JP2007269175A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による車両用ステアリング装置は、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段(28、30、32)と、検出された走行状態が所定の走行状態のとき、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性を制御する振動制御手段(20、24)と、を有する。
【選択図】図1
Description
同様に、特許文献5には、運転者の覚醒度の異常が判定された場合、一時的に、ステアリングホイールに警告用の振動を与える覚醒度低下警告装置が開示されている。この装置では、そのような警告によりドライバが一瞬緊張して不安定な操舵を行う恐れがあるので、警告後の所定時間は自動操舵を行うようにしている。
従来は、ハンドルの振動がハンドル操作に悪影響を与えるものと考えられており、ハンドルの振動は、排除され(特許文献1〜3参照)、或いは、覚醒を高めるために一時的に与えられている(特許文献4〜6)。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性が制御される。このような振動により、ステアリングを握るドライバの手のひらが刺激され、神経の感受性が良くなり、ドライバの操舵特性の感受性が向上する。その結果、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る。特に、本発明によれば、車両側の操舵特性を変更(例えば応答遅れが非常に小さくなるようにサスペンションの設定を変更)せずに、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る。
このように構成された本発明においては、路面からステアリングを介してドライバの手のひらに伝わるロードインフォメーション(路面の状況を示す振動や反力)を有効に残しつつ、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動をステアリングに与えることが出来る。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動を有効にステアリングに与えることが出来る。
このように構成された本発明においては、特にステアリングのコントロール性を高めることが要求される高速走行などにおいて有効である。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性を特に効果的に向上させることが出来る直進走行状態において行われるので、より安全な走行が可能となる。
このように構成された本発明においては、車両応答のつながりなどの感受性を向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、特に、ハンドルを微小に切ったときの操舵に対する車両の応答遅れの感受性を向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、電動アシスト用のモータを利用して効果的に所望の振動特性を有する振動をステアリングに付加することが出来る。
このように構成された本発明においては、ステアバイワイヤ用の電動モータを利用して効果的に所望の振動特性を有する振動をステアリングに付加することが出来る。
先ず、図1及び図2により、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の一例を示す斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の制御ブロック図である。
図1に示すように、自動車のステアリング装置1は、ハンドル(ステアリング)2を備え、このハンドル2は、ステアリングシャフト4の上端に連結されている。このステアリングシャフト4の下端部には、ラックピニオン機構(図示せず)を有するステアリングギヤボックス6に連結されている。このステアリングギヤボックス6の両側にはタイロッド8を介して車輪10が取り付けられている。
ECU24には、ステアリングシャフト4に設けられ操舵角を検出する操舵角センサ26からの信号、及び、ステアリングシャフト4に設けられステアリングシャフト4の振動状態を検出する振動検知センサ28からの信号がそれぞれ入力される。さらに、ECU24には、車速センサ30及びヨーレートセンサ32からの信号がそれぞれ入力される。
アクチュエータ20は、ステアリングシャフト4に振動を加える加振器20aと、ステアリングシャフト4を制振するダンパ20bとで構成されている。
加振器20aは、油圧力により3方向にそれぞれ直線的に振動を付加することが出来るようになっている。この加振器20aは、ステアリングシャフト4に3方向の振動を付加し、その振動により、ハンドル2が、上下方向(図3(a))、左右方向(図3(b))及び前後方向(図3(c))の3方向にそれぞれ振動するようになっている。振動検知センサ28は、これらの振動を検知可能である。一方、ダンパ20bは、3方向の振動をそれぞれ減衰させる油圧ダンパである。このダンパ20bにより、ハンドル2の図3に示す3方向の振動がそれぞれ減衰されるようになっている。
