JP2007269175A - 車両用ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る車両用ステアリング装置を提供する。
【解決手段】本発明による車両用ステアリング装置は、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段(28、30、32)と、検出された走行状態が所定の走行状態のとき、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性を制御する振動制御手段(20、24)と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用ステアリング装置に係り、特に、ステアリングの振動特性を制御してドライバの操舵特性の感受性を高める車両用ステアリング装置に関する。
従来、ハンドル(ステアリング)の操作性に悪影響を与えるとの観点のもとに、ハンドルの振動を抑制するようにしたステアリング装置が提案されている(特許文献1〜3)。
一方、特許文献4には、運転者の脳に直接的に刺激を与え、運転者を非覚醒状態から覚醒させるために、ステアリングホイールに、一時的に、回転方向の所定周波数の繰り返し回動変位を与えるようにした居眠り防止装置が開示されている。
同様に、特許文献5には、運転者の覚醒度の異常が判定された場合、一時的に、ステアリングホイールに警告用の振動を与える覚醒度低下警告装置が開示されている。この装置では、そのような警告によりドライバが一瞬緊張して不安定な操舵を行う恐れがあるので、警告後の所定時間は自動操舵を行うようにしている。
同様に、特許文献6には、運転者の運転姿勢の悪化や覚醒度の低下が判定された場合、ステアリングホイールに、一時的に、警告用の振動を与える操舵装置が開示されている。
従来は、ハンドルの振動がハンドル操作に悪影響を与えるものと考えられており、ハンドルの振動は、排除され(特許文献1〜3参照)、或いは、覚醒を高めるために一時的に与えられている(特許文献4〜6)。
ここで、特許文献6には、人間の感覚量が、与えられた刺激の物理量の対数に比例するというようなウェーバー・へフナー(Weber-Fechner)の法則に基づいて、運転者のステアリングホイールの操舵量に対して、運転者が知覚し得る車両の運動状態(例えば、横加速度やヨーレートなど)を対数的に変化させるようにした操舵装置が開示されている。この装置によれば、運転者の所定の操舵の変化量に対して、本来なら運転者が知覚し得ない車両の運転状態の変化量を知覚し得る変化量まで高めることになる。なお、このような装置を、運転者の知覚特性が低い場合や、特に微小なハンドル操作の領域(操舵力の不感帯の領域)などに用いると、車両の運動性能を過度に高めることにつながり危険である。
特開2002−274404号公報 特開2005−349883号公報 特開2002−249058号公報 特開平6−297980号公報 特開平8−268287号公報 特開2005−212689号公報
一方、上述した従来の装置は、ドライバによるハンドル(ステアリング)のコントロール性を高めるものではない。これに対し、本発明者らは、ドライバによるハンドルのコントロール性を高めることが出来れば、正確な且つ安全な運転を行わせることにつながると考え、日々研究を重ねていた。その結果、本発明者らは、ドライバの操舵特性の感受性を高めることが出来れば、ドライバによるハンドルのコントロール性を高めることが出来ることを見出した。特に、ドライバの手のひらに所定の振動の刺激を与えることで神経の感受性が良くなり、それに伴い運転感覚が研ぎ澄まされることを見出した。
本発明は、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る車両用ステアリング装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明は、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、検出された走行状態が所定の走行状態のとき、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性を制御する振動制御手段を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性が制御される。このような振動により、ステアリングを握るドライバの手のひらが刺激され、神経の感受性が良くなり、ドライバの操舵特性の感受性が向上する。その結果、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る。特に、本発明によれば、車両側の操舵特性を変更(例えば応答遅れが非常に小さくなるようにサスペンションの設定を変更)せずに、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ステアリング装置は車両の車輪に機械的に連結され、振動制御手段は、所望の振動特性となるようにステアリングに振動を付加し及び/又は制振する。
