JP2007268569A - 粉末はんだ材料および接合材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛を含まない粉末はんだ材料を用いて、後工程にてSnAg系はんだなどの温度域の工程において完全溶融に至らず接合性を保持するとともに、かつ、接合部信頼性として、強度、耐熱性にすぐれることを特徴とする粉末はんだ材料および接合材料を提供する。
【解決手段】Agを10〜25質量%、Cuを5〜10質量%、残部はSnおよび不可避的不純物からなる粉末はんだ材料とする。さらに、Ni、Co、Sb、Fe、Ge、BiおよびInのうち、少なくとも1種類の添加元素を合計で2.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含む。また、添加元素としてNiを含む場合には、1.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含むことを特徴とする。なお、粒径を50μm以下とする。そして、これらのはんだ材料の粉末とフラックスとを混合してクリームはんだとする。
【選択図】図2

Description

この発明は、粉末はんだ材料および接合材料に関し、特に半導体素子の表面電極および裏面電極の金属接合に使用することが好適な粉末はんだ材料および接合材料に関する。
パワー半導体装置では、半導体素子で発生する熱をその裏面から放熱する構成となっている。図6は、従来のパワー半導体装置の要部を示す正面図である。図6において、符号1は、その表面に電気回路を兼ねる導体基板2が接合され、かつその裏面に図示しない冷却導体への熱伝導を担う熱伝導体3が接合された絶縁基板である。
従来は、この導体基板2の表面に半導体素子4の裏面電極(図示省略)がはんだ材料5を用いて接合されている。半導体素子4の表面電極(図示省略)は、ボンディングワイヤ6を介して導体基板2に電気的に接続されている。熱伝導体3は、半導体パッケージの図示しない冷却導体である金属基板にはんだ材料を用いて接合されている。この金属基板は、図示しない外部冷却体とコンパウンドなどで密着されている。
半導体素子4は、通電時に熱を発生する。そして、半導体素子4と導体基板2の接合部が面接合であるため、その接合部には大きな熱ひずみが発生する。それによって、その接合部を構成するはんだ材料5は、過酷な使用環境下に置かれることになるので、そのはんだ材料には、高熱伝導性と熱疲労強度に優れた特性が要求される。そのような特性を備えた代表的はんだ材料はPbSn共晶はんだ材料(溶融点183℃付近)である。
しかし、近時、環境上の配慮から、鉛フリーはんだの使用が推進されている。代表的鉛フリーはんだ材料は、SnAg系はんだ材料(共晶組成3.5%Ag)であり、溶融点は220℃付近である(たとえば、下記特許文献1参照。)。また、電子機器において電子部品のはんだ接合を行う場合には、電子機器の構成上、接合温度の異なる複数種類のはんだ合金を複数回にわたり、使用する必要がある。たとえば、SnAg系のはんだ材料が使用された電子部品をプリント基板等に搭載する場合、プリント基板への搭載に同じSnAg系はんだ材料が使用されると、プリント基板への搭載時の温度で電子部品内のはんだが融解して、はんだ付けされた部分が動きやすくなってしまう。そのため、所望の接合状態が確保しにくくなり、分離、あるいは封止樹脂より流出する可能性もある。
このため、電子部品内に使用される鉛フリーはんだ材料は、プリント基板への搭載に使用されるSnAg系はんだ材料(共晶組成3.5%Ag)よりも溶融点が高いはんだが適当である。鉛フリーはんだ材料の場合、SnAg系はんだ材料(共晶組成3.5%Ag)より高温側で溶融する鉛フリーはんだ材料としては、AuSn合金(共晶溶融温度280℃付近)がある。しかし、AuSn合金はコスト的に高いという問題がある。
また、金属の接合材料として、Agを10〜30質量%、Cuを0.05〜5質量%、Niを0.05〜1質量%、Snを残部とするはんだ材料が知られている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
また、他の金属の接合材料として、Agを25〜37質量%、Cuを0.5〜7質量%、Niを0.5〜3質量%、Snを残部とするはんだ材料が知られている(たとえば、下記特許文献3参照。)。
特許第3027441号公報 特許第2667692号公報 特開2005−138152号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載のはんだ材料は、Cuの含有量が少ないため、Cuの析出物が少なくなり、充分な耐熱性が得られないという問題がある。また、特許文献3に記載のはんだ材料は、Agの含有量が多いため、液相線の温度が接合作業性として望ましい250〜300℃付近での液化温度よりも高いという問題があった。
