JP2007269655A - 反応方法および反応装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成により、気液接触反応の際、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができる反応方法、および、その反応方法を実施するための反応装置を提供すること。
【解決手段】原料液(ニトロベンゼン)を液相反応槽2に供給するとともに、原料液に対して原料ガス(水素ガス)を分散させることにより、液相反応槽2の液相中で気液接触させて、反応生成物(アニリンおよび水)を生成させる反応方法において、原料ガスを噴射するスパージャ11を、液相反応槽2におけるガスの噴射方向(上下方向)に間隔を隔てて複数(3つ)設置して、原料ガスを5×10-2m/s以上のガス空塔速度で噴射させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料液と原料ガスとを液相中で気液接触させて反応生成物を生成させるための反応方法、および、その反応方法を実施するための反応装置に関する。
従来より、反応生成物であるアニリンを溶媒として、その溶媒が仕込まれている反応槽に、原料液であるニトロベンゼンと、原料ガスである水素ガスとを、連続的に供給して、液相中で気液接触させることにより、アニリンを製造することが知られている。
また、反応槽に収容された液相に原料ガスを吹き込む装置として、例えば、触媒粉末が媒体油中に懸濁している触媒スラリーが収容され、底部に原料ガス吹込口が設けられ、上部に生成ガス取出口が設けられているスラリー床反応器において、側壁にも高さを変えて複数の原料ガス吹込口が流量調節機構を介して設けられているスラリー床反応器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−340747号公報
特許文献1に記載のスラリー床反応器では、反応器の底部のほか、側壁にも高さを変えて複数の原料ガス吹込口を設けることによって、気泡の合一を防止するようにしている。
しかし、例えば、上記のように反応槽に仕込まれたニトロベンゼンに水素ガスを供給する場合には、原料ガスを大きいガス空塔速度で供給する必要があるため、特許文献1に記載されている反応器では、やはり気泡の合一が生じて、原料ガス単位体積あたりの気液接触面積が小さくなり、反応効率が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、簡易な構成により、気液接触反応の際、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができる反応方法、および、その反応方法を実施するための反応装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の反応方法は、原料液を反応槽に供給するとともに、前記原料液に対して原料ガスを分散させることにより、前記反応槽の液相中で気液接触させて、反応生成物を生成させる反応方法において、前記原料ガスを噴射するスパージャを、前記反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて複数設置して、前記原料ガスを5×10-2m/s以上のガス空塔速度で噴射させることを特徴としている。
この反応方法では、原料ガスを噴射するスパージャを、反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて複数設置して、原料ガスを噴射させる。そのため、噴射する原料ガスのガス空塔速度が5×10-2m/s以上であっても、気泡の合一を抑制することができ、気泡の単位体積当りの気液接触面積を広くすることができる。また、原料液内に均一な大きさの気泡を上昇させることができるので、原料液の偏流を抑制することができる。その結果、均一に気液接触をさせることができ、効率的な反応を達成することができる。また、均一に気液接触するので、反応熱によって温度分布が不均一になることを防止することもできる。また、反応槽が大きくなり原料液の液深が深くなる場合などにおいても、3段、4段・・・と、液深に合わせてスパージャを設置することにより、気泡の合一を抑制しながら、均一な大きさの気泡を上昇させて、均一に気液接触させることができる。
