JP2007266919A - 聴者誘導装置、および聴者誘導方法 - Google Patents

聴者誘導装置、および聴者誘導方法 Download PDF

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JP2007266919A JP2006088294A JP2006088294A JP2007266919A JP 2007266919 A JP2007266919 A JP 2007266919A JP 2006088294 A JP2006088294 A JP 2006088294A JP 2006088294 A JP2006088294 A JP 2006088294A JP 2007266919 A JP2007266919 A JP 2007266919A
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Hiroyuki Yoshino
浩行 吉野
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Abstract

【課題】図書館等の施設内において利用者が所望の場所まで移動しようとしている場合に
、該利用者を迷うことなく所望の場所に誘導することができる、聴者誘導装置を提供する

【解決手段】施設内の複数の場所に超音波スピーカシステム100を配置し、該超音波ス
ピーカシステム100から放射される音声信号により、利用者(聴者)が目的とする対象
物のある位置まで誘導する。この場合に、聴者の「聴者位置情報」と「目的対象物識別情
報」とを基に、聴者の時々の位置に応じて、適切な超音波スピーカシステム100を選択
し、この選択された超音波スピーカシステム100により聴者を誘導する。また、聴者の
「聴者位置情報」に応じた音声信号(例えば、左右前後に進むように指示する音声信号)
を選択し、該音声信号により聴者を誘導する。
【選択図】図1

Description

本発明は、図書館等の施設内において音声信号により利用者(聴者)を誘導する、聴者
誘導装置、および聴者誘導方法に関するものである。
図書館などの施設において、利用者が目的の本の置き場所を知るためには、端末を用い
て本の置き場所の検索をする方法などが用いられている。また病院などの施設においては
、特定の病室にたどり着くために、予め施設内の案内地図などで部屋の場所を確認してお
くなどの方法が考えられる。しかしながらこれらの方法では、施設の規模が大きいほど、
利用者が目的の場所に迷わずに到達することは困難になると考えられる。
このような問題に対処するための従来技術の館内誘導装置がある(例えば、特許文献1
を参照)。この従来技術の館内誘導装置は、構築物内の入館者を目的の場所まで適切に誘
導することのできる館内誘導装置に関するものである。この従来技術の館内誘導装置では
、入館者が所持するトランスポインティングカードにより発信された館内の所定箇所に入
室、入場するために必要な情報を示すコード信号に基づき、上記所定の場所に誘導するた
めの複数の誘導表示部が制御されることを特徴としている。
ところで施設の規模が大きいほど入館者の数が多くなることが想定されるが、この場合
様々な入館者に対して上記の表示部が複数同時に表示され、各入館者はどの表示部が自分
の目的の場所を指し示すものなのかを判断できないため、この従来例ではそれぞれの入館
者を目的の場所まで適切に誘導することができないという課題があった。
また例えば、図書館のように数多くの本がある場合に、利用者を目的の本の置き場所へ
誘導するには本棚の何段目にあるかなどの詳細な情報が必要となるが、この従来例のよう
に表示部を用いるだけでは上述した詳細な情報を提供することが難しく、入館者を目的の
場所まで適切に誘導することができないという課題があった。またこの場合は、上記従来
例に通常のスピーカ装置を組み合わせ、入館者に対して音声情報をさらに提供することで
解決されると考えられるが、周囲の利用者に対しては不必要な情報を与えてしまうという
課題が生じる。
特開昭62−56881号公報
上述したように、従来技術の館内誘導装置は、所定の場所に誘導するための複数の誘導
表示部が制御されることを特徴としている。しかし、施設の規模が大きいほど入館者の数
が多くなることが想定されるが、この場合様々な入館者に対して上記の表示部が複数同時
に表示され、各入館者はどの表示部が自分の目的の場所を指し示すものなのかを判断でき
ないため、この従来例ではそれぞれの入館者を目的の場所まで適切に誘導することができ
ないという課題があった。
また、例えば図書館のように数多くの本がある場合に、利用者に目的の本の置き場所へ
誘導するには本棚の何段目にあるかなどの詳細な情報が必要となるが、上記従来例のよう
に表示部を用いるだけでは上述した詳細な情報を提供することが難しく、入館者を目的の
場所まで適切に誘導することができないという課題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、図書館等の施
設内において利用者が所望の場所まで移動しようとしている場合に、該利用者を迷うこと
なく所望の場所に適切に誘導することができる、聴者誘導装置、および聴者誘導方法を提
供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の聴者誘導装置は、
音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導する聴者誘導装置であって、可聴周波
数帯の音声信号により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トラ
ンスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の音声信号を聴者の位置で再生する超音
波スピーカシステムを複数の場所に有し、
前記聴者の「位置情報」を検出するための位置計測手段と、複数の対象物の中から聴者
が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報」を、その目的とする対象物
の位置情報と共に記憶する識別情報記憶手段と、前記聴者の「位置情報」と「目的対象物
識別情報」とを基に、前記複数の超音波スピーカシステムの中から、聴者を目的場所に誘
導するための超音波スピーカシステムを、移動する聴者の位置に応じて選択し駆動するた
めの超音波スピーカ駆動制御手段と、前記選択された超音波スピーカシステムから放射さ
れる音声信号を、聴者を誘導するために予め用意された複数の音声信号の中から前記聴者
の「位置情報」と「対象物識別情報」に応じて選択する信号波選択制御手段とを備えるこ
とを特徴とする。
このような構成により、施設内の複数の場所に超音波スピーカシステムを配置し、該超
音波スピーカシステムから利用者(聴者)に向けて指向性を有する音声信号を放射し、聴
者が目的とする対象物のある位置まで誘導する。この場合に、聴者の「位置情報」と「目
的対象物識別情報」とを基に、聴者の時々の位置に応じて適切な超音波スピーカシステム
を選択し、この選択された超音波スピーカシステムにより聴者を誘導する。また、聴者の
「位置情報」に応じた音声信号(例えば、左右前後に進むように指示する音声情報)を選
択し、該音声信号により聴者を誘導する。
これにより、施設内で移動する利用者(聴者)の時々の位置に応じて、目的の場所に誘
導する音声情報を常に提供することができる。また、利用者が目的の場所まで移動しよう
としている場合に、利用者を放射される音波の方向へ向かわせることで迷うことなく目的
の場所に誘導することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導装置は、音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導す
るために聴者が保持する携帯可能な記録媒体と、該記録媒体から発信される情報を基に聴
者を目的の場所に誘導するための複数の超音波スピーカシステムとを備える聴者誘導装置
であって、前記記録媒体には、聴者の位置を計測するための位置計測手段と、複数の対象
物の中から聴者が目的とする対象物を識別する情報を、その目的とする対象物の位置情報