加振器20a及びダンパ20bは、それぞれ、ECU24により制御される。この第1実施形態では、ECU24により、ハンドル2に上述した3つの方向についてそれぞれ所望の振動特性が与えられるようになっている。
この第1実施形態では、そのようなドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性を制御マップ(図6参照)として規定し、ドライバの感受度合いを向上させるようにしている。このようなドライバの感受度合いの向上により、より正確な運転操作が可能になる。
先ず、図4に示すように、S1において、操舵角センサ26、振動検知センサ28、車速センサ30、ヨーレートセンサ32の各信号がECU24に入力される。
次に、S2において、車速センサ30の信号に基づいて、車両が、所定車速以上(例えば、50km/h以上)で走行しているか否かを判定する。
直進状態の場合、S4に進み、振動検知センサ28の入力信号に基づき、ステアリングの振動レベル分布を検出する。ステアリングの振動レベル分布は、周波数に対する振動のパワーレベルの分布として得られる。図5に、検出した振動レベル分布の例を示す。なお、図5に示す例は、車速100km/h時且つほぼ直進状態で得られたものであり、後述するS7及びS8の制御を行っていないときのものである。この図5に示すように、S4では、車輪10(図1参照)等からハンドル2に伝わった振動の振動レベル分布が検出される。
このS4では、このようなステアリングの振動レベル分布を、図3で説明した、ハンドルの上下方向、前後方向、左右方向のそれぞれの方向に対して検出する。
図6は、上述したようにドライバの操舵特性の感受性が向上する振動特性を周波数に対する振動レベルの分布で表したものである。図6に示すように、制御マップは、車速毎、及び、ハンドルの振動方向毎に規定されている。各分布には、それぞれ、理想値、下限値及び上限値が規定されている。
理想値とは、ドライバの操舵特性の感受性を最も効果的に向上させることが出来る振動特性の分布であり、下限値及び上限値は、ドライバの操舵特性の感受性を効果的に向上させることが出来る限界をそれぞれ表している。
比較の結果、S4で検出した振動レベル分布が、制御マップの振動レベル分布の下限値と上限値の間に入っているときは、アクチュエータ20による加振或いは制振による制御(S7、S8)を行わない。
一方、S4で検出した振動レベル分布が、制御マップの振動レベル分布の下限値と上限値の間に入っていないときには、S6に進む。
S6において、下限値以下と判定された周波数領域については、S7において、アクチュエータ20の加振器20aによる加振を行わせる。この場合の加振力(加振の振動レベル)は、図7に示すようなものであり、一定の値が定められている。この図7に示す例では、車速100km/hにおいて、50〜250Hzの周波数帯を高めて上述したドライバの操舵特性の感受性を向上させるようにしている。このような加振により、下限値以下である周波数領域における振動レベルを引き上げる。
一方、S6において、上限値以上と判定された周波数領域については、S8において、アクチュエータ20のダンパ20bによる制振を行わせて、振動レベルを引き下げる。
このようにして、ステアリングの振動レベル分布が、最終的に、上限値と下限値との間に入る(S5で「はい」と判定)ようにアクチュエータ20が制御される。
なお、上述した第1実施形態では、アクチュエータ20として、加振器20aとダンパ20bとを使用していたが、変形例として、上述したような3方向(図3参照)にそれぞれ直線的に加振或いは制振可能な電磁リニアモータを使用しても良い。
この第2実施形態は、ハンドルの回転方向の振動を制御するものである。ここでは、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
先ず、図9及び図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態の振動検知センサの代わりに、操舵トルクセンサ42が設けられている。この第2実施形態のステアリング装置は電動パワーステアリングであり、ステアリングの操舵力をアシストする電動モータ40が設けられている。第2実施形態では、この電動モータ40を利用して、ステアリングシャフト4に、図11に示すような回転方向の振動を加え或いは制振する。
電動モータ40は、ECU24により制御される。この第2実施形態では、ECU24及び電動モータ40により、通常の操舵力アシストの制御が行われると共に、ハンドル2の回転方向に所望の振動特性が与えられるようになっている。
そこで、この第2実施形態では、第1実施形態と同様に図4に示すような処理を行う。即ち、操舵角センサ26、車速センサ30、ヨーレートセンサ32及び操舵トルクセンサ42の各信号をECU24に入力し、入力された信号を基に、車両が所定車速以上で走行しているか、及び、車両が直進状態であるかを判定する。