また、本発明の反応方法では、ガスの噴射方向において互いに隣接する2つの前記スパージャ間において、噴射方向下流側のスパージャの噴射量が、噴射方向上流側のスパージャの噴射量と同じかそれより少ないことが好適である。
ガス噴射方向において、互いに隣接する2つのスパージャ間において、噴射方向下流側のスパージャの噴射量を、噴射方向上流側のスパージャの噴射量と同じかそれより少ない量にすれば、原料ガスの過剰噴射による未反応ガスの増加や、原料ガスの噴射量不足による気液接触不足が生じることを抑制することができ、効率的に気液接触をさせることができる。
また、本発明の反応方法では、前記反応槽が、気泡塔であることが好適である。
反応槽が気泡塔であれば、構成が複雑な部品、例えば、撹拌翼などを反応槽内に設ける必要がなく、簡易な構成により、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができる。
また、本発明の反応方法では、前記スパージャが、リング形状または骨組形状であることが好適である。
スパージャが、リング形状または骨組形状であれば、原料液に対して均一に原料ガスを噴射することができ、均一に気液接触をさせることができる。
また、本発明の反応方法では、前記原料液がニトロベンゼンであり、前記原料ガスが水素であり、アニリンを生成することが好適である。
本発明の反応方法において、原料液がニトロベンゼンであり、原料ガスが水素であれば、水素ガスを大きな空塔速度で供給して気液接触を行なうことができるため、効率良くアニリンを生成することができる。
また、本発明の反応装置は、原料液と、原料ガスとが供給され、前記原料液と前記原料ガスとの反応により反応生成物が生成される反応槽と、前記反応槽に備えられ、前記原料ガスを噴射するためのスパージャとを備え、前記スパージャは、前記反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて、複数備えられていることを特徴としている。
この反応装置では、原料ガスは、反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて複数設置されたスパージャから噴射される。そのため、噴射する原料ガスのガス空塔速度が5×10-2m/s以上であっても、気泡の合一を抑制することができ、気泡の単位体積当りの気液接触面積を広くすることができる。また、原料液内に均一な大きさの気泡を上昇させることができるので、原料液の偏流を抑制することができる。その結果、均一に気液接触をさせることができ、効率的な反応を達成することができる。また、均一に気液接触するので、反応熱によって温度分布が不均一になることを防止することもできる。また、反応槽が大きくなり原料液の液深が深くなる場合などにおいても、3段、4段・・・と、液深に合わせてスパージャを設置することにより、気泡の合一を抑制しながら、均一な大きさの気泡を上昇させて、均一に気液接触させることができる。
また、本発明の反応装置では、各前記スパージャから噴射する前記原料ガスの噴射量を調節するためのガス噴射調節手段を備えることが好適である。
原料ガスの噴射量を調節するためのガス噴射調節手段が備えられていれば、例えば、原料ガスのガス噴射方向において、互いに隣接する2つのスパージャ間において、噴射方向下流側のスパージャの噴射量を、噴射方向上流側のスパージャの噴射量と同じかそれより少ない量に制御することができる。そして、それによって、原料ガスの過剰噴射による未反応ガスの増加や、原料ガスの噴射量不足による気液接触不足などを生じさせないように制御することができる。その結果、効率的に気液接触をさせることができる。
また、本発明の反応装置では、前記反応槽が、気泡塔であることが好適である。
反応槽が気泡塔であれば、構成が複雑な部品、例えば、撹拌翼などを反応槽内に設ける必要がなく、簡易な構成により、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができる。
また、本発明の反応装置では、前記スパージャが、リング形状または骨組形状であることが好適である。
スパージャが、リング形状または骨組形状であれば、原料液に対して均一に原料ガスを噴射することができ、均一に気液接触をさせることができる。
本発明の反応方法および反応装置によれば、気泡の合一を抑制することができ、原料液の偏流を抑制することができるため、均一に気液接触をさせることができ、効率的な反応を達成することができる。