このように構成された本発明においては、路面からステアリングを介してドライバの手のひらに伝わるロードインフォメーション(路面の状況を示す振動や反力)を有効に残しつつ、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動をステアリングに与えることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ステアリング装置はステアバイワイヤ式のものであり、振動制御手段は、所望の振動特性を生成すると共にステアリングにその振動特性の振動を付加する。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動を有効にステアリングに与えることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、所定の走行状態は、車速が所定値以上の状態である。
このように構成された本発明においては、特にステアリングのコントロール性を高めることが要求される高速走行などにおいて有効である。
また、本発明において、好ましくは、所定の走行状態は、ステアリングの操舵角が所定値以下の直進走行状態である。
このように構成された本発明においては、ドライバの操舵特性の感受性を特に効果的に向上させることが出来る直進走行状態において行われるので、より安全な走行が可能となる。
また、本発明において、好ましくは、振動方向は、ステアリングの前後方向、左右方向及び/又は上下方向である。
このように構成された本発明においては、車両応答のつながりなどの感受性を向上させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、振動方向はステアリングの回転方向である。
このように構成された本発明においては、特に、ハンドルを微小に切ったときの操舵に対する車両の応答遅れの感受性を向上させることが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ステアリング装置は、電動で操舵力をアシストする電動モータを有し、振動方向は、ステアリングの回転方向であり、振動制御手段は、電動モータの制御量を変更してステアリングの回転方向に所望の振動特性を有する振動を付加し及び/又は制振する。
このように構成された本発明においては、電動アシスト用のモータを利用して効果的に所望の振動特性を有する振動をステアリングに付加することが出来る。
また、本発明において、好ましくは、ステアバイワイヤ式のステアリング装置は、電動で操舵力を作り出す電動モータを有し、振動方向は、ステアリングの回転方向であり、振動制御手段は、電動モータの制御量を変更してステアリングの回転方向に所望の振動特性を有する振動を付加する。
このように構成された本発明においては、ステアバイワイヤ用の電動モータを利用して効果的に所望の振動特性を有する振動をステアリングに付加することが出来る。
本発明による車両用表示装置によれば、ドライバによるステアリングのコントロール性を高めることが出来る。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の一例を示す斜視図であり、図2は、本発明の第1実施形態によるステアリング装置の制御ブロック図である。
図1に示すように、自動車のステアリング装置1は、ハンドル(ステアリング)2を備え、このハンドル2は、ステアリングシャフト4の上端に連結されている。このステアリングシャフト4の下端部には、ラックピニオン機構(図示せず)を有するステアリングギヤボックス6に連結されている。このステアリングギヤボックス6の両側にはタイロッド8を介して車輪10が取り付けられている。
ステアリングシャフト4には、このステアリングシャフト4を加振し或いは制振することが出来るアクチュエータ20が設けられている。このアクチュエータ20には、ECU24が接続されている。
ECU24には、ステアリングシャフト4に設けられ操舵角を検出する操舵角センサ26からの信号、及び、ステアリングシャフト4に設けられステアリングシャフト4の振動状態を検出する振動検知センサ28からの信号がそれぞれ入力される。さらに、ECU24には、車速センサ30及びヨーレートセンサ32からの信号がそれぞれ入力される。
次に、アクチュエータ20の構成及び作用について説明する。
アクチュエータ20は、ステアリングシャフト4に振動を加える加振器20aと、ステアリングシャフト4を制振するダンパ20bとで構成されている。
