JP2002086097A - アルカリ飛灰の処理方法 - Google Patents

アルカリ飛灰の処理方法

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JP2002086097A JP2000275600A JP2000275600A JP2002086097A JP 2002086097 A JP2002086097 A JP 2002086097A JP 2000275600 A JP2000275600 A JP 2000275600A JP 2000275600 A JP2000275600 A JP 2000275600A JP 2002086097 A JP2002086097 A JP 2002086097A
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Shuji Hirose
秀志 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】都市ごみの焼却炉等で発生するアルカリ飛灰に
含まれる重金属類を固定し安定化処理するに際して、こ
れを安価に行うことができ、また処理物が泥水状化せず
に廃棄処理し易い粘土状の状態となるようなアルカリ飛
灰の処理方法を提供する。 【解決手段】Ca分を含むアルカリ飛灰に対して鉄イオ
ンを加えて、アルカリ飛灰中に含まれる重金属類を固定
し安定化するに際して、アルカリ飛灰に対して前処理と
して炭酸ガスの吹込みを行ってCaの炭酸化処理を行
い、その後において鉄イオンを加えるとともに飛灰をp
H9〜11.5に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はごみ焼却炉等から
出るアルカリ飛灰中の重金属類等有害金属を固定し安定
化するアルカリ飛灰の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般家庭から排出されるごみは焼却場ま
で運ばれ、焼却炉で焼却処理される。この焼却炉での焼
却による燃え殻は主灰と呼ばれ、通常ごみ100に対し
て主灰が10〜15%程度発生する。この主灰は特別管
理一般廃棄物に該当していないため、そのまま廃棄場に
廃棄処理することができる。
【0003】但し近年にあってはその廃棄場の確保が困
難な情勢にあり、そこでこの主灰を図5に示すアーク炉
200等の溶融設備で溶融してスラグ化し、これを路盤
材等として活用するといったことも行われている。
【0004】焼却炉202でのごみの焼却に際して、燃
焼により排ガスが併せて発生する。この排ガス中には多
量の粉塵ダストが含まれており、そこで図5に示してい
るように、焼却炉202からの排ガス中のダストをバグ
集塵機204にて集塵し分離することが行われている。
この集塵されたダストを飛灰と称している。
【0005】ところで焼却炉202で発生する排ガス中
にはHCl(塩化水素)やSO(硫黄酸化物)等の酸
性ガスやNOガスが含まれており、そこで排ガス処理
に際してはバグ集塵機204の上流部で消石灰(Ca
(OH))の粒子を排ガス通路内に吹き付けて酸性ガス
を中和し、その上で排ガスを脱硝機206で脱硝(脱N
)して大気放出するようにしている。
【0006】上記バグ集塵機204で集塵された飛灰中
にはPbやCd等重金属類等の有害金属が含まれてお
り、従ってこれをそのまま廃棄処理すると有害金属が溶
出して来てしまう。そのためこの種飛灰については特別
管理一般廃棄物に指定されており、有害金属の溶出量が
規制されている。そこで従来にあっては、飛灰中に含ま
れる重金属類等の有害金属の溶出値が規制値以下となる
ように、これら有害金属を固定し安定化処理した上で廃
棄するようにしている。
【0007】その安定化のための処理方法として従来一
般的に行われているのは、飛灰に安定化剤としてのキレ
ート剤を加え、そのキレート剤により重金属類等有害金
属を固定し安定化するといった方法である。しかしなが
らこのキレート剤は値段が非常に高く、このため飛灰の
安定化処理に高コストを要してしまうといった問題があ
った。
【0008】焼却炉202から出た飛灰を安定化処理す
ることなくそのまま図6に示しているように酸素バーナ
設備208で溶融処理し、スラグ化することも行われて
いる。このスラグもまた路盤材等として活用可能であ
る。
【0009】ここでバーナとして酸素バーナを用いてい
るのは、焼却炉202からの飛灰は高温の火炎でないと
溶融しないため、つまり空気を用いた通常のバーナでは
溶融しないため、高温の火炎を発生させることのできる
