JP2007268372A - 排ガス処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低ランニングコストでしかも高効率で塩素を捕捉し得て、排ガス中のダイオキシン類を効果的に低減することのできる排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】アーク炉10からの排ガスを排出する排気経路12に且つ排気経路12に沿った複数位置に、排ガス温度を検知する温度センサ(熱電対)28A,28B,28C,28D及び排ガス中の塩素と反応して塩素を捕捉するCa剤の吹込ノズル26A,26B,26C,26Dを設け、温度センサにて検知された排ガスの温度範囲が予め設定した適性吹込温度範囲内となったときに、対応する位置の吹込ノズルからCa剤を排気経路12に吹き込む。
【選択図】 図1
【解決手段】アーク炉10からの排ガスを排出する排気経路12に且つ排気経路12に沿った複数位置に、排ガス温度を検知する温度センサ(熱電対)28A,28B,28C,28D及び排ガス中の塩素と反応して塩素を捕捉するCa剤の吹込ノズル26A,26B,26C,26Dを設け、温度センサにて検知された排ガスの温度範囲が予め設定した適性吹込温度範囲内となったときに、対応する位置の吹込ノズルからCa剤を排気経路12に吹き込む。
【選択図】 図1
Description
この発明はアーク炉等の高温炉からの排ガスの処理方法、特にダイオキシン類を低減することのできる処理方法に関する。
ダイオキシン類は、廃棄物の焼却過程等で非意図的に発生する化学物質であってその発生源は多岐に亘っている。
ダイオキシン類は、芳香族塩素化合物であるポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーPCBの総称で、223種類の異性体を持つ化合物群であり、毒性が強く、その環境汚染は大きな問題である。
ダイオキシン類は、芳香族塩素化合物であるポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDDs),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)及びコプラナーPCBの総称で、223種類の異性体を持つ化合物群であり、毒性が強く、その環境汚染は大きな問題である。
このダイオキシン類の発生は、産業廃棄物の焼却過程等において特に問題となっているが、製鋼工場のアーク炉等やダスト・スラグ溶融炉や焼却灰等廃棄物溶融炉等の高温炉においても発生し、その問題の解決が必要である。
ここでダスト・スラグ溶融炉とは、製鋼工場で発生する製鋼排出物としての製鋼ダストと還元スラグとを溶融処理する炉である。
ここでダスト・スラグ溶融炉とは、製鋼工場で発生する製鋼排出物としての製鋼ダストと還元スラグとを溶融処理する炉である。
製鋼ダストは電気炉等を用いた製鋼において発生するダストで、排ガス中から集塵捕集されたものである。
また還元スラグは電気炉等を用いた製鋼において、還元精錬の際に製鋼排出物として生じたスラグである。
ダスト・スラグ溶融炉は、これらを溶融処理して有用な資源に転化するもので、このダスト・スラグ溶融炉は例えば下記特許文献1に開示されている。
また還元スラグは電気炉等を用いた製鋼において、還元精錬の際に製鋼排出物として生じたスラグである。
ダスト・スラグ溶融炉は、これらを溶融処理して有用な資源に転化するもので、このダスト・スラグ溶融炉は例えば下記特許文献1に開示されている。
一方アーク炉等の電気炉(製鋼炉)においては、スクラップを原料として用いることから、そのスクラップ中に不可避的に含まれる塩素源や有機材等が炉の内部で分解した後、炉外で反応して排ガス中にダイオキシン類を生成せしめる。
またその製鋼ダストを高温処理する上記ダスト・スラグ溶融炉からの排ガス中にもまた、ダイオキシン類が含有される可能性がある。
従ってこれら電気炉やダスト・スラグ溶融炉或いはその他ダイオキシン類を発生させる高温炉を操業するに際して、排ガス中のダイオキシン類を可及的に低減することが求められる。
またその製鋼ダストを高温処理する上記ダスト・スラグ溶融炉からの排ガス中にもまた、ダイオキシン類が含有される可能性がある。
従ってこれら電気炉やダスト・スラグ溶融炉或いはその他ダイオキシン類を発生させる高温炉を操業するに際して、排ガス中のダイオキシン類を可及的に低減することが求められる。