加振器20aは、油圧力により3方向にそれぞれ直線的に振動を付加することが出来るようになっている。この加振器20aは、ステアリングシャフト4に3方向の振動を付加し、その振動により、ハンドル2が、上下方向(図3(a))、左右方向(図3(b))及び前後方向(図3(c))の3方向にそれぞれ振動するようになっている。振動検知センサ28は、これらの振動を検知可能である。一方、ダンパ20bは、3方向の振動をそれぞれ減衰させる油圧ダンパである。このダンパ20bにより、ハンドル2の図3に示す3方向の振動がそれぞれ減衰されるようになっている。
加振器20a及びダンパ20bは、それぞれ、ECU24により制御される。この第1実施形態では、ECU24により、ハンドル2に上述した3つの方向についてそれぞれ所望の振動特性が与えられるようになっている。
ここで、図3に示すような各方向に所望の振動特性を有する振動を与えると、ドライバは手のひらでそのような振動を受ける。そのような振動を受けることにより、ドライバは、「車両応答のつながり」、「操舵に対する車両の応答遅れ」、「操舵力のリニアリティ」、「操舵の滑らかさ」をより良く感じる(感受性が向上する)ことが分かっている。「車両応答のつながり」とは、操舵に対する車両の応答ゲインのリニアリティを示す指標であり、言い換えると、操舵したときに、車両がリニアに応答している、とドライバが感じる度合いを示す指標である。
この第1実施形態では、そのようなドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性を制御マップ(図6参照)として規定し、ドライバの感受度合いを向上させるようにしている。このようなドライバの感受度合いの向上により、より正確な運転操作が可能になる。
次に、図4乃至図8により、第1実施形態によるECU24の制御内容を説明する。図4は、第1実施形態による制御フローであり、図5は、検出された振動レベル分布の一例を示す線図であり、図6は、第1実施形態による制御で用いられる振動レベル分布の制御マップの例であり、図7は、アクチュエータによる加振の振動レベルを示す線図であり、図8は、第1実施形態による制御前と制御後の振動レベルの結果の一例を示す線図である。なお、図4において、「S」は、各ステップを示す。
先ず、図4に示すように、S1において、操舵角センサ26、振動検知センサ28、車速センサ30、ヨーレートセンサ32の各信号がECU24に入力される。
次に、S2において、車速センサ30の信号に基づいて、車両が、所定車速以上(例えば、50km/h以上)で走行しているか否かを判定する。
所定車速以上の場合、S3に進み、操舵角センサ26及びヨーレートセンサ32からの信号に基づいて、車両が直進状態であるか否かを判定する。なお、S3において、操舵角が例えば±5°の範囲内であり、緩やかなカーブを走行しているときにも直進状態であると判定する。
直進状態の場合、S4に進み、振動検知センサ28の入力信号に基づき、ステアリングの振動レベル分布を検出する。ステアリングの振動レベル分布は、周波数に対する振動のパワーレベルの分布として得られる。図5に、検出した振動レベル分布の例を示す。なお、図5に示す例は、車速100km/h時且つほぼ直進状態で得られたものであり、後述するS7及びS8の制御を行っていないときのものである。この図5に示すように、S4では、車輪10(図1参照)等からハンドル2に伝わった振動の振動レベル分布が検出される。
このS4では、このようなステアリングの振動レベル分布を、図3で説明した、ハンドルの上下方向、前後方向、左右方向のそれぞれの方向に対して検出する。
次に、S5に進み、S4で検出した振動レベル分布が所定の範囲内に入っているか否かを判定する。この判定は、車速に応じて図6に示すような制御マップを用いて判定する。
図6は、上述したようにドライバの操舵特性の感受性が向上する振動特性を周波数に対する振動レベルの分布で表したものである。図6に示すように、制御マップは、車速毎、及び、ハンドルの振動方向毎に規定されている。各分布には、それぞれ、理想値、下限値及び上限値が規定されている。
理想値とは、ドライバの操舵特性の感受性を最も効果的に向上させることが出来る振動特性の分布であり、下限値及び上限値は、ドライバの操舵特性の感受性を効果的に向上させることが出来る限界をそれぞれ表している。
S5では、車速センサ30により検出(S1)された車速と、振動方向(図3参照)とに基づいて、図6に示すようなマップから、S5で判定対象とする振動レベル分布が選定される。さらに、この選定された振動レベル分布と、S4で検出した振動レベル分布との比較が行われる。このような比較は、振動方向毎に行われる。
比較の結果、S4で検出した振動レベル分布が、制御マップの振動レベル分布の下限値と上限値の間に入っているときは、アクチュエータ20による加振或いは制振による制御(S7、S8)を行わない。
一方、S4で検出した振動レベル分布が、制御マップの振動レベル分布の下限値と上限値の間に入っていないときには、S6に進む。