図1は、本発明の反応装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図1において、この反応装置1は、例えば、原料ガスとして水素ガスなどが用いられる各種水素添加反応などに、有効に適用することのできる反応装置であって、反応槽としての液相反応槽2、原料ガス供給ライン3、原料液供給ライン4、排出ライン5、気相反応槽6および取出ライン7を備えている。
液相反応槽2は、液相において気液接触により反応させることができる反応槽であれば、特に限定されず、例えば、耐圧性の気泡塔などから構成されている。液相反応槽2は、より具体的には、その周側面を構成し、略円筒形状に形成される反応槽胴部8と、その上面を構成し、略方物面鏡形状に形成される反応槽天井部9と、その底面を構成し、略方物面鏡形状に形成される反応槽底部10とを一体的に備える密閉空洞形状に形成されている。また、液相反応槽2は、その反応槽胴部8の内径が、例えば、1m以上、好ましくは、
2m〜10mで形成されている。さらに、液相反応槽2には、液相に原料ガスを噴射するスパージャ11が設けられている。
スパージャ11は、供給される原料ガスを、液相に対して噴射することができるスパージャであれば、特に限定されず、例えば、円筒形状の管がリング形状や骨組形状に加工された、リング形状スパージャや骨組形状スパージャなどから構成されている。
スパージャの形状について、図2を参照して具体的に説明する。図2は、液相反応槽2を平面視したときのスパージャの形状を示す図であって、図2(a)はリング形状スパージャ、図(b)は骨組形状スパージャを示している。図2(a)を参照して、リング形状スパージャ12は、リング形状に形成される単一または複数の管が、平面視において同心円状、かつ、側面視において同一平面上に設置されるものであって、より具体的には、内側管14、中側管15および外側管16を備えている。そして、これらが、液相反応槽2を平面視した場合において、液相反応槽2の中心軸線から同心円状に設置されている。
また、図2(b)を参照して、骨組形状スパージャ13は、直線形状に形成される複数の管が、平面視において交差状、かつ、側面視において同一平面上に設置されるものであって、より具体的には、主管17および枝管18を備えている。そして、液相反応槽2を平面視した場合において、1本の主管17が液相反応槽2の径方向に渡され、この主管17を境界として対向する5組(10本)の枝管18が、主管17から直交方向に分岐されている。
また、スパージャ11を構成する管の直径は、例えば、20mm〜100mmである。また、スパージャ11における反応槽天井部9と対向する表面には、原料ガスの噴射口である噴射孔19が、互いに間隔を隔てて多数形成されている。これにより、原料ガスが、スパージャ11から液相反応槽2の反応槽天井部9(上方向)に対して均一に噴射される。
噴射孔19の孔径は、例えば、直径1mm〜10mmであり、孔数は、例えば、液相反応槽2を径方向に切断したときの断面積に対して、噴射孔19の総開口面積が0.5〜3%となる数である。
再び図1を参照して、スパージャ11は、液相反応槽2内に上下方向(原料ガスの噴射方向)に間隔を隔てて、複数、例えば、3段に設置され、下方から上方に向けて順番に、最下位のスパージャである第1スパージャ20、中間のスパージャである第2スパージャ21および最上位のスパージャである第3スパージャ22に区分される。
第1スパージャ20、第2スパージャ21および第3スパージャ22の設置位置を具体的に説明すると、第1スパージャ20は、例えば、反応槽胴部8と反応槽底部10との境界付近(タンジェンシャルライン)に設置される。また、第3スパージャ22は、液相の液面高に対して、その高さが70%以下となる位置、好ましくは略70%となる位置に設置される。そして、第2スパージャ21は、第1スパージャ20と第3スパージャ22との間を上下方向に略等分した位置に設置される。このように設置することによって、気泡の滞留時間を十分に確保し、効率よく気液接触をさせることができる。