酸素バーナを用いているのである。
【0010】この酸素バーナ設備208による溶融処理
に際しても同様にダストを含んだ排ガスが発生する。そ
こで排ガス中のダストをバグ集塵機204で集塵処理し
ている。バグ集塵機204で集塵したダスト(飛灰)に
もまた重金属類等有害金属が含まれており、従ってこれ
もまたキレート剤を用いて安定化処理した上で廃棄処理
するようにしている。
【0011】この酸素バーナ設備208による溶融に際
して発生した飛灰の処理に際しても、上記したのと同様
の問題が発生する。即ち安定化剤としてのキレート剤が
高価であり、処理費用が高くつくといった問題が発生す
る。特にこの酸素バーナ設備208による溶融処理で
は、炉の耐火材に由来する六価クロムが飛灰中に混入す
るといった問題もある。
【0012】上記のようにキレート剤を用いた安定化処
理方法の場合、処理コストが高くなる問題があり、そこ
で本出願人は飛灰に対して所定量の水(飛灰100重量
%に対して水22〜30重量%)とともに第一鉄イオン
を加えて混練処理する方法を提案している(特開平7−
60219)。
【0013】この方法は、飛灰に対して第一鉄イオンを
水とともに添加することで鉄の水酸化物(Fe(O
H))を沈澱させ、このとき同時に六価クロムを含む
重金属類等を水酸化物として共沈させて固定し、再溶出
しない状態に安定化するといったものである。
【0014】この方法で安定化処理したものは、環告1
3号法による溶出試験に供したとき、具体的には処理物
に10倍量の水を加えて6時間振とうしたとき、重金属
類等が鉄の水酸化物とともに共沈することによって溶液
中への溶出が安全な基準値以下に抑制される。
【0015】但しこの安定化処理方法の場合、飛灰のp
Hを9〜11.5の範囲に保持する必要がある。即ちこ
のようなpH条件の下で初めて鉄イオンによる重金属類
等の安定化を行うことができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ここで問題となるの
は、上記焼却炉202から発生する飛灰或いは酸素バー
ナ設備208等の溶融設備から発生する飛灰は、通常p
Hが12.0以上の強アルカリ飛灰である点である。こ
のアルカリ性は主として焼却に際して発生した排ガス中
の酸性ガスを中和すべく加えられた消石灰の粒子に由来
する。
【0017】消石灰は酸性ガスを中和するのに必要な理
論量よりも過剰に加えられるため、未反応の消石灰が飛
灰中に残ってしまってこれが飛灰を強アルカリ性として
しまうのである。尚、焼却炉202からの飛灰中にはC
a分がCa(OH)の形で残り、また酸素バーナ設備2
08等の溶融設備から発生する飛灰中にはCa分がCa
Oの形で残留する。
【0018】而して飛灰が強アルカリ性を呈することか
ら、これに対しそのまま水とともに鉄イオン、例えば市
販のFeCl水溶液を加えても飛灰のpHがなかなか
求めるpH9〜11.5にならず、そのため多量のFe
Cl水溶液を加えなければならないこととなって、結
果的に飛灰がスラリー状即ち泥水状態となってしまう。
飛灰がこのような泥水状態となってしまうと、これをそ
のままトラックで運んで廃棄処理するといったことがで
きなくなってしまう。
【0019】以上ごみ焼却炉からの飛灰,溶融設備から
の飛灰を例にとって説明したが、産業廃棄物の焼却炉か
ら発生する飛灰及び製鋼炉から発生するダスト(飛
灰)、即ち製鋼ダストに対する安定化処理に際しても同
様の問題が発生する。製鋼炉においては造滓剤として生
石灰,ホタル石等が炉中に投入される。このため製鋼ダ
スト中にCa分が含まれ、これに起因して飛灰がアルカ
リ性を呈することがある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ飛灰の
処理方法はこのような課題を解決するために案出された
ものである。而して請求項1のものは、Ca分を含むア
ルカリ飛灰に対して鉄イオンを加えて、該アルカリ飛灰
中に含まれる有害金属を固定し安定化するに際して、該
アルカリ飛灰に対して前処理として炭酸ガスの吹込みを
行ってCaの炭酸化処理を行い、その後において前記鉄
イオンを加えるとともに飛灰をpH9〜11.5に保持
することを特徴とする。
【0021】請求項2のものは、請求項1において、前
記アルカリ飛灰がpH12.0以上の強アルカリ飛灰で
あることを特徴とする。
【0022】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
において、前記炭酸ガスの吹込みによるCaの炭酸化処
理を完全中和する以前に停止させ、その後において塩化