と共に「目的対象物識別情報」として記憶する識別情報記憶手段と、前記位置計測手段に
より出力される「聴者位置情報」と前記「目的対象物識別情報」を含む「制御情報」を前
記超音波スピーカシステムに向けて発信する制御情報発信手段とを備え、前記複数の超音
波スピーカシステムの各々には、可聴周波数帯の音声信号を生成する信号波発生源と、前
記可聴周波数帯域の音声信号の振幅を調整する信号波振幅調整手段と、超音波周波数帯域
のキャリア波を生成するキャリア波供給源と、前記可聴周波数帯域の音声信号により前記
キャリア波を変調する変調手段と、前記変調手段により発生する変調波の振幅を調整する
変調波振幅調整手段と、前記変調波振幅調整手段で振幅を調整した変調波で駆動される超
音波トランスデューサと、前記記録媒体から前記「制御情報」を受信するための制御情報
受信手段と、前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」を基に、自身の超音波トラ
ンスデューサを駆動するかしないかを制御する超音波スピーカ駆動制御手段と、前記超音
波スピーカ駆動制御手段により自身の超音波トランスデューサを駆動する場合に、聴者を
誘導するために予め用意された複数の音声信号の中から前記聴者の「位置情報」と「対象
物識別情報」に応じて音声信号を選択する信号波選択制御手段とを有することを特徴とす
る。
このような構成により、施設内の複数の場所に超音波スピーカシステムを配置し、利用
者(聴者)はカード等の携帯可能な記録媒体を保持する。そして、聴者が保持する記録媒
体(カード等)側には、聴者の位置を計測する機能を設け、また、聴者が目的とする対象
物を識別するための「目的対象物識別情報」を記憶するようにし、「聴者位置情報」およ
び「目的対象物識別情報」を含む「制御情報」を超音波スピーカシステムに向けて発信す
る。一方、各々の超音波スピーカシステム側には、記録媒体側から「聴者位置情報」と「
目的対象物識別情報」を受信し、自身の超音波トランスデューサを駆動するかしないかを
決定する。超音波トランスデューサを駆動する場合には、聴者の「位置情報」に応じた音
声信号(例えば、左右前後に進むように指示する音声情報)を選択し、該音声信号により
聴者を誘導する。
これにより、施設内で利用者(聴者)が目的の場所まで移動しようとしている場合に、
聴者を放射される音波の方向へ向かわせ、かつその時々の聴者の位置に応じて最適な音声
信号を提供することで、より利用者を迷うことなく目的の場所に誘導することが可能とな
る。
また、本発明の聴者誘導装置は、音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導す
るために聴者が保持する携帯可能な記録媒体と、該記録媒体から発信される情報を基に聴
者を目的の場所に誘導するための複数の超音波スピーカシステムとを備える聴者誘導装置
であって、前記記録媒体には、聴者の位置を計測するための位置計測手段と、複数の対象
物の中から聴者が目的とする対象物の識別情報を、その目的とする対象物の位置情報と共
に「目的対象物識別情報」として記憶する識別情報記憶手段と、前記位置計測手段より出
力される「聴者位置情報」と前記「目的対象物識別情報」を含む「制御情報」を前記超音
波スピーカシステムに向けて発信する制御情報発信手段とを備え、前記複数の超音波スピ
ーカシステムの各々には、可聴周波数帯の音声信号を生成する信号波発生源と、前記可聴
周波数帯域の音声信号の振幅を調整する信号波振幅調整手段と、超音波周波数帯域のキャ
リア波を生成するキャリア波供給源と、前記可聴周波数帯域の音声信号により前記キャリ
ア波を変調する変調手段と、前記変調手段により発生する変調波の振幅を調整する変調波
振幅調整手段と、前記変調波振幅調整手段で振幅を調整した変調波で駆動される超音波ト
ランスデューサと、前記記録媒体から前記「制御情報」を受信する制御情報受信手段と、
前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、自身の超音波トランスデュー
サを駆動するかしないかを制御する超音波スピーカ駆動制御手段と、前記超音波トランス
デューサの設置角度をそれぞれ任意に調整する超音波トランスデューサ角度調整手段と、
前記「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」を基に、前記超音波トランスデューサ角度
調整手段の角度をそれぞれ決定し、設定する超音波トランスデューサ角度制御手段と、前
記「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」を基に、前記信号波振幅調整手段の振幅増幅
率をそれぞれ決定し、設定する信号波振幅増幅率制御手段とを備えることを特徴とする。
このような構成により、施設内の複数の場所に超音波スピーカシステムを配置し、聴者
は記録媒体(カード等)を保持する。そして、聴者が保持する記録媒体側には、聴者の位
置を計測する機能を設け、また、聴者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物
識別情報」を記憶するようにし、「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」を含む「制
御情報」を超音波スピーカシステムに向けて発信するようにする。一方、各々の超音波ス
ピーカ側には、記録媒体から「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」を受信し、自身
の超音波トランスデューサを駆動するかしないかを決定する。この超音波トランスデュー
サを駆動する場合は、「聴者位置情報」を基に設置角度(音響放射面の角度)が調整され
、また、「聴者位置情報」を基に、超音波トランスデューサから出力される音声信号の振
幅増幅率が調整される。
これにより、施設内で移動する利用者(聴者)に対して超音波スピーカから指向性を有
する音声信号を適切な音量で常に提供することができる。また利用者が目的の場所まで移
動しようとしている場合に、利用者を放射される音波の方向へ向かわせることで迷うこと
なく目的の場所に誘導することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導装置は、前記記録媒体には、前記超音波トランスデューサの音
波放射軸に対する前記聴者の所在位置の角度を計測する角度計測手段をさらに含み、また
、前記「制御情報」には前記角度計測手段から出力される「聴者角度情報」がさらに含ま
れ、前記超音波スピーカシステムには、前記「聴者位置情報」、「目的対象物識別情報」
および「聴者角度情報」の3つの情報に基づいて、予め用意された複数の音声信号の中か
ら聴者を誘導するための音声信号を選択する信号波選択制御手段をさらに備えることを特
徴とする。
このような構成により、カード等の記録媒体には、超音波トランスデューサの音波放射
軸に対して聴者の位置する角度を計測する角度計測手段を設ける。そして、超音波スピー
カシステムでは、記録媒体から受信した「聴者位置情報」、「目的対象物識別情報」およ
び「聴者角度情報」の3つの情報に基づいて、予め用意された複数の音声信号(聴者を誘
導する音声信号)の中から、聴者を誘導するために必要な音声信号を選択する。
これにより、施設内で利用者が所望の場所まで移動しようとしている場合に、聴者の時
々の利用者の位置、及び利用者の目的の場所に対して向いている角度に応じて最適な音声
情報を提供することができる。このため、利用者を迷うことなく所望の場所に誘導するこ
とが可能となる。
また、本発明の聴者誘導装置は、前記記録媒体には、複数の聴者の中から特定の聴者を
識別する「聴者識別情報」を記憶する手段を備え、また、前記「制御情報」には前記「聴
者識別情報」がさらに含まれ、前記超音波スピーカシステムには、前記「聴者位置情報」
と「目的対象物識別情報」を基に、同じ超音波スピーカシステムが複数の聴者により同時
に選択された場合に、該選択された超音波スピーカシステムに対する前記複数の聴者間の
優先度を前記「聴者識別情報」に基づいて制御する聴者優先度制御手段をさらに備えるこ
とを特徴とする。
このような構成により、カード等の記録媒体には、複数の聴者の中から特定の聴者を識