車両が所定車速以上で直進状態で走行していると判定されると、回転方向(図11参照)におけるステアリングの振動レベル分布を検出する。この第2実施形態では、操舵角センサ26及び操舵トルクセンサ42の入力値を基に、周波数に対する振動レベル分布を検出する。
そして、第1実施形態と同様に、ステアリングの振動レベル分布が、最終的に、上限値と下限値との間に入るように電動モータ40が制御される。
なお、上述した第2実施形態では、操舵力をアシストする電動モータ40を利用して、回転方向の振動を制御していたが、変形例として、油圧モータと油圧ダンパとを使用しても良い。この場合、油圧モータにより加振し、油圧ダンパにより制振する。
図12に示すように、第3実施形態によるステアリング装置は、車輪10が、タイロッド8を介して電動操舵機構52に連結されている。電動操舵機構52は、電動操舵モータ54により駆動される。電動操舵モータ54の操舵量は、電動操舵モータ54に接続されたECU24により制御される。ECU24には、ハンドル2のハンドル軸58に設けられ、ハンドル2の操舵角を検出する操舵角センサ28が接続されている。また、ECU24には、車速センサ30及びヨーレートセンサ32が接続されている。ECU24は、操舵角センサ28、車速センサ30及びヨーレートセンサ32からの入力信号を基に電動操舵モータ54の操舵量を決定する。
一方、電動操舵機構52には車輪10(路面)から伝わる操舵力を検出する路面操舵力センサ56が設けられ、この操舵力センサ56はECU24に接続されている。ECU24は、この路面操舵力センサ56からの入力信号を基に電動モータ50に付与する操舵力を決定する。ECU24は、路面状態(ロードフィール)を乗員に伝えるために、路面操舵力センサ56により検出した操舵力の振動成分が残るように電動モータ50を制御する。
この第3実施形態では、ECU24は、ハンドルの回転方向に対するドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性(図6に示す個々の振動レベル分布と同様のもの)を生成する。ECU24は、この生成した振動特性が得られるように、電動モータ50を制御する。
このような制御は、第1及び第2実施形態と同様に、車両が所定車速以上で直進状態で走行しているときに行われる。
2 ハンドル(ステアリング)
4 ステアリングシャフト
20 アクチュエータ
20a 加振器
20b ダンパ
24 ECU
26 操舵角センサ
28 振動検知センサ
30 車速センサ
32 ヨーレートセンサ
40 電動モータ(操舵アシスト用)
42 操舵トルクセンサ
50 電動モータ(ステアバイワイヤ式ステアリング用)
52 電動操舵機構
56 路面操舵力センサ
58 ハンドル軸
60 ダンパ
Claims (9)
- 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
検出された走行状態が所定の走行状態のとき、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性を制御する振動制御手段を有することを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 上記ステアリング装置は上記車両の車輪に機械的に連結され、
上記振動制御手段は、上記所望の振動特性となるように上記ステアリングに振動を付加し及び/又は制振する請求項1記載の車両用ステアリング装置。 - 上記ステアリング装置はステアバイワイヤ式のものであり、
上記振動制御手段は、上記所望の振動特性を生成すると共に上記ステアリングにその振動特性の振動を付加する請求項1記載の車両用ステアリング装置。 - 上記所定の走行状態は、車速が所定値以上の状態である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
- 上記所定の走行状態は、上記ステアリングの操舵角が所定値以下の直進走行状態である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
- 上記振動方向は、上記ステアリングの前後方向、左右方向及び/又は上下方向である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
- 上記振動方向は上記ステアリングの回転方向である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
- 上記ステアリング装置は、電動で操舵力をアシストする電動モータを有し、
上記振動方向は、上記ステアリングの回転方向であり、
上記振動制御手段は、上記電動モータの制御量を変更して上記ステアリングの回転方向に上記所望の振動特性を有する振動を付加し及び/又は制振する請求項2に記載の車両用ステアリング装置。 - 上記ステアバイワイヤ式のステアリング装置は、電動で操舵力を作り出す電動モータを有し、
上記振動方向は、上記ステアリングの回転方向であり、
上記振動制御手段は、上記電動モータの制御量を変更して上記ステアリングの回転方向に上記所望の振動特性を有する振動を付加する請求項3に記載の車両用ステアリング装置。
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