空孔内に金属層を有することにより、互いに平行をなすように多数の金属ワイヤーが等間隔に並んだ構造と近似した構造を形成することができる。
前記ハニカム状多孔質フィルム表面の空孔内に金属層を形成する方法としては、フィルム表面に金属層を形成した後、空孔以外の金属層部分をエッチングにより除去する方法、などが挙げられる。
−屈折率制御材料−
前記ハニカム状多孔質フィルムにおける空孔内には、該フィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する屈折率制御材料を充填することが、位相差機能を発揮させることができる点から好ましい。
前記屈折率制御材料としては、前記ハニカム状多孔質フィルムを構成するフィルム材料の屈折率と異なる屈折率を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、(1)前記フィルム材料よりも屈折率が小さい低屈折率材料、及び(2)前記フィルム材料よりも屈折率が高い高屈折率材料のいずれであってもよいが、前記高屈折率材料(2)が特に好ましい。
ここで「屈折率」とは、前記ハニカム状多孔質フィルムを構成するフィルム材料、及び屈折率制御材料の各々単独の屈折率を指し、一般に市販されているアッベの屈折計(Abbe refractometer)を用い、ISO489(1999)、又はJIS 7142−1996(プラスチックの屈折率測定方法)に準拠した方法で測定することができる。なお、本発明の屈折率は、光の波長としてD線(589nm)を用いた値である。また、既存のポリマー材料の屈折率については種々文献により公知であり、例えばJ.Brandrup、E.H.Immergut編、「Polymer Handbook」第2版、1975年(John Wiley & Sons, Inc.)III−241-244等の記載を参考にすることができる。
前記屈折率制御材料としては、前記ハニカム状多孔質フィルムを構成するフィルム材料フィルムの屈折率と異なる屈折率を有し、空孔内に充填可能な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリマー材料、無機材料、及びこれらの混合物が挙げられる。前記ポリマー材料としては、水又は有機溶媒等の溶媒に分散又は溶解するポリマーが好ましく、前記無機材料としては、無機微粒子の混合物であることが好ましい。
前記屈折率制御材料に用いられるポリマーとしては、例えば、ビニルポリマー、縮合系ポリマー(ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリカルボジイミド等)などが挙げられる。
前記ビニルポリマーを形成するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、等の酸類、アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル基は置換基を有してもよいアルキル基、アリール基を含むエステル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、2−クロロエチル基、シアノエチル基、2−アセトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、テトラヒドロフルフリル基、5−ヒドロキシペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−(2−メトキシエトキシ)エチル基、2,2,2−テトラフルオロエチル基、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基等)などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、具体的には、置換基を有してもよい脂肪族カルボン酸ビニルエステル(例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート等)、置換基を有してもよい芳香族カルボン酸ビニルエステル(例えば、安息香酸ビニル、4−メチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等)などが挙げられる。
前記アクリルアミド類としては、具体的には、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド(置換基は置換基を有してもよいアルキル基,アリール基,シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等)などが挙げられる。
前記メタクリルアミド類としては、具体的には、メタクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミド(置換基は置換基を有してもよいアルキル基,アリール基,シリル基であり、例えば、メチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、フェニル基、2,4,5−テトラメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、トリメチルシリル等)などが挙げられる。
前記オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン等が挙げられる。前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、イソプロピルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン等が挙げられる。前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記その他のモノマーとしては、例えば、ビニルスルホン酸、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸ジエステル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、などが挙げられる。
前記ポリウレタンとしては、基本的にジオール化合物とジイソシアネート化合物を原料とした重付加反応により得られるものである。
前記ジオール化合物の具体例としては、非解離性のジオールとしてエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量=200,300,400,600,1000,1500,4000)、ポリプロピレングリコール(平均分子量=200,400,1000)、ポリエステルポリオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等を挙げることができる。