さらに、Agをナノ微粒子とすることにより、表面が活性化されて溶融温度が250〜300℃となり、接合温度を下げることが可能であることが知られている。しかし、Agナノ微粒子は通常、表面の酸化防止のため、有機材料でコーティング及び有機溶媒と混ぜ合わせることによって使用される。この場合、接合後、ボイドが残存しやすい。ポーラス度、有機物の残存は、電子機器接合部として重要な熱伝導性、電気伝導性、熱疲労信頼性の低下につながる。従って、接合材としての機能を得るため、接合時、有機物の還元雰囲気、荷重負荷を必要とするという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、AuSn系はんだ材料のように高価格ではなく、かつ、後工程にてSnAg系はんだなどの温度域の工程において完全溶融に至らず接合性を保持するとともに、かつ、接合部信頼性として、強度、耐熱性にすぐれることを特徴とする粉末はんだ材料および接合材料を提供することを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る粉末はんだ材料は、Agを10〜25質量%、Cuを5〜10質量%、残部はSn及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
また、請求項2の発明に係る粉末はんだ材料は、請求項1に記載の発明において、さらに、Ni、Co、Sb、Fe、Ge、BiおよびInのうち、少なくとも1種類の添加元素を合計で2.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含むことを特徴とする。
また、請求項3の発明に係る粉末はんだ材料は、請求項1に記載の発明において、さらにNiを1.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含むことを特徴とする。
また、請求項4の発明に係る粉末はんだ材料は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の粒子はんだ材料において、粒径が50μm以下であることを特徴とする。
さらに、請求項5の発明に係る接合材料は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の粉末はんだ材料とフラックスとを混合したことを特徴とする。
SnAg系にCuを添加することによって、被接合材がCuである場合、はんだ材料中にCuが添加されていれば、被接合材からのCuの溶出を抑制することができるとともに、はんだ接合部の強度を向上させる効果があり、SnCu系やSnSb系のはんだ材料と比較して、接合性や信頼性の点で優れている。また、SnAgCu3元共晶組成付近組成のもの(代表的にはSn3.5Ag0.5Cu)よりCuを多く添加することによって、耐熱性を向上させることができる。
SnAg系状態図上、共晶組成は3.5質量%Agであり、70質量%Agまで、共晶反応(固相線は221℃)を有し、完全液化となる液相線温度は、Ag量増加とともに上昇する。加熱した場合、固相線温度にて液化が開始するが、Ag量を増加すると、固相線温度以上の広い温度範囲において、固液共存状態が存在しやすくなるため、後工程における作業温度、たとえばリフロー温度域250〜260℃においても、固液共存状態で接合されているため、粘性が高く、接合作業中に配線導体の動きが生じにくく、はんだ付け状態を維持可能となり、精度よい接合構成が得られる。
しかし、Agを3.5質量%より多く含有する場合、この合金を溶融溶製し、板などとして凝固させると、たとえば、Agが20質量%では、液相線350℃付近でAg3Snが析出し始め、これが初晶として、温度低下とともに粗大化するため、はんだ材料とし、接合に使用すると、ミクロ組織としては、粗大な結晶が存在するものとなりやすい。
SnAg系はんだ材料の固体状態のミクロ組織が粗い場合には、金属組織の濃度分布により、液化している部分と固体部分が不均一に存在しやすくなり、固相線温度以上の広い温度範囲において、固液共存状態が粗い状態で存在しやすくなる。そのため、はんだ材料と被接合材との界面における接合反応を生じさせるには、接合温度として高温側までの加熱が必要となる。
そこで、本発明では、はんだ材料を粉末状として作製し、接合に用いる。はんだ材料が微細な粒子から構成されていれば、粒子内の成分濃度分布が少なく、また、成分拡散が生じやすいため、固相線以上にて均一に液化が生じ易くなり、さらに、比較的低温側で接合しやすくなる。
はんだ合金の形態としては、通常、クリームはんだに使用される20〜50μm粉末で可能であるが、さらに微粒子化すれば、粒子相互の拡散およびはんだ材料の溶融が促進されるので、有効である。また、粒子の大きさを1μm以下にする場合には、粒子の凝集を防ぐための表面コーティングを兼ねる有機溶媒に粒子を混合すればよい。この場合は、はんだ材料の粒子が溶け始めることによって、一般的な金属の微粒子を用いた焼結に比べて、接合時の負荷荷重を小さくすることができるので、有機溶媒が揮発しやすく、接合作業性に優れる。