S6において、S4で検出した振動レベル分布において、上述した下限値以下となる周波数領域があるか否か、及び、上述した上限値以上となる周波数領域があるか否かの判定を行う。
S6において、下限値以下と判定された周波数領域については、S7において、アクチュエータ20の加振器20aによる加振を行わせる。この場合の加振力(加振の振動レベル)は、図7に示すようなものであり、一定の値が定められている。この図7に示す例では、車速100km/hにおいて、50〜250Hzの周波数帯を高めて上述したドライバの操舵特性の感受性を向上させるようにしている。このような加振により、下限値以下である周波数領域における振動レベルを引き上げる。
一方、S6において、上限値以上と判定された周波数領域については、S8において、アクチュエータ20のダンパ20bによる制振を行わせて、振動レベルを引き下げる。
その後、再びS4に戻り、S7による加振或いはS8による制振を行っている状態での振動レベルを検出し、さらに、上述したS5及び/又はS6による判定を行う。加振や制振によっても振動レベル分布が下限値と上限値の間に入っていないときには、再び、S7或いはS8により、加振力或いは制振力を高めるようにアクチュエータ20を制御する。
このようにして、ステアリングの振動レベル分布が、最終的に、上限値と下限値との間に入る(S5で「はい」と判定)ようにアクチュエータ20が制御される。
図8に、制御後にS4で検出されたステアリングの振動レベル分布を、制御前にS4で検出された振動レベル分布と合わせて示す。図8に示すように、車速100km/hにおいて、50Hz〜250Hzの周波数帯で振動レベルを高めることによりドライバの操舵特性の感受性を向上させるようにしている。この例は、車速100km/hにおいて50Hz〜250Hzの周波数帯におけるハンドルの前後方向の振動レベルを他の周波数帯の振動レベルより高めることによりドライバの操舵特性の感受性が高められる、という実験や検証の結果に基づいたものである。このように、車速、振動方向に応じて適した振動レベル分布が実験や検証で取得されて、図6に示すようなデータが得られている。
なお、上述した第1実施形態では、アクチュエータ20として、加振器20aとダンパ20bとを使用していたが、変形例として、上述したような3方向(図3参照)にそれぞれ直線的に加振或いは制振可能な電磁リニアモータを使用しても良い。
次に、図9及び図10により、本発明の第2実施形態によるステアリング装置の構成を説明する。図9は、本発明の第2実施形態によるステアリング装置の一例を示す斜視図であり、図10は、本発明の第2実施形態によるステアリング装置の制御ブロック図である。
この第2実施形態は、ハンドルの回転方向の振動を制御するものである。ここでは、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
先ず、図9及び図10に示すように、第2実施形態では、第1実施形態の振動検知センサの代わりに、操舵トルクセンサ42が設けられている。この第2実施形態のステアリング装置は電動パワーステアリングであり、ステアリングの操舵力をアシストする電動モータ40が設けられている。第2実施形態では、この電動モータ40を利用して、ステアリングシャフト4に、図11に示すような回転方向の振動を加え或いは制振する。
電動モータ40は、ECU24により制御される。この第2実施形態では、ECU24及び電動モータ40により、通常の操舵力アシストの制御が行われると共に、ハンドル2の回転方向に所望の振動特性が与えられるようになっている。
ここで、図11に示すような回転方向に所望の振動特性を有する振動を与えると、ドライバは手のひらでそのような振動を受ける。そのような振動を受けることにより、ドライバは、「操舵に対する車両の応答遅れ」及び「操舵力のリニアリティ」をより良く感じる(感受性が向上する)ことが分かっている。ドライバが感じる「操舵に対する車両の応答遅れ」及び「操舵力のリニアリティ」とは、第1実施形態において説明したものと同様である。しかし、このような回転方向の振動により、ドライバは、特に、ハンドルを微小に切ったときの「操舵に対する車両の応答遅れ」が向上する。さらに、ハンドルを戻すときの抜け感が少なく感じるようになる。
この第2実施形態では、そのようなハンドルの回転方向に対するドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性を制御マップとして規定し、ドライバの感受度合いを向上させるようにしている。このようなドライバの感受度合いの向上により、より正確な運転操作が可能になる。
そこで、この第2実施形態では、第1実施形態と同様に図4に示すような処理を行う。即ち、操舵角センサ26、車速センサ30、ヨーレートセンサ32及び操舵トルクセンサ42の各信号をECU24に入力し、入力された信号を基に、車両が所定車速以上で走行しているか、及び、車両が直進状態であるかを判定する。