鉄又は硫酸鉄を加え、且つ飛灰のpHを9〜11.5の
範囲に調整することを特徴とする。
【0023】請求項4のものは、請求項3において、前
記炭酸ガスの吹込みを飛灰のpHが10以上で停止する
ことを特徴とする。
【0024】請求項5のものは、請求項1〜4の何れか
において、前記炭酸ガスの吹込みを行うに際し、粉体状
の飛灰に対して水蒸気とともに炭酸ガスの吹込みを行う
か又は粉体状の飛灰に所定量の水を加えた状態の下で炭
酸ガスの吹込みを行うことを特徴とする。
【0025】請求項6のものは、請求項1〜5の何れか
において、前記炭酸ガスの吹込み及び鉄イオンの添加に
よる安定化処理を、該安定化処理後の飛灰が非泥水状且
つ粘土状態を保持するように行うことを特徴とする。
【0026】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明の処理方法
は、アルカリ飛灰に対し前処理として炭酸ガスの吹込み
を行ってCaの炭酸化処理を行い、しかる後鉄イオンを
加えるとともに飛灰をpH9〜11.5に保持するもの
である。このような炭酸化処理を行わないで直接鉄イオ
ンを加えた場合、前述したように多量の鉄イオンを加え
なければならず、この結果飛灰の安定化処理物が泥水状
化して廃棄処理することが困難となるが、本発明に従い
予め炭酸化処理を行った上で鉄イオンの添加混練を行っ
た場合、極めて少量の鉄イオンの添加で済むようにな
る。
【0027】即ち本発明によれば飛灰の安定化処理物を
粘土状態(練土状態)に保持することが可能となるので
あり、これをそのまま容易に廃棄処理することができる
(請求項6)。尚、本発明においては最終的な飛灰への
水の添加量を、乾燥状態の飛灰100重量%に対して水
22〜30重量%の範囲とし、そのような含水状態の下
で飛灰を混練し、粘土状態となしておくことができる。
ここで飛灰を粘土状態とするために混練機を用いて飛灰
を混練することができる。
【0028】本発明ではまた、鉄イオンとして第一鉄イ
オン,第二鉄イオンの何れを用いることも可能である。
例えば飛灰中に六価クロムが存在しない場合、第一鉄イ
オンを用いることはもとより、第二鉄イオンを用いても
重金属類を固定し安定化することができる。但し飛灰中
に六価クロムが含まれている場合、第一鉄イオンを用い
ることが望ましい。
【0029】Cr6+は水酸化物を形成しないため、こ
れを水酸化物を形成するCr3+にする必要がある。こ
の場合は、Cr6+を下記に示すように第一鉄イオンに
よりCr3+に還元する必要がある。 3Fe2+ + Cr6+ → 3Fe3+ + Cr3+ 3Cr3+ + 3OH → Cr(OH)
【0030】前述したように飛灰がアルカリ性を呈する
のは、飛灰中にCa分を含む粒子、例えばCa(OH)
粒子,CaO粒子等が含まれていることに由来する。例
えば都市ごみの焼却炉からの飛灰の場合、その中にCa
(OH)を含んだ粒子が存在する。
【0031】図1はこれを模式的に表したもので、(I
I)に示しているようにこのCa(OH)を含んだ粒子
は、Ca(OH)のコア10の外表面にCaCl・6
O,CaSO,CaCO等を含んだ外層12が
形成されていると考えられる。この外層12は、(I)
に示しているようにCa(OH)が排ガス中のHClや
SO等の酸性ガス,炭酸ガス等と表面反応した結果形
成されたものである。
【0032】飛灰がアルカリ性を呈するのは主としてコ
ア10のCa(OH)によるものであると考えられる。
これに対して本発明に従い炭酸化処理を施すと、(II
I)に示しているように水が、溶解度の高いCaCl
を溶かして隙間を形成し、同時にCOが入り込んでC
a(OH)と反応することで、(IV)に示しているよう
にコア10のCa(OH)の表面にCaCOシェル1
4が形成され、このCaCOシェル14は水に対する
溶解度が低いためにCaCOシェル14がコア10の
Ca(OH) を外部と化学的に遮断する働きをなし、こ
の結果鉄イオン、例えばFeClやFeCl或いは
FeSO等の強酸性の薬剤(厳密にはそれらに含まれ
ている遊離酸)を加えたときに速やかに、具体的には少
量の薬剤を加えるだけで速やかにpHが低下し、求める
pH9〜11.5になるものと考えられる。而して少量
の鉄イオンの薬剤を加えるだけで良いため、飛灰の安定
化処理物を粘土状態に保持することができ、これをその
まま廃棄処理することが可能となる。
【0033】尚本発明に従い炭酸化処理を行った場合、
飛灰のpHが低下するとともに経時的にも安定したpH
を示すこと、またpHの低下の程度は、炭酸ガスの吹込
量ないし吹込時間が多くなるのに伴って大となることが