また、はんだ材料の粒子の粒径を5〜50μmにすることにより、フラックス内に粒子を均一に分散させることができる。
この発明では、SnAg系はんだ材料のAgの含有割合の下限は、3.5質量%Agに共晶組成を有し、必要な固液共存温度範囲を有する液相線の温度である300℃付近に相当する10質量%である。Agの含有割合が25質量%以上であっても接合可能であるが、接合作業性として望ましい250〜300℃付近での液化程度から、Agの含有割合の上限は25質量%であるのが適当である。
Snを主成分とし、Agを25質量%近くまで含有することにより、さらには5〜10質量%のCuの添加によって、SnAgCu3元共晶組成付近の組成のもの(代表的には、Sn3.5Ag0.5Cu)よりも耐熱性が向上する。また、はんだ材料が微細な粒子で構成されていれば、その粒子内の成分濃度分布が少なく、また、成分拡散が生じやすいので、固相線温度以上の温度において均一に液化が生じやすくなり、比較的低温側で接合することができる。
上記のように、Ag量、Cu量を高めることによって、耐熱性を有するはんだ材料を得ることができる
本発明によれば、Sn−Ag−Cu3元共晶組成付近組成のものより(代表的にはSn3.5Ag0.5Cu)液相線が高く固液共存領域の広いはんだ組成粒子とすることにより、比較的低温側で接合が可能となり、耐熱性が向上し、熱疲労強度を向上させた接合部とすることができる。
また、接合作業中、配線導体の動きが生じにくく、精度よい接合構成が得られる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る粉末はんだ材料および接合材料の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
この発明の実施の形態に係る粉末はんだ材料および接合材料について説明する。まず、Sn、Ag、Cu、Niを530℃で溶解させ、合金を作製する。溶解させた各成分の割合は、Ag20質量%、Cu5質量%、Ni0.1質量%であり、残りはSnである。この合金を400℃で溶解させ、たとえば、Sn20Ag5Cu粉末(はんだ材料)(固相線の温度:220℃付近、液相線の温度:345℃付近)の粒径が20〜45μm程度の粉末はんだを作製する。ここでは、粒径を20〜45μmとしたが、粒径は50μm以下の範囲であればよい。また、上述した粉末はんだは、不可避的不純物を含んでいる。不可避的不純物とは、たとえば、製造工程において混ざってしまう不純物、あるいは溶解前のSn、Ag、Cu、Niに含まれていた不純物であってもよい。
ついで、これらのSn20Ag5Cu粉末とフラックスとを混ぜ、クリームはんだ(接合材料)を作製する。さらに、このクリームはんだを銅板上に塗布し、たとえば、ホットプレート上で、温度265℃、時間30secで溶解する。
通常、Ag20質量%、Cu5質量%、Ni0.1質量%含み、残りがSnの合金を溶解し、バルク上に凝固させた場合、液相線350℃付近でAgSnが析出し始める。AgSnは、液相線350℃付近において析出されたAgSnを初晶として、温度低下とともに粗大化する。一方で、CuSn析出物が生じ、粗大なAgSn、CuSn析出物を主体とするミクロ組織となる。
つぎに、本発明の接合材料(クリームはんだ)を溶解したサンプルの断面観察結果、および分析結果を示す。図1は、本発明による接合材料(クリームはんだ)を溶解したサンプルの断面観察結果を示す図である。また、図2は、本発明による接合材料(クリームはんだ)を溶解したサンプルの分析結果を示すグラフである。図2において、横軸はX線フ
ォトンエネルギー、縦軸はX線の検出強度を示している。
図1中の「A」、「B」、「C」はそれぞれ図2(a)、図2(b)、図2(c)に示すサンプルの分析結果の分析箇所を示している。図1の分析箇所「A」は、図2(a)の分析結果に示すように、Agのピークが高く、ついでSnが検出されている。このことから、分析箇所「A」は、AgSn化合物(Ag3Sn)が主に析出する。図1の分析箇所「B」は、図2(b)の分析結果に示すように、CuとSnとが同等レベルであることから、CuSn化合物(Cu6Sn5)が主に析出する。また、図1の分析箇所「C」は、図2(c)に示すように、Snが主成分であり、わずかにAgが検出されているので、析出物以外のマトリックスである。このように、AgSn化合物(Ag3Sn)、CuSn化合物(Cu6Sn5)がマトリックス中に分散化したものは、いわゆる分散強化された複合材料と同様な特徴が得られ、材料的に均一で、安定したものであり、信頼性が優れるものが得られる。ここで、主成分とは、物質を構成している成分のうち最も多く含まれている成分である。