前記ジイソシアネートの好ましい具体例としては、エチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート,1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート,m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチルー4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)等を挙げることができる。
前記ポリエステルとしては、基本的にジオール化合物とジカルボン酸化合物の脱水縮合によって得られるものである。
前記ジカルボン酸化合物の具体的な例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ジメチルマロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、α,α―ジメチルコハク酸、アセトンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、ポリ(エチレンテレフタレート)ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、ω―ポリ(エチレンオキシド)ジカルボン酸、p−キシリレンジカルボン酸などを挙げることができる。
これらの化合物は、ジオール化合物と重縮合反応を行う際に、ジカルボン酸のアルキルエステル(例えば、ジメチルエステル)やジカルボン酸の酸塩化物の形で用いてもよいし、無水マレイン酸や無水コハク酸、無水フタル酸のように酸無水物の形で用いてもよい。
前記ジオール化合物としては、上記ポリウレタンにおいて記載したジオール類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
前記ポリエステルの代表的な合成法は上記のジオール化合物とジカルボン酸もしくはその誘導体の縮合反応であるが、ヒドロキシカルボン酸(例えば、乳酸、12-ヒドロキシステアリン酸)のようなヒドロキシカルボン酸を縮合して得ることができる。
前記ポリアミドは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物の重縮合、アミノカルボン酸化合物の重縮合もしくはラクタム類の開環重合等によって得ることができる。
前記ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3‘−ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン等を挙げることができる。
前記アミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、ω―アミノヘキサン酸、ω―アミノデカン酸、ω―アミノウンデカン酸、アントラニル酸が挙げられる。また、開環重合に用い得る単量体としてはε―カプロラクタム、アゼチジノン、ピロリドン等を挙げることができる。
前記ジカルボン酸化合物としては、上記ポリエステルにおいて説明したジカルボン酸類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
前記ポリウレアは、基本的にジアミン化合物とジイソシアネート化合物の重付加もしくはジアミン化合物と尿素の脱アンモニア反応によって得ることができ、原料であるジアミン化合物は上記ポリアミドにおいて記載したジアミン類、ジイソシアネート化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジイソシアネート類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
前記ポリカーボネートは、基本的にジオール化合物とホスゲンもしくは炭酸エステル誘導体(例えば、ジフェニルカーボネート等の芳香族エステル)を反応させる事により得ることができ、原料であるジオール化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジオール類と同じ群からなる化合物を用いることができる。
前記ポリカルボジイミドは、基本的にジイソシアネート化合物の縮合反応によって得ることができ、原料であるジイソシアネート化合物は上記ポリウレタンにおいて記載したジイソシアネート類と同じ群から選ばれる化合物を用いることができる。
以下、前記屈折率制御材料に好適なポリマー、及び該ポリマーの屈折率値を示すが、本発明のハニカム状多孔質フィルムの空孔に充填される前記屈折率制御材料は、これらに限定されるものではない。なお、括弧内に示す屈折率値は、各ポリマーの固形分の値である。
前記屈折率制御材料として好適なポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(1.35)、ポリトリフルオロエチルアクリレート(1.407)、ポリトリフルオロエチルメタクリレート(1.437)、ポリt−ブチルメタクリレート(1.4638)、ポリ−4−メチルペンテン(1.466)、ポリ酢酸ビニル(1.4665)、ポリエチルアクリレート(1.4685)、ポリメチルメタクリレート(1.4893)、ポリシクロヘキシルメタクリレート(1.5066)、ポリエチレン(1.51)、ポリアクリロニトリル(1.52)、ポリメタクリロニトリル(1.52)、ナイロン6(1.53)、スチレン−ブタジエン(25/75)共重合体(1.535)、ポリベンジルメタクリレート(1.5680)、ポリフェニルメタクリレート(1.5706)、ポリジアリルフタレート(1.572)、ポリエチレンテレフタレート(1.576)、ポリ安息香酸ビニル(1.5775)、ポリスチレン(1.59〜1.592(ポリマーの立体構造に依存))、ポリN−ベンジルメタクリルアミド(1.5965)、ポリo−クロロスチレン(1.6098)、ポリ塩化ビニル(1.63)、ポリスルホン(1.63)、ポリビニルナフタレン(1.682)、ポリビニルカルバゾール(1.683)、ポリペンタブロモフェニルメタクリレート(1.71)などが挙げられる。
前記屈折率制御材料として好適な無機材料としては、特に制限はなく、従来公知のものを目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫化カルシウム、酸化鉄、炭酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化銀、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、アルミナ、ゼオライト、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、サチンホワイト、及びケイソウ土などが挙げられ、これらの中でも金属酸化物、及び金属硫化物がより好ましい。
前記無機材料は、単独で用いてもよく、前記ポリマーとの混合物として用いてもよいが、膜の物理特性や後に行う延伸工程を勘案すると、前記ポリマーとの混合物として用いることが好ましい。この場合、前記無機材料は、無機微粒子として前記ポリマーと混合して用いるのが好ましい。