別するための「聴者識別情報」を記憶させる。そして、同じ超音波スピーカシステムが複
数の聴者により同時に選択された場合は、「聴者識別情報」に基づいて、優先度の高い聴
者(例えば、申し込みの順番が早い聴者)から先に誘導を行うようにする。
これにより、施設内の複数の利用者に対して、同一の超音波スピーカシステムを利用す
る際の優先付けを行うことが可能となる。
また、本発明の聴者誘導装置は、前記「聴者識別情報」を基に、前記音声信号の先頭に
聴者を識別するための情報を付加する聴者識別信号付加手段を備えることを特徴とする。
このような構成により、聴者を誘導する音声信号に聴者を識別するための情報を付加す
る。例えば、付加する情報は、「〜番の〜をお探しの方は、〜」のようなものとする。
これにより、特定の聴者の近くの位置に他の複数の聴者がいる場合にも、放射されてい
る音声信号がどの聴者に対して送られているものであるかを判断することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導方法は、音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導す
る聴者誘導装置における聴者誘導方法であって、可聴周波数帯の音声信号により超音波周
波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することに
より可聴周波数帯の音声信号を聴者の位置で再生する超音波スピーカシステムを施設内の
複数の場所に配置する手順と、前記聴者の「位置情報」を検出するための位置計測手順と
、複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報
」を、その目的とする対象物の位置情報と共に記憶する識別情報記憶手順と、前記聴者の
「位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、前記複数の超音波スピーカシステムの
中から、聴者を目的場所に誘導するための超音波スピーカシステムを、移動する聴者の位
置に応じて選択し駆動するための超音波スピーカ駆動制御手順と、前記選択された超音波
スピーカシステムから放射される音声信号を、聴者を誘導するために予め用意された複数
の音声信号の中から前記聴者の「位置情報」と「対象物識別情報」に応じて選択する信号
波選択制御手順とを含むことを特徴とする。
このような方法により、施設内の複数の場所に超音波スピーカシステムを配置し、該超
音波スピーカシステムから利用者(聴者)に向けて指向性を有する音声信号を放射し、聴
者が目的とする対象物のある位置まで誘導する。この場合に、聴者の「位置情報」と「目
的対象物識別情報」とを基に、聴者の時々の位置に応じて適切な超音波スピーカシステム
を選択し、この選択された超音波スピーカシステムにより聴者を誘導する。また、聴者の
「位置情報」に応じた音声信号(例えば、左右前後に進むように指示する音声情報)を選
択し、該音声信号により聴者を誘導する。
これにより、施設内で移動する利用者(聴者)の時々の位置に応じて、目的の場所に誘
導する音声情報を常に提供することができる。また、利用者が目的の場所まで移動しよう
としている場合に、利用者を放射される音波の方向へ向かわせることで迷うことなく目的
の場所に誘導することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導方法は、音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導す
る聴者誘導装置における聴者誘導方法であって、可聴周波数帯の音声信号によりキャリア
波を変調し、該変調波により超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯
の音声信号を再生する超音波スピーカシステムを施設内の複数の場所に配置する手順と、
前記聴者の「聴者位置情報」を検出するために位置計測手順と、複数の対象物の中から聴
者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報」と、前記聴者の「聴者位
置情報」とを「制御情報」として記憶する記憶手順と、前記聴者が施設内を移動する場合
に、前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、前記複数の超音波スピー
カシステムの中から、前記聴者の目的対象物の場所に近い方向に設置され、前記聴者に最
も近くかつ聴者に音波を届けることが可能な位置に設置された超音波スピーカシステムを
選択し駆動する超音波スピーカ駆動制御手順と、前記選択された超音波スピーカの超音波
トランスデューサの音響放射面の方向が、前記「聴者位置情報」を基に、前記聴者の方向
に向くように制御する超音波トランスデューサ角度制御手順と、前記「聴者位置情報」を
基に、前記選択された超音波スピーカシステムから放射される音声信号の音量を制御する
信号波振幅増幅率制御手順とを含むことを特徴とする。
このような方法により、施設内の複数の場所に超音波スピーカシステムを配置し、また
利用者(聴者)の位置を計測すると共に、聴者が目的とする「目的対象物識別情報」を、
その位置情報と共に「制御情報」として記憶する。そして、この「聴者位置情報」と「目
的対象物識別情報」を基に、聴者が目的とする対象物の場所に近い方向に設置され、かつ
聴者に最も近い超音波スピーカシステムを選択し駆動する。また、「聴者位置情報」を基
に、超音波トランスデューサの音響放射面の方向を調整し、また、「聴者位置情報」を基
に、超音波トランスデューサから出力される音声信号の音量を調整するようにする。
これにより、超音波スピーカシステムから施設内で移動する利用者(聴者)に対して、
該聴者を誘導する音声信号を適切な音量で常に提供することができる。また利用者が目的
の場所まで移動しようとしている場合に、利用者を放射される音波の方向へ向かわせるこ
とで迷うことなく目的の場所に誘導することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導方法は、前記「制御情報」には、前記選択された超音波スピー
カシステムの超音波トランスデューサの音波放射軸に対する前記聴者の所在位置の角度の
情報を示す「聴者角度情報」がさらに含まれ、前記「聴者位置情報」、「目的対象物識別
情報」および「聴者角度情報」の3つの情報に基づいて、予め用意された複数の音声信号
の中から聴者を誘導するための音声信号を選択する信号波選択制御手順をさらに含むこと
特徴とする。
このような方法により、超音波トランスデューサの音波放射軸に対して聴者の位置する
角度を計測する角度計測手段を設ける。そして、超音波スピーカシステムでは、「聴者位
置情報」、「目的対象物識別情報」および「聴者角度情報」の3つの情報に基づいて、予
め用意された複数の音声信号(聴者を誘導する音声信号)の中から、聴者を誘導するため
に最適な音声信号を選択する。
これにより、施設内で利用者(聴者)が目的の場所まで移動しようとしている場合に、
聴者の時々の利用者の位置、及び利用者の目的の場所に対して向いている角度に応じて最
適な音声信号を提供することができる。このため、利用者を迷うことなく目的の場所に誘
導することが可能となる。
また、本発明の聴者誘導方法は、前記「制御情報」にはさらに、複数の聴者の中から特
定の聴者を識別する「聴者識別情報」が含まれ、前記「聴者位置情報」と「目的対象物識
別情報」とを基に、同じ超音波スピーカシステムが複数の聴者により同時に選択された場
合に、該選択された超音波スピーカシステムに対する前記複数の聴者間の優先度を前記「
聴者識別情報」に基づいて制御する聴者優先度制御手順をさらに含むこと特徴とする。
このような方法により、複数の利用者(聴者)の中から特定の聴者を識別するための「
聴者識別情報」を記憶するようにする。そして、同じ超音波スピーカシステムが複数の聴
者により同時に選択された場合は、「聴者識別情報」に基づいて、優先度の高い聴者(例
えば、申し込みの順番が早い聴者)に対して先に誘導を行うようにする。
これにより、施設内の複数の利用者(聴者)に対して、同一の超音波スピーカを利用す
る際の優先付けを行うことが可能となる。
また、本発明の聴者誘導方法は、前記「聴者識別情報」に応じて、前記音声信号の先頭