車両が所定車速以上で直進状態で走行していると判定されると、回転方向(図11参照)におけるステアリングの振動レベル分布を検出する。この第2実施形態では、操舵角センサ26及び操舵トルクセンサ42の入力値を基に、周波数に対する振動レベル分布を検出する。
次に、第1実施形態と同様に、検出した振動レベル分布が所定の範囲内に入っているか否かを判定する。この第2実施形態でも、制御マップを用いて車速に応じて判定する。第2実施形態による制御マップは、第1実施形態と同様の制御マップ(図6参照)である。即ち、ドライバの操舵特性の感受性が向上する振動特性を周波数に対する振動レベルの分布で表したものであり、理想値、上限値及び下限値がそれぞれ規定されている。この第2実施形態では、ハンドルの回転方向に対して車速毎に規定されている。
検出した振動レベル分布において、制御マップの下限値以下となる周波数領域がある場合は、電動モータ40を制御してその周波数領域の振動レベルを引き上げる。この場合も、第1実施形態と同様に図7に示すような加振パワーを加える。一方、制御マップの上限値以上となる周波数領域がある場合は、電動モータ20を制御して、その周波数領域の振動レベルを引き下げる。
そして、第1実施形態と同様に、ステアリングの振動レベル分布が、最終的に、上限値と下限値との間に入るように電動モータ40が制御される。
なお、上述した第2実施形態では、操舵力をアシストする電動モータ40を利用して、回転方向の振動を制御していたが、変形例として、油圧モータと油圧ダンパとを使用しても良い。この場合、油圧モータにより加振し、油圧ダンパにより制振する。
次に、図12により、第3実施形態を説明する。図12は、本発明の第3実施形態によるステアリング装置を示す概念図である。この第3実施形態は、本発明をステアバイワイヤ式のステアリング装置に適用したものである。
図12に示すように、第3実施形態によるステアリング装置は、車輪10が、タイロッド8を介して電動操舵機構52に連結されている。電動操舵機構52は、電動操舵モータ54により駆動される。電動操舵モータ54の操舵量は、電動操舵モータ54に接続されたECU24により制御される。ECU24には、ハンドル2のハンドル軸58に設けられ、ハンドル2の操舵角を検出する操舵角センサ28が接続されている。また、ECU24には、車速センサ30及びヨーレートセンサ32が接続されている。ECU24は、操舵角センサ28、車速センサ30及びヨーレートセンサ32からの入力信号を基に電動操舵モータ54の操舵量を決定する。
ハンドル2のハンドル軸58には電動モータ50が設けられており、この電動モータ60が操舵力を作り出すと共にその操舵力をハンドル2に付加するようになっている。電動モータ50にはECU24が接続されており、ECU24によりそのような操舵力が制御される。また、電動モータ50には、操舵トルクセンサ42が設けられている。この操舵トルクセンサ42は、電動モータ50の操舵力のフィードバック制御に用いられる。
一方、電動操舵機構52には車輪10(路面)から伝わる操舵力を検出する路面操舵力センサ56が設けられ、この操舵力センサ56はECU24に接続されている。ECU24は、この路面操舵力センサ56からの入力信号を基に電動モータ50に付与する操舵力を決定する。ECU24は、路面状態(ロードフィール)を乗員に伝えるために、路面操舵力センサ56により検出した操舵力の振動成分が残るように電動モータ50を制御する。
第3実施形態では、ECU24及び電動モータ50により、操舵力をハンドル2に付与すると共に、ハンドルの回転方向に所望の振動特性を与えるようになっている。
この第3実施形態では、ECU24は、ハンドルの回転方向に対するドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性(図6に示す個々の振動レベル分布と同様のもの)を生成する。ECU24は、この生成した振動特性が得られるように、電動モータ50を制御する。
このような制御は、第1及び第2実施形態と同様に、車両が所定車速以上で直進状態で走行しているときに行われる。
ECU24は、このような所望の振動特性を生成する際に以下のような処理を行う。即ち、路面操舵力センサ56からの入力信号は振動成分を含んだものである。ECU24では、このような振動成分を含む信号にフィルターをかけて、上述したドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性を有する振動の信号を生成する。上述した図6に示す制御マップでは、車速などに応じて多数の振動特性(振動レベル分布)が規定されていたが、この第3実施形態では、ECU24によりフィルタ特性を変更することにより、車速などに応じた最適な振動特性を生成するようになっている。