前記屈折率制御材料は、分子内に重合性基を有することも好ましい。また、前記屈折率制御材料とともに、重合性の多官能モノマーを配合し、この配合物をハニカム膜の空孔内に充填した後、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことも好ましい。前記屈折率制御材料と併用される好ましい多官能モノマーは、疎水性ポリマーの説明で挙げたものと同じである。また、好ましい光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤も疎水性ポリマーの説明で挙げたものと同じである。
前記無機材料は、重合性のポリマー材料や多官能モノマーとともに空孔内に充填することも好ましい。この際、無機材料をあらかじめ重合性の表面修飾剤で表面処理することも好ましい。
前記屈折率制御材料を空孔内に充填する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、溶融状態の屈折率制御材料を空孔に充填する方法、ハニカム状多孔質フィルムを溶解しない溶媒で調製した溶液を空孔に充填する方法、空孔内にモノマーを充填した後、加熱又は光照射により重合させる方法、などが挙げられる。
(ハニカム複合膜の製造方法)
本発明のハニカム複合膜の製造方法は、剥離層形成工程と、ハニカム状多孔質フィルム作製工程とを含んでなり、必要に応じて貼合工程、延伸工程、金属層形成工程、及びその他の工程を含んでなる。
具体的には、(1)仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、前記ハニカム状多孔質フィルムを支持体上に作製するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、前記仮支持体上の前記剥離層と、前記ハニカム状多孔質フィルムとを貼り合わせる貼合工程とを少なくとも含む第一の態様、及び(2)仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、ハニカム状多孔質フィルムを前記仮支持体上の前記剥離層上に作成するハニカム状多孔質フィルム作製工程とを少なくとも含む第二の態様が挙げられる。
−剥離層形成工程−
前記剥離層形成工程は、仮支持体上に剥離層を形成する工程である。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記仮支持体上に剥離層用塗布液を塗布する方法などが挙げられる。
−ハニカム状多孔質フィルム作製工程−
前記フィルム作製工程は、少なくとも前記縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーと、前記疎水性有機溶媒とを含む前記フィルム材料溶液を用いて前記フィルム材料層を形成し、該フィルム材料層に相対湿度50〜95%の気体を送風し、前記疎水性有機溶媒を揮発させるとともに、前記フィルム材料層表面に結露を生成し、該結露を蒸発させることにより空孔を有するハニカム状多孔質フィルムを作製する工程である。
前記フィルム材料層は、前記フィルム材料溶液を、前記支持体又は前記仮支持体上にキャストすることにより形成することができ、該キャスト法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スライド法、エクストリュージョン法、バー法、グラビア法、などが挙げられる。
前記空孔を形成し、フィルム材料層をハニカム状多孔質フィルムとして成膜する環境としては、相対湿度が50〜95%の範囲にあることが好ましく、フィルム材料層に相対湿度50〜95%の気体を送風することが好ましい。
前記相対湿度が50%未満であると、溶媒表面での水の凝結が不十分となることがあり、95%を超えると、環境のコントロールが難しく、均一な成膜を維持しにくくなることがある。
また、前記フィルム材料層に送風する気体は、風量が一定の定常風であることが好ましく、風速としては0.1〜20m/sが好ましい。
前記風速が0.1m/s未満であると、環境のコントロールが困難になることがあり、20m/sを超えると、溶媒表面の乱れを引き起こし、均一な膜が得にくくなることがある。
また、前記気体を送風する方向としては、前記フィルム材料層表面に対して0〜90°の範囲であれば、いずれの方向であってもよいが、形成される空孔の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
前記気体としては、例えば、空気の他、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることができるが、事前にフィルターを通過させるなどの除塵処置を施すことが好ましい。雰囲気中の塵は水蒸気の凝結核となって成膜に影響を及ぼすため、製造現場にも除塵設備等を設置することが好ましい。
前記成膜を行う環境は、市販の定露点湿度発生装置等を用いるなどして厳密に管理することが好ましい。風量は送風装置等で一定に制御し、外気による影響を防ぐために閉鎖された空間を用いることが好ましい。また、室内は気体が層流にて置換されるよう気体の導入出路及び成膜環境を設定しておくことが好ましい。更に、成膜品質を管理するために温度、湿度、流量等の計測器によるモニターを行うことが好ましい。孔径及び膜厚を高精度で制御するためには、これらのパラメータ(特に湿度、流量)を厳密に管理することが必須である。
−延伸工程−
前記延伸工程は、前記ハニカム状多孔質フィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する工程である。
前記延伸としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかであることが好ましい。
また、前記延伸は、縦方向及び横方向のいずれの方向に実施してもよい。縦方向に延伸する場合は、一組以上のニップロールを用い、入口側の搬送速度より出口側の搬送速度を速くすることにより達成することができる。一方、横方向に延伸する場合は、両端をチャックで把持し、これを幅方向に広げる方法(テンター延伸)により達成することができる。延伸はこれらの方法を単独で行ってもよく、又はこれらの方法を組み合わせてもよい。
−金属層形成工程−
前記金属層形成工程は、前記ハニカム状多孔質フィルム表面に金属層を形成する工程である。前記金属層の形成方法は、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記メッキ法としては、例えば、電解メッキ法、無電解メッキ法、などが挙げられる。
前記無電解メッキ法としては、酸化還元反応を利用した方法及び置換反応を利用した方法等を用いることができる。例えば、めっきされる金属のイオンが無電解めっき液中で自己触媒的な還元反応を示すことにより金、銀、銅、ニッケル及びパラジウム等をめっきする方法、及び銀鏡反応を利用した方法等を用いることができる。
前記電鋳とは、電気めっきによる金属製品の製造又は複製を意味する。