本発明者等の実験により確認されている。この場合炭酸
ガスの吹込時間ないし吹込量が多くなると、コア10の
Ca(OH)表面のCaCOシェル14の厚みがこれ
に応じて厚くなるものと考えられる。
【0034】本発明はpH12.0以上、望ましくはp
H12.5以上の強アルカリ性を呈する飛灰に対する処
理方法として特に好適なものである(請求項2)。pH
がこれよりも低いアルカリ飛灰の場合、前処理としての
炭酸化処理をしないで直接鉄イオンの水溶液を加えたと
しても、それ程大量に鉄イオンの水溶液を加えなくても
安定化処理を行うことができ、従って処理物が泥水状化
するのを場合によって回避することが可能である(多量
にFeClやFeCl,FeSO等の鉄イオンの
水溶液を加えなくてもpHを9〜11.5の範囲にする
ことができる)。本発明はまた、特にごみ焼却炉からの
飛灰或いはそのごみ焼却炉からの飛灰を溶融処理した際
に発生する飛灰に対して好適に適用可能である。
【0035】本発明においては炭酸ガスの吹込みを、C
aが完全に炭酸化し、即ちCaが完全中和されるまで行
うことも勿論可能である。但しこの場合には一旦中和し
た後に、再びアルカリを加えて飛灰のpHを9〜11.
5に高めることが必要となる。
【0036】しかるに請求項3に従って炭酸ガスの吹込
みによるCaの炭酸化処理を完全中和する以前に停止さ
せ、その後塩化鉄又は硫酸鉄を加え、且つ飛灰のpHを
9〜11.5の範囲に調整することができる(請求項
3)。ここで塩化鉄又は硫化鉄として、遊離酸を含んだ
溶液を用いることもできるし、或いはまた粉体状の塩化
鉄や硫化鉄を用い、そしてこれらとは別途に酸を加えて
pHを調整するようにしても良い。
【0037】このようにすれば炭酸ガスの吹込量及び吹
込時間を少なくでき、炭酸ガスの吹込みを短時間で終え
ることができるとともに、その後においてアルカリを添
加する工程を省略することができる。この場合において
炭酸ガスの吹込みは、飛灰のpHが10以上で停止する
ようになすことができる(請求項4)。
【0038】本発明においては、上記炭酸ガスの吹込み
に際して、粉体状の飛灰に対して水蒸気とともに炭酸ガ
スの吹込みを行うか又は粉体状の飛灰に所定量の水を加
えた状態の下で、炭酸ガスの吹込みを行うことができる
(請求項5)。ここで炭酸ガスとしては、燃焼排ガス等
のCO含有ガスを利用することもできる。
【0039】
【実施例】次に本発明の実施例を以下に詳述する。図2
(A)に示しているように、ごみ焼却炉で発生した粉塵
状態のアルカリ飛灰(元灰)(pH12.67)32を
容器16に300g入れ、そしてボンベ18からのCO
ガスを0.5リットル/分の流量で容器20内の熱水
(温度90℃)22中に通して、(CO+HO)ガス
をアルカリ飛灰32に連続的に供給し、炭酸化処理を行
った(処理方法(I))。ここで(CO+HO)ガスの
供給は飛灰32を攪拌しながら行った。尚図中24は流
量計を、26は加熱ヒータをそれぞれ示している。
【0040】また別の方法として、図2(B)に示して
いるように同じアルカリ飛灰32を300g容器16内
部に水とともに入れ(水の量は飛灰10kg当り1.5
リットル)、これを容器28内の90℃の熱水30中に
浸漬させて外部加熱を行いながら、ボンベ18から乾燥
したCOガスを、同じく0.5リットル/分の流量で
飛灰32に連続的に供給した(処理方法(II))。
【0041】そしてそれぞれの方法において、炭酸化処
理の時間と飛灰のpHの変化との関係を調べた。尚pH
の測定は次のようにして行った。即ち所定時間炭酸化処
理した飛灰を重量で10倍の水中に入れ、定期的に攪拌
を行いながらpHの時間的な変化を追跡した。それらの
結果が図3に示してある。
【0042】尚図3中aは炭酸化処理を施していない飛
灰(元灰)のpH変化を、bは処理方法(I)にて15分
間炭酸化処理した飛灰のpH変化を、cは処理方法(I)
にて30分間炭酸化処理した飛灰のpH変化を、dは処
理方法(II)にて15分間炭酸化処理を行った飛灰のpH
変化を、eは処理方法(II)にて30分間炭酸化処理した
飛灰のpH変化を、fは処理方法(II)にて45分間炭酸
化処理した飛灰のpH変化を、gは処理方法(II)にて6
0分間炭酸化処理した飛灰のpH変化を、それぞれ表し
ている。
【0043】この図3の結果に見られるように、炭酸化
処理を施すことによって飛灰のpHが低下すること、ま
たその低下の程度は炭酸化処理の時間の長さに応じて大
きくなること、更にまた炭酸化処理した後、長い時間水
に浸けておいてもpHの変化が殆どないこと等が分る。
【0044】次に処理方法(I)にて15分間炭酸化処理