高温炉からの排ガス中のダイオキシン類を低減することを目的としたものとして、下記特許文献2に開示されたものがある。
この特許文献2に開示の技術は排ガスの排気経路上に、排ガスを高温に加熱及び保持して有害なダイオキシン類を分解する分解処理室を設けて、排気経路における分解処理室の上流若しくは分解処理室内にCa剤を吹き込み、これを高温の分解処理室で塩素と反応させて捕捉するようにしている。
この特許文献2に開示の技術は排ガスの排気経路上に、排ガスを高温に加熱及び保持して有害なダイオキシン類を分解する分解処理室を設けて、排気経路における分解処理室の上流若しくは分解処理室内にCa剤を吹き込み、これを高温の分解処理室で塩素と反応させて捕捉するようにしている。
この特許文献2に開示の技術ではまた、Ca剤として以下のようなものを用いている。
このCa剤は下記特許文献3に開示されているもので、CaO及びSiO2を供給し得る物質を含み且つCaO/SiO2のモル比が1.5〜3.2の範囲内にあるものである。
このCa剤は下記特許文献3に開示されているもので、CaO及びSiO2を供給し得る物質を含み且つCaO/SiO2のモル比が1.5〜3.2の範囲内にあるものである。
ここでCa剤は、以下の反応によって塩素を高効率で吸収し固定化する。
CaO/SiO2のモル比が1.67近傍の場合は、
(10CaO,6SiO2)+2HCl→9CaO・6SiO2・CaCl2+H2O・・・式(1)
CaO/SiO2のモル比が2近傍の場合は、
(2CaO,SiO2)+2HCl→CaO・SiO2・CaCl2+H2O・・・式(2)
CaO/SiO2のモル比が3近傍の場合は、
(3CaO,SiO2)+2HCl→2CaO・SiO2・CaCl2+H2O・・・式(3)
CaO/SiO2のモル比が1.67近傍の場合は、
(10CaO,6SiO2)+2HCl→9CaO・6SiO2・CaCl2+H2O・・・式(1)
CaO/SiO2のモル比が2近傍の場合は、
(2CaO,SiO2)+2HCl→CaO・SiO2・CaCl2+H2O・・・式(2)
CaO/SiO2のモル比が3近傍の場合は、
(3CaO,SiO2)+2HCl→2CaO・SiO2・CaCl2+H2O・・・式(3)
CaO/SiO2のモル比が1.75〜2の間にある場合は、上記の反応式(1),(2)に従い、9CaO・6SiO2・CaCl2とCaO・SiO2・CaCl2との混合物が生成して塩素を固定化する。
またCaO/SiO2のモル比が2〜3の間にある場合は、上記の反応式(2),(3)に従い、CaO・SiO2・CaCl2と2CaO・SiO2・CaCl2との混合物が生成する。
またCaO/SiO2のモル比が2〜3の間にある場合は、上記の反応式(2),(3)に従い、CaO・SiO2・CaCl2と2CaO・SiO2・CaCl2との混合物が生成する。
以上の反応生成物であるカルシウムクロロシリケート(CaO・SiO2・CaCl2,9CaO・6SiO2・CaCl2及び2CaO・SiO2・CaCl2)は水と接触してもカルシウムイオンや塩素イオンが溶出することがない。
ここでCaO及びSiO2を供給し得る物質は、CaO及びSiO2を同時に供給する物質であっても良く、CaO及びSiO2を個々に供給する物質を組み合せても良い。
またCaO及びSiO2を同時に供給する物質と、CaOを単独で供給する物質と、SiO2を単独で供給する物質とを適宜組み合せても良い。
またCaO及びSiO2を同時に供給する物質と、CaOを単独で供給する物質と、SiO2を単独で供給する物質とを適宜組み合せても良い。
CaO及びSiO2を同時に供給する物質としては、エーライトやビーライトに代表される無水カルシウムシリケート,トバモライトに代表される含水カルシウムシリケートの他、石炭灰や高炉スラグ,還元スラグ等の産業廃棄物や都市ごみ,下水道等に含まれる一般廃棄物の焼成灰等を用いることができる。
無水カルシウムシリケートは一般式(CaO)・nSiO2で示される化合物であり、同式中エーライトはn=3、ビーライトはn=2である。
含水カルシウムシリケートは一般式(CaO)・nSiO2・mH2Oで示される化合物である。
以上のCaO及びSiO2を同時に供給する物質は1種であっても良く、2種以上を混合して用いても良い。
含水カルシウムシリケートは一般式(CaO)・nSiO2・mH2Oで示される化合物である。
以上のCaO及びSiO2を同時に供給する物質は1種であっても良く、2種以上を混合して用いても良い。