−貼合工程−
前記貼合工程は、前記第一の態様において、前記支持体上に作製されたハニカム状多孔質フィルムと、前記仮支持体上の前記剥離層とを貼り合わせる工程である。貼り合せる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法から適宜選択することができる。
なお、該貼合工程によって、図5Cに示される構造の前記ハニカム複合膜が得られ、該張合工程後、前記支持体から剥離させて図5Bに示される構造の前記ハニカム複合膜を得ることもできる。
(ハニカム状多孔質フィルム製造設備、ハニカム複合膜製造設備)
図6〜11に、本発明のハニカム状多孔質フィルム、及びハニカム複合膜を製造するのに好適なフィルム製造設備の概略図を示す。
図6に示すフィルム製造装置20は、フィルム材料溶液21がタンク22に入れられている。タンク22には攪拌翼23が備えられ、攪拌翼23が回転することで、フィルム材料溶液21を均一に混合している。フィルム材料溶液21は、ポンプ24により流延ダイ25に送液される。流延ダイ25は、流延ベルト26上に備えられている。また、流延ベルト26は、回転ローラ27,28に掛け渡されている。回転ローラ27,28が図示しない駆動装置により回転することで、流延ベルト26は無端で走行する。また、回転ローラ27,28には温調機29が取り付けられている。回転ローラ27,28の温度を調整することで、流延ベルト26の温度調整を可能としている。また、流延ベルト26上に形成されたハニカム状多孔質フィルム40を剥ぎ取る際に、ハニカム状多孔質フィルム40を支持する剥取ローラ30、及びハニカム状多孔質フィルム40を巻き取る巻取機31も備えられている。
前記ハニカム状多孔質フィルム作製工程は、図1A〜図1Dと合わせて説明する。
図1Aに示すように、流延ダイ25から流延ベルト(支持体)26上に、フィルム材料溶液21がキャスト(流延)され、フィルム材料層40が形成される。なお、フィルム材料層40の表面温度(以下、「膜面温度」と称することがある)をTL(℃)とする。本発明において、膜面温度TLは0℃以上であることが好ましい。膜面温度TLが0℃未満であると、フィルム材料層40中の液滴が凝固して所望の孔が形成されないおそれが生じる。
図6に示すフィルム製造装置20において流延が行われる流延室内は、結露ゾーン32と乾燥ゾーン33とに区画されている。結露ゾーン32には送風機34が備えられている。送風機34から結露用に調整されている風35を流延ベルト26上のフィルム材料層40に送風する。送風機34は、図6に示されているように送風口34a,34c,34eと吸引口34b,34d,34fとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、フィルム材料層40の結露条件を調整することが容易となる。なお、図6では、3ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
乾燥ゾーン33には、乾燥機36が設けられている。乾燥機36からフィルム材料層40に乾燥風37を送風する。乾燥機36も、図6に示されているように送風口36a,36c,36e,36gと吸引口36b,36d,36f,36hとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、フィルム材料層40の乾燥条件を調整することが容易となる。なお、図6では、4ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
温調機29を用いて回転ローラ27,28を介して流延ベルト26の温度調整を行うことがより好ましい。温度調整の方法としては、回転ローラ27,28の内部に液流路を設け、その液流路に伝熱媒体を送液することで調整する方法などが挙げられる。温度の調整は、下限値を流延ベルト26の温度を0℃以上とすることが好ましい。また、上限値はフィルム材料溶液21の溶媒沸点以下とすることが好ましく、より好ましくは(溶媒沸点−3℃)とすることである。これにより、結露した水分が凝固することも無く、またフィルム材料溶液21の溶媒が急激に蒸発することが抑制されるため、形状に優れるハニカム構造フィルム12を得ることができる。更に、温度調整は、フィルム材料層40の幅方向にわたって、温度分布を±3℃以内とすることにより、膜面温度の分布も±3℃以内となる。フィルム材料層40の幅方向の温度分布を減少させることにより、ハニカム構造フィルム12の孔の形成に異方性が生じることが抑制されるので、商品価値が向上する。
また、流延ベルト26の搬送方向を水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。搬送方向を調整することにより液滴44の形態を調整することができる。液滴44の形態を調整することにより、空孔の形態を調整することが可能となる。
送風機34から風35が送風されている。風35の露点TD1(℃)は、結露ゾーン32を通過するフィルム材料層40の表面温度TL(℃)に対して0℃≦(TD1−TL)℃が好ましく、0℃≦(TD1−TL)℃≦80℃がより好ましく、5℃以上60℃以下が更に好ましく、10℃以上40℃以下が特に好ましい。前記(TD1−TL)℃が0℃未満であると、結露が生じ難くなることがあり、80℃を超えると、結露と乾燥とが急峻となり、孔寸法制御やその均一化することが困難となることがある。また、風35の温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5℃以上100℃以下が好ましい。前記風の温度が5℃未満であると、液特に水の蒸発が生じ難く、形状が良好なハニカム構造フィルム12を得ることができないおそれがある。また、100℃を超えると、フィルム材料層40内に液滴44が生じる前に、水蒸気として揮発してしまうおそれがある。
図1Aに示すように結露ゾーン32で風35中の水分(モデル的に図示している)43は、フィルム材料層40上で結露して液滴44となる。そして、図1Bに示すように液滴44を核として水分43が結露して液滴44を成長させる。図1Cに示すように乾燥ゾーン33で乾燥風37がフィルム材料層40に送風されると、有機溶媒42がフィルム材料層40より揮発する。なお、この際にも液滴44からも水分が揮発するが、有機溶媒42の揮発速度の方が速い。そのため、液滴44は、有機溶媒42の揮発に伴い表面張力により略均一の形態となる。更に、乾燥が進行すると図1Dに示すようにフィルム材料層40の液滴44から水分が水蒸気48として揮発する。フィルム材料層40から液滴44が蒸発すると、液滴44を形成していた箇所が孔47となり、図2A又は図2Bに示すようなハニカム状多孔質フィルム12が得られる。
本発明においてハニカム状多孔質フィルム12の形態は特に限定されるものではないが、具体的には、図3に示す隣接する孔47の距離L2は、それらの中心間距離で0.05μm以上100μm以下に制御することができる。