原料ガス供給ライン3は、その上流側端部が、水素ガスなどの原料ガス源に接続されている。また、その下流側端部が、第1原料ガス供給ライン23、第2原料ガス供給ライン24および第3原料ガス供給ライン25の上流側端部と接続されることにより、3本のラインに分岐されている。第1原料ガス供給ライン23、第2原料ガス供給ライン24および第3原料ガス供給ライン25の下流側端部は、それぞれ、第1スパージャ20、第2スパージャ21および第3スパージャ22に接続されている。
また、第1原料ガス供給ライン23、第2原料ガス供給ライン24および第3原料ガス供給ライン25には、それぞれ、第1原料ガス制御弁26、第2原料ガス制御弁27および第3原料ガス制御弁28が介挿されている。なお、本発明では、第1原料ガス制御弁26、第2原料ガス制御弁27および第3原料ガス制御弁28が、ガス噴射調節手段を構成している。
第1原料ガス制御弁26、第2原料ガス制御弁27および第3原料ガス制御弁28は、原料ガスの噴射量を調節することができる制御弁であれば、特に限定されず、例えば、公知の電磁バルブなどから構成される。これにより、各スパージャ11から噴射する原料ガスの噴射量が調節される。
原料液供給ライン4は、その上流側端部が、ニトロベンゼンなどの原料液源に接続されている。また、その下流側端部が、液相反応槽2内に配置されている。
排出ライン5は、その上流側端部が、液相反応槽2の頂部、詳しくは、反応槽天井部9の頂部に接続されている。また、排出ライン5の下流側端部は、気相反応槽6の頂部(上流側)に接続されている。
気相反応槽6は、蒸気となった未反応の原料液(気体状態)と原料ガスとを、気相反応させることができれば、特に制限されず、例えば、固定床反応器などから構成される。
取出ライン7は、その上流側端部が、気相反応槽6の底部(下流側)に接続されている。
次に、図1に示す反応装置1により、原料ガスと原料液とを、液相において気液接触により反応させる本発明の反応方法の一実施形態について説明する。
この方法では、まず、液相反応槽2に予め溶媒および触媒が仕込まれており、原料ガス供給ライン3を介して、第1スパージャ20、第2スパージャ21および第3スパージャ22から、液相反応槽2内へ原料ガスを供給するとともに、原料液供給ライン4から、液相反応槽2内へ原料液を供給する。
より具体的には、例えば、アニリン製造においては、溶媒として、例えば、反応生成物であるアニリンが用いられ、触媒として、例えば、パラジウムまたはパラジウム−白金担持触媒が用いられる。また、原料ガスとして、例えば、水素ガスが用いられ、原料液として、例えば、ニトロベンゼンが用いられる。
溶媒の供給量は、例えば、液相の液面高によって適宜決定され、また、触媒の供給量は、液相(つまり、溶媒と原料液との合計)に対して、例えば、0.01〜2.0重量%である。
また、原料液と原料ガスとの供給比は、化学量論的に、原料液に対して原料ガスが過剰となる割合であり、例えば、原料液1モルに対して、化学量論的に1.5〜5モル倍の原料ガスが供給される。この場合には、原料ガスが化学量論的に0.5〜4モル倍過剰となる。
また、第1スパージャ20、第2スパージャ21および第3スパージャ22から噴射される原料ガスの噴射量は、第1原料ガス制御弁26、第2原料ガス制御弁27および第3原料ガス制御弁28によってそれぞれ制御され、第1スパージャ20から噴射される原料ガスの噴射量をV1とすると、V1は、全原料ガスの体積を100として、例えば、100/3以上の量である。また、第3スパージャ22から噴射される原料ガスの噴射量をV3とすると、V3は、例えば、100/3以下の量である。そして、第2スパージャ21から噴射される原料ガスの噴射量をV2とすると、V2は、V1≧V2≧V3を満たす量である。
すなわち、スパージャ11の段数をn段とした場合において、最下位に設置されるスパージャ11からn段目のスパージャへ向けて順番にその噴射量を、V1、V2、・・・、Vnとすると、V1≧100/n、Vn≦100/nおよびV1≧V2≧・・・≧Vnを満たす量の原料ガスが、各スパージャ11から液相に噴射される。
また、原料ガスのガス空塔速度は、例えば、5×10-2m/s以上であり、好ましくは、5×10-2m/s〜3×10-1m/sである。
また、液相反応槽2での反応条件は、例えば、反応温度150〜250℃、反応圧力0.3〜1.5MPa−Gである。
そして、液相反応槽2では、第1スパージャ20、第2スパージャ21および第3スパージャ22から原料ガスが噴射されることにより、原料液(ニトロベンゼン)と、過剰の原料ガス(水素ガス)とが、液相中で完全混合されることにより気液接触して、発熱反応により反応生成物(アニリンおよび水)が生成される。生成した反応生成物および未反応の原料液の一部は、未反応の原料ガスに同伴されて、蒸気として、排出ライン5へ排出される。