本発明の接合材料(クリームはんだ)とたとえばSn3.5Ag0.5Cuはんだを用いることにより、それぞれ異なる箇所を、異なる工程で接合することが可能となる。図3は、本発明による接合材料を用いて製造方法により製造された半導体装置の一例の要部を示す正面図である。図3に示すように、導体基板12の表面に、Sn3.5Ag0.5Cu粉末(粒子径:20〜50μm、溶融温度:220℃付近)を用いたはんだペーストを、たとえば100μmの厚さに塗布する。そして、そのはんだペーストに接触するように、導体基板12の上に半導体素子14を置く。
続いて、半導体素子14の表面電極の表面に、粒径が5〜20μmであるSn20Ag
5Cu粉末(固相線の温度:220℃付近、液相線の温度:345℃付近)とフラックスを混合したクリームはんだを塗布する。半導体素子14の表面電極の表面には、はんだ接合を可能とするために、Niめっきが施されている。その後、塗布したクリームはんだに配線用導体16の被接合面が接触するように、半導体素子14の上に配線用導体16を置く。
その状態で、導体基板12、半導体素子14および配線用導体16を電気炉に入れ、Sn20Ag5Cu粉末の固相線の温度(220℃付近)以上、かつ液相線の温度(345℃付近)で、さらにSn3.5Ag0.5Cuのクリームはんだの溶融温度(220℃付近)以上の温度、たとえば250℃に加熱する。その際、Sn3.5Ag0.5Cu粉末を用いたはんだペーストは溶融する。一方、Sn20Ag5Cu粉末とフラックスを混合したクリームはんだは、固液共存の状態となる。その後、冷却して、溶けたはんだを凝固させる。それによって、導体基板12に半導体素子14がSn3.5Ag0.5Cu接合部材17を介して接合されるとともに、半導体素子14に配線用導体16がSn20Ag5Cu接合部材15を介して接合され、図3に示す構成の半導体装置が得られる。
ここで、Sn3.5Ag0.5Cu粉末を用いたはんだペーストは一旦溶融した後に固化するため、溶融前の形態は粉末を用いたペーストに限らない。たとえばSn3.5Ag0.5Cuのシート状のはんだを用いてもよい。
図4は、本発明による接合材料を用いて製造された半導体装置の別の例の要部を示す正面図である。図4に示すように、導体基板12と半導体素子14の裏面電極をSn20Ag5Cu接合部材15により接合し、半導体素子14の表面電極と配線用導体16をSn3.5Ag0.5Cu接合部材17により接合してもよい。この場合には、導体基板12の表面に、Sn20Ag5Cu粉末とフラックスを混合したクリームはんだを塗布し、その上に半導体素子14を置く。そして、半導体素子14の表面電極の表面に、Sn3.5Ag0.5Cu粉末を用いたはんだペーストを塗布し、その上に配線用導体16を置く。その状態で、電気炉でSn20Ag5Cu粉末の固相線の温度(220℃付近)以上、かつ液相線の温度(345℃付近)で、さらにSn3.5Ag0.5Cuのクリームはんだの溶融温度(220℃付近)以上の温度、たとえば250℃に加熱した後、冷却すればよい。
図5は、本発明による接合材料を用いて製造された半導体装置のさらに別の例の要部を示す正面図である。図5に示すように、導体基板12と半導体素子14の裏面電極、および半導体素子14の表面電極と配線用導体16の両方をSn20Ag5Cu接合部材15により接合してもよい。この場合には、導体基板12の表面に、Sn20Ag5Cu粉末とフラックスを混合したクリームはんだを塗布し、その上に半導体素子14を置く。そして、半導体素子14の表面電極の表面に、同じクリームはんだを塗布し、その上に配線用導体16を置く。その状態で、電気炉でSn20Ag5Cu粉末の固相線の温度(220℃付近)以上、かつ液相線の温度(345℃付近)たとえば250℃に加熱した後、冷却すればよい。
この発明によるはんだ材料を用いれば、Sn20Ag5Cu粉末の固相線と液相線の間の温度で、Sn20Ag5Cu粉末の液化が均一に生じやすいので、比較的低温側ではんだ接合を行うことができる。従って、はんだ接合部の耐熱性が向上し、また、熱疲労強度が向上する。また、加熱したときに、Sn20Ag5Cu粉末を含むクリームはんだが固液共存の状態となり、高い粘性を有するので、半導体素子14と配線用導体16の相互の動きが抑制される。従って、半導体素子14および配線用導体16を高い位置精度で接合することができる。
つぎに、本発明による接合材料(クリームはんだ)Sn20Ag5Cu0.1Niおよび従来のはんだ材料(従来材)Sn3.0Ag0.5Cuについて耐熱性評価をおこなった結果を表1に示す。表1では、従来材をSAC、本発明による接合材料(クリームはんだ)をSACNで表示している。
Figure 2007268569