に聴者を識別するための情報を付加する聴者識別信号付加手順を含むこと特徴とする。
このような方法により、利用者(聴者)を誘導する音声信号に聴者を識別するための情
報を付加する。例えば、付加する音声情報は、「〜番の〜をお探しの方は、〜」のような
ものとする。
これにより、特定の聴者の近くの位置に他の複数の聴者がいる場合にも、放射されてい
る音声信号がどの聴者に対して送られているものであるかを判断することが可能となる。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
本発明の聴者誘導装置では、施設内の複数の場所に指向性を有する超音波スピーカシス
テムを配置し、該超音波スピーカシステムを適切に駆動することで、施設内の利用者(聴
者)を目的の場所まで誘導することを特徴としている。
図1は、本発明の聴者誘導装置の構成例を示す図であり、図書館の入館者を目的の場所
まで誘導する聴者誘導装置の例を示すものである。
図1(A)は、聴者誘導装置の概要を示しており、本発明の聴者誘導装置は、指向性を
有する音声信号を放射する超音波スピーカシステム100が館内に複数配置されると共に
、各超音波スピーカシステム100内の制御情報受信部(制御情報受信手段)111が、
利用者の保持する利用者カード120から発信される「制御情報」を読み取ることにより
、利用者を館内で目的の場所まで誘導するように構成されている。
図1(B)は、超音波スピーカシステム100の内部構成例を示している。
図1(B)において、超音波スピーカシステム100は、可聴周波数帯の信号波(音声
信号)を生成する信号波発生源101と、可聴周波数帯の信号波の振幅を調整する信号波
振幅調整部102と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給部
103と、キャリア波を信号波発生源101から出力される可聴周波数帯の信号波により
変調する変調部(変調手段)104と、変調部104で発生させた変調波の振幅を調整す
る変調波振幅調整部(変調波振幅調整手段)105と、変調波振幅調整部105で振幅を
調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサ106とを有している。
なお、図2は、利用者カード(携帯可能な記録媒体)の構成例を示す図である。図2に
おいて、利用者カード120は、聴者の位置を計測する位置計測部(位置計測手段)12
1と、超音波トランスデューサの音波放射軸Aに対する聴者の角度θを計測する角度計測
部122と、複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別する「目的対象物識別
情報」と、複数の聴者の中から特定の聴者を識別する「聴者識別情報(例えば、申し込み
の順番など)」とを記憶する記憶部(識別情報記憶手段)123と、位置計測部121よ
り出力される「聴者位置情報」、角度計測部122より出力される「聴者角度情報」、「
目的対象物識別情報」および「聴者識別情報」を含む「制御情報」を発信する制御情報発
信部(制御情報発信手段)124とで構成される。(なお、図3において、利用者カード
の具体例について説明する。)
図1(B)に戻り、制御情報受信部(制御情報受信手段)111は各超音波スピーカシ
ステム100ごとに設けられ、利用者カードから送信される「制御情報」を超音波スピー
カシステム100内に取り込む。超音波スピーカ駆動制御部(超音波スピーカ駆動制御手
段)112は、利用者カード120から受信した「制御情報」に含まれる「聴者位置情報
」と「目的対象物識別情報」とを基に、超音波トランスデューサ106の駆動の有無をそ
れぞれ制御する。
超音波トランスデューサ角度調整部(超音波トランスデューサ角度調整手段)113は
、超音波トランスデューサ106の設置角度(音響放射面の角度)をそれぞれ任意に調整
するように構成されている。超音波トランスデューサ角度制御部(超音波トランスデュー
サ角度制御手段)114は、利用者カード120から受信した「制御情報」に含まれる「
聴者位置情報」を基に、超音波トランスデューサ角度調整部113の角度をそれぞれ決定
し、設定する。信号波振幅増幅率制御部(信号波振幅増幅率制御手段)115は、「制御
情報」に含まれる「聴者位置情報」を基に、信号波振幅調整部102の振幅増幅率をそれ
ぞれ決定し、設定する。
信号波選択制御部(信号波選択手段)116は、利用者カード120から受信した「制
御情報」に含まれる「聴者位置情報」、「目的対象物識別情報」および「聴者角度情報」
の3つの情報に基づいて、予め用意された複数のオーディオ信号(聴者を誘導するための
音声信号)の中から、可聴周波数帯の信号波を生成する信号波発生源101から発生させ
るオーディオ信号を選択する。
聴者優先度制御部(聴者優先度制御手段)117は、複数の聴者が「聴者位置情報」と
「目的対象物識別情報」を基にそれぞれ同時に同じ超音波スピーカシステム100を駆動
する場合に、複数の聴者に対して駆動する超音波スピーカシステム100の優先度(誘導
する順番)を「聴者識別情報」に基づいてそれぞれ制御する。
聴者識別信号付加部(聴者識別信号付加手段)118は、「聴者識別情報」に応じて、
可聴周波数帯の信号波を生成する信号発生源101のオーディオ信号の先頭に複数の聴者
をそれぞれ識別する情報を付加する。
ここで、上述した複数の超音波スピーカシステム100の1つの構成について注目する
。まずオーディオ信号を信号波発生源101から発生させ、また超音波帯域のキャリア波
をキャリア波供給部103から発生させる場合を考える。
信号波発生源101で発生させたオーディオ信号は、信号波振幅調整部102によって
、その振幅値を調整することが可能である。変調部104は、信号波振幅調整部102か
ら出力されたオーディオ信号で、キャリア波供給部103から出力されるキャリア波を変
調する機能を有している。ここで、変調部104には振幅変調、周波数変調など様々な手
段が考えられるが、超音波スピーカシステムにおいては振幅変調が主に用いられるため、
本例では変調部104で行なう変調方式を、一例として振幅変調とする。また振幅変調に
おいても、DSB(Double SideBand)やSSB(Single SideBand)などの様々な方式が
ある。
ここで、一般に超音波スピーカにおいてはSSB方式の方が自己復調音の歪みが小さい
ことが知られている。具体的には、DSB方式の場合は超音波スピーカを駆動する変調波
の変調度が大きくなるほど、復調される信号の歪み率も大きくなるが、SSB方式の場合
は超音波スピーカを駆動する変調波の変調度によらず、復調される信号の歪み率はほぼ一
定で、かつDSB方式の場合よりも低い値となる。従って、本例では変調部104で行な
う変調方式を、一例として振幅変調のSSB方式で行なうものとする。
変調部104で発生させた変調波の振幅は、変調波振幅調整部105で調整することが
可能である。変調波振幅調整部105から出力された変調波は、超音波トランスデューサ
106から放出され、空気中で変調波が歪むことにより、前述したオーディオ信号が差分
周波数成分として自己的に復調され、試聴することが可能となる。
ここで、ある施設において複数の入館者がいる場合を考える。このとき、この複数の入
館者の中の特定の一人に注目し、その特定の一人が上述した超音波スピーカシステム10
0の自己復調音を試聴することを想定し、本例では上記特定の一人を聴者Xと表記する。
例えば上述した施設が図書館であった場合を考える。このとき、聴者Xが所望の本の置
き場所を知るための手段として、コンピュータなどの端末を用いて上述した所望の本に関
する情報を検索し、情報を得るという方法などが考えられる。しかしながら、このような
方法では施設の規模が大きいほど、施設の利用者である聴者Xが迷わずに所望の本の置き
場所まで辿り着くことは困難となる。
そこで本例では、上述したコンピュータなどの端末を用いて上適した複数の入館者がそ
れぞれ本の置き場所などの情報を検索した場合に、各入館者ごとに固有の情報を記憶させ
た利用者カードを発券し、持たせることを考える。
図3は、利用者カードの具体例について説明するための図である。利用者カード120
の位置計測部121は、聴者Xの館内における位置を計測し、「位置計測情報」を制御情