なお、変形例として、図13に示すようにハンドル軸58に、ハンドル軸58の回転方向の振動を制振するダンパ60を設けても良い。この場合、ECU24によりこのダンパ60の制振特性を変更して、上述したドライバの操舵特性の感受性を向上させる振動特性を有する振動がハンドル2に生じるようにしても良い。なお、ECU60により制御せずに、周波数に応じた固有の制振特性を有するダンパを設けても良い。
上述した第1乃至第3の実施形態は、車両が有する固有の操舵特性に応じて使い分けることが考えられる。例えば、ミニバンにおいてドライバが感じる「操舵力のリニアリティ」は、スポーツカーよりも小さいので、第1実施形態のステアリング装置をミニバンに適用して、ミニバンを運転するドライバの操舵力のリニアリティを高めるようにすることが考えられる。
本発明の第1実施形態によるステアリング装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態によるステアリング装置の制御ブロック図である。 ハンドルの直線的な振動についての振動方向を示す図である。 第1実施形態による制御フローである。 検出された振動レベル分布の一例を示す線図である。 第1実施形態による制御で用いられる振動レベル分布の制御マップの例である。 アクチュエータによる加振の振動レベルを示す線図である。 第1実施形態による制御前と制御後の振動レベルの結果の一例を示す線図である。 本発明の第2実施形態によるステアリング装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態によるステアリング装置の制御ブロック図である。 ハンドルの回転方向の振動の方向を示す図である。 本発明の第3実施形態によるステアリング装置を示す概念図である。 本発明の第3実施形態の変形例によるステアリング装置を示す概念図である。
符号の説明
1 ステアリング装置
2 ハンドル(ステアリング)
4 ステアリングシャフト
20 アクチュエータ
20a 加振器
20b ダンパ
24 ECU
26 操舵角センサ
28 振動検知センサ
30 車速センサ
32 ヨーレートセンサ
40 電動モータ(操舵アシスト用)
42 操舵トルクセンサ
50 電動モータ(ステアバイワイヤ式ステアリング用)
52 電動操舵機構
56 路面操舵力センサ
58 ハンドル軸
60 ダンパ

Claims (9)

  1. 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    検出された走行状態が所定の走行状態のとき、ドライバの操舵特性の感受性が向上するような所望の振動特性を有する振動となるようにステアリングの振動方向及び周波数特性を制御する振動制御手段を有することを特徴とする車両用ステアリング装置。
  2. 上記ステアリング装置は上記車両の車輪に機械的に連結され、
    上記振動制御手段は、上記所望の振動特性となるように上記ステアリングに振動を付加し及び/又は制振する請求項1記載の車両用ステアリング装置。
  3. 上記ステアリング装置はステアバイワイヤ式のものであり、
    上記振動制御手段は、上記所望の振動特性を生成すると共に上記ステアリングにその振動特性の振動を付加する請求項1記載の車両用ステアリング装置。
  4. 上記所定の走行状態は、車速が所定値以上の状態である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
  5. 上記所定の走行状態は、上記ステアリングの操舵角が所定値以下の直進走行状態である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
  6. 上記振動方向は、上記ステアリングの前後方向、左右方向及び/又は上下方向である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
  7. 上記振動方向は上記ステアリングの回転方向である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用ステアリング装置。
  8. 上記ステアリング装置は、電動で操舵力をアシストする電動モータを有し、
    上記振動方向は、上記ステアリングの回転方向であり、
    上記振動制御手段は、上記電動モータの制御量を変更して上記ステアリングの回転方向に上記所望の振動特性を有する振動を付加し及び/又は制振する請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
  9. 上記ステアバイワイヤ式のステアリング装置は、電動で操舵力を作り出す電動モータを有し、
    上記振動方向は、上記ステアリングの回転方向であり、
    上記振動制御手段は、上記電動モータの制御量を変更して上記ステアリングの回転方向に上記所望の振動特性を有する振動を付加する請求項3に記載の車両用ステアリング装置。
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