CaOを単独で供給し得る物質としては、石灰石,消石灰,生石灰,ドロマイト等の内の1種又は複数を用いることができる。
SiO2を単独で供給し得る物質としては、含水シリカ,無水シリカ,石英,トリジマイト,クリストバライト,シラス,パーライト,ベントナイト等の内の1種又は複数を用いることができる。
SiO2を単独で供給し得る物質としては、含水シリカ,無水シリカ,石英,トリジマイト,クリストバライト,シラス,パーライト,ベントナイト等の内の1種又は複数を用いることができる。
このCa剤におけるCaOの含量は29%(質量%:以下同じ)以上であれば良く、SiO2の含量は12%以上あれば良い。これよりも少ないと塩素の捕捉効果が十分とならない。
塩素の捕捉効率の観点から、より好ましくはCaOの含量は40%以上であり、SiO2の含量は17%以上である。
塩素の捕捉効率の観点から、より好ましくはCaOの含量は40%以上であり、SiO2の含量は17%以上である。
かかるCaO−SiO2系のCa剤は、高温度で良好に塩素と反応してこれを固定する能力を有し、また一旦塩素を固定化した後は、従来のCaCO3やCa(OH)2のような捕捉剤と異なって高温度の下でも固定化した塩素を放出しない特性を有する。
従ってこのようなCaO−SiO2系のCa剤を、排ガス中のダイオキシン類を熱分解するために備えられた分解処理室の上流又は分解処理室内に供給することで、CaO−SiO2系Ca剤と塩素とを良好に反応させ得て、ダイオキシン類の分解により発生した塩素或いは排ガス中にもともと含まれている塩素を良好に捕捉固定でき、従って分解により発生した塩素が再びダイオキシン類を再生成するのを有効に阻止することができる。
その結果として、最終の排ガス中のダイオキシン類濃度を有効に低減することができる。
その結果として、最終の排ガス中のダイオキシン類濃度を有効に低減することができる。
ところでこの特許文献2に開示のものでは、Ca剤による塩素の捕捉、即ち脱Clを高効率で行うために高温の分解処理室を設けて、そこでCa剤と排ガス中のClとを反応させるようにしているが、この場合、分解処理室を高温度に保持するための熱エネルギーが多量に必要となり、ランニングコストが高くついてしまうといった問題がある。
一方、排気経路に直接Ca剤を吹き込んで排ガスを直接反応させる場合、高温炉からの排ガスは1チャージ操業を通じて温度変動が激しく、Ca剤を吹き込むのに適正な温度範囲となるタイミングを見計らうのが難しい問題がある。
また排ガス温度は、排気経路に沿って変化して行くため、どの位置でCa剤を吹き込むのが最適かを見出すことも難しい。
以上ではCa剤として特許文献3に開示のものを用いた場合について述べているが、他のCa剤を用いる場合も可能で、これに伴って排気経路にCa剤を吹き込む際の最適温度も異なって来る。
また排ガス温度は、排気経路に沿って変化して行くため、どの位置でCa剤を吹き込むのが最適かを見出すことも難しい。
以上ではCa剤として特許文献3に開示のものを用いた場合について述べているが、他のCa剤を用いる場合も可能で、これに伴って排気経路にCa剤を吹き込む際の最適温度も異なって来る。
本発明は以上のような事情を背景とし、低ランニングコストでしかも高効率で塩素を捕捉し得て、排ガス中のダイオキシン類を効果的に低減することのできる排ガス処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、高温炉からの排ガスを排出する排気経路に且つ該排気経路に沿った複数位置に、排ガス温度を検知する温度センサ及び該排ガス中の塩素と反応して該塩素を捕捉するCa剤の吹込ノズルを設け、前記複数位置のそれぞれにおいて前記温度センサにて検知された排ガスの温度範囲が予め設定した適性吹込温度範囲内となったときに、対応する位置の前記吹込ノズルから前記Ca剤を前記排気経路に吹き込むことを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記高温炉がアーク炉等の電気炉であることを特徴とする。
以上のように本発明は、排ガスの排気経路に沿った複数位置に温度センサ及び吹込ノズルを設け、温度センサにて検知された排ガスの温度範囲が予め設定した適性吹込温度範囲となったときに、対応する位置の吹込ノズルからCa剤を排気経路に吹き込むもので、本発明によれば、1チャージ操業を通じて排ガス温度が時間に伴って変化した場合であっても、或いはまた排気経路に沿った複数位置で温度変動が異なっている場合であっても、常に適正な位置で且つ適正な温度範囲でCa剤を排気経路に吹き込むことが可能となり、排ガス中の塩素を高効率で除去し得て、排ガス中のダイオキシン類を効果的に低減することが可能となる。