耐熱性評価に用いるサンプルは、まず、Cu板にクリームはんだ(4×4×0.3mm)を塗布し、塗布したクリームはんだの上に、たとえば、260℃、30secでCuブロック(5×5×5mm)を接合した。そして、サンプルの接合面を垂直に立て、220℃から280℃の範囲で加熱することにより、耐熱性試験を実施した。また、従来材についても同様の処理によりCuブロックを接合した。表1では、Cuブロックが、自重によりずれ落ちた場合を×、ずれ落ちなかった場合を○により表示している。
SACでは、230℃までは、Cuブロックはずれ落ちなかったが、240℃以上では、Cuブロックがずれ落ちてしまった。一方、SACNでは、280℃まで、加熱してもCuブロックはずれ落ちなかった。
以上の結果から、本発明の接合材料(クリームはんだ)は、従来のはんだ材料Sn3.0Ag5.0Cuに比べ、耐熱性に優れていることが確認された。また、耐熱性を上昇させるためには、溶解後のAgが10質量%以上25質量%以下の割合で含まれていることが好ましい。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、種々変更可能である。たとえば、はんだ接合温度は、250℃に限らず、Sn20Ag5Cu粉末の固相線の温度以上で、かつSn20Ag5Cu粉末の液相線の温度よりも低く、さらにSn3.5Ag0.5Cu粉末を用いたはんだペーストまたはクリームはんだの溶融温度以上の温度であればよい。
また、はんだ接合温度で固液共存状態となる本発明に係る粉末はんだ材料のAgの含有割合は10質量%以上25質量%以下、Cuの含有割合は5質量%以上10質量%以下であればよい。さらに、Agを10質量%以上25質量%以下、Cuを5質量%以上10質量%以下の割合で含む本発明に係る粉末はんだ材料が、Ni、Co、Sb、Fe、Ge、BiおよびInのうち、少なくとも1種類の添加元素を合計で2.0質量%以下の割合で含んでいてもよい。また、Agを10質量%以上25質量%以下、Cuを5質量%以上10質量%以下の割合で含むSnAg系はんだ材料が、Niを1.0質量%以下の割合で含んでいてもよい。
はんだ材料の粒子の大きさは、通常のクリームはんだと同様、5〜50μmで十分であるが、さらに微粒子化すれば、粒子相互の拡散およびはんだ材料の溶融が促進されるので、有効である。
また、はんだ材料の粒子の粒径を5〜50μmにすることにより、フラックス内に粒子を均一に分散させることができる。
以上説明したように、Snを主成分とし、Agを25質量%近くまで含有することにより、さらにはCuの添加によって、Sn−Ag−Cu3元共晶組成付近の組成のもの(代表的には、Sn3.5Ag0.5Cu)よりも耐熱性が向上する。また、はんだ材料が微細な粒子で構成されていれば、その粒子内の成分濃度分布が少なく、また、成分拡散が生じやすいので、固相線以上の温度において均一に液化が生じやすくなり、比較的低温側で接合することができる。
以上のように、本発明に係る粉末はんだ材料および接合材料は、半導体素子の表面電極と配線用導体が面接合された構成を有する半導体装置に有用であり、特に、通電時の発熱量が多いパワー半導体装置に適している。
本発明による接合材料(クリームはんだ)を溶解したサンプルの断面観察結果を示す図である。 本発明による接合材料(クリームはんだ)を溶解したサンプルの分析結果を示すグラフである。 本発明による接合材料を用いて製造方法により製造された半導体装置の一例の要部を示す正面図である。 本発明による接合材料を用いて製造された半導体装置の別の例の要部を示す正面図である。 本発明による接合材料を用いて製造された半導体装置のさらに別の例の要部を示す正面図である。 従来の半導体装置の要部を示す正面図である。
符号の説明
12,16 導体
14 半導体素子
15 第1のはんだ材料の粉末よりなる接合材料
17 第2のはんだ材料の粉末よりなる接合材料

Claims (5)

  1. Agを10〜25質量%、Cuを5〜10質量%、残部はSn及び不可避的不純物からなることを特徴とする粉末はんだ材料。
  2. 前記粉末はんだ材料は、さらに、Ni、Co、Sb、Fe、Ge、BiおよびInのうち、少なくとも1種類の添加元素を合計で2.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の粉末はんだ材料。
  3. 前記粉末はんだ材料は、さらにNiを1.0質量%以下(但し、下限値の零を含まず)の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の粉末はんだ材料。
  4. 前記粉末はんだ材料は、粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の粉末はんだ材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の粉末はんだ材料とフラックスとを混合したことを特徴とする接合材料。

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