風35の送風向きは、フィルム材料層40の移動方向と平行流(並流)とする。風を向流として送風すると、フィルム材料層40の膜面に乱れが生じて、液滴の成長が阻害されるおそれがある。また、風35の送風速度は、フィルム材料層40の移動速度との相対速度が0.1m/s以上20m/s以下が好ましく、0.5m/s以上15m/s以下がより好ましく、2m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.1m/s未満であると、液滴44がフィルム材料層40中で充分に成長しないままフィルム材料層40が乾燥ゾーン33に搬送されるおそれがある。また、20m/sを超えると、フィルム材料層40表面に乱れが生じたり、結露が充分に進行しなかったりするおそれがある。
フィルム材料層40が結露ゾーン32を通過する時間は0.1秒以上100秒以下とすることが好ましい。前記通過時間が0.1秒未満であると、液滴44が充分成長しないまま形成されるため所望の孔を形成することが困難となることがあり、100秒を超えると、液滴44のサイズが大きくなり過ぎハニカム状の空孔を有するフィルムが得られないおそれが生じる。
乾燥ゾーン33でフィルム材料層40を乾燥する乾燥風37の送風速度は、0.1m/s以上20m/s以上が好ましく、0.5m/s以上15m/s以下がより好ましく、2m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.1m/s未満であると、液滴44からの水分の蒸発が充分に進行しないおそれがあり、生産性にも劣ることがあり、20m/sを超えると、液滴44から水分の蒸発が急激に生じて、形成される孔37の形態が乱れるおそれがある。
乾燥風37の露点をTD2(℃)とする場合に、膜面温度TL(℃)との関係を(TL−TD2)℃≧1℃とすることが好ましい。これにより、乾燥ゾーン33でフィルム材料層40の液滴44の成長を停止させて、液滴を構成する水分を水蒸気48として揮発させることが可能となる。
送風機34,37からの風の送風は、2Dノズルで送風する方法以外に、減圧乾燥法により乾燥することも可能である。減圧乾燥を行うことで、有機溶媒42と液滴44の水分43との蒸発速度を調整することが可能となる。これを調整することで、フィルム材料層40中に液滴44を形成し、有機溶媒42を蒸発させつつ液滴44を蒸発させ、前記液滴が設けられている位置に孔47を形成する本発明における孔の大きさ、形状などを変更することができる。
また、減圧乾燥法により乾燥する方法や、膜面から3〜20mm程度離れた位置に、膜面より冷却され表面に溝を有する凝縮器を設けて、凝縮器の表面で水蒸気(揮発有機溶媒も含む)を凝縮させて乾燥させる方法も適用することができる。前記いずれかの乾燥方法を適用することで、フィルム材料層40の膜面への動的な影響を少なくして乾燥させることができるため、より平滑な膜面を得ることができる。
また、送風機34、乾燥機36の送風ユニットを複数用いたり、複数のゾーンに区画したりすることにより、異なる露点条件を設定したり、異なる乾燥温度条件を設定したりすることができる。これら条件を選択することで、空孔47の寸法制御性の向上や孔均一性の向上を図ることができる。なお、送風ユニットやゾーンの数は特に限定されるものではないが、フィルムの品質と設備のコストの点から最適な組み合わせを決定する。
膜面温度TL(℃)と結露ゾーン又は乾燥ゾーンの露点温度TDn(℃)(nは、nゾーン番号を意味する)との関係を0℃≦|TDn−TL|℃≦80℃とすることが好ましい。差を80℃以下とすることにより、有機溶媒及び水分の少なくともいずれかの急激な揮発を抑制でき、所望の形態のハニカム状多孔質フィルム12を得ることができる。また、フィルム材料層40に不純物が混入すると、ハニカム構造の形成を阻害する原因となる。そのため、送風口34a,34c,34e,36a,36c,36e,36gの塵埃度がクラス1000以下とすることが好ましい。そこで、送風機34,乾燥機36が設置されているハウジング38に空調設備39を取り付け、ハウジング38内の空調を行うことが好ましい。これにより、フィルム材料層40中に不純物が混入するおそれが減少し、良好なハニカム状多孔質フィルム12を得ることができる。
乾燥が進行したハニカム状多孔質フィルム12は、剥取ローラ30で支持しながら流延ベルト26から剥ぎ取られ、巻取機32により巻き取られる。なお、ハニカム状多孔質フィルム12の搬送速度は、特に限定されるものではないが、0.1m/min以上60m/min以下が好ましい。前記搬送速度が0.1m/min未満であると、生産性に劣りコストの点から好ましくない。一方、60m/minを超えると、ハニカム状多孔質フィルムを搬送する際に、過大な張力が付与され裂け、ハニカム構造乱れなどの欠陥の発生原因となる。以上の方法によりハニカム状多孔質フィルム12を連続して製造することができる。
得られたハニカム状多孔質フィルムは、延伸工程により延伸が施され、楕円状乃至スリット状の空孔が形成される。
また、必要に応じて、フィルム表面に金属層を形成することもできる。
図7に本発明に係るハニカム状多孔質フィルムの製造に好適なフィルム製造設備60を示す。送出機61から支持体であるフィルム62が搬送される。フィルム62はバックアップローラ63に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ63に対向してスライドコータ64が設けられている。また、スライドコータ64には減圧チャンバ65が設けられている。フィルム材料溶液供給装置66から送液ポンプで送られてくるフィルム材料溶液67が、スライドコータ64から押し出されて、フィルム62上に塗布され、フィルム材料層68が形成される。
スライドコータ64は、フィルム62の搬送方向の均一塗布性に優れており、かつ高速でフィルム材料層68の形成が可能であることから生産性においても高い塗布機であるといえる。また、フィルム62の表面に凹凸がある場合でも、フィルム62がバックアップローラ63に巻き掛けられている際に平滑化されるので、均一な塗布性に優れている。更に、フィルム62に非接触で塗布を行うので、フィルム62の表面を傷つけることなく、均一塗布が可能である。
フィルム62上に形成されているフィルム材料層68は、送風機69の風70により、図1A〜図1Dに示す結露乾燥工程が行われる。結露乾燥工程を経た後、得られたハニカム状多孔質フィルム71は巻取ロール72に巻き取られる。また、フィルム62も巻取ロール73に巻き取られる。フィルム材料層68が形成されているフィルム62の搬送方向は、水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。また、フィルム62にフィルム材料溶液66の有機溶媒を吸収しやすい性質の素材から形成されているものを用いることがより好ましい。それら素材は、有機溶媒を吸収するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、フィルム材料溶液67の主溶媒に酢酸メチルを用いている際には、フィルム62の素材にセルロースアシレートを用いることが好ましい。