ここで上記Ca剤として特許文献3に開示されたものを好適に用いることができる。
ここで上記Ca剤として特許文献3に開示されたものを好適に用いることができる。
本発明は、特にアーク等の電気炉からの排ガス処理に適用して好適なものである(請求項2)。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において10はアーク炉(電気炉)で、12はこのアーク炉10からの排ガスを排出する排気経路であり、この排気経路12に沿ってアーク炉10側から順に燃焼塔14,冷却塔16,バグハウス18が設けられている。
燃焼塔14はアーク炉10からの排ガス中の未燃分を燃焼させるもので、冷却塔16は冷却水をスプレー噴霧して高温の排ガスを冷却するものである。
この冷却塔16の下流側に設けられたバグハウス18は、冷却塔16を通過した排ガスをバグフィルタ24に通して、そこで排ガス中のダストを集塵する。
そしてそのバグフィルタ24を通過した排ガスが、スタック20から大気中に放出される。
尚22はアーク炉10からの排ガスを吸引してスタック20から放出するための送風機である。
図1において10はアーク炉(電気炉)で、12はこのアーク炉10からの排ガスを排出する排気経路であり、この排気経路12に沿ってアーク炉10側から順に燃焼塔14,冷却塔16,バグハウス18が設けられている。
燃焼塔14はアーク炉10からの排ガス中の未燃分を燃焼させるもので、冷却塔16は冷却水をスプレー噴霧して高温の排ガスを冷却するものである。
この冷却塔16の下流側に設けられたバグハウス18は、冷却塔16を通過した排ガスをバグフィルタ24に通して、そこで排ガス中のダストを集塵する。
そしてそのバグフィルタ24を通過した排ガスが、スタック20から大気中に放出される。
尚22はアーク炉10からの排ガスを吸引してスタック20から放出するための送風機である。
この実施形態では、燃焼塔14入口の位置A,燃焼塔14出口の位置B,冷却塔入口Cの位置,冷却塔出口Dの位置の各位置において排気経路12にCa剤の吹込ノズル26A,26B,26C,26D及び温度センサとしての熱電対28A,28B,28C,28Dが設けられている。
ここで吹込ノズル26A〜26Dは、排気経路12内にCa剤を吹き込むもので、各熱電対28A〜28Dは、排気経路12に沿って排出されるアーク炉10からの排ガスの温度を検知するものである。
ここで吹込ノズル26A〜26Dは、排気経路12内にCa剤を吹き込むもので、各熱電対28A〜28Dは、排気経路12に沿って排出されるアーク炉10からの排ガスの温度を検知するものである。
30はCa剤の吹込装置本体で供給管路32がここから延び出している。供給管路32は複数の管路に分岐しており、そして分岐した供給管路32A,32B,32C,32Dのそれぞれが上記の吹込ノズル26A,26B,26C,26Dに接続されている。
またこれら分岐した供給管路32A〜32Dのそれぞれには、供給管路32A〜32Dを遮断又は連通させることによって、各吹込ノズル26A〜26DからのCa剤の吹込みを制御するバルブ34A,34B,34C,34Dが設けられている。そしてこれらバルブ34A〜34Dの開閉がコントローラ36にて制御されるようになっている。
またこれら分岐した供給管路32A〜32Dのそれぞれには、供給管路32A〜32Dを遮断又は連通させることによって、各吹込ノズル26A〜26DからのCa剤の吹込みを制御するバルブ34A,34B,34C,34Dが設けられている。そしてこれらバルブ34A〜34Dの開閉がコントローラ36にて制御されるようになっている。
上記熱電対28A〜28Dのそれぞれもまた、このコントローラ36に接続されており、各熱電対28A〜28Dによる検知温度がコントローラ36へと情報入力されるようになっている。
コントローラ36は、これら熱電対28A〜28Dの検知温度が予め設定されている適性吹込温度範囲内となったときに、各熱電対28A〜28Dに対応するバルブ34A〜34Dを開動作させ、供給装置本体30からのCa剤を、各対応する吹込ノズル26A〜26Dに供給して、それら吹込ノズル26A〜26Dより排気経路12内に吹き込ませる。