報発信部124に出力する。角度計測部122は、超音波トランスデューサの音波放射軸
に対する聴者Xの所在位置の角度を計測し、「聴者角度情報」を制御情報発信部124に
出力する。
また、記憶部123には、施設内にある複数の本にそれぞれ割り当てられた識別情報の
うち、聴者Xが目的とする本の識別情報(「目的対象物識別情報」)と、上述した複数の
入館者の中から聴者Xを識別する情報(「聴者識別情報」)とが記憶される。これらの「
目的対象物識別情報」と「聴者識別情報」は制御情報発信部124に出力される。
制御情報発信部124は、位置計測部121から出力される「聴者位置情報」と、角度
計測部122より出力される「聴者角度情報」と、記憶部123で記憶されている「目的
対象物識別情報」および「聴者識別情報」を含む「制御情報」を発信する。
上述した位置計測部121の具体例を述べる。本例では位置計測部121として携帯電
話用のGPSアンテナ(サイズの例としては6×4×4mmなど)を用い、位置計測をG
PSにより行なうものとする。ただし、現状では精度の観点などから、GPSを室内で用
いることは困難である。そこで一例として、本例中では電波を放出する複数の小型基地局
を図書館内に配置することを考える。電波の放出源としては、例えば無線LANを利用し
たり、また複数設置された超音波スピーカシステム100内にそれぞれ電波を放出する機
能を設けることで対応出来る。ここで、上述した複数の小型基地局からの電波を、図3に
示す利用者カード中に埋め込まれたGPSアンテナで受信することで、館内の利用者の位
置を計測することが可能となる。また、GPSアンテナから得られた情報は、上述した「
聴者位置情報」として制御情報発信部124から出力される。
また、上述した角度計測部122の具体例を述べる。本例では、角度計測部122とし
てジャイロセンサ(サイズの例としては、5×3.2×1.3mmなど)を用いることに
する。ジャイロセンサから得られた「聴者角度情報」は、上述した制御情報発信部124
から出力される。
ここで、図書館の中において図4に示すような位置に本の検索用コンピュータ10、聴
者X、複数の本棚(1)〜(12)、聴者Xの所望の本20、および複数の超音波スピー
カシステム(ここでは便宜上、図1で示した超音波スピーカシステムのうち、それぞれの
超音波トランスデューサTD1〜TD9を図示している)があるものとする。
初めに、聴者Xは、図4中の検索用コンピュータ10を用いて所望の本20の置き場所
(ここでは本棚番号などを示す)を検索し、また検索後に、聴者Xの所望の本20の場所
を示す「目的対象物識別情報」と、図書館内の複数の利用者が上述した検索用コンピュー
タ10を用いた順に与えられる優先番号を示す「聴者識別情報」とを記憶させた(図3で
説明した)利用者カードが検索用コンピュータ10から発券され、聴者Xはその利用者カ
ードを持ち歩くものとする。
図4の状態は、本20の置き場所の検索を終えた聴者Xが上述した検索用コンピュータ
10から発券された利用者カードを手にした状態である。ここで、聴者Xが手にした利用
者カードの制御情報発信部124から発信された「制御情報」は、上述した複数の超音波
スピーカシステム100毎に設けられた制御情報受信部111でそれぞれ受信される。
その後、各超音波スピーカシステム100において超音波トランスデューサの駆動を行
うかどうかが、上述した「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」と「目的対象物識別情
報」を基に超音波スピーカ駆動制御部112で制御される。
ここで一例として、聴者Xの時々の位置に対して聴者Xの所望の本20の置き場所に近
い方向に設置され、かつ聴者Xの時々の位置において最も近くに設置され、聴者Xに音波
を届けることが可能な超音波スピーカシステム100が適時選択および駆動されるように
、それぞれの超音波スピーカ駆動制御部112において各超音波トランスデューサの駆動
の有無が制御されるものとする。例えば図4の状態においては、TD6の超音波トランス
デューサが選択され、駆動されることになる。
また、上記選択された超音波トランスデューサ(図4におけるTD6)の設置角度を調
整する超音波トランスデューサ角度調整部113は、超音波トランスデューサ角度制御部
114により、聴者Xが音波を試聴できる角度になるようにTD6の方向を制御する。こ
の超音波トランスデューサ角度制御部114による超音波トランスデューサ角度調整部1
13の制御は、上述した「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」に基づいて行われる。
例えば、図4の状態においては、図示しているように、TD6で示す超音波トランスデ
ューサの音響放射面が聴者Xの方向へ制御される。
このように超音波スピーカシステムを駆動することで、聴者Xは自分に放射される音波
の方向をたどって行くことで、所望の本20の置き場所まで迷うことなくたどり着くこと
が可能となる。
次に、超音波スピーカシステムから放射される音声の内容の制御方法について説明する
ここで図4においては、聴者Xが上述した検索用コンピュータ10を使用し終わり、図
3で説明した利用者カードを手にした直後の状態を表しているものとする。従って、図4
では、聴者Xは検索用コンピュータ10の方向を向いているものとする。このとき聴者X
を所望の本20の置き場所へと誘導するためには、一例として「右方向へお進み下さい」
などの音声情報を聴者Xに対して提供することが必要であると考えられる。
次に図5に示すように、上述した音声情報を基に聴者Xが図4の状態から右方向へ向い
た状態を考える。図5の状態においては、図4の状態と異なり「直進して下さい」などの
音声情報を聴者Xに対して提供する必要がある。
このように、聴者Xを所望の本20の置き場所へと誘導するためには、聴者Xの位置や
聴者Xが向いている方向、および聴者Xの所望の本20の置き場所に応じて再生する音声
の内容を変更する必要がある。そこで、上述した「制御情報」に含まれる「聴者位置情報
」、「聴者角度情報」、および「目的対象物識別情報」の3つの情報に基づいて、予め用
意された複数のオーディオ信号の中から、可聴周波数帯の信号波を生成する信号波発生源
101から発生させるオーディオ信号を信号波選択制御部116で選択、制御する。
次に、聴者Xが図5から図6の状態まで移動した場合を考える。図6において、聴者X
はTD6で示す超音波トランスデューサの真下まで進んでいるものとする。従って、放射
される音波の方向から聴者Xを所望の本20の置き場所まで誘導するために、図6の状態
になるとTD9の超音波トランスデューサが駆動されるように選択され、またTD9の超
音波トランスデューサの音響放射面は聴者Xの方向へと制御される。
さらに一例として図6の状態において、TD9の超音波トランスデューサから「直進し
て下さい」などの音声情報が提供されるものとする。同様に、聴者Xが図6から図7の状
態になると、駆動される超音波トランスデューサはTD9からTD8に変更され、またT
D8の超音波トランスデューサの音響放射面の角度の制御と、提供する音声情報の内容が
「左方向へお進み下さい」のように変更される。
以降、図7状態から、図8の状態、図9の状態、図10の状態、図11の状態になるま
で上述したプロセスを繰り返し、図11の状態において、「〜番の本20は、正面の棚の
〜段目にあります。」などの聴者Xの所望の本20の詳細な置き瘍所の音声情報を提供す
ることで、聴者Xは所望の本20を手にすることが可能となる。
このようなプロセスで超音波スピーカシステムを駆動することで、聴者Xは自分に放射
される音波の方向と音声情報から、所望の本20の置き場所まで迷うことなくたどり着く
ことが可能となる。
ただし、通常図書館などの施設には複数の利用者が入館していることから、複数の利用
者が同時に同一の超音波スピーカシステムを駆動しようとする場合が考えられる。そこで
、前述した制御情報受信部111で受信された「制御情報」に含まれる「聴者識別情報」
に基づいて、聴者優先度制御部117で複数の聴者に対して駆動する超音波スピーカシス
テムの優先度を制御するものとする。
前述したように、本例では「聴者識別情報」は図書館内の複数の利用者が検索用コンピ