なお、液相反応槽2における反応において、反応液の反応生成物への転化率が100%に近づくと、逐次反応による不純物の生成が促進されるため、この液相反応槽2における反応では、反応液の反応生成物への転化率が、80〜99.9%に抑制される。
排出ライン5へ排出された反応生成物(気体状態)および未反応の原料ガスは、排出ライン5から気相反応槽6内へ導入される。
気相反応槽6には、予め、例えば、銅−クロム系触媒などの触媒が充填されており、また、反応温度が、例えば、100〜245℃に保持されている。
気相反応槽6内へ導入された未反応の原料液の一部(気体状態)および未反応の原料ガスは、気相反応して、反応生成物(気体状態)が生成される。これによって、気相中において、反応液の反応生成物への転化率が、実質的に100%となる。
そして、反応生成物は、取出ライン7から取り出される。
このような方法により、原料液と原料ガスを反応させれば、例えば、噴射する原料ガスのガス空塔速度が5×10-2m/s以上であっても、気泡の合一を抑制することができ、気泡の単位体積当りの気液接触面積を広くすることができる。また、液相に均一な大きさの気泡を上昇させることができるので、液相の偏流を抑制することができる。その結果、均一に気液接触をさせることができ、効率的な反応を達成することができる。また、均一に気液接触するので、反応熱によって温度分布が不均一になることを防止することもできる。
また、液相反応槽2が大きくなり液相の液深が深くなる場合などにおいても、3段、4段・・・と、液深に合わせてスパージャ11を設置することにより、気泡の合一を抑制しながら、均一な大きさの気泡を上昇させて、均一に気液接触させることができる。
また、この方法では、例えば、スパージャ11を3段に設置する場合において、原料ガスの噴射量が、各原料ガス制御弁26、27および28によって制御され、例えば、V1≧100/3、V3≦100/3およびV1≧V2≧V3を満たすように噴射される。そして、それによって、原料ガスの過剰噴射による未反応ガスの増加や、原料ガスの噴射量不足による気液接触不足を発生させないように、原料ガスの噴射量を制御することができる。その結果、気泡の合一を抑制でき、効率的に気液接触をさせることができる。
また、この方法では、液相反応槽2が、撹拌翼などが備えられていない気泡塔であるため、簡易な構成により、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができる。
また、この方法では、スパージャ11が、リング形状または骨組形状であるため、原料液に対して均一に原料ガスを噴射することができ、均一に気液接触をさせることができる。
さらに、この方法では、原料ガスのガス空塔速度が大きい場合においても、気泡の合一を抑制して、均一に気液接触をさせることができるため、原料液であるニトロベンゼンに原料ガスである水素を大きいガス空塔速度、例えば、5×10-2m/s以上の空塔速度で噴射することによって、気液接触を行ない、効率良くアニリンを生成することができる
なお、上記の説明では、スパージャ11を上下方向に間隔を隔てて、3段に設置したが、上下方向に間隔を隔てて、2段に設置することもできる。
また、上記説明では、気相反応槽6から反応生成物を直接取り出したが、気相反応槽6から、反応生成物と原料ガスとを、例えば、気液分離槽(図示せず)などに導入して、気液分離槽において、反応生成物と原料ガスとを分離して、反応生成物を取り出すこともできる。
さらには、図1の点線29で示すように、気相反応槽6において気相反応させることなく、液相反応槽2における気液接触反応終了後、排出ライン5からそのまま取り出すこともできる。
さらに、上記の説明では、この反応を、アニリンの製造を例示して説明したが、このような反応装置1および反応方法は、例えば、ベンゼンの水素添加反応によるシクロヘキサンの製造などにも適用することができ、要するに、気液接触による液相反応において、反応生成物を過剰の原料ガスとともに蒸気として排出するプロセスであれば、いずれのものにでも適用することができる。
以下に、本発明の反応方法を、実施例を例示してさらに詳しく説明するが、本発明は何ら実施例に制限されない。なお、以下の実施例においては、特に言及がない限り、重量基準として説明している。