コントローラ36は、これら熱電対28A〜28Dの検知温度が予め設定されている適性吹込温度範囲内となったときに、各熱電対28A〜28Dに対応するバルブ34A〜34Dを開動作させ、供給装置本体30からのCa剤を、各対応する吹込ノズル26A〜26Dに供給して、それら吹込ノズル26A〜26Dより排気経路12内に吹き込ませる。
図2はアーク炉10操業における複数チャージ分のA〜Dの各位置における排ガスの温度変動を表している。
同図に示しているように排気経路12の排気温度は、アーク炉10操業における時間の変化とともに、或いはまた排気経路12の位置ごとに異なっている。
同図に示しているように排気経路12の排気温度は、アーク炉10操業における時間の変化とともに、或いはまた排気経路12の位置ごとに異なっている。
表1及び図3は、塩素を50ppmの濃度で含んだ、種々温度の排ガスに対してCa剤を吹き込んだときの、吹込み後の塩素(Cl)濃度及び塩素(Cl)除去率の測定結果を示している。
但しここではCa剤として次のものを用いた。
即ちここではCaO−SiO2系のCa剤として、水酸化カルシウムと無水ケイ酸とを混合して成る粉末状の混合剤を用いた。
ここで粉末の平均粒子径は185μmであり、嵩密度は0.53(g/ml)である。
尚粉末状の混合剤におけるCaO/SiO2のモル比は3.0である。また混合剤即ちCaO−SiO2系Ca剤におけるCaOの含量は73.7質量%であり、SiO2の含量は26.3質量%である。
更にCaO−SiO2系Ca剤の排ガスへの投入量は3300g/minとした。
尚、バグハウス風量は3000m3/minであった。
即ちここではCaO−SiO2系のCa剤として、水酸化カルシウムと無水ケイ酸とを混合して成る粉末状の混合剤を用いた。
ここで粉末の平均粒子径は185μmであり、嵩密度は0.53(g/ml)である。
尚粉末状の混合剤におけるCaO/SiO2のモル比は3.0である。また混合剤即ちCaO−SiO2系Ca剤におけるCaOの含量は73.7質量%であり、SiO2の含量は26.3質量%である。
更にCaO−SiO2系Ca剤の排ガスへの投入量は3300g/minとした。
尚、バグハウス風量は3000m3/minであった。
図3に示しているように、この測定結果では塩素の除去率は排ガス温度650〜750℃の範囲が最も高く、次に750〜850℃の温度範囲,550〜650℃の温度範囲,450〜550℃の温度範囲の順となっている。
本実施形態では、熱電対28A〜28Dにて検知される排ガス温度が予め設定した適性吹込温度範囲内となったときに、対応する吹込ノズル26A〜26DからCa剤を排気経路12内に吹き込むようにする。
その際にCa剤を吹き込むときの排ガス温度に優先順位を設定しておく。例えばここでは650〜750℃の温度範囲を第1優先とし、次に750〜850℃の温度範囲,550〜650℃の温度範囲,450〜550℃の温度範囲の順とする。
その際にCa剤を吹き込むときの排ガス温度に優先順位を設定しておく。例えばここでは650〜750℃の温度範囲を第1優先とし、次に750〜850℃の温度範囲,550〜650℃の温度範囲,450〜550℃の温度範囲の順とする。
このようにすることで、アーク炉10の1チャージ操業の過程を通じて排ガス温度が時間とともに変化した場合であっても、また排気経路12に沿って異なった位置で排ガス温度が変動した場合であっても、常に適正なタイミングで且つ排ガス温度の下でCa剤を排ガス中に吹き込み、Ca剤と塩素とを効果的に反応させ得て、排ガス中の塩素を高効率で除去し得て、排ガス中のダイオキシン類濃度を効果的に減少せしめることができる。
尚、複数の位置で排ガス温度が同時に優先順位の高い適正吹込温度範囲となったときには、複数の位置でCa剤を同時に吹き込むようになすことができる。或いはまた何れか一方からだけCa剤を吹き込むようになすことができる。
勿論A〜Dの各位置のそれぞれからアーク炉10操業1チャージ毎に1回ずつCa剤を吹き込むようになすことも場合によって可能であり、この場合において塩素除去効率が最も高い温度となったタイミングでCa剤を吹き込むようになすことができる。
尚、複数の位置で排ガス温度が同時に優先順位の高い適正吹込温度範囲となったときには、複数の位置でCa剤を同時に吹き込むようになすことができる。或いはまた何れか一方からだけCa剤を吹き込むようになすことができる。
勿論A〜Dの各位置のそれぞれからアーク炉10操業1チャージ毎に1回ずつCa剤を吹き込むようになすことも場合によって可能であり、この場合において塩素除去効率が最も高い温度となったタイミングでCa剤を吹き込むようになすことができる。