ュータ10を用いた順に与えられる優先番号とする。従って複数の利用者が同時に同一の
超音波スピーカシステムを駆動しようとする場合、上述した優先番号が早い方から順番に
、適切な音声情報が提供されるものとする。またこのとき、同一の超音波トランスデュー
サからの音声情報を複数の利用者が同時に聞いてしまう場合が考えられる。そこで聴者識
別信号付加部118において、信号波発生源101から発生させるオーディオ信号の先頭
に、「聴者識別情報」に基づいて複数の利用者をそれぞれ識別する音声情報を付加するも
のとする。
一例として、付加する音声情報は、各利用者が所望の本20に割り当てられた番号であ
り、「〜番の本20をお探しの方は、〜」のようなものであるとする。
本例では図書館を使用例に用いたが、例えば本例における図書館を病院とし、また本2
0を病室とすれば、同様のプロセスで利用者を所望の病室まで誘導することが可能である
以上のように超音波スピーカシステムを適切に駆動することで、施設内の入館者を目的
の場所まで誘導することが可能となる。
[本発明で使用される超音波スピーカについての説明]
上述したように、本発明の聴者誘導装置では、指向性を有する超音波スピーカを備えた
超音波スピーカシステムを複数の場所に配置することに特徴があるが、ここで、この超音
波スピーカの構成と動作について説明する。
超音波スピーカは超音波トランスデューサを有しており、この超音波トランスデューサ
により、超音波帯域の搬送波を可聴帯域の音声信号によって変調した変調波を出力するこ
とで、鋭い指向性を有する音を再生することができる。この超音波トランスデューサとし
て、静電型超音波トランスデューサを使用したものを静電型の超音波スピーカと呼ぶ。
図12は、静電型超音波トランスデューサの構成例を示す図である。
図12に示す静電型超音波トランスデューサは、電極として機能する導電性材料で形成
された導電部材を含む一対の固定電極30、31と、一対の固定電極に挟持され、振動電
極(導電層)32Aを有する振動膜32とを有している。振動膜32は、絶縁層となる誘
電体32Bと、導電性材料で形成された振動電極32Aとを有しており、該振動電極32
Aには、直流バイアス電源36により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい)の
直流バイアス電圧が印加されるようになっている。
また、一対の固定電極30、31は振動膜32を介して対向する位置に同数かつ複数の
貫通孔34を有しており、一対の固定電極30、31間には信号源37A、37Bにより
交流信号が印加されるようになっている。固定電極30と振動電極32A、固定電極31
と振動電極32Aには、それぞれコンデンサが形成されている。
上記構成において、静電型超音波トランスデューサは、振動膜32の振動電極32Aに
、直流バイアス電源36により単一極性の(本例では正極性の)直流バイアス電圧が印加
される。一方、一対の固定電極30、31には、信号源37A、37Bにより交流信号が
印加される。この結果、信号源37A、37Bから出力される交流信号の正の半サイクル
では、固定電極30に正の電圧が印加されるために、振動膜32の固定電極で挟持されて
いない表面部分33Aには、静電反発力が作用し、表面部分33Aは、図12上、下方に
引っ張られる。また、このとき、対向する固定電極31には、負の電圧が印加されるため
に、振動膜32の前記表面部分33Aの裏面側である裏面部分33Bには、静電吸引力が
作用し、裏面部分33Bは、図12上、さらに下方に引っ張られる。
したがって、振動膜32の一対の固定電極30、31により挟持されていない膜部分は
、同方向に静電斥力と静電吸引力を受ける。これは、信号源37A、37Bから出力され
る交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜32の表面部分33Aには、図1
2上、上方に静電吸引力が、また裏面部分33Bには、図12上、上方に静電斥力が作用
し、振動膜32の一対の固定電極30、31により挟持されていない膜部分は、同方向に
静電吸引力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜
32が同方向に静電吸引力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化する
ので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベル
の音声信号を発生することができる。
このように図12に示す超音波トランスデューサは、振動膜32が一対の固定電極30
、31から力を受けて振動することからプッシュプル(Push−Pull)型の静電型
超音波トランスデューサと呼ばれている。上述したように、プッシュプル型の静電型超音
波トランスデューサにおいては、振動膜には高電圧の直流バイアス電圧が印加され、固定
電極には交流電圧が印加されることにより、固定電極−振動膜に働く静電力(吸引力及び
斥力)により膜部分が振動する。この場合、超音波帯の振動を実現するためには振動部分
の孔径を数mm以下にする必要があり、図12(B)に示すように、多数の貫通孔(振動
孔)34を設けることにより、追従性が高くて出力が大きいトランスデューサを構成する
ことができる。
本発明の聴者誘導装置で使用される静電型の超音波スピーカは、上述したプッシュプル
(Push−Pull)型の静電型超音波トランスデューサで構成されている。なお、静
電型超音波トランスデューサには、振動膜の一方の面側にだけ固定電極を配置したプル(
Pull)型と呼ばれる静電型超音波トランスデューサもあり、本発明の聴者誘導装置で
は、このプル(Pull)型の静電型超音波トランスデューサで構成された超音波スピー
カも使用することもできる。
以上、静電型の超音波スピーカについて説明したが、本発明の聴者誘導装置においては
、さらに、圧電型の超音波スピーカを使用することもできる。この圧電型の超音波スピー
カは圧電型超音波トランスデューサで構成されている。
図13は、圧電型超音波トランスデューサの構成例を示す図であり、振動素子として圧
電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超
音波の送信と受信)の両方を行う圧電型超音波トランスデューサの構成例を示している。
なお、図13(A)は、バイモルフ型の超音波トランスデューサを示し、図13(B)は
、ユニモルフ型の超音波トランスデューサを示している。
図13(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電素子(圧電
セラミック)41および42と、コーン43と、ケース44と、リード45および46と
、スクリーン47とから構成されている。圧電素子41および42は、互いに貼り合わさ
れていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード45とリード46が接続され
ている。なお、図13(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサでは、圧電素
子48の構成がバイモルフ型と異なるが、基本的には同じ動作原理のものである。
図13(A)および図13(B)に示す圧電型の超音波トランスデューサは、圧電セラ
ミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数
周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。しかし、圧電型のトランスデューサは素子の
鋭い共振特性を利用していることから、高い音圧が得られるが周波数帯域は非常に狭い。
このため、圧電型のトランスデューサを用いた超音波スピーカでは再生可能な周波数帯域
が狭く、ラウドスピーカと比較して再生音質が悪いという傾向がある。
次に、図14に、超音波スピーカの一般的な構成例を示す。超音波スピーカは、キャリ
ア波と呼ばれる超音波にオーディオ信号(可聴領域信号)でAM変調をかけ、これを空中
に放出すると空気の非線形により、空中で元のオーディオ信号が自己再生される、という
ものである。つまり音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音