実施例1
液相反応槽における液相の流れについて確認するために、シミュレーションによる解析を実施した。シミュレーションの条件は以下の通りである。
計算ソフト ANSYS社製 CFX
計算モデルとしては気体の体積率に関する輸送方程式を解く多流体モデルを使用した。
液相反応槽
(1)内径 3m(撹拌機なし)
液相
(1)液深 2.6m
(2)密度 844kg/m3
(3)粘度 0.24×10-3Pa・s
(4)表面張力 0.021N/m
気体
(1)密度 0.394kg/m3
(2)粘度 1.16×10-5Pa・s
(3)供給量 3,740m3/h
以上の条件において、液相の中に気体を1段または3段のリングスパージャから吹き込む場合の結果を図3に示す。図3(a)が、リングスパージャが3段のときの結果であり、図3(b)が、リングスパージャが1段のときの結果である。結果の流線を見ると、3段のリングスパージャで気体を吹き込むと液相反応槽内の撹拌、つまり、液相の流れが均一になり、ガスホールドアップも均一になることが確認された(図3(a)参照)。一方、1段のリングスパージャで気体を吹き込むと液相反応槽の中心付近に大きな上昇流が生じ、この部分において気泡の合一が生じ、気体がショートパスすることが確認された(図3(b)参照)。
本発明の反応装置の一実施形態を示す概略構成図である。 液相反応槽を平面視したときのスパージャの形状を示す図であって、図2(a)はリング形状スパージャ、図(b)は骨組形状スパージャを示している。 液相反応槽における液相の流れを示すシミュレーション図であって、図3(a)はスパージャを3段にした場合の流れを示し、図3(b)はスパージャを1段にした場合の流れを示している。
符号の説明
1 反応装置
2 液相反応槽
11 スパージャ
12 リング形状スパージャ
13 骨組形状スパージャ
20 第1スパージャ
21 第2スパージャ
22 第3スパージャ
26 第1原料ガス制御弁
27 第2原料ガス制御弁
28 第3原料ガス制御弁

Claims (9)

  1. 原料液を反応槽に供給するとともに、前記原料液に対して原料ガスを分散させることにより、前記反応槽の液相中で気液接触させて、反応生成物を生成させる反応方法において、
    前記原料ガスを噴射するスパージャを、前記反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて複数設置して、
    前記原料ガスを5×10-2m/s以上のガス空塔速度で噴射させることを特徴とする、反応方法。
  2. ガスの噴射方向において互いに隣接する2つの前記スパージャ間において、噴射方向下流側のスパージャの噴射量が、噴射方向上流側のスパージャの噴射量と同じかそれより少ないことを特徴とする、請求項1に記載の反応方法。
  3. 前記反応槽が、気泡塔であることを特徴とする、請求項1または2に記載の反応方法。
  4. 前記スパージャが、リング形状または骨組形状であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の反応方法。
  5. 前記原料液がニトロベンゼンであり、前記原料ガスが水素であり、アニリンを生成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の反応方法。
  6. 原料液と、原料ガスとが供給され、前記原料液と前記原料ガスとの反応により反応生成物が生成される反応槽と、
    前記反応槽に備えられ、前記原料ガスを噴射するためのスパージャとを備え、
    前記スパージャは、前記反応槽におけるガスの噴射方向に間隔を隔てて、複数備えられていることを特徴とする、反応装置。
  7. 各前記スパージャから噴射する前記原料ガスの噴射量を調節するためのガス噴射調節手段を備えることを特徴とする、請求項6に記載の反応装置。
  8. 前記反応槽が、気泡塔であることを特徴とする、請求項6または7に記載の反応装置。
  9. 前記スパージャが、リング形状または骨組形状であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の反応装置。

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