以上のような本実施形態によれば、1チャージ操業を通じて排ガス温度が時間に伴って変化した場合であっても、或いはまた排気経路12に沿った複数位置で温度変動が異なっている場合であっても、常に適正な位置で且つ適正な温度範囲でCa剤を排気経路12に吹き込むことが可能となり、排ガス中の塩素を高効率で除去し得て、排ガス中のダイオキシン類を効果的に低減することが可能となる。
更に本実施形態によれば吹き込んだCa剤を効率高く反応させることができるため、効果が殆ど無い温度条件でCa剤を吹き込むことによるCa剤のロスを可及的に少なくすることができ、Ca剤に要するコストを低減することができる。
更に本実施形態によれば吹き込んだCa剤を効率高く反応させることができるため、効果が殆ど無い温度条件でCa剤を吹き込むことによるCa剤のロスを可及的に少なくすることができ、Ca剤に要するコストを低減することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上記実施形態における温度センサ,吹込ノズルの配設位置はあくまで一例示であって、他の位置を選定してそれらを配設しておくことも可能である。
更に上記実施形態では4箇所にそれら温度センサ及び吹込ノズルを設けているが、これより少ない3箇所、或いは多い5箇所若しくはそれ以上に温度センサ及び吹込ノズルを配設しておくことも可能である。更に上例とは異なった種類のCa剤を用いることも可能で、その用いるCa剤の種類に応じて適正吹込温度範囲を様々に設定することが可能である。
更に本発明は他の様々な高温炉からの排ガスの処理に適用することが可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
例えば上記実施形態における温度センサ,吹込ノズルの配設位置はあくまで一例示であって、他の位置を選定してそれらを配設しておくことも可能である。
更に上記実施形態では4箇所にそれら温度センサ及び吹込ノズルを設けているが、これより少ない3箇所、或いは多い5箇所若しくはそれ以上に温度センサ及び吹込ノズルを配設しておくことも可能である。更に上例とは異なった種類のCa剤を用いることも可能で、その用いるCa剤の種類に応じて適正吹込温度範囲を様々に設定することが可能である。
更に本発明は他の様々な高温炉からの排ガスの処理に適用することが可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
10 アーク炉
12 排気経路
26A,26B,26C,26D 吹込ノズル
28A,28B,28C,28D 熱電対
12 排気経路
26A,26B,26C,26D 吹込ノズル
28A,28B,28C,28D 熱電対
Claims (2)
- 高温炉からの排ガスを排出する排気経路に且つ該排気経路に沿った複数位置に、排ガス温度を検知する温度センサ及び該排ガス中の塩素と反応して該塩素を捕捉するCa剤の吹込ノズルを設け、前記複数位置のそれぞれにおいて前記温度センサにて検知された排ガスの温度範囲が予め設定した適性吹込温度範囲内となったときに、対応する位置の前記吹込ノズルから前記Ca剤を前記排気経路に吹き込むことを特徴とする排ガス処理方法。
- 請求項1において、前記高温炉がアーク炉等の電気炉であることを特徴とする排ガス処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP2050556A1 (en) | 2007-10-15 | 2009-04-22 | Asahi Fiber Glass Company, Limited | Wide foam extrusion die, production process and manufactured product |
WO2012038906A2 (en) | 2010-09-23 | 2012-03-29 | Tenova S.P.A. | Heat exchanger for the rapid cooling of flue gas of ironwork plants, apparatus for the treatment of flue gas in ironwork plants comprising such a heat exchanger and relative treatment method |
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