波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分が顕著に表れ、密な部分は音速が速く、
疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と
可聴波(元オーディオ信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(元オ
ーディオ信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはパラメトリックアレ
イ効果と呼ばれている。
図14に示す超音波スピーカ50は、可聴波周波数帯の信号波を生成する音源(オーデ
ィオ信号)51と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力する搬送波信号源52と
、変調器53と、パワーアンプ54と、超音波トランスデューサ55とを有している。
上記構成において、変調器53では、音源51より出力されるオーディオ信号により、
搬送波信号源52から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調する。この変調信号
をパワーアンプ54で増幅し、パワーアンプ54で増幅された変調信号により超音波トラ
ンスデューサ55を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ55に
より有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(
空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が自己再生される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の聴者誘導装置は、上述の図示
例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を
加え得ることは勿論である。
超音波スピーカシステムの構成例を示す図。 利用者カードの構成例を示す図。 利用者カードの具体例について説明するための図。 聴者の誘導経路における第1の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第2の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第3の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第4の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第5の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第6の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第7の位置を示す図。 聴者の誘導経路における第8の位置を示す図。 静電型超音波トランスデューサの説明図。 圧電型超音波トランスデューサの説明図。 超音波スピーカの一般的な構成例を示す図。
符号の説明
10 検索用コンピュータ、20 本、100 超音波スピーカシステム、
101 信号波発生源、102 信号波振幅調整部、103 キャリア波供給部、
104 変調部、105 変調波振幅調整部、106 超音波トランスデューサ、
111 制御情報受信部、112 超音波スピーカ駆動制御部、
113 超音波トランスデューサ角度調整部、
114 超音波トランスデューサ角度制御部、115 信号波振幅増幅率制御部、
116 信号波選択制御部、117 聴者優先度制御部、118 聴者識別信号付加部

120 利用者カード、121 位置計測部、122 角度計測部、123 記憶部、
124 制御情報発信部、TD1〜TD9 超音波トランスデューサ、
X 聴者(利用者)

Claims (11)

  1. 音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導する聴者誘導装置であって、
    可聴周波数帯の音声信号により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により
    超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の音声信号を聴者の位置で再
    生する超音波スピーカシステムを複数の場所に有し、
    前記聴者の「位置情報」を検出するための位置計測手段と、
    複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報
    」を、その目的とする対象物の位置情報と共に記憶する識別情報記憶手段と、
    前記聴者の「位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、前記複数の超音波スピー
    カシステムの中から、聴者を目的場所に誘導するための超音波スピーカシステムを、移動
    する聴者の位置に応じて選択し駆動するための超音波スピーカ駆動制御手段と、
    前記選択された超音波スピーカシステムから放射される音声信号を、聴者を誘導するた
    めに予め用意された複数の音声信号の中から前記聴者の「位置情報」と「対象物識別情報
    」に応じて選択する信号波選択制御手段と
    を備えることを特徴とする聴者誘導装置。
  2. 音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導するために聴者が保持する携帯可能
    な記録媒体と、該記録媒体から発信される情報を基に聴者を目的の場所に誘導するための
    複数の超音波スピーカシステムとを備える聴者誘導装置であって、
    前記記録媒体には、
    聴者の位置を計測するための位置計測手段と、
    複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別する情報を、その目的とする対象
    物の位置情報と共に「目的対象物識別情報」として記憶する識別情報記憶手段と、
    前記位置計測手段により出力される「聴者位置情報」と前記「目的対象物識別情報」を
    含む「制御情報」を前記超音波スピーカシステムに向けて発信する制御情報発信手段と
    を備え、
    前記複数の超音波スピーカシステムの各々には、
    可聴周波数帯の音声信号を生成する信号波発生源と、前記可聴周波数帯域の音声信号の
    振幅を調整する信号波振幅調整手段と、超音波周波数帯域のキャリア波を生成するキャリ
    ア波供給源と、
    前記可聴周波数帯域の音声信号により前記キャリア波を変調する変調手段と、前記変調
    手段により発生する変調波の振幅を調整する変調波振幅調整手段と、前記変調波振幅調整
    手段で振幅を調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサと、
    前記記録媒体から前記「制御情報」を受信するための制御情報受信手段と、
    前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」を基に、自身の超音波トランスデュー
    サを駆動するかしないかを制御する超音波スピーカ駆動制御手段と、
    前記超音波スピーカ駆動制御手段により自身の超音波トランスデューサを駆動する場合
    に、聴者を誘導するために予め用意された複数の音声信号の中から前記聴者の「位置情報
    」と「対象物識別情報」に応じて音声信号を選択する信号波選択制御手段と
    を有することを特徴とする聴者誘導装置。
  3. 音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導するために聴者が保持する携帯可能
    な記録媒体と、該記録媒体から発信される情報を基に聴者を目的の場所に誘導するための
    複数の超音波スピーカシステムとを備える聴者誘導装置であって、
    前記記録媒体には、
    聴者の位置を計測するための位置計測手段と、