なお、支持体としてのフィルム62を、支持体、仮支持体、及び剥離層を形成した仮支持体のいずれかとして、ハニカム状多孔質フィルム71と一体のフィルムとして巻き取ることにより、本発明のハニカム複合膜を製造することもできる。
図8に、本発明に係るハニカム状多孔質フィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備80を示す。なお、図7に示すフィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機81から支持体となるフィルム82が搬送される。フィルム82はバックアップローラ83に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ83に対向して多層式スライドコータ84が設けられている。また、多層式スライドコータ84には減圧チャンバ85が設けられている。フィルム材料溶液供給装置86から送液ポンプで送られてくるフィルム材料溶液87が、多層式スライドコータ84から押し出されて、支持体であるフィルム82上に塗布され、フィルム材料層88が形成される。フィルム82上に形成されているフィルム材料層88は、送風機89の風90により結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11を経た後にハニカム状多孔質フィルム91は巻取ロール92に巻き取られる。また、フィルム82も巻取ロール93に巻き取られる。
多層からなるフィルム材料溶液87をフィルム82上にキャスト(塗布)することにより、ハニカム状多孔質フィルム91の厚み方向における形態、物性などを変更することが可能となる。
なお、支持体としてのフィルム82を、支持体、仮支持体、及び剥離層を形成した仮支持体のいずれかとして、ハニカム状多孔質フィルム91と一体のフィルムとして巻き取ることにより、本発明のハニカム複合膜を製造することもできる。
図9に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備100を示す。なお、図7に示すフィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機101から支持体となるフィルム102が搬送される。フィルム102はバックアップローラ103に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ103に対向してエクストリュージョンコータ104が設けられている。また、エクストリュージョンコータ104には減圧チャンバ105が設けられている。フィルム材料溶液供給装置106から送液ポンプで送られてくるフィルム材料溶液107が、エクストリュージョンコータ104から押し出されて、支持体であるフィルム102上に塗布され、フィルム材料層108が形成される。フィルム102上に形成されているフィルム材料層108は、送風機109の風110により結露乾燥工程が行われる。結露乾燥工程を経た後にハニカム状多孔質フィルム111は巻取ロール112に巻き取られる。また、フィルム102も巻取ロール113に巻き取られる。
図10に、本発明に係るハニカム状多孔質フィルムを製造するフィルム製造設備120を示して説明する。ワイヤーバー塗布機121を用いてフィルム材料溶液122をフィルム123に塗布する。一定速度で移動するフィルム123の移動方向に回転するワイヤーバー124は、その回転により1次側フィルム材料溶液槽125から液貯留部分126にフィルム材料溶液122を引き上げる。この液貯留部分126のフィルム材料溶液122が、フィルム123にワイヤーバー124を介し接触することにより均一な厚さのフィルム材料層127が形成される。このフィルム材料層127を送風機128の風129により前記結露乾燥工程を行うことで、ハニカム状多孔質フィルム130を得ることができる。ワイヤーバー124を用いたハニカム状多孔質フィルム130の製造方法は、液貯留部分126がフィルム材料溶液122とフィルム123との接触部に空気が混入しないようにするので、フィルム材料層127に気泡が混入しにくくなるという利点がある。
なお、支持体としてのフィルム102を、支持体、仮支持体、及び剥離層を形成した仮支持体のいずれかとして、ハニカム状多孔質フィルム130と一体のフィルムとして巻き取ることにより、本発明のハニカム複合膜を製造することもできる。
図11に、本発明に係るハニカム複合膜を製造する製造設備140を示す。支持体、仮支持体、及び剥離層を形成した仮支持体のいずれかとしてのフィルム141が圧胴142に巻き掛けられながら搬送される。圧胴142に対向して版胴143が配置されている。版胴143の表面には所望のパターンが形成されている。フィルム材料溶液槽144に入れられているフィルム材料溶液145は版胴143が回転することにより、その凹部に溜まる。ドクターブレード146により過剰なフィルム材料溶液145がかきとられる。その後に圧胴142に巻きかかって走行しているフィルム141上にフィルム材料溶液145が塗布されてフィルム材料層147が形成される。
送風機148によりフィルム材料層147の前記結露乾燥工程が行われる。送風機148から送風される風149は、フィルム141の搬送方向と同方向の平行流とする。フィルム材料層147は、前記結露乾燥工程を経ることによりハニカム状多孔質フィルム150が形成される。フィルム141は、所望のパターンでハニカム状多孔質フィルム150が形成されているハニカム複合膜151となる。
本発明のハニカム複合膜の製造方法に従って得られた本発明のハニカム複合膜は、初めから所望の仮支持体に設けられた剥離層上に製造することでそのまま使用してもよいし、エタノール等の適当な溶媒に浸してから製造時の支持体より剥離した後に所望の基体上に設置して使用してもよい。なお、剥離して使用する場合には、新たな基体との密着性を上げる目的で材料及び所望の基体の材質に合ったエポキシ樹脂、シランカップリング剤等の接着剤を使用してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−剥離層付き仮支持体の作製−
前記仮支持体として、厚み200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、前記剥離層形成用溶液としてシリコーン系樹脂A(東レシリコーン株式会社製、SRX−211)100質量部と、シリコーン系樹脂B(東レシリコーン株式会社製、SRX−212)0.6質量部との混合樹脂の3質量%トルエン液を、乾燥後の厚みが1μmとなるようにワイヤーコーターにて塗布し、120℃にて2分間乾燥させることにより、剥離層付き仮支持体を作製した。
−ハニカム状多孔質フィルムの作製−