した飛灰に対して、市販の塩化第一鉄(FeCl)水
溶液(これには遊離のHClが約0.5%程度含まれて
いる)を滴下して、その滴下量とpHとの関係を調べ
た。尚塩化第一鉄水溶液は濃度34.4%であった。結
果が図4に示してある。
【0045】図中横軸はFeCl水溶液の滴下量を、
縦軸はpH値を示している。尚横軸のFeCl水溶液
の滴下量は飛灰10gに対する滴下量で示してある。ま
た図中Aは炭酸化処理を施していない元灰についてのF
eCl水溶液の滴下量とpHとの関係を、Bは処理方
法(I)にて15分間炭酸化処理した飛灰についてのFe
Cl水溶液の滴下量とpHとの関係を示している。
【0046】同図に示しているように前処理としての炭
酸化処理を施していない元灰においては、FeCl
溶液を多量に添加して初めてpHを9〜11.5の範囲
とすることができる。しかるに前処理としての炭酸化処
理を15分間しただけの飛灰については、FeCl
溶液を僅かに加えるだけでpHを9〜11.5の範囲に
下げることができる。
【0047】因みに元灰についてはFeCl水溶液添
加後の状態が泥水状であったが、15分間の炭酸化処理
を施した後にFeCl水溶液を添加した飛灰について
はそのような泥水状態とならず、粘土状の状態を保持し
ていた。
【0048】従って元灰にFeCl水溶液を添加し安
定化処理したものは、そのままでは廃棄処理することが
できないのに対し、炭酸化処理を施した上でFeCl
水溶液を加えて安定化処理したものは、そのままこれを
廃棄処理することが可能である。
【0049】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って炭酸化処理をしたときのCa
(OH)粒子の変化を模式的に表した図である。
【図2】本発明の実施例において行った炭酸化処理の方
法を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施例において得られた飛灰のpHの
変化を炭酸化処理の時間とともに表した図である。
【図4】炭酸化処理した飛灰に対してFeClを加え
たときのpH変化を、炭酸化処理を行わない飛灰につい
てのそれとの比較において示した図である。
【図5】焼却炉からの飛灰の発生プロセスを示す図であ
る。
【図6】酸素バーナ設備による飛灰の処理とそこで新た
に発生する飛灰の発生プロセスとを示す図である。
【符号の説明】
32 アルカリ飛灰

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ca分を含むアルカリ飛灰に対して鉄イ
    オンを加えて、該アルカリ飛灰中に含まれる有害金属を
    固定し安定化するに際して、 該アルカリ飛灰に対して前処理として炭酸ガスの吹込み
    を行ってCaの炭酸化処理を行い、その後において前記
    鉄イオンを加えるとともに飛灰をpH9〜11.5に保
    持することを特徴とするアルカリ飛灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記アルカリ飛灰が
    pH12.0以上の強アルカリ飛灰であることを特徴と
    するアルカリ飛灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記炭
    酸ガスの吹込みによるCaの炭酸化処理を完全中和する
    以前に停止させ、その後において塩化鉄又は硫酸鉄を加
    え、且つ飛灰のpHを9〜11.5の範囲に調整するこ
    とを特徴とするアルカリ飛灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記炭酸ガスの吹込
    みを飛灰のpHが10以上で停止することを特徴とする
    アルカリ飛灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記炭
    酸ガスの吹込みを行うに際し、粉体状の飛灰に対して水
    蒸気とともに炭酸ガスの吹込みを行うか又は粉体状の飛
    灰に所定量の水を加えた状態の下で炭酸ガスの吹込みを
    行うことを特徴とするアルカリ飛灰の処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記炭
    酸ガスの吹込み及び鉄イオンの添加による安定化処理
    を、該安定化処理後の飛灰が非泥水状且つ粘土状態を保
    持するように行うことを特徴とするアルカリ飛灰の処理
    方法。
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