    複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物の識別情報を、その目的とする対象物の
    位置情報と共に「目的対象物識別情報」として記憶する識別情報記憶手段と、
    前記位置計測手段より出力される「聴者位置情報」と前記「目的対象物識別情報」を含
    む「制御情報」を前記超音波スピーカシステムに向けて発信する制御情報発信手段と
    を備え、
    前記複数の超音波スピーカシステムの各々には、
    可聴周波数帯の音声信号を生成する信号波発生源と、前記可聴周波数帯域の音声信号の
    振幅を調整する信号波振幅調整手段と、超音波周波数帯域のキャリア波を生成するキャリ
    ア波供給源と、
    前記可聴周波数帯域の音声信号により前記キャリア波を変調する変調手段と、
    前記変調手段により発生する変調波の振幅を調整する変調波振幅調整手段と、
    前記変調波振幅調整手段で振幅を調整した変調波で駆動される超音波トランスデューサ
    と、
    前記記録媒体から前記「制御情報」を受信する制御情報受信手段と、
    前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、自身の超音波トランスデュ
    ーサを駆動するかしないかを制御する超音波スピーカ駆動制御手段と、
    前記超音波トランスデューサの設置角度をそれぞれ任意に調整する超音波トランスデュ
    ーサ角度調整手段と、
    前記「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」を基に、前記超音波トランスデューサ角
    度調整手段の角度をそれぞれ決定し、設定する超音波トランスデューサ角度制御手段と、
    前記「制御情報」に含まれる「聴者位置情報」を基に、前記信号波振幅調整手段の振幅
    増幅率をそれぞれ決定し、設定する信号波振幅増幅率制御手段と
    を備えることを特徴とする聴者誘導装置。
  4. 前記記録媒体には、
    前記超音波トランスデューサの音波放射軸に対する前記聴者の所在位置の角度を計測す
    る角度計測手段をさらに含み、
    また、前記「制御情報」には前記角度計測手段から出力される「聴者角度情報」がさら
    に含まれ、
    前記超音波スピーカシステムには、
    前記「聴者位置情報」、「目的対象物識別情報」および「聴者角度情報」の3つの情報
    に基づいて、予め用意された複数の音声信号の中から聴者を誘導するための音声信号を選
    択する信号波選択制御手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項3に記載の聴者誘導装置。
  5. 前記記録媒体には、
    複数の聴者の中から特定の聴者を識別する「聴者識別情報」を記憶する手段を備え、
    また、前記「制御情報」には前記「聴者識別情報」がさらに含まれ、
    前記超音波スピーカシステムには、
    前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」を基に、同じ超音波スピーカシステム
    が複数の聴者により同時に選択された場合に、該選択された超音波スピーカシステムに対
    する前記複数の聴者間の優先度を前記「聴者識別情報」に基づいて制御する聴者優先度制
    御手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載の聴者誘導装置。
  6. 前記「聴者識別情報」を基に、前記音声信号の先頭に聴者を識別するための情報を付加
    する聴者識別信号付加手段を
    備えることを特徴とする請求項5に記載の聴者誘導装置。
  7. 音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導する聴者誘導装置における聴者誘導
    方法であって、
    可聴周波数帯の音声信号により超音波周波数帯のキャリア波を変調し、該変調波により
    超音波トランスデューサを駆動することにより可聴周波数帯の音声信号を聴者の位置で再
    生する超音波スピーカシステムを施設内の複数の場所に配置する手順と、
    前記聴者の「位置情報」を検出するための位置計測手順と、
    複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報
    」を、その目的とする対象物の位置情報と共に記憶する識別情報記憶手順と、
    前記聴者の「位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、前記複数の超音波スピー
    カシステムの中から、聴者を目的場所に誘導するための超音波スピーカシステムを、移動
    する聴者の位置に応じて選択し駆動するための超音波スピーカ駆動制御手順と、
    前記選択された超音波スピーカシステムから放射される音声信号を、聴者を誘導するた
    めに予め用意された複数の音声信号の中から前記聴者の「位置情報」と「対象物識別情報
    」に応じて選択する信号波選択制御手順と
    を含むことを特徴とする聴者誘導方法。
  8. 音声信号により聴者を施設内の目的の位置まで誘導する聴者誘導装置における聴者誘導
    方法であって、
    可聴周波数帯の音声信号によりキャリア波を変調し、該変調波により超音波トランスデ
    ューサを駆動することにより可聴周波数帯の音声信号を再生する超音波スピーカシステム
    を施設内の複数の場所に配置する手順と、
    前記聴者の「聴者位置情報」を検出するために位置計測手順と、
    複数の対象物の中から聴者が目的とする対象物を識別するための「目的対象物識別情報
    」と、前記聴者の「聴者位置情報」とを「制御情報」として記憶する記憶手順と、
    前記聴者が施設内を移動する場合に、前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」
    とを基に、前記複数の超音波スピーカシステムの中から、前記聴者の目的対象物の場所に
    近い方向に設置され、前記聴者に最も近くかつ聴者に音波を届けることが可能な位置に設
    置された超音波スピーカシステムを選択し駆動する超音波スピーカ駆動制御手順と、
    前記選択された超音波スピーカの超音波トランスデューサの音響放射面の方向が、前記
    「聴者位置情報」を基に、前記聴者の方向に向くように制御する超音波トランスデューサ
    角度制御手順と、
    前記「聴者位置情報」を基に、前記選択された超音波スピーカシステムから放射される
    音声信号の音量を制御する信号波振幅増幅率制御手順と
    を含むことを特徴とする聴者誘導方法。
  9. 前記「制御情報」には、前記選択された超音波スピーカシステムの超音波トランスデュ
    ーサの音波放射軸に対する前記聴者の所在位置の角度の情報を示す「聴者角度情報」がさ
    らに含まれ、
    前記「聴者位置情報」、「目的対象物識別情報」および「聴者角度情報」の3つの情報
    に基づいて、予め用意された複数の音声信号の中から聴者を誘導するための音声信号を選
    択する信号波選択制御手順を
    さらに含むこと特徴とする請求項8に記載の聴者誘導方法。
  10. 前記「制御情報」にはさらに、複数の聴者の中から特定の聴者を識別する「聴者識別情
    報」が含まれ、
    前記「聴者位置情報」と「目的対象物識別情報」とを基に、同じ超音波スピーカシステ
    ムが複数の聴者により同時に選択された場合に、該選択された超音波スピーカシステムに
    対する前記複数の聴者間の優先度を前記「聴者識別情報」に基づいて制御する聴者優先度
    制御手順を
    さらに含むこと特徴とする請求項8または請求項9に記載の聴者誘導方法。
  11. 前記「聴者識別情報」に応じて、前記音声信号の先頭に聴者を識別するための情報を付
    加する聴者識別信号付加手順を
    含むこと特徴とする請求項10に記載の聴者誘導方法。
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