フィルム材料溶液として、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、下記式(W−1)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを質量比で10:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.4質量%)0.5mLを調製した。
次いで、外気の影響を受けない閉鎖空間にて、2℃に保温したHDD用ガラス基板上に前記フィルム材料溶液を全量展開してフィルム材料層を形成し、相対湿度70%の恒湿空気を毎分2Lの定常流量で前記フィルム材料層表面(基板面)に対して45°の方向から吹き付け、塩化メチレンを揮発させ、さらに結露を蒸発させることによって、空孔が均一に形成されたハニカム状多孔質フィルムを得た。
なお、前記恒湿空気は、市販の除塵エアーフィルタ(ろ過度:0.3μm)を設置した日立工機株式会社製のコンプレッサSC−820に、ヤマト科学株式会社製の湿度発生装置を接続して供給した。また、吹き付け部の空気の流速を実測したところ、0.3m/sであった。
−ハニカム複合膜の作製−
前記ハニカム状多孔質フィルム表面に、前記剥離層付き仮支持体の剥離層側表面を貼り合わせ、前記HDD用ガラス基板上から前記ハニカム状多孔質フィルムを剥ぎ取り、図5Bに示すようなハニカム複合膜HC−1を得た。
得られた前記ハニカム複合膜HC−1におけるハニカム状多孔質フィルムについて、以下の方法により、空孔の平均孔径、粒径分布、欠陥数を測定し、大面積化の可否を評価した。結果を表1に示す。
<空孔の平均孔径、粒径分布>
前記ハニカム複合膜の中央部の任意の5箇所について、光学顕微鏡を用いて1250倍で空孔を観察し、視野内の空孔の平均孔径、及び孔径の標準偏差として粒径分布を求めた。
<欠陥数>
前記ハニカム複合膜の中央部の任意の10箇所について、光学顕微鏡を用いて1250倍で空孔を観察し、視野内(ハニカム複合膜の190×250μmの領域)における欠陥の個数を測定した。
なお、前記欠陥とは、下記(1)〜(3)に該当する空孔を指す。
(1)径が均一ではない空孔:平均孔径に対して50%以上異なる径の空孔が存在する(図4B)、
(2)円形ではない空孔:楕円形の空孔が存在する(図4C)、2個の球形がつながった空孔が存在する(図4D)、
(3)空孔の欠落:平均孔径に対して150%以上の径の隙間が存在する(図4E)
なお、楕円形とは、空孔中の最も長い径と最も短い径の差が平均孔径の50%以上である空孔のことを示す。
<大面積化の可否>
大面積化の評価は、光学顕微鏡を用い1250倍観察における1視野(190×250μm角)中の前記欠陥が5個以下となる部分が連続する面積を指標とし、該連続する面積が1cm×1cm以上の場合を大面積化「可」とし、1cm×1cm以下の場合を大面積化「否」とした。
(実施例2)
実施例1において、前記式(W−1)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーに代えて、下記式(W−2)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを用いて前記フィルム材料溶液を調製した以外は、実施例1と同様にしてハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜HC−2を作製した。
得られた前記ハニカム複合膜HC−2におけるハニカム状多孔質フィルムについて、実施例1と同様にして空孔の平均孔径、粒径分布、欠陥数を測定し、大面積化の可否を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、前記式(W−1)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーに代えて、下記式(W−3)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを用いて前記フィルム材料溶液を調製した以外は、実施例1と同様にしてハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜HC−3を作製した。
得られた前記ハニカム複合膜HC−3におけるハニカム状多孔質フィルムについて、実施例1と同様にして空孔の平均孔径、粒径分布、欠陥数を測定し、大面積化の可否を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、前記式(W−1)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーに代えて、下記式(W−19)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを用いて前記フィルム材料溶液を調製した以外は、実施例1と同様にしてハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜HC−4を作製した。
得られた前記ハニカム複合膜HC−4におけるハニカム状多孔質フィルムについて、実施例1と同様にして空孔の平均孔径、粒径分布、欠陥数を測定し、大面積化の可否を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記式(W−1)で表される縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーに代えて、ポリスチレンスルホン酸(重量平均分子量60,000)とビス−ヘキサデシル−ジメチルアンモニウム−ブロミドとのポリイオンコンプレックス(Thin Solid Films,327-329(1998),p.854-856参照)を用いて前記フィルム材料溶液を調製した以外は、実施例1と同様にしてハニカム状多孔質フィルム及びハニカム複合膜HC−5を作製した。
得られた前記ハニカム複合膜HC−5におけるハニカム状多孔質フィルムについて、実施例1と同様にして空孔の平均孔径、粒径分布、欠陥数を測定し、大面積化の可否を評価した。結果を表1に示す。
*1:ポリスチレンスルホン酸とビス−ヘキサデシル−ジメチルアンモニウム−ブロミドとのポリイオンコンプレックス
表1の結果から、縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを含む本発明のハニカム状多孔質フィルムは、空孔の孔径が均一であり、欠陥が極めて少なく、大面積化が可能であることがわかった。
本発明のハニカム状多孔質フィルムは、空孔の欠陥の発生が抑制され、かつ大面積化が容易であるため、ハニカム複合膜として強度を増し、取り扱い性を向上することにより、例えば、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料などに幅広く好適に用いられる。
図1Aは、本発明のハニカム状多孔質フィルムの形成方法の一例を示し、フィルム材料層が形成された状態を示す概略図である。 図1Bは、本発明のハニカム状多孔質フィルムの形成方法の一例を示し、液滴が結露して成長する状態を示す概略図である。 図1Cは、本発明のハニカム状多孔質フィルムの形成方法の一例を示し、乾燥により、有機溶媒がフィルム材料層から揮発する状態を示す概略図である。 図1Dは、本発明のハニカム状多孔質フィルムの形成方法の一例を示し、乾燥により、フィルム材料層の液滴から水分が揮発する状態を示す概略図である。 図2Aは、空孔が貫通しているハニカム状多孔質フィルムの一例を示す断面図である。 図2Bは、空孔が貫通していないハニカム状多孔質フィルムの一例を示す断面図である。 図3は、本発明に係るハニカム状多孔質フィルムの一例を示す断面図である。 図4Aは、ハニカム状多孔質フィルムにおいて、欠陥がない状態を示す模式図である。 図4Bは、ハニカム状多孔質フィルムの欠陥の一例として、空孔の径が異なる例を示す模式図である。 図4Cは、ハニカム状多孔質フィルムの欠陥の一例として、円形ではない空孔が存在する例を示す模式図である。 図4Dは、ハニカム状多孔質フィルムの欠陥の一例として、円形ではない空孔が存在するその他の例を示す模式図である。 図4Eは、ハニカム状多孔質フィルムの欠陥の一例として、空孔が存在しない状態を示す例を示す模式図である。 図5Aは、本発明に係るハニカム複合膜の一例を示す断面図である。 図5Bは、本発明に係るハニカム複合膜の一例を示す断面図である。 図5Cは、本発明に係るハニカム複合膜の一例を示す断面図である。 図5Dは、本発明に係るハニカム複合膜の一例を示す断面図である。 図6は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。 図7は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。 図8は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。 図9は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。 図10は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。 図11は、本発明に係るハニカム複合膜の製造方法に用いられるフィルム製造設備の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 仮支持体
2 剥離層
3 支持体
12 ハニカム状多孔質フィルム
40 フィルム材料層
46 ハニカム構造膜
47 空孔

Claims (11)

  1. 少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーを含むことを特徴とするハニカム状多孔質フィルム。
  2. 少なくとも縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーと、疎水性有機溶媒とを含むフィルム材料溶液を用いてフィルム材料層を形成し、
    前記フィルム材料層に相対湿度50〜95%の気体を送風し、前記疎水性有機溶媒を揮発させるとともに、前記フィルム材料層表面に結露を生成し、該結露を蒸発させることにより、自己組織化により形成された空孔を有する請求項1に記載のハニカム状多孔質フィルム。
  3. 縮合フェノール骨格を有する両親媒性ポリマーが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される単位を有する化合物である請求項1から2のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルム。
    ただし、前記構造式(I)中、
    Rは、R’及びR’Oのいずれかを表し、R’は、水素原子、及び炭素原子4〜22個を有する脂肪族炭化水素基を表し、
    Aは、炭素数1〜50個を有する脂肪族の二価基を表し、
    nは、0〜6の整数を表し、
    Xは、−COOM、−SOM、及び−PO(OM)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、Mは、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
    ただし、構造式(II)中、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニル基、カルバモイル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、及びハロゲン原子のいずれかを表し、
    及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、及びアリール基のいずれかを表し、
    Yは、−COOM、−SOM、及び−PO(OM)で表される酸性基、並びにその塩のいずれかを表し、Mは、水素原子、及び塩を形成しうるカチオンのいずれかを表す。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、仮支持体を剥離可能に有することを特徴とするハニカム複合膜。
  5. ハニカム状多孔質フィルムの少なくとも一方の面に、剥離層を有し、該剥離層上に仮支持体を有する請求項4に記載のハニカム複合膜。
  6. ハニカム状多孔質フィルムの両面に剥離層を有し、該両方の剥離層上に仮支持体を有する請求項4から5のいずれかに記載のハニカム複合膜。
  7. ハニカム状多孔質フィルムの片面に剥離層と、該剥離層上に仮支持体とを有し、かつ前記ハニカム状多孔質フィルムの剥離層を有さない側の面に支持体を有する請求項4から6のいずれかに記載のハニカム複合膜。
  8. 仮支持体及び剥離層を剥がして使用される請求項4から7のいずれかに記載のハニカム複合膜。
  9. 位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料及び制振材料から選択されるいずれかに用いられる請求項4から8のいずれかに記載のハニカム複合膜。
  10. 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
    請求項1から3のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムを支持体上に作製するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、
    前記仮支持体上の前記剥離層と、前記ハニカム状多孔質フィルムとを貼り合わせる工程と、を含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法。
  11. 仮支持体上に剥離層を形成する剥離層形成工程と、
    請求項1から3のいずれかに記載のハニカム状多孔質フィルムを前記仮支持体上の前記剥離層上に作成するハニカム状多孔質フィルム作製工程と、を含むことを特徴とするハニカム複合膜の製造方法。
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